JP5348476B2 - リニアモータ、リニアモータの電機子、リニアモータの電機子の製造方法 - Google Patents
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このような電機子において、冷却液(例えば水)は、冷却管711の開口部711aから冷却管711内の冷却通路711cを流れ、開口部711bから外へ排出される。これにより、電機子コイル713を冷却することができ、電機子コイル713の発熱量を抑えることができる。
このような電機子において、冷却液は、流入口811aからパイプ814を流れ、空間811cの下端部に放出される。その後、空間811cが冷却液で満たされると、冷却液は、流出口811bから外へ排出される。これにより、電機子コイル813を冷却することができ、電機子コイル813の発熱量を抑えることができる。
このような電機子において、冷却液は、流入孔911aから貫通孔912aを流れ、軸部材912の下端外周面付近に放出される。その後、冷却液は、円板部材914の上面、軸部材912の外周面、略円板部材915、円板部材913の下面、内壁916aで囲まれて形成される流路を通る。この流路を通った冷却液は、軸部材912の上端外周面を通る貫通孔912bを経由して、流出孔911bから外へ排出される。これにより、電機子コイル917を冷却することができ、電機子コイル917の発熱量を抑えることができる。
請求項1記載の発明は、円筒状の電機子コイルを備え、当該電機子コイルを冷却液で冷却するリニアモータの電機子において、電機子コイルの空芯部に設けられるとともに、閉じられた両端のうちのいずれか一端に、冷却液を内部に流入させる流入孔と冷却液を外部に流出させる流出孔とが形成された円筒状の筐体と、外周が筐体の内壁と密着するように筐体内に固定されるとともに、筐体の一端側から他端側に向かう方向に貫通孔が形成され、かつ筐体の一端側から他端側に向かって外周上に螺旋状の溝が形成された円柱状の流路ブロックと、流入孔と貫通孔とを接続するチューブと、を備え、流路ブロックを、ねじ山の横断面においてねじ山基部の幅方向寸法がねじ山頂部の幅方向寸法よりも大きくなる台形ねじで構成することにより、隣接するねじ山とねじ山との間に、溝開放側となる外周領域の幅方向寸法が溝底部側となる内周領域の幅方向寸法よりも大きくなる、螺旋状の溝による螺旋状冷却流路を構成し、流入孔、チューブ、貫通孔、螺旋状冷却流路、及び流出孔の順に冷却液が流れることを特徴とするものである。
請求項2記載の発明は、螺旋状流路の断面であって冷却液の流れ方向に対して垂直な断面の面積が、貫通孔の断面であって冷却液の流れ方向に対して垂直な断面の面積以下となるように、溝の深さ、溝の幅、及び貫通孔の口径がそれぞれ設定されることを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、流路ブロックは、アルミまたは銅のいずれかで構成されることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、筐体は、電機子コイルの空芯部に設けられた円筒状の電機子コアと、電機子コア内に設けられ、流路ブロックが内部に固定されて内壁が流路ブロックの外周と密着した円筒状のフレームと、フレームの一端を閉じるようにフレームの一端に設けられ、流入孔と流出孔が形成されたブロックと、フレームの他端を閉じるようにフレームの他端に設けられたブラケットと、を有することを特徴とするものである。
請求項5または10記載の発明は、流路ブロックの外周径は、フレームの内周径よりも大きく、流路ブロックは、フレーム内に圧入されることによって、フレーム内に固定されることを特徴とするものである。
請求項6または11記載の発明は、流路ブロックの外周径は、フレームの内周径よりも大きく、流路ブロックは、フレームが加熱されてフレームの内周径が流路ブロックの外周径より大きくなった時点でフレーム内に挿入されることによって、フレーム内に固定されることを特徴とするものである。
