JP5344568B2 - ブラックトナー - Google Patents
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Description
第一に、カーボンブラックは他の有機顔料と比較して一次粒径が小さいため、非常に分散し難く、トナー粒子表面に偏在したり、遊離カーボンブラックが生じたりしやすい。また、カーボンブラックは粘着性の高い微粉体であるため、遊離カーボンブラックの存在は、トナーの流動性の低下やキャリア等の帯電部材の表面への付着を招き、良好な摩擦帯電の妨げとなり、画像に濃度ムラが生じたり(画像均一性の低下)する場合があった。更に、カーボンブラックの分散が十分になされていない場合には、十分な画像濃度が得られない場合もあった。
第二に、カーボンブラックは結着樹脂や他の有機顔料と比較して導電性があるために、電荷がリークしやすくカブリが生じたり、転写抜けが生じたりしてしまう。
本発明は、少なくとも結着樹脂、カーボンブラック、カーボンブラック以外の複数の着色剤及びワックスを含有するブラックトナーにおいて、以下の関係式(1)、及び(2)を満たすことを特徴とするブラックトナーに関する。
0.00<Wf(P1)−Wf(CB)≦0.50 (1)
0.00<Wf(W)−Wf(P2)≦0.50 (2)
(Wfは仕事関数を表し、Wf(CB)、Wf(W)はそれぞれカーボンブラック、ワックスの仕事関数を示す。複数の着色剤のうち、仕事関数が最小である着色剤を着色剤P1、仕事関数が最大である着色剤を着色剤P2とし、Wf(P1)、Wf(P2)、はそれぞれ着色剤P1、着色剤P2の仕事関数を示す。)
0.00<Wf(P1)−Wf(CB)≦0.50 (1)
0.00<Wf(W)−Wf(P2)≦0.50 (2)
ここで仕事関数とは、物質に固有な電子のエネルギー準位である。具体的には、物質表面から電子を取り出すためのエネルギーを示しており、仕事関数が小さい程電子を放出しやすく、大きい程電子を放出しにくい。つまり、トナーに含有される各物質固有の仕事関数の関係が、トナーの帯電特性に大きく影響していると考えられる。
局所的に帯電特性に違いが生じ、帯電安定性が低下し、長期使用時に画像濃度が変動する場合があった。つまり、このカーボンブラックとワックスの仕事関数の値の差を小さくすることが重要である。
ここで、仕事関数Wfの近接最大差とは、ある仕事関数の値を有する物質と、隣接する値を有する別の物質との差を比較した場合において、最大となる差を示す。
カーボンブラック以外の着色剤の仕事関数Wfの近接最大差が、0.50以下である場合には、添加するカーボンブラック以外の着色剤が有する仕事関数の差が小さいため、トナー表面の帯電特性がより均一化できる。その結果、トナーの帯電安定性がさらに向上し、長期使用時においても、濃度ムラの発生をさらに抑制し易い。
カーボンブラック、カーボンブラック以外の着色剤、ワックスの仕事関数Wfの近接最大差が0.40以下である場合には、トナー中におけるカーボンブラックの分散性がさら
に向上する。その結果、高温高湿環境下において放置した場合であっても、帯電の低下がさらに抑制され、カブリの発生が少ない、より高品質な画像が得られやすい。
一方、ワックスは、カーボンブラックのストラクチャー構造の間に形成される隙間に比較的入り込み易い。しかしながら、カーボンブラックが微分散した状態では、電気的親和性が低く、カーボンブラックとワックスの分散性を両立することは、これまで不十分であった。
上150ml/100g以下であることが好ましく、30ml/100g以上120ml/100g以下であることがより好ましい。カーボンブラックのDBP吸油量が上記範囲にある場合、ワックスの馴染みが良好であり、使用環境によらず安定した画像が得られ易い。
ール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン。
n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クローラーエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピローラー、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
ラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
ルケニルアジピン酸、これらの酸無水物、及びこれらのモノエステルなどのカルボキシル基を含むビニル系単位。2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンなどの水酸基を含むビニル系単位。アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類などのアクリル酸エステルからなるエステル単位。メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類などのメタクリル酸エステルからなるエステル単位が挙げられる。
5、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーの如きバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)、PCM混練機(池貝鉄工製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(三井鉱山社製)。
