JP5323853B2 - 血液試料解析方法、血液試料解析装置、及びプログラム - Google Patents
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Description
現在、糖尿病の検査では空腹時血糖(FBS)と随時血糖が基本検査項目であるが、これらの値は食事等の影響を受けることから、頻回採血を行うなどして平均血糖を求めるか、平均血糖を反映する血糖コントロールマーカー(HbA1c:HbA1c、GA、1,5アンヒドロール(1.5-AG)等)が測定されている。HbA1cは過去2〜3ヶ月、GAは2〜4週間、1.5AGは数日の血糖コントロール状態を反映すると言われている。中でもHbA1cはDCCT(Diabetes Control and Complications Trial)によりその値を7%にコントロールすると合併症の発症や進展が抑制されることが知られており、この値を何%に管理するかが現在の糖尿病治療のターゲットとなっている(例えば、非特許文献1参照)。なおGAおよび1.5AGにはHbA1cと同様なエビデンス(科学的根拠)はない。また、非特許文献1にも記載されているように、日本糖尿病学会の治療ガイドによる糖尿病治療指針では、糖尿病の治療は以下の手順で進められる。第1に、患者自身が糖尿病の病態を十分理解し、適切な食事療法と運動療法を行うように指導する。第2に、これらを2〜3ヶ月続けても尚目標の血糖コントロールを達成できない場合には、経口血糖降下薬またはインスリン製剤を用いる。血糖コントールの目標は一般には優(HbA1c=〜6.8)ないし良(HbA1c=6.9〜7.5)とすべきであり、若年者では優とすべきである。
加えて、順調に治療を開始しても、数ヵ月後に運動療法、食事療法や薬物療法が継続できなくなる場合があるが、あらかじめ将来のGAやHbA1c推移のパターンが計算できていれば、どの時点で問題が起こったのかが把握できることになり、医療側の管理が各段に行いやすくなる。また、患者としても、例えば最初の1月間HbA1cに変化がなくても、3ヶ月、6ヶ月先のHbA1cやGAの推移が予測されていれば、現在の治療が合っているのかいないのか、今の治療を継続するとどのような効果が期待できるのかが明確になり、治療の動機付けに大きな効果をもたらすと考えられる。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)を用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、グリコアルブミンGAの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
前記式(3)中のkを、式(14)を用いて算出するようにしてもよい。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)を用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、前記式(6)中のkを、式(15)を用いて算出することを特徴とするようにしてもよい。
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(7)を用いて算出し、
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、ヘモグロビンA1c(HbA1c)の変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10C …(8)
前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(9)を用いて算出し、
C=t2/t1×TGA(1/2)/TMBG(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(9)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、血液試料の平均血糖MBGの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。また、本発明によれば、MBGは平均血糖のことであるので、その値を求めるには何度も採血して平均値を求める必要があり煩雑であるが、上述のGAを求める計算式を用いて、MBGを計算することもできる。GAは1回の採血で済むことから、簡便にMBGが計算に基づいて予測され得る。
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10C …(8)
前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(10)を用いて算出し、
C=t2/t1×TA1c(1/2)/TMBG(1/2)×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(10)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、血液試料の平均血糖MBGの変化を計算することにより、従来2〜3ヶ月を要した糖尿病の治療効果の判定を約2週間で行うことが可能となる。また、治療方針の決定や患者のモチベーションアップにも有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用情報を提供することができる。また、本発明によれば、MBGは平均血糖のことであるので、その値を求めるには何度も採血して平均値を求める必要があり煩雑であるが、上述のA1cを求める計算式を用いて、MBGを計算することもできる。HbA1cは1回の採血で済むことから、簡便にMBGが計算に基づいて予測され得る。
