JP5347421B2 - 工作機械の数値制御装置およびncデータ解析装置 - Google Patents

工作機械の数値制御装置およびncデータ解析装置 Download PDF

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Description

本発明は、ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と回転軸とを有する工作機械の数値制御装置およびNCデータ解析装置に関する。
ワークと加工工具とを相対的に移動可能な複数の駆動軸を有する工作機械を制御するための、数値制御装置に関する従来技術があった(例えば、特許文献1参照)。これは、ワークに対する加工工具の位置および姿勢を指示するNCデータにより、送り速度あるいは姿勢速度が急激に変化することを防いで、駆動用モーターおよび加工工具への負担を低減することを目的とするものである。
そのために、上述した従来技術に開示された数値制御装置は、送り速度および姿勢速度を互いに比較し、速度の低い方を指令速度として出力し、駆動軸の制御を行っている。これによれば、ワーク座標系を前提とした場合に、各駆動軸の急激な速度変化を防ぐことができる。
特開2004−185364号公報
しかしながら、上述した従来技術においては、工作機械による実際の加工時における機械座標系に変換された各駆動軸の動作については考慮されていなかった。典型的な場合について言えば、図10に示すように、紙面に垂直な方向に延びた回転軸100を中心に旋回可能なワーク101上を、工具102が指令速度Vで移動する場合を想定する。
ワーク101が回転軸100を中心に、図において時計回りに回転すると、工具102の加工点103はワーク101の回転移動に追従する必要があるため、工具102の移動速度は上述した指令速度Vと、回転後のワーク101への追従速度とが重畳されたものとなる(図11示)。したがって、工具102を移動させる駆動軸においては、過大な加速度を発生させなければならず、駆動用モーターを含む各駆動軸の駆動装置の負担が増大し、ワーク101の加工品質を低下させていた。
上述した状況は、ワーク101の回転軸100と、工具102のワーク101に対する加工点103との間の距離R(図10示)が大きいほど、回転軸100回りの加工点103の移動速度が増大して顕著となる。
また、ワークの旋回移動に代えて、工具自身が回転する場合にも同様の現象が発生する。工具先端の加工点を内側にして、工具の根元の工作機械への取付位置が外側を旋回することにより、加工点よりも工具の取付位置の方が移動量が大きいような状況を想定した場合、ワーク上の加工点の移動速度がそれほど大きくなくても、工具を移動させる駆動装置の負担が増大する。この場合にも工具の回転軸と加工点との間の距離が大きいほど、当該現象が著しくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、工作機械の駆動軸の急激な移動を防ぐ工作機械の数値制御装置およびNCデータ解析装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る工作機械の数値制御装置の発明の構成上の特徴は、
ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と回転軸とを有する工作機械の数値制御装置において、
機械座標系における直進軸座標および回転軸角度と、前記工具の前記ワークに対する加工点の指令送り速度と、を含む機械座標系NCデータを記憶するNCデータ記憶部と、
前記ワークと前記工具との間の相対姿勢が変化する場合に、前記機械座標系NCデータに基づいて、前記ワークおよび/または前記工具の回転中心と、前記工具の前記ワークに対する前記加工点との間の距離を求め、前記距離に基づいて設定され、100%を最大として前記距離が大きいほど減少するオーバーライド量を、前記機械座標系NCデータ中の前記指令送り速度に乗算することにより前記各駆動軸の移動速度を修正する速度修正部と、
を備えたことである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1の工作機械の数値制御装置において、
前記工作機械は、
前記回転軸として少なくとも2軸を有し、
前記速度修正部は、
