JP5333677B2 - 風力発電用マトリクスコンバータ装置、風力発電装置、ウィンドファームおよび風車の製造方法 - Google Patents

風力発電用マトリクスコンバータ装置、風力発電装置、ウィンドファームおよび風車の製造方法 Download PDF

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Description

開示の実施形態は、風力発電用マトリクスコンバータ装置、風力発電装置、ウィンドファームおよび風車の製造方法に関する。
風力発電装置は、一般に、風車と発電機とを備えており、風車が風力を受けて回転する機械エネルギーを発電機によって電気エネルギーへ変換する。
風力発電装置にて発電機から出力される電気エネルギーは、電力変換装置を介して電力系統に供給される。この電力変換装置としては、発電機からの交流電力を直流電力に変換するコンバータとこのコンバータからの直流電力を交流電力に変換するインバータとを組み合せたものが使用されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−124779公報
しかしながら、従来の風力発電用電力変換装置では、風の力が弱く、発電機が低速で回転するような場合、内部の一つあるいはいくつかのスイッチング素子に連続して長い時間電流が流れる電流集中が起こる。この電流集中に対応するため、従来の風力発電用電力変換装置では、スイッチング素子の容量を大きくしないといけなくなるといった問題があった。
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、スイッチング素子の容量を抑えることができる風力発電用電力変換装置、風力発電装置、ウィンドファームおよび風車の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態の一態様に係る風力発電用マトリクスコンバータ装置は、マトリクスコンバータと制御部とを備える。前記マトリクスコンバータは、風力によって回転する風車の回転力により発電機で発電された電力を、フルコンバートして電力系統に供給するように制御部によって制御される。
実施形態の一態様に係る風力発電用マトリクスコンバータ装置によれば、スイッチング素子の容量を抑えることができる。
図1は、第1の実施形態に係る風力発電装置の構成を示す図である。 図2Aは、第1の実施形態に係る風力発電部のブレード取り付け手順を示す図である。 図2Bは、第1の実施形態に係る風力発電部のブレード取り付け手順を示す図である。 図2Cは、第1の実施形態に係る風力発電部のブレード取り付け手順を示す図である。 図3は、第1の実施形態に係る風力発電装置のブロック図である。 図4は、第1の実施形態に係るマトリクスコンバータの構成を示すブロック図である。 図5は、並列接続により電流定格を増加させた直列多重マトリクスコンバータの構成を示す図である。 図6は、図4に示す単相マトリクスコンバータの構成の一例を示す図である。 図7は、力率制御部の構成の一例を示す図である。 図8は、制御信号発生部によるマトリクスコンバータの制御例を説明する図である。 図9は、第1の実施形態に係る風力発電装置の他のブロック図である。 図10は、停電時制御の手順を示す図である。 図11は、位置制御部の構成の一例を示す図である。 図12は、放電指令部の構成の一例を示す図である。 図13は、電源切替部の構成の一例を示す図である。 図14は、図13に示す電圧切替指令部の構成の一例を示す図である。 図15は、第2の実施形態に係るウィンドファームの構成を示す図である。
以下に、本願の開示する風力発電用マトリクスコンバータ装置、風力発電装置、ウィンドファームおよび風車の製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、これらの実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る風力発電装置の構成を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る風力発電装置1は、風力発電部10と、風力発電用マトリクスコンバータ装置20とを備え、電力系統30へ電力を供給する。なお、説明を分かり易くするために、図1では一部の構成を図示していない。かかる不図示の構成については、図3等を参照して説明する。
風力発電部10は、塔体11、ナセル12およびロータ13を有する風車14を備える。ナセル12は、塔体11に回転自在に支持される。また、ロータ13は、ロータハブ13aと、ロータハブ13aの異なる位置に取り付けられる複数のブレード13bとを備える。
かかる風車14のナセル12内には、シャフト17を介してロータ13に接続された発電機15が収納されている。発電機15は、電動機としても用いることができる回転電機であり、例えば、永久磁石タイプの回転電機である。
また、ナセル12内には、風力によって回転する風車14の回転位置を検出する位置検出器16が収納されている。この位置検出器16は、例えば、シャフト17の回転位置を検出することによって風車14の回転位置を検出する。
一方、風力発電用マトリクスコンバータ装置20は、風力発電用の電力変換装置であり、マトリクスコンバータ21と、制御部22と、無停電電源(以下、UPSと記載する)23と、操作部24とを備える。かかる風力発電用マトリクスコンバータ装置20は、塔体11内に配置される。電力系統30の電圧が発電機15の電圧よりも高い場合、発電機15とマトリクスコンバータ21との間の電力伝達用ケーブルに流れる電流よりも、マトリクスコンバータ21と電力系統30の間の電力伝達用ケーブルを流れる電流が小さい。そのため、風力発電装置1では、塔体11外へ引き出されるケーブルの径を小さくすることができる。
マトリクスコンバータ21は、風力発電部10の発電機15と電力系統30との間で電力を双方向にフルコンバートする電力変換部である。かかるマトリクスコンバータ21は、DFIG(二重給電誘導発電機)タイプのように、電力系統に直接接続された発電機の出力の周波数のみを調整するものではない。すなわち、マトリクスコンバータ21は、発電機15と電力系統30との間に介在して、発電機15と電力系統30との間で双方向に電力変換を行うものである。
制御部22は、マトリクスコンバータ21へ制御信号を出力して、発電機15と電力系統30との間で双方向の電力変換を行わせる。かかる制御部22は、例えば、操作部24への操作に基づいてマトリクスコンバータ21へ制御信号を出力し、発電制御処理や風車位置制御処理をマトリクスコンバータ21に実行させる。
操作部24への操作によって発電制御処理が選択された場合、制御部22は発電制御処理を実行し、操作部24への操作によって風車位置制御処理が選択された場合、制御部22は風車位置制御処理を実行する。発電制御処理は、発電機15から出力された電力を電力系統30に応じた電力へ変換して電力系統30へ出力する処理である。また、風車位置制御処理は、電力系統30から出力される電力を変換して発電機15へ供給して発電機15を電動機として動作させる処理である。
風車位置制御処理は、ロータハブ13aにブレード13bを取り付ける場合、ロータハブ13aからブレード13bを取り外す場合、およびブレード13bの点検やメンテナンスを行う場合などに実行される処理である。制御部22は、風車位置制御処理を実行することで、例えば、操作部24への操作によって指定された目標位置に風車の回転位置を一致させる。
目標位置の情報は、ブレード13bの取り付けや取り外しが容易な位置としてブレード13b毎に、予め制御部22内に設定されており、操作部24への操作によって選択される。なお、操作部24への操作によって入力される位置情報を目標位置とすることで、任意の目標位置を設定することもできる。
制御部22は、位置検出器16によって検出された風車14の回転位置の情報(以下、「位置検出値」と記載する)と操作部24への操作によって指定された目標位置とに基づき、風車14の回転位置を目標位置に一致させるように制御信号を生成する。制御部22は、生成した制御信号をマトリクスコンバータ21へ出力する。
ここで、風力発電部10におけるブレード13bの取り付け方法について説明する。図2は、風力発電部10におけるブレード13bの取り付け手順を示す図である。なお、図2は、一つのブレード13b1を取り付けたロータハブ13aに次のブレード13b2を取り付ける場合の手順を示しているが、いずれのブレード13bの取り付けも同様に行うことができる。