更に、溶融混練することによって得られる着色された樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルの如き粉砕機で粗粉砕した後、更に、例えば、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、スーパーローター(日清エンジニアリング社製)、ターボ・ミル(ターボ工業製)やエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕する。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)の如き分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
また、必要に応じて、粉砕後に、ハイブリタイゼーションシステム(奈良機械製作所製)、メカノフージョンシステム(ホソカワミクロン社製)、ファカルティ(ホソカワミクロン社製)、メテオレインボー MR Type(日本ニューマチック社製)を用いて、球形化処理の如きトナー粒子の表面改質処理を行うこともできる。
仕事関数は、表面分析装置(理研計器(株)製AC−2、低エネルギー電子計数方式)を使用した。本発明では該装置において重水素ランプを使用し、照射光量の設定値を500nW、分光器により単色光を選択し、スポットサイズ4mm角とした。エネルギー走査範囲は4.20〜6.20eV、間隔は0.05eVに設定して測定時間10sec/1ポイントでサンプルに照射し、サンプル表面から放出される光電子を検出する。仕事関数に関しては、繰り返し精度(標準偏差)0.02eVで測定されるものである。粉体を測定する場合には粉体測定用のセルを使用した。
し測定を行う。
油としてフタル酸ジブチルを用いたアブソープトメーターを用いて、JIS K 6211吸油量A法に準拠して測定する。
トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer
3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビル
ダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定・解析条件で測定した。
フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000型」(シスメックス社製)の測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うというものである。試料チャンバーへ加えられた試料は、試料吸引シリンジによって、フラットシースフローセルに送り込まれる。フラットシースフローに送り込まれた試料は、シース液に挟まれて扁平な流れを形成する。フラットシースフローセル内を通過する試料に対しては、1/60秒間隔でストロボ光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能である。また、扁平な流れであるため、焦点の合った状態で撮像される。粒子像はCCDカメラで撮像され、撮像された画像は、1視野が512画素×512画素であり、1画素あたり0.37×0.37μmの画像処理解像度で画像処理され、各粒子像の輪郭抽出を行い、粒子像の投影面積や周囲長等が計測される。
次に、各粒子像の投影面積Sと周囲長Lを求める。上記面積Sと周囲長Lを用いて円相当径と円形度を求める。円形当径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、円形度は、円形当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値として定義され、次式で算出される。
円形度C=2×(π×S)1/2/L
粒子像が真円形の時に円形度は1.000になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大きくなるほど円形度は小さい値になる。
各粒子の円形度を算出後、円形度0.200以上1.000以下の範囲を800分割したチャンネルに振り分け、各チャンネルの中心値を代表値として平均値を計算し平均円形度の算出を行う。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測して、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径2.00μm以上200.00μm以下に限定し、トナーの平均円形度を求めた。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えばDuke Scientific社製5200Aをイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。試料としては、樹脂、または、トナーを用いる。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。尚、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、ワックスを約10mg精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30以上200℃以下の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程での温度30以上200℃以下の範囲におけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを、本発明のワックスの最大吸熱ピークとする。
