JP5324495B2 - コンテンツ事前配信方法、システムおよび装置 - Google Patents

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Description

この発明は、周期的に、配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対して、人気の高いコンテンツをブロードキャストにより事前配信するコンテンツ事前配信方法、システムおよび装置に関するものである。
多くのISP(インターネットサービスプロバイダ)は、自身のネットワークサービスを差別化するキラーサービスとしてビデオ・オン・デマンドサービス(VoDサービス)を位置付けており、映画やTVドラマなど、コンテンツ制作会社が制作した高品質の動画コンテンツ(リッチコンテンツ)を配信するVoDサービスの普及に力を入れている。
一般に、動画コンテンツの視聴は夜間に集中する傾向があり、一日の周期で大きく変動する。ISPが収益を向上させユーザに対して安価にVoDサービスを提供するためには、ピーク時のサーバ負荷低減が大きな課題である。また、リッチコンテンツは大容量であるため、配信によって生じるトラヒックがネットワーク(NW)に与える影響を抑えることも重要である。ピーク時のサーバ負荷低減法として様々なものが検討され実用化されているが、主にMC配信(マルチキャスト配信)とP2P(Peer to Peer)型配信に分類できる。
MC配信は、同一のコンテンツを要求した複数のユーザに対して、MC配信ツリーを用いて単一の配信セッションで配信するもので、ユーザ集約度の向上に比例してサーバ負荷の低減が期待できる。しかし、ユーザ集約度を上げるためには、配信要求に対して即時に配信を開始せず、配信を待ち合わせる必要がある。そのため、配信の即時性が損なわれ、ユーザが配信を要求してから実際に配信が開始されるまでの待ち時間が増加し、サービス品質が劣化する。
一方、BitTorrent(登録商標)等、ユーザ間で保有するコンテンツを交換することでコンテンツ配信を実現するP2P型配信システムが広く普及している。従来は、UGC(User Generated Contents)の交換を目的に利用されてきたが、近年、リッチコンテンツを配信する手段としてもP2P配信技術が用いられている。しかし、ユーザは配信途中でシステムから退去する可能性があり、他のピアに接続先を切り替える等の配信継続のための方策を用いる必要がある。また、MC配信に対しても言えるが、再生,停止などのVCR操作をサポートするためには、配信セッションを動的に切り替える複雑な処理が必要となる。
ところで、アクセス回線のダウンリンク容量の増加は目覚ましく、リッチコンテンツの再生レートと比較しても十分に大きな帯域が利用できる環境が一般的になりつつある。そのため、ユーザの配信要求に対してオンデマンドで配信サーバより配信を行う通常の配信に加え、未使用の伝送容量を活用し、ユーザの配信要求とは無関係にコンテンツを常時配信し、ユーザ宅内に設置されているSTB(セットトップボックス)に蓄積することが有効である。このユーザの配信要求とは無関係に行うコンテンツの配信を事前配信と呼んでいる。
すなわち、ユーザの配信要求時、事前配信によって要求コンテンツが既にSTBに蓄積されている場合、配信サーバからの配信を回避でき、配信サーバやNWのピーク時の負荷を低減することが可能となる。さらに、ユーザの配信要求とは無関係にSTBに対して配信を行う場合、ISPが自由に配信コンテンツや配信のタイミングを設定できるため、全ユーザに対して同一のコンテンツをBC配信(ブロードキャスト配信)することで、事前配信が配信サーバやNWに与える負荷を抑えることができる。
そこで、発明者らはVoDサービスにおける配信方式として、非特許文献1に示されているようなBC事前配信方式を提案した。このBC事前配信方式は、P2P型配信とは異なり、STBにキャッシュされたコンテンツは各STBを保有するユーザのみが視聴するため、ユーザにコンテンツを他ユーザにアップロードさせるインセンティブを与える必要がなく、また事前配信コンテンツを視聴する際にはNWにトラヒックが発生しないため、ピーク時のサーバ負荷に加えてNW負荷の低減も期待できる。さらに、VCR操作に対しても容易に対応できる。
このBC事前配信方式において、配信システムは、ISPが用意する配信サーバと配信NW、そしてSTBとTV等の動画視聴装置を有する複数のユーザ側装置から構成される。配信サーバには提供するM個の全コンテンツが蓄積されている。配信サーバは、ユーザからの配信要求に対して、即時に要求コンテンツをユニキャスト配信する。ユーザ側装置では、配信されたコンテンツをSTBに蓄積しつつ、再生する。また、オンデマンドのユニキャスト配信に加えて、配信サーバは常時、コンテンツを事前配信し、STBは受信したコンテンツを常時蓄積する。ユーザの配信要求とは無関係に、配信サーバは、第n日目の開始時点(午前0時)において、第n日目に事前配信するコンテンツをスケジューリングする。また、事前配信において、同一のコンテンツを全ユーザにブロードキャストすることで、配信サーバやNWに与える影響を軽減する。
ユーザは、視聴したいコンテンツが既に事前配信され自身のSTBに存在する場合には、配信サーバに要求することなく視聴できる。そのため、新たにNWにトラヒックが発生せず、また任意のVCR操作に容易に対応することができる。そのため、人気が高いコンテンツ(高人気のコンテンツ)をBC事前配信することで、配信サーバとNWの負荷を大きく低減できる。一般に著作権保護の観点から、STBに蓄積されたコンテンツには再生可能な期間(L日)が設定されることから、コンテンツをSTBに配信後、配信日を含めてL日が経過した午前0時に消去する。
VoDサービス用に確保されたアクセス回線のダウンリンク容量をAd(bps)、コンテンツの再生レートをR(bps)とする。配信サーバからユニキャストで配信する際にはRで配信し、BC配信の配信レートRb(bps)は正の実数パラメタγに対してRb=γRに設定する。各ユーザに対してユニキャスト配信の伝送帯域を確保するためには、γR≦(Ad−R)を満たす必要がある。また、BC事前配信は、1日を1周期として行われ、この1周期中にBC事前配信することが可能なコンテンツ数の平均値XはX=24×3600γ/Sとなるため(Sはコンテンツの平均長(秒))、γ=(Ad−R)/Rに設定することでXを最大化する。
第n日目の24時間に発生したコンテンツmに対する配信要求の集合をQm,nとし、配信要求qの視聴時間をtq(秒)とするとき、第n日目におけるコンテンツmに対する総ダウンロード時間(TDLT:totaldownloadtime)Dm,n(秒)は、
Figure 0005324495
となるが、Dm,nが大きなコンテンツを優先的に第n日目においてBC事前配信するほど、第n日目において配信サーバ負荷が低減される。第n日目の開始時点において設定された配信スケジューリングにより、第n日目の24時間にBC事前配信されるコンテンツが決定されるが、これらコンテンツは第n日目から第(n+L−1)日目のL日間、STBに存在する。そのため、これらL日間にわたるDm,nの総和が大きなコンテンツを、第n日目の配信スケジューリングにおいて優先的に選択することが望ましい。
しかし、n日目の開始時点において、i≧nのDm,iを得ることはできないため、Dm,nを推定する必要がある。ここでは、前日のTDLT(Dm,n-1)の大きなコンテンツを第n日目にBC事前配信する。すなわち、Dm,n-1を第n日目の推定値D'm,nとして用いる。ただし、第n−L日から第n−1日においてBC事前配信されたコンテンツは第n日目においてSTBにキャッシュされているため、第(n−L)〜(n−1)日にBC事前配信されたものを除いたコンテンツを対象にD'm,nの降順にBC事前配信コンテンツを空き時間がある限り選択する。また、コンテンツmの長さSm(秒)に対してコンテンツの配信順序をD'm,n/Smの降順に設定する。
"VoDサービスにおけるブロードキャスト事前配信"、信学技報NS2009−1563.
