JP5327778B2 - 半導体素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体素子およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5327778B2
JP5327778B2 JP2008083522A JP2008083522A JP5327778B2 JP 5327778 B2 JP5327778 B2 JP 5327778B2 JP 2008083522 A JP2008083522 A JP 2008083522A JP 2008083522 A JP2008083522 A JP 2008083522A JP 5327778 B2 JP5327778 B2 JP 5327778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
growth rate
substrate
crystal
buffer layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008083522A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009239038A (ja
Inventor
政隆 梶川
崇子 千野根
吉鎬 梁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2008083522A priority Critical patent/JP5327778B2/ja
Publication of JP2009239038A publication Critical patent/JP2009239038A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5327778B2 publication Critical patent/JP5327778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は、基板上に結晶成長させた半導体層を備える半導体素子およびその製造方法に関する。
窒化ガリウム等の窒化物系半導体を用いた半導体素子を製造する場合、窒化物系半導体基板を用いて、その上に窒化物系半導体層を結晶成長させる方法の他、サファイア基板、SiC基板、ZnO基板等の異種の基板上に窒化物系半導体層を結晶成長させる方法がある。異種の基板を用いた場合、基板と窒化物系半導体との結晶格子が不整合であるため、成長した窒化物系半導体層に結晶欠陥が生じやすいという問題がある。素子の寿命改善のためには、結晶性の向上が必要である。
基板上の窒化物系半導体の結晶性を向上させるために各種の技術が提案されている。例えば特許文献1には、サファイア基板上に、遅い結晶成長速度で島状結晶領域を成長させた後、速い結晶成長速度で島状結晶領域をさらに成長させることにより結晶の転位の方向を屈曲させ、転位密度を低減する方法が開示されている。
一方、特許文献2には、基板上に組成の異なる2種類以上の窒化物系半導体層を順番に繰り返し積層した多層構造バッファ層を配置し、その上に窒化物系半導体層を形成する方法が開示されている。これにより、結晶性のみならず平坦性に優れた窒化物半導体層を得て、電界効果型トランジスタの特性向上をはかることができると記載されている。
特開2002−313733号公報 特開2004−296717号公報
発光素子を製造する場合、結晶性の向上のみならず凹凸の少ない平坦性に優れた半導体層を結晶成長させることが、発光効率の改善に重要である。しかしながら、上記特許文献1の技術は、低転位密度の結晶を得ることを目的としており、平坦性の改善については考慮されていない。特許文献2の技術は、複数種類の組成の多層構造バッファ層を用いることにより、電界効果型トランジスタの特性向上についての記載はあるが、半導体素子が発光素子である場合の有効性や最適化については不明である。また、バッファ層に複数種類の組成を用いるため構造が複雑となる。
本発明の目的は、結晶性および平坦性に優れた半導体層を備えた光半導体素子を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、以下のような半導体素子が提供される。すなわち、基板と、基板上に配置されたバッファ層と、バッファ層上に結晶成長した半導体層とを有する半導体素子であって、バッファ層は、所定の成長速度で結晶成長させた第1の層と、第1の層よりも速い成長速度で結晶成長させた第2の層とを一組とし、これを2組以上積層した構成の半導体素子を提供する。発明者らによれば、遅い成長速度の第1の層と速い成長速度の第2の層とを2組以上積層することにより、高い結晶性を維持しながら、上面の凹凸を大幅に低減することができる。
第1の層と第2の層は、同じ組成にすることが可能である。これにより、組成を変化させない単純な構造でありながら、結晶性と平坦性を向上させることができる。
第2の層を、第1の層の上に配置した構成を一組とすることが好ましい。
低い成長速度で形成する第1の層は、所定の結晶性および所定の上面の平坦性を備え、速い成長速度で形成する第2の層は、第1の層よりも結晶性は低いが上面の平坦性に優れる。第1の層と第2の層とを2組以上積層することにより、結晶性及び平坦性を兼ね備えたバッファを得ることができる。
第2の層の成長速度は、例えば、第1の層の成長速度の2倍以上5倍以下に設定する。また例えば、第1の層の膜厚は20nm程度とし、第2の層の膜厚は80nm程度に設定する。
