JP5327686B1 - 次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び次世代カーボンフリーボイラにおける水素リッチアンモニアの製造方法並びに次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び次世代カーボンフリーボイラにおける水素リッチアンモニアの製造方法に利用する尿素水 - Google Patents

次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び次世代カーボンフリーボイラにおける水素リッチアンモニアの製造方法並びに次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び次世代カーボンフリーボイラにおける水素リッチアンモニアの製造方法に利用する尿素水 Download PDF

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Abstract

【課題】安全性や信頼性が高く、しかも地球環境に優しい新しいエネルギー資源を利用した次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び水素リッチアンモニアの製造方法。
【解決手段】燃焼室20aを有するボイラ本体12と、前記燃焼室に火炎による燃焼ガスを発生させる水素リッチアンモニア燃焼バーナ24と、尿素水を供給する尿素水供給源61と、前記尿素水供給源に接続されて前記燃焼ガスの流路に設置され、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱されて前記尿素水を加水分解することによりアンモニアを生成するとともに前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記アンモニアの一部を分解して水素リッチガスを生成する水素リッチアンモニア生成リアクタ40と、前記アンモニアの残部と前記水素リッチガスとの混合ガスからなる水素リッチアンモニアを前記水素リッチアンモニア燃焼バーナに供給する水素リッチアンモニア供給ライン67とを備えた。
【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
この発明はボイラ及びその運転方法に関し、特に、地球環境に優しい新しいエネルギー資源を利用したボイラ及びその運転方法に関する。
従来技術
従来、ボイラは火力発電所用ボイラ、大型船舶用ボイラ、大型ホテル・ビル等の地域冷暖房用ボイラ、各種工場の生産ライン用の大型ボイラとして、さらには、暖房・給湯用ボイラ等の小型ボイラとして各種施設に広く利用されている。ボイラには灯油、重油等の液体燃料やCNG,LPG 等の気体燃料からなる化石燃料が主として使用されており、CO排出による地球温暖化や窒素酸化物(NOx)排出による大気汚染等の環境破壊が深刻な環境問題となり、その対策が急務となっている。その中で、低炭素化社会に向けたアンモニアや水素が非化石燃料として期待されている。
特許文献1には、液体アンモニアリサーバから供給された液体アンモニアを熱交換器で予熱した後、アンモニア加熱器で再加熱し、次いで、燃料油タンクからの燃料油(化石燃科)と混合してアンモニアと燃料油からなるエマルジョン燃料を生成してボイラやエンジンに供給するようにした燃料供給システムが提案されている。
特許文献2には、水分解ガス発生装置をボイラ本体に設置し、水を分解して得た水素ガスと酸素ガスとをボイラ本体内の水中に吹き込んで気体塊を形成し、その気体塊内に水をスプレーしながら、気体塊内にて火花を連続的に発生させることにより効率的に蒸気を発生させるようにして燃料コスト低減を図った環境に優しいボイラ装置が提案されている。
米国公開特許公報2010/0288221号 日本国特許第4002350号
ところで、特許文献1に開示された燃料供給システムでは、液体アンモニアリサーバに貯蔵した液体アンモニアを燃料の一部として利用している。アンモニア自体は天然ガスと二酸化炭素を原料として生産され、燃焼時には水と窒素のみが排出されるため、地球環境に優しいエネルギー源として、近年、最も注目されている。しかし、液体アンモニアは火災・爆発の危険性が高い上に人体に有毒であり、しかも金属腐食性が高い。そのため、液体アンモニアの使用には関連部品の耐久性の維持が困難であり、燃料供給システムの安全性や信頼性に大きな課題が残っていた。さらに、アンモニアは難燃性で燃焼速度も遅いため、未燃アンモニアが排出されやすい。その解決策として、アンモニアを燃料油と混合して得たエマルジョン燃料を燃焼させるようにしていたため、化石燃料への依存度を下げて地球環境保全に貢献させることができなかった。