しかしながら、BC事前配信はSTBに大容量のストレージを必要とし、事前配信されたコンテンツが実際に視聴される割合が低いという問題がある。チャイナ・テレコム(China Telecom)の「PowerInfo VoDシステム」のアクセスログデータを用いた評価では、BC事前配信されたコンテンツの中でユーザが実際に視聴した割合は、L=3の場合で0.39%程度、L=7の場合で0.51%程度と低く、また各STBにはL=3の場合で2.1Tbyteの、L=7の場合で4.8Tbyteの大容量のストレージが必要となる。
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、STBの必要ストレージ量を削減するとともに、事前配信されたコンテンツの実際に視聴される割合を高めることができるコンテンツ事前配信方法、システムおよび装置を提供することにある。
このような目的を達成するために本発明は、所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信方法(システム、装置)において、事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXとし、この事前配信コンテンツ数Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制するようにしたものである。
この発明によれば、事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数が、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制される。すなわち、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数Xのコンテンツが事前配信されるのではなく、最大値Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値を上限として、それ以下の高人気のコンテンツが事前配信される。これにより、事前配信されるコンテンツの数が抑制され、STBの必要ストレージ量が削減される。また、事前配信されるコンテンツは、少数でかつ高人気のコンテンツであることから、実際に視聴される割合も高まる。
また、本発明は、所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信方法(システム、装置)において、事前配信の1周期毎にユーザをコンテンツの視聴傾向が近い複数のクラスタに分類し、この分類されたクラスタ毎に、事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXcとし、この事前配信コンテンツ数Xcに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制するようにしたものである。
この発明によれば、事前配信の1周期毎に、ユーザがクラスタリングされ、コンテンツの視聴傾向が近い複数のクラスタに分類される。そして、この分類されたクラスタ毎に、事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数が、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数Xcに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制される。例えば、分類されたクラスタをクラスタ1,2、クラスタ1,2の事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数XcをX1,X2とした場合、この最大値X1,X2のコンテンツがクラスタ1,2のユーザ群に対して事前配信されるのではなく、最大値X1,X2に所定所定比率r(0<r<1)を乗じた値を上限として、それ以下の高人気のコンテンツがクラスタ1,2のユーザ群に対して事前配信されるものとなる。これにより、事前配信されるコンテンツの数が抑制され、STBの必要ストレージ量が削減される。また、事前配信されるコンテンツは、各クラスタのユーザ群毎に、少数でかつ高人気のコンテンツであることから、実際に視聴される割合も高まる。
本発明によれば、事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXとし、この事前配信コンテンツ数Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制するようにしたので、また、事前配信の1周期毎にユーザをコンテンツの視聴傾向が近い複数のクラスタに分類し、この分類されたクラスタ毎に、事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXcとし、この事前配信コンテンツ数Xcに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制するようにしたので、STBの必要ストレージ量を削減するとともに、事前配信されたコンテンツの実際に視聴される割合を高めることができるようになる。
本発明に係るコンテンツ事前配信方法を適用したシステムの一実施の形態の要部を示す図である。 このコンテンツ事前配信システムにおける配信サーバでの処理を示すフローチャートである。 このコンテンツ事前配信システムにおけるユーザ側装置での処理を示すフローチャートである。 このコンテンツ事前配信システムにおけるユーザクラスタ設計部での処理を示すフローチャートである。 このコンテンツ事前配信システムにおける配信スケジュール設計部での処理を示すフローチャートである。 このコンテンツ事前配信システムにおける即時ユニキャスト配信およびBC事前配信が行われる様子を示すシーケンス図である。 上位x個のコンテンツの平均TDLTおよびKとVの削減効果を説明に供する図である。 MC配信とP2P配信を用いた場合のKとVをまためた図である。 配信抑制を行った場合のBC事前配信におけるZ,K,Vの値をLおよびrの値に対してまとめた図である。 キャッシュヒット率とユーザコンテンツ視聴傾向に関する特性を説明に供する図である。 クラスタリングを行った場合のK,V,ξ,ηを各クラスタの値に対してまとめた図である。 C=2における時系列特性を示す図である。 第100日目の各クラスタの重心および各コンテンツの視聴率をプロットした図である。 第100日目の各クラスタのユーザ数をプロットした図である。 クラスタ数に対するキャッシュヒット率をプロットした図である。 前日の上位x個のコンテンツを選択した場合の効果を説明に供する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るコンテンツ事前配信方法を適用したシステムの一実施の形態の要部を示す図である。
