JP5348507B2 - ステータコイルの製造方法及びそのステータコイルを用いたモータ並びそのステータコイルの製造装置 - Google Patents

ステータコイルの製造方法及びそのステータコイルを用いたモータ並びそのステータコイルの製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば車両に搭載されるモータ用のステータコイルの製造方法及びそのステータコイルを用いたモータ並びにそのステータコイルの製造装置に関する。
例えば特許文献1には、長尺の絶縁被覆導体線を曲げてスロット収容導体部及びコイルエンド導体部を交互に作製するステータコイルの製造方法が記載されている。この製造方法は、絶縁被覆導体線のコイルエンド予定部分を挟んで配置された金型ペアを絶縁被覆導体線の長手方向に所定間隔隔てて少なくとも3ペア配置し、金型ペアを互いに近づく方向に移動させてコイルエンド導体部を形成する動作と、金型ペアを絶縁被覆導体線の長手方向と直角方向へ移動させつつ絶縁被覆導体線の長手方向へ移動させる動作を同時に行ってスロット収容導体部を形成する動作とを行うものである。
特開2009−194994号公報
ところで、上記特許文献1に記載されたステータコイルの製造方法の場合、コイルエンド導体部形成工程を行う前には、それぞれの金型ペアに挟まれるようにワークとしての絶縁被覆導体線を投入する投入工程と、スロット収容導体部工程を行った後には、成形を終了したワークを金型ペアから排出する排出工程が行われる。しかし、投入工程や排出工程では、ワークが長尺状であることから、その搬送に長時間が必要になり、1つのワークが完成するまでの時間が長くなるという問題がある。また、ワークの取り扱いも煩雑であるため、生産性の低下に繋がることとなる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、作業時間の短縮化を図り、生産性に優れたステータコイルの製造方法及びそのステータコイルを用いたモータ並びにそのステータコイルの製造装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、長尺の絶縁被覆導体線を曲げてスロット収容導体部及びコイルエンド導体部を交互に形成するステータコイルの製造方法において、前記絶縁被覆導体線を挟んで対向配置され前記絶縁被覆導体線の長手方向に所定間隔隔てて配置された複数の金型ペアと、前記金型ペアを前記絶縁被覆導体線の長手方向に回転移動可能な状態で保持する複数の保持孔を有し、該保持孔が回転軸側に向かって延びる切り欠き溝により形成されている可動保持部材と、前記可動保持部材により回転移動する前記金型ペアの軌道を規定するレールカムとを用い、前記金型ペアを前記保持孔上を移動させる動作を行なって、前記スロット収容導体部を形成するスロット収容導体部形成工程と、前記コイルエンド導体部を形成するコイルエンド導体部形成工程を行うことを特徴とする。
なお、ここで言うスロット収容導体部は、ステータコイルのうち軸方向に直線的に延在してステータコアのスロットに収容される部分を言い、コイルエンド導体部は、ステータコアの軸方向端面に沿いつつ周方向に延在して電気角略πピッチ離れた2本のスロット収容導体部を繋ぐ部分を言う。
請求項1に記載の発明によれば、絶縁被覆導体線の長手方向に所定間隔隔てて配置した複数の金型ペアの全てを、可動保持部材により絶縁被覆導体線の長手方向に回転移動させた状態で、投入された絶縁被覆導体線に対してコイルエンド導体部形成工程とスロット収容導体部形成工程とを順に行うようにしている。これにより、絶縁被覆導体線に対して、コイルエンド導体部とスロット収容導体部を交互に連続して効率よく形成することができるので、作業時間の短縮化を図り、生産性の向上を図ることができる。
特に、本発明では、可動保持部材に設けられる保持孔が、可動保持部材の回転軸側に向かって径方向に延びる切り欠き溝状に形成されていることから、その保持孔に保持された金型ペアは、保持孔上を移動することによって、可動保持部材の回転方向に沿った円弧軌道上を移動することが可能とされている。そのため、絶縁被覆導体線を挟んで鉛直方向に対向配置される複数の金型ペアを円弧軌道上で循環移動させることができるので、用いる金型ペアの個数を少なくすることができる。これにより、用いる製造装置の小型化や製造コストの低減化が可能となる。
請求項2に記載の発明は、前記保持孔は、径方向内方側の先端部に前記金型ペアの回転移動方向側へ向かって屈曲した第1屈曲部を有することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、保持孔に第1屈曲部が設けられていることによって、隣り合う金型ペア同士が最も接近した状態をより長い時間維持できる。そのため、金型ペアに挟持されて搬送される絶縁被覆導体線が金型ペアから排出される際に、トラブル等が発生することなく金型ペアから容易に排出させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記保持孔は、径方向外方側の先端部に前記金型ペアの回転移動方向側に向かって屈曲した第2屈曲部を有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、保持孔に第2屈曲部が設けられていることによって、隣り合う金型ペア同士が最も接近した状態をより長い時間維持できる。そのため、回転移動する金型ペアに絶縁被覆導体線が投入される際に、トラブル等が発生することなく金型ペアに容易に投入することができる。