図2Aに示す状態において、作業者が操作部24を操作して、風車位置制御処理を指定し、ロータハブ13aへ取り付けるブレードとしてブレード13b2(図2C参照)を選択する。これによって、制御部22においてブレード13b2の取り付けを行うための目標位置が指定される。位置検出器16は、風車14の回転位置を検出しており、かかる検出結果が位置検出器16から制御部22へ入力される。
制御部22は、位置検出器16によって検出された風車14の回転位置と操作部24によって指定された目標位置との差を検出する。そして、風車14の回転位置と目標位置との差に基づき、風車14の回転位置を目標位置と一致させる制御信号を生成してマトリクスコンバータ21へ入力する。これによって、図2Bに示すように、風車14の回転位置が目標位置へと変化してゆき、最後に風車14は目標位置に停止する。
さらに目標位置を変更しなければ、マトリクスコンバータ21は風車14の回転位置を目標位置と一致させる制御信号の出力を継続し、結果として風車14は、回転位置での停止を継続する。その後、図2Cに示すように、停止させた風車14にブレード13b2を取り付ける。風車14が目標位置での停止を継続することにより静止することで、ロータハブ13aへのブレード13b2の取り付けを容易にしている。
なお、上述においては、ブレード13bの風車14への取り付け手順について説明したが、制御部22は、ブレード13bの風車14からの取り外しについても、風車14の回転位置を目標位置に一致させることができる。これにより、風車14を目標位置に静止させることができ、ブレード13bの取り外しを取り付けと同様に容易に行うことができる。
このように、第1の実施形態に係る風力発電用マトリクスコンバータ装置20では、風力発電部10の発電機15と電力系統30との間で電力を双方向にフルコンバートすることができる。さらに、風力発電用マトリクスコンバータ装置20は、発電機15を電動機として使用して風車14の回転位置を制御するようにマトリクスコンバータ21を制御する風車位置制御処理によって、風車14の回転位置を目標位置に一致させることができる。これにより、風車14の組立作業や保守作業などを容易に行うことができる。
なお、上述においては、位置検出器16によって風車14の回転位置を検出することとしているが、風車14の回転位置の検出は、位置検出器16に限定されるものではない。例えば、発電機15の回転速度を検出するロータリエンコーダなどの速度検出器から出力される速度検出値を積分した回転検出値を風車14の回転位置として検出するようにしてもよい。
[風力発電装置1の構成]
以下、第1の実施形態に係る風力発電装置1の構成について、図面を用いてさらに具体的に説明する。図3は第1の実施形態に係る風力発電装置1のブロック図である。
図3に示すように、風力発電装置1は、風力発電部10と、風力発電用マトリクスコンバータ装置20とを備える。風力発電部10は、上述した発電機15および位置検出器16に加え、速度検出器18を備える。速度検出器18は、発電機15の回転速度を検出し、検出した回転速度の値を速度検出値として風力発電用マトリクスコンバータ装置20へ出力する。
風力発電用マトリクスコンバータ装置20は、発電機電流検出器19、上述したマトリクスコンバータ21、制御部22、UPS23および操作部24を備える。制御部22は、風力発電部10の発電機15によって発電される電力によって動作するが、発電機15によって電力を得ることができないような場合には、後述するように、UPS23から電力の供給を受けて動作する。
発電機電流検出器19は、マトリクスコンバータ21と発電機15の間に流れる電流を検出し、検出した電流の瞬時値を発電機電流検出値として風力発電用マトリクスコンバータ装置20へ出力する。なお、発電機電流検出器19として、例えば、磁電変換素子であるホール素子を利用して電流を検出する電流センサを用いることができる。
マトリクスコンバータ21は、発電機15と電力系統30との間で電力を双方向にフルコンバートすることができるように構成される。図4はマトリクスコンバータ21の構成を示すブロック図である。
図4に示すように、マトリクスコンバータ21は、R相ユニット41aと、S相ユニット41bと、T相ユニット41cと、三相変圧器42とを備える直列多重マトリクスコンバータである。R相ユニット41aは、発電機15のR相と中性点Nとの間に接続され、S相ユニット41bは、発電機15のS相と中性点Nとの間に接続され、T相ユニット41cは、発電機15のT相と中性点Nとの間に接続される。
各ユニット41a〜41cは、それぞれ複数の単相マトリクスコンバータ43a〜43cを直列に接続した接続体である。具体的には、単相マトリクスコンバータ43aの端子aは発電機15に接続され、単相マトリクスコンバータ43aの端子bは単相マトリクスコンバータ43bの端子aに接続される。また、単相マトリクスコンバータ43bの端子bは、単相マトリクスコンバータ43cの端子aに接続され、単相マトリクスコンバータ43cの端子bは中性点Nに接続される。
一方、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cの3つの端子u,v,wは、それぞれ独立した三相変圧器42の二次巻線44に接続される。一方、三相変圧器42の一次巻線45は、電力系統30に接続される。かかる三相変圧器42は、結合部として、単相マトリクスコンバータ43a〜43cから出力される電力を、各々絶縁しつつ結合させ、この結合させた電力の電圧を、電力系統30側に有する一次巻線45により電力系統30の電圧へと昇圧させる。
このように、風力発電用マトリクスコンバータ装置20では、マトリクスコンバータ21は直列多重マトリクスコンバータを構成している。そのため、発電機15側と電力系統30側の双方に流す電流の高調波を低減することができる。
また、各ユニット41a〜41cにおいて、3つの単相マトリクスコンバータ43a〜43cが直列接続され、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cは、発電機15の発電電圧を略3で割った電圧を出力する。また、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cから発電機15へ出力されるサージ電圧は各単相マトリクスコンバータ43a〜43cの出力電圧に比例する。よって、風力発電用マトリクスコンバータ装置20では、単相マトリクスコンバータを直列接続しない場合に比べ、発電機15の発電電圧に対するサージ電圧の割合が小さい。その結果、サージ電圧による発電機15への影響を低減することができる。なお、サージ電圧による発電機15への影響は、単相マトリクスコンバータの直列接続数を大きくするほど低減することができる。
また、三相変圧器42の一次側電圧を高くすることで、三相変圧器42における一次巻線45の線径を小さくすることができ、これにより、メンテナンス性を高めることができる。さらに、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cの端子u,v,wをそれぞれ独立した二次巻線44に接続し、各二次巻線44が出力する電圧の間に一定の位相差が発生するように三相変圧器42を構成することもできる。これにより、例えば、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cで発生するノイズなどをキャンセルすることができる。
また、マトリクスコンバータ21は、発電機15の回転速度が遅く、例えば、発電機15から出力される発電電圧の周波数がゼロであっても、電力系統30への運転を行うことができる。発電機15の周波数がゼロであっても、風力発電用マトリクスコンバータ装置20は、電力系統30の電圧の位相に応じてオンオフするスイッチング素子を切り替えるので、特定のスイッチング素子に電流が連続して流れる電流集中が防止されるからである。したがって、スイッチング素子(後述の双方向スイッチ53a〜53f)の容量を抑えながら、風車14の回転位置を静止させることもできる。
また、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cにそれぞれ単相マトリクスコンバータを並列に接続することで、各ユニット41a〜41cの電流定格値を倍増させることができる。マトリクスコンバータを並列に接続した場合は、インバータを並列に接続した場合と異なり、容量の大きなコンデンサが存在しない。そのため、電力系統30側に接続された三相変圧器42の二次巻線44のインダクタンスや電力系統30側のフィルタリアクトルが、発電機15側の電流をバランスさせる効果をもち、電流バランス用のリアクトルも省くことができる。