特許文献2に開示されたボイラ装置において、水分解ガス発生装置では、攪拌槽に水素化ニッケル(NiH2)が添加された水(HO)が貯留されていて攪拌羽根によって攪拌される。攪拌槽から取り出した水は加熱手段によって加熱されて高温水となり、連続液体供給型遠心分離機の処理槽に送られ、高速回転モータの回転によって水分子の水素原子と酸素原子の結合を解離させる構造となっている。このボイラ装置は、第1に、極めて高価な水素化ニッケルを大量に消耗し、第2に、高速回転モータの電力消費が大きい、第3に、部品点数が多いため、装置が複雑化すると共に生産コストが上昇する。特に、高価な水素化ニッケルの大量使用により、ボイラ装置のランニングコストが大幅に上昇する。したがって、このようなボイラ装置を広く普及させて温暖化ガス排出抑制に利用することが困難となっていた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、安全性や信頼性が高く、しかも、地球環境に優しい新しいエネルギー資源を利用した次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び次世代カーボンフリーボイラにおける水素リッチアンモニアの製造方法並びに次世代カーボンフリーボイラ、その運転方法及び次世代カーボンフリーボイラにおける水素リッチアンモニアの製造方法に利用する尿素水を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、次世代カーボンフリーボイラが、燃焼室を有するボイラ本体と、前記燃焼室に火炎による燃焼ガスを発生させる水素リッチアンモニア燃焼バーナと、尿素水を供給する尿素水供給源と、前記尿素水供給源に接続されて前記燃焼ガスの流路に設置され、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として前記尿素水を加水分解することにより高温アンモニアガスを生成するとともに前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記アンモニアの一部を分解して高温水素リッチガスを生成する水素リッチアンモニア生成リアクタとを備え前記水素リッチアンモニア生成リアクタが、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱される伝熱部材と、前記伝熱部材に配置されていて前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記尿素水を加水分解する加水分解部と、前記伝熱部材に配置されていて前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記高温アンモニアガスの一部を分解して前記高温水素リッチガスを生成するアンモニア分解部とを備え、前記高温アンモニアガスの残部と前記高温水素リッチガスとの混合ガスからなる高温水素リッチアンモニアと燃焼用空気とを前記水素リッチアンモニア燃焼バーナで燃焼させて蒸気を生成することを要旨とする。
請求項に記載された発明によれば、請求項記載の構成に加え、前記加水分解部が、前記伝熱部材に配置されていて複数の乱流発生通路を形成する複数の固形状伝熱体を備えることを要旨とする。
請求項に記載された発明によれば、請求項1又は2記載の構成に加え、前記ボイラ本体で生成された蒸気を導入する蒸気抽出管と、前記蒸気抽出管と前記水素リッチアンモニア生成リアクタとの間に設置されたパージガス供給ラインと、前記パージガス供給ラインに設置されたパージガス供給制御弁とを備え、前記水素リッチアンモニア生成リアクタへの前記尿素水の供給が遮断されたときに前記パージガス供給制御弁が前記蒸気抽出管から前記蒸気の一部をパージガスとして前記水素リッチアンモニア生成リアクタに導入することで前記水素リッチアンモニア生成リアクタに残留する未反応尿素と残留ガスとを排出することを要旨とする。
請求項に記載された発明によれば、次世代カーボンフリーボイラの運転方法では、火炎による燃焼ガスを発生させるための水素リッチアンモニア燃焼バーナをボイラ本体の燃焼室に設置し、前記燃焼ガスの流路に水素リッチアンモニア生成リアクタを設置して前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として前記水素リッチアンモニア生成リアクタを加熱し、前記水素リッチアンモニア生成リアクタに尿素水を供給して加水分解することにより高温アンモニアガスを生成し、前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記高温アンモニアガスの一部を分解して窒素と水素からなる高温水素リッチガスを生成し、前記高温アンモニアガスの残部と前記高温水素リッチガスとの混合ガスからなる高温水素リッチアンモニアと燃焼用空気とを前記水素リッチアンモニア燃焼バーナで燃焼させて蒸気を生成し、前記水素リッチアンモニア生成リアクタへの前記尿素水の供給が遮断されたときに前記蒸気の一部をパージガスとして前記水素リッチアンモニア生成リアクタに導入しで前記水素リッチアンモニア生成リアクタに残留する未反応尿素と残留ガスとを排出することを要旨とする。
