JP5347338B2 - ゴルフボール用材料及びゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、分子量分布において、三成分から構成されるアイオノマー組成物を含むゴルフボール用材料に関する。この三成分から構成されるアイオノマー組成物は、少なくとも部分的に中和されたカルボン酸官能基を有するエチレン−α,β−不飽和カルボン酸−α,β−不飽和カルボン酸エステル三元共重合体(ターポリマー)アイオノマーを含む。
アイオノマー樹脂(アイオノマー)は、数ある中で特にゴルフボールにとって有用な材料である。特に、エチレンなどのα−オレフィンと、アクリル酸(AA)、メタクリル酸(MAA),またはマレイン酸等の不飽和カルボン酸と、これらの不飽和カルボン酸のエステル(柔軟化モノマー)との三元共重合体を金属カチオンで中和して得られるターポリマーアイオノマーはゴルフボールに柔軟性を付与できる材料として有用である。
一般に、アイオノマー材料にて製造されたゴルフボールは、バラタボール構造と比べて反発弾性,強靭性及び耐久性が改良されることとなり、それ故、アイオノマーはゴルフボールの構成上の重要な材料となっている。DuPont社の「サーリン(Surlyn)」、Exxon-Mobil Chemical社の「アイオテック(Iotek)」などに代表されるアイオノマー樹脂が従来のバラタ(トランスポリイソプレン、天然、または合成)ゴムを凌いで使用されている。しかしながら、高耐久性を有するアイオノマーは、一般に非常に硬い傾向にあり、ゴルフボール材料として用いた場合、ボールの柔軟性を欠き、ボールのコントロールに必要なスピンを付与できず、しかも打球感が劣る傾向にあった。
一方、エチレンと(メタ)アクリル酸共重合体に代表されるハードなコポリマーアイオノマーの優れた耐衝撃性及び飛距離と、バラタのソフトな打球感及びスピン付与とを両立した特性を有するゴルフボールがゴルファーの間で切望されていた。
上記のエチレンなどのα−オレフィンと、アクリル酸(AA),メタクリル酸(MAA),マレイン酸等の不飽和カルボン酸と、これらの不飽和カルボン酸のエステル(柔軟化モノマー)との三元共重合体を金属カチオンで中和して得られるターポリマーアイオノマーは、柔軟性を提供できる半面、反発弾性が低い欠点があり、単独ではゴルフボール材料として好ましくない面があった。
柔軟性、高反発弾性、高耐久性でしかもスピンコントロールのあるアイオノマー材料を調製するために、過去においては、米国特許公報(下記の特許文献1〜3)に例示されるように、硬いアイオノマー樹脂と柔軟なアイオノマー樹脂とのメルトブレンドが検討されている。しかしながら、柔軟なアイオノマー樹脂のブレンドは、硬いコポリマーアイオノマー単独に比較し、ゴルフボールカバーに使用した場合、耐擦過傷性が劣る傾向があった。更に、米国特許公報(下記の特許文献4〜7)に例示されるように、耐擦過傷性を改良するために高分子量体の高中和アイオノマーと低分子量体の高級脂肪酸金属塩との併用を行った材料が報告されているが、その高分子量体のアイオノマー成分と比較すると、低分子量体の高級脂肪酸金属塩を配合しているため、相溶性に問題があり、その結果、ゴルフボールのある層に使用した場合、ゴルフボールの耐久性が劣り、更に高中和度により、材料の低流動性化を起こし、ゴルフボール射出成形時、成形加工性の問題点があった。
一方、米国特許公報(下記の特許文献8〜10)に例示されるように、過去にポリウレタンがゴルフボール材料として開発されている。ポリウレタンは、特に、ゴルフボールのカバーに使用した場合、優れた耐擦過傷性、スピンコントロール及びソフト打球感を兼ね備えた材料である。しかしながら、ポリウレタンは、反発弾性が低く、ゴルフボールの性能を損なう欠点があった。また、熱硬化性ポリウレタンは、熱可塑性アイオノマー樹脂よりも加工が難しくかつ、リサイクルができず材料コストが高くなるという不利な面があった。
米国特許第4884814号明細書 米国特許第5120791号明細書 米国特許第5971871号明細書 米国特許第6100321号明細書 米国特許第6653382号明細書 米国特許第6777472号明細書 米国特許第6815480号明細書 米国特許第6974854号明細書 米国特許第7041769号明細書 米国特許第7090798号明細書 特表2003−512495号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高分子量体アイオノマーベース成分と低分子量体カルボン酸とを配合した高中和配合組成物に、更に第三成分を配合し高中和することにより、より均一に分散された配合組成物を得ることができ、柔軟性(ソフトな打撃感)、耐久性、反発弾性及び成形加工性に優れたゴルフボール用材料、及び該ゴルフボール用材料の成形物を構成要素として具備するゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者らは、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフィー、以下同様)におけるポリスチレン換算重量平均分子量Mwの観点において、高分子量体アイオノマーベース成分(a)と低分子量体カルボン酸成分(c)との両者の中間に位置する分子量を有するアイオノマーベース成分(b)を配合し高中和することにより、高分子量体アイオノマー成分(a)と低分子量体金属塩成分(c)との相溶性を改良し、その結果として、高いMFRを有し、耐久性に優れたゴルフボール材料を提供できることを見出した。更に、意外にも熱安定性、流動性、成形性が良好で、射出成形に適しており、しかも成形物の反発性を損なうことなく、耐久性、耐擦過傷性、適正硬度等に優れる高性能のゴルフボールを形成するのに最適な材料であることを知見した。