請求項7または12記載の発明は、流路ブロックは、接着剤でフレームの内壁と接着されることによって、フレーム内に固定されることを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、リニアモータであって、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリニアモータの電機子と、電機子コイルの外周を覆うように設けられた界磁子と、を備えることを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、円筒状の電機子コア内に設けられた円筒状のフレーム内を流れる冷却液によって当該電機子コアの外周に巻回された円筒状の電機子コイルを冷却するリニアモータの電機子の製造方法において、フレームの一端側から他端側に向かう方向に貫通孔が形成され、かつフレームの一端側から他端側に向かって外周上に螺旋状の溝が形成された円柱状の流路ブロックであって、ねじ山の横断面においてねじ山基部の幅方向寸法がねじ山頂部の幅方向寸法よりも大きくなる台形ねじで構成することにより、隣接するねじ山とねじ山との間に、溝開放側となる外周領域の幅方向寸法が溝底部側となる内周領域の幅方向寸法よりも大きくなる、螺旋状の溝による螺旋状冷却流路を構成する流路ブロックを、当該流路ブロックの外周がフレームの内壁と密着するようにフレーム内に固定する工程と、電機子コアと電機子コアの外周に巻回された電機子コイルとを、フレームの外周に固定する工程と、ブラケットを、フレームの一端を閉じるようにフレームの一端に固定する工程と、冷却液をフレーム内に流入させる流入孔と冷却液をフレーム外に流出させる流出孔とが形成されたブロックを、当該流入孔と流路ブロックの貫通孔とをチューブで接続しながら、フレームの他端を閉じるようにフレームの他端に固定する工程と、を含むことを特徴とするものである。
請求項2記載の発明によると、冷却液を効果的に筐体の内壁に触れさせることができ、冷却性能を向上させることができる。
請求項3記載の発明によると、冷却性能を向上させることができる。
請求項5〜7、10〜12記載の発明によると、流路ブロックの外周を筐体の内壁と確実に密着させるようにして、流路ブロックを筐体内に固定することができる。
フレーム11は、円筒状である。ブロック12は、フレーム11の上端を閉じるようにフレーム11の上端に設けられる。ブロック12には、冷却液をフレーム11外へ流出させる流出孔12a及び流出口12bと、冷却液をフレーム11内へ流入させる流入孔12c及び流入口12dとが形成される。ブロック12には、シールのためのOリング13が予め嵌合されている。ブラケット14は、フレーム11の下端を閉じるようにフレーム11の下端に設けられる。ブラケット14には、シールのためのOリング15が予め嵌合されている。
電機子コア18は、円板状のコアを複数集めたものからなり、その形状は円筒状である。電機子コア18は、フレーム11の外周に設けられる。電機子コイル19は、複数のコイルからなり、その形状は円筒状である。電機子コア18は、電機子コイル19の空芯部に設けられる。
このように、フレーム11、ブロック12、ブラケット14、及び電機子コア18は、両端が閉じられ、そのうちのいずれか一端(図1では上端)に流出孔12a、流出口12b、流入孔12c、及び流入口12dが形成された円筒状の筐体を構成するものである。
なお、ブロック12の下面、流路ブロック16の上面、フレーム11の内壁で囲まれた空間を空間11aとし、ブラケット14の上面、流路ブロック16の下面、及びフレーム11の内壁で囲まれた空間を空間11bとする。
チューブ17は、貫通孔16aと流入孔12cとを接続するように、一端が貫通孔16aに挿入され、他端が流入孔15cに挿入される。
流入口12dから流入した冷却液は、流入孔12c及びチューブ17を経由して、流路ブロック16の貫通穴16aを通り、空間11bに放出される。空間11bに放出された冷却液は、流路ブロック16の溝16bに沿って、フレーム11の内壁に触れながら、空間11aに向かって、螺旋状かつ3次元的に流動する。つまり、空間11bに放出された冷却液は、流路ブロック16の溝16bとフレーム11の内壁で囲まれた螺旋状の流路を流れることになる。冷却液は、流路ブロック16の溝16bを螺旋状に流れた後、空間11aに放出され、ブロック12の流出孔12aを経由して流出口12bよりフレーム11外へ排出される。