例えば、図5に示すように、各ユニット41a〜41cにおいて、各単相マトリクスコンバータ43a〜43cにそれぞれ単相マトリクスコンバータ46a〜46cを並列に接続することができる。図5は、並列接続により電流定格を増加させた直列多重マトリクスコンバータの構成を示す図である。図5においては、S相ユニット41bとT相ユニット41cの構成は図示していないが、R相ユニット41aと同様の構成である。なお、並列接続する単相マトリクスコンバータを増加させるほど、各ユニット41a〜41cの電流定格値を増加させることができる。
また、マトリクスコンバータ21を直列多重マトリクスコンバータとするのではなく、例えば、マトリクスコンバータを複数並列に接続した並列多重マトリクスコンバータとし、電流バランス用のリアクトルも省いた構成としてもよい。
ここで、単相マトリクスコンバータ43a〜43cの構成を説明する。各単相マトリクスコンバータ43a〜43cは、同一構成であるため、ここでは単相マトリクスコンバータ43aの構成を説明する。図6は図4に示す単相マトリクスコンバータ43aの構成の一例を示す図である。
図6に示すように、単相マトリクスコンバータ43aは、単相マトリクスコンバータ本体50と、フィルタ51と、スナバ回路52とを備える。
単相マトリクスコンバータ本体50は、双方向スイッチ53a〜53fを備える。双方向スイッチ53a〜53cの一端には単相マトリクスコンバータ43aの端子aが接続され、双方向スイッチ53d〜53fの一端には単相マトリクスコンバータ43aの端子bが接続される。
そして、双方向スイッチ53aの他端は双方向スイッチ53dの他端に接続され、さらにフィルタ51を介して端子wに接続される。同様に、双方向スイッチ53bの他端は双方向スイッチ53eの他端に接続され、さらにフィルタ51を介して端子vに接続される。また、双方向スイッチ53cの他端は双方向スイッチ53fの他端に接続され、さらにフィルタ51を介して端子uに接続される。
双方向スイッチ53a〜53fは、例えば、単一方向のスイッチング素子を逆方向に並列接続した2素子から構成することができる。スイッチング素子としては、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの半導体スイッチがあり、特に逆阻止能力をもった半導体スイッチがスイッチング素子として用いられる。そして、かかる半導体スイッチのゲートに信号を入力して各半導体スイッチをON/OFFすることで、通電方向が制御される。
フィルタ51は、単相マトリクスコンバータ本体50のスイッチングによって発生する高調波電流を低減するためのフィルタであり、コンデンサC1a〜C1cと、インダクタンス(リアクタンス)L1a〜L1cを備える。インダクタンスL1a〜L1cは、単相マトリクスコンバータ本体50と端子u,v,wとの間に接続され、コンデンサC1a〜C1cは、それぞれの一端が端子u,v,wに接続され、他端が共通に接続される。
ここで、単相マトリクスコンバータ43aの端子u,v,wには、図4に示すように、三相変圧器42に接続されている。すなわち、端子u,v,wには、インダクタンス成分が接続されていることになる。したがって、三相変圧器42によってインダクタンスL1a〜L1cの一部または全部の機能を担うことができ、フィルタ51の小型化やコスト低減を図ることができる。このように、直列多重マトリクスコンバータでは、単相マトリクスコンバータ43aの小型化やコスト低減を図ることができるという利点がある。
次に、図6に示すスナバ回路52について説明する。図6に示すように、スナバ回路52は、発電機側全波整流回路54と、電力系統側全波整流回路55と、コンデンサC2と、放電回路56とを備える。スナバ回路52は、単相マトリクスコンバータ本体50の端子間に発生するサージ電圧を発電機側全波整流回路54および電力系統側全波整流回路55によって直流電圧へ変換してコンデンサC2に蓄積し、当該蓄積した直流電圧を放電回路56によって放電する。
なお、放電回路56による放電は、コンデンサC2の電圧が所定値以上の電圧となった場合に行われる。また、放電回路56は、発電機15の発電電圧の変化率が所定値以上となった場合、あるいは発電機15の回転速度の変化率が所定値以上となった場合に制御部22から出力される放電指令によって動作する回路である。放電回路56は、IGBTなどのスイッチング素子と抵抗とが直列に接続されて構成され、コンデンサC2と並列に接続される。
図3に戻って、制御部22の構成を説明する。制御部22は、トルク指令生成部61と、電圧指令生成部62と、系統電圧検出部63と、参照電圧出力部64と、PLL(Phase Locked Loop)65と、力率制御部66と、制御信号発生部67と、力率設定部77とを備える。
トルク指令生成部61は、発電機15の回転トルクを決定するトルク指令を生成して出力する。具体的には、トルク指令生成部61は、発電機15の回転速度の情報である速度検出値を速度検出器18から取得し、発電機15の回転速度に応じたトルク指令を出力する。これにより、風車14の回転速度に応じて効率的に発電を行うことができるようにしている。
電圧指令生成部62は、入力されるトルク指令に応じた発電機15に対する電圧指令を生成して制御信号発生部67へ出力する。例えば、電圧指令生成部62は、トルク指令生成部61からトルク指令を取得した場合、このトルク指令に基づいて電圧指令を生成して、制御信号発生部67へ出力する。この場合、電圧指令生成部62は、例えば一つの方法として、電圧指令を生成するために発電機電流検出器19が検出した発電機電流検出値を取得し、発電機電流検出値からトルク発生に寄与するトルク電流成分を抽出する。電圧指令生成部62は、このように抽出したトルク電流成分とトルク指令生成部61から取得したトルク指令との偏差に基づき電圧指令を生成する。
系統電圧検出部63は、マトリクスコンバータ21と電力系統30との間の接続点を監視して電力系統30の電圧を検出し、検出した電圧の瞬時値を系統電圧検出値として参照電圧出力部64へ出力する。これにより、系統電圧検出値が系統電圧検出部63から参照電圧出力部64へ出力される。参照電圧出力部64は、系統電圧検出部63から取得した系統電圧検出値をPLL65へ出力する。
PLL65は電力系統30の三相の電圧値から、電力系統30の電圧位相の情報を生成し、力率制御部66へ出力する。力率制御部66は、入力される電力系統30の電圧位相の情報に基づき、電流位相の情報を生成する。なお、PLL65は電圧位相生成部の一例である。図7は、力率制御部66の構成の一例を示す図である。
図7に示すように、力率制御部66は、PLL65から入力される電圧位相の情報に力率角指令βを加算して電力系統30の電流位相を生成する加算器80を備える。力率制御部66は、入力される電力系統30の電圧位相の情報と、生成した電流位相の情報とを制御信号発生部67(図3参照)へ出力する。これにより、電力系統30側の力率が設定される。
力率角指令βは、力率設定部77(図3参照)によって設定される指令である。力率設定部77は、例えば、電力系統30側のシステムから設定される情報に基づいて、力率角指令βを決定する。なお、電力系統30側の状態などに応じて力率設定部77が力率角指令βを決定するようにしてもよい。
図3に示す制御信号発生部67は、マトリクスコンバータ21に電力変換を行わせるPWMパルスパターンの制御信号を生成して、生成した制御信号をマトリクスコンバータ21へ出力する。制御信号発生部67は、制御信号の生成を、電圧指令生成部62から取得した電圧指令、力率制御部66から取得した電圧位相の情報および電流位相の情報などに基づいて行う。
マトリクスコンバータ21は、制御信号発生部67から出力されるPWMパルスパターンの制御信号に基づき、双方向スイッチ53a〜53fをON/OFFして、電力変換を行う。かかるマトリクスコンバータ21は、入力される電圧を双方向スイッチ53a〜53fによって直接スイッチングすることにより、発電機15側の制御と電力系統30側の制御とをそれぞれ行う。これにより、マトリクスコンバータ21は、発電機15の発電電力を電力系統30側の電圧値および周波数に合せて電力変換し、出力することができる。
図8は、制御信号発生部67によるマトリクスコンバータ21の制御例を説明する図である。図8に示すように、発電機15から出力される三相交流電圧(R相電圧ER、S相電圧ES、T相電圧ET)がPWMパルスパターンの制御信号によって選択されて、パルス形状の出力電圧が電力系統30側へ出力される。
ここでは、制御信号発生部67から出力される制御信号によって、基準となる最小電圧相と中間電圧相とが選択された後、最小電圧相と最大電圧相とが選択され、その後、再び最小電圧相と中間電圧相とが選択される。そのため、一般的なインバータと比較し1回の電圧変動が少なくなり、この結果、サージ電圧や漏れ電流を抑制することができる。
