JP5352547B2 - 車両用パワーユニット - Google Patents

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Description

本発明は、車両の左右方向に延びるクランクシャフトと、該クランクシャフトと平行な軸線を有しつつ同軸に並んで配置される第1および第2メインシャフトと、第1および第2メインシャフトと平行な軸線を有するカウンタシャフトとがエンジンケースで回転自在に支承され、第1および第2メインシャフトと、前記カウンタシャフトとの間には選択的に確立される複数変速段のギヤ列が設けられ、前記クランクシャフトから第1および第2メインシャフトに伝達される回転動力を断・接する第1および第2クラッチが、第1および第2メインシャフトの相互に反対側の端部に配設される車両用パワーユニットに関する。
同軸に配置される一対のメインシャフトと、それらのメインシャフトと平行な軸線を有するカウンタシャフトとの間に、選択的に確立される複数変速段のギヤ列が設けられ、前記クランクシャフトから一対の前記メインシャフトに伝達される回転動力を断・接する一対のクラッチが、両メインシャフトの相互に反対側の端部に配設されるようにした車両用パワーユニットが、特許文献1で知られている。
特開2010−106983号公報
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、一方のメインシャフトおよびカウンタシャフト間のギヤ列と、他方のメインシャフトおよびカウンタシャフト間のギヤ列とが確立した状態で一対のクラッチがともに接続状態となることを回避するために、両クラッチにバックトルク制限装置が設けられている。このためバックトルク制限装置専用の部品を各クラッチに組み込む必要があり、クラッチの構造の複雑化や、それに伴う重量増大化、さらに部品点数およびコストの増大が課題として生じていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、部品点数を低減した簡単な構成で一対のクラッチの同時接続が生じないようにした車両用パワーユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、車両の左右方向に延びるクランクシャフトと、該クランクシャフトと平行な軸線を有しつつ同軸に並んで配置される第1および第2メインシャフトと、第1および第2メインシャフトと平行な軸線を有するカウンタシャフトとがエンジンケースで回転自在に支承され、第1および第2メインシャフトと、前記カウンタシャフトとの間には選択的に確立される複数変速段のギヤ列が設けられ、前記クランクシャフトから第1および第2メインシャフトに伝達される回転動力を断・接する第1および第2クラッチが、第1および第2メインシャフトの相互に反対側の端部に配設される車両用パワーユニットにおいて、第1および第2メインシャフトの軸方向に作動することで断・接を切換えるようにして第1および第2クラッチがそれぞれ備える切換用作動部材間に、第1および第2メインシャフト内に同軸に挿入されるロッドを少なくとも有する交互断・接アシスト機構が、第1および第2クラッチの交互の断・接をアシストするようにして介設されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記交互断・接アシスト機構が、第1および第2クラッチの前記切換用作動部材の少なくとも一方と、前記ロッドとの間に介設される弾性部材を備えることを第2の特徴とする。
本発明は、第2の特徴の構成に加えて、前記弾性部材が、第1および第2クラッチの前記切換用作動部材のいずれか一方と、前記ロッドとの間に介設されることを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記交互断・接アシスト機構が、第1および第2クラッチの前記切換用作動部材を前記ロッドの端部で直接押すことで第1および第2クラッチの断・接をアシストするように構成されることを第4の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ロッドの長さが、第1および第2クラッチがともに接続状態にあるときの両切換用作動部材間の長さよりも長く、第1および第2クラッチの一方だけが接続状態にあるときの両切換用作動部材間の長さよりも短く設定されることを第5の特徴とする。
