JP5350213B2 - カーバイド切削工具及びかかる工具の製造方法 - Google Patents

Description

本発明は、増大した耐磨耗性を有するナイフ（ｋｎｉｖｅｓ）又は刃（ｂｌａｄｅｓ）を有する切削工具に関し、特に糸状物の合成又は無機材料（プラスチック、ガラス繊維など）（被覆されているか否かを問わず）を、原材料として使用する前に切断して顆粒にするための切削工具に関する。

本発明は、軸のまわりに規則的な間隔で又はそうではない形で設置されている複数の個別の刃先を有する回転切削工具に関する。

本発明はまた、かかる工具を製造する方法に関する。

プラスチック材料の製造又はリサイクルでは、例えば「切り刻む（ｍｉｎｃｉｎｇ）」原理に従って加工する押出機又はスプールを含む粗砕機が知られている。押出機の場合において、プラスチック材料は加熱され、溶融物質は穴を有する円板を通って押し出される。

出てくる糸状物は次いで回転刃によって顆粒に切断される。これらの刃の刃先は一般に、負荷のより良好な分布のため及び振動を避けるために螺旋状であり、糸状物は次いで連続的に、しかし同時にではなく切断される。

従来技術は、刃のヘリカル研削を有するこのタイプの多数のナイフ適用を提案する。これらは固体ブロックから機械加工される。即ち、加工片は少なくとも６０より大きいロックウェル硬度Ｃを有する高速、高合金又は焼結鋼から作られた一体鋳造物である（例えばＧＢ−Ａ−２３６４００７，ＦＲ−Ａ−２３０１３２７，ＧＢ−Ａ−９２３０８７，ＪＰ−Ａ−２０００／１０７９２５）。それらはまた、被覆されてもよい、タングステンカーバイド、高速鋼又はセラミックスのような高い耐磨耗性の材料で作られたプレートの形で存在させることができる。その場合において、切削プレートは、ろう付け、ひだ付け又はクランプ、非金属粘着などによって切削工具の本体に固定される（例えばＵＳ−Ａ−５５８６８４３，ＧＢ−Ａ−１３３４６７６，ＧＢ−Ａ−２１１６０９４）。

商業的に、５０〜２００ｍｍの直径及び５０〜６００ｍｍの長さを有するこのタイプのカウンター刃及び切削工具が存在し、処理鋼又は特殊合金から作られた一体鋳造物又は市販のカーバイドから作られたろう付けプレートのいずれかである。

製造に使用される上述の粗砕機の場合において、磨耗した一体鋳造切削工具を一日数回まで置き換えることが必要であり、それは製造工具の休止時間を増大し、生産性に重荷を与える（一日数時間までの休止時間）。特に一体鋳造工具の形のカーバイドの使用は切削工具の加工寿命を５〜１０倍増大させることを可能にする。しかしながら、焼結によって製造された一体鋳造工具は高価であり、単一の刃の劣化が工具全体の交換を伴う。

さらに、粗砕機のための切削工具の場合のおいて、螺旋刃先を有するナイフは支持円筒体の全長さに沿って軸方向に設置される。前記円筒体上の個別の刃の位置決定及び固定は、最終的な研削のために観察される許容度を与える極めてデリケートな操作であり、螺旋刃に対しては一層そうである。

文献ＵＳ−Ａ−２２１２０１２は回転ナイフを開示し、それはこれらのナイフの外部表面に機械加工された溝に挿入された個別の刃を持つ。刃及び対応する溝は直線状のベースを持つ。刃の横断面は本質的に長方形であり、研削は螺旋状である。

文献ＦＲ−Ａ−１２７８６１５は、円筒体の発生機に対して曲げられた直線切断溝を備えた円筒部品から作られたカッターを開示し、そこでは棒の形の刃が設置されている。刃先はカッター本体の周囲に規則的な間隔で設置されている。

文献ＤＥ１０２００４０１７７１４Ａ１は、工具の軸に対して斜めの角度で設置された直線状溝を有する切削工具を記載する。刃はねじによってブロックされた長手方向固定部品によって工具に取り付けられる。