第1の層、第2の層および半導体層は、いずれも、例えばAlInGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表わされる材料により構成され、基板としてこの材料とは異なる異種の基板を用いることが可能である。本発明では、多層のバッファ層を用いることにより、結晶性および平坦性に優れた半導体層を成長させることができる。
また、本発明の第3の態様によれば、基板と、基板上に配置されたバッファ層と、バッファ層上に結晶成長した半導体層とを有する半導体素子であって、バッファ層は、所定の結晶性および所定の上面の平坦性を備えた第1の層と、第1の層よりも結晶性は低いが上面の平坦性に優れる第2の層とを一組とし、これを2組以上積層した構成とする半導体素子が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、基板上に、所定の成長速度で第1の層を結晶成長させ、第1の層の上に第1の層よりも速い成長速度で第2の層を結晶成長させ、これを2組以上繰り返し積層することにより多層バッファ層を形成する工程と、多層バッファ層の上に、所定の半導体層を結晶成長させる工程とを含む半導体素子の製造方法が提供される。
上記製造方法において、第2の層の成長速度は、例えば第1の層の成長速度の2倍以上5倍以下に設定する。
本発明者によれば、遅い成長速度の第1の層と速い成長速度の第2の層とを2組以上積層することにより、高い結晶性を維持しながら、上面の凹凸を大幅に低減することができる。これをバッファ層として用いることにより、この上に高い結晶性と平坦性とを兼ね備えた半導体層を成長させることができる。よって、発光素子に適用とした場合には発光強度を向上させることができる。
また、第1の層と第2の層は、同じ組成にすることが可能であるため、組成を変化させない単純な構造でありながら、結晶性と平坦性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態を光半導体素子について図面を用いて説明する。
まず、本実施形態の光半導体素子の構造について図1を用いて説明する。この半導体発光素子は、基板1の上に、いずれも窒化物系化合物半導体からなる、低温バッファ層2、多層バッファ層3、n型半導体層4、活性層5、p型クラッド層6、p型半導体層7を積層した構造である。本実施の形態において、窒化物系化合物半導体とは、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)で表される組成の半導体をいう。
p型半導体層7の上には透明電極8が配置され、その上にp-電極パッド10が配置されている。p型半導体層7、p型クラッド層6および活性層5は、その一部が切り欠かれてn型半導体層4の一部を露出している。露出したn型半導体層4上には、n−電極9が配置されている。
基板1は、例えばサファイア基板、SiC基板、ZnO基板、GaN基板、Ga基板を用いることができる。
低温バッファ層2は、低温で成膜され、高温で熱処理することにより形成された窒化物系化合物半導体の結晶粒(グレイン)からなる不連続膜である。その厚さは数十nm程度の薄膜である。例えば、GaNにより低温バッファ層2を形成する。低温バッファ層2は、この上に形成される多層バッファ層3の結晶成長の核となる作用をする。
多層バッファ層3は、図2に示したように、遅い成長レート(A)で結晶成長させた窒化物系化合物半導体の層31と、それよりも速い結晶レート(kA、但しk>1)で結晶成長させた窒化物系化合物半導体の層32とを一組とし、これを2組(繰り返し数B=2)以上積層した多層構造である。すなわち、遅い成長レートで形成した層31と速い成長レートで形成した層32を交互に計4層以上積層する。より好ましくは3組(繰り返し数B=3、計6層)以上積層する。積層の順序は、最初に遅い成長レートの層31を形成し、その上に速い成長性レートの層32を積層し、これを一組として繰り返すことが好ましい。
このように遅い成長レートで形成した層31と速い成長レートで形成した層32を2組以上繰り返し積層することにより、図3に示したように単に層31および層32を一組積層した場合(繰り返し数B=1(比較例2))と比較して層の表面の平坦性を大幅に改善することができることを発明者らは見いだしたものである。また、結晶性については、層31および層32を2組以上積層することにより、一組積層した場合と同等に結晶性に優れた層を得ることができる。したがって、平坦性および結晶性を兼ね備えたバッファ層3を得ることができる。
一般に遅い成長レートで形成した窒化物系化合物半導体層は、結晶性は良いが表面の凹凸が大きく、速い成長レートで形成した窒化物系化合物半導体層は、結晶性は良くないが表面が平坦である傾向にある。遅い成長レートで形成した層31の上に速い成長レートで形成した層32を積層した2層構造の場合、結晶性を向上させることができるが、層表面の凹凸については、図3に示したように、一定の成長レートで形成した層(繰り返し数B=0(比較例1))の凹凸と大差なく、平坦性を改善することは困難であった。このため、層31と層32の2層のみで平坦性を改善するためには、層全体を厚く形成し、厚さの効果により凹凸を低減する必要があり、バッファ層全体として総膜厚を厚くする必要があった。
本実施の形態では、遅い成長レートで形成した層31と速い成長レートで形成した層32を2組以上繰り返し積層した多層構造のバッファ層3とすることにより、多層バッファ層3は、薄い総膜厚で、高い結晶性および高い平坦性を実現することができる。これにより、多層バッファ層3の上に形成されるn型半導体層4、活性層5およびp型半導体層8を高い結晶性および平坦性で結晶成長させることができ、発光強度を向上させることができる。
