JP5323853B2 - 血液試料解析方法、血液試料解析装置、及びプログラム - Google Patents

血液試料解析方法、血液試料解析装置、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、血液試料解析方法、血液試料解析装置、及びプログラムに関するものである。
糖尿病は爆発的に患者が増えている疾患であり、その対策が急務である。インスリンの発見依頼、糖尿病そのものでの死亡はまれになったが、併発する全身の微小血管の障害により起こる腎症、網膜症、神経症に代表される合併症が、患者のQOL(生活の質)を損なうことからその予防の検討が進められている。一方、DECORDスタディや舟形スタディでは、糖尿病発症以前であっても食後高血糖の症状があれば心臓や脳を始めとする大血管の障害が進行することが示され、食後高血糖を是正することが説かれるようになった。
糖尿病は高血糖を呈する疾患であるが、一般に症状は少なく放置されやすい。そこで検査による血糖値および血糖コントロール状態の把握が重要である。
現在、糖尿病の検査では空腹時血糖(FBS)と随時血糖が基本検査項目であるが、これらの値は食事等の影響を受けることから、頻回採血を行うなどして平均血糖を求めるか、平均血糖を反映する血糖コントロールマーカー(HbA1c:HbA1c、GA、1,5アンヒドロール(1.5-AG)等)が測定されている。HbA1cは過去2〜3ヶ月、GAは2〜4週間、1.5AGは数日の血糖コントロール状態を反映すると言われている。中でもHbA1cはDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)によりその値を7%にコントロールすると合併症の発症や進展が抑制されることが知られており、この値を何%に管理するかが現在の糖尿病治療のターゲットとなっている(例えば、非特許文献1参照)。なおGAおよび1.5AGにはHbA1cと同様なエビデンス(科学的根拠)はない。また、非特許文献1にも記載されているように、日本糖尿病学会の治療ガイドによる糖尿病治療指針では、糖尿病の治療は以下の手順で進められる。第1に、患者自身が糖尿病の病態を十分理解し、適切な食事療法と運動療法を行うように指導する。第2に、これらを2〜3ヶ月続けても尚目標の血糖コントロールを達成できない場合には、経口血糖降下薬またはインスリン製剤を用いる。血糖コントールの目標は一般には優(HbA1c=〜6.8)ないし良(HbA1c=6.9〜7.5)とすべきであり、若年者では優とすべきである。
高血糖の患者に対して、最初の2〜3ヶ月の間運動療法と食時療法を継続して施すことは、現在の糖尿病検査がHbA1cを基準として進んでいることと関係がある。つまり、前述のように過去2〜3ヶ月の血糖コントロール状態を反映するHbA1cに基づいて診断が進められる以上、2〜3ヶ月たたなければ検査に治療効果が反映されないからである。たとえば、0ヶ月と1ヶ月目のHbA1cの値から2〜6ヶ月程度先までのHbA1cの推移が予測できれば、患者にとっても医者にとっても貴重な情報となる。
GAや1.5-AGを用いて将来の測定値の推移が予測できれば、HbA1cを用いるよりもさらに早く将来の変化が予想できることが期待されるが、前述のようにGAや1.5-AGにはエビデンスがないことが問題点である。GAや1.5AGの測定値により将来のHbA1cの値が推定できるならばこれに勝るものはない。尚、すぐに治療が必要なほどの高血糖を呈する患者において、つまり尿糖が観察される患者においては、1.5AGの値はほぼ0であることが知られており、変化が確認できないことからこのような推定には不向きと考えられる。なお、平均血糖が簡便に測定できれば血糖コントロールマーカーは不要と思われるが、平均血糖を求めるためには1日に何度も血糖を測定する必要があり現実的ではない。
血糖コントロールが悪くなり新患で紹介されてきた患者や、血糖コントロールが悪いが手術が必要な患者に対しては、すぐに血糖を下げる治療が必要であるが、前述のようにHbA1cを用いた場合はその効果の判定に2〜3ヶ月を要してしまうという問題がある。
加えて、順調に治療を開始しても、数ヵ月後に運動療法、食事療法や薬物療法が継続できなくなる場合があるが、あらかじめ将来のGAやHbA1c推移のパターンが計算できていれば、どの時点で問題が起こったのかが把握できることになり、医療側の管理が各段に行いやすくなる。また、患者としても、例えば最初の1月間HbA1cに変化がなくても、3ヶ月、6ヶ月先のHbA1cやGAの推移が予測されていれば、現在の治療が合っているのかいないのか、今の治療を継続するとどのような効果が期待できるのかが明確になり、治療の動機付けに大きな効果をもたらすと考えられる。
このように将来の血糖を予測するには、平均血糖、GAやHbA1cの変化を関数で示すと良いが、個々のケースでその変化のスピードが異なることからこれまで良いモデルは確立されていなかった。また、平均血糖、GAやHbA1cの将来の値を簡便に計算する方法を用いて糖尿病の治療効果を測定する方法は知られていない。加えて、平均血糖やGAを用いてHbA1cの将来の値を計算する方法、GAやHbA1cを用いて将来の平均血糖を計算する方法も知られていない。
また、将来の血糖を予測することは劇症1型糖尿病の診断にも有用である。劇症1型糖尿病の場合、ある日突然膵臓が機能しなくなり血糖が急激に上昇して1型糖尿病を発症する。その症状は、最初は風邪に似た症状で、血糖が高くHbA1cは正常である。このようなケースにおいて、2型の糖尿病に風邪が合併したものと間違って診断され、糖尿病の経口薬と風邪薬を処方されて帰宅し、翌日死亡したというケースも認められており、昨今、劇症1型糖尿病発症の測定は非常に重要と考えられている。しかし、これまでGAやHbA1cの変化の予測に基づいた劇症1型糖尿病発症の測定方法は知られていなかった。
日本糖尿病学会、「糖尿病治療ガイド 2006-2007」、文光堂、2006年2月14日、p.9
本発明は、平均血糖、GA、およびHbA1cの変化を計算することにより、糖尿病治療の効果および劇症1型糖尿病発症を測定することが可能な、血液試料解析方法、血液試料解析装置、およびプログラムを提供することを目的とする。
本発明に係る血液試料解析方法は、血液試料中の血糖コントロールマーカーの値が変化する前の基準時点での血液試料中の平均血糖MBG(0)、グリコアルブミン値(GA(0))、ヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記基準時点からt1日後の血液試料中の平均血糖(MBG(t1))、グリコアルブミン値(GA(t1))、ヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、基準時点から十分時間が経過した後の血液試料中の平均血糖(MBG(∞))、グリコアルブミン値(GA(∞))、及びヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、(GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))の対数、(A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))の対数、及び(MBG(t)−MBG(0))/(MBG(0)−MBG(∞))の対数それぞれが前記基準時点からの経過日数tに比例することを利用して、t日目の平均血糖、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c、またはグリコアルブミンとヘモグロビンA1cの比を算出する第2の工程と、を有する。
本発明によれば、平均血糖、GA、およびHbA1cの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。さらに、劇症1型糖尿病発症に関する有用な情報を提供することも可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))を取得する第1の工程と、式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)を用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、グリコアルブミンGAの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
また、前記第2の工程において、前記式(1)中のAを、式(2)の代わりに式(3)を用いて算出し、
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
前記式(3)中のkを、式(14)を用いて算出するようにしてもよい。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始前に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)を用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
また、前記第2の工程において、前記式(4)中のAを、式(5)の代わりに式(6)を用いて算出し、
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、前記式(6)中のkを、式(15)を用いて算出することを特徴とするようにしてもよい。
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
また、本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(7)を用いて算出し、
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始前に採取された血液試料の平均血糖(MBG(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料の平均血糖(MBG(∞))を取得する第1の工程と、式(8)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料の平均血糖(MBG(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10 …(8)
前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(9)を用いて算出し、
C=t2/t1×TGA(1/2)/TMBG(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(9)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、血液試料の平均血糖MBGの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。また、本発明によれば、MBGは平均血糖のことであるので、その値を求めるには何度も採血して平均値を求める必要があり煩雑であるが、上述のGAを求める計算式を用いて、MBGを計算することもできる。GAは1回の採血で済むことから、簡便にMBGが計算に基づいて予測され得る。
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))、前記治療開始前に採取された血液試料の平均血糖(MBG(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料の平均血糖(MBG(∞))を取得する第1の工程と、式(8)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料の平均血糖(MBG(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10 …(8)
前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(10)を用いて算出し、
C=t2/t1×TA1c(1/2)/TMBG(1/2)×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(10)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、血液試料の平均血糖MBGの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。また、本発明によれば、MBGは平均血糖のことであるので、その値を求めるには何度も採血して平均値を求める必要があり煩雑であるが、上述のA1cを求める計算式を用いて、MBGを計算することもできる。HbA1cは1回の採血で済むことから、簡便にMBGが計算に基づいて予測され得る。
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))が既知である場合、式(23)を用いてk値を決定する第1の工程と、
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(23)
式(24)、(25)、(26)、(27)を用いて前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))およびグリコアルブミン値(GA(t1))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t1)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(24)
B=−log2×t1/(TA1c(1/2)×k) …(26)
GA(t1)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(25)
A=−log2×t1/(TGA(1/2)×k) …(27)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
これにより、論文等でデータが公開されている治療法に関し、そのデータからA1c(0)、A1c(t2)およびA1c(∞)を読み取り、A1c(t1)、GA(t1)を予測することにより、初めて行う治療法であってもグリコアルブミンやヘモグロビンA1cを予測して使用することができ、治療方針の決定に有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上に有用情報を提供することができる。
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))、及び投薬量がそれぞれD1、D2、D3の場合の前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値A1c(∞D1)、A1c(∞D2)、A1c(∞D3)が既知である場合、式(28)を用いて、投薬量がD1である場合のk1、投薬量がD2である場合のk2、投薬量がD3である場合のk3を決定する第1の工程と、
k=−log2×t3/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(28)
前記治療開始日からt1日後までの投薬量をD1、t1日後からt2日後までの投薬量をD2として治療を実施した場合に、治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞D1)および(GA(∞D2)))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞D1)および(A1c(∞D2)))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))を取得する第2の工程と、式(29)を用いて、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を算出する第3の工程と、
A1c(t1)=A1c(∞1)+(A1c(0)−A1c(∞1))×10B …(29)
式(30)、(31)を用いてA1c(t2)もしくはGA(t2)を計算する第4の工程を有し、
A1c(t2)=A1c(∞2)+(A1c(t1)−A1c(∞2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞2)+(GA(t1)−GA(∞2))×10B …(31)
前記第3の工程では、上記式(29)中のBを式(6)により算出し、