また、本発明者らは更に検討を行ったところ、上記ゴルフボール用材料の成形物を構成要素(コアとこのコアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、一層以上のコアとこのコアを被覆する一層以上の中間層とこの中間層を被覆する一層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材、以下、同じ。)として具備したゴルフボールは、反発性を損なうことなく、優れた耐久性、耐擦過傷性、適正硬度を有することを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記のゴルフボール用材料及びゴルフボールを提供する。
〔1〕下記の三成分(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分を(d)成分である金属カチオンで中和した熱可塑性アイオノマー配合組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
(a)成分
少なくとも1種類のE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが100,000以上を有すると共に、上記のEはα−オレフィン、XはC3〜C8の不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸(酸無水物含む)、Yはアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸のアルキルエステルであり、Xが上記三元共重合体の全重量に対して1〜30質量%の量で存在し、Yが上記三元共重合体の全重量に対して2〜30質量%の量で存在すること、
(b)成分
少なくとも1種のE/Xで表される共重合体(コポリマー)及び/又はE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、GPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが85,000〜95,000を有すると共に、XがE/XまたはE/X/Yの全重量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yコポリマーの全重量に対し2〜30質量%の量で存在し、かつ(b)成分が(a),(b)及び(c)の全量に対して5〜45質量%の量で存在すること、及び
(c)成分
少なくとも1種類のモノ及び/又は多官能酸基を有する有機化合物、或いはこれらの金属塩からなり、その分子量が1,000未満であり、(a),(b)及び(c)の全量に対して5〜35質量%の量で存在すること。
〔2〕上記(d)成分が、金属酸化物,金属炭酸塩及び金属水酸化物の群から選ばれる酸素含有無機金属化合物であり、これらの金属カチオン源によって、上記の(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分配合物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和する〔1〕記載のゴルフボール用材料。
〔3〕上記(d)成分の金属カチオン種が、周期率表の第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBの群から選択される〔1〕又は〔2〕記載のゴルフボール用材料。
〔4〕上記熱可塑性アイオノマー配合組成物のメルトフローレート(MFR)値が、少なくとも2.0g/10min以上である〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載のゴルフボール用材料。
〔5〕上記(a)成分として、部分的に中和されたターポリマーが用いられる〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
〔6〕上記のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
〔7〕上記のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
本発明のゴルフボール用材料は、高分子量体アイオノマーベース成分と低分子量体カルボン酸とを配合した高中和配合組成物に、更に第三成分を配合し高中和したものであり、より均一に分散された配合組成物を得ることができる。そして、本発明のゴルフボール用材料は、柔軟性(ソフトな打撃感),耐久性,反発弾性及び成形加工性に優れたものであり、コアや1層又は2層以上のカバー等のゴルフボール構成要素の材料として非常に有用である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明は、少なくとも下記の三成分(a),(b)及び(c)の熱可塑性成分から構成され、これらを金属カチオンで中和したアイオノマー組成物からなる。即ち、(a)少なくとも1種類のE/X/Yで表される三元共重合体、即ち、ターポリマーであって、Eはα−オレフィンであり、XはC3〜C8の不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸(酸無水物含む)であり、Yはアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸のアルキルエステルであり、XがE/X/Yターポリマーの全重量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yターポリマーの全重量に対し2質量%〜30質量%の量で存在し、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算重量平均分子量Mwにおいて、重量平均分子量が100,000以上である。