遅い成長レートで成長させる層31の成長レート(A)は、5nm/min以上20nm/min以下に設定することが好ましい。層32の成長レート(kA)は、層31の成長レートよりも速ければよいが、2倍以上であることが好ましい。また、単結晶を成長させるという観点から5倍以下であることが好ましい。
層31の膜厚は5nm以上50nm以下、層32の膜厚は20nm以上200nm以下であることが好ましい。
窒化物系化合物半導体の層31および層32の組成は、同じ組成でよい。例えば、ノンドープのGaNとすることができる。
多層バッファ層3の上に形成されるn型半導体層4、活性層5、p型クラッド層6、およびp型半導体層7は、公知の窒化物系化合物半導体を用いた発光素子の構造と同様の構造である。例えば、n型半導体層4を不純物としてSiをドープしたn型GaNにより形成することができる。活性層5はGaN/InGaNの多層構造の量子井戸構造とすることができる。p型クラッド層6は、不純物としてMgをドープしたp型AlGaNにより形成することができる。p型半導体層7は、不純物としてMgをドープしたp型GaNにより形成することができる。
透明電極8、n−電極9、p−電極パッド10はそれぞれ公知の発光素子と同様の材料により形成することができる。
つぎに、本実施の形態の光半導体素子の製造方法について説明する。
まず、基板1として、所定の面(例えばC面)を主平面とするサファイア基板等を用意し、所定の温度で熱処理することによりクリーニングする。その後、所定の低温で基板1を加熱し、アモルファス状の窒化物系化合物半導体層を薄い膜厚で形成する。成膜方法としては、公知の方法を用いることができ、例えばMOCVD法を用いることができる。MOCVD法を用いる場合、供給する反応ガスとしてトリメチルガリウムおよびアンモニアを用いることができる。その後、所定の温度で熱処理することによりアモルファス状の窒化物系化合物半導体層を結晶化させる。これにより、窒化物系化合物半導体結晶粒からなる不連続膜の低温バッファ層2を形成する。
次に、基板1を所定の温度で加熱しながら、低温バッファ層2の上に所定の成長レートで窒化物系化合物半導体を所定の膜厚で結晶成長させ、層31を形成する。層31の上に、層31よりも速い所定の成長レートで窒化物系化合物半導体を所定の膜厚で結晶成長させ、層32を形成する。層31および層32を一組として、これを2組以上繰り返し行うことにより計4層以上の多層バッファ層3を形成する。これにより、高い結晶性と平坦性を兼ね備えた多層バッファ層3を薄い膜厚で形成することができる。
層31および層32の結晶成長方法としては公知の方法を用いることができ、例えばMOCVD法を用いることができる。反応ガスは、低温バッファ層2と同様のものを用いることができる。
次に、基板1を所定の温度で加熱しながら、多層バッファ層3の上に所定の濃度でn型不純物をドープした窒化物系化合物半導体を所定の膜厚で結晶成長させ、n型半導体層4を形成する。n型半導体層4の上に窒化物系化合物半導体を結晶成長させ、所定の構造の活性層5を形成する。さらに、活性層5の上に、所定の濃度でp型不純物をドープした窒化物系化合物半導体を結晶成長させ、p型クラッド層6およびp型半導体層7をそれぞれ形成する。いずれも公知の結晶成長方法、例えばMOCVD法により形成することができる。
これらの4層4、5、6、7は、結晶性および平坦性に優れた多層バッファ層3の上に形成されるため、結晶性及び平坦性に優れた層となる。
次に、p型半導体層7を熱処理することによりアクチベーション処理する。p型半導体層7の上に透明電極8を形成した後、基板1および各層を分割し、p型半導体層7、p型クラッド層6および活性層5を所定の形状に切り欠く。露出したn型半導体層4の一部の上には、n−電極9を配置し、透明電極8の上にp−電極パッド10を配置する。以上により、本実施の形態の光半導体素子を製造することができる。
この光半導体素子は、n−電極9およびp−電極パッド10から電流を供給することにより活性層5が発光し、光を外部に放出する。
本実施の形態の光半導体素子は、高い結晶性および平坦性を兼ね備えた多層バッファ層3を用いるため、結晶性および平坦性に優れた発光素子構造の層4、5、6、7を形成することができる。これにより、発光強度を向上させることができる。
なお、本実施の形態では発光する半導体素子について説明したが、本発明は発光素子に限定されるものではなく、受光素子や、電界効果型トランジスタ等の電子素子に適用することも可能である。また、発光素子の層構成も上述の層4,5,6,7の構成に限定されるものではなく、公知の構成を用いることが可能である。
本発明の実施例について説明する。
(実施例1〜11)
実施例1〜11として、上述の実施の形態の図2に示した構造の光半導体素子を製造した。このとき、多層バッファ層3として、低い成長レートの層31と速い成長レートの層32を一組とし、これを2組(繰り返し数B=2、計4層)〜12組(繰り返し数B=12、計24層)繰り返した光半導体素子の試料を作成し、実施例1〜11とした。多層バッファ層3を除いた他の層の成膜条件およびデバイス化工程は、実施例1〜11で同じ条件で行った。
実施例1〜11の具体的な製造方法は以下の通りである。まず、基板1として、主平面を(C面)とするサファイア基板を用意し、水素雰囲気中で1200℃で熱処理することによりクリーニングした。