まず、空間11bを確保するための治具をフレーム11の下端に挿入する。その後、流路ブロック16の外周がフレーム11の内壁と確実に密着するように、流路ブロック16をフレーム11内に固定する。この固定方法としては、圧入、焼きばめ、接着などが考えられる。圧入は、流路ブロック16の外周径をフレーム11の内周径より大きく設定しておき、フレーム11の上端からフレーム11内に流路ブロック16を強制的に挿入する方法である。焼きばめは、流路ブロック16の外周径をフレーム11の内周径より大きく設定しておき、フレーム11を加熱膨張させてフレーム11の内周径が流路ブロック16の外周径より大きくなった時点で、フレーム11の上端からフレーム11内に流路ブロック16を挿入する方法である。接着は、流路ブロック16の外周径をフレーム11の内周径より接着剤の糊代の分だけ小さく設定しておくとともに、フレーム11の内壁に接着剤を塗布しておき、フレーム11の上端からフレーム11内に流路ブロック16を挿入する方法である。
流路ブロック16をフレーム11内に固定した後、治具をフレーム11の下端から取り外す。その後、電機子コア18のコアと電機子コイル19のコイルとを交互に重ねたものをフレーム11の下端からフレーム11に挿入し、フレーム11の外周に固定する。その後、全体をモールドしてから、ブラケット14をフレーム11の下端に挿入しネジ止めして固定する。その後、チューブ17を貫通孔16aと流入孔12cに挿入しながら、ブロック12をフレーム11の上端に挿入しネジ止めして固定する。
さらに、実施例1によれば、流路ブロック16は、構造が従来と比べて簡易であり、市場で広く流通している台形ねじに加工を施すなどして製作することもできる。このため、従来と比べて、部材の入手性・製作性が容易になり、加工時間が短縮できる上、製作コストを抑えることが可能となる。つまり、製作性の向上、コストの低減を実現することができる。
以上のように、実施例1によれば、リニアモータの姿勢が3次元的に変化しても、冷却性能を悪化させることなく、製作性の向上、コストの低減を実現したリニアモータの電機子、当該電機子を備えるリニアモータ、および当該電機子の製造方法を提供することができる。
なお、上述の条件下で、チューブ17やブロック12の流入孔12cの口径を、貫通穴16aの口径と同等に設定してもよい。
11a、11b 空間
13、15 Oリング
12 ブロック
12a 流出孔
12b 流出口
12c 流入孔
12d 流入口
14 ブラケット
16 流路ブロック
16a 貫通孔
16b 溝
17 チューブ
18 電機子コア
19 電機子コイル
Claims (12)
- 円筒状の電機子コイルを備え、当該電機子コイルを冷却液で冷却するリニアモータの電機子において、
前記電機子コイルの空芯部に設けられるとともに、閉じられた両端のうちのいずれか一端に、前記冷却液を内部に流入させる流入孔と前記冷却液を外部に流出させる流出孔とが形成された円筒状の筐体と、
外周が前記筐体の内壁と密着するように前記筐体内に固定されるとともに、前記筐体の一端側から他端側に向かう方向に貫通孔が形成され、かつ前記筐体の一端側から他端側に向かって外周上に螺旋状の溝が形成された円柱状の流路ブロックと、
前記流入孔と前記貫通孔とを接続するチューブと、
を備えたリニアモータの電機子であって、
前記流路ブロックを、ねじ山の横断面においてねじ山基部の幅方向寸法がねじ山頂部の幅方向寸法よりも大きくなる台形ねじで構成することにより、隣接するねじ山とねじ山との間に、溝開放側となる外周領域の幅方向寸法が溝底部側となる内周領域の幅方向寸法よりも大きくなる、前記螺旋状の溝による螺旋状冷却流路を構成し、
前記流入孔、前記チューブ、前記貫通孔、前記螺旋状冷却流路、及び前記流出孔の順に前記冷却液が流れる
ことを特徴とするリニアモータの電機子。 - 前記螺旋状流路の断面であって前記冷却液の流れ方向に対して垂直な断面の面積が、前記貫通孔の断面であって前記冷却液の流れ方向に対して垂直な断面の面積以下となるように、前記溝の深さ、前記溝の幅、及び前記貫通孔の口径がそれぞれ設定されることを特徴とする請求項1記載のリニアモータの電機子。