GPC重量平均分子量測定に関して述べると、E/X/Yターポリマー及びE/Xコポリマーは、分子中のX酸基により、その分子がGPCのカラムに吸着されるため、そのままではGPC測定ができない。通常、X酸基をエステル化後にGPC測定を行い、ポリスチレン換算重量平均分子量Mwを算出する。エステル化については、J. Polymer Science Part A : Polymer Chemistry, 29 (4), 585 (1991) に準じている。
本発明の(b)成分については、少なくとも1種のE/Xで表される共重合体(コポリマー)および/またはE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であって、重量平均分子量Mwが85,000〜95,000を有し、かつXがE/XまたはE/X/Yの全重量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yターポリマーの全重量に対して2〜30質量%の量で存在する。また、(b)成分が(a),(b)及び(c)成分の全重量に対して5〜45質量%の範囲の量で存在する。
本発明の(c)成分については、少なくとも1種類のモノ及び/又は多官能酸基を有する有機化合物、或いはこれらの金属塩であり、本発明の熱可塑性アイオノマー配合組成物の可塑化効果をもたらすものであり、分子量が1,000未満である。また、(c)成分が(a),(b)及び(c)成分の全重量に対して5〜35質量%の量で存在する。
本発明の(d)成分は、酸素含有無機金属化合物から構成される金属酸化物,金属炭酸塩及び金属水酸化物から選ばれる金属カチオン源であり、上記の(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分配合物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和し、熱可塑性アイオノマー配合組成物を得る。金属カチオン種としては、周期率表の第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBの群から選択される。
上記の(a)成分及び(c)成分の二成分系熱可塑性成分配合物の中和物との比較において、上記の(a),(b)及び(c)成分の三成分系熱可塑性成分配合物中の酸基を中和後の熱可塑性アイオノマー配合組成物のメルトフローレート(以下、単に「MFR」と略す。)が少なくとも2.0g/10min以上であることが好ましい。これにより、成形加工性に優れ、この材料を使用したゴルフボールがCOR打撃回数で優れた耐久性を有することができる。
上記の熱可塑性成分(a)ターポリマーE/X/Yのうち、Eのオレフィンとしては、例えば、エチレン,プロピレン,ブテン,ペンテン,ヘキセン,ヘプテン,オクテン等を挙げることができ、特にエチレンが好適に用いられる。
また、Xの不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,(無水)マレイン酸,フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸,メタクリル酸が好適に用いられる。Xの不飽和ジカルボン酸としては、マレイン酸,フマル酸、イタコン酸等を、Xの不飽和無水カルボン酸としては、無水マレイン酸,無水イタコン酸等を挙げることができ、特にマレイン酸及び無水マレイン酸が好適である。
また、Yの不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、上記の不飽和カルボン酸の低級アルキルエステルを好適に用いることができる。具体的には、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル酸ブチル,アクリル酸メチル,アクリル酸エチル,アクリル酸プロピル,アクリル酸ブチル等を挙げることができる。特に、アクリル酸ブチル(アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル)が好適に用いられる。Yの不飽和ジカルボン酸ハーフエステルとしては、上記のジカルボン酸のモノエステルであり、例えば、マレイン酸モノエチルエステル,フマル酸モノメチルエステル,イタコン酸モノエチルエステル等を挙げることができ、特にマレイン酸モノエチルエステルが好適に用いられる。
オレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルポリマーとしては、例えば、Nucrel AN4318,Nucrel 9-1,Bynel 2022(いずれもDuPont社製)、ESCOR ATX325,ESCOR ATX320(いずれもExxon-Mobil Chemical社製)等を挙げることができる。
