JP5335560B2 - 燃料噴射量制御装置 - Google Patents

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本発明は、ディーゼルエンジンの気筒内へ燃料噴射を行うための燃料噴射量制御装置に関するものである。
従来、ディーゼルエンジンの気筒内へ燃料を噴射する装置として、蓄圧式燃料噴射装置が用いられている。この蓄圧式燃料噴射装置は、複数の燃料噴射弁が接続されるとともに高圧燃料が蓄積されるコモンレールを備え、高圧燃料が各燃料噴射弁に供給された状態で燃料噴射弁の通電制御を行うことによって、燃料の緻密な噴射が可能にされている。
このような蓄圧式燃料噴射装置は、低圧ポンプ、高圧ポンプ、コモンレール、燃料噴射弁等を主たる要素として備えており、燃料タンク内の燃料が低圧ポンプによって高圧ポンプに送られるとともに高圧ポンプによって加圧されてコモンレールに圧送され、各燃料噴射弁に高圧燃料が供給される。そして、この状態で燃料噴射弁の通電制御によって燃料噴射弁の開弁時間及び開弁時期が制御されることで、ディーゼルエンジンへの様々な燃料噴射パターンが実現可能となっている。
蓄圧式燃料噴射装置に用いられる燃料噴射弁において、噴射孔を開閉するノズルニードルの後端側が臨む背圧制御室にも高圧燃料が供給されてノズルニードルに背圧が負荷されることで噴射孔が閉じられる。一方、背圧制御室から高圧燃料を逃す制御が行われることで背圧が低下させられ、ノズルニードルがリフトして噴射孔が開かれることで、燃料の噴射が行われる。代表的な燃料噴射弁としては、電磁ソレノイドへの通電制御によって弁体をリフトさせて背圧を逃す制御を行いノズルニードルをリフトさせるマグネットインジェクタや、ピエゾ素子へ印加する電圧の制御によって弁体をリフトさせて背圧を逃す制御を行いノズルニードルをリフトさせるピエゾインジェクタが挙げられる。
このような燃料噴射弁において、背圧逃し制御によって背圧制御室から逃される燃料が流出するリターン通路内の圧力が高くなると、背圧制御室を閉じる際に弁体がバウンスを生じ、目標噴射量を同一にしても実噴射量にバラツキが生じるおそれがある。そのため、リターン通路内の圧力(以下「リターン圧力」と称する。)にかかわらず燃料噴射量が適正化されるように構成された燃料噴射量制御装置が提案されている。より具体的には、リターン圧力を圧力センサによって検出し、検出されたリターン圧力に基づいて燃料噴射弁の燃料噴射量を補正するようにした燃料噴射量制御装置が開示されている(特許文献1参照)。
特開2001−207893号公報 (全文、全図)
しかしながら、特許文献1の燃料噴射量制御装置は、リターン圧力を圧力センサで検出する構成となっており、リターン通路に圧力センサを取り付けなければならず圧力センサに要するコストが増加する。
また、燃料噴射量の補正を行う以外にも、リターン圧力を利用した制御や異常診断等が行われる場合がある。このような制御を行う燃料噴射量制御装置においても、リターン圧力を圧力センサで検出する構成とした場合には、コストの増加を伴うことになる。
そこで、本発明の発明者は鋭意努力し、燃料噴射量制御装置が燃料噴射弁に接続されたリターン通路内の圧力を演算によって推定するリターン圧力演算部を備えることによりに上述した問題を解決できることを見出し、本発明を完成させたものである。すなわち、本発明は、圧力センサを用いることなく演算によってリターン圧力が算出され、蓄圧式燃料噴射装置の部品点数を増加させることなくコストの増加も抑えられる燃料噴射量制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、燃料を圧送する高圧ポンプと、高圧ポンプから圧送される燃料が蓄積されるコモンレールと、コモンレールに蓄積された燃料をディーゼルエンジンの気筒内に噴射する燃料噴射弁と、を備え、燃料噴射弁は、噴射孔を開閉するノズルニードルと、燃料が供給されて燃料の圧力によりノズルニードルに背圧を負荷する背圧制御室と、背圧制御室の燃料を逃がすことでノズルニードルをリフトさせて噴射孔を開口させる背圧逃し機構と、を備える蓄圧式燃料噴射装置の制御を行うための燃料噴射量制御装置において、ディーゼルエンジンへの目標燃料噴射量を演算する目標噴射量演算部と、目標燃料噴射量に基づき燃料噴射弁の動作制御を行う燃料噴射弁制御部と、ディーゼルエンジンの回転数、ディーゼルエンジンへの目標燃料噴射量の前回値及びコモンレール内の圧力に基づき、背圧制御室から逃された燃料が流通するリターン通路内の圧力を算出するリターン圧力演算部とを備えることを特徴とする燃料噴射量制御装置が提供され、上述した問題を解決することができる。