請求項4に記載の発明は、前記レールカムは、環状に形成された軌道溝を有することを特徴とする。請求項4に記載の発明によれば、同一の金型ペアを循環させて繰り返し用いて連続成形することが可能となるので、作業効率の向上を図ることができる。
請求項5に記載の発明は、前記軌道溝は、前記金型ペアが回転移動方向へ等速で移動する第1等速区間と、前記金型ペアが回転移動方向へ減速して移動する減速区間と、前記金型ペアが回転移動方向へ前記第1等速区間よりも遅い等速で移動する第2等速区間と、前記金型ペアが回転移動方向へ増速して移動する増速区間とを有することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、軌道溝に減速区間を設けることによって、隣り合う金型ペア同士が互いに接近する動作を行うようにすることができる。これにより、スロット収容導体部を形成するスロット収容導体部形成工程に必要な金型ペアの動作を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5に記載のステータコイルの製造方法は、前記金型ペアに前記絶縁被覆導体線を投入させる投入工程と、前記絶縁被覆導体線に前記スロット収容導体部及び前記コイルエンド導体部を形成する工程と、前記金型ペアから前記絶縁被覆導体線を排出させる排出工程とを行なうものであって、前記排出工程は、前記絶縁被覆導体線の長手方向へ移動する各前記金型ペアを互いに遠ざかる方向へ移動させることによって前記金型ペアから前記絶縁被覆導体線を排出させることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、スロット収容導体部形成工程終了後の絶縁被覆導体線を適切に排出することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法により製造されたステータコイルがステータコアのスロットに挿入されていることを特徴とするモータである。
請求項7に記載の発明によれば、作業時間の短縮化を図り、生産性に優れた製造方法で製造されたステータコイルを用いたモータが実現される。
請求項8に記載の発明は、長尺の絶縁被覆導体線を曲げてスロット収容導体部及びコイルエンド導体部を交互に作製するステータコイルの製造装置であって、前記絶縁被覆導体線を挟んで対向し前記絶縁被覆導体線の長手方向に所定間隔隔てて配置された複数の金型ペアと、前記金型ペアを前記絶縁被覆導体線の長手方向に回転移動可能な状態で保持する可動保持部材と、前記可動保持部材により回転移動する前記金型ペアの軌道を規定するレールカムと、前記可動保持部材により回転移動する各前記金型ペアをそれらの対向方向に進退移動させるカム部材と、を備え、前記可動保持部材は、前記金型ペアを保持する複数の保持孔を有し、該保持孔は前記可動保持部材の径方向に延びる切り欠き溝により形成されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、作業時間の短縮化を図り、生産性の向上を図ることができるステータコイルの製造方法を実施することができる。また、可動保持部材の金型ペアを保持する保持孔が、径方向に延びる切り欠き溝により形成されていることから、複数の金型ペアを円弧軌道上で循環移動させることができるので、用いる金型ペアの個数を少なくし、製造装置を小型化することができる。
階段状のコイルエンド導体部をもつ1本の絶縁被覆平角線の一部を示す部分斜視図である。 階段状のコイルエンド導体部の集合体であるクランク型コイルエンドの形状を示す部分斜視図である。 図1に示す階段状のコイルエンド導体部の拡大周方向展開図である。 図2に示すクランク型コイルエンドの一部周方向展開図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置の内部構造を示す斜視図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置の内部構造を示す斜視図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置の内部構造を示す斜視図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置における複数の金型ペアの配置状態を示す斜視図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置における一つの金型ペアの斜視図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置における可動保持部材の平面図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置における一方のレールカムの斜視図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置における一方のレールカムの平面図である。 