図1において、101は配信サーバ、102はユーザ側装置、103はユーザクラスタ設計部、104は配信スケジュール設計部、105はNW(ネットワーク)であり、106は配信サーバ101,ユーザクラスタ設計部103および配信スケジュール設計部104を構成要素とするコンテンツ事前配信装置である。
ユーザ側装置102は、個々のユーザ宅内に設けられた動画視聴用の装置であり、コンテンツ受信装置としてSTBを有している。コンテンツ事前配信装置106は、プロセッサや記憶装置からなるハードウェアと、これらのハードウェアと協働してコンテンツ事前配信装置としての各種機能を実現させるプログラムとによって実現される。
このシステムにおいて、ユーザは、視聴したいコンテンツがユーザ側装置102のSTB内に事前配信されている場合には、ローカルにキャッシュされたコンテンツを再生することで視聴する。視聴したいコンテンツがユーザ側装置102のSTB内に存在しない場合には、配信サーバ101に対して配信を要求し、配信要求を受けた配信サーバ101は直ちにユニキャストで要求元のユーザのユーザ側装置102に対して要求されたコンテンツを配信する。
また、配信サーバ101は、コンテンツごとに総ダウンロード時間(TDLT)を計測する。ユーザクラスタ設計部103は、一日の開始時点(午前0時)において、各ユーザが過去Tc日間に視聴したコンテンツに基づきユーザをC個のクラスタに分類し、生成したクラスタを配信スケジュール設計部104に通知する。
配信スケジュール設計部104は、各クラスタを対象に翌日の各コンテンツのTDLTを推測し、推測結果に基づき、各クラスタのBC事前配信のスケジュールを設計する。配信サーバ101は、設計された各クラスタのBC事前配信スケジュールに基づき、午前0時から24r時間(rについては後述する)、各クラスタのユーザ群のユーザ側装置102に対してコンテンツをブロードキャストする。
図2に、配信サーバ101の処理フローを示す。配信サーバ101は配信要求に対する即時ユニキャスト配信(図2(a))と、BC事前配信(図2(b))の両方を行う。
即時ユニキャスト配信は、ユーザからの配信要求に対して(ステップS101)、要求されたコンテンツを直ちにユニキャストで配信する(ステップS102)。そして、ユーザのアクセスログを記録する(ステップS103)。
BC事前配信は、配信スケジュール設計部104が設計した各クラスタの配信スケジュールに従い(ステップS201)、次にBC事前配信する各クラスタのコンテンツを選択し(ステップS202)、各クラスタのユーザ群に対してBC事前配信を行う(ステップS203)。BC事前配信は、各日の開始時点からBC事前配信期間が経過した時点で終了する(ステップS204のYES)。
図3に、ユーザ側装置102の処理フローを示す。コンテンツの視聴要求が生じた際には(ステップS301)、まず、そのコンテンツが既にBC事前配信されSTBに存在するかを調べる(ステップS302)。STBに存在する場合には(ステップS302YES)、配信サーバ101から新たに配信を受けることなく、そのコンテンツをSTBから再生する(ステップS303)。そして、アクセスログを配信サーバ101に通知する(ステップS304)。STBに存在しない場合には(ステップS302のNO)、配信サーバ101に配信要求を通知し(ステップS305)、配信サーバ101より即時にユニキャスト配信を受け(ステップS306)、再生する。
図4に、ユーザクラスタ設計部103の処理フローを示す。ユーザクラスタ設計部103は、一日の開始時点(午前0時)において、各ユーザが過去P日間に視聴したコンテンツの履歴をアクセスログより収集し(ステップS401)、この収集したコンテンツの視聴履歴に基づきK平均法(k-means法)を用いて、ユーザを任意に与えた個数C個のクラスタにクラスタリングする(ステップS402)。
図5に、配信スケジュール設計部104の処理フローを示す。配信スケジュール設計部104は、ユーザクラスタ設計部103が生成した各クラスタに対して、アクセスログを用いて、前日の各コンテンツに対する総視聴時間TDLTを算出し(ステップS501)、翌日の各コンテンツのTDLT推定値とする(ステップS502)。
そして、各クラスタにおけるBC事前配信コンテンツとして、TDLT値の大きな順にコンテンツを割当てる(ステップS503)。この際、配信スケジュール設計部104は、各クラスタにおけるBC事前配信コンテンツを、各クラスタのBC事前配信の1周期(1日)中に事前配信することが可能な最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXcとし、この事前配信コンテンツ数Xcに後述する所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する。また、ユーザ側のSTBに保存されているコンテンツを除く。
そして、配信スケジュール設計部104は、各クラスタのBC事前配信コンテンツに対して、TDLT推定値をコンテンツ長で除した値(配信要求数の推定値に相当)の大きな順に配信順序を設定し、各クラスタのBC事前配信スケジュールとする(ステップS504)。
図6に、このコンテンツ事前配信システムにおける即時ユニキャスト配信およびBC事前配信が行われる様子を示す。配信スケジュール設計部104は、配信サーバ101に対してBC事前配信時間TB(TB=24r時間)を設定する(矢印(1))。配信サーバ101は、ユーザ側装置102から配信要求があると(矢印(2))、即時ユニキャスト配信を行う(矢印(3))。各コンテンツの配信履歴はユーザクラスタ設計部103や配信ケジュール設計部104へ通知される(矢印(4),(5))。