なお実施の形態のクランクケース21が本発明のエンジンケースに対応し、実施の形態の第1リフタ69および第2リフタ84が本発明の切換用作動部材に対応し、実施の形態のコイルスプリング92が本発明の弾性部材に対応する。
本発明の第1の特徴によれば、第1および第2クラッチがそれぞれ備える切換用作動部材間に、第1および第2メインシャフト内に同軸に挿入されるロッドを少なくとも有する交互断・接アシスト機構が介設され、交互断・接アシスト機構が第1および第2クラッチの交互の断・接をアシストするので、第1および第2クラッチ間での切換がよりスムーズに行われるとともに、部品点数を削減した簡単な構成で一対のクラッチの同時接続が生じないようにすることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、交互断・接アシスト機構が、第1および第2クラッチの切換用作動部材の少なくとも一方と、ロッドとの間に介設される弾性部材を備えるものであり、交互断・接アシスト機構の作動時に弾性部材によって作動音を低減することが可能となるとともに、ロッドの軸方向の位置決めを弾性部材で果たすことができる。
本発明の第3の特徴によれば、第1および第2クラッチの切換用作動部材のいずれか一方と、ロッドとの間に弾性部材が介設されるので、第1および第2クラッチの切換用作動部材の両方と、ロッドとの間に弾性部材が介設されるのに比べて部品点数を低減することができる。
本発明の第4の特徴によれば、第1および第2クラッチの切換用作動部材をロッドの端部で直接押すように交互断・接アシスト機構が構成されるので、両切換用作動部材の位置精度が向上する。
本発明の第5の特徴によれば、ロッドの長さが、第1および第2クラッチがともに接続状態にあるときの両切換用作動部材間の長さよりも長く、第1および第2クラッチの一方だけが接続状態にあるときの両切換用作動部材間の長さよりも短いので、両クラッチがともに接続状態となることを確実に防止することができるとともに、第1および第2クラッチの交互断・接を妨げることがない。
第1の実施の形態の自動二輪車の全体側面図である。 パワーユニットの側面図である。 図2の3−3線に沿う断面図である。 図3の要部拡大図である。 第2の実施の形態の図4に対応した断面図である。
本発明の実施の形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の第1の実施の形態について図1〜図4を参照しながら説明すると、先ず図1において、車両である自動二輪車の車体フレームFは、前輪WFを軸支するフロントフォーク11を操向可能に支承するヘッドパイプ12と、該ヘッドパイプ12から後下がりに延びる左右一対のメインフレーム13…と、両メインフレーム13…の後部に連設されて下方に延びる左右一対のピボットプレート14…とを有しており、ピボットプレート14…に前端が揺動可能に支承されるスイングアーム15の後部に後輪WRが軸支される。しかも前記ピボットプレート14の下部および前記スイングアーム15の前部間にはリンク16が設けられ、前記ピボットプレート14の上部および前記リンク16間にはクッションユニット17が設けられる。
前記メインフレーム13…およびピボットプレート14…には、パワーユニットPが懸架されており、該パワーユニットPから出力される回転動力は前後に延びるドライブシャフト18を介して前記後輪WRに伝達される。また前記車体フレームFにおける左側のピボットプレート14の下部にはサイドスタンド19が取付けられる。
図2において、前記パワーユニットPの一部を構成するエンジンEのエンジン本体20は、自動二輪車への搭載状態で前方に位置する前部バンクBFと、該前部バンクBFよりも後方に位置する後部バンクBRとを有してV型の水冷式に構成されるものであり、両バンクBF,BRに共通なエンジンケースとしてのクランクケース21に、自動二輪車の左右方向に沿うクランクシャフト22が回転自在に支承される。
前記クランクケース21は、上部ケース半体21aおよび下部ケース半体21bが結合されて成るものであり、前部および後部シリンダブロックBF,BRがV字形をなすようにして上部ケース半体21aに一体に形成され、前記クランクシャフト22の軸線は前記上部ケース半体21aおよび前記下部ケース半体21bの結合面上に配置される。