また、本発明の燃料噴射量制御装置を構成するにあたり、リターン圧力演算部は、さらにディーゼルエンジンの冷却水の温度及び燃料温度あるいはいずれか一方を考慮してリターン通路内の圧力を算出することが好ましい。
また、本発明の燃料噴射量制御装置を構成するにあたり、リターン圧力演算部で算出されるリターン通路内の圧力に基づき目標燃料噴射量又は燃料噴射弁への通電量を補正する目標噴射量補正部を備えることが好ましい。
本発明の燃料噴射量制御装置によれば、燃料噴射弁のリターン圧力が演算によって求められることから、リターン通路に圧力センサを取り付けることなく従来の蓄圧式燃料噴射装置における燃料噴射弁のリターン圧力が算出できるとともに、コストの低下が図られる。
蓄圧式燃料噴射装置の全体構成を説明するための図である。 燃料噴射弁の構成の一例を説明するための図である。 リターン圧力と実噴射量との関係を示す図である。 本実施形態の燃料噴射量制御装置の構成の一例を説明するための図である。 リターン圧力の演算ロジックを説明するための図である。 リターン圧力による補正後の目標噴射量の演算ロジックを説明するための図である。 燃料噴射量の制御方法の一例を示す制御フローである。
以下、図面を参照して、本発明の燃料噴射量制御装置に関する実施の形態について具体的に説明する。ただし、以下の実施の形態は本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で任意に変更することが可能である。なお、それぞれの図中、同じ符号を付してあるものは同一の部材を示しており、適宜説明が省略されている。
1.蓄圧式燃料噴射装置の全体的構成
図1は、本発明の実施の形態にかかる燃料噴射量制御装置70の制御対象となる蓄圧式燃料噴射装置50の概略構成を示している。
この図1に示す蓄圧式燃料噴射装置50は、ディーゼルエンジン40の気筒内に燃料を噴射する蓄圧式燃料噴射装置であって、燃料タンク1と、低圧ポンプ2と、高圧ポンプ5と、コモンレール10と、燃料噴射弁13等を主たる要素として備えている。
低圧ポンプ2と高圧ポンプ5は低圧燃料通路18で接続され、高圧ポンプ5とコモンレール10、及びコモンレール10と燃料噴射弁13は高圧燃料通路37、39で接続されている。また、高圧ポンプ5やコモンレール10、燃料噴射弁13等には、リーク燃料あるいはリターン燃料を燃料タンク1に戻すためのリターン通路30a〜30cが接続されている。
低圧ポンプ2は、燃料タンク1内の低圧燃料を吸い上げ、低圧燃料通路18を介して高圧ポンプ5に対して低圧燃料を供給する。低圧ポンプ2としては、電動低圧ポンプやディーゼルエンジンの動力によって駆動するギヤポンプ等が用いられる。
高圧ポンプ5は、低圧ポンプ2によって送られる低圧燃料を加圧し、高圧燃料通路37を介して、高圧燃料をコモンレール10に圧送する。高圧ポンプ5の加圧室5aよりも上流の低圧燃料通路18には流量制御弁8が備えられ、要求されるレール圧及び要求噴射量等に応じて加圧室5aに供給される低圧燃料の流量が調節される。この流量制御弁8は、例えば、供給されるパルス電圧の大きさによって弁体のストローク量が可変である電磁比例式の流量制御弁が用いられる。
また、流量制御弁8よりも上流側には圧力調整弁14が接続されており、圧力調整弁14はさらに燃料タンク1に通じるリターン通路30aに接続されている。この圧力調整弁14は、前後の差圧、すなわち、低圧燃料通路18内の圧力と、リターン通路30a内の圧力との差が所定値を越えたときに開弁されるオーバーフローバルブが用いられている。
コモンレール10は、高圧ポンプ5から圧送される高圧燃料を蓄積し、高圧燃料通路39を介して接続された複数の燃料噴射弁13に対して高圧燃料を供給する。このコモンレール10にはレール圧センサ21及び圧力制御弁12が取り付けられている。圧力制御弁12は、例えば電磁比例制御弁が用いられ、コモンレール10から燃料リーク通路30bに排出する燃料のリーク量が調節され、当該リーク量に応じてレール圧が調整される。