前記2軸の回転軸について、それぞれ前記ワークおよび/または前記工具の回転中心と、前記工具の前記ワークに対する加工点との間の前記距離を算出し、算出された複数の前記距離の組み合わせに基づき、前記オーバーライド量を設定することである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2の工作機械の数値制御装置において、
前記速度修正部は、
記憶された前記距離と前記オーバーライド量との関係を示すテーブルに基づき、前記オーバーライド量を設定することである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3の工作機械の数値制御装置において、
前記速度修正部は、
前記機械座標系NCデータ中の、今後前記加工点が進行していく前記ワーク上の位置についてのデータを先読みし、現在位置における前記各駆動軸の移動速度を修正することである。
また、請求項5に係る工作機械のNCデータ解析装置の発明の構成上の特徴は、
ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と回転軸とを有する工作機械のNCデータ解析装置において、
前記工具の軌跡と、該軌跡上の点における姿勢ベクトルに基づいてNCデータ作成装置において作成された、ワーク座標系における直進軸座標および回転軸角度のデータを有する基準のワーク座標系NCデータを、前記各駆動軸の移動速度データを含む機械座標系NCデータに変換する座標系変換部と、
前記ワークと前記工具との間の相対姿勢が変化する場合に、前記機械座標系NCデータに基づいて、前記ワークおよび/または前記工具の回転中心と、前記工具の前記ワークに対する加工点との間の距離を求め、前記距離に基づいて設定され、100%を最大として前記距離が大きいほど減少するオーバーライド量を、前記機械座標系NCデータ中の指令送り速度に乗算することにより、前記機械座標系NCデータ中の前記各駆動軸の移動速度データを修正する速度修正部と、
を備えたことである。
請求項1に係る工作機械の数値制御装置によれば、ワークおよび/または工具の回転中心と加工点との間の距離に基づいて設定され、100%を最大として距離が大きいほど減少するオーバーライド量を、機械座標系NCデータ中の指令送り速度に乗算して、各駆動軸の移動速度を修正することにより、ワークおよび/または工具の回転中心と加工点との間の距離が大きい場合、各駆動軸の移動速度を減少させ、各駆動軸の駆動装置の負担を低減することができる。また、ワークおよび/または工具の急な動きを低減し、ワークの加工品質を向上させることができる。
また、ワークおよび/または工具の回転中心と加工点との間の距離に基づいて設定されたオーバーライド量を、機械座標系NCデータ中の指令送り速度に乗算することにより、機械座標系NCデータを変更しなくても、各駆動軸の移動速度を修正することが可能になり、速度修正部の演算に要する時間およびメモリを低減することができる。
請求項2に係る工作機械の数値制御装置によれば、2軸の回転軸についてそれぞれ算出されたワークおよび/または工具の回転中心と、加工点との間の距離の組み合わせに基づいてオーバーライド量を設定することにより、例えば、2軸の回転軸のそれぞれと加工点との間の距離の双方が大きい場合には、いずれかの回転軸と加工点との間の距離が大きい場合に比べて、加工点の指令送り速度をさらに減少させることにより、2軸の回転により各駆動軸速度が重畳的に増大することを防ぎ、各駆動装置の負担を低減することができる。
請求項3に係る工作機械の数値制御装置によれば、記憶された距離とオーバーライド量との関係を示すテーブルに基づき、オーバーライド量を設定することにより、加工点の指令送り速度を低減するために各駆動軸の動きを行列等を用いて演算する必要がなく、速度修正部のオーバーライド量の演算に要する時間およびメモリを低減することができる。
請求項4に係る工作機械の数値制御装置によれば、機械座標系NCデータ中の、今後加工点が進行していくワーク上の位置についてのデータを先読みし、現在位置における各駆動軸の移動速度を修正することにより、例えば、ワークのコーナー部位等のように、各駆動軸の移動速度を低減する必要のある部位を進行する以前に認識して、各駆動軸の移動速度を修正することができるため、ワークに対する工具の送りを滑らかにすることが可能となる。