実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置におけるカム部材の斜視図である。 実施形態の製造方法において絶縁被覆導体線の曲げ工程の全工程を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアが絶縁被覆導体線の投入工程直前位置に移動した状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアが絶縁被覆導体線の投入工程位置を移動する状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアがコイルエンド導体部形成工程位置に移動した状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアがスロット収容導体部形成工程開始位置に移動した状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアがスロット収容導体部形成工程中間位置に移動した状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアがスロット収容導体部形成工程終了位置に移動した状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアが絶縁被覆導体線の排出工程開始位置に移動した状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。 実施形態の製造方法において金型ペアが絶縁被覆導体線排の排出工程位置を移動する状態を示す説明図であって、(a)は金型ペアを周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材の平面図、(c)はレールカムの平面図である。
以下、ステータコイルを構成する各コイル導体に階段状のコイルエンド導体部を形成するための本発明の好適な実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施形態に限定解釈されるべきではなく、その他の公知技術の組み合わせにより本発明の技術思想を実現してもよいことはもちろんである。
まず、各コイル導体のコイルエンド導体部が階段状に形成されたこの実施形態のステータコイル(以下、クランク型ステータコイルとも称する)について、図1〜図4を参照して説明する。図1は、このクランク型ステータコイルの1本のコイル導体をなす絶縁被覆平角線30を示す部分斜視図であり、図2は、階段状のコイルエンド導体部42の集合体であるクランク型コイルエンドを示す部分斜視図である。
11はステータ、12はステータコア、13はステータコア12の端面、20はステータコイルである。ステータ11は車両駆動用発電電動機に使用されるものであり、ステータ11の径方向内側には図略のロータが回転自在に収容される。このロータの外周部には、極性が周方向交互に異なる多数の磁極が永久磁石によって形成されている。ロータの外周面は、ステータ11の内周面に対して微小なエアギャップを介して対面している。ステータコア12は、所定厚さの電磁鋼板を軸方向に積層して形成されている。ステータコイル20は3相巻線であり、スロット14には一つの相の波巻巻線が巻装され、スロット15にもこれと同じ一つの相の波巻巻線が巻装されている。つまり、互いに隣接する2つのスロット14、15に同相のステータコイル20が巻装されいわゆる毎極毎相2スロット構成となっている。
ステータコイル20は分布巻き(好適には波巻き)された星形接続三相巻線であって、波巻き構造の各相コイルは、絶縁被覆平角線30を屈曲加工した後、ステータコア12のオープンスロット構造スロット14又は15に収容して形成されている。オープンスロット構造の代わりに分割ステータコア構造を採用してもよいことはもちろんである。
絶縁被覆平角線30は、略方形断面の銅線にポリアミドイミド等のエナメル層の被覆を行い、更にその外側にPPS等の押出し被覆樹脂層を被覆して形成されている。絶縁皮膜の合計厚さは100μm〜170μmに設定されている。ただし、絶縁被覆平角線30の絶縁被覆構造は公知の他の方式を採用しても良い。この実施形態では、複数の絶縁被覆平角線30はスロット内にスロット深さ方向に一列に配列されているが、これに限定されることなく、スロット内に行列状に配置してもよい。また、スロット内面には通常は、絶縁紙を設けるのが通常であるが、この実施形態では、2層絶縁層を形成しているため、絶縁紙を省略している。ステータコイル20について更に説明する。ステータコイル20をなす絶縁被覆平角線30は、ステータコア12のスロット14、15内にそれぞれ収容されるスロット収容導体部40と、軸方向及び周方向へ延在しつつ周方向略1磁極ピッチ離れた2つのスロット収容導体部40の端部同士をステータコア12の軸方向両端にて接続するコイルエンド導体部42とを有している。
絶縁被覆平角線30のコイルエンド導体部42を、その周方向模式展開図である図3を参照して更に詳しく説明する。