その後、基板1の温度500℃で、トリメチルガリウム10μmol/min、アンモニア3.3L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法によりアモルファス状のGaNを厚さ20〜50nmに形成することにより、低温バッファ層2を形成した。その後、低温バッファ層2を1000℃で4分加熱して、不連続な結晶粒の層とした。
次に、基板1の温度1000℃で、トリメチルガリウム23μmol/min、アンモニア2.2L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、成長レート20nm/minでGaNを結晶成長させることにより、厚さ約20nmの層31を形成した。層31の上に、トリメチルガリウム45μmol/min、アンモニア4.4L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、成長レート40nm/minでGaNを結晶成長させることにより、厚さ80nmの層32を形成した。層31と層32を一組として、実施例1ではこれを2組(繰り返し数B=2、計4層)、実施例2〜11ではそれぞれ3組(繰り返し数B=3、計6層)〜12組(繰り返し数B=12、計24層)繰り返し、多層バッファ層3を形成した。
次に、基板1の温度1000℃、トリメチルガリウム40μmol/min、アンモニア4L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、1×1018atms/cm程度の濃度でSiドーピングを行ったn−GaNを結晶成長させることにより、厚さ約3〜5μmのn型半導体層4を形成した。
次に、基板1の温度700℃、トリメチルガリウム3.6μmol/min、アンモニア4.4L/minを供給し、窒素雰囲気中でMOCVD法によりGaNを結晶成長させることにより、厚さ2.5nmのバリア層を形成した。次に、基板1の温度700℃、トリメチルガリウム3.6μmol/min、トリメチルインジウム10μmol/min、アンモニア4L/minを供給し、窒素雰囲気中でMOCVD法によりInGaNを結晶成長させることにより、厚さ10nmのウエル層を形成した。上記バリア層とウエル層を3〜10組繰り返し成長させ、GaN/InGaNの量子井戸構造の活性層5を形成した。
次に、基板1の温度870℃、トリメチルガリウム8.1μmol/min、トリメチルアルミニウム7.56μmol/min、アンモニア4.4L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、1×1020atms/cm程度の濃度でMgドーピングを行ったp−AlGaNを結晶成長させることにより、厚さ約40nmのp型クラッド層6を形成した。
次に、基板1の温度870℃、トリメチルガリウム18μmol/min、アンモニア4.4L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、2×1020atms/cm程度の濃度でMgドーピングを行ったp−GaNを結晶成長させることにより、厚さ約100nmのp型半導体層7を形成した。
その後、窒素雰囲気中で850℃1分の熱処理を施し、p型半導体層7をアクチベーション処理した。
p型半導体層7の上に透明電極8として、酸化インジウム錫膜を形成した。ダイシングソー等により、個々の素子のサイズに分割すると共に、透明電極8、p型半導体層7、p型クラッド層6および活性層5の一部を図1のように切り欠いた。透明電極8の上にはp−電極パッド10を、Au1.0μm/Ti25nm膜により形成した。切り欠きにより露出したn型半導体層4の上にはn−電極9を、Al1.0μm/Ti25nm膜により形成した。
以上により、実施例1〜11の光半導体素子を製造した。
(比較例1)
比較例1として、実施例1〜11の多層バッファ層3に代えて、速い成長レート40nm/minでGaNを結晶成長させた厚さ0.8μmの単層バッファ層を備える光半導体素子を製造した。
速い成長レートの単層バッファ層は、トリメチルガリウム45μmol/min、アンモニア4.4L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により形成した。速い成長レートの単層バッファ層以外の他の層構成および成膜方法は、実施例1〜11と同じにした。
(比較例2)
比較例2として、実施例1〜11の多層バッファ層3に代えて、遅い成長レート(20nm/min)の層と速い成長レート(40nm/min)の層を一組(繰り返し数B=1、計2層)のみ備える光半導体素子を製造した。
遅い成長レートの層は、実施例1〜11の層31と同様に、基板1の温度1000℃で、トリメチルガリウム23μmol/min、アンモニア2.2L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、成長レート20nm/minでGaNを結晶成長させることにより形成した。厚さは、約20nmとした。その上に、実施例1〜11の層32と同様に、トリメチルガリウム45μmol/min、アンモニア4.4L/minを供給し、水素と窒素の混合雰囲気中でMOCVD法により、成長レート40nm/minでGaNを結晶成長させることにより、速い成長レートの層を形成した。厚さは約80nmとした。
バッファ層以外の他の層構成および成膜方法は、実施例1〜11と同じにした。
(平坦性評価)