請求項5に係る工作機械のNCデータ解析装置によれば、ワークおよび/または工具の回転中心と加工点との間の距離に基づいて設定され、100%を最大として距離が大きいほど減少するオーバーライド量を、機械座標系NCデータ中の指令送り速度に乗算して、各駆動軸の移動速度データを修正することにより、ワークおよび/または工具の回転中心と加工点との間の距離が大きい場合、各駆動軸の移動速度を減少させ、各駆動軸の駆動装置の負担を低減することができる。また、ワークおよび/または工具の急な動きを低減し、ワークの加工品質を向上させることができる。

<実施形態1>
図1乃至図8に基づき、本発明の実施形態1による工作機械の数値制御装置について説明する。本実施形態による数値制御装置は、ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、直進軸がX軸、Y軸およびZ軸の3軸、回転軸がA軸(X軸回りの回転軸)およびB軸(Y軸回りの回転軸)の2軸である5軸同時加工を可能とする多軸工作機械に適用されている。
図1は、本実施形態による数値制御装置1を含んだ多軸工作機械の構成を表している。NCデータ作成装置3は、CAD/CAM装置2からのCLデータに基づいて、NCデータを作成し数値制御装置1へと供給する。CLデータは、CAD/CAM装置2において加工完成品のCAD/CAMデータから形成され、ワーク座標系における工具の移動方法を特定するデータである。CLデータはワーク座標系において、例えば、図2に示すように、ワークW上を移動するボールエンドミル等の工具5の加工点51による移動軌跡と、移動軌跡上の点における工具5の姿勢ベクトルTとにより形成されている。
NCデータ作成装置3は、供給されたCLデータに基づき、工具5の移動軌跡上に複数の補間点を形成し、補間点ごとに工具5の角度を特定することにより、各補間点における加工点51のX軸、Y軸、Z軸上の位置座標、工具5のA軸角度とB軸角度、および工具5のワークWに対する相対速度Vt(送り速度:図2示)を含んだ基準のワーク座標系NCデータを形成する。
尚、CAD/CAM装置2およびNCデータ作成装置3は、ハードウェアの構成として、例えば、互いに別々のパソコンで構成されていてもよいし、あるいは、単一のパソコン内に双方の機能を具備させていてもよい。また、数値制御装置1が、CAD/CAM装置2およびNCデータ作成装置3の双方の機能を有していてもよい。
数値制御装置1の機械座標系NCデータ記憶部11(本発明のNCデータ記憶部に該当する)は、NCデータ作成装置3により形成された基準のワーク座標系NCデータを、ワークWの回転中心位置や工具5の回転中心位置を考慮して、機械座標系NCデータに変換した後に記憶する。機械座標系NCデータ記憶部11に記憶された機械座標系NCデータは、制御部12へと出力され、制御部12は機械座標系NCデータに基づいて、NC工作機械4の作動制御を行う。
オーバライド量演算部13は、制御部12およびテーブル記憶部14と接続されており、ワークWまたは工具5の回転中心と、工具5のワークWに対する加工点51との間の距離を演算し、演算結果からオーバライド量Dを算出する。
図3、図4および図8に基づいて、ワークWが載置されたテーブル6がA軸回りに回動し、かつテーブル6がB軸回りに回動する場合に、オーバライド量演算部13が、ワークWの回転中心と工具5のワークWに対する加工点51との間の距離に応じて、オーバライド量Dを演算する方法について説明する。
最初に、オーバライド量演算部13は機械座標系NCデータから、工具5の加工点51とA軸との間の最短距離LA(加工点51からA軸に対して垂線を下ろした場合に、垂線とA軸との交点と、加工点51との間の距離)を算出する(図3示)。この場合、加工点51の座標値として、機械座標系NCデータにおける工具5の位置認識点PTの座標値および工具5の工具長LT(工具5の位置認識点PTと加工点51との間の距離)に基づき求められた値が、距離LAの演算に使用される。
また、同様にオーバライド量演算部13は機械座標系NCデータから、工具5の加工点51とB軸との間の最短距離LB(加工点51からB軸に対して垂線を下ろし場合に、垂線とB軸との交点と、加工点51との間の距離)を算出する(図4示)。この場合、上述した場合と同様に、演算に使用される加工点51の座標値は、機械座標系NCデータにおける工具5の位置認識点PTの座標値および工具5の工具長LTに基づき求められる。
