JP5339241B2 - キャスター及びその組立方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ショッピングカートや移動可能なベッドの台座、その他の種々の移動体などに取り付けるキャスターに関する。
キャスターは、進行方向を自由に変えながら移動することができる部品として、ショッピングカートや移動可能なベッドなどの台座に取り付けられて使用されている。この種のキャスターとして、車輪用フレームと軸受ケースとを別体とし、異径円筒体でなる軸受ケースの小径筒部を車輪用フレームの上板の孔に挿通して折り曲げ車輪用フレームと軸受ケースとを固着するタイプが知られている。このタイプは長年の使用などによって折り曲げ部が緩んで固着状態にガタが生じ、車輪用フレームの上板が回動し難くなり、車輪用フレームの側板に軸支されている車輪がスムーズに回転しなくなる。このタイプでは、車輪用フレームと軸受ケースとを別体としていることから、部品点数が多く加工組み立ての工程数が多くなりコスト高になる。
そこで、特許文献1には、車輪用フレームと軸受ケースとを一体に形成したキャスターが開示されている。このキャスターでは、車輪用フレームの上板に孔を開けてからこの上板を下方へ押出し加工することにより軸受ケースとして機能する筒部を形成するので、車輪用フレームと軸受ケースとが一体化されている。この軸受ケースに玉軸受を収容し、軸受ケースの上端周囲を絞り加工することで玉軸受の外輪を軸受ケースに固着し、玉軸受の内輪の上側端面にスペースリングを挟んで台座を重ね玉軸受の内輪の下側端面に座金を挟んで台座の上方から止め軸を玉軸受の内輪に通し、止め軸の下端を拡径するカシメを行って玉軸受の内輪と止め軸とをリベット固着している。
特開2002−120505号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているキャスターでは、玉軸受の外輪が絞り加工で形成された軸受ケースの上端周囲と固着されているため、玉軸受の外輪は軸受ケースと一部しか固着されておらず、また、車輪用フレームの上板を押出し加工で軸受ケースを形成するので、軸受ケースとなる部分の肉厚が小さくなる。よって、軸受ケースによる玉軸受の外輪の抱え込み保持が不十分であり、キャスターに加わる負荷で、玉軸受の外輪の軸受ケースへの固着が解けるおそれがある、という課題がある。玉軸受が安定して保持されていないと、止め軸を中心として車輪用フレームの回動が安定してスムーズに行なわれないため、車輪用フレームが止め軸を回転中心として回動し難くなり、車輪用フレームの側板部に軸支されている車輪が滑らかな走行回転をし難くなってしまう。
特に、キャスターがショッピングカードの脚部に取り付けられて使用される場合にあっては、複数のキャスターをネスティングして所定の箇所に配置する際、所謂片づけの際、キャスターが段差に突き当たるとキャスターに突き上げ荷重が1トン程度加わるため、上板の一部で構成された軸受ケースが破損するおそれがある。また、車輪用フレームの上板より両側から垂下している側板部は、車輪を軸支するための孔から鉛直方向に延び、一部が上板側に連設するよう形成されている。よって、キャスターが段差に突き当たった際に突き上げ荷重を抑制し難いので、突き上げ荷重で玉軸受の外輪の軸受ケースへの固着が解ける蓋然性が高い。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、長年の使用でも玉軸受を保持し、車輪用フレームがスムーズに回動し車輪用フレームに軸支される車輪がスムーズに回転するキャスター及びその組立方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のキャスターは、玉軸受と、上面部及び上面部の両側から垂下している一対の側面部を有し、車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、上記車輪用フレームの上面部に、玉軸受における外輪の外周面の一部及び上側端面と密着して玉軸受の一部を収容する収容空間を画成する軸受ケース上側半体と、玉軸受における外輪の外周面の他部及び下側端面と密着して該玉軸受の他部を収容する収容空間を画成する軸受ケース下側半体と、を備え、軸受ケース上側半体は、上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈し、かつ外輪の幅中央に接合面を有するようにフランジ部を備え、軸受ケース下側半体は、外輪の幅中央に接合面を形成したフランジ部と、フランジ部の外周縁に円筒リブを備え、円筒リブが下側の円筒部に嵌合し同心に位置決めされ、軸受ケース上側半体におけるフランジ部の接合面と軸受ケース下側半体におけるフランジ部の接合面とを密着固定して構成される
