JP5350772B2 - 車両の駆動制御装置及び発進制御方法 - Google Patents

車両の駆動制御装置及び発進制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、モータ若しくはエンジンの駆動トルクで車両を発進させる車両の駆動制御装置及び発進制御方法に関する。
従来の発進制御装置としては、例えば特許文献1に記載する装置がある。この装置は、モータ、第2クラッチ、駆動輪の順に接続する構成となっている。そして、運転者のアクセル踏み込み操作による待機状態からの発進を検出すると、第2クラッチを滑り締結させることで駆動トルクを駆動輪に伝達する。このとき、クラッチ滑り量と現在の油温とから、完全締結時におけるクラッチフェーシング温度上昇を求める。そして、上記第2クラッチの目標クラッチ締結トルクを、この温度上昇によりクラッチ保護温度内に収まる最も高い締結トルクに制限する。これによって、第2クラッチの保護を図る。
特開2006−315488号公報
上記従来例では、目標クラッチ締結トルクを、クラッチ保護温度内に収まる最も高い締結トルクに制限している。このことは、クラッチ伝達トルクを制限することなる。このクラッチ伝達トルクの制限は、発進時の駆動に対する制限となる。
本発明は、上記のような点を考慮したものであり、クラッチの保護を図りつつクラッチ伝達トルクの制限による発進時の駆動力制限を低減若しくは解除することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、車両発進要求を検出すると、駆動源の駆動トルクを目標駆動トルクに制御すると共に、変速機の一部を構成する第1のクラッチを滑り締結に制御することで、駆動源の駆動トルクを変速機を介して駆動輪に伝達する。このとき、第1のクラッチの温度が所定保護温度以上と判定すると、変速スケジュールに関係なく、ギア比を変更してシフトアップする指令であるアップ変速指令を出力し、変速機内のクラッチのうち、第1のクラッチとは異なるアップ変速後のクラッチを選定し、選定したクラッチを滑り締結することでアップ変速を終了する。また、アップ変速指令を出力するのに同期して、変速による変速機の出力トルクの変化分に応じて目標駆動トルクを増大する。
本発明によれば、滑り締結するクラッチをクラッチ温度によって選定し変更することで、クラッチ発熱からクラッチを保護出来る。
また、クラッチ発熱の状態に応じて滑り締結するクラッチを選定して変更する事で、クラッチ発熱の状態に応じて滑り締結している時間を調整可能となる。このため、滑り締結しているクラッチの目標クラッチ締結トルクの制限を、回避若しくは低減することが可能となる。
以上のことから、クラッチの保護を図りつつクラッチ伝達トルクの制限による発進時の駆動力制限を低減若しくは解除することが可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、車両としてハイブリッド車両を例に挙げて説明するが、エンジンだけ若しくはモータだけで駆動する構成の車両であっても適用可能である。
図1は実施形態の制駆動装置を備える後輪駆動によるハイブリッド車両の概要構成図である。
(構成)
まず駆動系の構成について説明する。
エンジンEから左右後輪(駆動輪)までのトルク伝達経路の途中に、モータMG及び自動変速機AT(=トランスミッションT/M)を介装する。第2クラッチCL2は、自動変速機AT(=トランスミッションT/M)の一部を構成する。また、エンジンEとモータMGとの間に、第1クラッチCL1を介装する。自動変速機ATは、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、及びドライブシャフトDSL、DSRを介して駆動輪に接続する。符号FL、FRは、従動輪としての左右前輪を示す。
上記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。エンジンは、後述するエンジンコントローラ1からの制御指令に基づき、スロットルバルブのバルブ開度等が制御可能となっている。なお、エンジンEの出力軸に、フライホイールFWを設ける。
上記モータMGは、例えばロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータである。モータMGは、後述するモータコントローラ2からの制御指令に基づき、インバータ3で作り出した三相交流を印加することで制御出来る。このモータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできる(以下、この状態を「力行」と呼ぶ)。また、モータMGは、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ4を充電することもできる(以下、この動作状態を「回生」と呼ぶ)。なお、このモータMGのロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結する。
上記第1クラッチCL1は、上記エンジンEとモータMGとの間に介装された油圧式単板クラッチである。上記第1クラッチCL1は、後述する第1クラッチコントローラ5からの制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6が作り出した制御油圧により、締結状態若しくは開放状態となる。なお、締結・開放には、滑り締結と滑り開放を含む。
上記第2クラッチCL2は、油圧式多板クラッチである。上記第2クラッチCL2は、後述するATコントローラ7からの制御指令に基づき、第2クラッチ油圧ユニット8で作り出した制御油圧により、締結状態若しくは開放状態となる。なお、締結・開放には、滑り締結と滑り開放を含む。
上記自動変速機ATは、例えば、前進5速後退1速や前進6速後退1速等の有段階の変速比を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。図2に変速機ATの構成例を示す。図2は、1速の場合である。図3に2速御場合を例示する。図3でCL2と記載するクラッチは、2速に変速したときに滑り締結制御を行うクラッチの例を示すものである。2速に変速したときに滑り締結制御を行うクラッチは、図3で示すクラッチとは別のクラッチであっても良い。2つ以上の滑り締結するクラッチ候補を選定し、クラッチ温度が低い方を選択するようにしても良い。