前部バンクBFは、前部シリンダブロック23Fと、前部シリンダブロック23Fに結合される前部シリンダヘッド24Fと、前部シリンダヘッド24Fに結合される前部ヘッドカバー25Fとで構成され、後部バンクBRは、後部シリンダブロック23Rと、後部シリンダブロック23Rに結合される後部シリンダヘッド24Rと、後部シリンダヘッド24Rに結合される後部ヘッドカバー25Rとで構成され、前記クランクケース21の下部にはオイルパン26が結合される。
図3を併せて参照して、前部バンクBFの前部シリンダブロック23Fには一対のピストン27…が摺動可能に嵌合され、後部バンクBRの後部シリンダブロック23Rにも一対のピストン(図示せず)が摺動可能に嵌合され、それらのピストン27…は前記クランクシャフト22に共通に連接される。
前記クランクケース21には、該クランクケース21の左側面との間に第1クラッチ室31を形成する左カバー28が締結されるとともに、前記クランクケース21の右側面との間に第2クラッチ室32を形成する右カバー29が締結される。また前記クランクシャフト22の一端部は前記クランクケース21を回転自在に貫通して第1クラッチ室31に突出し、前記クランクシャフト22の他端部は前記クランクケース21を回転自在に貫通して第2クラッチ室32に突出する。
前記クランクケース21には、前記クランクシャフト22と平行な軸線を有しつつ同軸に並ぶ第1および第2メインシャフト33,34が回転自在に支承されており、前記クランクケース21の左側壁を回転自在に貫通する第1メインシャフト33の一端部は第1クラッチ室31に突出し、第1メインシャフト33の中間部およびクランクケース21間には第1ボールベアリング35が介装され、第1メインシャフト33の他端部およびクランクケース間には第2ボールベアリング36が介装される。また第2メインシャフト34はその一端部を第1メインシャフト33の他端部に同軸に対向配置するとともに他端部を第2クラッチ室32に突出させるようにして前記クランクケース21の右側壁を回転自在に貫通するものであり、第2メインシャフト34の一端部および前記クランクケース21間には第3ボールベアリング37が介装され、第2メインシャフト34の中間部および前記クランクケース21の右側壁間には第4ボールベアリング38が介装される。
前記クランクシャフト22の回転動力は、第1クラッチ室31に配置される第1一次減速ギヤ列39および第1クラッチ41を介して第1メインシャフト33に伝達されるとともに、第2クラッチ42室32に配置される第2一次減速ギヤ列40および第2クラッチ42を介して第2メインシャフト34に伝達されるものであり、前記クランクシャフト22から第1および第2メインシャフト33,34に伝達される回転動力を断・接する第1および第2クラッチ41,42は、同軸上に並ぶ第1および第2メインシャフト33,34の相互に反対側の端部に配設される。
前記クランクケース21には、前記クランクシャフト22と平行な軸線を有するカウンタシャフト43が回転自在に支承されるものであり、このカウンタシャフト43の一端部は前記クランクケースの左側壁に第5ボールベアリング44を介して回転自在に支承され、カウンタシャフト43の他端部は前記クランクケース21の右側壁にローラベアリング45を介して回転自在に支承される。
第1メインシャフト33および前記カウンタシャフト43間には、第1、第3および第5速用ギヤ列G1,G3,G5が択一的に確立可能に設けられ、第2メインシャフト34および前記カウンタシャフト43間には、第2、第4および第6速用ギヤ列G2,G4,G6が択一的に確立可能に設けられる。
前記クランクケース21には、前記カウンタシャフト43と平行な軸線を有するファイナルシャフト48が回転自在に支承されており、クランクケース21の左側壁を回転自在に貫通する前記ファイナルシャフト48の一端部は、ベベルギヤ機構49を介して前記ドライブシャフト18に連動、連結される。而してファイナルシャフト48の一端部および前記クランクケース21の左側壁間には第6ボールベアリング50が介装され、ファイナルシャフト48の他端部および前記クランクケース21の右側壁間には第7ボールベアリング51が介装される。