具体的には、玉軸受と、上面部及び上面部の両側から垂下している一対の側面部を有し、車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、車輪用フレームの上面部に、玉軸受における外輪の外周面の上半分及び上側端面と密着して該玉軸受の上半分を収容する収容空間を有し、かつ、玉軸受の外輪の幅中央に接合面を形成したフランジ部を有する軸受ケース上側半体と、玉軸受における外輪の外周面の下半分及び下側端面と密着して玉軸受の下半分を収容する収容空間を有し、かつ、玉軸受の外輪の幅中央に接合面を形成したフランジ部を有する軸受ケース下側半体と、を備え、軸受ケース上側半体が、上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈し、軸受ケース下側半体におけるフランジ部の外周縁の円筒リブが、下側の円筒部に嵌合し同心に位置決めされ、軸受ケース上側半体におけるフランジ部の接合面と軸受ケース下側半体におけるフランジ部の接合面とを密着固定して構成される。
上記構成によれば、車輪用フレームの上面部と一体に成形された軸受ケース上側半体と、この軸受ケース上側半体に下側から接合される軸受ケース下側半体とで、玉軸受を収容する空間が形成され、この空間に玉軸受が収容され、玉軸受における外輪の上下の端面が保持される。よって、軸受ケース上側半体と軸受ケース下側半体は、肉厚を維持し長年使用しても、軸受ケース上側半体と軸受ケース下側半体が玉軸受の外輪を強固に固着することができる。
上記構成において、好ましくは、軸受ケース上側半体の上に被装される化粧環状板と、化粧環状板、軸受ケース上側半体及び軸受ケース下側半体に同軸状に設けられた通孔に挿通されるアダプターと、を備え、アダプターにおける筒部の上下の鍔部で、玉軸受の内輪の上下端面に密着して保持する。好ましくは、車輪用フレームの上面部が円形状に形成され、車輪用フレームの一対の側面部が上面部に沿って断面円弧状に形成され、車輪を軸支する付近で車輪を挟むように平板状に形成されている。
上記構成によれば、アダプターにおける筒部の上下の鍔部で、玉軸受における内輪の上下の端面を保持する。これにより、キャスターをショッピングカートなどの所定の被装着装置に固定しても、車輪用フレームが通孔の周りにスムーズに安定して回転する。車輪用フレームの側面部が上面部の外周に沿って形成され、かつ車輪の軸孔の近傍のみ平板状に形成されているので、キャスターが段差に突き当たってキャスターに突き上げ荷重が加わる際、その力を逃がすことができることに加え、側面部の耐折れ曲がり力を確保することができる。
本発明のキャスターの組立方法の一つは、玉軸受と、上面部及び該上面部の両側から垂下している一対の側面部を有して車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、玉軸受における外輪の外周面の一部及び上側端面と密着して玉軸受の一部を収容するための収容空間を車輪用フレームの上面部に画成する軸受ケース上側半体と、玉軸受における外輪の外周面の他部及び下側端面と密着して玉軸受の他部を収容するための収容空間を画成する軸受ケース下側半体と、を備える、キャスターの組立方法であって、車輪用フレームの上面部に一体成形され上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈しかつ玉軸受の外輪の幅中央に接合面を有するようにフランジ部を備えた軸受ケース上側半体のうち下側の円筒部に、軸受ケース下側半体のうち外輪の幅中央に接合面を有するように設けたフランジ部の外周縁の円筒リブを嵌合して同心に位置決めし、軸受ケース上側半体のフランジ部と軸受ケース下側半体のフランジ部とを接合するステップと、軸受ケース上側半体と軸受ケース下側半体とで画成した収容空間に玉軸受を収容した後に、軸受ケース上側半体のうち上側の円筒部の先端部を折り曲げて玉軸受の外輪の上側端面に密着させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明のキャスターの組立方法の他の一つは、玉軸受と、上面部及び該上面部の両側から垂下している一対の側面部を有して車