JP5338764B2 - 電子写真用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真用トナーに係り、特に、少量で良好な画像を得ることを可能とする電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
電子写真方式による画像形成は、静電荷像をトナーにより現像して可視化し、得られたトナー像を用紙に転写した後、熱と圧力により定着させることにより行う。このような画像形成に用いるトナーとしては、結着樹脂に着色剤や帯電制御剤などを配合した混合物を混練し、粉砕して所定の粒度分布に調整したものが使用される。
従来、結着樹脂にはスチレン・アクリル樹脂や、ポリエステル樹脂などの石油由来の樹脂が使用されている。近年、環境への配慮から、廃棄時に環境への負荷の少ない生分解性樹脂、さらには、再生可能資源からつくられるバイオマス由来の樹脂を、トナー用樹脂として用いる方法が提案されている。これらの生分解性樹脂やバイオマス由来のプラスチックは、バイオプラスチックと呼ばれ、化石資源の消費を削減し、大気中の二酸化炭素濃度の上昇を抑制するものと期待されている。
バイオプラスチックのうち、現在最も有望な樹脂のひとつがポリ乳酸である。ポリ乳酸は融点が170℃程度、ガラス転移点が60℃程度、分子量が10〜15万程度の結晶性ポリエステルである。現在では、食品用包装材、容器などに使用されている。また、ポリ乳酸に耐熱性、高耐久性を付加し、携帯電話の筐体などに使用することも始められている。
しかしながら、現在一般に市販されているポリ乳酸をそのままトナー用樹脂として使用する場合、硬く、粉砕性が悪いことと、軟化温度が高く、低温定着に向かないという問題があった。
そのような問題を解決するために、ポリ乳酸に植物系のワックスを多量に添加する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この提案では、ワックスを多量に添加することでトナーの軟化温度を下げることは可能となるが、ワックス成分によりトナーが凝集し易くなるため、分級効率の低下による生産性が悪化し、また、トナーの流動性が悪化することで、現像機内でのトナー搬送性が劣るなどの問題が発生する。
また、低温定着性、定着安定性のため、バイオプラスチックに軟化点の異なる2種類の樹脂を配合する提案もある(例えば、特許文献2参照)。この提案では、低軟化点樹脂が高軟化点樹脂と生分解性樹脂のつなぎの役割を果たし、結着樹脂中にバイオプラスチックが均一に分散される。しかしながら、バイオプラスチックの結着樹脂中の配合率は13質量%程度、多くても33質量%が限界である。明確な記載はないが、その原因のひとつとして、バイオプラスチックの配合割合をこれ以上増やすと、バイオプラスチックの分散不良が起こり、耐久性、粉砕性が悪化するためと考えられる。
以上のように、バイオプラスチックをトナーの結着樹脂の主成分とするには課題が多く、その一部を置き換えた場合でも、配合量が限られており、良好な特性を維持しつつ、より多くのバイオマスプラスチックを配合できることが望まれていた。
これに対し、バイオプラスチックを加水分解して分子量を低減させることで軟化温度を下げ、粉砕性を改善することが可能である。しかし、このように加水分解したバイオプラスチックを用いたトナーを実機にて耐久性評価をしたところ、かぶりやトナー消費量が多いなどの問題点があることがわかった。
特許第2597452号公報 特許第3779221号公報 特開2006−91278号公報
本発明は以上のような事情の下になされ、少量で良好な画像を得ることの可能な電子写真用トナー及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第一の態様は、数平均分子量が100,000以上のポリ乳酸樹脂を加水分解処理して数平均分子量を50,000に調整して得られたバイオプラスチックからなる結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕された粒径500nm以下の帯電制御剤としてのLR−147(商品名、日本カーリット(株)製)を、前記トナー母体粒子100質量部に対し0.2から0.8質量部外添してなることを特徴とする電子写真用トナーを提供する。