ユーザクラスタ設計部103は、一日の開始時点(午前0時)において、各ユーザが過去P日間に視聴したコンテンツの履歴を収集し、その収集したコンテンツの視聴履歴に基づいてユーザをクラスタリングし、生成したクラスタを配信スケジュール設計部104へ送る(矢印(6))。
配信スケジュール設計部104は、ユーザクラスタ設計部103が生成した各クラスタのBC事前配信スケジュールを作成し、配信サーバ101へ通知する(矢印(7))。配信サーバ101は、配信スケジュール設計部104からの各クラスタのBC事前配信スケジュールに従って、各クラスタのユーザ群に対してコンテンツのBC事前配信を行う(矢印(8))。
次に、上述したBC事前配信における配信抑制とユーザクラスタリングについて、詳細を説明する。
〔配信抑制(BC事前配信コンテンツ数の抑制)〕
一般に、ユーザのコンテンツ視聴要求は少数の高人気コンテンツに集中する傾向がある。そのため、各日において常時、BC事前配信し、最大個数のコンテンツをBC事前配信するのではなく、高人気の少数のコンテンツのみをBC事前配信した場合も、配信サーバ負荷の大きな低減効果が期待される。
すなわち、各日においてBC事前配信するコンテンツを最大値Xの100r%に抑えることでSTBの必要ストレージ容量を100r%に抑えることができるが、この際の配信サーバの負荷低減効果の劣化度合いは100r%より小さいことが期待できる。このため、図6では、矢印(1)で示したように、サービス開始に先立ち、各日のBC事前配信時間TBをTB=24r時間として決定し、配信サーバ101に設定している。
次に、BC事前配信するコンテンツを意図的に少数に抑制することの効果を評価する。評価にはChina Telecomが提供する商用VoDサービス「PowerInfo VoDシステム」において収集されたアクセスログデータを用いる。本ログデータには2004年6月から12月の7ヶ月間に発生した20,921,657の全配信要求が含まれており、総コンテンツ数は6,735、総ユーザ数は37,360である。45分と90分の長さを有するコンテンツが各々、全体の約40%ずつを占めており、平均コンテンツ長Sは3,510秒である。アクセス回線のダウンリンク容量をAd=10Mbps、コンテンツの再生レートをR=2Mbpsに設定する。γ=4、BC事前配信レートはRb=8Mbps、一日あたりの平均BC事前配信コンテンツ数はX=98.46となる。BC事前配信のために常時、Rb/R=4本のユニキャスト配信に相当する負荷が配信サーバに加わる。コンテンツ配信法の有効性を測る尺度として、各日nの最大同時セッション数Knの全期間における平均値KとVで評価する。
図7(a)に、「Actual」として、各日nにおいてTDLT(Dm,n)の大きい上位x個のコンテンツのDm,nの和が、全コンテンツのDm,nの和に占める割合の、全期間における平均値をxに対してプロットした図を示す。また、図7(a)に、「Estimate」として、第n−1日のTDLT(Dm,n-1)の上位x個のコンテンツの第n日のTDLT(Dm,n)の和が、第n日の全コンテンツのDm,nの和に占める割合の平均値を同様にプロットした図を示す。
「Actual」においては、例えば個数で言うと0.16%に過ぎない上位10個のコンテンツがTDLTの18.5%を、個数で言うと0.48%に過ぎない上位30個のコンテンツがTDLTの28.9%を占めており、少数のコンテンツに視聴が集中する傾向が確認できる。実際には前日のTDLTに基づきBC事前配信コンテンツが選択されるため、BC事前配信抑制の効果は「Estimate」に相当し上位コンテンツのTDLTの集中度合いは若干、低下するが、それでも上位10個のコンテンツが15.6%を、上位30個のコンテンツが25.6%を占めており、やはり少数のコンテンツによってTDLTの多くが占められている。
各日にBC事前配信を行う時間TBをTB=24×3,600×r(秒)にした場合(BC事前配信時間を100r%に抑制)のKとVを各々、K(r)、V(r)とする。そして、これら評価尺度の相対的な改善効果ψK(r)、ψV(r)を各々、ψK(r)=(K(0)−K(r))/(K(0)−K(1))、ψV(r)=(V(0)−V(r))/(V(0)−V(1))で定義する。ただし、K(0)とV(0)は、BC事前配信を行わず全配信要求に対して配信サーバが即時にユニキャスト配信した場合のKとVである。
ψK(r)とψV(r)は各々、常時BC事前配信を行った場合(r=1)のKとVの低減量に対する、BC事前配信コンテンツ数を100r%に抑制したときのKとVの低減量の比率に相当する。r<1の際、各日におけるBC事前配信時間帯をどのように定めるかが問題であるが、配信サーバのピーク負荷を低減する観点からは、オフピーク時間帯にのみBC事前配信を行うことが有効である。ただし、全ユーザに対して同一のコンテンツをBC配信するため、BC事前配信に用いる配信セッションは少ない(本数値評価例ではRb/R=4本)ことから、BC事前配信が配信サーバに与える負荷は小さい。よって本例では、BC事前配信スケジュールの切り替え時刻である午前0時からTBの期間、BC事前配信を行う。
図7(b),(c)に、事前配信時間比率rに対してψK(r)とψV(r)を各々、コンテンツ保存期間Lの三つの値に対してプロットした図を示す。ψK(r)とψV(r)はrに対して上に凸な曲線となり、直線y=xよりも左上の領域に存在する。そのため、0<r<1の範囲でrを設定し、BC配信コンテンツ数を抑制したとき、KやVの改善効果の劣化度合いはBC事前配信時間の削減比率rよりも小さくなる。STBの必要ストレージ容量Zはrに比例することから、BC事前配信コンテンツ数を抑制することで、事前配信の性能劣化を抑えながらZを低減できる。例えば、L=7のときにr=0.5に設定した場合、Zを半減しながら約80%のKとVに対する低減効果が得られる。また、コンテンツプロバイダとの契約条件等からLが決まっている場合に、rを調整することで所望のSTBコスト要件を満たすようZを設計することが可能である。
次に、BC事前配信コンテンツ数を抑制したBC事前配信の有効性を確認するため、VoDにおける配信サーバ負荷低減方式として代表的な、MC配信とP2P配信を用いた場合と性能を比較する。
MC配信においては、ユーザの配信要求に対して待ち合わせ期間を設けることで、その間に発生した同一コンテンツに対する配信要求を一つのMC配信に集約する。ここでは、ユーザのレスポンス時間に上限値Wを設け、他に待ち中のユーザが存在しないコンテンツに対する要求が生じた時刻からW後にそのコンテンツを配信する。