上記の熱可塑性成分(b)のE/Xで表される共重合体(コポリマー)及び/又はE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)のX及び構成モノマーは、上記熱可塑性成分(a)記載と同じであるが、重量平均分子量Mwが1,500〜95,000の範囲にあるものである。例えば、Nurel 599(Mw 84,000、DuPont社製),Primacor 59901(Mw 60,000、Dow Chemical社製),AC580(Mw 26,000、Allied Signal社製),AC5120(Mw 5,200、Allied Signal社製)などが挙げられる。
上記の(c)成分は、分子量1,000未満の少なくとも1種類のモノ酸及び/又は多価酸、或いはこれらの金属塩である。その酸基としては、スルフォン酸基、カルボン酸基及びリン酸基の群から選ばれものであり、炭素数65未満のアルキル,シクロアルキル,アリル(Aryl),アリール(Allyl),アルキルアリル(Alkylaryl)及びアラルキル(Aralkyl)誘導体である。
上記の具体例としては、これらに限定するものではないが、ラウリルスルフォン酸,ドデシルベンゼンスルフォン酸,ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルフォン酸,12−ヒドロキシオレイン酸(リシノレイン酸),12−ヒドロキシステアリン酸,オレイン酸,ステアリン酸,アラキジン酸,ベヘニン酸,リグノセリン酸,アジピン酸,セバチン酸,テトラプロペニルコハク酸(酸無水物含む),ヘキサドデセニルコハク酸(酸無水物含む),エイコセニルコハク酸(酸無水物含む),ニトリロトリ酢酸,ジエチレントリアミンペンタ酢酸,トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸,1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸,グリコールエーテルジアミンテトラ酢酸,ジカルボキシメチルグルタミン酸,ニトリロトリス(メチレンリン酸),ホスホノブタントリカルボン酸,γ−レゾルシン酸,o−ピロカテク酸,ゲンチジン酸,プロトカテク酸,オルセリン酸,ホモゲンチジン酸,ホモプロトカテク酸,ヒドロカフェー酸,カフェー酸,トリメリット酸,へミメリット酸などが挙げられ、これらのリチウム,ナトリウム,亜鉛,マグネシウム,カルシウムまたはカリウムの金属塩である。
上記の(c)成分において、(c)成分が金属塩の場合、または(d)成分によって中和後に金属塩になった場合、その金属塩の酸残基の塩基性強度によっては、その金属塩の金属カチオンが(a)ターポリマー成分中のカルボン酸への中和に使用される、即ち、金属カチオンの移動が起こり、その金属塩の遊離酸残基の挙動を考慮する必要がある。例えば、(c)成分の金属塩として、パルミチン酸マグネシウム塩やステアリン酸マグネシウム塩を使用した場合、その一部が(a)ターポリマー成分中の未中和カルボン酸の中和反応に消耗されると同時に、遊離した酸残基、パルミチン酸(bp.215℃/15mmHg)やステアリン酸(100℃で気化)が真空ベント下、高温反応温度で反応系外に排出され、その結果としてターポリマーの中和反応が進み、得られる熱可塑性アイオノマー配合組成物のMFRのコントロールが難しくなることが懸念される。この場合、酸残基が反応系外に除去されることが好ましく、酸残基が反応系内に残ると、得られる熱可塑性アイオノマー配合組成物への物性に影響することが懸念される。また、酸残基がオレフィン系高級脂肪酸の場合、例えば、オレイン酸、リノール酸などの場合、空気酸化による酸敗臭がするため、環境への汚染(悪臭)が懸念される。一方、スルフォン酸基、ジカルボン酸基、多官能酸基の金属塩の場合、金属塩が安定であり、その金属塩の金属カチオンが(a)ターポリマー成分中のカルボン酸へ移行することは殆どない。
上記の(d)酸素含有無機金属化合物から構成される金属酸化物、金属炭酸塩、または金属水酸化物の金属カチオン源としては、周期率表第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBから選択される。酸素含有無機金属化合物の具体例としては、これに限定されるものではないが、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸マグネシウム,炭酸カルシウム,酸化マグネシウム,酸化亜鉛,酸化カルシウム及び水酸化マグネシウム等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用することができる。
上記の(d)酸素含有無機金属化合物の使用形態としては、超微粒子(平均粒径0.005〜0.5μm、粒度分布0.001〜1.0μm)か、マスターバッチ化したもの(MBと略す)である。超微粒子は、通常の粒径が数十μmの粒子と比べると、その表面が活性であり、酸に対する反応性が高く、また分散性も良好であることから、本発明の中和反応には好適である。また、そのMB化に使用される酸素含有無機金属化合物の平均粒径は0.005〜50μmであり、その粒度分布が0.001〜300μmであることが好適である。その粒径に関しては、上記の酸素含有無機金属化合物の超微粒子ほど微細化したものを使用する必要は、必ずしもない。但し、平均粒径が大きすぎると、中和反応が完結しない場合があり、一方、小さすぎると、MB化時、分散不良を起こす場合がある。ここで、本発明において「平均粒径」及び「粒度分布」とは、レーザー回折式粒度分布測定(レーザー回折・散乱法)に準拠して測定した値を意味する。