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(23)
式(24)、(25)、(26)、(27)を用いて前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))およびグリコアルブミン値(GA(t1))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t1)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(24)
B=−log2×t1/(TA1c(1/2)×k) …(26)
GA(t1)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(25)
A=−log2×t1/(TGA(1/2)×k) …(27)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、t1<t2であることを特徴とする。
これにより、論文等でデータが公開されている治療法に関し、そのデータからA1c(0)、A1c(t2)およびA1c(∞)を読み取り、A1c(t1)、GA(t1)を予測することにより、初めて行う治療法であってもグリコアルブミンやヘモグロビンA1cを予測して使用することができ、治療方針の決定に有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上に有用情報を提供することができる。
k=−log2×t3/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(28)
前記治療開始日からt1日後までの投薬量をD1、t1日後からt2日後までの投薬量をD2として治療を実施した場合に、治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞D1)および(GA(∞D2)))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞D1)および(A1c(∞D2)))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))を取得する第2の工程と、式(29)を用いて、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を算出する第3の工程と、
A1c(t1)=A1c(∞1)+(A1c(0)−A1c(∞1))×10B …(29)
式(30)、(31)を用いてA1c(t2)もしくはGA(t2)を計算する第4の工程を有し、
A1c(t2)=A1c(∞2)+(A1c(t1)−A1c(∞2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞2)+(GA(t1)−GA(∞2))×10B …(31)
前記第3の工程では、上記式(29)中のBを式(6)により算出し、
ただし、B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、前記第4の工程では、上記式(30)中のBを式(32)により、式(31)中のBを式(33)により算出し、
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
前記式(32)、(33)中のkを、式(34)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞1))/(GA(0)−GA(∞1))) …(34)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であることを特徴とする。
これにより、投薬量を変化させた場合の血液試料のA1c(t2)もしくはGA(t2)を推定することが可能になり、治療方針の決定や患者のモチベーションアップに有効な情報をあらかじめ提供することが可能になる。このように、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用な情報を提供することができる。
また、本発明は薬剤投与量の変更のみならず、運動療法などの治療法の切り替えや、薬剤の切り替えなどにも使用することができ、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用な情報を提供することができる。
このような判定を用いることにより、糖尿病診療の正確性向上はもちろん、患者にとっても有用な情報を提供することができる。
本発明に使用しうる表としては、GA(t1)-GA(0) 、A1c(O)、A1c(t2)が表示してあればよく、わかりやすくは、縦、もしくは横の項目にGA(t1)-GA(0) 、A1c(O)が表示してあり、A1c(t2)がGA(t1)-GA(0)とA1c(O)の値に応じて表示されている表が好ましい。なおA1c(t2)の変わりにA1c(t2)-A1c(0)を用いても良い。
本発明に使用しうるグラフとしては、X軸もしくはY軸にGA(t1)-GA(0) 、A1c(t2)をとり、A1c(O)の値ごとにグラフが示され、GA(t1)-GA(0)とA1c(O)が決まればA1c(t2)が読み取れるグラフであれば良い。なおA1c(t2)の変わりにA1c(t2)-A1c(0)を用いても良い。