尚、上述した最短距離LA、LBの演算において、加工点51は加工時の工具5上のワークWに対する当接位置(本実施形態においては工具5の先端位置)を意味しており、工具5がワークWから離れている場合には、ワークWの外周面上にはないことは言うまでもない。これは、以降の演算方法においても同様である。
テーブル記憶部14には、図8に示したように、各距離LA、LBとオーバライド量D(%)との間の関係を示したオーバライド量テーブルが記憶されている。オーバライド量演算部13はオーバライド量テーブルに基づき、算出された距離LA、LBの組み合わせに応じてオーバライド量Dを求める。
オーバライド量テーブル中のオーバライド量Dは、多軸工作機械の各駆動軸の剛性または移動可能速度等に応じて設定されている。また、機械座標系NCデータから直進軸のストローク値を予め読み取り、それから得られる最大ストローク値をオーバライド量テーブル中のLAmax、LBmaxとして設定している。
次に、図5および図8に基づいて、工具5が上部のGAを中心にA軸回りに回動し、かつワークWが載置されたテーブル6がB軸回りに回動する場合に、オーバライド量演算部13が、ワークWおよび工具5の回転中心と、工具5のワークWに対する加工点51との間の距離に応じて、オーバライド量Dを演算する方法について説明する。
オーバライド量演算部15は機械座標系NCデータから、工具5の加工点51と工具5の回転中心GAとの間の距離LAを算出する。また、同様にオーバライド量演算部13は機械座標系NCデータから、工具5の加工点51とB軸との間の最短距離LB(加工点51からB軸に対して垂線を下ろし場合に、垂線とB軸との交点と、加工点51との間の距離)を算出する(図5示)。
この場合も、上述した場合と同様に、演算に使用される加工点51の座標値は、機械座標系NCデータにおける工具5の位置認識点PTの座標値および工具5の工具長LTに基づき求められる。
上述した場合と同様に、オーバライド量演算部13はテーブル記憶部14に記憶されたオーバライド量テーブルに基づき、算出された距離LA、LBの組み合わせに応じてオーバライド量Dを求める。
次に、図6、図7および図8に基づいて、工具5が上部のGABを中心にA軸およびB軸回りに回動する場合に、オーバライド量演算部13が、工具5の回転中心と工具5のワークWに対する加工点51との間の距離に応じて、オーバライド量Dを演算する方法について説明する。
オーバライド量演算部13は機械座標系NCデータから、工具5の加工点51と工具5の回転中心GABとの間の距離を算出する。この場合、算出された加工点51と工具5の回転中心GABとの間の距離は、距離LAであり距離LBとなる(図6および図7示)。
上述した場合と同様に、オーバライド量演算部13はテーブル記憶部14に記憶されたオーバライド量テーブルに基づき、算出された距離LA、LB(LA=LB)の組み合わせに応じてオーバライド量Dを求める。
速度修正部15(上述したオーバライド量演算部13および速度修正部15を包括したものが、本発明の速度修正部に該当する)は制御部12およびオーバライド量演算部13と接続されている。速度修正部15は、ワークWおよび工具5のうちの少なくともいずれかが回転することにより、ワークWと工具5との間の相対姿勢が変化する場合に、オーバライド量演算部13によって求められたオーバライド量Dを、機械座標系NCデータ中のワークWに対する工具5の指令送り速度VC(各駆動軸を互いに独立して移動させることの結果として、ワークWに対する工具5の相対的な速度を意味する)に乗算して、修正速度VCR=VC×Dを算出して、制御部12へ出力する。
制御部12は、機械座標系NCデータ記憶部11および速度修正部15に接続され、ワークWに対する工具5の指令送り速度VCを、速度修正部15によって算出された修正速度VCRに置き換えてNC工作機械4へと供給する。この場合、機械座標系NCデータ記憶部11に記憶された機械座標系NCデータ自体は変更せず、指令速度VCのみを修正速度VCRに変更する。
NC工作機械4は、機械座標系NCデータおよび修正速度VCRの供給を受けることにより、低減した速度で各駆動軸を動作させワークWおよび工具5を作動させる。