ただし、B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、前記第4の工程では、上記式(30)中のBを式(32)により、式(31)中のBを式(33)により算出し、
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
前記式(32)、(33)中のkを、式(34)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞1))/(GA(0)−GA(∞1))) …(34)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であることを特徴とする。
これにより、投薬量を変化させた場合の血液試料のA1c(t2)もしくはGA(t2)を推定することが可能になり、治療方針の決定や患者のモチベーションアップに有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用な情報を提供することができる。
また、本発明は薬剤投与量の変更のみならず、運動療法などの治療法の切り替えや、薬剤の切り替えなどにも使用することができ、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用な情報を提供することができる。
また、t2が3ヶ月以上であり、A1c(t2)が5.8%未満の場合に(優)、5.8〜6.5%未満の場合に(良)、6.5〜7.0%未満の場合に(不十分)、7.0〜8.0%未満の場合に(不良)、8.0%以上の場合に(不可)、GA(t2)が17.0%未満の場合に(優)、17.0〜20.0%未満の場合に(良)、20.0〜21.0%未満の場合に(不十分)、21.0〜24.0%未満の場合に(不良)、24.0%以上の場合に(不可)と判定することが望ましい。
このような判定を用いることにより、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用な情報を提供することができる。
また、t2が3ヶ月以上、t1が1〜5週間であり、A1c(t2)が5.8%未満の場合に(優)、5.8〜6.5%未満の場合に(良)、6.5〜7.0%未満の場合に(不十分)、7.0〜8.0%未満の場合に(不良)、8.0%以上の場合に(不可)、GA(t2)が17.0%未満の場合に(優)、17.0〜20.0%未満の場合に(良)、20.0〜21.0%未満の場合に(不十分)、21.0〜24.0%未満の場合に(不良)、24.0%以上の場合に(不可)と判定し、GA(t1)-GA(0)を用いて治療の効果を判定するようにしてもよい。
また、GA(t1)-GA(0) とA1c(O)を用いて算出したA1c(t2)を示す表、または、A1c(O)ごとに、GA(t1)-GA(0) とA1c(t2)の関係を示したグラフを用いて、治療の効果を判定するようにしてもよい。
本発明に使用しうる表としては、GA(t1)-GA(0) 、A1c(O)、A1c(t2)が表示してあればよく、わかりやすくは、縦、もしくは横の項目にGA(t1)-GA(0) 、A1c(O)が表示してあり、A1c(t2)がGA(t1)-GA(0)とA1c(O)の値に応じて表示されている表が好ましい。なおA1c(t2)の変わりにA1c(t2)-A1c(0)を用いても良い。
本発明に使用しうるグラフとしては、X軸もしくはY軸にGA(t1)-GA(0) 、A1c(t2)をとり、A1c(O)の値ごとにグラフが示され、GA(t1)-GA(0)とA1c(O)が決まればA1c(t2)が読み取れるグラフであれば良い。なおA1c(t2)の変わりにA1c(t2)-A1c(0)を用いても良い。
また、治療に用いる薬剤がリラグリチドであり、治療開始時の投薬量を0.3mgとし、治療開始2週間後のGA値の変化が2.5%以上の場合、0.3mgにて投薬を継続すると判定し、治療開始2週間後のGA値変化が2.0-2.4%の場合、2週間後に0.6mgに投薬量を増加すると判定し、治療開始2週間後のGA値変化が1.0-1.9%の場合、2週間後に0.6mgに投薬量を増加し、さらにその2週間後に0.9mgに投薬量を増加すると判定し、治療開始2週間後のGA値変化が1.0%未満の場合、他の薬剤への切り替えが必要と判定することが望ましい。
これにより、治療開始時の投薬量を最低限とし、一定期間後に治療効果を判定した上で、効果が不足している場合には投薬の量を増量することができる。例えば、糖尿病治療薬であるリラグリチドは、最低用量から始めて効果を確認しつつ増量していくが、本発明によれば、初期のGAの変化、すなわちGA(t1)-GA(0)により、投薬量が一定である場合、もしくは順次増量した場合の効果を推定することができる。推定結果に基づき、たとえばA1c(t2)が5.8%未満なら(優)、5.8〜6.5%未満なら(良)、6.5〜7.0%未満なら(不十分)、7.0〜8.0%未満なら(不良)、8.0%以上なら(不可)、また、GA(t2)が17.0%未満なら(優)、17.0〜20.0%未満なら(良)、20.0〜21.0%未満なら(不十分)、21.0〜24.0%未満なら(不良)、24.0%以上なら(不可)と判定することにより、投薬量の目安を作成することができる。
前記GA(∞)は、11〜20%であることが望ましい。
また、前記A1c(∞)は、4〜7%であることが望ましい。
また、前記MBG(∞)は、80〜180mg/dlであることが望ましい。
本発明に係る血液試料解析方法は、糖尿病発症t日後の血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び糖尿病発症t日後の血液試料のヘモグロビンA1c値A1c(t)を取得する第1の工程と、GA(t)/A1c(t)を算出する第2の工程と、
前記GA(t)/A1c(t)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第3の工程と、を有する。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
本発明に係る血液試料解析方法は、治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第2の工程と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第3の工程と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)と前記A1c(t2)を用いてGA(t2)/A1c(t2)を算出し、GA(t2)/A1c(t2)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第4の工程と、を有し、前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、前記第3の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
また、前記TGA(∞)が35〜90%であり、前記TA1c(∞)が10〜30%であり、kが1〜3であることが望ましい。
また、前記TGA(1/2)を式(11)を用いて算出するようにしてもよい。
TGA(1/2)=−log2×t/log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(11)
また、前記TA1c(1/2)を式(12)を用いて算出するようにしてもよい。
TA1c(1/2)=−log2×t/log((A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(12)
また、前記TMBG(1/2)を式(13)を用いて算出するようにしてもよい。
TMBG(1/2)=−log2×t/log((MBG(t)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(13)
また、前記GA(t)/A1c(t)の閾値は3.0〜3.5であることが望ましい。
さらに、前記GA(t)/A1c(t)の閾値は3.2であることが望ましい。
本発明に係る血液試料解析装置は、治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける入力部と、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を記憶する第1の記憶部と、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数(TA1c(1/2))を記憶する第2の記憶部と、式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第1の演算部と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の演算部と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する出力部と、を備え、前記第1の演算部は、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
前記第2の演算部は、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
前記第1の演算部及び前記第2の演算部は、それぞれ前記式(3)、前記式(6)中のkを、式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、グリコアルブミンGA及びヘモグロビンA1c(HbA1c)の変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
本発明に係る血液試料解析装置は、糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び前記血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける入力部と、前記GA(t)と前記A1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する演算部と、前記演算部で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部と、前記判定部においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力装置に出力する出力部と、を備えたものである。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
また、前記閾値は3.0〜3.5であることが望ましい。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける機能と、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を記憶する機能と、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数(TA1c(1/2))を記憶する機能と、
式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する機能と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する機能と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する機能と、を実行させるプログラムであって、上記式(1)中のAは、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
上記式(4)中のBは、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、グリコアルブミンGA及びヘモグロビンA1c(HbA1c)の変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
本発明に係るプログラムは、コンピュータに、糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び前記血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける機能と、前記GA(t)と前記A1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する機能と、前記演算部で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する機能と、前記判定部においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力装置に出力する機能と、を実行させるものである。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
本発明によれば、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。さらに、劇症1型糖尿病発症に関する有用な情報を提供することも可能になる。
本発明の実施例1に基づく実測GAと予測GA平均値の比較図である。 本発明の実施例1に基づく実測GAと予測GAの比較図である。 本発明の実施例2に基づく実測HbA1cと予測HbA1c平均値の比較図である。 本発明の実施例2に基づく実測HbA1cと予測HbA1cの比較図である。 本発明の実施例5に基づく治療日数とGA値の関係である。 本発明の実施例5に基づく治療日数とHbA1c値の関係である。 本発明の実施例6に基づく予測HbA1cと実測値の関係である。 本発明の実施例12に基づくGA/HbA1cと糖尿病型の関係である。 本発明の実施例13に基づくGA/HbA1cを計算例である。 本発明の実施例14に基づく予測GA及びHbA1cの計算例である。 本発明の実施例14に基づく予測GA及びHbA1cの計算例である。 本発明の実施例14に基づく予測GA及びHbA1cの計算例である。 本発明による、血液試料装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の実施例9に基づく予測GA及びHbA1cの計算例である。 本発明の実施例16に基づく予測GA及びHbA1cの計算例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
本実施形態において、血糖値とは、通常の臨床検査で測定される血糖値であればいかなるものを用いても良く、空腹時血糖、随時血糖、食後血糖、1日の最高血糖、平均血糖(Mean Blood Glucose;MBG)等を用いることができるが、好ましくは1日の平均血糖である。平均血糖とは、1日に数回の測定を行った血糖の平均値であり、好ましくは食前、食後の6回と睡眠前の7回の測定の平均を用いても良いし、連続血糖測定装置(CGMS)などを用いて測定した血糖の平均を用いても良い。血糖測定の採血方法は問わないが、フッ化ナトリウムやクエン酸が封入された採血管や血清用採血管が使用でき、また指先の血液などをそのまま電極で測定しても良い。血糖の測定方法は酵素法、HPLC法、電極法など公知の方法を用いて測定することができる。本実施形態において、血液試料解析とは、血液試料に含まれる各種生体分子(例えば、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c、平均血糖)測定値に基づき、各種疾病の有無やその程度、疾病治療の効果の有無やその程度等を予測または判定することなどを意味する。このような予測又は判定される対象の疾病として、例えば、糖尿病(劇症1型糖尿病等)が挙げられる。ここで、糖尿病治療とは、薬物による糖尿病治療に限られず、運動や食事による治療も含まれる。糖尿病の薬物療法に用いる薬剤も特に限定されず、例えば、インスリンや経口糖尿病薬(スルホニル尿素薬、速攻型インスリン分泌促進薬、α―グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン抵抗性改善薬など)が例示され得る。血液試料解析として、例えば、血液試料に含まれる各種生体分子の含有量を予測する方法、血液試料が劇症1型糖尿病患者由来であるか否かを判定する方法が例示される。
本実施形態において、グリコアルブミン(GA)とは、アルブミンに糖が結合した糖化タンパクのことを指し、その測定はいかなる方法を用いても良く、酵素法、免疫法、質量分析法、キャピラリー電気泳動法、ミニカラム法若しくは高速液体クロマトグラフィ法(HPLC法)等を用いることができる。特に、最も良く使用されている酵素法を用いることが好ましい。GA測定用の試料としては血清、血漿が好ましいが、それ以外の試料が好ましい場合もある。