また、P2P配信においては、配信要求ユーザに対して要求コンテンツを視聴中の他のユーザから配信する。ここでは、理想的な環境を想定し、各ユーザがコンテンツmに対する配信を要求した際、コンテンツmの配信を受けているユーザ数とアクセス回線のアップロード容量Auの積が、他のピアから配信を受けているユーザ数+1と再生レートRとの積よりも大きい場合にピアから配信を受け、そうでない場合には配信サーバから配信する。また、ユーザが配信を終了した際に本条件が満たされなくなる場合には、ピアから配信を受けているユーザの中で配信終了までの残り時間が最小のピアへの配信を配信サーバからに切り替える。
図8に、二つの比較方式を用いた場合のKとV(107秒)をまとめた図を示す。図8(a)に示されるように、MC配信においては待ち合わせ期間長W(秒)の増加に伴いKとVは低減するが、ユーザの平均レスポンス時間w(秒)は悪化する。また、図8(b)に示されるように、P2P配信においてはAuの増加に伴いKとVは低減するが、AuがAdに近づくと性能改善は頭打ちとなる。今回の評価ではAuが5Mbps以上になると性能改善が見られなかった。
また、図9に、配信抑制を行った場合のBC事前配信におけるZ(Gbyte)、K、V(107)の値を各々、Lの3つの値とrの6つの値に対してまとめた図を示す。現在でも1Tbyteの容量のHDレコーダーを4万円程度で購入することが可能であり、今後もストレージコストの低減は続くことが予想される。例えば、L=7のとき、r=0.2に設定することでZを1Tbyte程度に抑えられるが、KとVの観点からはWがおおよそ5分程度のMC配信と、またAuが2Mbps程度のP2P配信と同等の性能を達成することが可能である。一方、二つの比較方式では問題である、VCR操作に対する対処、品質の不安定性、ユーザ離脱への対処、といった問題を全て、配信抑制を行った場合のBC事前配信では解決することができる。
〔ユーザクラスタリング〕
ユーザの好みは多様であることから、多数のユーザが視聴する人気コンテンツではなく、低人気の特定のジャンルのコンテンツを好んで視聴するユーザも存在することが予想される。そのため、コンテンツの視聴傾向が近いユーザをクラスタリングし、クラスタごとにTDLTの大きなコンテンツをBC事前配信することで、事前配信されたコンテンツの実際に視聴される割合(事前配信コンテンツの利用率)ηを向上させ、KやVのさらなる低減が期待される。
図10(a)に、各ユーザuのキャッシュヒット率(CHR)ξuの累積分布をLの3つの値に対して示した図を示す。ただし、ξuをユーザuの全視聴要求に対するTDLTの中で、BC事前配信されたコンテンツによって対応できたものの割合で定義する。この値が大きいほどKとVの低減効果が大きくなる。全ユーザを対象に算出した平均キャッシュヒット率は0.281(L=1)、0.404(L=2)、0.642(L=7)となるが、ユーザごとのξuの差異は大きく、ξuの小さなユーザが多数存在することが確認できる。全ユーザを対象としたTDLTが大きなコンテンツがBC事前配信されるため、これらξuの小さいユーザのコンテンツ視聴傾向は全ユーザの視聴傾向とは大きく異なることが予想される。
図10(b)にL=1とした場合の、各ユーザuの全期間におけるTDLT(Du)をξuに対してプロットした図を示す。Duが大きなヘビーユーザは多数のコンテンツを視聴するため、BC事前配信される高人気コンテンツだけでなくBC事前配信されない低人気コンテンツをも多く視聴する結果、ξuは0.2〜0.4の比較的に小さな値の範囲に集中している。一方、Duが小〜中程度の一般ユーザは視聴コンテンツの傾向がユーザごとに大きく異なる結果、ユーザごとのξuのばらつきが大きくなりξuが0もしくは1となる極端な視聴傾向を示すユーザも多数、存在することが確認できる。ユーザuの第n日目における各視聴コンテンツmの相対TDLT(Δu,m,n)を、ユーザuが第n日目にコンテンツmを視聴した時間をユーザuの第n日目のTDLTで除した値で定義する。
図10(b)に示したDuが同程度の二人のユーザA、Bを対象に、Δu,m,nを各日nの全ユーザのコンテンツmに対するTDLT(Dm,n)の降順にプロットした図を図10(c)に示す。ξuが大きいユーザAは、Dm,nが大きく高人気であるためBC事前配信されるコンテンツを主に視聴している。一方、ξuが小さいユーザBは、Dm,nが小さく低人気であるためBC事前配信されないニッチなコンテンツを主に視聴している。このように、Duが同程度のユーザであっても視聴コンテンツの傾向が大きく異なる場合があり、ユーザBのような、視聴コンテンツの傾向が多数のユーザとは異なるユーザのξuを、ユーザ集合のクラスタリングにより向上できる可能性がある。
BC事前配信スケジューリング時に、ユーザ集合をコンテンツの視聴傾向に基づき複数のクラスタに分類することを考える。すなわち、図4に示すように、ユーザのアクセスログを用いて各ユーザの視聴コンテンツの履歴情報から、ユーザを複数のクラスタに分類する。クラスタリング処理は、図6に示すように、各日の終了時に翌日のBC事前配信のために用いるクラスタを生成するために実施される。本例では、分割最適化クラスタリングの代表的手法であるk-means法を用いてユーザ集合をクラスタリングする。J個のデータxi,1,xi,2,・・・,xi,Jを有するクラスタリング対象xiがI個存在するとき、k-means法は各クラスタcの重心mc={mc,1,mc,2,・・・,mc,J}と各クラスタcを構成するxiとのユークリッド距離の総和、
Figure 0005324495
が最小となるよう、これらI個の対象を任意に定めた個数C個のクラスタに分類する。ただし、Xcはクラスタcに分類されたクラスタリング対象の集合である。
以下に、k-means法のアルゴリズムを示す。
(1)クラスタリング対象をランダムにC個のクラスタに分割し、初期クラスタを生成する.
(2)各クラスタcに対して重心mc
Figure 0005324495
より算出する.
(3)全てのクラスタリング対象xiを、重心との距離
Figure 0005324495
が最小となるクラスタに割当てる.
(4)クラスタに変化がある場合は(2),(3)を繰り返すことによってクラスタの再割当てを行う.