前記カウンタシャフト43の回転動力は、ファイナルギヤ列52と、前記クランクシャフト22から前記後輪WRまでのトルク伝達経路に発生する過大トルクを吸収するトルクダンパ53とを介してファイナルシャフト48に伝達される。
而してファイナルギヤ列52は、クランクケース21の右側壁および第2速用ギヤ列G2間に配置されて前記カウンタシャフト43とともに回転するファイナルドライブギヤ54と、該ファイナルドライブギヤ54に噛合して前記ファイナルシャフト48に相対回転可能に支承されるファイナルドリブンギヤ55とから成る。
またトルクダンパ53は、前記ファイナルドリブンギヤ55に対向して前記ファイナルシャフト48に相対回転不能かつ軸方向相対移動を可能として支承されるカム部材56と、該カム部材56を前記ファイナルドリブンギヤ55側に向けて付勢するダンパスプリング57とを備える。
前記ファイナルドリブンギヤ55の前記カム部材56に対向する側面には凹部58が設けられ、該凹部58の閉塞端に形成される入力側カム部59に当接する出力側カム部60が前記カム部材56に形成される。また前記ダンパスプリング57はファイナルシャフト48を囲繞するコイルスプリングであり、ダンパスプリング57の一端を受けるリテーナ61がファイナルシャフト48に固定され、ダンパスプリング57の他端が前記ファイナルドリブンギヤ55と反対側から前記カム部材56に当接される。
このようなトルクダンパ53によれば、前記ファイナルドリブンギヤ55および前記カム部材56間に所定トルク以下のトルクが作用するときには前記ファイナルドリブンギヤ55および前記カム部材56を一体的に回転させるものの、自動二輪車のエンジンブレーキ時等のエンジンEの減速時に前記ファイナルドリブンギヤ55および前記カム部材56間に所定トルクを超えるトルクが作用したときには、前記ファイナルドリブンギヤ55および前記カム部材56間に回転方向での滑りが生じ、前記カム部材56が前記ダンパスプリング57のばね力に抗して前記ファイナルドリブンギヤ55から遠ざかる側に移動しながら前記過大トルクを吸収する。
図4を併せて参照して、前記クランクシャフト22からの回転動力の第1メインシャフト33への伝達を断・接するようにして第1クラッチ室31に収容される第1クラッチ41は、第1メインシャフト33の一端部に相対回転自在に支承される第1クラッチアウタ62と、第1クラッチアウタ62に係合される複数枚の第1摩擦板63,63…と、第1メインシャフト33に相対回転不能に結合される第1クラッチインナ64と、第1摩擦板63,63…と交互に配置されて第1クラッチインナ64に係合される複数枚の第2摩擦板65,65…と、交互に配置される第1および第2摩擦板63,63…;65,65…のうち軸方向内方の摩擦板に対向して第1クラッチインナ64に一体に設けられる第1受圧板66と、交互に配置される第1および第2摩擦板63,63…;65,65…のうち軸方向外方の摩擦板に外周部を対向させる皿状の第1押圧部材67と、第1受圧板66との間に第1および第2摩擦板63,63…;65,65…を圧着する側に第1押圧部材67を付勢するようにして第1クラッチインナ64および第1押圧部材67間に介装される第1クラッチスプリング68と、左カバー28に一端部が摺動可能に嵌合されるとともに円筒状である第1メインシャフト33に摺動可能に嵌合される円筒部69aを他端側に有して第1押圧部材67と同軸に配置されるとともに第1押圧部材67の内周部に第1レリーズベアリング70を介して連結される切換用作動部材としての第1リフタ69とを備え、第1リフタ69の一端部には、図示しないアクチュエータによって回動駆動されるようにして左カバー28に摺動自在に嵌合される第1回動軸71が、その回動によって第1リフタ69を軸方向に駆動するようにして連動、連結される。
このような第1クラッチ41では、アクチュエータの非作動状態では、第1押圧部材67が第1クラッチスプリング68で係合側に付勢されているので、第1クラッチ41は動力伝達状態にある。次いでアクチュエータを作動せしめて第1リフタ69を軸方向に作動せしめると、その駆動力が、第1レリーズベアリング70から第1押圧部材67に伝達され、第1押圧部材67が第1クラッチスプリング68を圧縮しながら第1および第2摩擦板63,63…;65,65…をその圧着力が弱まる側に押圧し、第1クラッチアウタ62および第1クラッチインナ64間の動力伝達が遮断された状態となる。