ここで、上記第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結する複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用して構成する。
次に、ハイブリッド車両の制御系の構成について説明する。
上記ハイブリッド車両の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有する。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線11を介して接続する。
上記エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報を入力する。そして、上記エンジンコントローラ1は、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne、Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
上記モータコントローラ2は、モータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報を入力する。そして、上記モータコントローラ2は、統合コントローラ10からの目標モータトルク指令等に応じ、モータMGのモータ動作点(Nm、Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電状態をあらわすバッテリSOCを監視していて、バッテリSOC情報は、モータMGの制御情報に用いると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
上記第1クラッチコントローラ5は、第1クラッチ油圧センサ14と第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報を入力する。そして上記第1クラッチコントローラ5は、統合コントローラ10からの第1クラッチ制御指令に応じ、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。なお、第1クラッチストロークC1Sの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
上記ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と車速センサ17と第2クラッチ油圧センサ18からのセンサ情報を入力する。そして、上記ATコントローラ7は、アクセル開度と車速とに基づき、変速スケジュールを参照して目標変速段を演算し、その演算した目標変速段に基づき変速制御を行う。
また、上記ATコントローラ7は、統合コントローラ10からの第2クラッチ制御指令に応じ、変速制御における第2クラッチ制御に優先し、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する。またこのとき、上記ATコントローラ7は、演算した目標変速段による変速制御に優先して、後述の滑り締結処理部10Hからの指令に応じて変速及び一部のクラッチを滑りクラッチ締結となる指令を、AT油圧コントロールバルブ内の上記滑り締結とするクラッチ油圧ユニットに出力する。なお、アクセル開度APと車速VSPの情報は、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給する。
上記ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19とブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報を入力する。上記ブレーキコントローラ9は、所定の制御サイクルで、ブレーキペダルのストローク量や車速VSPに基づき目標減速度P0を演算する。そして、目標減速度P0に相当する減速が車両に発生するように、各輪のブレーキユニットに制動力指令値を出力する。 また、上記ブレーキコントローラ9は、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークBSから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、回生協調ブレーキ制御を行う。すなわち、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、統合コントローラ10からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
上記統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。上記統合コントローラ10は、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21と、第2クラッチ出力回転数N2outを検出する第2クラッチ出力回転数センサ22と、第2クラッチ締結トルクTCL2を検出する第2クラッチ締結トルクセンサ23からの情報を入力する。また、上記統合コントローラ10は、CAN通信線11を介して取得した情報を入力する。そして、上記統合コントローラ10は、上記エンジンコントローラ1への制御指令によりエンジンEの動作制御を実行する。上記統合コントローラ10は、上記モータコントローラ2への制御指令によりモータMGの動作制御を実行する。上記統合コントローラ10は、上記第1クラッチコントローラ5への制御指令により第1クラッチCL1の締結・開放制御を実行する。上記統合コントローラ10は、上記ATコントローラ7への制御指令により第2クラッチCL2の締結・開放制御を実行する。
次に、基本動作モードについて説明する。
車両停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジンEを始動して発電を行い、バッテリ4を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチCL1は締結で第2クラッチCL2は開放のままでエンジンEを停止する。
エンジン発進時には、アクセル開度APとバッテリSOC状態によって、モータMGを連れ回し、力行/発電に切り替える。