本実施形態において、ヘモグロビンA1c(HbA1c)とは、ヘモグロビンβ鎖のN末端バリンに糖が結合したヘモグロビンのことを指し、その測定はいかなる方法を用いても良く、酵素法、免疫法、質量分析法、キャピラリー電気泳動法、ミニカラム法若しくはHPLC法等を用いることができる。特に、最も良く使用されている免疫法、酵素法、HPLC法を用いることが好ましい。HbA1c測定用の試料としては全血、血球、溶血液が好ましいが、それ以外の試料が好ましい場合もある。
なお、本発明の表記において、MBG、GA、及びHbA1cの右に付与される()内の0、t1、t2は、治療開始後あるいは劇症1型糖尿病発症後の日数を示し、治療開始前あるいは劇症1型糖尿病発症前のMBG、GA、及びHbA1cの測定値はそれぞれMBG(0)、GA(0)、A1c(0)、治療開始あるいは劇症1型糖尿病発症からt1日後のMBG、GA、HbA1cの測定値はそれぞれMBG(t1)、GA(t1)、A1c(t1)、同様にt2日後の測定値はMBG(t2)、GA(t2)、A1c(t2)と表記する。
MBG(0)、GA(0)、A1c(0)は、糖尿病治療開始からの日数に用いる場合、糖尿病治療前の測定値であればよく、血糖コントロール状態が変わらない限り、治療開始前であれば特に0日目でなくとも良い。なお、劇症1型糖尿病発症からの日数に用いる場合は、0日目は測定値がないことが一般的であるので、正常値を代入することが望ましい。
劇症1型糖尿病の場合に0日目の正常値として代入できるGA(0)は、個人や治療によって異なるが、正常血糖若しくは正常血糖に近い血糖に対応するGAを設定すれば良く、例えば13.7〜20%、好ましくは14.0〜20%、より好ましくは14.5〜19.0%である。また、単純に14.0、14.5、15.0、15.5、16.0、16.5もしくは17.0%を用いても良く、年齢や症状を考慮して18.0、18.5、19.0、19.5もしくは20.0%など高めに設定しても良い。
同様に、劇症1型糖尿病における、HbA1c(0)は個人や治療によって異なるが、正常血糖若しくは正常血糖に近い血糖に対応するHbA1cを設定すれば良く、例えば3.0〜6.0%、好ましくは4.0〜5.8%、より好ましくは4.0〜5.5%である。また、単純に正常範囲の上限付近である5.0、5.3、5.5もしくは6.0%を用いても良い。また、年齢や症状を考慮して6.5、7.0もしくは7.5%など高めに設定する場合もある。
同様に、劇症1型糖尿病における、平均血糖を低下させる目標値MBG(0)は、個人や治療によって異なるが、正常血糖若しくは正常血糖に近い血糖に対応するMBGを設定すれば良く、例えば80〜180mg/dl、好ましくは90〜170mg/dl、より好ましくは100〜160mg/dlである。また、単純に80、90、100、110、120、130もしくは140mg/dlを用いても良く、年齢や症状を考慮して150、160、170もしくは180mg/dlなど高めに設定しても良い。
また、本実施形態において、十分時間が経過した後のMBG、GA、HbA1cをそれぞれMBG(∞)、GA(∞)、HbA1c(∞)と表記する。ここで十分時間が経過した後とは、血糖コントロール状態がある状態から次の状態に変化して一定に保たれた場合に、最終的にMBG、GA、及びHbA1cが安定するまでに要する十分な時間が経過した後のことである。十分な時間とはMBGの場合数日、GAの場合1〜4週間、HbA1cの場合1〜3ヶ月以上の時間とすることができる。また、糖尿病の治療の場合、GA(∞)、A1c(∞)、A1c(∞)には、例えば治療によってMBG、GA、HbA1cを低下させる目標値を用いると良く、一般的には正常値もしくは正常値に近い値を用いるとよい。また、劇症1型糖尿病の場合には、高血糖を放置した場合の異常高値を設定すると良い。
さらに詳しく説明すると、たとえば糖尿病治療の場合、GAを低下させる目標値GA(∞)は個人や治療によって異なるが、血糖若しくは正常血糖に近い血糖に対応するGAを設定すれば良い。その意味で劇症1型糖尿病のGA(∞)に近いが、正常値の下限付近の数字でも良く、例えば11〜20%、好ましくは12〜19%、より好ましくは13〜18%であり、最も好ましくは14〜17%を選択することができる。また、単純に11.0、12.0、13.0、14.0、15.0、16.0もしくは17.0%の数値を用いても良く、年齢や症状を考慮して18.0、19.0もしくは20.0%など高めに設定しても良い。一方、劇症1型糖尿病の場合の異常高値としてのGA(∞)は例えば30〜90%であり、より好ましくは40〜90%であり、さらに好ましくは50〜90%であり、単純に60、70、80もしくは90%などを設定しても良い。
また、糖尿病治療の場合のHbA1cを低下させる目標値、HbA1c(∞)は個人や治療によって異なるが、正常血糖若しくは正常血糖に近い血糖に対応するHbA1cを設定すれば良く、例えば4.0〜7.0%、好ましくは4.5〜6.5%、より好ましくは5.0〜6.0%である。また、単純に4.0、4.5、5.0、5.5もしくは6.0%を用いても良く、年齢や症状を考慮して6.5、7.0もしくは7.5%など高めに設定しても良い。一方、劇症1型糖尿病の場合の異常高値としてのA1c(∞)としては例えば10〜30%であり、より好ましくは15〜30%であり、さらに好ましくは20〜30%であり、単純に15、20、25もしくは30%等を設定しても良い。
また、糖尿病治療における平均血糖を低下させる目標値、MBG(∞)は個人や治療によって異なるが、正常血糖若しくは正常血糖に近い血糖に対応するMBGを設定すれば良く、例えば80〜180mg/dl、好ましくは90〜170mg/dl、より好ましくは100〜160mg/dlである。また、単純に正常範囲の上限付近である100、110もしくは120mg/dlを用いても良く、年齢や症状を考慮して130、140もしくは150mg/dlなど高めに設定しても良い。一方、劇症1型糖尿病の場合の異常高値としてのMBG(∞)は例えば300〜1000mg/dlであり、より好ましくは400〜1000mg/dlであり、さらに好ましくは500〜1000mg/dlであり、単純に600、700、800、900もしくは1000mg/dlを設定しても良い。
本実施形態において、TMBG(1/2)、TGA(1/2)、THbA1c(1/2)は、血糖を急速に変化させた場合に、MBG、GA、HbA1cがそれぞれ(MBG(0)+MBG(∞))/2、(GA(0)+GA(∞))/2及び(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数である。TMBG(1/2)、TGA(1/2)、THbA1c(1/2)は、後述する計算式を用いて導き出しても良く、血糖、アルブミン及びヘモグロビンの半減期から推定したおおよその数字を代入しても良い。
TMBG(1/2)、TGA(1/2)、及びTHbA1c(1/2)に代入できる数字としては、例えば、TMBG(1/2)の場合、糖尿病の治療で急激に血糖を低下させる場合、通常1〜6日で血糖が低下することから、1〜6日、好ましくは1〜5日であり、さらに好ましくは1〜4日である。または、単純に1、2、3、4、5もしくは6日等を代入しても良い。劇症1型の場合は急激に血糖が悪化した場合の数字を代入する必要があるが、低下させる場合と同じ数字を用いることが出来る。
また、TGA(1/2)の場合はTMBG(1/2)の変化に加えてアルブミンの半減期約1〜3週間、つまり約6日〜20日を考慮する必要があり、TMBG(1/2)1〜6日にこの数字を足し、7〜26日を用いることが出来、好ましくは9〜24日であり、最も好ましくは11〜22日である。単純に11〜26日等の整数を代入しても良い。また、TA1c(1/2)の場合は同様にヘモグロビンの半減期を考慮し、19〜84日を用いることが出来、好ましくは22〜81日であり、最も好ましくは28〜77日である。単純に19〜84日等の整数を代入しても良い。
本発明は、血糖コンロトール状態が変化した場合に、MBG、GA及びA1cがどのように変化するかを関数で示し、簡便にその計算及び計算に基づく予測ができるようにしたことに特徴がある。その関数とは、血糖コントロール状態変化前、変化後t日及び十分時間が経過した場合の平均血糖、グリコアルブミン及びヘモグロビンA1cの値がそれぞれMBG(0)、MBG(t)、MBG(∞)、GA(0)、GA(t)、GA(∞)、A1c(0)、A1c(t)及びA1c(∞)である場合に、(GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))の対数、(A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))の対数若しくは(MBG(t)−MBG(0))/(MBG(0)−MBG(∞))の対数が変化後の経過日数tに対して直線になることを利用して、変化後t日目の平均血糖、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1cを計算及び計算に基づく予測することが特徴である。
さらに詳しく例示すると、例えば、GAの計算式の導出方法を例示すると、(GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))の対数が直線を示すことから、直線の傾きをa、切片をbとすると、以下の式(16)が得られる。
log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)))=at+b …(16)
ただし、logは常用対数である。
ここで、治療開始時t=0においてGAはGA(0)であるから、この式の切片bはb=log((GA(0)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)))=log1=0である。よって、式(16)にb=0を代入すると式(17)が得られる。
a=log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)))/t …(17)
ここで、血糖を急激に低下させた場合に、GAが(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間をTGA(1/2)とする。式(17)にGA(t)=(GA(0)+GA(∞))/2、t=TGA(1/2)を代入すると式(18)が得られる。
log1/2=a×TGA(1/2) …(18)
式(18)のaに式(17)を代入すると下記の式(11)を得る。
TGA(1/2)=−log2×t/log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(11)
また、GAをA1cおよびMBGに置き換えるとTA1c(1/2)を求める式(12)、TMBG(1/2)を求める式(13)となる。
TA1c(1/2)=−log2×t/log((A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(12)
TMBG(1/2)=−log2×t/log((MBG(t)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(13)
また、式(11)をGA(t)に関して解くと
GA(t)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(19)
A=−log2×t/TGA(1/2) …(20)
ここで、通常の治療が、血糖を急激に低下させた場合に比してk倍遅いとすると、式(20)を以下の式(21)の様に記述できる。
A=−log2×t/(TGA(1/2)×k) …(21)
測定値として、GA(0)およびGA(t1)の2点が揃った場合に、式(21)よりkを解くと式(14)が得られる。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/(log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
ここで、GAをA1cおよびMBGに置き換えるとA1cを用いたkを求める式(15)およびMBGを用いたkを求める式となる。
k=−log2×t1/A1c(1/2)/(log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
また、MBGを用いたkを求める式は以下の式(22)である。
k=−log2×t1/MBG(1/2)/(log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …22
そこで将来のt2におけるGA値であるGA(t2)は、式19、21より以下の式1、3として示すことができる。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
A=−log2×t2/(GA(1/2)×k) …(3)
さらに式3に式14を代入すると、式(2)が導出される。
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
よって、本発明におけるGA(t2)を求める計算式としては、GA(0)およびGA(t1)が測定されている場合に、十分時間が経過した場合のGAをGA(∞)とすると、上記の式1と式2を用いて計算することができる。
また、式1、式3の組み合わせを用いて、TGA(1/2)、kを式11、式14に実測値を代入することによりあらかじめ求めておいて式3に代入し、次いで式1に式3の計算結果を代入しGA(t2)を求めることもできる。
また、HbA1cの導出方法も同様であり、GAをA1cと置き換えれば、式4、式5、式6が導出される。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
さらにMBGの導出方法も同様であり、GAをMBGと置き換えれば、以下の式8、式23、式24が導出される。
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10C …(8)
C=t2/t1×log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(23)
C=−log2×t2/(TMBG(1/2)×k) …(24)
なお、A1c(t2)は式4、式5を用いて計算できるが、式5はHbA1cの関数であり、上述したようにHbA1cは過去2〜4週間の血糖を反映することから値が変化するまでに時間がかかり、結果判定が遅くなる。よってGAやMBGを用いて計算するとさらに短期間でA1c(t2)を計算できる。
例えば、A1c式4及び式6を以下に示す。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
これらの式を用いてA1c(t2)を計算する場合に、式6のkをGAを用いた以下に示す式14で示すことができる。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/(log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
式14を式6に代入すると、式7が得られる。
B=t2/t1×TGA(1/2)/A1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)) …(7)
同様に、HbA1cの関数をMBGを用いて示しても良い。この場合kをMBGを用いて表現すればよく、MBGを用いることによりさらに早く予測することが可能になる。ここで、式6のGAをMBGに置き換えると以下の式25が得られる。
B=t2/t1×MBG(1/2)/TA1c(1/2)×log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(25)
同様に、GAの関数をMBGを一部用いて示しても良い。この場合kをMBGを用いて表現すればよく、MBGを用いることによりさらに早く予測することが可能になる。ここで、式3のGAをMBGに置き換えると以下の式26が得られる。
A=t2/t1×MBG(1/2)/TGA(1/2)×log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(26)