上記課題を解決するため、本発明の第二の態様は、数平均分子量が100,000以上のポリ乳酸樹脂を加水分解処理して数平均分子量を50,000に調整して得られたバイオプラスチックからなる結着樹脂と着色剤とを含む原料を溶融混練後粉砕してトナー母体粒子を得、該得られたトナー母体粒子に予め解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕された粒径500nm以下の帯電制御剤としてのLR−147(商品名、日本カーリット(株)製)を、前記トナー母体粒子100質量部に対し0.2から0.8質量部外添し混合して製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法を提供する。
本発明によると、少量で良好な画像を得ることの可能な電子写真用トナーが提供される。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本発明者らは、加水分解して軟化点を下げることで粉砕性を改善したバイオプラスチックを用いたトナーの不具合を解決するために、鋭意検討を行った結果、トナー製造時に帯電制御剤を結着樹脂等と混練するのではなく、トナー微粒子に帯電制御剤を所定量外添することで、かぶりやトナー消費量の増大を防止することが可能であることを見出した。
即ち、本発明の一実施形態に係る電子写真用トナーは、バイオプラスチックからなる結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、帯電制御剤を、トナー母体粒子100質量部に対し0.2から0.8質量部外添してなることを特徴とする。
外添量が0.2質量部未満では、帯電制御剤添加の効果が得られず、かぶり及び画像濃度安定性が改善されない。また、外添量が0.8質量部を超えると、特にかぶりが改善されない。
なお、バイオプラスチックではない通常の結着樹脂を用いたトナー母体粒子に帯電制御剤を外添することが、特開平2009−230065号公報において提案されているが、帯電制御剤の添加量に対する考慮がなされておらず、記載されている添加量の帯電制御剤を結着樹脂としてバイオプラスチックを用いたトナー母体粒子に外添したのでは、かぶりが発生し易く、また画像濃度安定性に問題があることがわかっている。
帯電制御剤の外添方法は、通常、母体トナーと帯電制御剤をミキサー内で強撹拌する手法が用いられる。しかし、帯電制御剤は、通常、一次粒子として存在することはなく、凝集して粒径10μm程度の大きさとなっているため、トナー母体粒子に外添処理を施した場合、帯電制御剤粒子をトナー母体粒子表面に強固に付着させにくい場合がある。トナー母体に強固に帯電制御剤が付着していない場合、印字の際に現像槽内でトナーがせん断力を受けると帯電制御剤がトナー母体から遊離し、正常な摩擦帯電が行われなくなるため、帯電性の低下が生じ、画像にカブリ等が発生し易い。
そこで、外添する前の帯電制御剤を予め微粉砕(解砕)することが望ましい。帯電制御剤の微粉砕化については、例えば特開2009−230065号公報に記載されているように、帯電制御剤を予め粒径20nm以下の解砕用シリカ(帯電制御剤100質量部に対してシリカ0.5〜10質量部)とヘンシェルミキサー等で混合してジェットミルで粉砕することにより、500nm以下に微粉砕することが出来る。帯電制御剤を単独で解砕したのでは、トナー母体粒子表面に強固に付着するに十分小さい粒径とすることは困難となる場合があり、また帯電制御剤粒子がトナー母体粒子表面に均一に付着することが困難となる場合がある。
このように、帯電制御剤に対しシリカを加えた混合物を、ジェットミルにより解砕し、500nm以下の平均粒径の帯電制御剤とすることにより、帯電制御剤粒子をトナー母体粒子表面に均一に強固に付着することが可能となる。
ジェットミルとは、ノズルから噴射される高圧・高速の気体により被処理物を粉砕する粉砕装置であり、本実施形態では、帯電制御剤の解砕に用いることが出来る。シリカとともにジェットミルにかけられた帯電制御剤は、高圧・高速の気体、例えば空気により加速され、粒子同士の衝突により解砕され、また衝突板への衝突により解砕される。
本実施形態に使用する帯電制御剤としては、正帯電性帯電制御剤として4級アンモニウム塩やアミノ基を含有する樹脂等が、負帯電性帯電制御剤として、サリチル酸の金属錯体、ベンジル酸の金属錯塩、カリックスアレン系のフェノール系縮合物、カルボキシ基を含有する樹脂などがある。より具体的には、例えば、LR−147、E−89、E−84(いずれも商品名)等のアルミナを好ましく用いることが出来る。