コイルエンド導体部42の周方向中央部には、軸方向最外側に位置して周方向へ延在する周方向線部である頭頂部1が設けられ、コイルエンド導体部42は、頭頂部(周方向線部)1から両側のスロット収容導体部40に向けて階段状に屈曲されている。頭頂部(周方向線部)1の中央部には、径方向(厚さ方向)に絶縁被覆平角線30の略厚さ分だけ段差(厚さ方向段差とも言う)3Aが設けられている。この厚さ方向段差3Aは、コイルエンド導体部42の周方向一半部と他半部とを径方向に1導体線分ずらせることにより、他のコイルエンド導体部との重なりを可能とするための段差である。2〜4は、周方向に延在する周方向線部、6〜8は軸方向に延在する軸方向線部である。C1〜C6は、隣り合う一つの周方向線部と一つの軸方向線部との境界部をなす角部である。C7は周方向線部4とスロット収容導体部40との境界部をなす角部である。コイルエンド導体部42は、軸方向最外側の頭頂部1から左右のスロット収容導体部40に向けて階段状に形成されている。なお、図3では、角部C1〜C7は直角に図示されているが、実際には隣接する他のコイルエンド導体部42との高密度実装が可能な範囲で所定の曲率半径で屈曲乃至湾曲されていればよい。各コイルエンド導体部42を組み合わせて、ステータコイルのクランク型コイルエンドが図4に示すように形成される。
結局、この実施形態では、長尺のコイル導体すなわち絶縁被覆平角線30にその長手方向所定ピッチでコイルエンド導体部42を形成することにより周方向展開された波巻きコイルである相コイルを形成し、各相の相コイルをそれらのコイルエンド導体部42を高密度に組み合わせることによりベルト状の周方向展開ステータコイルを製造し、この周方向展開ステータコイルをステータコアのスロットに順次挿入してステータを完成させる。
この実施形態のステータコイルは、軸方向突出長が極限まで縮小されたため、製造が非常に困難となるクランク型コイルエンドをもつが、各絶縁被覆平角線30すなわち各コイル導体のコイルエンド導体部42の曲げ工程並びに各コイルエンド導体部42の組み合わせ工程を行うことにより、各コイル導体をステータコアに巻装する前に周方向展開状態で予め作製しておくため、ステータコイルの製造を容易化することができるという効果を奏するものである。
つまり、この実施形態のステータコイルは、絶縁被覆平角線30すなわちコイル導体を曲げてコイルエンド導体部とスロット収容導体部とを交互に形成するコイル導体曲げ工程、曲げられた各絶縁被覆平角線30すなわちコイルエンドを組み合わせて周方向展開ステータコイルを作製する周方向展開ステータコイル作製工程、周方向展開ステータコイルをステータコアのスロットに挿入するスロット挿入工程の3つの段階を経て作製される。本発明は、コイル導体曲げ工程の改善を図ったものであり、以下、コイル導体曲げ工程の実施形態について具体的に説明する。
まず、本実施形態のステータコイルの製造方法に用いる製造装置について図5〜図13を参照して説明する。図5〜図7は、本実施形態に係るステータコイルの製造方法に用いる製造装置の内部構造を示す斜視図である。本実施形態で用いる製造装置は、円筒面循環縦型タイプのものであり、図5〜図7に示すように、複数の金型ペア50と、金型ペア50を保持して回転搬送する可動保持部材60と、金型ペア50の軌道を規定するレールカム70(図11及び図12参照)と、金型ペア50の配列方向に沿って金型ペア50の周囲に設けられたカム部材80とを備えている。
金型ペア50は、図9に示すように、絶縁被覆導体線30を挟んで対向配置された一対のダイ51及びパンチ52により構成されている。一対のダイ51及びパンチ52は、互いに対向方向に進退移動可能なように、長尺板状の基部53に対して摺動自在に取り付けられている。ダイ51及びパンチ52の対向面には、両対向面で挟持した絶縁被覆導体線30に階段状のコイルエンド導体部42を成形する型面がそれぞれ形成されている。ダイ51及びパンチ52の基部53と反対側の面には、カム部材80の第1〜第4ガイド部81〜84の何れかに嵌合配置されるカムフォロア51a、52aがそれぞれ設けられている。
また、基部53の長手方向(ダイ51及びパンチ52の対向方向)の両端には、長手方向外方へそれぞれ突出した軸部が設けられており、その軸部には、可動保持部材60の保持孔61内に配置されるローラ54が回転可能に取り付けられている。そして、各軸部の先端には、保持孔61の幅よりも幅広に形成された支持部55がそれぞれ設けられている。各支持部55には、レールカム70の軌道溝71内に嵌合配置されるカムフォロア56がそれぞれ取り付けられている。
この金型ペア50は、図8に示すように、本実施形態の製造装置では13個のものが用いられており、ダイ51及びパンチ52が絶縁被覆導体線30を挟んで鉛直方向に対向する状態で、円周方向(絶縁被覆導体線30の長手方向)に沿って所定間隔隔てて並列状に配置されている。この場合、先頭から奇数番目に配置された金型ペア50は、ダイ51が下方でパンチ52が上方に位置し、先頭から偶数番目に配置された金型ペア50は、ダイ51が上方でパンチ52が下方に位置するように配置されている。つまり、ダイ51が下方でパンチ52が上方に位置する金型ペア50と、ダイ51が上方でパンチ52が下方に位置する金型ペア50とが交互に配置されている。