コモンレール10に接続された燃料噴射弁13は、噴射孔が設けられたノズルボディと噴射孔を閉塞するノズルニードルとを備え、ノズルニードルの後端側に作用する背圧が逃されることによって噴射孔が開かれ、コモンレール10から供給される高圧燃料がディーゼルエンジン40の気筒内に噴射される。燃料噴射弁13は、例えば、背圧制御部としてソレノイドバルブが備えられた電磁制御型の燃料噴射弁や、背圧制御部としてピエゾ素子が備えられた電歪型の燃料噴射弁が用いられる。
図2は、燃料噴射弁13としての電磁制御型の燃料噴射弁13Aの断面図を示している。
燃料噴射弁13Aは、インジェクタハウジング102と、ノズルボディ103と、ノズルニードル104と、バルブピストン105と、バルブボディ106と、背圧制御部107と、インレットコネクタ108とを主たる構成要素として備えている。
インジェクタハウジング102には、インレットコネクタ108から導入される高圧燃料をノズルボディ103側へ送る第1の燃料通路113が形成されている。また、インジェクタハウジング102には、インレットコネクタ108の近傍において上述の第1の燃料通路113から分岐して背圧制御部107を経由しリターン通路30cへ至る燃料還流路115が形成されている。
ノズルボディ103には、ノズルニードル104の受圧部104Aに対向する部位に燃料溜まり室114が形成されている。また、ノズルボディ103には、インジェクタハウジング102の第1の燃料通路113に連通し、燃料溜まり室114に高圧燃料を導くための第2の燃料通路111が形成されている。このノズルボディ103の先端部には噴射孔116が穿設されており、この噴射孔116につながるシート部117にノズルニードル104の先端部が着座(シート)することにより噴射孔116が閉鎖される。一方、ノズルニードル104がシート部117から離間(リフト)することにより噴射孔116が開放される。このような構成により、燃料の噴射開始、停止が可能となっている。
また、ノズルボディ103に接続されるインジェクタハウジング102内には、その中心軸を中心としたスプリング室122が形成されており、ノズルニードル104をシート部117の方向へ付勢するためのノズルスプリング118が配設されている。また、インジェクタハウジング102に形成された孔102A内にはバルブピストン105が挿入されている。バルブピストン105の後端はバルブボディ106に形成された摺動孔106A内に摺動可能に挿入されて、ノズルニードル104の上方部に位置するように配設されている。
また、バルブボディ106における、バルブピストン105の頂部105Aが位置する部位に背圧制御室119が形成されており、バルブピストン105の頂部105Aが下方側(噴射孔116側)から臨むようになっている。背圧制御室119は、バルブボディ106に形成された導入側オリフィス120に連通している。この導入側オリフィス120は、バルブボディ106とインジェクタハウジング102との間にバルブボディ106の周方向で環状に形成された圧力導入室121を介して第1の燃料通路113と分岐する高圧油路に連通されている。これによって、コモンレール10からの導入圧力が背圧制御室119へ供給されるようになっている。
また、背圧制御室119は開閉用オリフィス123にも連通しており、開閉用オリフィス123は後述する背圧制御部107のバルブボール(制御弁体)124によって開閉可能となっている。なお、背圧制御室119におけるバルブピストン105の頂部105Aの受圧面積は、ノズルニードル104の受圧部104Aの受圧面積よりも大きく設定されている。
また、背圧制御部107は、マグネット125と、アーマチュア127と、ホルダ129と、バルブボール124と、背圧制御室119とを主たる要素として備えている。そして、マグネット125に対して制御回路から駆動信号が供給されることによってバルブスプリング126の付勢力に抗してアーマチュア127がマグネット125に吸引される。その結果、バルブボール124が開閉用オリフィス123からリフトし、背圧制御室119の圧力が燃料還流路115に開放される。背圧制御室119から逃された燃料は、リターン通路30cを介して燃料タンク1に戻される。