請求項に記載された発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載の次世代カーボンフリーボイラおよび請求項記載の次世代カーボンフリーボイラの運転方法に利用される尿素水であって、前記尿素水が、尿素と、水と、アルカリ金属の水酸化物,炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上を主成分とするアルカリ触媒溶液とを含むことを要旨とする。
請求項1記載の構成において、次世代カーボンフリーボイラでは、水素リッチアンモニア燃焼バーナによって生成された火炎による燃焼ガスの流路に前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱される水素リッチアンモニア生成リアクタを設置した構造を採用し、取り扱い上危険な液体アンモニアの使用に代えて、安全で取り扱いの容易な尿素水の利用を可能にしている。前記水素リッチアンモニア生成リアクタが前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱される伝熱部材を備え、前記伝熱部材に加水分解部とアンモニア分解部とが配置される。したがって、水素リッチアンモニア生成リアクタの部品点数を大幅に削減して水素リッチアンモニア生成リアクタの小型高性能化と高信頼性を達成することが可能となり、水素リッチアンモニア生成リアクタの低コスト化も可能となる。水素リッチアンモニア生成リアクタは燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱されて尿素水を加水分解することにより、高温アンモニアガスを効率的に生成する。高温アンモニアガスの一部は水素と窒素に転化されて高温水素リッチガスが得られる。高温アンモニアガスの残部と高温水素リッチガスとの高温混合ガス(以下、「高温水素リッチアンモニア」と称する)が水素リッチアンモニア燃焼バーナに供給される。水素リッチアンモニアは高温のガス状態となっているため、燃焼用空気と均一混合気を生成して完全燃焼を促進し、未燃アンモニアを外部に排出しないようにして安全性を確保する。ボイラの外部には、何等、危険性の高いアンモニアリサーバやアンモニアを流通させるための複数の熱交換器及び複数の配管を不要とし、人体に有害な液体アンモニアを直接、取り扱う必要がなく、安全性と信頼性を大幅に向上させることができる。このように、本発明の次世代カーボンフリーボイラでは高温水素リッチアンモニアの使用によって化石燃料の使用量を大幅に削減することが可能となる。したがって、化石燃料への依存度を大幅に抑制して、低炭素化社会の実現並びに地球環境保全に貢献する。しかも、尿素水の原料となる尿素自体はどこでも極めて低コストで調達可能であり、極めて低いランニングコストで運転可能な次世代カーボンフリーボイラを実現させることができる。
請求項記載の構成では、前記加水分解部が前記伝熱部材に配置されていて複数の乱流発生通路を形成する複数の固形状伝熱体を備えるため、前記加水分解部の伝熱面積が拡大して尿素水との接触面積が飛躍的に増大する。また、複数の固形状伝熱体により形成された複数の乱流発生通路において、尿素水の気化ガスは前記乱流発生通路を通過しながら複数の固形状伝熱体と衝突を繰り返すことになり、前記尿素水の滞留時間が飛躍的に拡大する。このため、尿素水の加水分解効率を飛躍的に向上させ、高温アンモニガスの一部から高温水素リッチガスを効率よく生成することができる。
請求項記載の構成では、ボイラ水を加熱して蒸気を発生するボイラ本体と水素リッチアンモニア生成リアクタとの間に接続された蒸気抽出管に蒸気供給制御弁を設置している。そのため、水素リッチアンモニア生成リアクタへの尿素水の供給が遮断された際に、ボイラで発生した蒸気をパージガスとして水素リッチアンモニア生成リアクタに導入して水素リッチアンモニア生成リアクタに残留する未反応尿素と残留ガスとを排出させている。そのため、ボイラの運転停止時に、未反応尿素の析出による前記水素リッチアンモニア生成リアクタの閉塞を回避し、腐食性が高く、しかも、可燃性の残留ガスがボイラ内部に残留することによる構成部品の劣化を防止する構造となっている。このため、ボイラの安全性と耐久性を飛躍的に向上させることができる。また、水素リッチアンモニア生成リアクタはボイラの運転停止時に常に清浄な状態に維持されるため、ボイラの起動や運転再開が円滑に行われ、その分信頼性も向上する。