可動保持部材60は、図9に示すように、基台90(図5参照)上に立設された回転軸部65の両端部に固定された上下一対の円形プレートにより構成されている。この可動保持部材60には、図10に示すように、金型ペア50を保持する13個の保持孔61が設けられている。この保持孔61は、可動保持部材60の外周側から回転軸側に向かって径方向に延びる切り欠き溝により形成されている。保持孔61の径方向内方側の先端部には、可動保持部材60の回転方向すなわち金型ペア50の回転移動方向(矢印X方向)側へ向かって屈曲した第1屈曲部61aが設けられている。また、保持孔61の径方向外方側の先端部には、可動保持部材60の回転方向すなわち金型ペア50の回転移動方向(矢印X方向)側へ向かって屈曲した第2屈曲部61bが設けられている。第1屈曲部61a及び第2屈曲部61bの屈曲角や長さは、可動保持部材60の回転方向(矢印X方向)の一つ前にある保持孔61との関係においてそれぞれ調整されている。
この可動保持部材60に対して、13個の金型ペア50は、基部53の両端に設けられたローラ54が両可動保持部材60のそれぞれの保持孔61内に保持されて、支持部55により支持された状態で配設されている。これにより、各金型ペア50は、可動保持部材60に支持された状態で、保持孔61の延伸方向すなわち可動保持部材60の径方向に往復移動可能とされている。
レールカム70は、可動保持部材60と略同じ大きさの一対の円形プレートにより構成されている。このレールカム70は、連結部材(図示せず)により連結固定された状態で、可動保持部材60の回転軸方向外側に配置されている。図11及び図12に示すように、レールカム70の互いに対向する面には、可動保持部材60に保持されて回転移動する金型ペア50の軌道を規定する環状の軌道溝71がそれぞれ設けられている。各軌道溝71には、金型ペア50の基部53の上下両端に設けられたカムフォロア56が嵌合されており、可動保持部材60により回転移動する金型ペア50は、軌道溝71に沿って矢印X方向へ搬送される。
この軌道溝71は、レールカム70の外周端に沿って同曲率で円弧状に延びる大円弧部71aと、レールカム70の中央円孔70aに沿って同曲率で円弧状に延びる小円弧部71bと、大円弧部71aの一端から小円弧部71bの一端まで曲率が徐々に大きくなるように変化する大曲率変化部71cと、小円弧部71bの他端から大円弧部71aの他端まで曲率が徐々に小さくなるように変化する小曲率変化部71dとからなる異形円環状に形成されている。
これにより、大円弧部71aは、金型ペア50が回転移動方向へ等速で移動する第1等速区間Aを形成し、小円弧部71bは、金型ペア50が回転移動方向へ第1等速区間よりも遅い等速で移動する第2等速区間Bを形成する。また、大曲率変化部71cは、金型ペア50が回転移動方向へ減速して移動する減速区間Cを形成し、小曲率変化部71dは、金型ペア50が回転移動方向へ増速して移動する増速区間Dを形成する。本実施形態の製造装置では、大円弧部71a(第1等速区間A)の略中央部で絶縁被覆導体線30が投入され、小円弧部71b(第2等速区間B)の略中央部で絶縁被覆導体線30が排出されるようになっている。すなわち、絶縁被覆導体線30の投入から排出まで金型ペア50が軌道溝71を略半周移動する間に、金型ペア50によりコイルエンド導体部形成工程とスロット収容導体部形成工程が行われる。
なお、金型ペア50が上記のような異形円環状の軌道溝71に沿って移動可能となるのは、金型ペア50を保持する可動保持部材60の保持孔61が可動保持部材60の径方向に延伸した切り欠き溝により形成されていることによって、金型ペア50が可動保持部材60の径方向に往復移動可能にされているからである。そして、保持孔61の径方向内方側の先端部に第1屈曲部61aが設けられていることにより、絶縁被覆導体線30が排出される際に、隣り合う金型ペア50同士が最接近した状態をより長い時間維持できることから、絶縁被覆導体線30の容易な排出を可能にしている。また、保持孔61の径方向外方側の先端部に第2屈曲部61bが設けられていることにより、絶縁被覆導体線30が投入される際に、隣り合う金型ペア50同士が最接近した状態をより長い時間維持できることから、絶縁被覆導体線30の容易な投入を可能にしている。
カム部材80は、図6及び図13に示すように、金型ペア50の配列方向に沿って金型ペア50の外周側に設けられている。カム部材80は、全体として略円筒状に形成されており、軸方向において6個に分割形成された円環状の第1〜第6部材80a〜80fにより構成されている。これら第1〜第6部材80a〜80fは、図5に示すように、基台90上に立設された複数の支持部材88により支持されている。
そして、最上方に位置する第1部材80aと第2部材80bの間には、奇数番目に配置された金型ペア50のパンチ52のカムフォロア52aが嵌合配置される第1ガイド部81が形成され、第4部材80dと第5部材80eの間には、奇数番目に配置された金型ペア50のダイ51のカムフォロア51aが嵌合配置される第2ガイド部82が形成されている。また、第2部材80bと第3部材80cの間には、偶数番目に配置された金型ペア50のダイ51のカムフォロア51aが嵌合配置される第3ガイド部83が形成され、第5部材80eと第6部材80fの間には、偶数番目に配置された金型ペア50のパンチ52のカムフォロア52aが嵌合配置される第4ガイド部84が形成されている。