またMBGは平均血糖のことであるので、その値を求めるには何度も採血して平均値を求める必要があり煩雑であるが、上述のGAやA1cを求める計算式を用いて、MBGを計算することもできる。GAやHbA1cは1回の採血で済むことから、簡便にMBGが求められることになる。つまり、式4のHbA1cをMBGに置き換え、式7のTA1c(1/2)をTMBG(1/2)に置き換え、糖尿病の治療開始前、治療開始後t1日、及び十分時間が経過した場合のグリコアルブミン及びヘモグロビンA1cがそれぞれGA(0)、GA(t1)、GA(∞)、A1c(0)、A1c(t1)及びA1c(∞)であり、治療開始前及び十分時間が経過した場合の平均血糖がそれぞれ、MBG(0)及びMBG(∞)であるとすると、以下の式8及び式9若しくは式10を用いて治療開始後t2日の平均血糖値MBG(t2)を計算することができる。
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10 …(8)
C=t2/t1×TGA(1/2)/TMBG(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)
GA(∞))) …(9)
ここで、TGA(1/2)、TA1c(1/2)及びTMBG(1/2)は血糖を急速に変化させた場合に、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c及び平均血糖がそれぞれ(GA(0)+GA(∞))/2、(A1c(0)+A1c(∞))/2及び(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数である。
同様に、式9のTGA(1/2)をTA1c(1/2)に、GA(0)、GA(t1)、GA(∞)をA1c(0)、A1c(t1)、A1c(∞)に置き換えれば、以下の式10に示すHbA1cの関数で示すことができる。
C=t2/t1×TA1c(1/2)/TMBG(1/2)×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(10)
本発明における劇症1型糖尿病とは、1型糖尿病における劇症型のことであり、数日で膵臓が機能しなくなる、極めて急速に進行する1型糖尿病のことである。劇症1型糖尿病は血糖が急速に悪化し、HbA1cは正常であることが通常であるが、風邪を合併した2型糖尿病と見分けがつきにくい。また、劇症1型糖尿病は急激に血糖が悪化することから、GA/A1cの比率が特徴的な値以上である場合に2型糖尿病と鑑別することができる。GA/A1cの特徴的な値は本発明の式を用いて求めることができる。
すなわち、本発明の計算式1、3、4、6、を用いてGA(t)及びA1c(t)を算出し、GA(t)/A1c(t)を求めて特徴的な値を設定すると良い。たとえば、GA(0)、A1c(0)にGA、HbA1cの正常値15.0%、5.0%を代入し、GA(∞)、HbA1c(∞)にGA、HbA1cの完全な異常値である90.0%、30.0%、を代入し、TGA(1/2)、TA1c(1/2)に仮に14日、42日を代入し、k=1.8、t=1とすると、
GA(1)=90+(15−90)×10A
A=−log2×1/(14×1.8)=−0.01195
GA(1)=90−75×10−0.01195=17.04
A1c(1)=30+(5−30)×10B
B=−log2×1/(42×1.8)=−0.00398
A1c(1)=30−25×10−0.00398=5.228
となり、GA(1)/HbA1c(1)=17.04/5.228=3.259となる。同様にGA(2)/A1c(2)=3.49、GA(3)/A1c(3)=3.68、GA(4)/A1c(4)=3.87、GA(5)/A1c(5)=4.03、GA(6)/A1c(6)=4.17、GA(7)/A1c(7)=4.29であり、GA(14)/A1c(14)=4.86、GA(21)/A1c(21)=5.11、GA(28)/A1c(28)=5.19、GA(35)/A1c(35)=5.17であり、例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば発症後1日から少なくとも35日間、実際はさらに長期間劇症1型糖尿病を拾い上げることができる。
また、上記の計算においてGA(0)15.0%の代わりに14.4、15.5、16.0、16.5、17.0%を代入するとGA(1)/HbA1c(1)はそれぞれ3.15、3.35、3.44、3.54、3.63であり、例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、GA(0)は14.4%以上の数字であればいかなる数字を設定しても発症後1日目より劇症1型糖尿病を検出することができる。また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、GA(0)15.0%の代わりに、14.0、13.7%を代入すると、GA(2)/A1c(2)はそれぞれ=3.20、3.15であり、同様に例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、GA(0)は13.7%以上の数字であればいかなる数字を設定しても発症後2日目より劇症1型糖尿病を検出することができる。尚、GAの基準範囲は11〜17%であり、また20%以上より糖尿病が強く疑われることから、上限には20%を設定することができる。つまり劇症1型の場合の正常値GA(0)としては13.7〜20%の間で設定することができる。尚、GA(0)が大きくなるほどGA/A1cは大きくなることから、17以上の数字を設定することも出来る。
また、上記の計算においてA1c(0)5.0%の代わりに4.0〜5.1%、を代入するとGA(1)/HbA1c(1)は4.02〜3.20であり、例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、A1c(0)は5.1%以下の数字であればいかなる数字を設定しても発症後1日目より劇症1型糖尿病を検出することができる。また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、A1c(0)、5.0%の代わりに、5.3〜5.5%を代入すると、GA(2)/A1c(2)はそれぞれ=3.31〜3.20であり、同様に例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、A1c(0)は5.5%以下の数字であればいかなる数字を設定しても発症後2日目より劇症1型糖尿病を検出することができる。尚、A1cの基準範囲は4.0〜5.8%であり、下限には4.0%を設定することができる。つまり劇症1型の場合の正常値A1c(0)としては4.0〜5.5%の間で設定することができる。尚、A1c(0)が小さくなるほどGA/A1cは大きくなることから、4.0%以下の数字を設定することも出来る。
また、上記の計算において、例えばGA(∞)90%の代わりに、85〜70%を設定すると、t=1日の場合GA(1)/HbA1c(1)=3.23〜3.15であり、GA/HbA1cを3.2以上に設定すれば発症後1日から劇症1型糖尿病を拾い上げることができる。また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、GA(∞)90%の代わりに、60〜70%を代入すると、GA(2)/A1c(2)=3.19〜3.29であり同様にGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば劇症1型糖尿病を拾い上げることができる。
さらにt=2において、A1c(∞)の設定を10%に下げればGA(∞)35〜45%とするとGA(2)/A1c(2)=3.16〜3.26であり、35%以上であれば劇症1型糖能病を選択できることになり、実質的にはGA(∞)は35〜90%であればいかなる数字を用いても良い。尚、GA(∞)が大きくなるほどGA/A1cは大きくなることから、90%以上の数字を設定することも出来る。
一方、A1c(∞)30%の代わりに、25〜10%を設定すると、t=1日の場合GA(1)/HbA1c(1)=3.29〜3.38であり、GA/HbA1cを3.2以上若しくは3.3以上に設定すれば発症後1日から劇症1型糖尿病を拾い上げることができる。よってA1c(∞)は10%以上であればいかなる数字を用いても良いが、臨床的にHbA1c30%を越えることはないこと、A1c(∞)は数字が低いほどGA(t)/A1c(t)は増加する傾向にあり低く設定しても構わないが、臨床的に未治療で高血糖が持続した場合HbA1c10%を超えることが多いことから、実質的にはA1c(∞)は10〜30%が好ましい。
本発明におけるTGA(1/2)は、前述のように血糖を急速に変化させた場合に、GAが(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数であるが、式14を用いて導き出しても良く、アルブミンの半減期から推定したおおよその数字を代入しても良い。
例えばおおよその数字を代入する場合に、アルブミンの半減期が約2週間であることから、7〜26日、好ましくは9〜24日であり、最も好ましくは11〜17日であり、単純に11、12、13、14、15、16、17日等を代入しても良い。例えば、劇症1型糖尿病を検出する場合に、TGA(1/2)に14日の変わりに7か、9、11、12、13、15、16、17、19日を代入すると、それぞれ、GA(1)/A1c(1)=3.63、3.47、3.36、3.32、3.29、3.32、3.21、3.19、3.16であり、また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、TGA(1/2)14日の代わりに、19、21、24、26日を代入すると、GA(2)/A1c(2)はそれぞれ=3.30、3.24、3.18、3.15であり、同様に例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、TGA(1/2)は7〜26日の数字であればいかなる数字を設定しても発症後2日目より劇症1型糖尿病を検出することができる。なお、TGA(1/2)が小さくなるほどGA/A1cは大きくなることから、7日以下の数字を設定することも出来る。
また本発明におけるTA1c(1/2)は、前述のように血糖を急速に変化させた場合に、HbA1cが(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数であるが、式15を用いて導き出しても良く、アルブミンの半減期から推定したおおよその数字を代入しても良い。
例えばおおよその数字を代入する場合に、ヘモグロビンの半減期が約2ヶ月であることから、1〜3月つまり、4〜12週間、若しくは19〜84日を用いることが出来、好ましくは5〜11週間つまり、25〜77日であり、最も好ましくは6〜10週間つまり54〜70日である。単純に4、5、6、7、8、9、10、11、12週間つまり28、35、42、49、56、63、70、77、84日などを代入しても良い。たとえば、劇症1型糖尿病を検出する場合に、TA1c(1/2)に42日の変わりに23〜84日を代入すると、それぞれ、GA(1)/A1c(1)=3.15〜3.33である。
また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、TA1c(1/2)、42日の代わりに、19、21、23日を代入すると、GA(2)/A1c(2)はそれぞれ=3.17、3.22、3.27日であり、同様に例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、TA1c(1/2)は19〜84日の数字であればいかなる数字を設定しても発症後2日目より劇症1型糖尿病を検出することができる。加えて、TA1c(1/2)が大きくなるほどGA/A1cは大きくなることから、84日以上の数字を設定することも出来る。
本発明におけるk値は、急激に血糖を変化させた場合と、実際の治療や劇症1型糖尿病における血糖変化のスピードの差を示す定数であり、患者個人、治療の種類によって異なる値をとり、一般には1よりも大きな数字である。尚、劇症1型糖尿病の場合には急激に血糖が上昇し、かつ治療が行われていない場合の診断であるので、k値を容易に設定することができ、これまでに発表のある劇症1型糖尿病患者のk値を平均するとほぼ1.8であった。
例えば、劇症1型糖尿病を検出する場合に、k=1.8の変わりに0.8〜3.0を代入すると、それぞれ、GA(1)/A1c(1)=3.54〜3.16であり、同様に例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば、kは0.8〜3.0の数字であればいかなる数字を設定しても劇症1型糖尿病を検出することができる。また、kが小さくなるほどGA(1)/A1c(1)は大きくなることから、0.8以下の数字を設定することも出来る。
本発明における劇症1型糖尿病を判別するGA(t)/A1c(t)としては通常2型糖尿病のGA/HbA1cが2.8〜3.0程度であり、劇症1型糖尿病はそれ以上の値にあることから、3.0以上の数字であればいかなる数字を用いても良いが、好ましくは3.0〜4.0であり、より好ましくは3.0〜3.5であり、さらに好ましくは3.1〜3.4であり、最も好ましくは3.1〜3.3である。また、3.2を用いても良い。
本発明に係る演算装置は、例えば血糖、GA、HbA1cを代入するとGA(t2)、A1c(t2)、MBG(t2)またはGA/A1c等を自動で計算できる電卓のようなものであれば良く、パ−ソナルコンピュター、携帯電話等演算機能を備えた装置であればいかなる装置を用いても良い。また、好ましくはGA(t2)、A1c(t2)、MBG(t2)またはGA/A1c等を計算する専用ボタン等の工夫があると使いやすく、さらに好ましくはグラフや表を用いて分かりやすく表示する機能が搭載され、例えば劇症1型糖尿病の判定結果を表示されても良い。
加えて、本発明には血糖、GA、A1cの測定値が必要であるが、その測定機能を持った装置で前記の演算ができると好ましい。測定機能を持った装置とは特に限定はされないが、汎用の生化学自動分析装置や卓上で簡便に測定できる装置であり、好ましくは試薬や測定用のチップを挿入するなどするのみで全自動で測定が終了するものが好ましく、より好ましくは10分程度で測定が終了し、診療前検査に適用できるものである。
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)GA予測値の計算および実測値との比較<対象>血糖コントロール不良の糖尿病患者のうち、糖尿病治療の開始あるいは変更した28例(男性19例、女性9例、平均年齢60.7±13.1歳)を対象とし、予測値を計算した。血糖コントロールの改善が不十分で治療の追加をした例や肝疾患・腎疾患・貧血合併例は除外した。これら28名の治療前のGA(0)、HbA1c(0)、血糖を測定し、治療開始後第1回目の診療時にGA(t1)、HbA1c(t1)、血糖を測定し、第2回目の診療時のGA(t2)、HbA1c(t2)を予測した。なおGA(t2)の予測には式1〜3を、HbA1c(t2)の予測には式4〜7を用い、それぞれの治療は食事療法、運動療法、経口薬およびインスリンが用いられていた。次いで、治療開始後第2回目の診療時にHbA1c、GA、血糖を測定し、予測値と比較した。
これら28名の治療前の平均のHbA1c=10.8±2.3%、GA=33.7±9.4%、GA/HbA1c=3.11±0.36であり、治療前と第一回の診療までの平均期間 (t1)は19.9±5.4日(14-28日)であり、第1回目と第2回目の間隔の平均期間は26.9±4.9日(16-35日)であった。
<GA(t2)の計算の詳細および結果>
ここで、治療の目標値であるGA(∞)は15%を用いた。GA(0)は治療前の測定値、GA(t1)は治療開始後t1日目の測定値であり、これらを式1,2に代入し予測値であるGA(t2)を求めた。なお、式2は前述のように式3に置き換えることができる。
ここでTGA(1/2)は、血糖が急激に変化した場合にグリコアルブミンが(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数であり、実施例4に示すように式11によりあらかじめ算出することができる。kは急激に血糖が変化した場合と治療による血糖変化の変化の比率を示す定数であることから、同様に式14を用いて計算で求めることができる。
式14はTGA(1/2)が求められていれば、GA(0)、GA(t1)の測定値及びGA(∞)を設定することにより容易に計算することができる。
なお、式3に式11と式14を代入すると式2が得られることから、式2と式3どちらを用いても同じ結果が得られる。
図1に、式1を用いて算出したGA(t2)と実測したGAの平均値を示す。また、図2にGAの実測値と式1を用いて算出したGA(t2)との関係を表すグラフを示す。