本例では、クラスタリング対象xiを各ユーザ、クラスタリングに用いるデータ集合xi,jをユーザiがコンテンツjをある期間Tc内に視聴した場合には1を、視聴しなかった場合には0をとる2値変数とし、任意に定めたC個のクラスタに分類することを考える。反復回数を定数とみなせばk-means法の計算量はO(ICJ)となる。しかし、Viをユーザiが期間T内に視聴したコンテンツの集合、V’iをその補集合とすると、
Figure 0005324495
この(2)式において、
Figure 0005324495
はユーザxiとは無関係にクラスタcごとに定まるため、各反復において、各ユーザxiと各クラスタcに対してO(|Vi|)の計算量でδ(xi、mc)を算出できる。
図10(d)に、各ユーザが各日もしくは全期間中に視聴したコンテンツ数の累積分布をプロットした図を示すが、各日の視聴コンテンツ数の最大値は498と大きいものの、約半数のユーザは2以下、約90%のユーザは10以下と、大部分のユーザの視聴コンテンツ数は全コンテンツ数6,735と比較して遥かに小さい。同様にTcを全期間とした場合も、最大値は5,298と大きいものの、約半数のユーザは141以下、約90%のユーザは301以下と、やはり全コンテンツ数と比較して遥かに小さい。よって式(2)を用いて距離を計算することで、クラスタリングに要する時間を大幅に低減できる。
以後、本例では、L=1の場合を対象に検討を進める。BC事前配信されたコンテンツのヒット率を高め、配信サーバの負荷を低減するためには、各日の開始時点において、その日の視聴コンテンツ集合が可能な限り近いユーザを同一のクラスタに分類することが望ましい。そこで、本例ではまず、ユーザクラスタリングによるBC事前配信の性能向上の可能性を評価する目的から、第n日目の開始時点におけるクラスタリングで用いるxi,jを定める期間Tcを第n日目の1日のみとしてユーザ集合をクラスタリングする。そして生成された各クラスタcを構成する各ユーザiの、第n日目における各コンテンツjに対するTDLT(Di,j,n)を、各コンテンツjに対して足し合わせた値
Figure 0005324495
の降順に、クラスタcを構成するユーザに対してBC配信を行う。クラスタごとにBC事前配信コンテンツを選択するため、ユーザクラスタリングを行わない場合と比較して、BC事前配信のために必要なる配信セッション数がC倍となる。
図11(a)に、理想的なクラスタリングを行った場合のK,V,ξ,ηをクラスタCの7つの値(2,4,8,16,32,64,128)に対してまとめた図を示す。ただし、ξは全ユーザを対象とした平均的なキャッシュヒット率であり、全期間の全ユーザの、BC事前配信されたコンテンツを視聴したTDLTの割合で定義する。また、ηは前述したように事前配信コンテンツの利用率である。
ユニキャスト配信フローのセッション数で換算してRb/R=4C本のセッションがBC事前配信のために常時、必要となるが、Kを算出する際にはこれら4C本のセッションも加算している。比較のため、図11(a)には、クラスタリングを行わずに全ユーザに対して同一のコンテンツをBC事前配信した場合(C=1)の結果についても示している。ただし、C=1の場合も、各日の各コンテンツのTDLTの降順にBC事前配信コンテンツを選択した。
クラスタ数Cの増加に伴いKとVは減少しξとηは増加し、全ての特性は向上しており、BC事前配信におけるユーザクラスタリングの効果が確認できる。しかし、ξとηの向上度合いと比較して、KとVの向上度合いは小さい。例えばC=16のときC=1の場合と比較してξとηは約17%増加するが、Kは約2.6%、Vは約5.4%の低減に留まっている。これはユーザクラスタリングによってξとηは大きく増加する反面、各クラスタにおいて異なるコンテンツをBC配信するため、BC事前配信に要する配信セッションや転送データ量が増加することが原因である。
特に、常時4C本のセッション相当がBC事前配信のために必要となることから、Cが16程度よりも大きくなるとKはCの増加に伴い逆に悪化している。また、VもCが64程度よりも大きくなると逆に悪化する。そのため、Cを大きくする場合、ピーク時を避けてBC事前配信を行うことで配信サーバのピーク負荷を低減する必要がある。BC事前配信コンテンツ数を抑制することで、小量のSTBストレージ容量でKやVを効果的に低減することが可能であり、BC事前配信コンテンツの抑制とユーザクラスタリングを組み合わせて用いることで、さらに事前配信コンテンツの利用率を高めることができるようになる。
前述では、各日の各ユーザの視聴コンテンツに基づきユーザ集合をクラスタリングしたが、実際には第n日目の開始時点において、第n日目の各ユーザの視聴コンテンツを事前に知ることはできない。そこで、第n−1日目までに各ユーザが視聴したコンテンツの情報を用いて第n日目の開始時点におけるクラスタリングを行う必要がある。そこで、任意に定めたPに対して過去P日をクラスタリングで用いるxi,jを定める期間Tcとする。すなわち、第n−P日目から第n−1日目のP日間にユーザiが視聴したコンテンツjに対してxi,j=1に設定し、視聴していないコンテンツjに対してxi,j=0に設定する。
図12(a)(b)にC=2とし、P=10とP=∞に設定した場合の、各日において生成された各クラスタに分類されたユーザ数と、各日において所属クラスタが変わったユーザの全ユーザに対する比率の時系列を各々示す。ただし、P=∞とき、第1日目から第n日目に視聴した全コンテンツを対象にxi,jを設定した。過去の視聴コンテンツの履歴を全て考慮した場合(P=∞)、各日における各ユーザiの視聴コンテンツベクトルxiの変化量が小さくなるため、各日において所属クラスタが変化するユーザは全体の0.01%程度未満と少ない。また、直近の10日間の視聴コンテンツ履歴のみを考慮した場合(P=10)にも、クラスタ変更ユーザは全体の0.1%程度未満と少なく、Pの値とは無関係に、全期間を通して各クラスタを構成するユーザ数は大きくは変化しない。全体の約97%程度以上のユーザがクラスタ1に分類されている。
また、図12(c)に、各クラスタに分類されたユーザの各日のTDLTの平均値の時系列を示す。本特性もやはり全期間を通して大きくは変化せず、クラスタ2に分類されたユーザのTDLTは、クラスタ1のユーザのTDLTの約100倍となっている。これらの結果から、クラスタ2は少数のヘビーユーザから構成されているのに対して、クラスタ1は大多数の一般ユーザから構成されていることが確認できる。
また、図12(d)に、各日における、各クラスタを構成するユーザ集合の各コンテンツmに対するTDLTと、全ユーザのコンテンツmに対するTDLTとの相関係数の時系列を示す。ただし、Pの値による大きな差異は見られなかったので、P=10のときの結果のみ示している。両クラスタとも相関係数は0.95以上と大きく、両クラスタを構成するユーザ集合の各コンテンツに対するTDLTは、全ユーザの各コンテンツに対するTDLTと同様の傾向を示している。そのため、C=2の場合、視聴コンテンツの傾向の違いではなく、総視聴量の大小によってユーザ集合が分類されていると言える。
図13(a)に、P=10のときの第100日目において構成された各クラスタcの重心mc,jを、第100日目の全ユーザの各コンテンツjに対するTDLTの降順にプロットした図を示す。mc,jはクラスタcに分類されたユーザの中でコンテンツjを過去P日間に一度以上視聴したユーザの割合、すなわち視聴率に相当するが、両クラスタとも、各コンテンツの視聴率は人気順位の低下と共に減少している。しかし、クラスタ2はクラスタ1よりも全てのコンテンツに対する視聴率が高い。よって、C=2の場合、視聴コンテンツの傾向の違いではなく、総視聴量の大小によってクラスタが構成されることが確認できる。同様のことはCが4と8の場合にも確認された。ただし、図13(b)にC=16としたときの16のクラスタの中の4つのクラスタに対して第100日目の各コンテンツの視聴率をプロットした図を示すが、高人気の視聴率が低い反面、低人気の特定のコンテンツの視聴率が高いクラスタが出現していることが確認できる。このように、クラスタ数Cを増やした場合、視聴コンテンツの傾向の違いによってユーザ集合がクラスタ化される傾向が確認できる。