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、玉軸受における外輪の外周面の一部及び上側端面と密着して玉軸受の一部を収容するための収容空間を車輪用フレームの上面部に画成する軸受ケース上側半体と、玉軸受における外輪の外周面の他部及び下側端面と密着して玉軸受の他部を収容するための収容空間を画成する軸受ケース下側半体と、を備える、キャスターの組立方法であって、車輪用フレームの上面部に一体成形され上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈しかつ玉軸受の外輪の幅中央に接合面を有するようにフランジ部を備えた軸受ケース上側半体のうち上記下側の円筒部に、軸受ケース下側半体のうち外輪の幅中央に接合面を有するように設けたフランジ部の外周縁の円筒リブを嵌合して同心に位置決めし、軸受ケース上側半体のフランジ部と軸受ケース下側半体のフランジ部とを接合するステップと、軸受ケース上側半体と軸受ケース下側半体とで画成した収容空間に玉軸受を収容した後に、軸受ケース下側半体の筒状部の先端部を折り曲げて玉軸受の外輪の下側端面に密着させるステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、長年使用しても、玉軸受における外輪が軸受ケース上側半体及び軸受ケース下側半体で保持され、玉軸受における内輪がアダプターの上下の鍔部で保持されるので、軸受ケースの上側半体及び軸受ケース下側半体で画成した空間内で玉軸受がガタつくことがなく固定保持され、車輪用フレームがスムーズに回動する。よって、車輪用フレームに軸支される車輪がスムーズに旋回することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。なお、同一又は対応する部材には同一の符号を用いる。
図1は本発明の実施形態に係るキャスターの縦断側面図であり、図2は図1におけるII-II断面図である。本発明の実施形態に係るキャスター100は、車輪用フレーム10の上面部11に一体に形成された軸受ケース上側半体30と軸受ケース下側半体40とが各フランジ部32,42の接合面で接合され、軸受ケース上側半体30及び軸受ケース下側半体40とで画成された空間に玉軸受20を収容し、軸受ケース上側半体30及び軸受ケース下側半体40が玉軸受20における外輪21の外周面及び上下の端面と密着固定して構成されている。
この実施形態に係るキャスター100は、図1及び図2に示されているように、車輪90と、車輪90に跨るように配置され車輪90に挿通される車軸94の両端部を固定支持する車輪用フレーム10と、車輪用フレーム10の上面部11に画成された軸受ケース上側半体30に接合される軸受ケース下側半体40と、軸受ケース上側半体30の上に被装される化粧環状板60と、化粧環状板60、軸受ケース上側半体30及び軸受ケース下側半体40に同軸状に設けられた通孔に挿通されるアダプター80と、を備えている。
車輪用フレーム10は、上面部11と、上面部11の左右両側より垂下する一対の側面部12,12を有し、側面部12の下部に車軸94を挿通する軸孔13(図3参照)を有する。車輪用フレーム10の上面部11は円形状、即ち円形の蓋状に形成され、車輪用フレーム10の一対の側面部12,12が上面部11に沿って断面円弧状に形成され、車輪90を軸支する付近で車輪90を挟むように平板状に形成されている。車輪用フレーム10は例えばステンレス製、鉄鋼製などの金属製で必要に応じてめっき処理されており、プレス成形などを経て作製することができる。
軸受ケース上側半体30は、二段の円形台座状に形成されている。これは、例えば車輪用フレーム10の上面部11に通孔を設けた後に上方へ押出し加工することにより形成することができる。軸受ケース上側半体30は、玉軸受20における外輪21の外周面の一部、好ましくは上半分と上側端面と密着して玉軸受20の一部、好ましくは上半分を収容する空間、即ち収容空間31を画成する(図3参照)。軸受ケース上側半体30には、玉軸受20における外輪21の幅中央に接合面を有するようフランジ部32が形成されている。
軸受ケース下側半体40は、玉軸受20における外輪21の外周面の他部、好ましくは下半分及び下側の端面と密着して、玉軸受20の他部、好ましくは下半分を収容する空間、即ち収容空間41を画成する。軸受ケース下側半体40には、玉軸受20における外輪21の幅中央に接合面を有するよう、ドーナツ状のフランジ部42を有する。フランジ部42の周縁部には補強用の円筒リブ43が形成されている。ここで、軸受ケース下側半体40はステンレス製、鉄鋼製などの金属製で必要に応じてめっき処理されており、例えばプレス成形などを経て作製することができる。