本発明は、従来技術の欠点を克服することができる解決策を提供することを目的とする。

特に、本発明は、加工寿命が有意に増大した粗砕機のための切削工具を提供することを目的とする。

本発明はまた、製造及び修復に関して従来技術の工具より安価である切削工具を提供することを目的とする。

本発明はさらに、本発明の切削工具を製造及び研削するための簡単で経済的な方法を提供することを目的とする。

本発明の第一の態様は、円筒形支持スピンドル、及びスピンドルの外部表面のまわりに規則的な間隔で設置されかつ螺旋状に研削された、本質的に半径方向の刃先を有する複数の個別の刃を有する回転切削工具であって、各刃が直線状ベースを有し、直線状ベースが前記ベースと同じ形状の溝内に挿入され、各個別の刃がスピンドルに機械的に固定されるものにおいて、刃の固定を強化するようにスピンドルのベースのそれぞれに固定された二つのカバーをさらに含むことを特徴とする回転切削工具に関する。

本発明の第一の好ましい実施形態によれば、ベースは本質的に長方形であるか又は平行四辺形のように造形され、溝はそれぞれの場合において長方形又は平行四辺形の横断面を有する。

スピンドルに対する刃の機械的固定はねじ締め、締め付け、ろう付け、収縮、ひだ付け又は粘着によって達成される。

さらに好ましくは、刃は円錐頭ねじによるねじ締めによってスピンドルに固定される。

さらに好ましくは、スピンドルはねじの位置決定のために均一に間隔をあけられた横溝を備えた刃支持体を持つ。

利点として、ねじは、刃に沿って規則的な間隔で刃支持溝に設置され、それらをねじ頭によって対応する直線状溝内に固定する。

さらに、本発明によれば、刃は、刃の全長さ上のどこにも歯を持たずに一定の規則的な切断プロファイルを伴ってスピンドルの全長さにわたって延びている。

本発明の好ましい実施形態によれば、スピンドルに機械加工された溝はスピンドルの軸に対して０°〜１５°、好ましくは５°〜１５°の角度で設定されている。

利点として、刃はタングステンカーバイド、高速度鋼又は高強度鋼、ダイヤモンド、セラミックス又はサーメット、おそらく単層又は多層窒化チタン、チタンアルミニウム窒化物、チタン炭窒化物又は窒化クロムで被覆したものに基づいた超硬合金から作られている。

さらなる利点として、スピンドルはステンレス鋼から作られる。

特別に有利な実施形態によれば、各刃はヘリカル研削に平行な少なくとも二つの刃先を含む。

刃は少なくとも一つの円錐頭の端部を有し、それが固定時に対応するカバーに作られた逆テーパ内に嵌合する。

また好ましくは、二つのカバーの少なくとも一つは半径方向に***され、いかなる二つの***の間にも二つの刃先の最大が存在するようにいかなる二つの***の間にもねじ穴を有する。

本発明の第二の好ましい実施形態によれば、上述の溝は台形の横断面を有し、台形の長い下辺は台形の短い上辺よりスピンドルの軸に近い。

利点として、スピンドルは刃と同じ長さの棒の形の移動可能な固定部を有し、その固定部は刃に沿って軸方向に設置され、正しい位置にあるときに溝を形成し、前記固定部はスピンドルに固定するためのねじを挿入するための空間を含む。

各固定部は二つの隣接刃の固定のために構成されていることが好ましい。

本発明の第二の側面は、以下の連続的な段階を少なくとも含むことを特徴とする前述の回転切削工具の製造方法に関する：
− 直線状ベースを有する刃のブランクを機械加工する；
− 直線状ベースを有する刃のブランクを、スピンドルに機械加工された対応する溝に位置させる；
− 刃のブランクを、好ましくは円錐頭ねじ、並びにカバーによってスピンドルに機械的に固定する；
− 刃のブランクを機械加工し、ヘリカル研削が切削工具の予め決められた世界の（ｇｌｏｂａｌ）許容度に合致する完成した刃を得る。