本実施形態で使用されるバイオプラスチックとしては、例えば、微生物産生系として、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(ヒドロキシブチレート/ヒドロキシヘキサノエート)、天然物系として、エステル化澱粉、酢酸セルロース、キトサン、化学合成系としては、ポリ乳酸、ポリカプラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリビニルアルコール、ポリグリコール酸などが挙げられるが、原料が再生可能なバイオマスであることがより好ましく、更には工業的に製造が可能なものであることが、汎用性、価格の観点から好ましい。具体的にはポリ乳酸が最も好ましい。
本実施形態で使用されるバイオプラスチックの製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。そのうち、ポリ乳酸は、原料となるとうもろこし等の澱粉を発酵し、乳酸を得た後、乳酸モノマーから直接脱水縮合する方法や、乳酸から環状二量体ラクチドを経て、触媒の存在下で開環重合によって合成する方法がある。乳酸には、光学異性体が存在し、L−乳酸とD−乳酸があるが、これら単独または混合物のいずれの乳酸を使用しても良い。
なお、一般に市販されているポリ乳酸は、耐熱性向上のため等の理由から、より高分子量のポリ乳酸が得られる開環重合法で合成されたものであり、その数平均分子量は100,000以上のものが主流である。このように高い分子量のポリ乳酸は、軟化点が高く、粉砕性も悪いので、ポリ乳酸を加水分解することで、ポリ乳酸の分子量を低減させ、粉砕性、定着性の良好なトナー用樹脂とすることが望ましい。ここで、本実施形態で好適に使用されるポリ乳酸の分子量は、5,000から50,000程度のものである。
ポリ乳酸を加水分解する方法としては、高温高湿下、例えば温度80℃湿度80%RHでポリ乳酸を処理することが挙げられる。それにより、ポリ乳酸の加水分解が生じ、分子量が低下し、数十時間でトナー用樹脂として適切な軟化温度及び良好な粉砕性を有するポリ乳酸を得ることができる。また、別の方法として、加熱水蒸気を使用する方法や、ポリ乳酸と水とを溶融混練することで、加水分解を行う方法もある。
本実施形態に係るトナーに使用される着色剤は、従来公知のものが使用できる。例えば、黒の着色剤としては、カーボンブラック、青系の着色剤としてはC.I.Pigment Blue 15:3、赤系の着色剤としては、C.I.Pigment Red 57:1,122,269、黄色系の着色剤としてはC.I.Pigment Yellow 74,180,185などがあげられる。本発明の目的の一つである環境への影響を考慮すると、着色剤単体で安全性が高いものが好ましい。
これらの着色剤の含有量はトナー全体として1〜10質量%であることが好ましい。また、着色剤は、予め樹脂と着色剤を高濃度に分散したマスターバッチを使用しても良い。
本実施形態に係るトナーに使用する離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィシャートロプシュワックス等のオレフィン系ワックスや、カルナウバーワックス、ライスワックス、カイガラムシワックス等の天然ワックス、合成エステルワックス等が挙げられる。低温定着性や高速印字性能を向上させるためには、離型剤の融点が60から100℃と比較的低い方が好ましく、具体的には環境への影響を考慮すると天然系のカルナウバワックスがより好ましい。離型剤はトナー全体に対して1〜10質量%であることが好ましい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて公知のトナー用樹脂を添加することができる。例えばスチレン・アクリル樹脂、ポリエステル樹脂などがあげられるが、顔料分散性、低温定着性の観点からトナー用に開発されたポリエステル樹脂が好ましい。樹脂は単独であっても、2種類以上を混合しても構わない。本発明の目的のひとつである環境への影響を考慮すると、トナー全体として、0から50質量%であることが好ましい。
その他の材料として、粉砕性、定着性改善のため、低分子樹脂を添加することができる。ここで低分子樹脂としては、分子量が数百から数千のオリゴマー領域の樹脂であり、粘着性付与剤として市販されているロジンおよびロジン誘導体、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油樹脂等がある。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて従来公知の加水分解抑制剤を添加することができる。例えば、カルボジイミド系化合物、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物などがあげられる。このような加水分解抑制剤は、残存モノマーや分解により生じた水酸基やカルボキシル基末端が封止され、加水分解の連鎖反応を抑制することができる。