請求項の特徴では、次世代カーボンフリーボイラの運転方法において、燃焼室で発生した燃焼ガスの流路に水素リッチアンモニア生成リアクタを設置し、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として前記水素リッチアンモニア生成リアクタを加熱している。そのため、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を利用して、前記尿素水を効率的に加水分解して高温アンモニアガスを効率的に生成することが可能となる。さらに、前記水素リッチアンモニア生成リアクタへの前記尿素水の供給が遮断された際に、ボイラで発生した蒸気をパージガスとして前記水素リッチアンモニア生成リアクタに導入することで前記水素リッチアンモニア生成リアクタに残留する未反応尿素と残留ガスとを排出させている。そのため、ボイラの運転停止時に、未反応尿素の結晶による水素リッチアンモニア生成リアクタの閉塞を回避でき、また、腐食性が高く、しかも、可燃性の残留ガスがボイラ内部に残留することによる信頼性の低下や構成部品における耐久性の劣化を回避することができる。このため、水素リッチアンモニア生成リアクタは常に清浄な状態に維持されて、ボイラの起動や運転が円滑に行われ、その分信頼性も向上する。
請求項記載の特徴によれば、尿素水が、アルカリ金属の水酸化物,炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上を主成分とするアルカリ触媒溶液を添加した水溶液であるため、加水分解部がボイラ本体内で、例えば、800℃以上の高温の燃焼ガスで加熱された際に、アルカリ触媒の存在下で尿素を効率よく加水分解してアンモニア生成効率が増大する。燃焼ガスの熱エネルギーの一部により尿素水が加熱されると、アルカリ触媒の存在下で、▲1▼式のように、熱分解する。熱分解により生成したイソシアン酸(HNCO)は、水蒸気と反応して加水分解し▲2▼式のようにNHとCOに転化する。400℃以上の高温では、イソシアン酸がHOと反応し▲3▼式のようにNHとCOに加水分解される。なお、アンモニアの一部はアンモニア分解触媒の存在下で▲4▼式のように3HとNに転化され水素リッチアンモニアの一部となる。
Figure 0005327686
水素リッチアンモニアは、次世代カーボンフリーボイラの運転中に、燃焼ガスの熱エネルギーの一部を利用してオンデマンドで生成されるため、従来のボイラの如く、化石燃料に100%依存する必要はない。本発明では、化石燃料に対する水素リッチアンモニアの使用比率を大幅に増加させることが可能となり、原油高騰によるランニングコストの上昇を回避することができ、また、地球環境対策にも貢献可能となる。
本発明の第1実施例による次世代カーボンフリーボイラの縦断正面図。 図1に示した第1実施例による次世代カーボンフリーボイラにおけるスイソリッチアンモニア生成リアクタの一部拡大図。 本発明の第2実施例による次世代カーボンフリーボイラの縦断正面図。
以下、本発明の第1実施例による次世代カーボンフリーボイラを炉筒煙管ボイラに適用したものとして説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。図1に示すように、次世代カーボンフリーボイラ10は、ボイラ本体12を備え、ボイラ本体12が水平方向に基台13上に設置される。ボイラ本体12は前面壁部14aと背面壁部14bにより密閉された円筒状ハウジング14を備える。円筒状ハウジング14の内側には前面壁部14aから間隔をおいてフロント垂直壁部16が設置され、背面壁部14bの内側にはリヤ垂直壁部18が配置される。円筒状ハウジング14の下方領域には、フロント垂直壁部16とリヤ垂直壁部18との間には、燃焼室20aを形成する円筒状炉筒20が水平方向に延びるように配置される。
円筒状炉筒20の前部はフロント垂直壁部16により閉塞され、後方端部は開放されている。円筒状炉筒20の前部には円筒状の水素リッチアンモニア燃焼バーナカバー22が水素リッチアンモニア燃焼バーナ24を覆うように取り付けられる。水素リッチアンモニア燃焼バーナカバー22は円筒状ハウジング14の前面壁部14aから前方に突出するように延びている。水素リッチアンモニア燃焼バーナカバー22の内部には、空気案内路26を介してブロワー28に連通する空気噴出し部30が水素リッチアンモニア燃焼バーナ24を囲むように配置される。水素リッチアンモニア燃焼バーナ24は三方切替流量制御弁FCVを介して化石燃料供給タンク25と、後述の水素リッチアンモニア生成リアクタ40とに接続され、水素リッチアンモニア燃焼バーナ24に供給される化石燃料と水素リッチアンモニアの流量がサーボモータ制御の三方切替流量制御弁FCVによって制御される。円筒状ハウジング14の底部付近には給水管32が連結され、円筒状ハウジング14の側周壁における最上部には、ボイラ本体12内で生成された蒸気を抽出する蒸気抽出管34が設けられている。
円筒状ハウジング14の内側には、背面壁部14bとリヤ垂直壁部18との間に水素リッチアンモニア生成リアクタ40を収納する上流側煙室41が形成され、前面壁部14aとフロント垂直壁部16との間に下流側煙室42が形成されている。円筒状炉筒20の上方には、フロント垂直壁部16とリヤ垂直壁部18との間において、複数の煙管44が互いに対して均等間隔で水平方向に延びていて、上流側煙室40と下流側煙室42との間で連通している。これら煙管44の後方端部は上流側煙室40に開口し、煙管44の後方端部は下流側煙室42に開口している。下流側煙室42の上方には燃焼排ガスEGを外部に排出する煙突46が連結されている。