図1に示すように演算式を用いて計算したGA(t2)と実測のGAの平均値はそれぞれ18.9%、19.4%、であり、GA(t2)は実測値の約98%であり、きわめて良く一致していることが分かる。
図2は、x軸に実測値GA、Y軸に予測値GA(t2)をとり、個々のデータをグラフにしたものである。図2に示すように、実測値と予測値には予測値=0.74×実測値+4.62、r=0.75、p<0.0001の極めて強い相関が認められ、本発明の計算式1〜3、11、14の有用性、正確性は明らかである。
(実施例2)HbA1c予測値と実測値との比較<対象>実施例1に同じ
<A1c(t2)の計算の詳細および結果>
実施例2では、治療の目標値であるA1c(∞)は5%を用いた。A1c(0)は治療前の測定値、A1c(t1)は治療開始後t1日目の測定値であり、これらを式4、5に代入して予測値であるA1c(t2)を求めた。尚、式5は前述のように式6に置き換えることができる。
ここでTA1c(1/2)は、血糖が急激に変化した場合にHbA1cが(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数であり、実施例4に示すように式12によりあらかじめ算出することができる。kは急激に血糖が変化した場合と治療による血糖変化の比率を示す定数であることから、同様に式15を用いて計算で求めることができる。
式15はTA1c(1/2)が求められていればA1c(0)、A1c(t1)の測定値及びA1c(∞)を設定すれば容易に計算することができる。
ちなみに、式5に式12と式15を代入すると式6が得られることから、式5と式6どちらを用いても同じ結果が得られる。
図3に、式4を用いて算出したA1c(t2)と実測したHbA1cの平均値を示す。また、図4にHbA1cの実測値と式4を用いて算出したA1c(t2)との関係を表すグラフを示す。
図3に示すように、演算式を用いて計算したA1c(t2)と実測のHbA1cの平均値はそれぞれ8.1%、8.1%であり、きわめて良く一致した。
図4はx軸に実測値、Y軸に予測値A1c(t2)をとり、個々のデータをグラフにしたものである。図4に示すように実測値と予測値には予測値=0.95×実測値+0.37、r=0.84、p<0.0001の極めて強い相関が認められ、本発明の計算式4〜6、12、15の有用性、正確性が明らかである。
(実施例3)MBG予測値の計算および実測値との比較
<対象>実施例1に同じ
<MBG(t2)の計算の詳細および結果>
実施例4では、治療の目標値であるMBG(∞)は160mg/dlを用いた。MBG(0)は治療前の測定値、MBG(t1)は治療開始後t1日目の測定値であり、これらを式8、23に代入して予測値であるMBG(t2)を求めた。なお、式23は前述のように式24に置き換えることができる。
ここでTMBG(1/2)は、血糖が急激に変化した場合にMBGが(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数であり、式13によりあらかじめ算出することができる。kは急激に血糖が変化した場合と治療による血糖変化の比率を示す定数であることから、同様に式21を用いて計算で求めることができる。
式21はTA1c(1/2)が求められていればMBG(0)、MBG(t1)の測定値及びMBG(∞)を設定することにより、容易に計算することができる。
なお、式24に式13と21を代入すると式24が得られることから、式23と式24どちらを用いても同じ結果が得られる。実際にMBG(t2)を計算して実測値と比較した結果は演算式を用いて計算したMBG(t2)と実測のMBGの平均値はきわめて良く一致し、本発明の計算式13、21〜24の有用性、正確性が明らかであった。
(実施例4)様々な治療におけるHbA1c及びGAの予測値と実測値の関係
<対象>糖尿病の治療を開始した患者
<方法>実施例1及び2に同じ
様々な治療を行った場合のHbA1c及びGAの予測値と実測値の関係を表1に示す。
Figure 0005323853
表1に示すように、様々な治療においてHbA1c、GAの予測が可能であり本発明の血液試料解析方法が正確にHbA1c及びGAを予測できることが明白であった。
<対象>糖尿病の治療を開始した患者
<方法>実施例1及び2に同じ
様々な薬剤(メトホルミン、リラグリチド、エクセナリド、シタグリプチン、アルファGI等)を用いて治療を行った場合のHbA1c及びGAの予測値と実測値の関係を表2に示す。
Figure 0005323853
表2に示すように、様々な治療においてHbA1c、GAの予測が可能であり本発明の血液試料解析方法が正確にHbA1c及びGAを予測できることが明白であった。
(実施例5)GA(1/2)、HbA1c(1/2)、MBG(1/2)の算出
<対象>合併症を有しない血糖コントロール不良の糖尿病患者のうち、入院の上初期治療としてインスリン強化療法を施行した9例(男性8例、女性1例、平均年齢59.4±13.4歳)を対象とし、入院時及び12-22日後にHbA1c、GAを測定した。その後4週間毎に3ヶ月間HbA1c、GAを測定した。
<A1c(1/2)の計算の詳細および結果>
図5は、GAの測定値の推移を治療開始日からの日数に対してプロットした図である。また、図6は、HbA1cの測定値の推移を治療開始日からの日数に対してプロットした図である。また、式11に、GA(∞)=15、実測のGA(0)、GA(t)を代入(但しtは1ヶ月以内)すると、TGA(1/2)=13.7日が得られた。
式1、式3にTGA(1/2)=13.7、k=1を代入した曲線を図5中の実線で示す。
図5に示すように、TGA(1/2)=13.7を代入した実線は実際の測定値に良く一致し、式1、3及び11の有用性、正確性が明らかであった。
また、式12にA1c(∞)=5を代入し、実測のA1c(0)、A1c(t)を代入(但しtは2〜3ヶ月)すると、TA1c(1/2)=36.3日が得られた。
式4,6にTA1c(1/2)=36.3、k=1を代入した曲線を図6中の実線で示す。
図6に示すように、TA1c(1/2)=36.3を代入した実線は実際の測定値に良く一致し、式4,6及び12の有用性、正確性が明らかであった。
また、TMBG(1/2)についても同様の群で検討を行った結果、TMBG(1/2)=3.6日が得られ、式8、24に代入したプロットは実測と良く一致した。このことから、式8、13及び24の有用性、正確性が明らかであった。
なお、別の同様の群8例(男性6例、女性2例、平均年齢62.3±16.1歳)を対象とし、同様の計算を行ったところ、TGA(1/2)=14.0日、TA1c(1/2)=42.0日が得られ、前記の群とほぼ同じ結果となった。
(実施例6)A1c(t2)のGAを用いた演算
<対象> 血糖コントロールが悪化した糖尿病患者
<方法> インスリン治療を開始し、GA(0)、A1c(0)、GA(t1)を測定しそれぞれ35.5%、9.9%、25.18%であった。また、A1c(∞)=5、GA(∞)=15、GA(1/2)=13.7 、A1c(1/2)=36.3を用いた。これらの値を用いて、式1、2、4、及び7を用いてA1c(t2)、GA(t2)を計算した。結果を図7に示す。
図7に示すように治療前のGA、HbA1cおよび治療後15日目のGAの3点によるGA及びHbA1cの予測値と実測値がほぼ一致しており、式1、2、4及び7を用いてGA、HbA1cの予測が98日目まで正確に行われることが確認された。
このことから、式1,2,4及び7の有用性が明確であり、特に式7はHbA1cが大きく変化する前にGAを用いて将来のHbA1cを正確に推定できることからその有用性は明らかであった。
同様にHbA1c、GAをMBGで推定する以下の式1、4、25、26についても有用であることは明らかであった。
さらに、MBGをGAやHbA1cを用いて推定する式8-10についての有用性も明らかである。
(実施例7)治療前及びt2日後のHbA1c値を用いて、その間のHbA1c, GA値を推測する例
<方法>リラグリチド0.3mg,0.6mg,0.9mg投与例(Seino Y, DRCP, 81: 161-168, 2008)の以下の発表データを用いて計算を行った。
0.3mg 処方の場合、A1c(0)=8.24%、A1c(t2)=7.17%、A1c(∞3)=7.0%
0.6mg 処方の場合、A1c(0)=8.21%、A1c(t2)=6.71%、A1c(∞2)=6.5%
0.9mg 処方の場合、A1c(0)=8.12%、A1c(t2)=6.45%、A1c(∞1)=6.0%
k値は以下の式23を用いて決定した。
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(23)
計算の結果、0.9mg 処方の場合のk1=0.92、0.6mg 処方の場合のk2=0.84、0.3mg 処方の場合のk3=1.08であった。
次いで、式(24)、(25)、(26)、(27)を用いて治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))およびグリコアルブミン値(GA(t1))を算出する。
A1c(t1)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(24)
B=−log2×t1/(TA1c(1/2)×k) …(26)
GA(t1)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(25)
A=−log2×t1/(TGA(1/2)×k) …(27)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数である。
計算したA1c(t1)、GA(t1)を表3に示す。表3は、治療前及び14週後のHbA1cで、その間のHbA1c, GA値を推測する例であり、リラグリチド0.3mg,o.6mg,0.9mg投与例(Seino Y, DRCP, 81: 161-168, 2008)をベースに試算している。
Figure 0005323853
表3に示すように治療前及びt2のHbA1c測定値を用いて、その間のHbA1c, GA値を予測可能であった。
(実施例8)治療薬の投与量を変化させた場合の予測
<方法>実施例7同様、リラグリチド0.3mg,0.6mg,0.9mg投与例(Seino Y, DRCP, 81: 161-168, 2008)の発表データを用いて計算を行った。
投薬量がそれぞれD1、D2、D3で、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値がそれぞれ、A1c(∞D1)、A1c(∞D2)、A1c(∞D3)で既知であるとき、式28を用いて、投薬量がD1である場合のk1、投薬量がD2である場合のk2、投薬量がD3である場合のk3を算出する。
k=−log2×t3/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(28)
実施例7で示したように、A1c(0)A1c(t2)A1c(∞)及びk値は以下に示すとおりである。
0.3mg 処方の場合、A1c(0)=8.24%、A1c(t2)=7.17%、A1c(∞3)=7.0%
0.6mg 処方の場合、A1c(0)=8.21%、A1c(t2)=6.71%、A1c(∞2)=6.5%
0.9mg 処方の場合、A1c(0)=8.12%、A1c(t2)=6.45%、A1c(∞1)=6.0%
k1=0.92、k2=0.84、k3=1.08
次に、治療開始日からt1日後までの投薬量D1、t1日後からt2日後までの投薬量をD2として治療を実施した場合に、
治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞D1)および(GA(∞D2)))、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞D1)および(A1c(∞D2)))、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))とすると、
式(29)を用いて、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))算出することができる。
A1c(t1)=A1c(∞D1)+(A1c(0)−A1c(∞D1))×10B …(29)
ただし、B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
ここで、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数である。
次いで、式(30)、(31)を用いてA1c(t2)もしくはGA(t2)を計算する。
A1c(t2)=A1c(∞D2)+(A1c(t1)−A1c(∞D2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞D2)+(GA(t1)−GA(∞D2))×10B …(31)
式(30)中のBは式(32)を用いて、式(31)中のBは式(33)を用いて算出する。
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
式(32)、(33)中のkは、式(34)を用いて算出する。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞D1))/(GA(0)−GA(∞D1))) …(34)
ここで、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数である。
表4は治療開始日から2週間後のGA値を用いて、治療開始から6週間後、10週間後、14週間後のHbA1c値及びGA値を計算した結果を示している。それぞれの表は、治療開始から2週間目までのリラグリチド投与量を0.3mgとし、2週間目以降の投与量は0.3mg、0.6mg、0.9mgとした場合の計算結果を示している。
Figure 0005323853
表4に示すように、治療薬の投与量を変化させた場合でも予測は可能であった。このことにより、本発明は、投薬量の調整のみならず、治療法の変更、たとえば運動療法から食事療法への変更、運動療法や食事療法の強化、薬剤の変更などの様々な治療の変更に有用であることが明らかとなった。
また、計算したGAやHbA1cの値は日本糖尿病学会編の糖尿病治療ガイドを参考にして評価し、薬剤の増量や治療の変更を行うことができる。例えば、HbA1c値で判断する場合は、治療開始後HbA1c値が変化し、その変化がなくなる1月以上(t2>1月)、好ましくは2月以上(t2>2月)、さらに好ましくは3ヶ月(t2>3月)以上一定の治療を行った場合、A1c(t2)が5.8%未満(優)、5.8〜6.5%未満(良)、6.5〜7.0%未満(不十分)、7.0〜8.0%未満(不良)、8.0%以上(不可)と判断することができる。
GA値で判断する場合は、治療開始後GA値が変化し、その変化がなくなる2週間以上(t2>2週間)、好ましくは1以上(t2>1月)、さらに好ましくは2ヶ月(t2>2月)以上一定の治療を行った場合、GA(t2)が17.0%未満(優)、17.0〜20.0%未満(良)、20.0〜21.0%未満(不十分)、21.0〜24.0未満%(不良)、24.0%以上(不可)と判定することができる。ここでHbA1cの値は日本糖尿病学会の標準化プログラムに則って決定されたJDS(日本糖尿病学会)の値であるが、国際的には異なる基準であるNGSP値やIFCC値が用いられる。なお、NGSP値はJDS値-0.4%で計算される。
GA値についても将来標準化法が決定された場合に、現在の値と新しい方法の値の相関を求め、その関係を用いて値を換算し、その換算値に基づき判定すればよい。
(実施例9)
治療開始初期のGA値変化を用いた将来のHbA1c値の予測
本発明による方法を用いて計算やプログラムの実行などを行う際、予め様々なケースに応じて一覧表やグラフ(ノモグラムを含む)を作成しておけば簡便である。具体的には治療開始時のHbA1cの変化、GAの変化より、数ヶ月先に血糖指標が変化して安定した値になった時点でのHbA1c、GAを予測することができればよい。以下にその例を示す。
<方法>
治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))および治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を用い、治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))を仮に設定し、
式(4)を用いて、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