図面の簡単な記述
図１は、本発明の好ましい実施形態による切削工具の分解透視図を示す。

図２Ａ及び２Ｂはそれぞれ、図１の切削工具の支持スピンドルの正面図及び断面図を示す。

図３Ａ及び３Ｂはそれぞれ、上述のスピンドルのベースの図を示す。

図４Ａ及び４Ｂはそれぞれ、図３Ａのベースに対応するカバーの横断面図及び平面図を示す。

図５Ａ及び５Ｂはそれぞれ、図３Ｂのベースに対応するカバーの横断面図及び平面図を示す。

図１に示されるように、本発明の第一の好ましい実施形態による切削工具１は、例えば普通鋼又はステンレス鋼から作られた、刃を支持する円筒形スピンドル２を含む。他方、刃３は、例えばタングステンカーバイド（ＷＣ）、セラミックス、高速鋼など、おそらく窒化チタン（ＴｉＮ）、チタン炭窒化物（ＴｉＣＮ）、チタンアルミニウム窒化物（ＴｉＡｌＮ）、窒化クロム（ＣｒＮ）などで被覆されたもののように大きい耐磨耗性を有する材料から作られる。

粗い刃又は刃ブランク（図示せず）は本質的に、長方形、平行四辺形又は直線状ベースを有する棒の形である。それらは粗く研削され、機械的手段、例えば円錐頭ねじ６による固定によって円筒形スピンドル２の側部表面上の溝５に固定される。刃３は円筒体２の軸に対して約１０度の角度で互いに平行に向けられる。この角度は、螺旋仕上げを有する研削刃が軸方向に位置された刃より大きい螺旋角度を持つことを可能にするだろう。

スピンドル２は、刃３のブランクが固定されることができる複数の直線状の平底溝５を備え、前記刃は対応する形状（即ち、長方形又は平行四辺形の形状）のベース４を有する（図１，２Ａ及び２Ｂ）。いったんこれらがスピンドルに固定されると、必要な許容度に従って刃の最終的な研削を行うことは容易である。

溝間には、スピンドル２は、均一に間隔をあけられかつ上述の円錐頭ねじ６の挿入を可能にする複数の（例えば三つの）横溝７を有する刃支持体３′を持つ。

本発明は、ねじによる刃のブランクの固定に制限されず、本発明の範囲内ではひだ付け、締め付け、熱収縮、クランプ、ろう付け、粘着などの機械的手段が考えられることができる。

利点として、スピンドル２及び刃３のブランクは、二つの刃先（図示せず）を有する刃がスピンドルに機械加工された直線状溝５の幅を横切って挿入されうるような方法で寸法決定されることができる。

本発明の好ましい実施形態によれば、刃３の固定はスピンドル２のベース８′，９′に対して逆テーパ（ｉｎｖｅｒｔｅｄ ｔａｐｅｒｓ）を有する二つのカバー８，９の追加の固定によって補強される。

それゆえ、刃３は少なくとも一つの円錐頭の端４′を有し、それは全体が固定されるときに対応するカバー８内に機械加工された逆テーパ内に嵌合する。

刃の全長さをカバーするために、二つのカバーの少なくとも一つ（カバー９、図１及び図５Ｂ）は、半径方向に***され、二つの***（ここで説明されたものを与える）の間に二つの刃の最大が存在するような方法でいかなる二つの***１１間でもねじ穴１０を有する。これらの配置は遠心力の作用下で回転ナイフの出口を反対作用することを可能にする。

図６に示された本発明の第二の好ましい実施形態によれば、溝５は台形の横断面を有し、台形５′の長い下辺は短い上辺５′′よりスピンドル２の軸に近い。従って、刃３の安全な固定はさらに補強され、前記刃はスピンドルが遠心力の結果として動いているときに突出する傾向を持つ。利点として、スピンドル２はそのとき、刃３に沿って軸方向に設置され、正しい位置にあるときに溝５を形成することができる刃３と同じ長さの棒の形で与えられる移動可能な固定部３′をとるように設計される。肩はスピンドルに切断され、刃３は前記肩に対して押されている。刃の固定部３′はまた、スピンドル２上に固定ねじ６を挿入するための空間を持つ。これらの固定ねじは当業者に周知のいかなるタイプのものであることもできる。

刃間の角度ピッチが十分に広い用途では、固定部３′は図６に示されたように二つの隣接する刃３を固定するために与えられてもよい。

本発明は以下の利点を有する。

カーバイドの使用は刃の加工寿命を大きく増大し、それゆえ製造休止時間を減らす。

刃は交換可能でありかつ移動可能である。刃支持体に対する各刃の個別の固定のため、いかなる欠陥のある刃も別個に交換されることができ、それは一体鋳造装置と比較して修復のコストをかなり減らす。さらに、各工具は二組の刃を供給されることができる。