図1において、水素リッチアンモニア生成リアクタ40は、水素リッチアンモニア燃焼バーナ24で発生する火炎FLMにより生ずる燃焼ガスCGの流路に設置される。リヤ垂直壁部18と水素リッチアンモニア生成リアクタ40との間には、燃焼ガスCGの一部を水素リッチアンモニア生成リアクタ40に導入してこれを熱源として加熱する一方、燃焼ガスCGの大部分を偏向させて複数の煙管44内に流入させる板状のバッフル部材19が設置される。バッフル部材19は間隔を置いて下方部に形成された第1グループの細孔19aと上方部に形成された第2グループの細孔19bとを有し、第1グループの細孔19aを介して燃焼ガスCGの一部が水素リッチアンモニア生成リアクタ40に案内され、水素リッチアンモニア生成リアクタ40を加熱した後の燃焼ガスCGの一部は第2グループの細孔19bを経て煙管44内に導入される。
このように、水素リッチアンモニア生成リアクタ40は上流側煙室41内に配置されて、燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱される。水素リッチアンモニア生成リアクタ40は、燃焼ガスCGを通過させるための間隔SPをおいて同心的に配置されたコイル状のステンレスチューブST1,ST2からなり、これらステンレスチューブST1,ST2は伝熱手段として機能する伝熱部材50を備える。
伝熱部材50は、加水分解部52とアンモニア分解部54とを備え、その中間部にはオリフィス(図示せず)等の流量制限部材56が配置される。加水分解部52は尿素水を噴霧状に噴射するスプレーノズル等の尿素水噴射装置58を備え、尿素水噴射装置58は逆止弁60及びポンプP1を介して尿素水供給タンク61に接続されている。尿素水供給タンク61には、水素リッチアンモニアの原料として45乃至95%濃度の尿素を含有する尿素水が貯蔵される。尿素水には、NaOH、KOH、NaCO、KCO、NaSiO及びKSiOからなる群から選ばれる1種以上を主成分とするアルカリ触媒溶液が添加される。
図1及び図2に示されるように、加水分解部52はステンレスチューブST1に充填されていて複数の乱流発生通路62を形成する、2〜6mmの直径のアルミナ等のセラミックボール又はステンレスボール等からなる複数の固形状伝熱体64を備える。尿素水噴射装置58から噴霧状に加水分解部52の内部に噴射された尿素水は複数の固形状伝熱体64に衝突して気化され、気化したガスは複数の乱流発生通路62で乱流を発生しながら通過して、複数の固形状伝熱体64の伝熱面に衝突する。その過程において、尿素水は前述の加水分解触媒の存在下で加水分解されてアンモニアが生成される。
流量制限部材56の上流側にはアンモニア抽出アウトレット57が配置されていて、アンモニア抽出ライン59と接続される。加水分解部52で生成したアンモニアの一部は、流量制限部材56によってその流量が制限されながらアンモニア分解部54に供給される。アンモニア分解部54は、ステンレスチューブST2に充填されたペレット状のアンモニア分解触媒66を備える。アンモニア分解触媒66としては、これに限定されるものではないが、例えば、イタリア国SAES GETTERS社製アンモニア分解触媒ST909(ZrMnFe合金)、日揮触媒化成製のニッケル触媒N134, N135及びN135Lが使用される。アンモニア分解部54に流入したアンモニアの一部はアンモニア分解触媒ペレット66に対して衝突を繰り返しながら分解して窒素と水素から成る水素リッチガスHRGが生成される。水素リッチガスHRGは水素リッチガスアウトレット65から取り出され、逆止弁69を介してアンモニア抽出ライン59から供給されたアンモニアの残部と混合されて水素リッチアンモニアHRAが形成される。
水素リッチアンモニアHRAは水素リッチアンモニア供給ライン67を介して供給され、次いで、三方切替流量制御弁FCVを介して水素リッチアンモニア燃焼バーナ24に供給され、水素リッチアンモニアHRAにおける水素の助燃作用で燃焼室20内において燃焼して火炎FLMを形成する。また、必要に応じて、バルブV1を開弁して、水素リッチアンモニアHRAの一部を水素リッチアンモニア供給ライン67aを介して取り出してボイラ外部の熱機器で利用しても良い。一方、アンモニア抽出アウトレット57から吐出されたアンモニアの残部は、アンモニア供給ライン68を経由してアンモニア開閉弁70を介してアンモニア噴射ノズル72から下流側煙室42内に噴霧されて燃焼排ガスEGと混合される。煙突46の上流側において下流側煙室42には公知の脱硝装置74が収納されていて、脱硝装置74において窒素酸化物NOxはアンモニアにより還元されて窒素と水とに無害化される。