また、速度修正部15は、機械座標系NCデータ中の今後加工点51が進行していくワークW上の位置についてのデータを先読みし、現在位置におけるワークWまたは工具5の移動速度を修正する。例えば速度修正部15は、ワークWのコーナー部位等のように、ワークWまたは工具5の移動速度を低減する必要のある部位を、工具5が当該部位に到達する以前に認識して、オーバライド量Dにより低減したワークWまたは工具5の現在位置における移動速度をさらに重畳的に低減させて、当該修正速度を制御部12へ供給する。
本実施形態によれば、ワークWまたは工具5の回転中心と加工点51との間の距離LA、LBに応じて、ワークWに対する工具5の指令送り速度を修正することにより、ワークWまたは工具5の回転中心と加工点51との間の距離LA、LBが大きい場合、ワークWまたは工具5の移動速度を減少させ、各駆動軸の駆動装置の負担を低減することができる。また、ワークWまたは工具5の急な動きを低減し、ワークWの削り込みや振動を防止して、加工品質を向上させることができる。
また、ワークWまたは工具5の回転中心と加工点51との間の距離LA、LBに基づいて設定されたオーバーライド量Dを、機械座標系NCデータ中のワークWに対する工具5の指令送り速度VCに乗算することにより、機械座標系NCデータを変更しなくても、ワークWまたは工具5の移動速度を修正することが可能になり、移動速度の修正を容易に行うことができ、速度修正部15の演算に要する時間およびメモリを低減することができる。
また、2軸の回転軸についてそれぞれ算出されたワークWまたは工具5の回転中心と、加工点51との間の距離LA、LBの組み合わせに基づいてオーバーライド量Dを設定している。これにより、例えば、2軸の回転軸のそれぞれと加工点51との間の距離LA、LBの双方が大きい場合には、いずれかの回転軸と加工点51との間の距離LAまたはLBが大きい場合に比べて、ワークWまたは工具5の移動速度をさらに減少させることにより、2軸の回転により各駆動軸速度が重畳的に増大することを防ぎ、各駆動装置の負担を低減することができる。
また、記憶された距離LA、LBとオーバーライド量Dとの関係を示すオーバーライド量テーブルに基づき、オーバーライド量Dを設定することにより、ワークWまたは工具5の移動速度を低減するために各駆動軸の動きを行列等を用いて演算する必要がなく、速度修正部15のオーバーライド量Dの演算に要する時間およびメモリを低減することができる。
また、今後加工点51が進行していくワークWの位置に応じて、現在位置におけるワークWまたは工具5の移動速度を修正することにより、例えば、ワークWのコーナー部位等のように、ワークWまたは工具5の移動速度を低減する必要のある部位を工具5が進行する以前に認識して、ワークWまたは工具5の移動速度を修正することができるため、ワークWに対する工具5の送りを滑らかにすることが可能となる。
<実施形態2>
図9に基づき、本発明の実施形態2による工作機械のNCデータ解析装置について説明する。本実施形態においては、数値制御装置1に代わりNCデータ解析装置8が、機械座標系NCデータ中のワークWの移動速度データVWDおよび工具5の移動速度データVCDを修正することにより、各駆動軸の移動速度を修正している。本実施形態によるNCデータ解析装置8は実施形態1と同様に、5軸同時加工を可能とする多軸工作機械に適用されている。
図9は、本実施形態によるNCデータ解析装置8を含んだ多軸工作機械の構成を表している。尚、図9に示したNC工作装置7は数値制御装置を含んでいる。NCデータ解析装置8は、CAD/CAM装置2からのCLデータに基づいて、NCデータ作成装置3において形成された基準NCデータを修正して、NC工作装置7へと供給する。NCデータ作成装置3は、CLデータから基準のワーク座標系NCデータを形成する。NCデータ作成装置3はCAD/CAM装置2と接続され、CAD/CAM装置2からCLデータの供給を受ける。
NCデータ作成装置3は、供給されたCLデータに基づき、工具5の移動軌跡上に複数の補間点を形成し、補間点ごとに工具5の角度を特定することにより、各補間点における加工点51のX軸、Y軸、Z軸上の位置座標、工具5のA軸角度とB軸角度、および工具5のワークWに対する相対速度Vt(図2示)を含んだ基準のワーク座標系NCデータを形成する。尚、基準のワーク座標系NCデータは、工具5のワークWに対する相対速度データを必ずしも含んでいる必要はない。