モータ発進時では、ロールバックにより自動変速機ATの出力回転が負回転となったら、第2クラッチCL2の滑り制御を行い、モータMGの回転を正回転に維持する。次に、駆動力を車両が前進するまで上昇させ、第2クラッチCL2を滑り制御から締結に移行させる。
モータ走行は、エンジン始動に必要なモータトルクとバッテリ出力を確保し、不足する場合はエンジン走行に移行する。
燃費向上のために、モータ走行と発電上乗せ充電はセットで行う。つまり、モータトルクとバッテリ出力の制約により、走行可能範囲は、低負荷に限定する。
発電上乗せ充電は、エンジン燃料消費の最小点を狙い、走行に必要なトルクに発電トルクを上乗せして行う。但し、バッテリSOC上昇時は、発電を行わない。
アクセル踏み込み時のレスポンス向上のために、エンジントルク遅れ分をモータMGによりアシストする。
ブレーキON減速時には、運転者のブレーキ操作に応じた減速力を回生協調ブレーキ制御にて得る。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータMGを回生/力行させ、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
上記統合コントローラ10は、発進制御に関わる処理部として、図4に示すように、駆動制御部本体10A、目標エンジントルク演算部10B、目標クラッチトルク演算部10C、目標モータトルク演算部10D、エンジン走行モード用目標エンジントルク演算部10E、エンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部10F、エンジン走行モード用目標モータトルク演算部10G、及び滑り締結処理部10Hを備える。
駆動制御部本体10Aの処理を、図5を参照して説明する。
駆動制御部本体10Aは、ハイブリッド駆動制御(エンジン制御・モータ制御・第1クラッチ制御・第2クラッチ制御)の全体処理部である。
この駆動制御部本体10Aは、所定のサンプリング周期で実行する。駆動制御部本体10Aは、実行すると先ず、ステップS1で、バッテリSOC、バッテリ入力可能電力、及びアクセル開度に基づき、目標駆動力を演算する。
次に、ステップS2では、車速及びアクセル開度に基づき、変速スケジュールを参照して目標変速段を演算する。
ステップS3では、ステップS1で演算した目標駆動力及び車速に基づき、モードマップを参照して目標モードを演算する。
ここで、目標モードとしては、「エンジン走行モード」と「電気モータモード(以下、「EVモード」)」とがある。「エンジン走行モード」は、第1クラッチCL1を締結しエンジンEを主たる動力源とするモードである。「EVモード」は、第1クラッチCL1を開放しモータMGを動力源とするモードである。例えば、目標駆動力が大きい領域では、「エンジン走行モード」を選択する。
ステップS4では、目標エンジントルク演算部10Bで、目標駆動力に基づき目標エンジントルクを演算する。
ステップS5では、「エンジン走行モード」から「EVモード」へのモード遷移か、あるいは、「EVモード」から「エンジン走行モード」へのモード遷移か、を演算する。
ステップS6では、目標クラッチトルク演算部10Cで、第1クラッチCL1の目標クラッチ締結容量と第2クラッチCL2の目標クラッチ締結容量を演算する。
ステップS7では、目標駆動力が変化する過渡期に目標駆動力過渡補正を行う。
ステップS8では、目標モータトルク演算部10Dで、モータMGの目標モータトルクを演算する。
ステップS9では、エンジンコントローラ1、モータコントローラ2、第1クラッチコントローラ5、ATコントローラ7に対する最終指令値を演算し、復帰する。
次に、目標エンジントルク演算部10Bの処理について、図6を参照しつつ説明する。目標エンジントルク演算部10Bは、ステップS4にて実行する目標エンジントルクの演算処理である。
まずステップS41では、目標モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。目標モードがエンジン走行モードの場合はステップS42へ移行する。一方、目標モードがエンジン走行モードでない場合には、ステップS45へ移行する。
ステップS42では、現モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。現モードがエンジン走行モードの場合にはステップS43へ移行する。一方、現モードがエンジン走行モードでない場合にはステップS44へ移行する。
ステップS43では、エンジン走行モード用目標エンジントルク演算部10Eで、エンジン走行モード中の目標エンジントルクの演算を実施して、復帰する。
ステップS44では、エンジン始動時の目標エンジントルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS45では、現モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。現モードがエンジン走行モードである場合には、ステップS46へ移行する。一方、現モードがエンジン走行モードでない場合にはステップS47へ移行する。
ステップS46では、EVモード移行時の目標エンジントルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS47では、EV走行モード中の目標エンジントルクの演算を実施し、復帰する。
次に、目標クラッチトルク演算部10Cの処理について、図7を参照しつつ説明する。目標クラッチトルク演算部10Cは、ステップS6にて実行する目標クラッチトルクの演算処理である。
ステップS61では、目標モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。目標モードがエンジン走行モードである場合はステップS62へ移行する。一方、目標モードがエンジン走行モードでない場合にはステップS65へ移行する。
ステップS62では、現モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。現モードがエンジン走行モードである場合にはステップS63へ移行する。一方、現モードがエンジン走行モードで無い場合にはステップS64へ移行する。