図14にCを8もしくは16にした場合の、第100日目に生成された各クラスタの構成ユーザ数を降順に、Pの4つの場合を対象にプロットした図を示す。Pのいずれの場合においても、クラスタ間で構成ユーザ数は指数関数的に減少し、クラスタ間のユーザ数格差が大きい。ただし、クラスタリングに用いる視聴コンテンツ履歴の対象期間長Pの増加に伴い、構成ユーザ数の格差は低減する。各ユーザのコンテンツ視聴履歴をより短期で見た場合、視聴履歴のユーザ間の差異が強調される結果、より視聴傾向の同質的なユーザがクラスタ化され、視聴傾向が全体のそれとは異なるより少数の特異なクラスタが形成される傾向があると言える。
まず、各日nの開始時点においてユーザをクラスタリングし、生成された各クラスタcを構成するユーザ集合Xcの第n日目の各コンテンツmのTDLTの降順に優先的に、各クラスタXcのユーザに対してBC事前配信を行った場合について評価する。このことは、各生成クラスタに対して理想的なBC事前配信コンテンツ選択を行うことを意味する。図15(a)にPの4つの場合について、全ユーザに対するキャッシュヒット率ξをクラスタ数Cに対してプロットした図を示す。図11(a)に示した理想的なクラスタリングを行った場合の結果と比較して、ξは大きく低下する。ξの低下はCの増加に伴い拡大し、例えばC=16の場合、理想的なクラスタリング時にはξ=0.360であるが、現実的な方法でクラスタリングを行った場合にはξ=0.328に低下する(P=10の場合)。しかし、この場合にも、理想的なBC事前配信コンテンツ選択を行った場合には、Cの増加に伴いξは向上し、ユーザをクラスタリングする効果が見られる。Pが性能に与える影響は小さいが、Pが小さいほどξは僅かに向上する。
実際には、第n日目の開始時点において第n日の各ユーザのTDLTを知ることはできないため、前日の各ユーザのTDLTを用いてBC事前配信コンテンツを選択する必要がある。すなわち、各n日目の開始時点において生成された各クラスタcを構成するユーザ集合Xcに含まれるユーザが、第n−1日において各コンテンツmを視聴した延べ時間の総和
Figure 0005324495
の降順に、各クラスタcを構成するユーザに対するBC事前配信コンテンツを選択する。ただし、Du,m,n-1はユーザuが第n−1日においてコンテンツmを視聴した延べ時間である。
図15(b)にPの4つの場合について、
Figure 0005324495
を用いて第n日のBC事前配信スケジューリングを行ったときのキャッシュヒット率ξをCに対してプロットした図を示す。C=2の場合にはξが僅かに向上するものの、Cが4程度より大きくなるとCの増加に伴いξは低下する。また、Pが小さなほどξの低下度合いが大きいことが確認できる。これらの理由を調べるために、
Figure 0005324495
と定義し、図16にPを10もしくは∞としたときの、Cの6つの場合について、φ(x)をxに対してプロットした図を示す。ただし、sc(m,n)は第n日目においてクラスタcを構成するユーザのTDLTが大きな順にm番目のコンテンツIDである。φ(x)は各クラスタを構成するユーザ集合の各日におけるTDLTが大きな上位x個のコンテンツの翌日のTDLTの総和が、翌日のTDLTの上位x個のコンテンツのTDLTの総和に対する割合である。φ(x)は0<φ(x)≦1の範囲の値をとり、この値が大きいほど、前日のTDLTである
Figure 0005324495
を用いて第n日目のクラスタcにおけるコンテンツmに対するTDLTを推定した場合の推定精度が高いことを意味する。
クラスタ数Cの増加に伴い、図14で見たように各クラスタを構成するユーザ数が減少する結果、xの広い領域でφ(x)が減少し、前日のTDLTを用いて翌日のTDLTを推定した場合の推定精度が劣化することが確認できる。また、図14で見たように、Pが小さいほど各クラスタの構成ユーザ数の格差が拡大し、特に小規模クラスタの構成ユーザ数が減少する。そのため、P=10の場合はP=∞の場合と比較してφ(x)の低下度合いが、特にxの小さい領域で大きい。このため、高人気コンテンツに対するTDLTの推定精度が、Pが小さい場合には特に劣化する。これらの結果、図15(b)で見たように、Cが4程度より大きくなるとCの増加に伴いξは低下し、Pが小さなほどξの低下度合いが大きくなる。
図11(b)にP=∞に設定し、前日のTDLTを用いてBC事前配信を行った場合のK,V,ξ,ηをCの6つの値(2,3,4,8,16,32)に対してまとめた図を示す。クラスタリングに用いる各ユーザの視聴コンテンツ情報の精度の劣化と、各クラスタの各コンテンツに対するTDLTの推定精度の劣化はCの増加に伴い増大するため、図11(a)に示した理想的な場合と比較して、Cが大きなほど全ての性能が大きく悪化する。C=2の場合にはC=1の場合と比較して僅かではあるが性能の改善が見られるが、Cを3以上に設定した場合、Cの増加に伴い性能は逆に悪化する。
以上のことから、BC事前配信を行う際にユーザをコンテンツの視聴履歴に基づきクラスタリングすること自体には効果が見られ、クラスタ数Cの増加に伴い配信サーバの負荷低減効果が見られるものの、BC事前配信を行うコンテンツを選択する際に前日のTDLTを用いた場合、翌日のTDLTとの誤差がCの増加に伴い増大するため、C=2程度にクラスタ数を抑えた場合にのみクラスタリングが有効となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、最大個数のコンテンツをBC事前配信するのではなく、高人気の少数のコンテンツのみをBC事前配信することで、配信サーバの負荷低減効果の低下を抑えつつ、STBの必要ストレージ量を大幅に低減することができ、また、コンテンツの視聴傾向が近いユーザをクラスタリングし、クラスタごとにBC事前配信することで、キャッシュヒット率を向上させ、配信サーバの負荷低減効果を向上させることができる効果がある。
なお、上述した実施の形態では、高人気の少数のコンテンツのみのBC事前配信(配信抑制)とコンテンツの視聴傾向が近いユーザのクラスタリング(ユーザクラスタリング)とを組み合わせるようにしたが、配信抑制のみを行うようにしてもよい。配信抑制のみを行うものとしても、事前配信されるコンテンツは、少数でかつ高人気のコンテンツであることから、キャッシュヒット率は高まるものとなる。また、STBの必要ストレージ量も削減される。
本発明のコンテンツ事前配信方法、システムおよび装置は、ユーザの配信要求に対して即時にユニキャスト配信する配信形態に加えて、配信要求とは無関係に、予め定めた配信スケジュールに従い、少数の高人気のコンテンツのみをブロードキャストにより全てのユーザに対して配信し、ユーザ宅内に設置されたSTBに事前配信することで、ピーク時の配信サーバ負荷とネットワーク負荷の低減を図るコンテンツ事前配信方法、システムおよび装置として、高品質の動画コンテンツを配信するVoDサービスなどに利用することが可能である。
101…配信サーバ、102…ユーザ側装置、103…ユーザクラスタ設計部、104…配信スケジュール設計部、105…NW(ネットワーク)、106…コンテンツ事前配信装置。

Claims (9)

  1. 所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、前記受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、前記受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に前記事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信方法において、