図1において、蒸気抽出管34にはパージガス供給ライン80が設けられ、パージガス供給ライン80にパージガス供給制御弁82が設けられる。パージガス供給ライン80は逆止弁84を介して加水分解部52の噴射装置58に接続され、後述のように、水素リッチアンモニア生成リアクタ40への尿素水の供給が遮断されたときに、パージガス供給制御弁82が開弁して蒸気抽出管34から蒸気をパージガスとして水素リッチアンモニア生成リアクタ40に導入する。この結果、水素リッチアンモニア生成リアクタ40に残留する未反応尿素と残留ガスが水素リッチアンモニア供給ライン67を経由して水素リッチアンモニア燃焼バーナ24に送られ、炉筒24内で燃焼させられる。
水素リッチアンモニア生成リアクタ40の温度を検出するための温度センサ90がステンレスチューブST2の下流側端部に設置され、上流側煙室41内の温度を検出するための温度センサ91が設置され、蒸気抽出管34には蒸気圧を検出するための蒸気圧センサ92が設置され、煙突46にはNOxセンサ94が設置され、これらセンサからの検出信号がパラメータ信号としてコントローラ100に送られる。入力装置102からは、ボイラの始動・停止時間、尿素水供給用のポンプ起動・停止時間、水素リッチアンモニア燃焼バーナ24に供給される化石燃料と水素リッチアンモニアとの流量比制御パターン及びパージガスの供給開始・停止時間等の各種設定信号がコントローラ100に入力される。コントローラ100は、各センサから供給されたパラメータ信号と入力装置102から入力された設定信号に応じて次世代カーボンフリーボイラ10の運転を制御する。
以上の構成の次世代カーボンフリーボイラ10において、起動時にコントローラ100からの始動信号S1,S2が出力されると、化石燃料供給ポンプPoとブロワ28が起動され、同時に、着火装置(図示せず)が導通され、水素リッチアンモニア燃焼バーナ24によって化石燃料と燃焼用空気との混合気が着火される。すると、燃焼室20a内には火炎FLMが形成されて燃焼ガスCGが発生する。この燃焼ガスCGの一部はバッフル部材19の第1グループの細孔19aを通過して上流側煙室41に流入して水素リッチアンモニア生成リアクタ40を加熱する。加熱した後の燃焼ガスCGはコイル状のステンレスチューブST1,ST2の隙間SPを通過してバッフル部材19の第2グループの細孔19bから流出して煙管44に流入する。燃焼ガスCGの大部分はバッフル部材19に衝突した後、複数の煙管44内を流れて下流側煙室42に流入する。このように、複数の煙管44内を流れる燃焼ガスCGの熱エネルギーによってボイラ本体12内のボイラ水が加熱されて蒸気が生成する。蒸気は蒸気抽出管34を経て各利用機器に供給される。
温度センサ90からの温度信号が水素リッチアンモニア生成リアクタ40の作動可能温度、例えば、400℃に相当する値に達した時に、コントローラ100から水素リッチアンモニア生成リアクタ40の作動開始のための指令信号S3が出力される。これら指令信号に応答して、ポンプP1が起動され、尿素水供給タンク61から尿素水が逆止弁60を経て供給され、噴射装置58から加水分解部52の上流側端部に噴霧状に噴射される。図2より明らかなように、噴霧状の尿素水はコイル状ステンレスチューブST1内部において複数の伝熱体64と衝突・加熱されて蒸気となり、乱流発生通路62を通過しながら乱流を発生し、順次、複数の伝熱体64と衝突・加熱されながら下流側に進行して加水分解されてアンモニアとなる。アンモニアの一部は流量制限部材56によって流量が制限されながらアンモニア分解部54に導入される。一方、アンモニアの残部はアンモニア抽出アウアトレット57及びアンモニア抽出ライン59に案内され、逆止弁69を介して水素リッチガスHRGと混合されて水素リッチアンモニア供給ライン67に給送される。
アンモニア分解部54に導入されたアンモニアの一部はコイル状ステンレスチューブST2の内部に充填されたアンモニア分解ペレット66に接触して分解され、窒素と水素に転化されて窒素リッチガスHRGとなる。窒素リッチガスHRGは水素リッチガスアウトレット65から吐出してアンモニア抽出ライン59から給送されたアンモニアと混合されて水素リッチアンモニアとなる。この水素リッチアンモニアは水素リッチアンモニア供給ライン67を経由して三方切替流量制御弁FCVを介して水素リッチアンモニア燃焼バーナ24に供給される。
次世代カーボンフリーボイラ10の起動時には、コントローラ100からの起動指令信号S4に従って三方切替流量制御弁FCVは化石燃料タンク25からの化石燃料の流量を最大にする一方、水素リッチアンモニアの流量を最小限度に制限する。次世代カーボンフリーボイラ10の起動完了後には、化石燃料タンク25からの化石燃料の流量を最小(又はゼロ)にする一方、水素リッチアンモニアの流量を最大にして温暖化ガスの排出量を抑制すると共に次世代カーボンフリーボイラ10のランニングコストの低減を図る。