加水分解抑制剤としては、ポリカルボジイミド化合物である、日清紡(株)製の“カルボジライドLA-1”などが市販されている。加水分解抑制剤の添加量としては、バイオプラスチックに対し、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であるのがより好ましい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて公知の結晶核剤を添加することができる。結晶核剤としては、タルクなどの無機核剤、安息香酸ナトリウムなどの有機カルボン酸金属塩、リン酸エステル金属塩、ペンジリデンソルビトール、カルボン酸アミドなどの有機核剤等があげられる。
以上の各成分を原料として含む本実施形態に係るトナーは、従来公知の製造方法により製造することができる。
例えば、最初に、バイオプラスチック、着色剤、及び離型剤等を含む原料混合物を混合機により混合する。混合機としては、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、V型ブレンダー、ナウターミキサー等、任意のものを用いることが出来る。
次いで、混合された原料混合物は混練機に供給され、そこで溶融混練される。混練機としては、二軸押出し混練機及び単軸押出し混練機等の押出し混練機、連続式2本ロールミル、連続式3本ロールミル及びバッチ式ロールミル等のオープンロール型混練機等、任意の型のものを用いることができる。
混練機から排出された溶融混練物は、通常、トナーの製造に用いられる方法に従って、冷却され、粉砕され、分級されて、所定の平均粒径のトナー粒子母体が得られる。冷却手段、粉砕手段及び分級手段は、特に限定されず、通常トナーの製造に用いられるものを採用することが出来る。例えば、冷却には、圧延や空気流の吹き付けによる冷却手段を用いることができ、粉砕には、衝突板式粉砕機等の気流粉砕機を用いることができ、分級には、様々な気流分級機を用いることができる。ここでトナー粒子母体の粒径としては、通常5〜10μm程度となるように調整される。
このようにして得たトナー粒子母体に対し、帯電制御剤及びシリカを外添処理するが、帯電制御剤は、上述したように解砕されたものを用いることが望ましい。解砕された帯電制御剤を、他の外添剤であるシリカ(外添用シリカ)とともに、トナー粒子母体に加え、混合・攪拌することにより、電子写真用トナーが得られる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明の効果をより具体的に説明する。実施例及び比較例で用いた帯電制御剤として、下記のように微粉砕化したものを用い、ポリ乳酸として、下記のように市販ポリ乳酸を加水分解したものを用いた。
<帯電制御剤の微粉砕化>
予め帯電制御剤100質量部と解砕用シリカ0.1〜10質量部をヘンシェルミキサーで混合し、ジェットミルで微粉砕化して、微粉砕化した帯電制御剤微粒子を得た。粉砕機として日本ニューマチック工業(株)製のIDS−2型を用いて、0.6MPaの圧力、3kg/hのフィード量で微粉砕化した。下記表1に、用いた帯電制御剤の種類を示す。
Figure 0005338764
<低分子量ポリ乳酸の作製>
海正生物(株)製ポリ乳酸「REVODE101B」を温度80℃、湿度80%RHに設定した恒温恒湿槽に入れ、処理時間を変えて加水分解し、分子量3,000〜120,000のポリ乳酸を得た。
下記表2に、加水分解の処理時間及び加水分解されたポリ乳酸の分子量を示す。
Figure 0005338764
上記表2に示すように、処理時間が増加するに従って、加水分解されたポリ乳酸の分子量は低下することがわかる。
各物性値の測定方法を以下に示す。
<トナーの粒径測定>
ビーカーに少量のトナー、精製水、及び界面活性剤を入れ、これを超音波洗浄器にて分散し、サンプルトナーを得る。これを、装置としてマルチサイザーII(コールター(株)製)を用いて、トナー粒径を測定する。測定は、アパーチャー100μm、カウント50,000個で行い、体積平均粒径を得る。
<分子量の測定>
分子量Mnは、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量である。なお、測定装置としては、GPC(島津製作所(株)製)及び検出器Rlを用いる。
<帯電制御剤の粒径測定>