このようにバルブボール124を動作させることにより背圧制御室119の圧力を制御し、バルブピストン105を介してノズルニードル104の背圧が制御されることで、ノズルニードル104のシート部117へのシート及びリフトが制御される。
このように構成された燃料噴射弁13Aでは、コモンレール10からの高圧燃料は、インレットコネクタ108から第1の燃料通路113及び第2の燃料通路111を介して燃料溜まり室114内のノズルニードル104の受圧部104Aに作用する。また、コモンレール10からの高圧燃料は、圧力導入室121及び導入側オリフィス120を介して背圧制御室119内のバルブピストン105の頂部105Aにも作用するようになっている。
したがって、バルブボール124によって背圧制御室119が燃料低圧側と遮断されている状態では、ノズルニードル104はバルブピストン105を介して受ける背圧制御室119の背圧とノズルスプリング118の付勢力とにより、ノズルボディ103のシート部117にシートされ、噴射孔116を閉鎖することになる。
一方、マグネット125に所定のタイミングで駆動信号を供給することにより、アーマチュア127がマグネット125に吸引され、バルブボール124が開閉用オリフィス123を開放する。そうすると、背圧制御室119の高圧が開閉用オリフィス123を介して燃料還流路115及びリターン通路30cを通って燃料タンク1へ還流するため、背圧制御室119におけるバルブピストン105の頂部105Aに作用していた高圧が開放される。その結果、ノズルニードル104は受圧部104Aに作用している高圧により、ノズルスプリング118の付勢力に抗してシート部117からリフトし、噴射孔116を開放して燃料噴射が行われることになる。
そして、マグネット125を消磁することによってバルブボール124により開閉用オリフィス123が閉鎖される。その結果、背圧制御室119内の圧力及びノズルスプリング118の付勢力によりバルブピストン105を介してノズルニードル104がシート位置であるシート部117にシートされて噴射孔116が閉鎖される。これによって、燃料噴射が終了する。
このように構成された燃料噴射弁13Aにおいて、背圧逃し制御によって背圧制御室119から逃される燃料が流出するリターン通路30c内の圧力が高くなると、背圧制御室119を閉じる際にバルブボール124がバウンスを生じ、目標噴射量を同一にしても実噴射量にバラツキが生じるおそれがある。
具体的には、図3に示すように、目標噴射量を同一の値にした場合に、リターン通路30c内の圧力が高くなるにつれて実噴射量が増大するという特性を有している。特に、リターン圧力が著しく低い領域及び著しく高い領域ではリターン圧力の変化に対する実噴射量の増加割合が非常に大きくなる傾向にある。現実的には、この増加割合が大きくなる領域を除いた領域におさまるようにリターン圧力が維持されるものの、リターン圧力の変動範囲が広くなる場合や燃料噴射弁13の特性上、リターン圧力による燃料噴射量のずれを防ぎきれない。そのため、本実施形態の燃料噴射量制御装置70は、リターン通路30c内の圧力を推定によって求め、このリターン圧力に応じて目標噴射量の補正を行うように構成されている。
2.燃料噴射量制御装置
図4は、本実施形態の燃料噴射量制御装置70の構成を機能的なブロックで表した図を示している。
この制御装置70は、公知の構成からなるマイクロコンピュータを中心に構成されており、目標噴射量演算部71と、リターン圧力演算部75と、目標噴射量補正部77と、燃料噴射弁制御部73とを備えている。これらの各部は、具体的にはマイクロコンピュータによるプログラムの実行によって実現される。
目標噴射量演算部71は、ディーゼルエンジン40の回転数Ne及びアクセル操作量Acc等に基づいて、ディーゼルエンジン40の気筒内に噴射する燃料の目標噴射量Qtgt’を算出する。具体的に、目標噴射量演算部71では、ディーゼルエンジン40の回転数Neやアクセル操作量Acc以外に、排気ガスの浄化に用いられる触媒やパティキュレートフィルタの状態、燃料温度等を考慮して、目標パイロット噴射量Qpilot’、目標メイン噴射量Qmain’、目標ポスト噴射量Qpost’をそれぞれ算出するように構成されている。算出された目標噴射量Qtgt’(Qpilot’、Qmain’、Qpost’)の値は、リターン圧力演算部75及び目標噴射量補正部77に送られる。