ここで、工具5のワークWに対する、直進軸方向の相対移動速度が一定である場合、補間点は上述した軌跡上において一定間隔ごとに設定され、X軸方向における工具5のワークWに対する相対移動速度が一定でない場合、補間点は軌跡上において、工具5が一定間隔の時間ごとに存在する位置に設定されるのが望ましい。
尚、CAD/CAM装置2、NCデータ作成装置3およびNCデータ解析装置8は、ハードウェアの構成として、例えば、それぞれ1台ずつのパソコンで構成されていてもよいし、あるいは、単一のパソコン内に3つの機能を具備させていてもよい。
本実施形態によるNCデータ解析装置8は、座標系変換部81を備えている。座標系変換部81(本発明の座標系変換部に該当する)はNCデータ作成装置3と接続され、NCデータ作成装置3において形成された基準のワーク座標系NCデータを、工作機械の各駆動軸の移動速度データを含んだ機械座標系NCデータに変換する。本実施形態による多軸工作機械においては、実際は工具5に対してワークWも移動し、工具5およびワークWのそれぞれの移動が重畳された結果、双方の間において相対移動が発生する。
座標系変換部81においては、機械情報記憶部82からの工具5およびワークWの移動情報に基づき、多軸工作機械におけるワークWの移動を考慮して、工具5の実際の移動を特定する機械座標系NCデータが形成される。
実施形態1についての説明において論じたように、オーバライド量演算部83は、座標系変換部81およびテーブル記憶部84と接続されており、ワークWまたは工具5の回転中心と、工具5のワークWに対する加工点51との間の距離を演算し、演算結果からオーバライド量Dを算出する。
速度修正部85(上述したオーバライド量演算部83および速度修正部85を包括したものが、本発明の速度修正部に該当する)は座標系変換部81およびオーバライド量演算部83と接続されている。速度修正部85は、ワークWおよび工具5のうちの少なくともいずれかが回転することにより、ワークWと工具5との間の相対姿勢が変化する場合に、オーバライド量演算部83によって求められたオーバライド量Dを、機械座標系NCデータ中のワークWを移動させる駆動軸の移動速度データVWDおよび工具5を移動させる駆動軸の移動速度データVCDのうちの少なくともいずれかに乗算して、修正速度データVWDR=VWD×D、VCDR=VCD×Dを算出して、データ出力部86へ送信する。
この場合、多軸工作機械の各駆動軸の移動速度を低減するために十分であれば、機械座標系NCデータ中のワークWを移動させる駆動軸の修正速度データVWDRのみを演算してデータ出力部86へ出力してもよいし、あるいは、工具5を移動させる駆動軸の修正速度データVCDRのみを演算してデータ出力部86へ出力してもよい。また、必要であれば、機械座標系NCデータ中のワークWを移動させる駆動軸の修正速度データVWDRおよび工具5を移動させる駆動軸の修正速度データVCDRの双方を演算してデータ出力部86へ出力してもよい。
データ出力部86は座標系変換部81および速度修正部85に接続され、機械座標系NCデータ中のワークWに対する指令速度データVWDまたは工具5に対する指令速度データVCDを、速度修正部85によって算出された修正速度データVWDR、VCDRに置き換えて、NC工作装置7へと供給する。
NC工作装置7は、修正速度データVWDR、VCDRを含む機械座標系NCデータの供給を受けることにより、低減した速度で各駆動軸を動作させワークWおよび工具5を作動させる。
<他の実施形態>
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明による数値制御装置およびNCデータ解析装置が使用可能な工作機械は、ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも、直進軸と回転軸とをそれぞれ1軸以上有している工作機械であればよい。
オーバライド量テーブルは、多軸工作機械の仕様、各駆動軸の剛性、各駆動軸の移動可能速度、ワークの材質、ワークの形状等に応じて設定することにより、加工条件を最適化することが可能となる。
数値制御装置は、ワークに対する工具の指令送り速度にオーバライド量を乗算させる代わりに、ワークを移動させる駆動軸の移動速度および工具を移動させる駆動軸の移動速度のいずれかに乗算して、各駆動軸の速度を修正してもよい。