これにより、奇数番目に配置された金型ペア50のダイ51及びパンチ52と、偶数番目に配置された金型ペア50のダイ51及びパンチ52の4個の金型は、それぞれ独立した異なる移動動作を行うように設定されている。具体的には、可動保持部材60により回転移動する各金型ペア50の、所定の回転移動位置におけるダイ51及びパンチ52の対向方向の相対位置を規定するようにされている。
<製造方法の説明>
次に、上記のように構成された製造装置を用いて行われるコイル導体曲げ工程について図14〜図22を参照して説明する。図14は、本実施形態の製造方法において絶縁被覆導体線30の曲げ工程の全工程を示す説明図であって、(a)は金型ペア50を周方向に展開した状態を示す展開図、(b)は可動保持部材60の平面図、(c)はレールカム70の平面図である。なお、図14(a)においては、絶縁被覆導体線30に形成されたコイルエンド導体部42の形状が簡略した状態で記載されているが、実際には図1及び図3に示すような階段状に形成される。また、図14(b)(c)において外周側に示された円弧状太線は、図14(a)に示された金型ペア50が位置する範囲を示すものである。以上の二点の事項に関しては、図15〜図22においても同様である。
そして、図15〜図22は、絶縁被覆導体線30の投入工程、コイルエンド導体部形成工程、スロット収容導体部形成工程、及び排出工程における金型ペア50の動作を示す図であって、可動保持部材60の回転方向(矢印X方向)に移動する金型ペア50のうち、先頭から4個の金型ペア50A、50B、50C、50Dのみの動作を示している。
上記の製造装置は、駆動部(図示せず)により回転軸部65を回転させると回転軸部65を中心にして可動保持部材60が等速で回転する。これにより、可動保持部材60に保持された全ての金型ペア50が、可動保持部材60の回転方向(矢印X方向、絶縁被覆導体線30の長手方向)に回転移動し、軌道溝71に沿って搬送される。このとき、各金型ペア50のダイ51及びパンチ52は、カム部材80の第1〜第4ガイド部81〜84の何れかに接触して回転移動することにより、所定の回転移動位置におけるダイ51及びパンチ52の対向方向(上下方向)の相対位置が規定されている。
<投入工程>
上記のように金型ペア50が回転移動している状態で軌道溝71の大円弧部71a(第1等速区間)を移動する金型ペア50は、図15及び図16に示すように、ダイ51とパンチ52が対向方向に離れた状態になっており、大円弧部71aの略中央位置において金型ペア50Aのダイ51とパンチ52の間に絶縁被覆導体線30が投入される。このとき、4個の金型ペア50A〜50Dは、軌道溝71の大円弧部71a(第1等速区間)を移動するため、間隔(ピッチ)が一定に保持される。特に、本実施形態の場合、金型ペア50A〜50Dを保持している可動保持部材60の保持孔61に第2屈曲部61bが設けられていることによって、隣り合う金型ペア50同士が最も接近した状態をより長い時間維持できる。そのため、後続の金型ペア50B〜50Dに対する絶縁被覆導体線30の投入が容易に行われる。
<コイルエンド導体部形成工程>
続いて、絶縁被覆導体線30が投入された金型ペア50Aは、図16に示すように、軌道溝71に沿って回転移動するにつれてダイ51とパンチ52が互いに接近するように進出移動を開始する。そして、金型ペア50Aが図17に示す位置に移動すると、ダイ51とパンチ52で絶縁被覆導体線30を挟持する。これにより、絶縁被覆導体線30のダイ51とパンチ52で挟持された部分に、下方に凸となった階段状のコイルエンド導体部42が形成される。その後、金型ペア50Aは、ダイ51とパンチ52でコイルエンド導体部42を挟持したまま移動する。
なお、後続の金型ペア50B〜50Dも金型ペア50Aと同様に、図17における金型ペア50Aの位置に移動したときに、それぞれのダイ51とパンチ52で絶縁被覆導体線30を挟持して階段状のコイルエンド導体部42を形成し、コイルエンド導体部42を挟持した状態で移動する。この場合、4個の金型ペア50A〜50Dは、ダイ51が下方でパンチ52が上方に位置する金型ペア50A、50Cと、ダイ51が上方でパンチ52が下方に位置する金型ペア50B、50Dとが交互に配置されているので、下方に凸となった階段状のコイルエンド導体部42と、上方に凸となった階段状のコイルエンド導体部42が交互に形成される。
<スロット収容導体部形成工程>
コイルエンド導体部形成工程を終了した金型ペア50Aは、図18に示すように、軌道溝71の大円弧部71a(第1等速区間)から大曲率変化部71c(減速区間C)へと移行し、徐々に減速して移動する。そして、後続の金型ペア50B〜50Dも大曲率変化部71c(減速区間C)へと移行し、徐々に減速して移動すると、図19に示すように、各金型ペア50A〜50Dの間隔(ピッチ)が次第に小さくなる。すなわち、隣り合う金型ペア50同士が互いに接近する。このとき、奇数番目に配置された金型ペア50A、50Cは、第1及び第2ガイド部81、82に案内されて上下方向へ変位することなく回転移動する。一方、偶数番目に配置された金型ペア50B、50Dは、大曲率変化部71c(減速区間C)へ移行すると同時に、第3及び第4ガイド部83、84に案内されて回転移動しつつ上方へ移動する。