リターン圧力演算部75は、ディーゼルエンジン40の回転数Ne、燃料噴射弁13によるディーゼルエンジン40への燃料噴射量の前回値Qn-1、レール圧Prail等を読み込み、これらの情報に基づいて燃料噴射弁に接続されたリターン通路30c内の圧力Pbfを算出する。具体的に、本実施形態の燃料噴射量制御装置70では、さらに、ディーゼルエンジン40の冷却水の温度Tclと、燃料噴射装置内の燃料温度Tflとを考慮してリターン通路30c内の圧力Pbfを算出するように構成されている。
図5は、本実施形態の燃料噴射量制御装置70のリターン圧力演算部75で実行されるリターン圧力Pbfの演算ロジックを示している。
この演算ロジックの例では、まず、あらかじめ実験等によって求められたマップm1を用いてディーゼルエンジン40の回転数Ne及び燃料噴射量の前回値Qn-1に基づきリターン圧力Pbf’を得る。その後、それぞれあらかじめ実験等によって求められたマップm2、m3を用いて求められる、レール圧Prailに依存する係数N1と、冷却水の温度Tcl及び燃料温度Tflに依存する係数N2とを乗じることでリターン圧力Pbfが求められる。
係数N1はレール圧Prailに基づくリターン通路30bに排出された燃料の量によるリターン圧力Pbfへの影響を補正する。係数N2はリターン通路30c内の燃料の密度によるリターン圧力Pbfへの影響を補正する。求められたリターン圧力Pbfは、目標噴射量補正部77に送られる。
目標噴射量補正部77は、リターン圧力演算部75で求められたリターン圧力Pbfに基づき、目標噴射量演算部71で算出された目標噴射量Qtgt’の補正を行う。具体的に、本実施形態の燃料噴射量制御装置70の目標噴射量補正部77は、図6に示すように、それぞれあらかじめ実験等によって求められたマップm4〜m6を用いて、目標噴射量演算部71で算出された目標パイロット噴射量Qpilot’及びリターン圧力Pbfに基づき補正係数R1を求める。また、目標噴射量補正部77は、目標噴射量演算部71で算出された目標メイン噴射量Qmain’及びリターン圧力Pbfに基づき補正係数R2を求める。さらに、目標噴射量演算部71で算出された目標ポスト噴射量Qpost’及びリターン圧力Pbfに基づき補正係数R3を求める。
そして、求められたそれぞれの補正係数R1、R2、R3をそれぞれ目標パイロット噴射量Qpilot’、目標メイン噴射量Qmain’、目標ポスト噴射量Qpost’に乗じることで、補正後の目標パイロット噴射量Qpilot、補正後の目標メイン噴射量Qmain、補正後の目標ポスト噴射量Qpostが算出される。この補正後の各値が燃料噴射弁制御部73に送られる。
燃料噴射弁制御部73は、レール圧Prailを読み込むとともに、読み込んだレール圧Prailと目標噴射量補正部77で算出された補正後の目標噴射量Qtgt(Qpilot、Qmain、Qpost)とに基づき燃料噴射弁13の制御を行う。具体的に、燃料噴射弁制御部73は、燃料噴射弁13への通電時期及び通電時間を決定し、燃料噴射弁13の駆動制御を行うアクチュエータに対して指示信号を出力する。
3.目標噴射量の制御方法のフロー
次に、本実施形態の燃料噴射量制御装置70によって実行される目標噴射量の制御方法について、図7の制御フローに基づき具体的に説明する。
まず、ステップS1では、ディーゼルエンジンの回転数Ne、アクセル操作量Acc、レール圧Prail、冷却水の温度Tcl、燃料温度Tflが読み込まれる。このとき、必要に応じて、パティキュレートフィルタにおけるフィルタの堆積量や再生時期の情報、触媒温度等が読み込まれる。次いで、ステップS2では、ステップS1で読み込まれた情報に基づき、目標噴射量Qtgt’が算出される。本実施形態では、目標噴射量Qtgt’として、目標パイロット噴射量Qpilot’、目標メイン噴射量Qmain’、目標ポスト噴射量Qpost’がそれぞれ算出される。
次いで、ステップS3では、燃料噴射量の前回値Qn-1、すなわち、目標噴射量Qtgtの前回値Qtgt(n-1)とディーゼルエンジンの回転数Neとに基づいてリターン圧力Pbf’を求めた後、ステップS4で、レール圧Prailに依存する係数N1を求めるとともに、ステップS5で、冷却水の温度Tcl及び燃料温度Tflに依存する係数N2を求めた後、ステップS6で、ステップS4において求めたリターン圧力Pbf’に係数N1、N2を乗じて、リターン圧力Pbfを算出する。