ステップS63では、エンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部10Fで、エンジン走行モード中の目標クラッチトルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS64では、エンジン始動時の目標クラッチトルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS65では、現モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。現モードがエンジン走行モードである場合にはステップS66へ移行する。一方、現モードがエンジン走行モードで無い場合にはステップS67へ移行する。
ステップS66では、EVモード移行時の目標クラッチトルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS67では、EV走行モード中の目標クラッチトルクの演算を実施し、復帰する。
次に、目標モータトルク処理部を図8を参照して説明する。目標モータトルク処理部は、ステップS8にて実行する目標モータトルクの演算処理である。
ステップS81は、目標モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。目標モードがエンジン走行モードである場合にはステップS82へ移行する。一方、目標モードがエンジン走行モードで無い場合にはステップS85へ移行する。
ステップS82では、現モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。現モードがエンジン走行モードである場合にはステップS83へ移行する。一方、現モードがエンジン走行モードで無い場合にはステップS84へ移行する。
ステップS83では、エンジン走行モード用目標モータトルク演算部10Gで、エンジン走行モード中の目標モータトルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS84では、エンジン始動時の目標モータトルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS85では、現モードがエンジン走行モードであるか否かを判定する。現モードがエンジン走行モードである場合はステップS86へ移行する。現モードがエンジン走行モードで無い場合にはステップS87へ移行する。
ステップS86では、EVモード移行時の目標モータトルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS87では、EV走行モード中の目標モータトルクの演算を実施し、復帰する。
次に、エンジン走行モード用目標エンジントルク演算部10Eの処理を、図9を参照して説明する。エンジン走行モード用目標エンジントルク演算部10Eは、ステップS43にて実行するエンジン走行モード中の目標エンジントルクの演算処理である。
ステップS43−1では、車速≦判定閾値、かつ、要求駆動力≦0、かつ、アクセル開度>0との条件を満足するか否かを判定する。条件を満足する場合にはステップS43−3へ移行する。条件を満足しない場合にはステップS43−2へ移行する。
つまり、車速条件と要求駆動力条件とアクセル開度条件との3条件の成立判定により、要求駆動力の無い車両停止時(車速≦判定閾値、要求駆動力≦0)、ドライバがアクセル踏み込み操作(アクセル開度>0)により、エンジントルクを発生させながら待機している状況をみている。なお、「要求駆動力」は、アクセル開度から決まる目標回転数エンジントルクで発生できる駆動力とブレーキ踏み込みによる制動力の和により求めることが出来る。また、車速≦判定閾値、かつ、要求駆動力≦0という判定に代え、インヒビタースイッチ24によりNレンジ位置の選択判定を行っても良い。この場合、Nレンジ位置選択、かつ、アクセル開度>0の場合はステップS43−3へ移行し、アクセル開度>0のままでのN→Dセレクト時やN→Rセレクト時には、ステップS43−2へ移行する。
ステップS43−2では、通常におけるエンジン走行モード中の目標エンジントルクの演算する。例えば、アクセル開度に応じた駆動力要求に対しモータトルクを考慮した目標エンジントルクの演算を実施し、復帰する。
ステップS43−3では、アクセル開度に応じた設定回転数を目標エンジン回転数として設定し、ステップS43−4へ移行する。
ステップS43−4では、バッテリ入力可能電力(バッテリSOC最大値−バッテリSOC検出値)を回生可能バッテリ電力として設定し、ステップS43−5へ移行する。
ステップS43−5では、(回生可能バッテリ電力÷目標エンジン回転数×モータ効率)の式により求めた値を、バッテリ入力可能トルクとして設定し、ステップS43−6へ移行する。
ステップS43−6では、目標エンジン回転数−アクセル開度テーブルを用いて目標回転数エンジントルクを設定し、ステップS43−7へ移行する。
ステップS43−7では、ステップS43−5で求められたバッテリ入力可能トルクが、ステップS43−6で求めた目標回転数エンジントルク未満か否かを判定する。条件を満足する場合にはステップS43−8へ移行する。条件を満足しない場合にはステップS43−9へ移行する。
ステップS43−8では、目標エンジントルクにバッテリ入力可能トルクを代入し、復帰する。
ステップS43−9では、目標エンジントルクに目標回転数エンジントルクを代入し、復帰する。
次に、エンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部10Fの処理について、図10を参照して説明する。エンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部10Fは、ステップS63にて実行するエンジン走行モード中の目標クラッチトルクの演算処理である。
ステップS63−1では、車速≦判定閾値、かつ、要求駆動力≦0、かつ、アクセル開度>0の条件を満足するか否かを判定する。条件を満足する場合にはステップS63−2へ移行する。条件を満足しない場合にはステップS63−3へ移行する。なお、ステップS43−1と同様に、車速≦判定閾値、かつ、要求駆動力≦0という判定に代え、インヒビタースイッチ24によりNレンジ位置の選択判定を行っても良い。
ステップS63−2では、目標第2クラッチ締結トルクに0[Nm](第2クラッチCL2の開放)を代入し、復帰する。