上記の(d)酸素含有無機金属化合物のMB化に用いるベースポリマー材料としては、高いMFR値を有するものが好適である。例えば、高いMFRのエチレン系ワックス、低酸含量高MFRのエチレン系ポリマーなどがあり、Nucrel 699(メタクリル酸含有量11質量%、MFR100g/10min、DuPont社製)、Nucrel N0200H(メタクリル酸含有量2質量%、MFR130g/10min、DuPont社製)などが例示される。また、MB中の酸素含有無機金属化合物の質量%(濃度)は、好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%であり、MB中の酸素含有無機金属化合物の質量%(濃度)が高くなり過ぎると、MBのMFRが極端に低下し(MFR<0.1g/10min)、上記(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分配合物にMBを配合した際、マスターバッチ中の酸素含有無機金属化合物の分散不良を来たす。逆に低濃度の場合、MBの添加量が多くなり、MBに使用された高MFRの熱可塑性樹脂(エチレン系ワックス、低酸含量高MFRのエチレン系ポリマーなど)が影響を及ぼし、ゴルフボール用材料の物性を低下させるおそれがある。
上記の金属カチオン源としての(d)酸素含有無機金属化合物の配合量は、上記の中和反応によって得られる熱可塑性アイオノマー配合組成物のMFRが少なくとも2.0g/10min以上になるように必然的に決定される。上記(d)成分の配合量を多くすると、過剰中和度になり、ゴルフボール用材料としての流動性(MFR)が低下し、成形性が損なわれると共に、成形物にウェルドラインが発生しやすく割れやすい原因になる。一方、その配合量が不足する場合、ゴルフボール用材料としての物性、反発弾性や耐久性が損なわれるおそれがある。
本発明の熱可塑性アイオノマー配合組成物の製法としては、大きく分けて二つの方法がある。一つは、予め(a)成分であるターポリマー中のカルボン酸をある程度中和し、即ち、ターポリマーアイオノマーを使用し、(b)成分,(c)成分及び(d)成分を加えて、中和反応を行う方法である。もう一つは、(a)成分である未中和のターポリマーを使用し、(b)成分,(c)成分及び(d)成分を加えて、中和反応を行う方法である。ターポリマーの効率的中和反応の観点から、前者の方法を採用することが好適である。両者の方法において、予め(a)成分,(b)成分及び(c)成分をメルトブレンドし、次いで(d)成分加え中和反応を行っても良い。但し、この場合、コストアップに繋がるおそれがある。
上記の前者の方法において、予めターポリマーアイオノマーを調製する場合、その中和度は、他の成分(b),(c)及び(d)成分のメルトブレンドを考慮し、そのターポリマーアイオノマーの熱溶融時の流動性を損なわない程度にすべきである。通常、ターポリマー(酸含量4〜15質量%、(メタ)アクリル酸エステル含有量10〜25質量%、MFR30〜100g/10min)に対し、中和度を60mol%以下に設定することが好ましい。
上記の(d)成分である酸素含有無機金属化合物の金属カチオン源による(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分配合物中の酸中和反応を、ニーディングディスクゾーンを有するスクリューセグメント配置のベント付二軸押出機を使用して行うことが好ましい。
本発明の熱可塑性アイオノマー配合組成物には、下記の熱可塑性樹脂を配合することができる。具体的に熱可塑性樹脂としては、これらに限定されるものではないが、例えば、ポリオレフィン系エラストマー(ポリオレフィン、メタロセンポリオレフィン含む)、ポリスチレン系エラストマー、ジエン系ポリマー、ポリアクリレート系ポリマー、ポリアミド系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアセタールなどを任意に配合することができる。
本発明のゴルフボール用材料には、更に任意の添加剤を用途に応じて適宜配合することができる。本発明のゴルフボール用材料をカバー材として用いる場合、上記(a)〜(c)に、顔料,分散剤,老化防止剤,紫外線吸収剤,光安定剤などの各種添加剤を加えることができる。これら添加剤を配合する場合、その配合量については、上記(a)〜(c)の総和100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、上限として、好ましくは10質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
本発明のゴルフボール用材料の比重については、好ましくは0.9以上、より好ましくは0.92以上、更に好ましくは0.94以上、上限として、好ましくは1.3以下、より好ましくは1.2以下、更に好ましくは1.05以下である。
本発明のゴルフボール用材料を用いた成形物のショアD硬度については、好ましくは40以上、より好ましくは45以上、上限として好ましくは75以下、より好ましくは70以下である。上記のショアD硬度が高すぎると、形成されたゴルフボールの打撃時のフィーリングが著しく低下する場合があり、ショアD硬度が低すぎると反発性が低下する場合がある。