図8に示す例では、図中区間1において、基準となるT相電圧ETと中間電圧相であるS相電圧ESとが選択されて第1パルス95が電力系統30側へ出力電圧として出力される。その後、T相電圧ETと最大電圧相であるR相電圧ERとが選択されて第2パルス96が電力系統30側へ出力電圧として出力され、続いて、T相電圧ETとS相電圧ESとが再び選択されて第1パルス95が電力系統30側へ出力電圧として出力される。
このように、制御信号発生部67は、系統電圧検出部63から取得した電力系統30の電圧検出値を参照し、電圧指令生成部62から入力される電圧指令に応じたPWMパルスを生成する。そして、制御信号発生部67は、PWMパルスの面積で出力電圧間の電圧値を制御し、PWMパルスの比率で電力系統30側の電流である入力電流を正弦波に近づけている。ここで、PWMパルスの比率は、系統電圧値のうち最小電圧相と中間電圧相、または最大電圧相と中間電圧相によって形成される第1パルスの時間幅と、最小電圧相と最大電圧相によって形成される第2パルスの時間幅との比である。
例えば、図8に示すPWMパルス94は、第1パルス95と第2パルス96とによって形成されており、第1パルス95の期間T1と第2パルス96の期間T2の比αを変化させることで、入力電流の波形形状が変化する。例えば、期間T1と期間T2との比(PWMパルス幅の比)であるαを電力系統30の電圧である入力電圧の位相に応じて変化させ、かつ入力電圧の位相における最大電圧相または最小電圧相の電圧値と中間電圧相の電圧値との比とする。さらに、入力電圧の位相に応じて制御周期Tの間継続して電流を流し続けるのを最大電圧相とするか、最小電圧相とするかを決定することによって、入力電流の波形を、入力電圧と位相が等しい正弦波とし、力率を1とすることができる。
また、制御信号発生部67は、力率制御部66から出力される電流位相に従って、PWMパルスの比αを決定し、さらに制御周期Tの間継続して電流を流し続けるのを最大電圧相とするか、最小電圧相とするかを決定する。これにより、電力系統30側の力率を力率設定部77によって設定された力率とする制御信号がマトリクスコンバータ21へ出力される。
図3に戻り、引き続き制御部22の説明を行う。制御部22は、さらに、位置指令部68と、位置制御部69と、切替器70と、発電電圧検出部71と、放電指令部72と、電源切替部73と、停電検出部74と、状態量切替部75とを備える。そして、制御部22は、停電時制御、風車回転位置制御、余剰電力放電制御、電源切替制御などの各種の制御を行う。以下、これらの制御について具体的に説明する。
(停電時制御)
まず、制御部22が行う停電時制御について説明する。この停電時制御を行うために、制御部22は、図3に示すように、停電検出部74、状態量切替部75および参照電圧出力部64を備える。
停電検出部74は、系統電圧検出部63によって検出された系統電圧検出値から、電力系統30が停電したことを検出し、停電検出信号を生成する。そして、停電検出部74は、生成した停電検出信号を、電圧指令生成部62、力率制御部66、制御信号発生部67および状態量切替部75に出力する。ここでは、停電検出部74は、系統電圧検出値から電力系統30の停電を検出するが、停電検出方法はこれに限定されるものではない。例えば、停電検出部74において、マトリクスコンバータ21と電力系統30との間に流れる電流の値(以下、「系統電流値」とも記載する場合がある)に基づいて、電力系統30の停電を検出してもよい。
なお、系統電圧検出値や系統電流値に基づいて電力系統30の停電を検出する方法は、周知の方法を採用することができる。例えば、マトリクスコンバータ21において停電検出用信号発生部(図示せず)を設け、マトリクスコンバータ21から電力系統30へ出力される電圧に停電検出用信号を重畳させる。そして、系統電圧検出部63によって停電検出用信号が検出された場合に、停電検出部74は、電力系統30が停電したことを検出する。また、停電検出部74において、例えば、マトリクスコンバータ21が出力する電圧や電流の位相と、電力系統30における電圧や電流の位相とを比較することによって電力系統30が停電したことを検出することができるようにしてもよい。
また、停電検出部74は、電力系統30の電圧や電力系統30へ流れる電流を検出することで電力系統30の停電を検出することに代えて、電力系統30側から送出される停電情報(図示せず)を取得した場合に電力系統30の停電を検出するようにしてもよい。
発電電圧検出部71は、発電機15の出力電圧(発電電圧)の電圧を検出し、検出した電圧の瞬時値を発電電圧検出値として状態量切替部75へ出力する。
状態量切替部75は、停電検出部74から停電検出信号が出力された場合、内部に有する切替器を切り替え、参照電圧出力部64と制御信号発生部67に出力する信号を系統電圧検出値から発電電圧検出値に切り替える。これにより停電が発生すると、参照電圧出力部64および制御信号発生部67は、電力系統30の電圧ではなく、発電機15の電圧に基づき動作するようになる。
電圧指令生成部62は、停電検出部74から停電検出信号が出力された場合、生成する電圧指令を上述した発電機15に対する電圧指令から電力系統30に対する電圧指令に切り替える。この電力系統30に対する電圧指令は、例えば、ゼロ電圧を、トルク指令とトルク電流成分との偏差に基づき補正したものである。この場合、電圧指令生成部62は、発電機電流検出器19が検出した発電機電流検出値を取得し、この発電機電流検出値からトルク発生に寄与するトルク電流成分を抽出する。電圧指令生成部62は、このように抽出したトルク電流成分とトルク指令生成部61から取得したトルク指令との偏差を算出し、かかる偏差に基づき、ゼロ電圧を補正して、電力系統30に対する電圧指令を生成する。上記ゼロ電圧は、停電が発生した場合に、電力系統30の電圧がゼロとなることを前提としたものである。
また、電圧指令生成部62は、上述した電力系統30に対する電圧指令を、系統電圧検出値を使用して生成することもできる。例えば、電圧指令生成部62は、系統電圧検出部63によって検出された電圧を上述したトルク指令とトルク電流成分との偏差に基づき補正したものを電力系統30に対する電圧指令とすることができる。
力率制御部66は、停電検出部74から停電検出信号が入力された場合、制御信号発生部67へ出力する電流位相として発電機15を駆動するのに必要な電流位相を出力する。例えば発電機15が永久磁石タイプの回転電機であれば、制御信号発生部67へ出力する電流位相をPLL65から入力される発電機15の電圧位相と等しい値とする。また、発電機15が誘導型回転電機のように、電流中に励磁電流成分とトルク電流成分を含む場合は、トルク電流成分は発電機15の電圧と位相が等しく、トルク電流成分と90度位相差で励磁電流成分が流れるものとする。力率制御部66は、電圧指令生成部62からトルク電流成分の指令値Iqおよび励磁電流成分の指令値Iqを取得し(不図示)、tan―1(Id/Iq)で求まる角度を力率角指令βとする。そして、力率制御部66は、発電機15の電圧位相に力率角指令βを加算して制御信号発生部67へ出力する電流位相を生成する。力率制御部66は、停電検出信号が入力されている間、このようにして生成した電流位相を制御信号発生部67に出力する。
制御信号発生部67は、停電検出部74から停電検出信号が入力された場合、電圧指令生成部62からの電圧指令を電力系統30への電圧指令として扱い、系統電圧検出値に代えて発電電圧検出値を参照し、電圧指令生成部62から入力される電圧指令と、力率制御部66から入力される電圧位相、電流位相に応じたPWMパルスを生成する。さらに、発電電圧値に基づき電力系統30に電圧が出力されるように、マトリクスコンバータ21内の双方向スイッチ53a〜53fを選択し、選択した双方向スイッチにPWMパルス信号を分配する。これにより、マトリクスコンバータ21は、停電発生直後における電力系統30の電圧降下中、電力系統30の電圧がゼロとなる完全停電中、復電時における電力系統30の電圧上昇中を通して、発電機15に対してトルク指令と等しいトルクを発生する電流を流しながら、停電発生時においても運転を継続することができる。
風力発電用マトリクスコンバータ装置20の構成は、図3に示す例以外の構成でも、停電時制御を実行することが可能であり、例えば、図9に示す構成にしてもよい。図9は、第1の実施形態に係る風力発電装置の他のブロック図である。図9に示す風力発電用マトリクスコンバータ装置20は、発電機電流検出器19に加え、さらに、系統電流検出器25と、状態量切替部78とを備える。なお、図9に示す風力発電用マトリクスコンバータ装置20では、停電検出部74からの停電検出信号に関係なく、系統電圧検出部63により取得された電力系統30の電圧検出値が参照電圧出力部64、力率制御部66および制御信号発生部67へ出力される。