ステップS63−3では、変速機AT中のクラッチ滑り処理中が否かを判定する。ここでは、車速がクラッチL/U車速以下か否かで判定する。車速がクラッチL/U車速以下の場合には、クラッチ滑り処理中と判定してステップS63−4へ移行する。クラッチ滑り処理中でない場合ステップS63−9へ移行する。
ステップS63−4では、アクセル開度に応じた設定回転数を目標エンジン回転数として設定し、ステップS63−5へ移行する。
ここで、目標エンジン回転数は、バッテリ入力状態によってモータトルクを回生できる範囲内で設定する、アクセル開度に応じた回転数である。更に、目標エンジン回転数は、第2クラッチCL2の締結によるエンジン回転数低下でアイドル回転数を下回らない回転数である。
ステップS63−5では、目標エンジン回転数に基づき、マップを参照して、第2クラッチ締結トルクを演算する。そして、演算した第2クラッチ締結トルクを、目標第2クラッチ締結トルクとして設定し、ステップS63−6に移行する。
ステップS63−6では、滑り締結処理部10Hで、変速機ATの滑り締結処理を演算して、復帰する。
ステップS63−9では、通常のエンジン走行中における目標第2クラッチ締結トルクの演算を実施し、終了へ移行する。
次に、滑り締結処理部10Hの処理を、図11を参照して説明する。滑り締結処理部10Hは、ステップS63−5における、変速機ATの滑り締結処理を演算する。
先ず、ステップS100で、1速での、第2クラッチCL2の滑り処理中か否かを判定する。第2クラッチCL2の滑り処理中の場合には、ステップS120に移行する。第2クラッチCL2の滑り処理中でない場合にはステップS210に移行する。
ステップS120では、第2クラッチCL2の発熱量(Q1)を計算により推定する。そして、ステップS130に移行する。
第2クラッチCL2の発熱量(Q1)は、次の式で求める。
Q1 = Tc ×ω×Δt
但し、
Tc:第2クラッチCL2の伝達トルク(クラッチ端)
ω:第2クラッチCL2のスリップ回転(クラッチ端)
Δt:2π/60(秒)
である。
また、クラッチの伝達トルクは、下記式で求めることが出来る。
クラッチの伝達トルク
= {(変速機ATへの入力軸トルク)−(変速機ATのフリクショントルク)}
×トルク分担比
ここで、トルク分担比とは、入力軸のトルクに対して、対象とするクラッチ自体に掛かるトルクの比率である。
また、クラッチのスリップ回転は、下記式で求めることが出来る。
クラッチのスリップ回転
={(変速機ATの入力軸回転)−(変速機ATの出力軸回転)×(ギア比) }
×回転数比
ここで、回転数比とは、トルク分担比の逆数である。
ステップS130では、第2クラッチCL2の発熱量(Q1)が所定発熱量Q1Lよりも大きいか否かを判定する。第2クラッチCL2の発熱量(Q1)が所定発熱量Q1Lよりも大きい場合にはステップS140に移行する。第2クラッチCL2の発熱量(Q1)が所定発熱量Q1L以下の場合には復帰する。所定温度Q1Lは、例えばクラッチ焼けを起こす可能性のある温度より若干低めの温度に設定する。
ステップS140では、アップ変速指令を出力する。具体的には2速への変速指令を出力する。
ステップS150では、変速後のスリップ対象クラッチを選定する。2速で締結するクラッチの一つであって、上記第2クラッチCL2とは異なるクラッチを滑り締結するクラッチとして選定する(図3参照)
ステップS160では、変速中に変速機ATの出力トルクが一定となるように、下記式のように、変速機ATの入力トルクに対し、変速によるギヤ比差分の上乗せトルクΔTinを算出する。
ΔTin=((Tin×Gz)−(Tin×Gn))/Gn
ここで
ΔTin:アップ変速時上乗せトルク
Tin:変速機ATの入力トルクトルク
Gz変速前ギヤ比
Gn:変速後ギヤ比
である。
ステップS170では、ATコントローラ7に対し、スリップ対象クラッチを滑り締結にした状態での2速への変速指令を出力する。
ステップS180では、スリップ対象のクラッチのクラッチ温度Q2を下記式で計算して求める。
Q2 =Tc×ω×Δt
ステップS190では、現在のスリップ対象のクラッチのクラッチ温度Q2が所定温度Q2Lより大きいか否かを判定する。現在のスリップ対象のクラッチのクラッチ温度Q2が所定温度Q2Lより大きい場合にはステップS200に移行する。現在のスリップ対象のクラッチのクラッチ温度Q2が所定温度Q2L以下の場合には、復帰する。所定温度Q2Lは、例えばクラッチ焼けを起こす可能性のある温度より若干低めの温度に設定する。所定温度Q2Lは、所定温度Q1Lと同じ温度である必要はない。またクラッチの構成によってクラッチ焼けを起こす可能性のある温度は異なる。
ステップS190では、同じ変速段内の他の締結クラッチにスリップ対象クラッチを切り替える指令をATコントローラ7に出力して、復帰する。
一方、第2クラッチCL2での滑り処理でないと判定してステップS210に移行すると、第2クラッチCL2の放熱量Q1Cを算出して、ステップS220に移行する。第2クラッチCL2の放熱量Q1Cは、第2クラッチCL2での滑りクラッチを停止してからの時間で推定すれば良い。
ステップS220では、第2クラッチCL2の放熱量Q1Cが所定温度Q1Lよりも小さいか否かを判定する。第2クラッチCL2の放熱量Q1Cが所定温度Q1Lよりも小さい場合にはステップS240に移行する。第2クラッチCL2の放熱量Q1Cが所定温度Q1L以上であればステップS230に移行する。
ステップS230では、2速での、スリップ対象クラッチのクラッチ締結トルクを、目標エンジン回転数に基づき、マップを参照して、演算して設定する。そして、ステップS180に移行する。
ステップS240では、変速段をダウンする変速指令を出力する。具体的には、2速から1速への変速指令を出力する。
ステップS240では、上乗せトルクΔTinをゼロにして、復帰する。
次に、エンジン走行モード用目標モータトルク演算部10Gの処理を、図12を参照して説明する。
ステップS83にて実行するエンジン走行モード中の目標モータトルクの演算処理である。
ステップS83−1では、車速≦判定閾値、かつ、要求駆動力≦0、かつ、アクセル開度>0の条件を満足するか否かを判定する。条件を満足する場合にはステップS83−2へ移行する。条件を満足しない場合にはステップS83−5へ移行する。なお、ステップS43−1と同様に、車速≦判定閾値、かつ、要求駆動力≦0という判定に代え、インヒビタースイッチ24によりNレンジ位置の選択判定を行っても良い。