本発明のゴルフボール用材料(即ち、熱可塑性アイオノマー配合組成物)は、コアとこのコアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、一層以上のコアとこのコアを被覆する一層以上の中間層とこの中間層を被覆する一層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることができる。
以下、実施例と比較例とを示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。尚、本発明の実施例・比較例に使用した中和反応用二軸押出機は、スクリュー径32mmφ、全体L/D41、ニーディングディスクゾーンL/Dが全体L/Dの40%、真空べントポート及び水圧注入装置付きである。
〔実施例1〕
表1に記載の配合組成で、(a)成分としてTerpolymer-2、(b)成分としてPolymer-2、(c)成分としてIngredient-1の三成分系、及び(d)成分としてMgMBを予め、ドライブレンドし、210℃設定の反応用二軸押出機のホッパーに投入後、真空ベント下、押出しながら中和反応を行い、均一なアイオノマー配合組成物1を得た。スクリュー回転数は125rpm、押出量は5.5kg/hrであった。得られたアイオノマー配合組成物のMFR,硬度及び引張特性を表1に示した。その三成分系アイオノマー配合組成物1をスリーピースゴルフボールの中間層に使用し、コア材料として下記に示す配合によるポリブタジエンゴム架橋体(外径37.3mmφ、重量32.8g、圧縮歪4.10mm)を用い、射出成形機(設定温度ホッパー:160℃、C1〜ヘッド:180〜210℃)を使用し、射出圧力5.9MPa、保持圧力4.9MPa、射出・保持時間8秒、冷却時間25秒の条件下、射出成形を行い、厚み1.35mmの中間層を作成し、ボールを一日放置後、カバー層にアイオノマーブレンド樹脂(Surlyn 8940/Surlyn 9910/TiO2=50/50/1(質量比)配合系)を、同様に射出成形しスリーピースゴルフボール(直径42.7mmφ、重量45.5g)を作製した。これらのゴルフボール評価を行い、その結果を表1に記載した。
コア配合
シス−1,4−ポリブタジエンゴム 100 質量部
アクリル酸亜鉛 21 質量部
酸化亜鉛 5 質量部
硫酸バリウム 26 質量部
ジクミルパーオキサイド 0.8 質量部
比較例1として(a)(c)二成分系アイオノマー配合組成物を用いた。この比較例に比べて実施例1の(a)(b)(c)三成分系アイオノマー配合組成物1は適正な硬度を有し、射出成形し易く、より高いMFRを示していた。その実施例のゴルフボール物性においては、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
なお、金属酸化物マスターバッチについては、特許出願番号2005−227691号に記載した方法に準じ、調整した。即ち、5リットル加圧ニーダー(ナニワ製造機械社製、設定温度100℃)を使用し、マスターバッチ用ベースポリマーにNucrel N0200H(エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体、DuPont社製)と水酸化マグネシウムMg(OH)2(平均粒径0.8μm、協和化学社製)の配合比〔Nucrel N0200H/Mg(OH)2〕が50/50(質量比)になるように2.0kg仕込み、ローター回転数35rpm、混練温度が120℃〜130℃の範囲になるようにコントロールしながら、0.49MPaの加圧下、20分間混練した。その混練物を二軸一軸単軸押出機40mmφ(ナニワ製造機械社製、温度設定180℃)でストランド化し、冷却水槽、エアーナイフ及びペレタイザーを通して、ペレット化した。得られたMg(OH)2含有量50質量%のMg(OH)2マスターバッチのMFRは2.3g/10min(190℃、2160g荷重)であった。得られたマスターバッチをMgMBと略して表中に記した。
〔実施例2〕
表1の実施例2において、(c)成分としてIngredient-1及びIngredient-4の2種類を用いる以外は、実施例2に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)三成分系(但し、(c)成分は2種である。)のアイオノマー配合組成物2を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。
比較例2として(a)(c)二成分系(但し(c)成分2種である。)アイオノマー配合組成物を用いた。その比較例2と比べると実施例2の三成分系のアイオノマー配合組成物2は、高MFRであり、射出成形が容易で、得られたゴルフボールは、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
〔実施例3〕
表1の実施例3において、(c)成分としてIngredient-2を用いる以外は、実施例3に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)三成分系のアイオノマー配合組成物3を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。
比較例3として(a)(c)二成分配合系アイオノマー配合組成物を用いた。その比較例3と比べると、実施例3の(a)(b)(c)三成分系のアイオノマー配合組成物3は、高MFRであり、射出成形が容易で、得られたゴルフボールは、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
〔実施例4〕