式(4)中のBは、式(7)を用いて算出する。
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
ここで、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数である。また、t1<t2である。
表5は、GA(t1)−GA(0)(ΔGA2w)、A1c(0)(治療開始時のA1c値)を代入してA1c(t2)を計算した結果を示す表である。なお、表5に示す例では、t1は2週間であり、t2は14週間である。
Figure 0005323853
表5を用いることにより、診療現場等において、計算機等を用いて簡便に将来のA1c値を推定することができる。
また、図14は、表5に示す各々のA1c(0)について、GA(t1)-GA(0) とA1c(t2)の関係を示したグラフであるが、表の代わりにこのようなグラフを用いても良い。
なお、表5はGA(t1)−GA(0)、A1c(0)を代入してA1c(t2)を計算した結果を表しているが、GA(t1)−GA(0)とGA(0)を代入してGA(t2)を算出した表を利用しても良いし、A1c(t1)−A1c(0)、A1c(0)を代入してA1c(t2)を算出した表や、MGB(t1)−MBG(0)、A1c(0)を代入してA1c(t2)を算出した表を用いても良い。グラフについても同様である。
(実施例10)本発明を用いた糖尿病治療薬リラグリチドの処方例
<方法>実施例7〜9に示されるグラフ及び実際にリラグリチドを使用した論文の結果を用いて初期のGA値変化より薬剤処方量を決定する。
リラグリチドの投与は最低用量の0.3mgから開始され、治療効果に基づいて順次増量が行われる。図14に示すように、初期の2週間のGA値変化が2.5%である場合、HbA1cの初期値が約8.0%であれば、14週間後のHbA1c値は約6.5%(糖尿病治療ガイドの判定では良)になると推定され、十分な血糖低下の効果が推定される。また、HbA1c8.0%以上であっても順調にHbA1c値が低下していることから、初期の2週間のGA値変化が2.5%以上の場合には、リラグリチドの投与量を0.3mgで継続すると良く、GA値変化が2.5%未満の場合には0.6mgへの増量を検討すると良い。
また、初期の2週間のGA値変化が2.0%である場合、HbA1cの初期値が約8%であれば、図14から14週間後のHbA1c値は約6.5%以上になると推定され、十分な血糖低下が得られるとは考え難い。一方、表4に示すように、初期2週間のGA値変化が2.0%、HbA1cの初期値が約8%である場合に、リラグリチドの投与量を初期2週間は0.3mg、その後0.6mgに増量すると、14週間後にHbA1c値は6.7%まで低下することから、初期2週間のGA値変化が2.0%以上である場合は0.6mgの処方を続ければよい。また、初期2週間のGA値変化が2.0%未満の場合には、0.6mgの投与量では十分な血糖低下の効果があるとは判定しがたく、更に2週間後に0.9mgまで増量すると良い。
最後に、初期のA1c値が8%、初期2週間のGA値変化が1.0%の場合、14週間後のHbA1c値は7%以上であり、リラグリチド使用の効果は小さい。よってリラグリチドではなくほかの薬剤を使用することを検討することが好ましい。
以上をまとめると、治療開始時のHbA1c値が8%以上の患者にリラグリチドを投与する場合には、治療開始時の投薬量を0.3mgとし、治療開始から2週間後のGA値変化が2.5%以上の場合は0.3mgにて投薬を継続、治療開始から2週間後のGA値変化が2.0-2.4%の場合には、2週間後に0.6mgに投薬量を増加、治療開始から2週間後のGA値変化が1.0-1.9%の場合には、2週間後に0.6mgに投薬量を増加し、さらにその2週間後に0.9mgに投薬量を増加し、GA値変化が1.0%未満の場合、他の薬剤に切り替えることを検討すると良い。
(実施例11)劇症1型糖尿病の鑑別、GA(t)/A1c(t)の計算
<GA/A1c>の予測
式1、3、4及び6を用いGA(t)/A1c(t)を計算した。なお、GA(0)、A1c(0)はGA、HbA1cの正常値15.0%、5.0%を用い、GA(∞)、HbA1c(∞)にGA、HbA1cの完全な異常値である90.0%、30.0%、を用いた。TGA(1/2)、TA1c(1/2)はそれぞれ実施例3で得られた14日、42日を用いた。kを実測値より1.8とし、発症後の経過日数tはt=1日〜35日まで計算した。式10、11にこれらの数字を代入すると
GA(1)=90+(15−90)×10A
A=−log2×1/(14×1.8)=−0.01195
GA(1)=90−75×10−0.01195=17.04
A1c(1)=30+(5−30)×10B
B=−log2×1/(42×1.8)=−0.00398
A1c(1)=30−25×10−0.00398=5.228
となり、GA(1)/HbA1c(1)=17.04/5.228=3.259となる。同様にGA(2)/A1c(2)=4.49、GA(3)/A1c(3)=3.68、GA(5)/A1c(5)=4.03、GA(7)/A1c(7)=4.29であり、GA(14)/A1c(14)=4.86、GA(35)/A1c(35)=5.17であり、GA/HbA1cを3.2以上に設定すれば発症後1日から少なくとも35日間、実際はさらに長期間劇症1型糖尿病を拾い上げることができることが明らかであった。
また、GA(0)15.0%の代わりに14.4%〜17.0%を代入するとGA(1)/HbA1c(1)は3.2〜3.6であり、GA(0)は14.4%以上の数字であればいかなる数字を設定しても発症後1日目よりGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
上記計算においてA1c(0)5%の代わりに4.0〜5.1%、を代入するとGA(1)/HbA1c(1)は4.0〜3.2であり、A1c(0)は5.1%以下の数字であればいかなる数字を設定しても発症後1日目よりGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、A1c(0)、5.0%の代わりに、5.3%、5.5%を代入すると、GA(2)/A1c(2)はそれぞれ=3.3、3.2であり、A1c(0)は5.5%以下の数字であればいかなる数字を設定しても発症後2日目よりGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
上記計算において、例えばGA(∞)90%の代わりに、85〜70%を設定すると、t=1日の場合GA(1)/HbA1c(1)=3.2〜3.2であり、GA(∞)85〜70%において発症後1日からGA/HbA1cは3.2以上であることが明らかであった。また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることから、t=2、GA(∞)90%の代わりに60〜70%を代入すると、GA(2)/A1c(2)=3.2〜3.3であり、発症後2日目よりGA(∞)60%以上であればGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。さらにt=2において、A1c(∞)の設定を10に下げれば、GA(∞)35〜45%とするとGA(2)/A1c(2)=3.2〜3.3であり、発症後2日目よりGA(∞)35%以上であればGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
上記計算において、A1c(∞)30%の代わりに25〜10%を設定すると、t=1日の場合GA(1)/HbA1c(1)=3.3〜3.4であり、A1c(∞)は10%以上であればいかなる数字を用いても発症1日目よりGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
上記計算においてTGA(1/2)14日の変わりに7〜19日を代入すると、それぞれGA(1)/A1c(1)=3.6〜3.2であり、また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、TGA(1/2)14日の代わりに19〜26日を代入すると、GA(2)/A1c(2)は=3.3〜3.2であり、TGA(1/2)は26日以下の数字であればいかなる数字を設定してもGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
上記計算において、TA1c(1/2)に42日の変わり23〜84日を代入すると、それぞれ、GA(1)/A1c(1)=3.15〜3.33であり、また、実際発症当日に受診することはなかなかまれであることからt=2、A1c(1/2)、42日の代わり19〜23日を代入すると、GA(2)/A1c(2)はそれぞれ=3.17〜3.27日であり、加えて、TA1c(1/2)が大きくなるほどGA/A1cは大きくなることから、TA1c(1/2)は19〜84日もしくは19日以上の数字であればいかなる数字を設定してもGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
上記計算において、k=1.8の変わりに0.8〜3.0を代入すると、それぞれ、GA(1)/A1c(1)=3.54〜3.16であり、kが小さくなるほどGA(1)/A1c(1)は大きくなることから、kは0.8〜3.0もしくは3.0以下の数字であればいかなる数字を設定してもGA(t)/A1c(t)は3.2以上となることが明らかであった。
以上よりGA(t)/A1c(t)は3.2以上であれば劇症1型糖尿病と2型糖能病との鑑別が可能であることが明白であった。
(実施例12)劇症1型糖尿病の鑑別
<対象>劇症1型糖尿病と診断された35名、対照として2型糖尿病で、HbA1c8.5%未満、糖尿病治療歴のない21名(男性16名、女性19名)及びブドウ糖負荷試験で糖尿病型を示し、HbA1cが8.5%未満であり糖尿病治療歴のない11例、計32(男性25例、女性7例)。
なお、両群においてHbA1CあるいはGA測定に影響する妊娠、腎疾患、肝疾患、血液疾患、悪性疾患、甲状腺疾患の合併例、ステロイド治療例は除外した。
<方法>対象者のGA値及びHbA1c値を測定し、GA/HbA1cを計算し、劇症1型糖尿病と2型糖尿病の比較を行った。
<結果>劇症1型糖尿病は2型糖尿病に比し、HbA1Cは有意に低値であった(6.0±0.8% vs 6.8±0.8%; p=0.0002)が、血清GAは有意に高値であった(23.6±4.3% vs 18.7±3.1%; p<0.0001)。HbA1Cに対するGAの比(GA/HbA1C比)は2型糖尿病では2.76±0.29に対して劇症1型糖尿病では3.94±0.53と著明な高値を示した(p<0.0001)。GA/HbA1c比が3.2以上の症例は、劇症1型糖尿病では35例中34例(97%)であったが、2型糖尿病では32例中1例(3%)のみであった。結果を図8に示す。
図8に示すようにGA(t)/A1c(t)を3.2に設定することで劇症1型糖能病と2型糖尿病の鑑別ができることが明白であった。尚、図から読み取れるようにGA(t)/A1c(t)3.0〜3.5において劇症1型糖能病と2型糖尿病の鑑別ができることが明白であった。
(実施例13)本発明による血液試料解析装置を用いた劇症1型糖尿病の判定
初診時にGA/HbA1cを計算し、劇症1型糖尿病を診断する例を図9に示す。プログラムはマイクロソフト、エクセル2000を用い、計算式はGA/HbA1cを計算し、その値が3.2以上であれば、劇症1型糖尿病の可能性があると表示できるようにした。装置は東芝、ダイナブックSS 1620 12L/2を用いた。
本発明による血液試料解析装置は、演算機能を有するものであればパソコン、電卓、携帯電話等いかなる装置であってもよい。
(実施例14)本発明による血液試料解析装置を用いたGA、HbA1cの予測
初診時のGA、HbA1cと治療開始後1回目のGAを測定し、次回の予測を行った例を図10、11及び12に示す。プログラムはマイクロソフト、エクセル2000を用い、装置は東芝、ダイナブックSS 1620 12L/2を用いた。
式1、2、4、及び7を用いてA1c(t2)、GA(t2)を計算する。なお、A1c(∞)=5、GA(∞)=15、GA(1/2)=13.7 、A1c(1/2)=36.3を用いた。
図10は2回の測定値で次回の予測値を求める例、図11は、GA及びHbA1cを治療開示後204日までの予測を求めた例、図12は、HbA1cの±10%の範囲を求め、実測と比べた例である。図12では糖尿病治療を開始して24日目、52日目および80日目で予測HbA1cと実測HbA1cが良く一定しておりこのプログラムの有用性が明白であると共に、実測と予測を比較して治療の指導化が能であることも明白である。
本発明による血液試料解析装置は、演算機能を有するものであればパソコン、電卓、携帯電話等いかなる装置であってもよい。
(実施例15)MBG(t2)、GA(t2)、A1c(t2)の演算機能を備えた血糖、GA、HbA1cを測定可能な血液試料解析装置
日立自動分析装置7170S型にグリコアルブミン測定試薬、ヘモグロビンA1c試薬を搭載して同一者の血清および溶血液を測定した。
<試薬>
グリコアルブミン試薬:ルシカGA−L(旭化成ファーマ社製)および専用キャリブレーターを使用した。
ヘモグロビンA1c試薬:デターミナーHbA1c(協和メデックス社製)及び専用キャリブレーターを使用した。
<項目間演算式>
1)劇症1型鑑別診断としてGA/A1cを入力して計算するように設定した。
2)GA測定値をデータ通信を用いてエクセルに添付。
その際に、式4、7を用いてA1c(t2)を出力した。エクセルの出力は図9〜11と同じである。なお、式4と7はA1c(∞)=5.0、A1c(0)=前回の測定値、TGA(1/2)=13.7、TA1c(1/2)=36.3、GA(∞)=15.0%、GA(0)=前回の測定値、t1に前回の治療開始から今回の診療まで日数を入れ、GA(t1)に今回の測定値を、t2に予測したい治療開始後日数を代入すれば計算可能である。
本発明は、本発明は、糖尿病の治療において有用な、治療効果および劇症1型糖尿病発症の測定方法、およびその機能を有した装置に関し、特に糖尿病患者の治療に有用な将来の平均血糖、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c若しくはグリコアルブミンとヘモグロビンA1cの比を計算することにより糖尿病治療効果及び劇症1型糖尿病発症の測定及び装置に関し、臨床検査に用いられる。
図13は、本発明による、血液試料装置10の機能構成を示すブロック図である。図に示すように、血液試料装置10は、入力装置11、入力部12、記憶部(第1の記憶部、第2の記憶部)13、演算部(第1の演算部、第2の演算部)14、判定部15、出力部16、出力装置17を備えている。
血液試料装置10は、例えば汎用的なパーソナルコンピュータに所定のプログラムを実行させたものである。入力部12、演算部14、判定部15、及び出力部16は、プログラムに従ってコンピュータのプロセッサが行う動作のモジュールを表しており、これらは実際には一体として血液試料装置10のプロセッサを構成する。
記憶部13は、血液試料装置10のハードディスク等の記憶装置である。
入力装置11は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段であり、ユーザが血液試料装置10に処理の指示を与えたり、データやパラメータを入力するために用いられる。また、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスを介して、メモリ媒体などからデータを読み込むことも可能である。ユーザによる入力装置11を介した操作は入力部12によって制御される。 出力装置17は、表示装置やプリンタ等である。出力装置17への出力処理は出力部16によって制御される。
ユーザは、入力装置11を用いて患者の治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を入力する。
記憶部13には、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間(TA1c(1/2))が記憶されている。
演算部14は、式(1)により、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
また、演算部14は、式(4)により、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
演算部14によって算出された、GA(t2)及びA1c(t2)は、出力部16を介して出力装置17に出力される。