次世代カーボンフリーボイラ10の運転中において、煙突46から排出される排ガスのNOx値が所定置を超えたときは、NOxセンサ94から出力された検出信号に応答して、コントローラ100からNOx還元指令信号S5が出力される。NOx還元指令信号S5に応答して、アンモニア開閉弁70が開弁する。このとき、アンモニア抽出ライン59に吐出したアンモニアはアンモニア供給ライン68を介してアンモニア噴射ノズル72に供給され、下流側煙室42の燃焼排ガス中EGに噴射され、脱硝触媒装置74上でアンモニアがNOxを還元して無害化する。
次世代カーボンフリーボイラ10の停止時には、コントローラ100からボイラ停止信号S6が出力される。ボイラ停止信号S6が出力されると、ポンプP1が停止される。このとき、コントローラ100からパージ指令信号S7ga出力され、パージガス供給制御弁82が開弁する。この時、蒸気抽出管34の蒸気がパージガスとして逆止弁84を経て水素リッチアンモニア生成リアクタ40内に導入され、未反応尿素及びアンモニア並びに水素リッチガス等の残留ガスがパージされ、パージガスは水素リッチアンモニア供給ライン67及び三方切替流量制御弁FCVを介して水素リッチアンモニア燃焼バーナ24から燃焼室20aに噴射される。このとき、化石燃料タンク25の化石燃料は三方切替流量制御弁FCVを介して水素リッチアンモニア燃焼バーナ24から噴射されてパージガスと共に燃焼される。
次に、本発明の第2実施例による次世代カーボンフリーボイラ10Aについて図3に基づき説明する。第2実施例による次世代カーボンフリーボイラ10Aは還流型ボイラに適用したものとして説明するが本発明はこの種のボイラに限定されるものではない。第1実施例の次世代カーボンフリーボイラ10と同一又は類似の構成部品については同一又は類似の符号を用いる。
図3において、次世代カーボンフリーボイラ10Aは、円筒状ハウジング14からなるボイラ本体12Aを備える。ボイラ本体12Aは、円筒状ハウジング14の上下方向に配置された上部管寄せ150と下部管寄せ152と、上部管寄せ150及び下部管寄せ152との間で小径のリング状に配列された第一水管列154と、上部管寄せ150及び下部管寄せ152との間で大径のリング状に配列された第二水管列156とを備える。上部管寄せ150及び下部管寄せ152との間にはセパレータ158が連結され、セパレータ158には蒸気抽出管34が接続され、蒸気抽出管34には蒸気圧センサ92とパージガス供給制御弁82が設けられる。
ボイラ本体12Aには、上部管寄せ150の中央部を延びるように設置された水素リッチアンモニア燃焼バーナ24と、水素リッチアンモニア燃焼バーナ24に燃焼用空気を供給するためのブロワ28とを有する。環状に配列された第一水管列154の中心部において、そのほぼ軸線方向に延びるように、燃焼室20Aが形成される。燃焼室20Aの中間部から底部領域において、水素リッチアンモニア生成リアクタ40Aが設置される。
水素リッチアンモニア生成リアクタ40Aの上方には円錐状のバッフル部材19Aが一体に取り付けられている。バッフル部材19Aは水素リッチアンモニア燃焼バーナ24による火炎が発生した際に、火炎による燃焼ガスCGAの流れを下部管寄せ152側に向けて径方向に拡大しながら流動させ、第一水管列154と第二水管列156に対して燃焼ガスの接触領域を拡大してこれらの加熱効率を向上させている。各水管154a,156aは、燃焼ガスCGAの加熱領域内に位置する。燃焼ガCGAは、各水管154a,156aの隙間160を通過する際に各水管154a,156a内部のボイラ水との間で熱交換を行う。そして、燃焼ガスCGAは第二水管列156に到達する間に水素リッチアンモニア生成リアクタ40Aも加熱しながら、燃焼反応をほぼ終了して高温ガスとなり、第二隙間162を通って煙突46へ流入する。
図3に示された水素リッチアンモニア生成リアクタ40Aは図2に示された水素リッチアンモニア生成リアクタ40と同様に、加水分解部52と、アンモニア分解部54と、流量制限部56とを備え、水素リッチアンモニア生成リアクタ40と全く同一の作用をするため、詳細な説明を省略する。なお、図3に示されたアンモニア噴射ノズル72も図1に示されたものと全く同一の作用をするため、詳細な説明を省略する。
上記構成の第2実施例の次世代カーボンフリーボイラ10Aは、バッフル部材19Aが燃焼ガスCGAをボイラ本体12Aの径方向に拡大して第一水管列154と第二水管列156の方向に流動させる他は、第1実施例の次世代カーボンフリーボイラ10と全く同様な作用をし、水素リッチアンモニア生成器40も同様な作用を行うため、詳細な説明を省略する。
以上の説明において、次世代カーボンフリーボイラは炉筒煙管ボイラ及び多管式貫流ボイラに適用したものとして例示したが、本発明は、これら型式のボイラに限定されるものではなく、例えば、複数の水素リッチアンモニア燃焼バーナを装着した燃焼室と、燃焼ガスの下流側に過熱器、蒸発器、節炭器等からなるボイラ本体を配置した大型の火炉を備えた火力発電用のボイラシステムにも適用可能である。