スピンドル及び別個の棒を機械加工するコストは一体鋳造のコストより低い。

刃が移動可能であるという事実は、適切な手段（補強カバー、スピンドルの外側に向かって狭くなる台形の溝）によって遠心力の効果に関して考慮される。

図１は、本発明の好ましい実施形態による切削工具の分解透視図を示す。 図２Ａ及び２Ｂはそれぞれ、図１の切削工具の支持スピンドルの正面図及び断面図を示す。 図３Ａ及び３Ｂはそれぞれ、上述のスピンドルのベースの図を示す。 図４Ａ及び４Ｂはそれぞれ、図３Ａのベースに対応するカバーの横断面図及び平面図を示す。 図５Ａ及び５Ｂはそれぞれ、図３Ｂのベースに対応するカバーの横断面図及び平面図を示す。 本発明の第二の好ましい実施形態を示す。

Claims (11)

1. 円筒形支持スピンドル（２）、及びスピンドルの外部表面のまわりに規則的な間隔で設置されかつヘリカル研削された、半径方向の刃先を有する複数の個別の刃（３）を有する回転切削工具（１）であって、各刃（３）が直線状ベース（４）を有し、直線状ベースが前記ベースと同じ形状の溝（５）内に挿入され、各個別の刃（３）がスピンドル（２）に機械的に固定されるものにおいて、刃（３）が円錐頭ねじ（６）によるねじ締めによってスピンドル（２）に取り付けられること、円錐頭ねじ（６）が、刃（３）に沿って規則的な間隔で刃支持体（３′）の横溝（７）に設置され、それらをねじ頭によって対応する直線状溝（５）内に固定すること、及び回転切削工具（１）が、刃（３）の固定を強化するようにスピンドル（２）のベース（８′，９′）のそれぞれに固定された二つのカバー（８，９）をさらに含むことを特徴とする回転切削工具。
2. ベース（４）が長方形であるか又は平行四辺形のように造形されていること、及び溝（５）がそれぞれの場合において長方形又は平行四辺形の横断面を有することを特徴とする請求項１に記載の回転切削工具。
3. 横溝（７）が、ねじ（６）の位置決定のために均一に間隔をあけられていることを特徴とする請求項１に記載の回転切削工具。
4. 刃（３）が、刃（３）の全長さ上のどこにも歯を持たずに一定の規則的な切断プロファイルを伴ってスピンドル（２）の全長さに沿って延びていることを特徴とする請求項１に記載の回転切削工具。
5. スピンドル（２）に機械加工された溝（５）がスピンドルの軸に対して０°〜１５°の角度で設定されていることを特徴とする請求項４に記載の回転切削工具。
6. スピンドル（２）に機械加工された溝（５）がスピンドルの軸に対して５°〜１５°の角度で設定されていることを特徴とする請求項５に記載の回転切削工具。
7. 刃（３）が、タングステンカーバイドに基づいた超硬合金、高速度鋼又は高強度鋼、ダイヤモンド、セラミックス又はサーメットから作られていることを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の回転切削工具。
8. 刃（３）が、単層又は多層窒化チタン、チタンアルミニウム窒化物、チタン炭窒化物又は窒化クロムで被覆されていることを特徴とする請求項７に記載の回転切削工具。
9. スピンドル（２）がステンレス鋼から作られることを特徴とする請求項１〜８のいずれかに記載の回転切削工具。
10. 溝（５）が台形の横断面を有し、台形の長い下辺（５′）が台形の短い上辺（５′′）よりスピンドル（２）の軸に近いことを特徴とする請求項１に記載の回転切削工具。
11. 以下の連続的な段階を少なくとも含むことを特徴とする請求項１に記載の回転切削工具の製造方法：
    − 直線状ベース（４）を有する刃のブランクを機械加工する；
    − 直線状ベース（４）を有する刃のブランクを、スピンドル（２）に機械加工された対応する溝（５）に位置させる；
    − 刃のブランクを、円錐頭ねじ（６）、並びにカバー（８，９）によってスピンドル（２）に機械的に固定する；
    − 刃のブランクを機械加工し、完成した刃（３）を得る。

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