これにより、治療開始時の投薬量を最低限とし、一定期間後に治療効果を判定した上で、効果が不足している場合には投薬の量を増量することができる。例えば、糖尿病治療薬であるリラグリチドは、最低用量から始めて効果を確認しつつ増量していくが、本発明によれば、初期のGAの変化、すなわちGA(t1)-GA(0)により、投薬量が一定である場合、もしくは順次増量した場合の効果を推定することができる。推定結果に基づき、たとえばA1c(t2)が5.8%未満なら(優)、5.8〜6.5%未満なら(良)、6.5〜7.0%未満なら(不十分)、7.0〜8.0%未満なら(不良)、8.0%以上なら(不可)、また、GA(t2)が17.0%未満なら(優)、17.0〜20.0%未満なら(良)、20.0〜21.0%未満なら(不十分)、21.0〜24.0%未満なら(不良)、24.0%以上なら(不可)と判定することにより、投薬量の目安を作成することができる。
また、前記A1c(∞)は、4〜7%であることが望ましい。
また、前記MBG(∞)は、80〜180mg/dlであることが望ましい。
前記GA(t)/A1c(t)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第3の工程と、を有する。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第3の工程と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)と前記A1c(t2)を用いてGA(t2)/A1c(t2)を算出し、GA(t2)/A1c(t2)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第4の工程と、を有し、前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、前記第3の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜86日の定数であり、前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
TGA(1/2)=−log2×t/log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(11)
TA1c(1/2)=−log2×t/log((A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(12)
TMBG(1/2)=−log2×t/log((MBG(t)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(13)
さらに、前記GA(t)/A1c(t)の閾値は3.2であることが望ましい。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の演算部と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する出力部と、を備え、前記第1の演算部は、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
前記第2の演算部は、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
前記第1の演算部及び前記第2の演算部は、それぞれ前記式(3)、前記式(6)中のkを、式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
また、前記閾値は3.0〜3.5であることが望ましい。
式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する機能と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する機能と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する機能と、を実行させるプログラムであって、上記式(1)中のAは、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
上記式(4)中のBは、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする。
本発明によれば、GA、およびHbA1cの値から、劇症1型糖尿病の発症を判定することができる。
実施の形態1.
本実施形態において、血糖値とは、通常の臨床検査で測定される血糖値であればいかなるものを用いても良く、空腹時血糖、随時血糖、食後血糖、1日の最高血糖、平均血糖(Mean Blood Glucose;MBG)等を用いることができるが、好ましくは1日の平均血糖である。平均血糖とは、1日に数回の測定を行った血糖の平均値であり、好ましくは食前、食後の6回と睡眠前の7回の測定の平均を用いても良いし、連続血糖測定装置(CGMS)などを用いて測定した血糖の平均を用いても良い。血糖測定の採血方法は問わないが、フッ化ナトリウムやクエン酸が封入された採血管や血清用採血管が使用でき、また指先の血液などをそのまま電極で測定しても良い。血糖の測定方法は酵素法、HPLC法、電極法など公知の方法を用いて測定することができる。本実施形態において、血液試料解析とは、血液試料に含まれる各種生体分子(例えば、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c、平均血糖)測定値に基づき、各種疾病の有無やその程度、疾病治療の効果の有無やその程度等を予測または判定することなどを意味する。このような予測又は判定される対象の疾病として、例えば、糖尿病(劇症1型糖尿病等)が挙げられる。ここで、糖尿病治療とは、薬物による糖尿病治療に限られず、運動や食事による治療も含まれる。糖尿病の薬物療法に用いる薬剤も特に限定されず、例えば、インスリンや経口糖尿病薬(スルホニル尿素薬、速攻型インスリン分泌促進薬、α―グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド薬、インスリン抵抗性改善薬など)が例示され得る。血液試料解析として、例えば、血液試料に含まれる各種生体分子の含有量を予測する方法、血液試料が劇症1型糖尿病患者由来であるか否かを判定する方法が例示される。