玉軸受20は、転動ボールが安定して転動する深溝玉軸受、所謂深溝形ラジアルボール軸受を採用することが好ましい。ここで、転動ボールを挟持する外輪21及び内輪22には角が円弧に面取りされていてもよいが、外輪21及び内輪22の面取りは出来るだけ少ない方が好ましく、面取りされている箇所は例えば曲率0.5mmの曲面を有している。これは、軸受ケース上側半体30及び軸受ケース下側半体40との接触面が大きいほうが玉軸受20の外輪21及び内輪22をそれぞれ強固に保持できるからである。
化粧環状板60は図示の形態では周縁が断面円弧状であり、軸受ケース上側半体30の上に被装されることで、玉軸受20を隠蔽して美観を向上する役目と玉軸受20への水や塵埃の浸入防止を図る役目とを果たす。化粧環状板60は、ステンレス板などの金属板をプレス成形されてなるか、又はジュラコン(登録商標:ポリプラスチッック社のポリアセタール素材)のような硬質性の樹脂を用いて成形されている。なお、化粧環状板60の中央部は図示のように平坦でも、通孔の周縁のみ窪みを設けても良い。
座金70は、玉軸受20における内輪22の上側端面に重ねて化粧環状板60を軸受ケース上側半体30の上面部31に装着される。
アダプター80は、筒部81と筒部81の上端部に鍔部82を有し、筒部81を玉軸受20の内輪22に締まり嵌め交差で嵌合して通され、筒部81の下端部をフランジ加工により形成されたフランジで鍔部83としてなり、鍔部83が内輪22の下側の端面に密着され、玉軸受20の内輪22に固着される(図4、図5参照)。アダプター80は、例えばステンレス成形品であるか又は鋼板成形品にクロムめっきしてなる。
車輪90は、硬質で強靭な合成樹脂製のフレーム部91aとその外周に若干の柔軟性を有する強靭な合成樹脂製の被殻部材91bとを有する車輪本体91と、車輪本体91に車軸94を回転可能に軸支する別の玉軸受92と、を備えている。フレーム部91aは車軸方向に軸受部91cが形成され、軸受部91cにおいて車軸94の幅中央位置に環状溝を有し、この環状溝に玉軸受92の外輪を強制嵌合されて保持する。一方、車輪本体91の両側には一対の化粧軸受93,93が嵌め込まれており、化粧軸受93は、化粧円盤部93bと化粧円盤部93bの中心にボルト通し孔兼軸孔93cを有するブッシュ部93aとからなる。化粧円盤部93bは車輪本体91のフレーム部91aのリム部に対応する凹部空間を被覆する。
次にキャスター100の組み立て方法を説明することで、本発明のキャスター100について更に詳説する。図3乃至図5は、図1及び図2に示すキャスター100の組み立て工程を示す断面図である。
第1工程として、車輪用フレーム10の上面部11に一体に形成された軸受ケース上側半体30のフランジ部32と軸受ケース下側半体40のフランジ部42とを接合する。図3に示すように、車輪用フレーム10の上面部11に一体形成された軸受ケース上側半体30は、その上面部11には通孔が設けられ、上方への押出し加工により二段の円形台座状となっており、通孔の外周縁は鉛直上方に向かって延設されている。上面部11に形成された軸受ケース上側半体30のフランジ部32と軸受ケース下側半体40のフランジ部42とを接合する。接合は、通孔を囲むように所定の間隔を開けて複数箇所、例えば4箇所点溶接し(符号wで示す箇所)、点溶接した箇所同士のほぼ中間位置で、車輪用フレーム10の側面部12との付け根と軸受ケース下側半体40の外周縁とを溶接して行なう。このとき、軸受ケース下側半体40は、フランジ部42を軸受ケース上側半体30のフランジ部32と密着して接合し、円筒リブ43を軸受ケース上側半体30の一段目の円筒部33に嵌合して同心に位置決めされ、スポット溶接wへせん断力が加わるのを可及的に回避している。また、軸受ケース下側半体40は、フランジ部42を軸受ケース上側半体30のフランジ部32に密着してフランジ部32,42同士をスポット溶接して接合している。符号wを付したスポット溶接の箇所は、フランジ部32,42の直径方向の幅中央であって周方向の例えば等分の4箇所とされる。
第2工程として、図3に示すように、車輪用フレーム10の上面部11に一体形成された軸受ケース上側半体30と軸受ケース下側半体40とで画成される収納空間31,41に、玉軸受20を収容する。軸受ケース上側半体30の通孔の外周縁を断面L字状に折り曲げるように絞り加工を施し、収容した玉軸受20の外輪21の上側端面に密着させる。