系統電流検出器25は、マトリクスコンバータ21と電力系統30の間に流れる電流を検出し、検出した電流の瞬時値を系統電流検出値として制御部22へ出力する。なお、系統電流検出器25として、例えば、磁電変換素子であるホール素子を利用して電流を検出する電流センサを用いることができる。
状態量切替部78は、発電機電流検出器19が検出した発電機電流検出値と系統電流検出器25が検出した系統電流検出値とを取得する。かかる状態量切替部78は、停電検出部74から停電検出信号が出力された場合、電圧指令生成部62に出力する信号を発電機電流検出値から系統電流検出値に切り替える。
電圧指令生成部62は、停電検出部74から停電検出信号が入力された場合、トルク指令生成部61からのトルク指令に代えて自身が保持する停電時系統電流指令を使用し、停電時系統電流指令と系統電流検出値に基づき発電機15に対する電圧指令を生成する。一方、停電検出部74から停電検出信号が入力されない場合、電圧指令生成部62は、上述のように、例えば、発電機電流検出値から抽出したトルク電流成分とトルク指令生成部61から取得したトルク指令との偏差に基づき電圧指令を生成する。
制御信号発生部67は、電圧指令生成部62から出力される発電機15に対する電圧指令に基づき、マトリクスコンバータ21に電力変換を行わせる制御信号を生成し、生成した制御信号をマトリクスコンバータ21へ出力する。これによりマトリクスコンバータ21は、電力系統30に停電時系統電流指令どおりの電流を流しながら、停電時においても運転を継続することができる。
この場合、停電により参照電圧出力部64から出力される系統電圧検出値が正常値でなくなる。このような場合においても、PLL65内部のゲイン設定等により、停電発生中でもPLL65が電力系統30の電圧位相の情報を出力し続けるように構成することが可能である。
さらにこの場合、図9に示すように、系統電圧検出部63によって検出された電力系統30の電圧波形を最新の所定周期分(例えば、5周期分)だけ記憶するリングバッファである系統電圧波形記憶部76を設けてもよい。かかる系統電圧波形記憶部76は、もっとも古く記憶した系統電圧検出値を消去しながら系統電圧検出部63によって検出された系統電圧検出値を順次記憶する記憶処理を実行する。なお、系統電圧波形記憶部76において、最新の所定周期分の電圧波形ではなく、最新の指定時間分の電圧波形を記憶するようにしてもよい。
また、系統電圧波形記憶部76は、電力系統30の電圧波形を記憶している状態において、停電検出部74から停電検出信号が入力された場合、記憶処理を停止し、記憶状態を保持する。参照電圧出力部64は、系統電圧検出部63から取得した系統電圧検出値をPLL65へ出力している状態で停電検出部74から停電検出信号が入力された場合、系統電圧波形記憶部76から電圧値の情報を読み出してPLL65へ出力する。
図10は、停電時制御の手順を示す図である。発電機15から電力系統30への電力変換がマトリクスコンバータ21によって行われている途中で、図10に示すように、電力系統30に停電が発生した場合、停電検出部74から停電検出信号(Hレベルの信号)が出力される。これにより、系統電圧波形記憶部76の記憶処理が停止され、系統電圧波形記憶部76に記憶された電圧値が参照電圧出力部64によって指定周期分前のものから順次読み出され、PLL65へ出力される。これにより、停電発生後もPLL65は電圧値の情報を取得でき、電力系統30の電圧位相の情報を出力し続けることができる。
またこの場合、停電検出部74は、上述のとおり停電検出信号を力率制御部66や制御信号発生部67へ出力しており、これにより、電力系統30側の力率が変更される。例えば、力率制御部66は、電力系統30が停電になった場合に、力率角指令βの値を変更し、PLL65から入力される電圧位相に力率角指令βを加算して電流位相の情報を生成する。制御信号発生部67は、力率制御部66から出力される情報に基づいて、電力系統30側の力率を変更する。これにより、瞬時停電が発生した場合でも風力発電部10を停止させずに系統連系を維持させながら、上述の停電時系統電流指令および変更した力率角指令βで定まる電流を系統側に出力することで、電力系統30が要求する無効電力を供給することが可能となる。
以上のように、制御部22は、電力系統30側の電流値と電圧値、および、発電機15側の電流値と電圧値のうちの三つ以上の状態量を取得する。そして、制御部22は、これら三つ以上の状態量のうち電力系統30側の状態量と発電機15側の状態量との組み合わせを、停電検出部74による検出結果に基づいて、状態量切替部75や状態量切替部78によって切り替える。これにより、停電時も運転を継続する停電時制御を行うことができる。
なお、図3および図9を参照して説明した状態量の組み合わせの切り替えパターンは、一例に過ぎず、その他の切り替えパターンで停電検出部74による検出結果に基づく状態量の切り替え制御を行って停電時も運転を継続する停電時制御を行ってもよい。
また、制御部22は、電力系統30側の電流値と電圧値、および、発電機15側の電流値と電圧値のうちの三つ以上の状態量を取得する状態量取得部として機能する。例えば、制御部22は、電力系統30側の電流値を、系統電流検出器25(図9参照)から系統電流検出値として取得し、電力系統30側の電圧値を、系統電圧検出部63(図3および図9参照)によって電力系統30の電圧値として検出する。また、制御部22は、発電機15側の電流値を、発電機電流検出器19(図3および図9参照)から発電機電流検出値として取得し、発電機15側の電圧値を、発電電圧検出部71(図3および図9参照)によって発電電圧検出値として取得する。
(風車回転位置制御)
次に、制御部22が行う風車回転位置制御について説明する。この風車回転位置制御を行うために、制御部22は、図3および図9に示すように、位置指令部68および位置制御部69を備える。
位置指令部68は、目標位置を規定する位置指令の情報を内部の記憶部に複数記憶しており、操作部24によって指定された風車14の回転位置に応じた位置指令を内部の記憶部から読み出して位置制御部69へ出力する。位置指令部68に記憶される位置指令は、各ブレード13b(図1参照)を取り付けまたは取り外しする際に最適なロータハブ13aの位置を目標位置とする情報である。あるいは操作部24にて目標位置を直接指令して、ブレード13bの取り付けまたは取り外しに最適な回転位置のみならず、任意の回転位置に風車14を停止させる構成とすることも可能である。
例えば、ロータハブ13aの0度の回転位置がブレード13b1(図2A参照)の取り付け等に最適な位置であり、ロータハブ13aの120度の回転位置がブレード13b2(図2C参照)の取り付け等に最適な位置であるとする。また、ロータハブ13aの240度の回転位置が残りのブレード13bの取り付け等に最適な位置であるとする。
この場合、位置指令部68は、ロータハブ13aの0度の回転位置、120度の回転位置、240度の回転位置をそれぞれ目標位置とする位置指令を内部の記憶部に記憶する。そして、例えば、操作部24によってブレード13b2(図2参照)が指定された場合、位置指令部68は、ロータハブ13aの240度の回転位置を目標位置とする位置指令を内部の記憶部から読み出して位置制御部69へ出力する。
なお、位置指令部68は、操作部24から指定されたロータハブ13aの回転位置に対応する位置指令を生成して位置制御部69へ出力することもできる。また、位置指令部68において、例えば、ロータハブ13aの0度以上360度未満のそれぞれの回転位置(例えば、1度毎の回転位置)を目標位置とする位置指令を内部の記憶部に記憶してもよい。この場合、操作部24からロータハブ13aの回転位置が指定されると、指定された回転位置を目標位置とする位置指令を内部の記憶部から読み出して位置制御部69へ出力する。
また、位置指令部68は、操作部24によってロータハブ13aの回転位置が指定された場合、切替器70へ切替信号を出力する。この切替信号によって、切替器70は、電圧指令生成部62へ入力されるトルク指令をトルク指令生成部61のトルク指令から位置制御部69のトルク指令へ切り替える。
位置制御部69は、位置指令部68から出力される位置指令を取得し、位置検出器16から出力される位置検出値を取得し、さらに、速度検出器18から出力される速度検出値を取得する。そして、位置制御部69は、位置指令、位置検出値および速度検出値に基づいて、風車14の回転位置を位置指令で規定される目標位置に一致させるトルク指令を出力する。図11は、位置制御部69の構成の一例を示す図である。