ただし、logは常用対数である。
ここで、治療開始時t=0においてGAはGA(0)であるから、この式の切片bはb=log((GA(0)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)))=log1=0である。よって、式(16)にb=0を代入すると式(17)が得られる。
a=log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)))/t …(17)
log1/2=a×TGA(1/2) …(18)
式(18)のaに式(17)を代入すると下記の式(11)を得る。
TGA(1/2)=−log2×t/log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(11)
TA1c(1/2)=−log2×t/log((A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(12)
TMBG(1/2)=−log2×t/log((MBG(t)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(13)
GA(t)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(19)
A=−log2×t/TGA(1/2) …(20)
A=−log2×t/(TGA(1/2)×k) …(21)
k=−log2×t1/TGA(1/2)/(log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/A1c(1/2)/(log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
k=−log2×t1/MBG(1/2)/(log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …22
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
A=−log2×t2/(GA(1/2)×k) …(3)
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
また、式1、式3の組み合わせを用いて、TGA(1/2)、kを式11、式14に実測値を代入することによりあらかじめ求めておいて式3に代入し、次いで式1に式3の計算結果を代入しGA(t2)を求めることもできる。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10C …(8)
C=t2/t1×log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(23)
C=−log2×t2/(TMBG(1/2)×k) …(24)
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
これらの式を用いてA1c(t2)を計算する場合に、式6のkをGAを用いた以下に示す式14で示すことができる。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/(log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
B=t2/t1×TGA(1/2)/A1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞)) …(7)
B=t2/t1×MBG(1/2)/TA1c(1/2)×log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(25)
A=t2/t1×MBG(1/2)/TGA(1/2)×log((MBG(t1)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(26)
C=t2/t1×TGA(1/2)/TMBG(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)
GA(∞))) …(9)
C=t2/t1×TA1c(1/2)/TMBG(1/2)×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(10)
GA(1)=90+(15−90)×10A
A=−log2×1/(14×1.8)=−0.01195
GA(1)=90−75×10−0.01195=17.04
A1c(1)=30+(5−30)×10B
B=−log2×1/(42×1.8)=−0.00398
A1c(1)=30−25×10−0.00398=5.228