また、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度測定と同様に、結着樹脂を約10mg精秤し測定する。すると、温度40℃以上100℃以下の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化前と比熱変化後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
磁性キャリアの体積分布基準50%粒径(D50)の測定には、レーザー回折・散乱方式の粒度分布測定装置「マイクロトラックMT3300EX」(日機装社製)に乾式測定用の試料供給機「ワンショットドライ型サンプルコンディショナーTurbotrac」(日機装社製)を装着して行った。Turbotracの供給条件として、真空源として集塵機を用い、風量約33リットル/sec、圧力約17kPaとした。制御は、ソフトウエア上で自動的に行う。粒径は体積基準の累積値である50%粒径(D50)を求める。制御及び解析は付属ソフト(バージョン10.3.3−202D)を用いて行う。
測定条件は下記の通りである。
SetZero時間 :10秒
測定時間 :10秒
測定回数 :1回
粒子屈折率 :1.81
粒子形状 :非球形
測定上限 :1408μm
測定下限 :0.243μm
測定環境 :約23℃/50%RH
(トナー1の製造例)
冷却管、攪拌機、及び、窒素導入管のついた反応槽中に、以下の材料を秤量した。
・テレフタル酸 290質量部
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン800質量部
・チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノールアミネート) 1質量部
その後、200℃に加熱し、窒素を導入しながら生成する水を除去しながら9時間反応させた。さらに、無水トリメリット酸58質量部を加え、170℃に加熱し、3時間反応させ樹脂1を合成した。GPCで求めた樹脂1の分子量は、重量平均分子量(Mw)60,000、数平均分子量(Mn)5,400、ピーク分子量(Mp)9,800、ガラス転移点(Tg)60℃であった。
・低密度ポリエチレン 20質量部
(Mw1,600、Mn900、吸熱ピーク100℃)
・スチレン 64質量部
・n−ブチルアクリレート 13.5質量部
・アクリロニトリル 2.5質量部
をオートクレーブに仕込み、系内をN2置換後、昇温攪拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt−ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50質量部を4.5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、ポリエチレンに共重合体がグラフトしたグラフト重合体Aを得た。グラフト重合体の分子量を測定したところ、Mw7,300、Mn3,100であった。
・パラフィンワックス 5.0質量部
(DSC最大吸熱ピーク:65℃ 仕事関数:5.76eV)
・グラフト重合体A 5.0質量部
・カーボンブラック 6.0質量部
(平均一次粒径:31nm、DPB吸油量:40ml/100g、仕事関数:4.71e
V)
・C.I.ピグメントブルー15:3(仕事関数:5.06eV) 1.7質量部
・C.I.ピグメントイエロー74(仕事関数:5.65eV) 0.9質量部
・C.I.ピグメントレッド57:1(仕事関数:5.39eV) 1.4質量部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM−75型、三井三池化工機(株)製)でよく混合した後、温度100℃に設定した二軸混練機(PCM−30型、池貝鉄工(株)製)に溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物1を得た。次に、得られた粗砕物1を、ターボ工業社製のターボ・ミル(T−250:RSSローター/SNBライナー)を用いて、5μm程度の微粉砕物1を作製した。
その際、本実施例においては、分散ローター32上部に角型ディスク33を10個設置し、ガイドリング36と分散ローター32上の角型ディスク33の間隔を30mmとし、分散ローター32とライナー34との間隔を5mmとした。またブロワー風量を14m3/min、ジャケットに通す冷媒の温度及び冷風温度T1を−20℃とした。この状態で繰り返し20分間運転した結果、分級ローター35の後方の温度T2は25℃で安定した。
製)0.8質量部、AEROSIL R972(日本アエロジル社製)1.0質量部を、外添混合し、トナー1を得た。
表1に示すように原料処方、及び配合比率を変更し、表面改質装置の分散ローターの回転数を5,800rpm(回転周速:130m/sec)、処理時間を75秒間に変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2を得た。
表1に示すように原料処方、及び配合比率を変更した以外は、トナー1の製造例と同様にして、トナー2乃至12を得た。トナー1乃至12の物性を表2に示す。
<磁性キャリアの製造例>
個数平均粒径0.30μmのマグネタイト粉とヘマタイト粉に対して、それぞれ4.0質量%のカップリング剤(3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール 10質量部
・ホルムアルデヒド溶液 15質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
・処理したマグネタイト 80質量部
・処理したヘマタイト 4質量部