本発明の実施形態1による多軸工作機械の構成を示したブロック図 多軸工作機械の工具の移動方法をワーク座標系により示した概略図 ワークがA軸およびB軸回りに回転する場合の、加工点とA軸との間の距離の算出方法を説明するための図 ワークがA軸およびB軸回りに回転する場合の、加工点とB軸との間の距離の算出方法を説明するための図 工具がA軸回りに回転しワークがB軸回りに回転する場合に、加工点と回転中心との間の距離の算出方法を説明するための図 工具がA軸およびB軸回りに回転する場合に、加工点とB軸との間の距離の算出方法を説明するための図 工具がA軸およびB軸回りに回転する場合に、加工点とA軸との間の距離の算出方法を説明するための図 オーバライド量テーブルを示した図 実施形態2による多軸工作機械の構成を示したブロック図 従来技術による多軸工作機械の加工方法を示した概略図 従来技術による多軸工作機械の加工方法において、ワークが旋回した場合を示した概略図
符号の説明
図面中、1は数値制御装置、3はNCデータ作成装置、5は工具、8はNCデータ解析装置、11は機械座標系NCデータ記憶部(NCデータ記憶部)、13,83はオーバライド量演算部、15,85は速度修正部、81は座標系変換部、51は加工点、Wはワークを示している。

Claims (5)

  1. ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と回転軸とを有する工作機械の数値制御装置において、
    機械座標系における直進軸座標および回転軸角度と、前記工具の前記ワークに対する加工点の指令送り速度と、を含む機械座標系NCデータを記憶するNCデータ記憶部と、
    前記ワークと前記工具との間の相対姿勢が変化する場合に、前記機械座標系NCデータに基づいて、前記ワークおよび/または前記工具の回転中心と、前記工具の前記ワークに対する前記加工点との間の距離を求め、前記距離に基づいて設定され、100%を最大として前記距離が大きいほど減少するオーバーライド量を、前記機械座標系NCデータ中の前記指令送り速度に乗算することにより前記各駆動軸の移動速度を修正する速度修正部と、
    を備えたことを特徴とする工作機械の数値制御装置。
  2. 前記工作機械は、
    前記回転軸として少なくとも2軸を有し、
    前記速度修正部は、
    前記2軸の回転軸について、それぞれ前記ワークおよび/または前記工具の回転中心と、前記工具の前記ワークに対する加工点との間の前記距離を算出し、算出された複数の前記距離の組み合わせに基づき、前記オーバーライド量を設定することを特徴とする請求項1記載の工作機械の数値制御装置。
  3. 前記速度修正部は、
    記憶された前記距離と前記オーバーライド量との関係を示すテーブルに基づき、前記オーバーライド量を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の工作機械の数値制御装置。
  4. 前記速度修正部は、
    前記機械座標系NCデータ中の、今後前記加工点が進行していく前記ワーク上の位置についてのデータを先読みし、現在位置における前記各駆動軸の移動速度を修正することを特徴とする請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の工作機械の数値制御装置。
  5. ワークと工具とを相対的に移動可能な駆動軸として、少なくとも直進軸と回転軸とを有する工作機械のNCデータ解析装置において、
    前記工具の軌跡と、該軌跡上の点における姿勢ベクトルに基づいてNCデータ作成装置において作成された、ワーク座標系における直進軸座標および回転軸角度のデータを有する基準のワーク座標系NCデータを、前記各駆動軸の移動速度データを含む機械座標系NCデータに変換する座標系変換部と、
    前記ワークと前記工具との間の相対姿勢が変化する場合に、前記機械座標系NCデータに基づいて、前記ワークおよび/または前記工具の回転中心と、前記工具の前記ワークに対する加工点との間の距離を求め、前記距離に基づいて設定され、100%を最大として前記距離が大きいほど減少するオーバーライド量を、前記機械座標系NCデータ中の指令送り速度に乗算することにより、前記機械座標系NCデータ中の前記各駆動軸の移動速度データを修正する速度修正部と、
    を備えたことを特徴とする工作機械のNCデータ解析装置
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