ステップS83−2では、バッテリ入力可能トルクが目標エンジントルク以下か否かを判定する。条件を満足する場合にはステップS83−3へ移行する。条件を満足しない場合にはステップS83−4へ移行する。
ステップS83−3では、バッテリ入力可能トルクの範囲内で、PIフィードバック制御により目標エンジン回転数を維持するトルクを、目標モータトルク(回生トルク)として設定し、復帰する。
ステップS83−4では、目標エンジントルクの範囲内で、PIフィードバック制御により目標エンジン回転数を維持するトルクを、目標モータトルク(回生トルク)として設定し、復帰する。
ステップS83−5では、変速機ATでのクラッチスリップ制御中か否かを判定する。クラッチスリップ制御中の場合はステップS83−6へ移行する。クラッチスリップ制御中でない場合はステップS83−7へ移行する。
ステップS83−6では、{目標回転数エンジントルク−(目標第2クラッチ締結トルク+スリップ分トルク)}の式により得た正のトルクを目標モータトルクとして設定し、ステップS83−7に移行する。
つまり、第2クラッチCL2が滑り締結状態での目標モータトルクとして、目標回転数エンジントルクとの差で表すことが出来る第2クラッチCL2への入力トルクが、(目標第2クラッチ締結トルク+スリップ分トルク)となるように設定する。
ステップS83−7では、上記目標モータトルクを上乗せトルクΔTinだけ増大補正する。これによって、変速による変速機ATの出力トルクの変動を抑える。その後に、その目標モータトルクの符合反転した負の目標モータトルクとして設定し、復帰する。
ステップS83−8では、(駆動力分−第1クラッチCL1の伝達分)の式により得られたトルクを、目標モータトルクとして設定し、復帰する。
つまり、第1クラッチCL1を介して伝達されるエンジントルクとモータトルクとの和が、駆動力に一致するように目標モータトルクが設定する。
(作用・動作)
[アクセル踏み込み待機時]
運転者のアクセル踏み込み操作により、エンジントルクを発生させながらのNレンジ待機時の制御を行う。このとき、エンジントルク制御は、ステップS43−1→ステップS43−3→ステップS43−4→ステップS43−5→ステップS43−6へと処理を行う。このとき、ステップS43−3において、アクセル開度に応じた設定回転数を目標エンジン回転数として設定する。ステップS43−4において、回生可能バッテリ電力を設定する。ステップS43−5において、目標エンジン回転数と回生可能バッテリ電力に基づきバッテリ入力可能トルクを設定する。ステップS43−6において、目標エンジン回転数とアクセル開度に基づき目標回転数エンジントルクを設定する。そして、バッテリ入力回転数トルク<目標回転数エンジントルクの場合は、ステップS43−8へ進み、バッテリ入力回転数トルクを目標エンジントルクとする。一方、バッテリ入力回転数トルク≧目標回転数エンジントルクの場合は、ステップS43−9へ進み、目標回転数エンジントルクを目標エンジントルクとする。
またこのとき、アクセル踏み込みNレンジ待機時では、クラッチ演算処理部では、ステップS63−1→ステップS63−2へと処理を実行する。このとき、ステップS63−2において、目標第2クラッチ締結トルクを0[Nm]とする。つまり、第2クラッチCL2を開放状態とする。
また、アクセル踏み込みNレンジ待機時の制御のうち、モータトルク制御では、バッテリ入力回転数トルク≦目標エンジントルクの場合は、図8の処理において、ステップS83−1→ステップS83−2→ステップS83−3へと処理を実行する。このとき、ステップS83−3において、バッテリ入力可能トルクの範囲内で、PIフィードバック制御により目標エンジン回転数を維持するトルクを、目標モータトルクとして設定する。一方、バッテリ入力回転数トルク>目標エンジントルクの場合は、図8の処理において、ステップS83−1→ステップS83−2→ステップS83−4へと処理を実行する。このとき、ステップS83−4において、目標エンジントルクの範囲内で、PIフィードバック制御により目標エンジン回転数を維持するトルクを、目標モータトルクとして設定する。
以上のように、アクセル踏み込みNレンジ待機時には、目標エンジントルクを、アクセル開度に応じた目標エンジン回転数を得る目標回転数エンジントルクに設定する。また、目標第2クラッチ締結トルクをゼロとする。また、目標モータトルクを、前記目標エンジン回転数を維持するトルクに設定する制御を実行する。このため、シフトポジションがNのときのエンジン・モータトルクには、正のエンジントルクに対し負のモータトルクとなる。つまり、エンジンEからの駆動エネルギーをモータMGの回生作動によりバッテリ電力として回収することができる。
このシフトポジションがNのときの回転数は、アクセル開度に応じた目標エンジン回転数を維持するモータトルク制御により、エンジン・モータ回転数を一定に保持する。また、第2クラッチCL2の差回転は、自動変速機AT内の第2クラッチCL2より上流側のギヤトレーンにより減速した回転数と出力回転数(=0)との差であらわれる。
ここで、シフトポジションがNのときのクラッチトルク容量は、第1クラッチCL1は完全締結状態であり、第2クラッチCL2は開放状態である。なお、シフトポジションがNのときの駆動力は駆動力がゼロに維持される。
したがって、発進前のシフトポジションがNのときには、エンジントルクとモータトルクの差である第2クラッチCL2への入力トルクをほぼゼロに保ったままでパワーオン発進に待機できる。また、アクセル開度に応じた目標エンジン回転数を維持するモータトルク制御により、エンジン・モータ回転数を一定に保持するため、第2クラッチCL2の差回転も一定回転数を保ったままでパワーオン発進に待機できる。
さらに、モータMGに接続するバッテリ4への入力可能電力に基づくバッテリ入力可能トルクを制限値とし、目標エンジントルクと目標モータトルクを設定するようにしているため、可能な限りバッテリ4への充電を行いながらも、過充電を確実に防止することができる。
[発進開始時の制御]
次に、N→Dセレクトによる発進開始の制御について説明する。
エンジントルク制御は、ステップS43−1→ステップS43−2へと処理が実行する。このとき、ステップS43−2において、アクセル開度に応じた駆動力要求に対しモータトルクを考慮した目標エンジントルクに設定する。