ビーカーに少量の帯電制御剤、精製水、及び界面活性剤を入れ、これを超音波洗浄器にて分散し、分散液を得る。これを、装置としてレーザー回折粒径測定装置LA−920(堀場製作所(株)製)を用いて、帯電制御剤の粒径を測定する。測定は、体積平均粒径で求める。
実施例1
結着樹脂として分子量を低減したポリ乳酸(分子量50,000)89質量部、着色剤としてカーボンブラック(CABOT(株)製:MOGUL L)4質量部、及び離型剤としてカルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製)6質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、標準羽根使用)に投入して、混合した。
得られた混合物を二軸押出機(スクリュー径43mm、L/D=34)で溶融混練し、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した後、衝突板式粉砕機(日本ニューマチック工業(株)製IDS−2)及び風力分級機(日本ニューマチック工業(株)製DSX−2)にて、トナーの平均粒径が9.0μmになるように粉砕・分級し、微粒子を得た。
得られた微粒子100質量部に、予め用意した、上記表1に示す帯電制御剤微粒子CCA−1の0.5質量部を加え、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、標準羽根使用)で2分間混合した後、流動性調整剤として「RY−200」(日本アエロジル(株)製、疎水性シリカ:一次粒子径12nm)を3分間混合して、トナーを得た。
実施例2ないし7
下記表3に示すように、帯電制御剤微粒子の種類及び添加量を変えた以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
比較例1
結着樹脂として分子量を低減したポリ乳酸(分子量50,000)89質量部、着色剤としてカーボンブラック(CABOT(株)製:MOGUL L)4質量部、離型剤としてカルナウバワックス1号粉末(日本ワックス(株)製)6質量部、及び帯電制御剤としてLR−147(日本カーリット(株)製)1質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製、標準羽根使用)に投入して、混合した。
得られた混合物を二軸押出機(スクリュー径43mm、L/D=34)で溶融混練し、冷却し、ロートプレックス(ホソカワミクロン(株)製、2mmスクリーン)で粗砕した後、衝突板式粉砕機(日本ニューマチック工業(株)製IDS−2)及び風力分級機(日本ニューマチック工業(株)製DSX−2)にて、トナーの平均粒径が9.0μmになるように粉砕・分級し、トナー微粒子を得た。
このトナー微粒子に流動性調整剤として「RY−200」(日本アエロジル(株)製、疎水性シリカ:一次粒子径12nm)を3分間混合して、トナーを得た。
比較例2
比較例1で用いた帯電制御剤LR−147の代わりにボントロンE−84(オリエント化学(株)製)を用いた以外は、比較例1と同様にして、トナーを作製した。
比較例3
比較例1で用いた帯電制御剤LR−147の代わりにボントロンE−89(オリエント化学(株)製)を用いた以外は、比較例1と同様にして、トナーを作製した。
比較例4
実施例1で用いた帯電制御剤の量を1.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
比較例5
実施例1で用いた帯電制御剤の量を0.1質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、トナーを作製した。
比較例6
実施例1で用いた帯電制御剤の量を1.0質量部に変更した以外は、実施例6と同様にして、トナーを作製した。
比較例7
実施例1で用いた帯電制御剤の量を1.0質量部に変更した以外は、実施例7と同様にして、トナーを作製した。
以上のようにして作成した実施例1−7、比較例1−7のトナーを非磁性一成分現像プリンター「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:カラープリント毎分29枚(A4横)機、プロセス速度129mm/s)に実装し、通常環境(25℃50%RH)において、普通紙(XEROX−P紙A4サイズ)を用いて5%印字で2000枚毎にベタ印字を2枚、白紙印字を2枚行い、以後4回(計10,000枚の5%印字)繰り返した。
試験1(かぶり評価)