第3工程として、図4に示すように、玉軸受20における内輪22の上側端面に座金70を載置し、座金70に化粧環状板60を重ねて、座金70、玉軸受20の内輪22及び軸受ケース下側半体40に同心円状に形成された通孔にアダプター80を上方から挿入する。このとき、座金70は、軸受ケース上側半体30と化粧環状板60とが接触しないようスペーサーの役目を果たす。
第4工程として、図5に示すように、アダプター80の筒部81の下端部をプレス加工により鍔部83を形成し、アダプター80の上下の鍔部82及び83で上下方向に保持させる。
第5工程として、図1及び2に示すように、車輪用フレーム10の両側の側面部12,12間に車輪90が配置され、ボルトでなる車軸94が一方の側面部12の軸孔13、ボルト通し孔兼軸孔93c及び他方の側面部12の軸孔13に順に挿通され、車軸94の先端のねじ部にナット95が締め付けられ、両側の側板部12,12にブッシュ部93aを含む化粧軸受93,93及び車軸94が固着される。
以上により、図1及び図2に示すキャスター100を組み立てることができる。
このように組み立てられたキャスター100は、ショッピングカートや移動可能なベッドなど各種搬送車や搬送用機器類の底部に設けた装着部Pに取り付けられる。即ち、図1及び図2に示すように、平座金51を被嵌した取付ボルト50をアダプター80の筒部81に下側から通し、この取付ボルト50を装着部Pのボルト通し孔に通してばね座金52を被嵌し、ダブルナット53,54を締め付けて取り付ける。ここで使用される取付ボルト80は、ステンレス鋼等の不錆鋼でなっても鋼製転造品にクロムめっきしてなってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係るキャスター100は、軸受ケース上側半体30の収容空間31が、玉軸受20を上部が開口した筒状空間として形成され、軸受ケース上側半体30のフランジ部32と軸受ケース下側半体40フランジ部42とが接合面でスポット溶接されてから玉軸受20が収容され、その後に、軸受ケース下側半体40の筒状空間を形成している筒状部の上端部34が絞り加工されて玉軸受20における外輪21の上側端面を圧着する。一方、アダプター80における筒部81の上下の鍔部82,83で、玉軸受20の内輪22の上下端面に密着して保持する。よって、この実施形態に係るキャスター100では、玉軸受20の内輪22及び外輪21がそれぞれ上下方向から圧着されて保持されるので、車輪用フレーム10が安定してアダプター80の軸方向回りに旋回でき、車輪90を回転させることができる。よって、このキャスターによれば、部品点数が少なくコスト高になることはなく、長年使用しても玉軸受20がガタつかず車輪用フレーム10が回動し難くなることがなく、車輪用フレーム10の側面部12に軸支される車輪90がスムーズに旋回する。
取付ボルト50と嵌合する面として、アダプター80の筒部81を円筒内面とし長尺な円筒内面が確保されているので、アダプター80を介在して取付ボルト50と玉軸受20の内輪22との固着強度を大きく確保できる。また、車輪用フレーム10の側面部12は、軸孔13の近傍のみで平板状に形成され、他の部分では車輪用フレーム10における円状の上面部11に沿って湾曲した曲面を大きくしたことから、例えばショッピングカートに使用されるキャスター100においては、カート片づけ時にキャスター100が段差に突き当たるときにキャスター100に生じる突き上げ力の応力を低減し、しかも側面部12には耐折れ曲がり力が大きく確保されることから折れ曲がることもない。
さらに、搬送用機器類や各種運搬車などの底部に設けられた被装着部Pへ取付ボルト50のナット53,54を締め付けてキャスターを取り付ける構造としたので、長年使用に取付ボルト50が弛んだ場合にはロックナットを締め付ければ、再びキャスターを被装着部Pへしっかり固定できる。
本発明は上述した事項に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で種々の変形が可能であり、例えば、以下の変形例も本発明に含まれる。
第1及び第2の変形例は、キャスター100の組み立て工程の変形の一例を示す。