となり、GA(1)/HbA1c(1)=17.04/5.228=3.259となる。同様にGA(2)/A1c(2)=3.49、GA(3)/A1c(3)=3.68、GA(4)/A1c(4)=3.87、GA(5)/A1c(5)=4.03、GA(6)/A1c(6)=4.17、GA(7)/A1c(7)=4.29であり、GA(14)/A1c(14)=4.86、GA(21)/A1c(21)=5.11、GA(28)/A1c(28)=5.19、GA(35)/A1c(35)=5.17であり、例えばGA/HbA1cを3.2以上に設定すれば発症後1日から少なくとも35日間、実際はさらに長期間劇症1型糖尿病を拾い上げることができる。
(実施例1)GA予測値の計算および実測値との比較<対象>血糖コントロール不良の糖尿病患者のうち、糖尿病治療の開始あるいは変更した28例(男性19例、女性9例、平均年齢60.7±13.1歳)を対象とし、予測値を計算した。血糖コントロールの改善が不十分で治療の追加をした例や肝疾患・腎疾患・貧血合併例は除外した。これら28名の治療前のGA(0)、HbA1c(0)、血糖を測定し、治療開始後第1回目の診療時にGA(t1)、HbA1c(t1)、血糖を測定し、第2回目の診療時のGA(t2)、HbA1c(t2)を予測した。なおGA(t2)の予測には式1〜3を、HbA1c(t2)の予測には式4〜7を用い、それぞれの治療は食事療法、運動療法、経口薬およびインスリンが用いられていた。次いで、治療開始後第2回目の診療時にHbA1c、GA、血糖を測定し、予測値と比較した。
<GA(t2)の計算の詳細および結果>
ここで、治療の目標値であるGA(∞)は15%を用いた。GA(0)は治療前の測定値、GA(t1)は治療開始後t1日目の測定値であり、これらを式1,2に代入し予測値であるGA(t2)を求めた。なお、式2は前述のように式3に置き換えることができる。
ここでTGA(1/2)は、血糖が急激に変化した場合にグリコアルブミンが(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す定数であり、実施例4に示すように式11によりあらかじめ算出することができる。kは急激に血糖が変化した場合と治療による血糖変化の変化の比率を示す定数であることから、同様に式14を用いて計算で求めることができる。
なお、式3に式11と式14を代入すると式2が得られることから、式2と式3どちらを用いても同じ結果が得られる。
図1に示すように演算式を用いて計算したGA(t2)と実測のGAの平均値はそれぞれ18.9%、19.4%、であり、GA(t2)は実測値の約98%であり、きわめて良く一致していることが分かる。
<A1c(t2)の計算の詳細および結果>
実施例2では、治療の目標値であるA1c(∞)は5%を用いた。A1c(0)は治療前の測定値、A1c(t1)は治療開始後t1日目の測定値であり、これらを式4、5に代入して予測値であるA1c(t2)を求めた。尚、式5は前述のように式6に置き換えることができる。
ちなみに、式5に式12と式15を代入すると式6が得られることから、式5と式6どちらを用いても同じ結果が得られる。
図3に示すように、演算式を用いて計算したA1c(t2)と実測のHbA1cの平均値はそれぞれ8.1%、8.1%であり、きわめて良く一致した。
<対象>実施例1に同じ
<MBG(t2)の計算の詳細および結果>
実施例4では、治療の目標値であるMBG(∞)は160mg/dlを用いた。MBG(0)は治療前の測定値、MBG(t1)は治療開始後t1日目の測定値であり、これらを式8、23に代入して予測値であるMBG(t2)を求めた。なお、式23は前述のように式24に置き換えることができる。
なお、式24に式13と21を代入すると式24が得られることから、式23と式24どちらを用いても同じ結果が得られる。実際にMBG(t2)を計算して実測値と比較した結果は演算式を用いて計算したMBG(t2)と実測のMBGの平均値はきわめて良く一致し、本発明の計算式13、21〜24の有用性、正確性が明らかであった。
<対象>糖尿病の治療を開始した患者
<方法>実施例1及び2に同じ
様々な治療を行った場合のHbA1c及びGAの予測値と実測値の関係を表1に示す。
<方法>実施例1及び2に同じ
様々な薬剤(メトホルミン、リラグリチド、エクセナリド、シタグリプチン、アルファGI等)を用いて治療を行った場合のHbA1c及びGAの予測値と実測値の関係を表2に示す。
<対象>合併症を有しない血糖コントロール不良の糖尿病患者のうち、入院の上初期治療としてインスリン強化療法を施行した9例(男性8例、女性1例、平均年齢59.4±13.4歳)を対象とし、入院時及び12-22日後にHbA1c、GAを測定した。その後4週間毎に3ヶ月間HbA1c、GAを測定した。
<A1c(1/2)の計算の詳細および結果>
図5は、GAの測定値の推移を治療開始日からの日数に対してプロットした図である。また、図6は、HbA1cの測定値の推移を治療開始日からの日数に対してプロットした図である。また、式11に、GA(∞)=15、実測のGA(0)、GA(t)を代入(但しtは1ヶ月以内)すると、TGA(1/2)=13.7日が得られた。
図5に示すように、TGA(1/2)=13.7を代入した実線は実際の測定値に良く一致し、式1、3及び11の有用性、正確性が明らかであった。
図6に示すように、TA1c(1/2)=36.3を代入した実線は実際の測定値に良く一致し、式4,6及び12の有用性、正確性が明らかであった。
<対象> 血糖コントロールが悪化した糖尿病患者