実施例1〜11の多層バッファ層3の上面、および比較例1、2のバッファ層の上面の凹凸を測定した。その結果を図3に示す。図3から明らかなように、比較例1の速い成長レートで形成した単層バッファ層(繰り返し数B=0)の上面の凹凸は、高低差30nmである。また、遅い成長レートの層と速い成長レートの層を一組(繰り返し数B=1、計2層)のみ備える比較例2のバッファ層の上面の凹凸は、28nmであり、ほとんど改善していない。これに対し、遅い成長レートの層31と速い成長レートの層32を2組〜12組積層した実施例1〜11のバッファ層は、2組積層した実施例1で23nm、3組以上積層した実施例2〜11は、いずれも20nmであり、大幅に平坦度を改善することができた。実施例2〜11の多層バッファ層3の平坦度は、比較例1の平坦度と比較し30%向上していた。
(結晶性評価)
結晶性の測定のため、比較例1のバッファ層と、層31と層32を4組(繰り返し数B=4)積層した実施例3の多層バッファ層3について、エックス線回折法によりロッキングカーブの測定を行った。比較例1のバッファ層の(002)、(102)のピークは、それぞれ240arcsec、340arcsecであったのに対し、実施例3の多層バッファ層3の(002)、(102)のピークは、それぞれ238arcsec、334arcsecであった。実施例3において速い成長レートの層が複数含まれることによりその膜厚が増加しても、遅い成長レートの層と積層することにより、結晶性は維持されていることが確認された。
(発光特性評価)
発光特性を確認するため、比較例1の光半導体素子、および、層31と層32を4組積層した実施例3の光半導体素子をフォトルミネッセンスの強度を測定した。ただし、いずれも基板1から活性層5までの積層構造でフォトルミネッセンスを測定した。その結果を図4に示す。
図4から明らかなように、実施例3の素子は、発光強度が比較例1の素子の1.3倍に向上していた。
これは、高い平坦性および結晶性を兼ね備えた多層バッファ層3を用いたことにより、バッファ層3の上に形成される活性層5等の平坦性および結晶性が向上したためであると考えられる。
本実施形態の光半導体素子の構造を示す断面図。 図1の光半導体素子の多層バッファ層4の構成を示す断面図。 本実施例1〜11および比較例1、2の光半導体素子のバッファ層の上面の凹凸の大きさを示すグラフ。 本実施例3および比較例1の光半導体素子のフォトルミネッセンス強度を示すグラフ。
符号の説明
1…基板、2…低温バッファ層、3…多層バッファ層、4…n型半導体層、5…活性層、6…p型クラッド層、7…p型半導体層、8…透明電極、9…n−電極、10…p−電極パッド、31…遅い成長レートで形成した層、32…速い成長レートで形成した層。

Claims (4)

  1. 基板上に、所定の成長速度および所定のアンモニア流量とトリメチルガリウム流量との比(アンモニア流量/トリメチルガリウム流量)で第1の層を結晶成長させ、前記第1の層の上に、前記第1の層よりも速い成長速度、かつ、前記第1の層と同じアンモニア流量とトリメチルガリウム流量との比で第2の層を結晶成長させ、これを2組以上繰り返し積層することにより多層バッファ層を形成する工程と、
    前記多層バッファ層の上に、所定の半導体層を結晶成長させる工程とを含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記第1の層と前記第2の層は、同じ組成であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の製造方法。
  3. 前記第1の層の成長速度は、5nm/min以上20nm/min以下であり、前記第2の層の成長速度は前記第1の成長速度の2倍以上5倍以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子の製造方法。
  4. 前記第1の層の膜厚は5nm以上50nm以下であり、前記第2の層の膜厚は20nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体素子の製造方法。
JP2008083522A 2008-03-27 2008-03-27 半導体素子およびその製造方法 Active JP5327778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083522A JP5327778B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 半導体素子およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008083522A JP5327778B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 半導体素子およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009239038A JP2009239038A (ja) 2009-10-15
JP5327778B2 true JP5327778B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=41252631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008083522A Active JP5327778B2 (ja) 2008-03-27 2008-03-27 半導体素子およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5327778B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013089617A (ja) * 2011-10-13 2013-05-13 Tamura Seisakusho Co Ltd 結晶積層構造体及びその製造方法、並びに半導体素子