5%印字を1万枚終了後、白紙印字を行い、印字をしている途中でフロント扉を開けることにより、印字を強制終了させた。その時のOPCドラム上のかぶりトナーをメンディングテープで写し取り、白紙に貼り付けた。何もしていないメンディングテープを白紙に貼り付けて、両者を比較した。
測定は日本電色(株)製の分光色差計「SE−2000」を用いて得られるXYZ座標のZ値よりかぶりトナーの有無による差をかぶり値として、以下のように評価した。
◎:かぶり値が2未満で良好
○:かぶり値が2以上5未満で良好
△:かぶり値が5以上10未満で実用上問題ないレベル
×:かぶり値が10以上で悪い
試験2(画像濃度安定性)
2000枚毎に印字したベタ画像の中央部と四隅の5点で、画像濃度を測定した。測定はX−rite(株)製のX−rite938を用いて画像濃度を測定し、5点の平均濃度を求めた。各サンプリングポイントにおける最大値、最小値から画像濃度安定性(%)=(最小画像濃度/最大画像濃度)×100により画像濃度安定性を求めた。
◎:画像濃度安定性が95%以上で良好
○:画像濃度安定性が85%以上で良好
△:画像濃度安定性が75%以上で実用上問題ないレベル
×:画像濃度安定性が75%未満で悪い
試験3(保存性)
トナー10gをガラスビーカに入れ、50℃90%RHの恒温恒湿槽に8時間放置した後、トナーの凝集性を目視で確認した。
(評価基準)
◎:トナーの凝集が全く認められない
○:トナーの凝集が殆ど認められない
△:トナーの凝集がわずかに認められる
×:トナーの凝集が認められる
試験4(定着性)
「カシオページプレストN−5」(カシオ計算機(株)製:プロセススピード129mm/sec)の定着部分の温度を可変できるように改造し、定着試験機とした。
上定着ロールの定着温度を100〜200℃の範囲で10℃毎に可変し、ベタ画像を印字して、画像のコールドオフセット、ホットオフセットを目視で評価して、非オフセット領域を求め、評価した。
用紙はXEROX(株)製のP紙A4サイズ(64g/m)を用いた。また、定着器のオイル供給ローラは取り外した。
(評価基準)
◎:非オフセット領域が30℃以上
○;非オフセット領域が20℃
△:非オフセット領域が10℃
×:非オフセット領域がない
試験5(トナー消費量)
5%印字1万枚試験で、トナー消費量を測定した。
(評価基準)
◎:純正トナーと比較してトナー消費量が100%以下
○:純正トナーと比較してトナー消費量が100%を超え103%以下
△:純正トナーと比較してトナー消費量が103%を超え106%以下
×:純正トナーと比較してトナー消費量が106%を超える
実施例1−7、比較例1−7の各トナーについての試験結果を、下記表3に示す。
Figure 0005338764
上記表3から、次のことがわかる。即ち、結着樹脂としてバイオプラスチックを用いたトナー粒子母体に、0.2〜0.8質量%の帯電制御剤を外添したトナー(実施例1〜7)は、かぶり、画像濃度安定性、保存性、定着性、及びトナー消費量のいずれにおいても、良好な結果を示している。
これに対し、帯電制御剤を内添した比較例1〜3のトナーは、特に画像安定性が劣っている。また、帯電制御剤が0.1質量%と少な過ぎる(比較例5)か、または1質量%と多すぎる(比較例4、6,7)トナーは、特にかぶりにおいて良好な結果が得られていない。

Claims (2)

  1. 数平均分子量が100,000以上のポリ乳酸樹脂を加水分解処理して数平均分子量を50,000に調整して得られたバイオプラスチックからなる結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母体粒子に、解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕された粒径500nm以下の帯電制御剤としてのLR−147(商品名、日本カーリット(株)製)を、前記トナー母体粒子100質量部に対し0.2から0.8質量部外添してなることを特徴とする電子写真用トナー。
  2. 数平均分子量が100,000以上のポリ乳酸樹脂を加水分解処理して数平均分子量を50,000に調整して得られたバイオプラスチックからなる結着樹脂と着色剤とを含む原料を溶融混練後粉砕してトナー母体粒子を得、該得られたトナー母体粒子に予め解砕用シリカと共にジェットミルにより解砕された粒径500nm以下の帯電制御剤としてのLR−147(商品名、日本カーリット(株)製)を、前記トナー母体粒子100質量部に対し0.2から0.8質量部外添し混合して製造することを特徴とする電子写真用トナーの製造方法。
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