これにより、金型ペア50Aに挟持されたコイルエンド導体部42の金型ペア50B側の端部と、金型ペア50Bに挟持されたコイルエンド導体部42の金型ペア50A側の端部がそれぞれ屈曲される。そして、図20に示すように、金型ペア50Aが大曲率変化部71c(減速区間C)の終端に到達すると、金型ペア50Aと金型ペア50Bは最も接近した状態となる。これにより、金型ペア50Aに挟持されたコイルエンド導体部42と、金型ペア50Bに挟持されたコイルエンド導体部42との間に、コイルエンド導体部42に対して略直角に屈曲されたスロット収容導体部40が形成される。
なお、後続する金型ペア50Bと50Cの間、及び金型ペア50Cと50DCの間にも、金型ペア50Aと50Bの場合と同様に、順次スロット収容導体部40が形成される。
<排出工程>
スロット収容導体部形成工程を終了した金型ペア50Aは、図21に示すように、軌道溝71の大曲率変化部71c(減速区間C)から小円弧部71b(第2等速区間)へと移行し、大円弧部71a(第1等速区間)よりも遅い速度で移動する。金型ペア50Aは、小円弧部71b(第2等速区間)へ移行すると同時に、第1ガイド部81により案内されるパンチ52が回転移動しつつ上方へ変位する。そして、第2ガイド部82により案内されるダイ51は、パンチ52の上方変位開始から少し遅れて、回転移動しつつ下方へ変位する。これにより、金型ペア50Aに挟持されていたコイルエンド導体部42が解放される。この金型ペア50Aのダイ51とパンチ52の動作は、奇数番目に配置された金型ペア50Cについても同様に行われる。
また、図22に示すように、後続する金型ペア50Bは、小円弧部71b(第2等速区間)へ移行すると同時に、第4ガイド部84により案内されるパンチ52が回転移動しつつ下方へ変位する。そして、第3ガイド部83により案内されるダイ51は、パンチ52の下方変位開始から少し遅れて、回転移動しつつ上方へ変位する。これにより、金型ペア50Bに挟持されていたコイルエンド導体部42が解放される。この金型ペア50Bのダイ51とパンチ52の動作は、偶数番目に配置された金型ペア50Dについても同様に行われる。
このようにして、金型ペア50A〜50Dが小円弧部71bの略中央位置に移動したときに、絶縁被覆導体線30は直進することによって金型ペア50A〜50Dのダイ51とパンチ52の間から排出される。
なお、金型ペア50A〜50Dが軌道溝71の小円弧部71b(第2等速区間)を移動する際には、金型ペア50A〜50Dの間隔(ピッチ)が一定に保持される。特に、本実施形態の場合、金型ペア50A〜50Dを保持している可動保持部材60の保持孔61に第1屈曲部61aが設けられていることによって、隣り合う金型ペア50同士が最も接近した状態をより長い時間維持できる。そのため、金型ペア50A〜50Dに挟持されて搬送される絶縁被覆導体線30がトラブルを発生することなく、金型ペア50A〜50Dから容易に離脱して排出される。
このようにして、排出工程を終了して排出された絶縁被覆導体線30には、コイルエンド導体部42とスロット収容導体部40とが交互に形成されており、これによりステータコイルを構成する所望のコイル導体が得られる。
<実施形態の効果>
本実施形態のステータコイルの製造方法によれば、絶縁被覆導体線30の長手方向に所定間隔隔てて配置した複数の金型ペア50の全てを、可動保持部材60により絶縁被覆導体線30の長手方向に移動させた状態で、投入された絶縁被覆導体線30に対してコイルエンド導体部形成工程とスロット収容導体部形成工程とを順に行うようにしている。そのため、絶縁被覆導体線30に対して、コイルエンド導体部42とスロット収容導体部40を交互に連続して効率よく形成することができるので、作業時間の短縮化を図り、生産性の向上を図ることができる。
特に、本実施形態では、可動保持部材60に設けられる保持孔61が、可動保持部材60の回転軸側に向かって径方向に延びる切り欠き溝状に形成されていることから、金型ペア50を、保持孔上を移動させることによって円弧軌道上で循環移動させることができるので、用いる金型ペア50の個数を少なくすることができる。これにより、用いる製造装置の小型化や製造コストの低減化が可能となる。
また、本実施形態では、金型ペア50を保持する保持孔61が第1屈曲部61aを有することから、絶縁被覆導体線30が金型ペア50から排出される際に、隣り合う金型ペア50同士が最も接近した状態をより長い時間維持できるため、絶縁被覆導体線30が金型ペア50から排出される際に、トラブル等が発生することなく絶縁被覆導体線30を金型ペアから容易に排出させることができる。
また、本実施形態では、金型ペア50を保持する保持孔61が第2屈曲部61bを有することから、回転移動する金型ペア50に絶縁被覆導体線30が投入される際に、隣り合う金型ペア50同士が最も接近した状態をより長い時間維持できるため、トラブル等が発生することなく絶縁被覆導体線30を金型ペア50に容易に投入することができる。
また、本実施形態では、レールカム70は、環状に形成された軌道溝71を有することから、同一の金型ペア50を循環させて繰り返し用いて連続成形することが可能となるので、作業効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、レールカム70の軌道溝71に減速区間C(大曲率変化部71c)を設けて、隣り合う金型ペア50同士が互いに接近する動作を行うようにしているため、スロット収容導体部40を形成するスロット収容導体部形成工程に必要な金型ペア50の動作を得ることができる。