上述の実施例において、水素リッチアンモニア燃焼バーナは単一の水素リッチアンモニア燃焼バーナノズルを備えたものとして説明したが、水素リッチアンモニア燃焼バーナを化石燃料燃焼バーナノズルと水素リッチアンモニア燃焼バーナノズルとにそれぞれ独立した構成、或いは、水素リッチアンモニア燃焼バーナを化石燃料燃焼バーナノズルと水素リッチアンモニア燃焼バーナノズルとを有する予混合ノズルにおいてこれら2つの燃料をスワーラで予混合してから燃焼させる構成を採用しても良い。この変形例では、3方向切替流量制御弁をそれぞれの燃料の流量を制御可能な個別の流量制御弁にしても良い。
12 ボイラ本体、14 円筒状ハウジング、19,19A バッフル部材、20 円筒状炉筒、24 水素リッチアンモニア燃焼バーナ、25 化石燃料タンク、28 ブロワー、34 蒸気抽出管、40,40A 水素リッチアンモニア生成リアクタ、41 上流側煙室、42 下流側煙室、44 煙管、52 加水分解部、54 アンモニア分解部、56 流量制限部材、61 尿素水タンク、62 固形状伝熱体、66 アンモニア分解触媒、100 コントローラ

Claims (5)

  1. 燃焼室を有するボイラ本体と、前記燃焼室に火炎による燃焼ガスを発生させる水素リッチアンモニア燃焼バーナと、尿素水を供給する尿素水供給源と、前記尿素水供給源に接続されて前記燃焼ガスの流路に設置され、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として前記尿素水を加水分解することにより高温アンモニアガスを生成するとともに前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記アンモニアの一部を分解して高温水素リッチガスを生成する水素リッチアンモニア生成リアクタとを備え前記水素リッチアンモニア生成リアクタが、前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として加熱される伝熱部材と、前記伝熱部材に配置されていて前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記尿素水を加水分解する加水分解部と、前記伝熱部材に配置されていて前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記高温アンモニアガスの一部を分解して前記高温水素リッチガスを生成するアンモニア分解部とを備え、前記高温アンモニアガスの残部と前記高温水素リッチガスとの混合ガスからなる高温水素リッチアンモニアと燃焼用空気とを前記水素リッチアンモニア燃焼バーナで燃焼させて蒸気を生成することを特徴とする次世代カーボンフリーボイラ。
  2. 前記加水分解部が、前記伝熱部材に配置されていて複数の乱流発生通路を形成する複数の固形状伝熱体を備えることを特徴とする請求項記載の次世代カーボンフリーボイラ。
  3. 前記ボイラ本体で生成された蒸気を導入する蒸気抽出管と、前記蒸気抽出管と前記水素リッチアンモニア生成リアクタとの間に設置されたパージガス供給ラインと、前記パージガス供給ラインに設置されたパージガス供給制御弁とを備え、前記水素リッチアンモニア生成リアクタへの前記尿素水の供給が遮断されたときに前記パージガス供給制御弁が前記蒸気抽出管から前記蒸気の一部をパージガスとして前記水素リッチアンモニア生成リアクタに導入することで前記水素リッチアンモニア生成リアクタに残留する未反応尿素と残留ガスとを排出することを特徴とする請求項1又は2記載の次世代カーボンフリーボイラ。
  4. 火炎による燃焼ガスを発生させるための水素リッチアンモニア燃焼バーナをボイラ本体の燃焼室に設置し、前記燃焼ガスの流路に水素リッチアンモニア生成リアクタを設置して前記燃焼ガスの熱エネルギーの一部を熱源として前記水素リッチアンモニア生成リアクタを加熱し、前記水素リッチアンモニア生成リアクタに尿素水を供給して加水分解することにより高温アンモニアガスを生成し、前記燃焼ガスの熱エネルギーの存在下で前記高温アンモニアガスの一部を分解して窒素と水素からなる高温水素リッチガスを生成し、前記高温アンモニアガスの残部と前記高温水素リッチガスとの混合ガスからなる高温水素リッチアンモニアと燃焼用空気とを前記水素リッチアンモニア燃焼バーナで燃焼させて蒸気を生成し、前記水素リッチアンモニア生成リアクタへの前記尿素水の供給が遮断されたときに前記蒸気の一部をパージガスとして前記水素リッチアンモニア生成リアクタに導入しで前記水素リッチアンモニア生成リアクタに残留する未反応尿素と残留ガスとを排出することを特徴とする次世代カーボンフリーボイラの運転方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の次世代カーボンフリーボイラおよび請求項記載の次世代カーボンフリーボイラの運転方法に利用される尿素水であって、前記尿素水が、尿素と、水と、アルカリ金属の水酸化物,炭酸塩及び珪酸塩からなる群から選ばれる1種以上を主成分とするアルカリ触媒溶液とを含むことを特徴とする尿素水。
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