演算部14は、式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかによって算出する。
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
また、演算部14は、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかによって算出する。
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
また、演算部14は、式(3)、前記式(6)中のkを、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出する。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
また、ユーザは、入力装置11を用いて糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を入力する。
演算部14は、入力されたGA(t)とA1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する。
判定部15は、演算部14で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
判定部15においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力部16を介して出力装置17に出力する。
(実施例16)GA(t1)、A1c(t1)の演算機能を備え、治療変更時においても血糖、GA、HbA1cを測定可能な血液試料解析装置
日立自動分析装置7170S型にグリコアルブミン測定試薬、ヘモグロビンA1c試薬を搭載して同一者の血清および溶血液を測定した。
<試薬>
実施例15に同じ。
<項目間演算式>
1)GA測定値をデータ通信を用いてエクセルに添付。
その際に、式(6)、(29)〜(33)を用いてA1c(t2)を出力した。エクセルの出力を図15に示す。また、図10〜12と同様にグラフを併用しても良い。
なお、A1c(∞)、GA(∞)は既知の臨床試験結果から数値を引用すればよく、たとえば薬剤治療としてリラグリチドを用いた場合、0.3mg処方ではA1c(∞)=7.0%、0.6 mg処方ではA1c(∞)=6.5% 、0.9mg処方ではA1c(∞)=6.0%であり、GA(∞)はその3倍の値を使用することができる。A1c(0)に治療開始前の測定値、TGA(1/2)に13.7、TA1c(1/2)に36.3(15.0%)、GA(0)に治療開始前の測定値、t1に前回の治療開始から今回の診療まで日数を入れ、GA(t1)に今回の測定値を、t2に予測したい治療開始後日数を代入すれば計算可能である。
また、実施例16による血液試料解析装置の機能構成は、図13に示す実施例15による血液試料装置10の機能構成と同様のものとすることができる。 ユーザは、入力装置11を用いて患者の治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を入力する。加えて、治療の種類、条件(投薬量など)を入力することができる。
記憶部13には、治療の種類、条件(投薬量など)ごとに、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間(TGA(1/2))、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間(TA1c(1/2))、k値が記憶されている。
演算部14は、式(1)により、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
また、演算部14は、式(4)、(30)、(31)により、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
A1c(t2)=A1c(∞2)+(A1c(t1)−A1c(∞2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞2)+(GA(t1)−GA(∞2))×10B …(31)
さらに、演算部14によって算出された、GA(t2)及びA1c(t2)は、出力部16を介して出力装置17に出力される。
演算部14は、式(1)中のA、上記式(4)中のBを、実施例15と同じ方法で計算し、上記式(30)、(31)中のBを、それぞれ式(32)、(33)により算出する。
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
また、演算部14は、式(32)、(33)中のkを、式(34)を用いて算出する。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞1))/(GA(0)−GA(∞1))) …(34)
判定部15は、演算部14で算出されたA1c(t2)、GA(t2)が所定の判定値のどの領域に入っているかを判定し、判定結果及び治療方法の変更や、その強度(投薬量等)の変更等を、出力部16を介して出力装置17に出力する。
なお、所定の判定値のどの領域に入っているかを判定する際には、A1c(t2)の場合、5.8%未満なら(優)、5.8〜6.5%未満なら(良)、6.5〜7.0%未満なら(不十分)、7.0〜8.0%未満なら(不良)、8.0%以上なら(不可)、GA(t2)の場合、17.0%未満なら(優)、17.0〜20.0%未満なら(良)、20.0〜21.0%未満なら(不十分)、21.0〜24.0%未満なら(不良)、24.0%以上なら(不可)と判定するとよい。
なお、A1c(t2)による判定は、日本糖尿病学会の糖尿病治療ガイドに基づくものであるが、将来的に基準の変更や値の変更がなされた場合には公のガイドライン等の適宜基準に従って変更すればよい。また、本発明の実施例10に基づく解析により、薬剤がリラグリチドで、治療開始の投薬量が0.3mg、治療開始2週間後のGA値変化が2.5%以上の場合、0.3mgにて投薬を継続、治療開始2週間後のGA値変化が2.0-2.4%の場合、2週間後に0.6mgに投薬量を増加、GA値変化が1.0-1.9%の場合、2週間後に0.6mgに投薬量を増加し、さらにその2週間後に0.9mgに投薬量を増加、GA値変化が1.0%未満の場合、他の薬剤に切り替えることを判定し、出力するようにしても良い。
10 血液試料装置、11 入力装置、12 入力部、13 記憶部、14 演算部、15 判定部、16 出力部、17 出力装置

Claims (30)

  1. 血液試料中の血糖コントロールマーカーの値が変化する前の基準時点での血液試料中の平均血糖MBG(0)、グリコアルブミン値(GA(0))、ヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記基準時点からt1日後の血液試料中の平均血糖(MBG(t1))、グリコアルブミン値(GA(t1))、ヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、基準時点から十分時間が経過した後の血液試料中の平均血糖(MBG(∞))、グリコアルブミン値(GA(∞))、及びヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
    (GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))の対数、(A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))の対数、及び(MBG(t)−MBG(0))/(MBG(0)−MBG(∞))の対数各々が前記基準時点からの経過日数tに比例することを利用して、t日目の平均血糖、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c、またはグリコアルブミンとヘモグロビンA1cの比を算出する第2の工程と、を有する血液試料解析方法。
  2. 治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))を取得する第1の工程と、
    式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
    GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
    前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)を用いて算出し、
    A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  3. 前記第2の工程において、
    前記式(1)中のAを、式(2)の代わりに式(3)を用いて算出し、
    A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
    TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、 前記式(3)中のkを、式(14)を用いて算出することを特徴とする請求項2に記載の血液試料解析方法。
    k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
  4. 治療開始前に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
    式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
    A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
    前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)を用いて算出し、
    B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  5. 前記第2の工程において、
    前記式(4)中のを、式(5)の代わりに式(6)を用いて算出し、
    B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
    前記式(6)中のkを、式(15)を用いて算出することを特徴とする請求項4に記載の血液試料解析方法。
    k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
  6. 治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
    式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
    A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
    前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(7)を用いて算出し、
    B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
    TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  7. 治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始前に採取された血液試料の平均血糖(MBG(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料の平均血糖(MBG(∞))を取得する第1の工程と、
    式(8)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料の平均血糖(MBG(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
    MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10 …(8)
    前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(9)を用いて算出し、
    C=t2/t1×TGA(1/2)/TMBG(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(9)
    TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
    TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  8. 治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))、前記治療開始前に採取された血液試料の平均血糖(MBG(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料の平均血糖(MBG(∞))を取得する第1の工程と、
    式(8)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料の平均血糖(MBG(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
    MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10 …(8)
    前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(10)を用いて算出し、
    C=t2/t1×TA1c(1/2)/TMBG(1/2)×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(10)
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
    TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  9. 治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))が既知である場合、
    式(23)を用いてk値を決定する第1の工程と、
    k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(23)
    式(24)、(25)、(26)、(27)を用いて前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))およびグリコアルブミン値(GA(t1))を算出する第2の工程と、を有し、
    A1c(t1)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(24)
    B=−log2×t1/(TA1c(1/2)×k) …(26)
    GA(t1)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(25)
    A=−log2×t1/(TGA(1/2)×k) …(27)
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
    TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  10. 治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))、及び投薬量がそれぞれD1、D2、D3の場合の前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値A1c(∞D1)、A1c(∞D2)、A1c(∞D3)が既知である場合、式(28)を用いて、投薬量がD1である場合のk1、投薬量がD2である場合のk2、投薬量がD3である場合のk3を決定する第1の工程と、
    k=−log2×t3/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(28)
    前記治療開始日からt1日後までの投薬量をD1、t1日後からt2日後までの投薬量をD2として治療を実施した場合に、