表1の実施例4において、(b)成分としてPolymer-1とPolymer-2、及び(c)成分としてIngredient-2とIngredient-4を用いる以外は、実施例4に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)三成分系(但し、(b)及び(c)成分とも2種である。)のアイオノマー配合組成物4を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。
比較例3として、(a)(c)二成分配合系アイオノマー配合組成物を用いた。この比較例3と比べて、実施例4の(a)(b)(c)三成分系のアイオノマー配合組成物4は、高MFRであり、射出成形が容易であった。得られたゴルフボールは、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
〔実施例5〕
表1の実施例5において、(a)成分としてTerpolymer-2中の酸含量の50mol%を中和したTerpolymer-1を使用し、(b)成分としてPolymer-1とPolymer-2、及び(c)成分としてIngredient-1、Ingredient-3及びIngredient-4を用いる以外は、実施例5に示した配合割合で、実施例1の操作を繰り返し、(a)(b)(c)三成分系(但し、(b)成分は2種、(c)成分3種である。)のアイオノマー配合組成物5を得、更にその材料を中間層に使用したゴルフボールを調製した。
比較例2の(a)(c)二成分配合系アイオノマー配合組成物と比べると、実施例5の(a)(b)(c)三成分系のアイオノマー配合組成物5は、高MFRであり、射出成形が容易であった。得られたゴルフボールは、初速度及び反発弾性を損なうことなく、耐久性も優れていた。
また、実施例5においては、既にある程度中和されたTerpolymerアイオノマーを使用することにより、カチオン源である(d)成分の配合量が削減できる結果、未中和のTerpolymerを使用する場合に比較し、より中和反応が行いやすい利点があった。
〔比較例1〕
実施例1の比較例として、(a)成分としてTerpolymer-2、及び(c)成分としてIngredient-1を用いる以外は、実施例1の操作を繰り返し、(a)(c)二成分系アイオノマー配合組成物を得、またその材料を中間層に使用したスリーピースボールを調製した。
実施例1の材料と比べると、(b)成分を欠くため、(a)(c)二成分系アイオノマー配合組成物は低MFR(1.0g/10min未満)であり、成形加工性が劣ると共に、重要なゴルフボールの耐久性も劣っていた。尚、初速度とCOR反発弾性は同等であった。
〔比較例2〕
実施例2及び実施例5の比較例として、(a)成分としてTerpolymer-2、及び(c)成分としてIngredient-1及びIngredient-4を用いる以外は、実施例1の操作を繰り返し、(a)(c)二成分系(但し(c)成分は2種である。)アイオノマー配合組成物を得、またその材料を中間層に使用したスリーピースボールを調製した。
実施例2の材料と比べると、(b)成分を欠くため、(a)(c)二成分系アイオノマー配合組成物は低MFR(1.0g/10min未満)であり、成形加工性が劣ると共に、重要なゴルフボールの耐久性も劣っていた。尚、初速度とCOR反発弾性は同等であった。
〔比較例3〕
実施例3及び実施例4の比較例として、(a)成分としてTerpolymer-2、及び(c)成分としてIngredient-2を用いる以外は、実施例1の操作を繰り返し、(a)(c)二成分系アイオノマー配合組成物を得、またその材料を中間層に使用したスリーピースボールを調製した。
実施例3及び実施例4の材料と比べると、(b)成分を欠くため、(a)(c)二成分系アイオノマー配合組成物は低MFR(1.0g/10min)であり、成形加工性が劣ると共に、重要なゴルフボールの耐久性も劣っていた。尚、初速度とCOR反発弾性は同等であった。
実施例1〜5及び比較例1〜3の実験結果をまとめると下記表1のとおりになる。
Figure 0005347338
上記表中の各材料の詳細は下記のとおりである。
(i) Terpolymer-1
Terpolymer-2の酸基をマグネシウムイオンで50mol%中和したもの
(ii) Terpolymer-2
エチレン−アクリル酸−アクリル酸n−ブチル三元共重合体、MFR60g/10min、Mw160,000、DuPont社製
(iii) Polymer-1
エチレン−アクリル酸共重合体、Mw5,000、Allied Signal社製
(iv) Polymer-2
エチレン−メタクリル酸共重合体、MFR450g/10min、Mw85,000、DuPont社製
(v) Ingredient-1
ステアリン酸マグネシウム塩、Sakai Chemical Ind.社製
(vi) Ingredient-2
オレイン酸マグネシウム塩、Mitsuwa Chemicals社製
(vii) Ingredient-3
ヘキサデセニルコハク酸マグネシウム塩、DIXIE Chemical社製
(viii) Ingredient-4
エチレンジアミンテトラ酢酸マグネシウム・2ナトリウム塩、CHELEST社製
(ix) MgMB
水酸マグネシウム/エチレン−メタクリル酸−アクリル酸イソブチル三元共重合体(配合比50/50質量%)
ゴルフボール用材料及びゴルフボールの諸物性の測定方法は下記のとおりである。
MFR(g/10min)