図11に示すように、位置制御部69は、減算器81、83と、PI増幅器82、84とを備える。減算器81は、位置指令から位置検出値を減算して生成した位置差分信号をPI増幅器82へ入力する。すなわち、減算器81は、位置指令で規定される目標値と風車14の現在の回転位置とを比較して、目標値と風車14の回転位置との差分を位置差分信号として出力する。
PI増幅器82は、減算器81から出力された位置差分信号をPI(比例積分)増幅して速度信号へ変換し、減算器83へ出力する。減算器83は、PI増幅器82から出力された速度信号を取得し、また、速度検出器18から出力される速度検出値を取得する。そして、減算器83は、速度信号から速度検出値を減算して生成した速度差分信号をPI増幅器84へ入力する。
PI増幅器84は、減算器83から出力された速度差分信号を取得し、速度差分信号をPI(比例積分)増幅してトルク指令へ変換して切替器70(図3および図9参照)へ出力する。
図3および図9に示すように、位置制御部69から出力されるトルク指令は、切替器70へ入力され、切替器70を介して電圧指令生成部62へ出力される。電圧指令生成部62は、位置制御部69から入力されるトルク指令に応じた電圧指令を制御信号発生部67へ出力する。これにより、電力系統30から発電機15への電力変換が行われ、風車14が操作部24によって指定された目標位置に移動して停止する。
このように、風力発電用マトリクスコンバータ装置20では、位置指令部68と位置制御部69とを設けることによって、クレーンや油圧装置などを用いずに、操作部24からの操作によって指定された目標位置に風車14の回転位置を一致させることができる。そのため、風車14を停止させてブレード13bの取り付けや取り外しを容易に行うことができ、風力発電部10の設置作業や保守作業の作業性を向上させることができる。
また、位置制御部69は、風車14の回転位置が目標位置に達した後、風車14の回転位置と目標位置とに基づいた制御信号を制御信号発生部67から引き続きマトリクスコンバータ21へ出力させる。これにより、風車14の回転位置が目標位置に達した後に風車14の回転位置を目標位置に静止させることができる。
風力発電部10には、強風などの場合において、風車14をより安定して静止させるために、ブレード13bの位置を固定させるための固定機構が設けられている。ここでは、固定機構として、ロータハブ13aを固定するためのロックピン(図示せず)が設けられる。そのため、ブレード13bの取り付けや取り外しをさらに容易に行うことができ、風力発電部10の設置作業や保守作業の作業性をさらに向上させることができる。なお、マトリクスコンバータ21は、風車14の回転位置を保持する静止状態でも、内部の特定の双方向スイッチ53a〜53fに電流が集中するということが起こらないため、双方向スイッチ53a〜53fの熱定格を超えることのない安定した静止動作が実現できる。
なお、操作部24への所定操作があった場合に、風車位置制御が終了するが、風車位置制御はこれに限定されるものではない。例えば、ブレード13bの取り付けや取り外しを検出する検出器を設け、この検出器によってブレード13bの取り付けや取り外しが検出された場合に、風車回転位置制御を終了するようにしてもよい。
また、位置制御部69において、ロータハブ13aへのブレード13bの取り付け枚数やブレード13bのピッチ(角度)に応じてトルク指令を調整するようにしてもよい。この場合、ブレード13bの取り付け枚数を検出するブレード枚数検出器やブレード13bのピッチを変更するピッチ変更機構を設ける。そして、ブレード枚数検出器やピッチ変更機構から出力されるブレード枚数の情報やピッチの情報に応じて位置制御部69がトルク指令を調整する。
このように、位置検出値や速度検出値だけでなく、風量、風向、ブレード13bの取り付け枚数、ブレード13bのピッチなども考慮してトルク指令を生成することができる。これにより、風車14の回転位置を目標位置へより迅速に変化させることができ、また、風車14の回転位置での静止をより安定して行うことができる。
また、風車14を目標位置へ移動させる際に、急激に風車14のロータ13を回転させると、発電機15にストレスがかかる。かかるストレスは、風車14の回転速度を制限することによって抑制することができる。風車14の回転速度は、例えば、位置制御部69から出力されるトルク指令が所定値以上にならないように制限するリミッタ回路を設けることで、抑制することができる。なお、操作部24への操作によって、PI増幅器82またはPI増幅器84のゲインを調整することができるようにしてもよい。
また、風車14を組み立てる場合、制御部22は、ブレード13bを取り付けるための目標位置に風車14の回転位置を変更する制御を行うこともできる。例えば、制御部22は、操作部24によって指定された目標位置に風車14の回転位置を一致させた後、ブレード13bが取り付けられたと判定すると、残りのブレード13bを取り付けるための目標位置に風車14の回転位置を変更する制御を行うこともできる。これにより、風車14の組立作業をより迅速に行うことができる。なお、この場合、例えば、ブレード13bの取り付けを検知する検知部などを風車14に設け、かかる検知部による検知結果に応じてブレード13bが取り付けられたと判定する。
(余剰電力放電制御)
次に、制御部22が行う余剰電力放電制御について説明する。余剰電力放電制御は、余剰電力が発生した場合に、この余剰電力を放電する制御である。余剰発電電力は、突風が吹いて風車14の回転が増加した場合や電力系統30が停電した場合などに発生する。かかる余剰電力放電制御を行うために、制御部22は、図3および図9に示すように、発電電圧検出部71および放電指令部72を備える。
放電指令部72は、速度検出器18から出力される速度検出値や発電電圧検出部71から出力される発電電圧検出値に基づいて、余剰発電電力が発生したか否かを判定する。放電指令部72は、余剰発電電力が発生したと判定すると、マトリクスコンバータ21へ放電指令を出力する。図12は、放電指令部72の構成の一例を示す図である。
図12に示すように、放電指令部72は、微分回路85、86と、比較器87、88と、論理和回路(OR回路)89とを備える。速度検出器18から出力される速度検出値は、微分回路85によって微分されて速度変化率値として出力される。微分回路85から出力される速度変化率値は比較器87に入力され、比較器87によって予め設定された速度変化率異常検出レベルと比較される。微分回路85から出力される速度変化率値が速度変化率異常検出レベルより高い場合、比較器87は、Hレベルの信号を出力する。
また、発電電圧検出部71から出力される発電電圧検出値は、微分回路86によって微分されて発電電圧変化率値として出力される。微分回路86から出力される発電電圧変化率値は比較器88に入力され、比較器88によって予め設定された発電電圧変化率異常検出レベルと比較される。微分回路86から出力される発電電圧変化率値が発電電圧変化率異常検出レベルより高い場合、比較器88は、Hレベルの信号を出力する。
そして、論理和回路89は、比較器87と比較器88のいずれかからHレベルの信号が出力された場合、Hレベルの信号である放電指令を出力する。例えば、突風が吹いて風車14の回転が増加し、また、マトリクスコンバータ21と電力系統30が図示しない開閉器等で切り離されることによって余剰発電電力が発生した場合、放電指令部72は、マトリクスコンバータ21へ放電指令を出力する。
放電指令は、単相マトリクスコンバータ43a〜43c(図4参照)へ入力される。具体的には、単相マトリクスコンバータ43a〜43cに含まれるスナバ回路52の放電回路56へ入力される。これにより各放電回路56がON状態となって、各放電回路56によって余剰発電電力が消費される。特に、直流多重マトリクスコンバータは、単相マトリクスコンバータを複数備えるため、単相マトリクスコンバータ43a〜43cのそれぞれのスナバ回路52で分散して余剰発電電力を消費することができる。
このように、風力発電用マトリクスコンバータ装置20では、突風や電力系統30からの切り離しによって余剰発電電力が発生した場合であっても、スナバ回路52に対して直流電圧の放電を指令する放電指令を出力する。そのため、余剰発電電力をスナバ回路52で消費することができる。これにより、風力発電用マトリクスコンバータ装置20の運転を継続したり、保護を図ったりすることができる。
なお、上述においては、余剰発電電力をスナバ回路52で消費させるようにしたが、余剰発電電力をUPS23の蓄電池に充電させるようにしてもよい。この場合、放電指令が入力された場合に、発電機15の出力交流電圧を直流電圧へ変換してUPS23の蓄電池へ入力する充電部を設けるようにする。なお、充電部は設けず、スナバ回路52のコンデンサC2(図6参照)の直流電圧をUPS23の蓄電池へ絶縁部材を介して供給するようにしてもよい。