    治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞D1)および(GA(∞D2)))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞D1)および(A1c(∞D2)))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))を取得する第2の工程と、
    式(29)を用いて、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を算出する第3の工程と、
    A1c(t1)=A1c(∞1)+(A1c(0)−A1c(∞1))×10B …(29)
    式(30)、(31)を用いてA1c(t2)もしくはGA(t2)を計算する第4の工程を有し、
    A1c(t2)=A1c(∞2)+(A1c(t1)−A1c(∞2))×10B …(30)
    GA(t2) =GA(∞2)+(GA(t1)−GA(∞2))×10B …(31)
    前記第3の工程では、上記式(29)中のBを式(6)により算出し、
    ただし、B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
    前記第4の工程では、上記式(30)中のBを式(32)により、式(31)中のBを式(33)により算出し、
    B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
    B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
    前記式(32)、(33)中のkを、式(34)を用いて算出し、
    k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞1))/(GA(0)−GA(∞1))) …(34)
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数である、血液試料解析方法。
  11. t2が3ヶ月以上であり、
    A1c(t2)が5.8%未満の場合に(優)、5.8〜6.5%未満の場合に(良)、6.5〜7.0%未満の場合に(不十分)、7.0〜8.0%未満の場合に(不良)、8.0%以上の場合に(不可)、GA(t2)が17.0%未満の場合に(優)、17.0〜20.0%未満の場合に(良)、20.0〜21.0%未満の場合に(不十分)、21.0〜24.0%未満の場合に(不良)、24.0%以上の場合に(不可)と判定することを特徴とする請求項2〜6、9、10のいずれかに記載の血液試料解析方法。
  12. t2が3ヶ月以上、t1が1〜5週間であり、
    A1c(t2)が5.8%未満の場合に(優)、5.8〜6.5%未満の場合に(良)、6.5〜7.0%未満の場合に(不十分)、7.0〜8.0%未満の場合に(不良)、8.0%以上の場合に(不可)、GA(t2)が17.0%未満の場合に(優)、17.0〜20.0%未満の場合に(良)、20.0〜21.0%未満の場合に(不十分)、21.0〜24.0%未満の場合に(不良)、24.0%以上の場合に(不可)とすることを特徴とする、GA(t1)-GA(0)を用いてA1c(t2)を算出する工程を含む、請求項2〜6、9、10のいずれかに記載の血液試料解析方法。
  13. GA(t1)-GA(0) とA1c(O)を用いて算出したA1c(t2)を示す表、または、A1c(O)ごとに、GA(t1)-GA(0) とA1c(t2)の関係を示したグラフを用いて、A1c(t2)を算出する請求項12に記載の血液試料解析方法。
  14. 治療に用いる薬剤がリラグリチドであり、治療開始時の投薬量を0.3mgとし、
    治療開始2週間後のGA値の変化が2.5%以上の場合、0.3mgにて投薬を継続
    治療開始2週間後のGA値変化が2.0-2.4%の場合、2週間後に0.6mgに投薬量を増加
    治療開始2週間後のGA値変化が1.0-1.9%の場合、2週間後に0.6mgに投薬量を増加し、さらにその2週間後に0.9mgに投薬量を増加
    治療開始2週間後のGA値変化が1.0%未満の場合、他の薬剤への切り替え」と、出力装置に出力することを特徴とする請求項13に記載の血液試料解析方法。
  15. 前記GA(∞)は、11〜20%であることを特徴とする、請求項1、2、3、6、7、9、10のいずれかに記載の血液試料解析方法。
  16. 前記A1c(∞)は、4〜7%であることを特徴とする、請求項1、4、5、6、8〜10のいずれかに記載の血液試料解析方法。
  17. 前記MBG(∞)は、80〜180mg/dlであることを特徴とする、請求項1、7または8のいずれかに記載の血液試料解析方法。
  18. 糖尿病発症t日後の血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び糖尿病発症t日後の血液試料のヘモグロビンA1c値A1c(t)を取得する第1の工程と、
    GA(t)/A1c(t)を算出する第2の工程と、
    前記GA(t)/A1c(t)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第3の工程と、を有する血液試料解析方法。
  19. 治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
    式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第2の工程と、
    GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
    式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第3の工程と、
    A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
    前記GA(t2)と前記A1c(t2)を用いてGA(t2)/A1c(t2)を算出し、GA(t2)/A1c(t2)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第4の工程と、を有し、
    前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
    A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
    A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
    TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
    前記第3の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
    B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
    B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
    B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
    TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
    前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
    k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
    k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。
  20. 前記GA(∞)が35〜90%であり、前記A1c(∞)が10〜30%であり、kが1〜3であることを特徴とする請求項19に記載の血液試料解析方法。
  21. 前記TGA(1/2)を式(11)を用いて算出することを特徴とする請求項3、6、7、9、10、19のいずれかに記載の血液試料解析方法。
    TGA(1/2)=−log2×t/log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(11)
  22. 前記TA1c(1/2)を式(12)を用いて算出することを特徴とする請求項5、6、8、9、10、19のいずれかに記載の血液試料解析方法。
    TA1c(1/2)=−log2×t/log((A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(12)
  23. 前記TMBG(1/2)を式(13)を用いて算出することを特徴とする請求項7または8に記載の血液試料解析方法。
    TMBG(1/2)=−log2×t/log((MBG(t)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(13)
  24. 前記GA(t)/A1c(t)の閾値が3.0〜3.5であることを特徴とする請求項18または19に記載の血液試料解析方法。
  25. 前記GA(t)/A1c(t)の閾値が3.2であることを特徴とする請求項24に記載の血液試料解析方法。
  26. 治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける入力部と、
    前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を記憶する第1の記憶部と、
    前記治療開始後に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間(TA1c(1/2))を記憶する第2の記憶部と、
    式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第1の演算部と、
    GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
    式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の演算部と、
    A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
    前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する出力部と、を備え、
    前記第1の演算部は、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
    A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
    A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
    前記第2の演算部は、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
    B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
    B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
    B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
    前記第1の演算部及び前記第2の演算部は、それぞれ前記式(3)、前記式(6)中のkを、式(14)、式(15)を用いて算出し、
    k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
    k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
    t1<t2であることを特徴とする血液試料解析装置。
  27. 糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び前記血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける入力部と、
    前記GA(t)と前記A1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する演算部と、
    前記演算部で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
    前記判定部においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力装置に出力する出力部と、を備えた血液試料解析装置。
  28. 前記閾値が3.0〜3.5であることを特徴とする請求項27に記載の血液試料解析装置。
  29. コンピュータに、
    治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける機能と、
    前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を記憶する機能と、
    前記治療開始後に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間(TA1c(1/2))を記憶する機能と、
    式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する機能と、
    GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10 …(1)
    式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する機能と、
    A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
    前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する機能と、を実行させるプログラムであって、
    上記式(1)中のAは、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
    A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
    A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
    上記式(4)中のBは、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
    B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
    B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
    B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
    前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
    k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
    k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
    t1<t2であることを特徴とするプログラム。
  30. コンピュータに、
    糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び前記血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける機能と、
    前記GA(t)と前記A1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する機能と、
    前記演算部で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する機能と、
    前記判定部においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力装置に出力する機能と、を実行させるプログラム。
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