ところで第1メインシャフト33には、前記クランクシャフト22からの回転動力が第1一次減速ギヤ列39および第1クラッチ41を介して伝達されるものであり、第1一次減速ギヤ列39は、前記クランクシャフト22の一端部に固定される第1一次ドライブギヤ72と、第1一次ドライブギヤ72に噛合して第1メインシャフト33と同軸に配置される第1一次ドリブンギヤ73とで構成される。第1一次ドリブンギヤ73は第1メインシャフト33に相対回転可能に支承され、第1ダンパスプリング74を介して第1クラッチアウタ62に連結される。
前記クランクシャフト22からの回転動力の第2メインシャフト34への伝達を断・接するようにして第2クラッチ室32に収容される第2クラッチ42は、第2メインシャフト34の他端部に相対回転自在に支承される第2クラッチアウタ77と、第2クラッチアウタ77に係合される複数枚の第3摩擦板78,78…と、第2メインシャフト34に相対回転不能に結合される第2クラッチインナ79と、第3摩擦板78,78…と交互に配置されて第2クラッチインナ79に係合される複数枚の第4摩擦板80,80…と、交互に配置される第3および第4摩擦板78,78…;80,80…のうち軸方向内方の摩擦板に対向して第2クラッチインナ79に一体に設けられる第2受圧板81と、交互に配置される第3および第4摩擦板78,78…;80,80…のうち軸方向外方の摩擦板に外周部を対向させる皿状の第2押圧部材82と、第2受圧板81との第3および第4摩擦板78,78…;80,80…を圧着する側に第2押圧部材82を付勢するようにして第2クラッチインナ79および第2押圧部材82間に介装される第2クラッチスプリング83と、円筒状である第2メインシャフト34に摺動可能に嵌合される円筒部84aを一端側に有するとともに右カバー29に他端部が摺動可能に嵌合されて第2押圧部材82と同軸に配置されるとともに第2押圧部材82の内周部に第2レリーズベアリング85を介して連結される切換用作動部材としての第2リフタ84とを備え、第2リフタ84の他端部には、図示しないアクチュエータによって回動駆動されるようにして右カバー29に摺動自在に嵌合される第2回動軸86が、その回動によって第2リフタ84を軸方向に駆動するようにして連動、連結される。
第2メインシャフト34には、前記クランクシャフト22からの回転動力が第2一次減速ギヤ列40および第2クラッチ42を介して伝達されるものであり、第2一次減速ギヤ列40は、前記クランクシャフト22の右側端部に固定される第2一次ドライブギヤ87と、第2一次ドライブギヤ87に噛合して第2メインシャフト34と同軸に配置される第2一次ドリブンギヤ88とで構成される。第2一次ドリブンギヤ88は、第2メインシャフト34に相対回転可能に支承され、第2ダンパスプリング89を介して第2クラッチアウタ77に連結される。
第1および第2クラッチスプリング68,83のばね付勢力で接続するよう構成される第1および第2クラッチ41,42の第1および第2リフタ69,84間には、第1および第2メインシャフト33,34内に同軸に挿入されるロッド91を少なくとも有する交互断・接アシスト機構90Aが、第1および第2クラッチ41,42の交互の断・接をアシストするようにして介設される。
前記交互断・接アシスト機構90Aは、第1および第2リフタ69,84の少なくとも一方と、前記ロッド91との間に介設される弾性部材としてのコイルスプリング92を備えるものであり、この実施の形態では、前記コイルスプリング92が、第1および第2リフタ69,84のうち第1リフタ69と、前記ロッド91との間に介設される。
すなわち前記ロッド91の一端部が第1リフタ69の円筒部69a内に摺動可能に嵌合され、このロッド91の一端および第1リフタ69間に設けられるコイルスプリング92が前記円筒部69a内に収容される。また前記ロッド91の他端部は第2リフタ84の円筒部84a内に嵌合され、ロッド91の他端部は第2リフタ84に当接される。