また、放電指令部72は、余剰発電電力をスナバ回路52で消費させ、さらに、UPS23の蓄電池へ充電させるようにしてもよい。例えば、放電指令部72は、余剰発電電力が閾値未満である場合には、スナバ回路52および上述した充電部のうち一方へ放電指令を出力してスナバ回路52またはUPS23で余剰発電電力を消費させる。また、放電指令部72は、余剰発電電力が所定値以上である場合には、スナバ回路52および充電部の両方へ放電指令を出力してスナバ回路52およびUPS23で余剰発電電力を消費させる。
また、余剰発電電力の大きさに応じて、スナバ回路52で消費させる電力量とUSP23で消費させる電力量との比を変更するようにしてもよい。なお、USP23の蓄電池が満充電状態にある場合には、UPS23での電力消費を実行しないようにすることもできる。
また、上述においては、放電回路56によって余剰発電電力を消費する例を示したが、余剰発電電力を消費するための放電回路を放電回路56とは別に設けてもよい。また、余剰発電電力を消費するために2つ以上の放電回路を用意しておき、余剰発電電力の大きさに応じて放電指令を入力する放電回路を選択するようにしてもよい。また、放電指令部72は、速度変化率や発電電圧変化率が閾値以上になった場合に余剰電力を検出するようにしたが、風車14の回転速度や発電機15の発電電圧が閾値以上になった場合に余剰電力を検出するようにしてもよい。
(電源切替制御)
次に、制御部22が行う電源切替制御について説明する。この電源切替制御を行うために、制御部22は、図3および図9に示すように、発電電圧検出部71および電源切替部73を備える。
発電電圧検出部71は、上述したように、発電機15の発電電圧の電圧値を検出し、検出した電圧値を発電電圧検出値として電源切替部73へ出力する。電源切替部73は、発電電圧検出部71から出力される発電電圧検出値を取得し、かかる発電電圧検出値に基づいて、電源切替が必要か否かを判定する。図13は、電源切替部73の構成の一例を示す図である。
図13に示すように、電源切替部73は、電圧切替指令部90と切替器91とを備える。電圧切替指令部90は、発電電圧検出部71から出力される発電電圧検出値に基づいて、切替器91を制御する。図14は、図13に示す電圧切替指令部90の構成の一例を示す図である。
図14に示すように、電圧切替指令部90は、比較器92を備えており、この比較器92によって発電電圧検出値と発電低電圧検出レベルを比較する。そして、発電電圧検出値が発電低電圧検出レベルよりも低い場合には、比較器92から切替指令信号(Hレベルの信号)が切替器91へ出力される。一方、発電電圧検出値が発電低電圧検出レベル以上である場合には、比較器92からLレベルの信号が切替器91へ出力され、切替指令信号は出力されない。
図13に示す切替器91は、電源切替部73から切替指令信号が出力されない場合、発電機15の発電電圧を、制御部22を動作させるための制御電圧として出力する。一方、電源切替部73から切替指令信号が出力された場合、切替器91は、UPS23の出力電圧を、制御部22を動作させるための制御電圧として出力する。
ここで、発電低電圧検出レベルは、制御部22を動作させる制御電圧を確保できない場合に、UPS23の出力電圧が制御電圧として選択される値に設定される。そのため、風が強く発電機15の発電電圧が制御電圧を確保できる場合には、発電機15の発電電圧が制御電圧として供給され、風が弱く発電機15の発電電圧が制御電圧を確保できない場合には、UPS23の電圧が制御電圧として供給される。
制御部22は、このように発電機15の発電電圧に応じて電源切替制御を行うため、発電機15の発電状態に関わらず制御部22に制御電圧が供給されることになり、風力発電用マトリクスコンバータ装置20を安定して動作させることができる。
なお、風が強く発電機15の発電電圧が制御電圧を十分に確保できる電圧である場合、発電機15の発電電圧をUPS23へ出力するようにしてもよい。これにより、発電機15の発電電圧によってUPS23の蓄電池を充電することができ、風力発電用マトリクスコンバータ装置20をより安定して動作させることができる。
また、上述では、電源切替部73は、発電機15の発電電圧に基づいて切替器91へ切替信号を出力するようにしたが、発電機15の回転速度に基づいて切替器91へ切替信号を出力するようにしてもよい。この場合、電源切替部73は、例えば、速度検出器18から出力される回転速度値と低回転速度検出レベルとを比較して、切替信号を出力する。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、風力発電部10と風力発電用マトリクスコンバータ装置20とを有する風力発電装置1について説明したが、第2の実施形態では、複数の風力発電装置が設置されるウィンドファームについて説明する。図15は、第2の実施形態に係るウィンドファームの構成を示す図である。
図15に示すように、第2の実施形態に係るウィンドファーム100には、複数の風力発電装置110が設けられており、各風力発電装置110は送電線140に接続される。また、各風力発電装置110は、風力発電部120と、風力発電用マトリクスコンバータ装置130とを備える。
ここで、各風力発電装置110は、上述した第1の実施形態に係る風力発電装置1と同様の構成である。すなわち、風力発電部120は、風力発電部10と同様の構成であり、風力発電用マトリクスコンバータ装置130は、風力発電用マトリクスコンバータ装置20と同様の構成である。
風力発電用マトリクスコンバータ装置130が送電線140へ出力する電圧は、電力系統の電圧に合わせている。すなわち、風力発電用マトリクスコンバータ装置130において電力変換部を、例えば、直列多重マトリクスコンバータとする。また、直列多重マトリクスコンバータが有する変圧器(図4に示す三相変圧器42参照)を一次側の定格電圧が電力系統の電圧と一致するような変圧比をもつ変圧器とする。これにより、風力発電用マトリクスコンバータ装置130を直接送電線140へ接続することができる。
そのため、直列多重マトリクスコンバータを風力発電用マトリクスコンバータ装置130の電力変換部とした場合には、別途変圧器を用意する必要がなく、構成の簡略化および省スペース化を図ることが可能となる。
なお、直列多重マトリクスコンバータが有する変圧器の一次巻線に複数のタップを設け、電力系統の電圧に応じたタップを選択して送電線140に接続することで、構成の簡略化および省スペース化を図りつつも、電圧の異なる電力系統に接続することが可能となる。
また、風力発電部120の発電機を電動機として動作させることによって、風車の回転位置を制御するので、ブレードの取り付けや取り外しが容易になり、ウィンドファーム全体の建設工事の効率化および工期短縮を図ることができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1、110 風力発電装置
10、120 風力発電部
14 風車
15 発電機
20、130 風力発電用マトリクスコンバータ装置
21 マトリクスコンバータ
43a〜43c 単相マトリクスコンバータ
22 制御部
23 UPS(無停電電源)
30 電力系統
42 三相変圧器
52 スナバ回路
66 力率制御部
70 切替器
73 電原切替部
74 停電検出部
76 系統電圧波形記憶部
77 力率設定部

Claims (15)

  1. 風力によって回転する風車の回転力により発電機で発電された電力を、フルコンバートして電力系統に供給するマトリクスコンバータと、
    前記マトリクスコンバータを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記電力系統の電圧または前記発電機の電圧から前記電力系統の電圧位相の情報または前記発電機の電圧位相の情報を生成する電圧位相生成部と、
    前記電力系統側の力率を設定する力率設定部と、
    前記力率設定部によって設定された力率に、前記電圧位相の情報を加算して、電流位相の情報を生成する力率制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記電力系統のうち最小電圧相または最大電圧相と中間電圧相とによって形成される第1パルスと最小電圧相と最大電圧相とによって形成される第2パルスとによって形成され前記マトリクスコンバータを制御する制御信号を生成し、前記電流位相の情報に基づいて前記第1パルスと前記第2パルスとのパルス幅の比を調整する