また、本実施形態では、排出工程は、絶縁被覆導体線30の長手方向へ移動する各金型ペア50を互いに遠ざかる方向へ移動させることによって金型ペア50から絶縁被覆導体線30を排出させるようにしているため、スロット収容導体部形成工程終了後の絶縁被覆導体線30を適切に排出することができる。
また、本実施形態で用いるステータコイルの製造装置は、上記のように構成された金型ペア50と、可動保持部材60と、レールカム70と、カム部材80とを備えているため、作業時間の短縮化を図り、生産性の向上を図ることができるステータコイルの製造方法を実施することができる。また、可動保持部材60の金型ペア50を保持する保持孔61が、径方向に延びる切り欠き溝により形成されていることから、複数の金型ペア50を円弧軌道上で循環移動させることができるので、用いる金型ペア50の個数を少なくし、製造装置を小型化することができる。
なお、上記実施形態では、13個の金型ペア50を用いていたが、金型ペアの個数は、1本の絶縁被覆導体線30に対して形成すべきコイルエンド導体部42の数を考慮して適宜変更することができる。
11…ステータ、 12…ステータコア、 14、15…スロット、 20…ステータコイル、 30…絶縁被覆平角線、 40…スロット収容導体部、 42…コイルエンド導体部、 50…金型ペア、 51…ダイ、 52…パンチ、 60…可動保持部材、 61…保持孔、 61a…第1屈曲部、 61b…第2屈曲部、 70…レールカム、 71…軌道溝、 80…カム部材、 81…第1ガイド部、 82…第2ガイド部、 83…第3ガイド部、 84…第4ガイド部。

Claims (8)

  1. 長尺の絶縁被覆導体線を曲げてスロット収容導体部及びコイルエンド導体部を交互に形成するステータコイルの製造方法において、
    前記絶縁被覆導体線を挟んで対向配置され前記絶縁被覆導体線の長手方向に所定間隔隔てて配置された複数の金型ペアと、前記金型ペアを前記絶縁被覆導体線の長手方向に回転移動可能な状態で保持する複数の保持孔を有し、該保持孔が回転軸側に向かって延びる切り欠き溝により形成されている可動保持部材と、前記可動保持部材により回転移動する前記金型ペアの軌道を規定するレールカムとを用い、
    前記金型ペアを前記保持孔上を移動させる動作を行なって、前記スロット収容導体部を形成するスロット収容導体部形成工程と、前記コイルエンド導体部を形成するコイルエンド導体部形成工程を行うことを特徴とするステータコイルの製造方法。
  2. 前記保持孔は、径方向内方側の先端部に前記金型ペアの回転移動方向側へ向かって屈曲した第1屈曲部を有することを特徴とする請求項1記載のステータコイルの製造方法。
  3. 前記保持孔は、径方向外方側の先端部に前記金型ペアの回転移動方向側に向かって屈曲した第2屈曲部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のステータコイルの製造方法。
  4. 前記レールカムは、環状に形成された軌道溝を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のステータコイルの製造方法。
  5. 前記軌道溝は、前記金型ペアが回転移動方向へ等速で移動する第1等速区間と、前記金型ペアが回転移動方向へ減速して移動する減速区間と、前記金型ペアが回転移動方向へ前記第1等速区間よりも遅い等速で移動する第2等速区間と、前記金型ペアが回転移動方向へ増速して移動する増速区間とを有することを特徴とする請求項4に記載のステータコイルの製造方法。
  6. 請求項1〜5に記載のステータコイルの製造方法は、前記金型ペアに前記絶縁被覆導体線を投入させる投入工程と、前記絶縁被覆導体線に前記スロット収容導体部及び前記コイルエンド導体部を形成する工程と、前記金型ペアから前記絶縁被覆導体線を排出させる排出工程とを行なうものであって、
    前記排出工程は、前記絶縁被覆導体線の長手方向へ移動する各前記金型ペアを互いに遠ざかる方向へ移動させることによって前記金型ペアから前記絶縁被覆導体線を排出させることを特徴とするステータコイルの製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の方法により製造されたステータコイルがステータコアのスロットに挿入されていることを特徴とするモータ。
  8. 長尺の絶縁被覆導体線を曲げてスロット収容導体部及びコイルエンド導体部を交互に作製するステータコイルの製造装置であって、
    前記絶縁被覆導体線を挟んで対向し前記絶縁被覆導体線の長手方向に所定間隔隔てて配置された複数の金型ペアと、
    前記金型ペアを前記絶縁被覆導体線の長手方向に回転移動可能な状態で保持する可動保持部材と、
    前記可動保持部材により回転移動する前記金型ペアの軌道を規定するレールカムと、
    前記可動保持部材により回転移動する各前記金型ペアをそれらの対向方向に進退移動させるカム部材と、を備え、
    前記可動保持部材は、前記金型ペアを保持する複数の保持孔を有し、該保持孔は前記可動保持部材の径方向に延びる切り欠き溝により形成されていることを特徴とするステータコイルの製造装置。
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