このような交互断・接アシスト機構90Aによれば、第1および第2クラッチ41,42のうち第2クラッチ42を接続状態とすべく第2リフタ84が第3および第4摩擦板78,78;80,80…を圧着する側に移動すると、前記ロッド91が第1クラッチ41側の前記コイルスプリング92を圧縮する側に移動する。このため第1クラッチ41を切断状態とする側に第1リフタ69を駆動する動作が遅れたり、アクチュエータの故障等に第1クラッチ41を切断できなくなっている場合に、第1リフタ69には圧縮された前記コイルスプリング92の荷重が作用する。而して第1クラッチ41における第1クラッチスプリング68の荷重をF1とし、第1および第2クラッチ41,42がともに接続状態にあるときの前記コイルスプリング92の荷重をFCとしたときに、第1クラッチ41での有効荷重は(F1−FC)となり、クラッチ容量が低下することになる。また第1クラッチ41を接続状態とすべく第1リフタ69が第1および第2摩擦板63,63…;65,65…を圧着する側に移動したときに、第2クラッチ42を切断状態とする側に第2リフタ84を駆動する動作が遅れたり、アクチュエータの故障等に第2クラッチ42を切断できなくなっている場合に、第2リフタ84には圧縮された前記コイルスプリング92の荷重が作用することになり、第2クラッチ42における第2クラッチスプリング83の荷重をF2としたときに、第2クラッチ42での有効荷重は(F2−FC)となり、クラッチ容量が低下することになる。
しかも前記ロッド91の長さは、第1および第2クラッチ41,42がともに接続状態にあるときの両リフタ69,84間の長さよりも長く、第1および第2クラッチ41,42の一方だけが接続状態にあるときの両リフタ69,84間の長さよりも短く設定されている。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、第1および第2クラッチスプリング68,83のばね付勢力で接続するよう構成される第1および第2クラッチ41,42の第1および第2リフタ69,84間には、第1および第2メインシャフト33,34内に同軸に挿入されるロッド91を少なくとも有する交互断・接アシスト機構90Aが、第1および第2クラッチ41,42の交互の断・接をアシストするようにして介設されるので、第1および第2クラッチ41,42間での切換がよりスムーズに行われるとともに、部品点数を削減した簡単な構成で一対のクラッチ41,42の同時接続が生じないようにすることができる。
また前記交互断・接アシスト機構90Aが、第1および第2リフタ69,84の少なくとも一方と、前記ロッド91との間に介設されるコイルスプリング92を備えるものであるので、交互断・接アシスト機構90Aの作動時にコイルスプリング92によって作動音を低減することが可能となるとともに、ロッド91の軸方向の位置決めをコイルスプリング92で果たすことができる。
しかも第1および第2リフタ69,84のいずれか一方と、ロッド91との間にコイルスプリング92が介設されるので、第1および第2リフタ69,84の両方と、ロッド91との間にコイルスプリング92が介設されるのに比べて部品点数を低減することができる。
さらに前記ロッド91の長さが、第1および第2クラッチ41,42がともに接続状態にあるときの両リフタ69,84間の長さよりも長く、第1および第2クラッチ41,42の一方だけが接続状態にあるときの両リフタ69,84間の長さよりも短く設定されるので、万一アクチュエータの故障等により第1および第2クラッチ41,42をともに切断できなくなっても、前記ロッド91が第1および第2リフタ69,84の両方に当接し、第1および第2クラッチ41,42がともに接続状態となることを確実に防止することができるとともに、第1および第2クラッチ41,42の交互断・接を妨げることがない。
本発明の第2の実施の形態について図5を参照しながら説明するが、第1の実施の形態に対応する部分には同一の参照符号を付して図示するのみとし、詳細な説明は省略する。
第1および第2クラッチスプリング68,83のばね付勢力で接続するよう構成される第1および第2クラッチ41,42の第1および第2リフタ69,84間には、第1および第2メインシャフト33,34内に同軸に挿入されるロッド93を少なくとも有する交互断・接アシスト機構90Bが、第1および第2クラッチ41,42の交互の断・接をアシストするようにして介設される。