また、滑りクラッチ制御では、ステップS63−1→ステップS63−3→ステップS63−4→ステップS63−5へと処理が実行する。このとき、ステップS63−4において、アクセル開度に応じた設定回転数を目標エンジン回転数として設定する。ステップS63−5において、目標エンジン回転数によりマップで設定されるクラッチトルクを、目標第2クラッチ締結トルクとして設定する。
この滑りクラッチ制御においては、滑り対象クラッチが第2クラッチのままの場合(図2参照)には、ステップS120にて第2クラッチCL2のクラッチ温度を推定する。そして、第2クラッチCL2のクラッチ温度が所定温度以上の場合には、ステップS130及びステップS140の処理にて、変速スケジュールに関係なく2速にアップ変速させる(図3参照)。また、第2速で締結するクラッチの一つを滑り締結に制御する。このとき、第2クラッチCL2は完全締結状態若しくは完全開放状態となることで、潤滑油の潤滑によって放熱して冷却する。この結果、第2クラッチCL2の発熱量増大によるクラッチの摩耗を抑えることが出来る。
また、ステップS180〜S200の処理によって、2速における、滑り締結しているクラッチの第2クラッチCL2のクラッチ温度が所定温度以上となると、現在の変速段(2速)中で、滑り締結するクラッチを変更(付け替え)を行う。これによって、現在の滑り締結しているクラッチについて、発熱量増大によるクラッチの摩耗を抑えることが出来る。
更に、アップ変速しても、第2クラッチCL2の温度が放熱によって冷却したと判定したら、1速にシフトダウンして初期の滑りクラッチ処理に戻る。
またこのとき、モータトルク制御は、ステップS83−1→ステップS83−5→ステップS83−6→ステップS83−7へと処理を実行する。このとき、ステップS83−6において、目標回転数エンジントルクとの差であらわされる第2クラッチCL2への入力トルクが、(目標第2クラッチ締結トルク+スリップ分トルク)となるように目標モータトルクを設定する。更に、変速スケジュールに関係なくシフトアップして2速にした場合には、上乗せトルクΔTin分だけ目標モータトルクを増大補正する。これによって、変速による、変速機ATの出力トルクの変動を抑える。
図10に、発進処理時のクラッチ保護についてのタイムチャート例を示す。
このように、N→Dセレクトによる発進開始の検出から発進制御が終了するまでの間は、適宜変速段を変更しつつ、目標エンジントルクを、モータトルクを考慮しながら駆動力要求を満たすトルクに設定する。また、目標第2クラッチ締結トルクを、アクセル開度に応じた目標エンジン回転数を維持する第2クラッチ締結トルクとする。さらに、目標モータトルクを、第2クラッチCL2への入力トルクが、目標第2クラッチ締結トルクによる伝達トルク分と第2クラッチCL2の滑り分トルクとを加算したトルクとなるように制御する。このとき、変速機ATの変速に応じて目標モータトルクを補正する。
ここで、エンジン及びモータが駆動源を構成する。第2クラッチCL2が第1のクラッチを構成する。
エンジン走行モード用目標エンジントルク演算部10E、エンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部10F、エンジン走行モード用目標モータトルク演算部10Gは、発進制御手段を構成する。
ステップS120、S180は、クラッチ温度推定手段を構成する。ステップS130〜S170,S200は、クラッチ変更手段を構成する。ステップS83−7は、目標駆動トルク補正手段を構成する。
(本実施形態の効果)
(1)発進制御手段は、車両の発進要求を検出すると、上記駆動源の駆動トルクを発進用の目標駆動トルクに制御すると共に、変速機ATの一部を構成する第1のクラッチを滑り締結に制御することで、駆動源の駆動トルクを駆動輪に伝達する。クラッチ温度推定手段が、上記第1のクラッチの温度を推定する。クラッチ変更手段は、上記クラッチ温度推定手段が推定したクラッチ温度が所定保護温度以上と判定すると、滑り締結するクラッチを変更する。
強制的に滑り締結するクラッチを変更することで、滑り締結させるクラッチについて、発熱量増大によるクラッチの磨耗を防止し、寿命を延ばすことができる。
また、滑り締結するクラッチの滑り締結時間を自由に設定できるためクラッチ伝達トルクの制限も小さいか無い。
この結果、クラッチの保護を図りつつ、クラッチ伝達トルクの制限による発進時の駆動力制限を低減若しくは解除することが可能となる。
(2)上記クラッチ変更手段は、ギア比を変更する指令であって変更後の変速段で締結するクラッチのうちの上記第1のクラッチとは異なるクラッチを滑り締結とする変速指令を上記変速機ATに出力することで、滑り締結するクラッチを変更する。目標駆動トルク補正手段は、上記クラッチ変更手段が変速指令を出力するのに同期して、変速による変速機ATの出力トルクの変化分に応じた補正トルクで、上記変速によって上記変速機ATの出力の変化が小さくなる方向に上記駆動源の目標駆動トルクを補正する。
変速スケジュールに関係なく強制的に変速させることで、滑り締結していたクラッチは完全締結状態若しくは完全開放状態となる。そして、滑り締結していたクラッチは変速機ATの油潤滑によって冷却される。このため、発熱量増大によるクラッチの磨耗を防止し、寿命を延ばすことができる。また、変速することで、滑り締結させるクラッチを確実に変更することが可能となる。
また、滑り締結するクラッチを変更する際、強制アップ変速によって変速機ATの入力トルクが同じだと変速機ATの出力トルクが下がってしまう。これに対し、駆動力段差が発生しないよう、変速時に目標駆動トルクにギヤ比差分のトルクを上乗せする。
この結果、変速してギヤ比が変わっても、変速機ATの出力トルクの変動を抑えることが出来る。この結果、変速機ATの出力トルクの変動による違和感を抑えることが可能となる。例えば変速機ATの出力トルク低下は、運転者の意図しない加速感の停滞が発生するが、このことを防止できる為、運転者への違和感を低減出来る。
(3)上記滑り締結しているクラッチのクラッチ温度が所定温度以上になったと推定すると、同一の変速段のまま、滑り締結するクラッチを変更する。
例えば、通常アップ変速後の変速段では複数のクラッチを締結している。このため、一つのクラッチの発熱量がクラッチ焼け防止の閾値を越えたとしても、必要に応じて別のクラッチに切り替えることで、発熱したクラッチを変速機ATの油潤滑で冷却し、同じ変速段でクラッチ磨耗を防止できる。