    ことを特徴とする風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  2. 前記制御部は、
    前記電力系統が停電であるかどうかを検出する停電検出部と、
    前記電力系統と前記マトリクスコンバータとの間に流れる電流の値および前記電力系統の電圧の値の2つの電力系統側の状態量、および、前記発電機と前記マトリクスコンバータとの間に流れる電流の値および前記発電機の電圧の値の2つの発電機側の状態量のうちの三つ以上の状態量を取得する状態量取得部と、
    前記停電検出部による検出結果に基づき、前記状態量取得部で取得される三つ以上の状態量のうち前記電力系統側の状態量と前記発電機側の状態量との組み合わせを切り替える状態量切替部と、を備え、
    前記制御部は、前記状態量切替部の出力に基づき前記マトリクスコンバータを制御する制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  3. 前記状態量切替部は、前記停電検出部によって前記電力系統の停電が検出されない場合に前記電力系統の電圧の値を電圧検出値として前記電圧位相生成部へ出力し、前記停電検出部によって前記電力系統の停電が検出された場合に前記発電機の電圧の値を電圧検出値として前記電圧位相生成部へ出力し、
    前記電圧位相生成部は、前記電圧検出値から前記電圧位相の情報を生成し、
    前記力率制御部は、前記停電検出部によって前記電力系統の停電が検出された場合、前記力率設定部に設定された力率に代えて停電時力率を演算し、当該停電時力率を前記電圧位相の情報に加算して、前記電流位相の情報を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  4. 前記状態量切替部は、前記停電検出部によって前記電力系統の停電が検出されない場合に前記発電機と前記マトリクスコンバータとの間に流れる電流の値を検出電流値として出力し、前記停電検出部によって前記電力系統の停電が検出された場合に前記電力系統と前記マトリクスコンバータとの間に流れる電流の値を検出電流値として出力し、
    前記制御部は、前記状態量切替部から出力される前記検出電流値に基づいて前記マトリクスコンバータを制御する制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  5. 前記マトリクスコンバータは、
    前記発電機の各相毎に直列接続されて複数設けられ、各々双方向の電力変換を行う単相マトリクスコンバータと、
    複数の前記単相マトリクスコンバータから出力される電力を、各々絶縁しつつ結合させる結合部と、
    を有し、
    前記結合部は、
    結合させた前記電力の電圧を、前記電力系統側に有する巻線により該電力系統の電圧へと昇圧させることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  6. 前記マトリクスコンバータは、
    マトリクスコンバータを複数並列に接続した並列多重電力変換器であることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  7. 前記単相マトリクスコンバータは、
    サージ電圧を直流電圧へ変換して蓄積し、当該蓄積した直流電圧を放電するスナバ回路を備え、
    前記制御部は、
    前記発電機の回転速度または前記発電機の発電電圧に基づいて、前記スナバ回路に対して前記直流電圧の放電を指令する放電指令を出力する放電指令部を備えたことを特徴とする請求項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  8. 蓄電池を有し、所定条件を満たす場合に前記蓄電池から前記制御部へ電力を供給する無停電電源を備え、
    前記蓄電池は前記スナバ回路の直流電圧により充電されることを特徴とする請求項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  9. 無停電電源と、
    前記無停電電源から出力される電圧と前記発電機から出力される電圧とを切替信号に応じて切り替えて前記制御部を動作させるための電圧として出力する切替器と、
    前記発電機の発電電圧に基づいて、前記切替器へ前記切替信号を出力する電源切替部と
    を備えたことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  10. 前記制御部は、
    前記電力系統の電圧波形を所定周期分記憶する系統電圧波形記憶部を備え、
    前記発電機から前記電力系統への電力変換を前記マトリクスコンバータに行わせている途中で、前記電力系統の停電が検出された場合、前記系統電圧波形記憶部に記憶された電圧波形に基づいて前記マトリクスコンバータを制御して、前記発電機から前記電力系統への電力変換を継続させる請求項乃至のいずれか1項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  11. 前記制御部は、
    前記発電機を電動機として使用して前記風車の回転位置を制御するように前記マトリクスコンバータを制御することを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  12. 前記制御部は、
    前記風車の回転位置を保持させるように、前記マトリクスコンバータが有する複数のスイッチのオンオフを制御することを特徴とする請求項11に記載の風力発電用マトリクスコンバータ装置。
  13. 風力によって回転する風車の回転力により発電機で発電された電力を、フルコンバートして電力系統に供給するマトリクスコンバータと、
    前記マトリクスコンバータを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記電力系統の電圧または前記発電機の電圧から前記電力系統の電圧位相の情報または前記発電機の電圧位相の情報を生成する電圧位相生成部と、
    前記電力系統側の力率を設定する力率設定部と、
    前記力率設定部によって設定された力率に、前記電圧位相の情報を加算して、電流位相の情報を生成する力率制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記電力系統のうち最小電圧相または最大電圧相と中間電圧相とによって形成される第1パルスと最小電圧相と最大電圧相とによって形成される第2パルスとによって形成され前記マトリクスコンバータを制御する制御信号を生成し、前記電流位相の情報に基づいて前記第1パルスと前記第2パルスとのパルス幅の比を調整する
    ことを特徴とする風力発電装置。
  14. 複数の風力発電装置を備えたウィンドファームであって、
    前記風力発電装置は、
    風力によって回転する風車の回転力により発電機で発電された電力を、フルコンバートして電力系統に供給するマトリクスコンバータと、前記マトリクスコンバータを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、
    前記電力系統の電圧または前記発電機の電圧から前記電力系統の電圧位相の情報または前記発電機の電圧位相の情報を生成する電圧位相生成部と、
    前記電力系統側の力率を設定する力率設定部と、
    前記力率設定部によって設定された力率に、前記電圧位相の情報を加算して、電流位相の情報を生成する力率制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記電力系統のうち最小電圧相または最大電圧相と中間電圧相とによって形成される第1パルスと最小電圧相と最大電圧相とによって形成される第2パルスとによって形成され前記マトリクスコンバータを制御する制御信号を生成し、前記電流位相の情報に基づいて前記第1パルスと前記第2パルスとのパルス幅の比を調整する
    ことを特徴とするウィンドファーム。
  15. 請求項1または1に記載の風力発電装置における風車の製造方法であって、
    位置検出器によって前記風力発電装置の風車の回転位置を検出し、
    前記検出された前記風車の回転位置と指定された目標位置との差を検出し、
    前記発電機を電動機として使用して、前記検出された前記風車の回転位置と前記目標位置との差に基づき、前記風車の回転位置を前記目標位置に一致させ、
    回転位置を前記目標位置に一致させた前記風車にブレードを取り付ける
    ことを特徴とする風車の製造方法。
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