<方法> インスリン治療を開始し、GA(0)、A1c(0)、GA(t1)を測定しそれぞれ35.5%、9.9%、25.18%であった。また、A1c(∞)=5、GA(∞)=15、GA(1/2)=13.7 、A1c(1/2)=36.3を用いた。これらの値を用いて、式1、2、4、及び7を用いてA1c(t2)、GA(t2)を計算した。結果を図7に示す。
同様にHbA1c、GAをMBGで推定する以下の式1、4、25、26についても有用であることは明らかであった。
さらに、MBGをGAやHbA1cを用いて推定する式8-10についての有用性も明らかである。
<方法>リラグリチド0.3mg,0.6mg,0.9mg投与例(Seino Y, DRCP, 81: 161-168, 2008)の以下の発表データを用いて計算を行った。
0.3mg 処方の場合、A1c(0)=8.24%、A1c(t2)=7.17%、A1c(∞3)=7.0%
0.6mg 処方の場合、A1c(0)=8.21%、A1c(t2)=6.71%、A1c(∞2)=6.5%
0.9mg 処方の場合、A1c(0)=8.12%、A1c(t2)=6.45%、A1c(∞1)=6.0%
k値は以下の式23を用いて決定した。
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(23)
計算の結果、0.9mg 処方の場合のk1=0.92、0.6mg 処方の場合のk2=0.84、0.3mg 処方の場合のk3=1.08であった。
次いで、式(24)、(25)、(26)、(27)を用いて治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))およびグリコアルブミン値(GA(t1))を算出する。
A1c(t1)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(24)
B=−log2×t1/(TA1c(1/2)×k) …(26)
GA(t1)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(25)
A=−log2×t1/(TGA(1/2)×k) …(27)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数である。
計算したA1c(t1)、GA(t1)を表3に示す。表3は、治療前及び14週後のHbA1cで、その間のHbA1c, GA値を推測する例であり、リラグリチド0.3mg,o.6mg,0.9mg投与例(Seino Y, DRCP, 81: 161-168, 2008)をベースに試算している。
<方法>実施例7同様、リラグリチド0.3mg,0.6mg,0.9mg投与例(Seino Y, DRCP, 81: 161-168, 2008)の発表データを用いて計算を行った。
投薬量がそれぞれD1、D2、D3で、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値がそれぞれ、A1c(∞D1)、A1c(∞D2)、A1c(∞D3)で既知であるとき、式28を用いて、投薬量がD1である場合のk1、投薬量がD2である場合のk2、投薬量がD3である場合のk3を算出する。
k=−log2×t3/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(28)
実施例7で示したように、A1c(0)A1c(t2)A1c(∞)及びk値は以下に示すとおりである。
0.3mg 処方の場合、A1c(0)=8.24%、A1c(t2)=7.17%、A1c(∞3)=7.0%
0.6mg 処方の場合、A1c(0)=8.21%、A1c(t2)=6.71%、A1c(∞2)=6.5%
0.9mg 処方の場合、A1c(0)=8.12%、A1c(t2)=6.45%、A1c(∞1)=6.0%
k1=0.92、k2=0.84、k3=1.08
治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞D1)および(GA(∞D2)))、治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞D1)および(A1c(∞D2)))、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))とすると、
式(29)を用いて、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))算出することができる。
A1c(t1)=A1c(∞D1)+(A1c(0)−A1c(∞D1))×10B …(29)
ただし、B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
ここで、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数である。
A1c(t2)=A1c(∞D2)+(A1c(t1)−A1c(∞D2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞D2)+(GA(t1)−GA(∞D2))×10B …(31)
式(30)中のBは式(32)を用いて、式(31)中のBは式(33)を用いて算出する。
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
式(32)、(33)中のkは、式(34)を用いて算出する。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞D1))/(GA(0)−GA(∞D1))) …(34)