(4)エンジンから駆動輪までのトルク伝達経路に変速機ATを介装すると共にエンジンと変速機ATとの間のトルク伝達経路にモータを介装して、上記エンジン及びモータを上記駆動源とする。そして、 目標駆動トルク補正手段は、モータの目標駆動トルクを補正する。
モータの目標駆動トルクを補正することで、変速に対する変速機ATの出力トルクの変動を応答良く抑えることが出来る。
(変形例)
(1)上記実施形態では、エンジン及びモータが駆動源を構成する場合を例示した。モータのトルクだけ若しくはエンジンのトルクだけで発進させる場合でも、クラッチを滑り締結制御する構成であれば適用可能である。
(2)上記実施形態では、滑り締結クラッチの変更の際に、2速まで変速する場合を例示しているが3速以上に変速処理をしても良い。また、1速中で、滑り締結クラッチの変更を行っても良い。
本発明に基づく実施形態に係る後輪駆動のハイブリッド車両を示す全体システム図である。 本発明に基づく実施形態に係る変速機(1速)の構成例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る変速機(2速)の構成例を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る駆動制御の処理に関わる処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る駆動制御部本体の処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る目標エンジントルク演算部の処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る目標クラッチトルク演算部の処理を示す図である。 本発明に基づく実施形態に係る目標モータトルク演算部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るエンジン走行モード用目標エンジントルク演算部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るエンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る滑り締結処理部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るエンジン走行モード用モータトルク演算部の処理を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るタイムチャート例である。
符号の説明
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
5 クラッチコントローラ
7 ATコントローラ
10 統合コントローラ
10A 駆動制御部本体
10B 目標エンジントルク演算部
10C 目標クラッチトルク演算部
10D 目標モータトルク演算部
10E エンジン走行モード用目標エンジントルク演算部
10F エンジン走行モード用目標クラッチトルク演算部
10G エンジン走行モード用目標モータトルク演算部
10H 締結処理部
16 アクセル開度センサ
17 車速センサ
AT 変速機
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
E エンジン
MG モータ
Q1C 放熱量
Q1L 所定温度
Q2 クラッチ温度
Q2L 所定温度
ΔTin 上乗せトルク

Claims (4)

  1. 駆動源からの駆動トルクを変速機を介して駆動輪に伝達可能となっている車両の駆動制御装置であって、
    車両の発進要求を検出すると、上記駆動源の駆動トルクを目標駆動トルクに制御すると共に、上記変速機の一部を構成する第1のクラッチを滑り締結に制御することで、上記駆動源の駆動トルクを駆動輪に伝達する発進制御手段と、
    上記第1のクラッチの温度を推定するクラッチ温度推定手段と、
    上記駆動源の駆動トルクを目標駆動トルクに制御中に、上記クラッチ温度推定手段が推定したクラッチ温度が所定温度以上と判定すると、変速スケジュールに関係なく、ギア比を変更してシフトアップする指令であるアップ変速指令を出力し、上記変速機内のクラッチのうち、上記第1のクラッチとは異なるアップ変速後のクラッチを選定し、選定したクラッチを滑り締結することでアップ変速を終了するクラッチ変更手段と、
    上記クラッチ変更手段が上記アップ変速指令を出力するのに同期して、変速による上記変速機の出力トルクの変化分に応じて上記目標駆動トルクを増大する目標駆動トルク補正手段と
    を備えることを特徴とする車両の駆動制御装置。
  2. 上記クラッチ変更手段が滑り締結するクラッチを第1のクラッチから選定によって変更した後の当該滑り締結しているクラッチのクラッチ温度が所定温度以上になったと推定すると、同一の変速段のまま、滑り締結するクラッチを切り替えることを特徴とする請求項1に記載した車両の駆動制御装置。
  3. エンジンから駆動輪までのトルク伝達経路に変速機を介装すると共にエンジンと変速機との間のトルク伝達経路にモータを介装すると共に、上記エンジン及びモータを上記駆動源とし、
    上記目標駆動トルク補正手段は、モータの目標駆動トルクを補正することを特徴とする請求項に記載した車両の制駆動制御装置。
  4. 車両発進要求を検出すると、駆動源の駆動トルクを目標駆動トルクに制御すると共に、変速機の一部を構成する第1のクラッチを滑り締結に制御することで、上記駆動源の駆動トルクを上記変速機を介して駆動輪に伝達し、
    上記駆動源の駆動トルクを目標駆動トルクに制御中に、上記第1のクラッチの温度が所定保護温度以上と判定すると、変速スケジュールに関係なく、ギア比を変更してシフトアップする指令であるアップ変速指令を出力し、上記変速機内のクラッチのうち、上記第1のクラッチとは異なるアップ変速後のクラッチを選定し、選定したクラッチを滑り締結することでアップ変速を終了し、
    上記アップ変速指令を出力するのに同期して、変速による上記変速機の出力トルクの変化分に応じて上記目標駆動トルクを増大することを特徴とする車両の発進制御方法。
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