CN103050593A (zh) * 2011-10-17 2013-04-17 大连美明外延片科技有限公司 AlGaInP四元系发光二极管外延片及其生长方法
JP2013183032A (ja) * 2012-03-02 2013-09-12 Toshiba Corp 半導体発光素子
JPWO2014115830A1 (ja) * 2013-01-28 2017-01-26 エルシード株式会社 半導体発光素子の製造方法
CN104465918B (zh) * 2014-10-31 2017-06-27 华灿光电(苏州)有限公司 一种发光二极管外延片及其制备方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3613197B2 (ja) * 2001-04-17 2005-01-26 日亜化学工業株式会社 窒化物半導体基板の成長方法
US6630692B2 (en) * 2001-05-29 2003-10-07 Lumileds Lighting U.S., Llc III-Nitride light emitting devices with low driving voltage
KR100674829B1 (ko) * 2004-10-29 2007-01-25 삼성전기주식회사 질화물계 반도체 장치 및 그 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009239038A (ja) 2009-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4940317B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法
CN103337573B (zh) 半导体发光二极管的外延片及其制造方法
JP5853921B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法
TWI499080B (zh) 氮化物半導體結構及半導體發光元件
JPWO2011027417A1 (ja) 半導体発光素子
US8680564B2 (en) Group III nitride semiconductor light-emitting device
JP5327778B2 (ja) 半導体素子およびその製造方法
JP4424680B2 (ja) 3族窒化物半導体の積層構造、及びその製造方法、並びに、半導体発光素子、及びその製造方法
JP2012104528A (ja) 窒化物半導体発光素子
JP5626123B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法
JP5229048B2 (ja) Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法
CN104937731B (zh) Led元件
JP4781028B2 (ja) Iii族窒化物半導体積層体及びiii族窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2008288532A (ja) 窒化物系半導体装置
JP2005072310A (ja) Iii族窒化物系化合物半導体の製造方法
JP2012248763A5 (ja)
JP2011018869A (ja) 窒化物半導体素子
JP2001077413A (ja) Iii族窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP2004048076A (ja) 半導体素子およびその製造方法
JP2011187862A (ja) Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2005129923A (ja) 窒化物半導体、それを用いた発光素子、発光ダイオード、レーザー素子およびランプ並びにそれらの製造方法
JP5434343B2 (ja) Ito電極の形成方法、半導体素子のito電極及びito電極を備えた半導体素子
JP2011035156A (ja) Iii族窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2006120856A (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP6071044B2 (ja) 半導体発光素子及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110316

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130227

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130625

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130717

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5327778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250