上記材料と、28%アンモニア水5質量部、水20質量部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温・保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体が分散された状態の球状の磁性
体含有樹脂キャリアコアを得た。
このように作成したトナー1と磁性キャリアを用いて二成分系現像剤を作成した。二成分系現像剤は、トナー10.0質量%、磁性キャリア90.0質量%の配合割合とし、V型混合機で5分間混合した。
印刷環境 常温常湿環境:温度23℃/湿度60%RH(以下「N/N」)
高温高湿環境:温度30℃/湿度80%RH(以下「H/H」)
常温低湿環境:温度23℃/湿度5%RH(以下「N/L」)
耐久画像比率 常温常湿環境:5%
高温高湿環境:20%
常温低湿環境:2%
紙 カラーレーザーコピアペーパー(81.4g/m2)
(キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)
[評価方法及び基準]
1)耐久試験による画像濃度の変化
各環境における耐久試験前後に、5cm×5cmの大きさのFFh画像を3枚出力し、3枚目の画像濃度を測定した。その画像濃度を測定し、耐久前後の濃度差を評価した。画像濃度は、X−Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X−Rite 404A)で測定した。
A:0.00以上0.07未満(非常に良好)
B:0.07以上0.15未満 (良好)
C:0.15以上0.25未満 (実用可能なレベル)
D:0.25以上 (実用困難なレベル)
N/N及びH/Hにおける耐久後、さらに評価機本体をそのまま各環境に3日間放置し
た後、5cm×5cmの大きさのFFh画像を1枚出力し、その画像濃度を測定し、放置前後の濃度差を評価した。尚、濃度は前述のX−Riteカラー反射濃度計を用いて測定した。
A:0.00以上0.05未満(非常に良好)
B:0.05以上0.10未満 (良好)
C:0.10以上0.20未満 (実用可能なレベル)
D:0.20以上 (実用困難なレベル)
各環境における、耐久前後での画像均一性を評価した。A3紙全面に90h画像を3枚出力し、3枚目の画像を評価に用いた。画像均一性の評価は、5箇所の画像濃度を測定し、最大値と最小値との差を求めた。尚、濃度は前述のX−Riteカラー反射濃度計を用いて測定した。
A:0.04未満 (非常に良好)
B:0.04以上0.08未満 (良好)
C:0.08以上0.12未満 (本発明において許容レベル)
D:0.12以上 (本発明において許容できない)
各環境における、耐久前後でのカブリを評価した。各環境にて00h画像を10枚出力し、10枚目の紙上の平均反射率Dr(%)をリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、画像を出力していない紙上の反射率Ds(%)を測定し、カブリ(%)は下記式から算出した。
カブリ(%)=Dr(%)−Ds(%)
A:0.5%未満 (非常に良好)
B:0.5%以上1.0%未満 (良好)
C:1.0%以上2.0%未満 (実用可能なレベル)
D:2.0%以上 (実用困難なレベル)
実施例1と同様にして、作成したトナー2〜12について、各トナーとキャリアを用いて二成分系現像剤を作成し、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表3に示す。
10a サンプル収容用凹部
11 サンプル台
12 光電子
13 検出器
30 ケーシング
31 ジャケット
32 分散ローター
33 ディスク又はピン
34 ライナー
35 分級ローラー
36 ガイドリング
37 原料投入口
38 原料供給弁
39 原料供給口
40 粉体排出口
41 排出弁
42 製品抜取口
43 天板
44 粉体排出部
45 粉体排出口
46 冷風導入口
47 第一の空間
48 第二の空間
49 表面改質ゾーン
50 分級ゾーン
Claims (4)
- 少なくとも結着樹脂、カーボンブラック、カーボンブラック以外の複数の着色剤及びワックスを含有するブラックトナーにおいて、以下の関係式(1)、及び(2)を満たすことを特徴とするブラックトナー。
0.00<Wf(P1)−Wf(CB)≦0.50 (1)
0.00<Wf(W)−Wf(P2)≦0.50 (2)
(Wfは仕事関数を表し、Wf(CB)、Wf(W)はそれぞれカーボンブラック、ワックスの仕事関数を示す。複数の着色剤のうち、仕事関数が最小である着色剤を着色剤P1、仕事関数が最大である着色剤を着色剤P2とし、Wf(P1)、Wf(P2)、はそれぞれ着色剤P1、着色剤P2の仕事関数を示す。) - 前記ブラックトナーは、カーボンブラック以外の着色剤の仕事関数の近接最大差が、0.50以下であることを特徴とする請求項1に記載のブラックトナー。
- 前記ブラックトナーは、カーボンブラック、カーボンブラック以外の着色剤及びワックスの仕事関数の近接最大差が、0.40以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のブラックトナー。
- 前記ブラックトナーは、結着樹脂100質量部に対するカーボンブラックの添加量M(CB)(質量部)とカーボンブラック以外の着色剤の総添加量M(P)(質量部)とが、以下の関係式(3)を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のブラックトナー。
0.10≦M(P)/M(CB)≦5.00 (3)
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