次いで、ステップS7で、ステップS2において求められた目標パイロット噴射量Qpilot’、目標メイン噴射量Qmain’、目標ポスト噴射量Qpost’の各値と、リターン圧力Pbfとから、目標パイロット噴射量Qpilot’、目標メイン噴射量Qmain’、目標ポスト噴射量Qpost’に対する各補正係数R1、R2、R3を求める。さらに、ステップS8では、目標パイロット噴射量Qpilot’、目標メイン噴射量Qmain’、目標ポスト噴射量Qpost’に対して各補正係数R1、R2、R3を乗じて、補正後の目標パイロット噴射量Qpilot、補正後の目標メイン噴射量Qmain、補正後の目標ポスト噴射量Qpostを算出する。
そして、ステップS9において、補正後の目標パイロット噴射量Qpilot、補正後の目標メイン噴射量Qmain、補正後の目標ポスト噴射量Qpostの各値に基づき、燃料噴射弁13への通電時期及び通電時間を求める。その後、ステップS10で燃料噴射弁13のアクチュエータに対して指示信号を出力し本ルーチンを終了する。
本実施形態では、燃料噴射量制御装置70のリターン圧力演算部75で求められたリターン圧力Pbfを用いて、目標噴射量演算部71で算出された目標噴射量Qtgt’(Qpilot’、Qmain’、Qpost’)の補正を行う例を説明した。ただし、補正を行う対象は目標噴射量Qtgt’に限られず、燃料噴射弁制御部73で決定される通電時間であってもよい。この場合、上述した制御フローにおける補正を行うステップS7がステップS9の後に行われる。
1:燃料タンク、2:電動低圧ポンプ、3:プレフィルタ、4:メインフィルタ、5:高圧ポンプ、6:燃料吸入弁、7:プランジャ、8:流量制御弁、9:燃料吐出弁、10:コモンレール、12:圧力制御弁、13:燃料噴射弁、14:圧力調整弁、15:カム、16:カム室、18:低圧燃料通路、21:レール圧センサ、30a・30b・30c:リターン通路、37・39:高圧燃料通路、40:ディーゼルエンジン、50:蓄圧式燃料噴射装置、70:燃料噴射量制御装置、71:目標噴射量演算部、73:燃料噴射弁制御部、75:リターン圧力演算部、77:目標噴射量補正部

Claims (3)

  1. 燃料を圧送する高圧ポンプと、前記高圧ポンプから圧送される前記燃料が蓄積されるコモンレールと、前記コモンレールに蓄積された前記燃料をディーゼルエンジンの気筒内に噴射する燃料噴射弁と、を備え、前記燃料噴射弁は、噴射孔を開閉するノズルニードルと、前記燃料が供給されて前記燃料の圧力により前記ノズルニードルに背圧を負荷する背圧制御室と、前記背圧制御室の前記燃料を逃がすことで前記ノズルニードルをリフトさせて前記噴射孔を開口させる背圧逃し機構と、を備える蓄圧式燃料噴射装置の制御を行うための燃料噴射量制御装置において、
    前記ディーゼルエンジンへの目標燃料噴射量を演算する目標噴射量演算部と、
    前記目標燃料噴射量に基づき前記燃料噴射弁の動作制御を行う燃料噴射弁制御部と、
    前記ディーゼルエンジンの回転数、前記ディーゼルエンジンへの目標燃料噴射量の前回値及び前記コモンレール内の圧力に基づき、前記背圧制御室から逃された前記燃料が流通するリターン通路内の圧力を算出するリターン圧力演算部と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射量制御装置。
  2. 前記リターン圧力演算部は、さらに前記ディーゼルエンジンの冷却水の温度及び前記燃料温度あるいはいずれか一方を考慮して前記リターン通路内の圧力を算出することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射量制御装置。
  3. 前記リターン圧力演算部で算出される前記リターン通路内の圧力に基づき前記目標燃料噴射量又は前記燃料噴射弁への通電量を補正する目標噴射量補正部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料噴射量制御装置。
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