JIS−K7210に準拠し、試験温度190℃、試験荷重21.18N(2.16kgf)条件下での測定値。
ショアD硬度
ASTM D−2240に準じて測定したショアD硬度。
UTE(破断点伸び%)、UTS(破断点強度MPa)
JIS−K7161に準じた測定値。
たわみ変形量
23±1℃の温度で、ゴルフボールを鋼板の上に置き、初期荷重98N(10kgf)から終荷重1275N(130kgf)に負荷したときのゴルフボールのたわみ量(mm)。
初速度
初速はR&Aの承認する装置であるUSGAのドラム回転式の初速計と同方式の初速測定器を用いて測定した。ボールは23±1℃の温度で3時間以上温調し、同温度で測定した。250ポンド(113.4kg)のヘッド(ストライキングマスク)を使って打撃速度143.8ft/s(43.83m/s)にてボールを打撃した。10個のボールを各々2回打撃して6.28ft(1.91m)の間を通過する時間を計測し、初速を計算した。15分間でこのサイクルを行った。
反発係数(C.O.R値)
空気砲弾によりボールをスチール板に向けて43m/sで発射させたとき、その跳ね返り速度を計測した。反発係数(C.O.R)は、ボール初速と跳ね返り速度との比率である。
連続耐久性
米国Automated Design Corporation製のADC Ball COR Durability Testerにより、ボールの耐久性を評価した。ボールを空気圧で発射させた後、平行に設置した2枚の金属板に連続的に衝突させ、ボールが割れるまでに要した発射回数の平均値を耐久性とした。この場合、平均値とは、同種のボールを4個用意し、それぞれのボールを発射させて4個のボールがそれぞれ割れるまでに要した発射回数を平均化した値である。試験機のタイプは横型CORであり、金属板への入射速度は43m/sであった。

Claims (7)

  1. 下記の三成分(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分を(d)成分である金属カチオンで中和した熱可塑性アイオノマー配合組成物を含有することを特徴とするゴルフボール用材料。
    (a)成分
    少なくとも1種類のE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、GPC(ゲルパーミェションクロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが100,000以上を有すると共に、上記のEはα−オレフィン、XはC3〜C8の不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸(酸無水物含む)、Yはアルキル基が1〜8個の炭素原子を有する不飽和カルボン酸または不飽和ジカルボン酸のアルキルエステルであり、Xが上記三元共重合体の全重量に対して1〜30質量%の量で存在し、Yが上記三元共重合体の全重量に対して2〜30質量%の量で存在すること、
    (b)成分
    少なくとも1種のE/Xで表される共重合体(コポリマー)及び/又はE/X/Yで表される三元共重合体(ターポリマー)であり、GPCにおけるポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが85,000〜95,000を有すると共に、XがE/XまたはE/X/Yの全重量に対して1〜30質量%の量で存在し、YがE/X/Yコポリマーの全重量に対し2〜30質量%の量で存在し、かつ(b)成分が(a),(b)及び(c)の全量に対して5〜45質量%の量で存在すること、及び
    (c)成分
    少なくとも1種類のモノ及び/又は多官能酸基を有する有機化合物、或いはこれらの金属塩からなり、その分子量が1,000未満であり、(a),(b)及び(c)の全量に対して5〜35質量%の量で存在すること。
  2. 上記(d)成分が、金属酸化物,金属炭酸塩及び金属水酸化物の群から選ばれる酸素含有無機金属化合物であり、これらの金属カチオン源によって、上記の(a),(b)及び(c)成分の熱可塑性成分配合物中に含まれる酸基の少なくとも一部を中和する請求項1記載のゴルフボール用材料。
  3. 上記(d)成分の金属カチオン種が、周期率表の第IA,IB,IIA,IIB,IIIA,IIIB,IVA,IVB,VA,VB,VIA,VIB,VIIB及びVIIIBの群から選択される請求項1又は2記載のゴルフボール用材料。
  4. 上記熱可塑性アイオノマー配合組成物のメルトフローレート(MFR)値が、少なくとも2.0g/10min以上である請求項1、2又は3記載のゴルフボール用材料。
  5. 上記(a)成分として、部分的に中和されたターポリマーが用いられる請求項1〜4のいずれか1項記載のゴルフボール用材料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料の成形物を構成要素として用いることを特徴とするゴルフボール。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項記載のゴルフボール用材料を、コアと該コアを被覆するカバーとからなるツーピースソリッドゴルフボール、又は、1層以上のコアと該コアを被覆する1層以上の中間層と該中間層を被覆する1層以上のカバーとからなるマルチピースソリッドゴルフボールにおけるカバー材又は中間層材として用いることを特徴とするゴルフボール。
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