図6は第1の変形例に係るキャスター100の組み立ての一工程を示す断面図である。図6に示すように、軸受ケース上側半体30を逆さにし、収容空間31に玉軸受20の一部を収容し、次いで、玉軸受20の外輪21の端面を押え付ける端縁部44を予め折り曲げた状態に加工した軸受ケース下側半体40を逆さにし、収容空間41に収容するように玉軸受20の他部に強制被嵌する。この場合、軸受ケース上側半体30のフランジ部32と軸受ケース下側半体40のフランジ部42とを例えば0.3mmの隙間が開くように近接した状態から、さらにフランジ部32とフランジ部42とを加圧してフランジ部32、42を密着させてスポット溶接を施すことにより、図1に示す状態に組み込んでも良い。
図7は第2の変形例に係るキャスター100の組み立ての一工程を示す断面図である。図7に示すように、軸受ケース上側半体30を逆さにして収容空間31に玉軸受20の一部を収容する。次いで、玉軸受20の外輪21の端面を押え付ける端縁部44を予め折り曲げていない状態の軸受ケース下側半体40を逆さにして、軸受収容空間41を玉軸受20の他部に強制嵌合すると共に、軸受ケース上側半体30のフランジ部32と軸受ケース下側半体40のフランジ部42とを重ねてスポット溶接wを施す。次いで、軸受ケース下側半体40の筒状空間を形成している筒状部の先端部44を絞り加工して玉軸受20の外輪21の端面を圧着することにより、玉軸受20を図1に示す状態に組み込んでも良い。この際、先端部44を絞り加工する前後何れかにおいてアダプター80の筒部81の端部83をフランジ加工する。
第3の変形例は、図1乃至図5に示す形態並びに変形例1及び2のように、ステンレスなどの金属で各部品を形成して組み立て工程を行なわず、玉軸受20を軸受ケース上側半体30及び下側半体40とを保持するよう樹脂で成形してキャスターを構成するようにしてもよい。樹脂として、例えばジュラコン(登録商標:ポリプラスチッック社のポリアセタール素材)などの硬質性樹脂を用いるのが好ましい。
本発明の実施形態に係るキャスターの縦断側面図である。 図1におけるII-II断面図である。 図1及び図2に示すキャスターの組み立て工程における一工程を示す断面図である。 図1及び図2に示すキャスターの組み立て工程において、図3に続く工程を示す断面図である。 図1及び図2に示すキャスターの組み立て工程において、図4に続く工程を示す断面図である。 第1の変形例に係るキャスターの組み立ての一工程を示す断面図である。 第2の変形例に係るキャスターの組み立ての一工程を示す断面図である。
符号の説明
100:キャスター
10:車輪用フレーム
11:上面部
12:側面部
13:軸孔
20,92:玉軸受
21:外輪
22:内輪
30:軸受ケース上側半体
31,41:収容空間
32,42:フランジ部
33:円筒部
34:上端部
40:軸受ケース下側半体
43:円筒リブ
44:端縁部
50:取付ボルト
51:平座金
52:ばね座金
53,54:ナット
60:化粧環状板
70:座金
80:アダプター
81:筒部
82,83:鍔部
90:車輪
91:車輪本体
91a:フレーム部
91b:被殻部材
91c:軸受部
93:化粧軸受
93a:ブッシュ部
93b:化粧円盤部
93c:ボルト通し孔兼用軸孔

Claims (6)

  1. 玉軸受と、
    上面部及び該上面部の両側から垂下している一対の側面部を有し、車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、
    上記車輪用フレームの上面部に、上記玉軸受における外輪の外周面の一部及び上側端面と密着して該玉軸受の一部を収容する収容空間を画成する軸受ケース上側半体と、
    上記玉軸受における外輪の外周面の他部及び下側端面と密着して該玉軸受の他部を収容する収容空間を画成する軸受ケース下側半体と、
    を備え
    上記軸受ケース上側半体は、上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈し、かつ上記外輪の幅中央に接合面を有するようにフランジ部を備え、
    上記軸受ケース下側半体は、上記外輪の幅中央に接合面を形成したフランジ部と、該フランジ部の外周縁に円筒リブを備え、
    上記円筒リブが上記下側の円筒部に嵌合し同心に位置決めされ、
    上記軸受ケース上側半体におけるフランジ部の接合面と上記軸受ケース下側半体におけるフランジ部の接合面とを密着固定してなる、キャスター。
  2. 玉軸受と、
    上面部及び該上面部の両側から垂下している一対の側面部を有し、車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、