- 前記流路ブロックは、アルミまたは銅のいずれかで構成されることを特徴とする請求項1記載のリニアモータの電機子。
- 前記筐体は、
前記電機子コイルの空芯部に設けられた円筒状の電機子コアと、
前記電機子コア内に設けられ、前記流路ブロックが内部に固定されて内壁が前記流路ブロックの外周と密着した円筒状のフレームと、
前記フレームの一端を閉じるように前記フレームの一端に設けられ、前記流入孔と前記流出孔が形成されたブロックと、
前記フレームの他端を閉じるように前記フレームの他端に設けられたブラケットと、を有することを特徴とする請求項1記載のリニアモータの電機子。 - 前記流路ブロックの外周径は、前記フレームの内周径よりも大きく、
前記流路ブロックは、前記フレーム内に圧入されることによって、前記フレーム内に固定されることを特徴とする請求項4記載のリニアモータの電機子。 - 前記流路ブロックの外周径は、前記フレームの内周径よりも大きく、
前記流路ブロックは、前記フレームが加熱されて前記フレームの内周径が前記流路ブロックの外周径より大きくなった時点で前記フレーム内に挿入されることによって、前記フレーム内に固定されることを特徴とする請求項4記載のリニアモータの電機子。 - 前記流路ブロックは、接着剤で前記フレームの内壁と接着されることによって、前記フレーム内に固定されることを特徴とする請求項4記載のリニアモータの電機子。
- 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載のリニアモータの電機子と、
前記電機子コイルの外周を覆うように設けられた界磁子と、を備えることを特徴とするリニアモータ。 - 円筒状の電機子コア内に設けられた円筒状のフレーム内を流れる冷却液によって当該電機子コアの外周に巻回された円筒状の電機子コイルを冷却するリニアモータの電機子の製造方法において、
前記フレームの一端側から他端側に向かう方向に貫通孔が形成され、かつ前記フレームの一端側から他端側に向かって外周上に螺旋状の溝が形成された円柱状の流路ブロックであって、ねじ山の横断面においてねじ山基部の幅方向寸法がねじ山頂部の幅方向寸法よりも大きくなる台形ねじで構成することにより、隣接するねじ山とねじ山との間に、溝開放側となる外周領域の幅方向寸法が溝底部側となる内周領域の幅方向寸法よりも大きくなる、前記螺旋状の溝による螺旋状冷却流路を構成する前記流路ブロックを、当該流路ブロックの外周が前記フレームの内壁と密着するように前記フレーム内に固定する工程と、
前記電機子コアと前記電機子コアの外周に巻回された電機子コイルとを、前記フレームの外周に固定する工程と、
ブラケットを、前記フレームの一端を閉じるように前記フレームの一端に固定する工程と、
前記冷却液を前記フレーム内に流入させる流入孔と前記冷却液を前記フレーム外に流出させる流出孔とが形成されたブロックを、当該流入孔と前記流路ブロックの貫通孔とをチューブで接続しながら、前記フレームの他端を閉じるように前記フレームの他端に固定する工程と、を含むことを特徴とするリニアモータの電機子の製造方法。 - 前記流路ブロックの外周径は、前記フレームの内周径よりも大きく、
前記流路ブロックを前記フレーム内に固定する工程では、前記流路ブロックを前記フレーム内に圧入することによって、前記流路ブロックが前記フレーム内に固定されることを特徴とする請求項9記載のリニアモータの電機子の製造方法。 - 前記流路ブロックの外周径は、前記フレームの内周径よりも大きく、
前記流路ブロックを前記フレーム内に固定する工程では、前記フレームが加熱されて前記フレームの内周径が前記流路ブロックの外周径より大きくなった時点で前記流路ブロックを前記フレーム内に挿入することによって、前記流路ブロックが前記フレーム内に固定されることを特徴とする請求項9記載のリニアモータの電機子の製造方法。 - 前記流路ブロックを前記フレーム内に固定する工程では、前記流路ブロックを接着剤で前記フレームの内壁と接着することによって、前記流路ブロックが前記フレーム内に固定されることを特徴とする請求項9記載のリニアモータの電機子の製造方法。
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