前記交互断・接アシスト機構90Bは、第1および第2リフタ69,84を前記ロッド93の端部で直接押すことで第1および第2クラッチ41,42の断・接をアシストするように構成されており、前記ロッド93と、第1および第2リフタ69,84のいずれか一方との間には、第1および第2メインシャフト33,34内での前記ロッド93の位置決め、ならびに公差吸収を果たすためのコイルスプリング94がごく弱いばね力を発揮するようにして介設される。
この第2の実施の形態によれば、第1および第2クラッチ41,42の第1および第2リフタ69,84をロッド93の端部で直接押すように交互断・接アシスト機構90Bが構成されるので、第1および第2リフタ69,84の位置精度が向上する。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
21・・・エンジンケースとしてのクランクケース
22・・・クランクシャフト
33・・・第1メインシャフト
34・・・第2メインシャフト
41・・・第1クラッチ
42・・・第2クラッチ
43・・・カウンタシャフト
69,84・・・切換用作動部材としてのリフタ
90A,90B・・・交互断・接アシスト機構
91,93・・・ロッド
92・・・弾性部材であるコイルスプリング
G1,G2,G3,G4,G5,G6・・・ギヤ列
P・・・パワーユニット

Claims (5)

  1. 車両の左右方向に延びるクランクシャフト(22)と、該クランクシャフト(22)と平行な軸線を有しつつ同軸に並んで配置される第1および第2メインシャフト(33,34)と、第1および第2メインシャフト(33,34)と平行な軸線を有するカウンタシャフト(43)とがエンジンケース(21)で回転自在に支承され、第1および第2メインシャフト(33,34)と前記カウンタシャフト(43)との間には選択的に確立される複数変速段のギヤ列(G1,G2,G3,G4,G5,G6)が設けられ、前記クランクシャフト(22)から第1および第2メインシャフト(33,34)に伝達される回転動力を断・接する第1および第2クラッチ(41,42)が、第1および第2メインシャフト(33,34)の相互に反対側の端部に配設される車両用パワーユニットにおいて、第1および第2メインシャフト(33,34)の軸方向に作動することで断・接を切換えるようにして第1および第2クラッチ(41,42)がそれぞれ備える切換用作動部材(69,84)間に、第1および第2メインシャフト(33,34)内に同軸に挿入されるロッド(91,93)を少なくとも有する交互断・接アシスト機構(90A,90B)が、第1および第2クラッチ(41,42)の交互の断・接をアシストするようにして介設されることを特徴とする車両用パワーユニット。
  2. 前記交互断・接アシスト機構(90A)が、第1および第2クラッチ(41,42)の前記切換用作動部材(69,84)の少なくとも一方と、前記ロッド(91)との間に介設される弾性部材(92)を備えることを特徴とする請求項1記載の車両用パワーユニット。
  3. 前記弾性部材(92)が、第1および第2クラッチ(41,42)の前記切換用作動部材(69,84)のいずれか一方と、前記ロッド(91)との間に介設されることを特徴とする請求項2記載の車両用パワーユニット。
  4. 前記交互断・接アシスト機構(90B)が、第1および第2クラッチ(41,42)の前記切換用作動部材(69,84)を前記ロッド(93)の端部で直接押すことで第1および第2クラッチ(41,42)の断・接をアシストするように構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用パワーユニット。
  5. 前記ロッド(91,93)の長さが、第1および第2クラッチ(41,42)がともに接続状態にあるときの両切換用作動部材(69,84)間の長さよりも長く、第1および第2クラッチ(41,42)の一方だけが接続状態にあるときの両切換用作動部材(69,84)間の長さよりも短く設定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用パワーユニット。
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