    上記車輪用フレームの上面部に、上記玉軸受における外輪の外周面の上半分及び上側端面と密着して該玉軸受の上半分を収容する収容空間を有し、かつ、該玉軸受の外輪の幅中央に接合面を形成したフランジ部を有する軸受ケース上側半体と、
    上記玉軸受における外輪の外周面の下半分及び下側端面と密着して該玉軸受の下半分を収容する収容空間を有し、かつ、該玉軸受の外輪の幅中央に接合面を形成したフランジ部を有する軸受ケース下側半体と、を備え、
    上記軸受ケース上側半体が、上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈し、
    上記軸受ケース下側半体におけるフランジ部の外周縁の円筒リブが、上記下側の円筒部に嵌合し同心に位置決めされ、
    上記軸受ケース上側半体におけるフランジ部の接合面と上記軸受ケース下側半体におけるフランジ部の接合面とを密着固定してなるキャスター。
  3. 前記軸受ケース上側半体の上に被装される化粧環状板と、該化粧環状板、前記軸受ケース上側半体及び前記軸受ケース下側半体に同軸状に設けられた通孔に挿通されるアダプターと、を備え、
    上記アダプターにおける筒部の上下の鍔部で、前記玉軸受の内輪の上下端面に密着して保持することを特徴とする、請求項1又は2に記載のキャスター。
  4. 前記車輪用フレームの上面部が円形状に形成され、
    前記車輪用フレームの一対の側面部が上面部に沿って断面円弧状であり、前記車輪を軸支する付近で車輪を挟むように平板状に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のキャスター。
  5. 玉軸受と、上面部及び該上面部の両側から垂下している一対の側面部を有して車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、上記玉軸受における外輪の外周面の一部及び上側端面と密着して上記玉軸受の一部を収容するための収容空間を上記車輪用フレームの上面部に画成する軸受ケース上側半体と、上記玉軸受における外輪の外周面の他部及び下側端面と密着して上記玉軸受の他部を収容するための収容空間を画成する軸受ケース下側半体と、を備える、キャスターの組立方法であって、
    上記車輪用フレームの上面部に一体成形され上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈しかつ上記玉軸受の外輪の幅中央に接合面を有するようにフランジ部を備えた上記軸受ケース上側半体のうち上記下側の円筒部に、上記軸受ケース下側半体のうち上記外輪の幅中央に接合面を有するように設けたフランジ部の外周縁の円筒リブを嵌合して同心に位置決めし、上記軸受ケース上側半体のフランジ部と上記軸受ケース下側半体のフランジ部とを接合するステップと、
    上記軸受ケース上側半体と上記軸受ケース下側半体とで画成した収容空間に上記玉軸受を収容した後に、上記軸受ケース上側半体のうち上側の円筒部の先端部を折り曲げて上記玉軸受の外輪の上側端面に密着させるステップと、
    を含む、キャスターの組立方法。
  6. 玉軸受と、上面部及び該上面部の両側から垂下している一対の側面部を有して車輪に跨るように配置される車輪用フレームと、上記玉軸受における外輪の外周面の一部及び上側端面と密着して上記玉軸受の一部を収容するための収容空間を上記車輪用フレームの上面部に画成する軸受ケース上側半体と、上記玉軸受における外輪の外周面の他部及び下側端面と密着して上記玉軸受の他部を収容するための収容空間を画成する軸受ケース下側半体と、を備える、キャスターの組立方法であって、
    上記車輪用フレームの上面部に一体成形され上側の円筒部と下側の円筒部とにより二段の円形台座状を呈しかつ上記玉軸受の外輪の幅中央に接合面を有するようにフランジ部を備えた上記軸受ケース上側半体のうち上記下側の円筒部に、上記軸受ケース下側半体のうち上記外輪の幅中央に接合面を有するように設けたフランジ部の外周縁の円筒リブを嵌合して同心に位置決めし、上記軸受ケース上側半体のフランジ部と上記軸受ケース下側半体のフランジ部とを接合するステップと、
    上記軸受ケース上側半体と上記軸受ケース下側半体とで画成した収容空間に玉軸受を収容した後に、上記軸受ケース下側半体の筒状部の先端部を折り曲げて上記玉軸受の外輪の下側端面に密着させるステップと、
    を含む、キャスターの組立方法。
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