    前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、前記事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXとし、この事前配信コンテンツ数Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する事前配信コンテンツ数抑制ステップ
    を備えることを特徴とするコンテンツ事前配信方法。
  2. 所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、前記受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、前記受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に前記事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信方法において、
    前記事前配信の1周期毎にユーザをコンテンツの視聴傾向が近い複数のクラスタに分類するクラスタリングステップと、
    前記分類されたクラスタ毎に、前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、前記事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXcとし、この事前配信コンテンツ数Xcに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する事前配信コンテンツ数抑制ステップと
    を備えることを特徴とするコンテンツ事前配信方法。
  3. 請求項2に記載されたコンテンツ事前配信方法において、
    前記クラスタリングステップは、
    クラスタリング対象を各ユーザ、クラスタリングに用いるデータ集合をユーザがコンテンツをある期間内に視聴した場合には第1の値を、視聴しなかった場合には第2の値をとる2値変数とし、K平均法を用いて任意に定めた複数個のクラスタにユーザを分類する
    ことを特徴とするコンテンツ事前配信方法。
  4. 請求項2に記載されたコンテンツ事前配信方法において、
    前記クラスタリングステップは、
    iをユーザiが期間T内に視聴したコンテンツの集合、V'iをその補集合とするとき、各ユーザxiと各クラスタcの重心mcとの距離δ(xi,mc)を、
    Figure 0005324495
    として算出する
    ことを特徴とするコンテンツ事前配信方法。
  5. 請求項2に記載されたコンテンツ事前配信方法において、
    前記分類されたクラスタ毎に前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数は、
    前記1周期を1日とし、ユーザが第n−1日においてコンテンツを視聴した延べ時間を用いて、各n日目の開始時点において生成された各クラスタを構成するユーザ集合に含まれるユーザが、第n−1日において各コンテンツを視聴した延べ時間の総和の降順に、各クラスタを構成するユーザに対して事前配信するコンテンツとして選択されるコンテンツ数である
    ことを特徴とするコンテンツ事前配信方法。
  6. 所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、前記受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、前記受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に前記事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信システムにおいて、
    前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、前記事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXとし、この事前配信コンテンツ数Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する事前配信コンテンツ数抑制手段
    を備えることを特徴とするコンテンツ事前配信システム。
  7. 所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、前記受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、前記受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に前記事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信システムにおいて、
    前記事前配信の1周期毎にユーザをコンテンツの視聴傾向が近い複数のクラスタに分類するクラスタリング手段と、
    前記分類されたクラスタ毎に、前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、前記事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXcとし、この事前配信コンテンツ数Xcに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する事前配信コンテンツ数抑制手段と
    を備えることを特徴とするコンテンツ事前配信システム。
  8. 所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、前記受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、前記受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に前記事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信装置において、
    前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、前記事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXとし、この事前配信コンテンツ数Xに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する事前配信コンテンツ数抑制手段
    を備えることを特徴とするコンテンツ事前配信装置。
  9. 所定期間を1周期とし、前回の1周期中の実績から今回の1周期中にユーザからのオンデマンドでの配信要求が予想される高人気のコンテンツを記憶されているコンテンツの中から選択し、この選択したコンテンツを今回の1周期中に配信サーバよりネットワークを介して全てのユーザに対してブロードキャストにより事前配信して受信側の装置に蓄積させる一方、前記受信側の装置に蓄積させたコンテンツの消去タイミングをそのコンテンツの配信周期を含めて所定周期が経過した時点とし、前記受信側の装置に蓄積されている既に事前配信したコンテンツを除くコンテンツを対象に前記事前配信する高人気のコンテンツの選択を行うコンテンツ事前配信装置において、
    前記事前配信の1周期毎にユーザをコンテンツの視聴傾向が近い複数のクラスタに分類するクラスタリング手段と、
    前記分類されたクラスタ毎に、前記事前配信する高人気のコンテンツとして選択されるコンテンツ数を、前記事前配信の1周期中に事前配信することが可能なコンテンツの最大個数として設定される事前配信コンテンツ数をXcとし、この事前配信コンテンツ数Xcに所定比率r(0<r<1)を乗じた値以下のコンテンツ数に抑制する事前配信コンテンツ数抑制手段と
    を備えることを特徴とするコンテンツ事前配信装置。
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