ここで、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数である。
GA値についても将来標準化法が決定された場合に、現在の値と新しい方法の値の相関を求め、その関係を用いて値を換算し、その換算値に基づき判定すればよい。
治療開始初期のGA値変化を用いた将来のHbA1c値の予測
本発明による方法を用いて計算やプログラムの実行などを行う際、予め様々なケースに応じて一覧表やグラフ(ノモグラムを含む)を作成しておけば簡便である。具体的には治療開始時のHbA1cの変化、GAの変化より、数ヶ月先に血糖指標が変化して安定した値になった時点でのHbA1c、GAを予測することができればよい。以下にその例を示す。
<方法>
治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))および治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を用い、治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))を仮に設定し、
式(4)を用いて、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
式(4)中のBは、式(7)を用いて算出する。
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
ここで、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数である。また、t1<t2である。
表5は、GA(t1)−GA(0)(ΔGA2w)、A1c(0)(治療開始時のA1c値)を代入してA1c(t2)を計算した結果を示す表である。なお、表5に示す例では、t1は2週間であり、t2は14週間である。
<方法>実施例7〜9に示されるグラフ及び実際にリラグリチドを使用した論文の結果を用いて初期のGA値変化より薬剤処方量を決定する。
リラグリチドの投与は最低用量の0.3mgから開始され、治療効果に基づいて順次増量が行われる。図14に示すように、初期の2週間のGA値変化が2.5%である場合、HbA1cの初期値が約8.0%であれば、14週間後のHbA1c値は約6.5%(糖尿病治療ガイドの判定では良)になると推定され、十分な血糖低下の効果が推定される。また、HbA1c8.0%以上であっても順調にHbA1c値が低下していることから、初期の2週間のGA値変化が2.5%以上の場合には、リラグリチドの投与量を0.3mgで継続すると良く、GA値変化が2.5%未満の場合には0.6mgへの増量を検討すると良い。
<GA/A1c>の予測
式1、3、4及び6を用いGA(t)/A1c(t)を計算した。なお、GA(0)、A1c(0)はGA、HbA1cの正常値15.0%、5.0%を用い、GA(∞)、HbA1c(∞)にGA、HbA1cの完全な異常値である90.0%、30.0%、を用いた。TGA(1/2)、TA1c(1/2)はそれぞれ実施例3で得られた14日、42日を用いた。kを実測値より1.8とし、発症後の経過日数tはt=1日〜35日まで計算した。式10、11にこれらの数字を代入すると
GA(1)=90+(15−90)×10A
A=−log2×1/(14×1.8)=−0.01195
GA(1)=90−75×10−0.01195=17.04
A1c(1)=30+(5−30)×10B
B=−log2×1/(42×1.8)=−0.00398
A1c(1)=30−25×10−0.00398=5.228
となり、GA(1)/HbA1c(1)=17.04/5.228=3.259となる。同様にGA(2)/A1c(2)=4.49、GA(3)/A1c(3)=3.68、GA(5)/A1c(5)=4.03、GA(7)/A1c(7)=4.29であり、GA(14)/A1c(14)=4.86、GA(35)/A1c(35)=5.17であり、GA/HbA1cを3.2以上に設定すれば発症後1日から少なくとも35日間、実際はさらに長期間劇症1型糖尿病を拾い上げることができることが明らかであった。
以上よりGA(t)/A1c(t)は3.2以上であれば劇症1型糖尿病と2型糖能病との鑑別が可能であることが明白であった。
<対象>劇症1型糖尿病と診断された35名、対照として2型糖尿病で、HbA1c8.5%未満、糖尿病治療歴のない21名(男性16名、女性19名)及びブドウ糖負荷試験で糖尿病型を示し、HbA1cが8.5%未満であり糖尿病治療歴のない11例、計32(男性25例、女性7例)。
なお、両群においてHbA1CあるいはGA測定に影響する妊娠、腎疾患、肝疾患、血液疾患、悪性疾患、甲状腺疾患の合併例、ステロイド治療例は除外した。
初診時にGA/HbA1cを計算し、劇症1型糖尿病を診断する例を図9に示す。プログラムはマイクロソフト、エクセル2000を用い、計算式はGA/HbA1cを計算し、その値が3.2以上であれば、劇症1型糖尿病の可能性があると表示できるようにした。装置は東芝、ダイナブックSS 1620 12L/2を用いた。
本発明による血液試料解析装置は、演算機能を有するものであればパソコン、電卓、携帯電話等いかなる装置であってもよい。
初診時のGA、HbA1cと治療開始後1回目のGAを測定し、次回の予測を行った例を図10、11及び12に示す。プログラムはマイクロソフト、エクセル2000を用い、装置は東芝、ダイナブックSS 1620 12L/2を用いた。
図10は2回の測定値で次回の予測値を求める例、図11は、GA及びHbA1cを治療開示後204日までの予測を求めた例、図12は、HbA1cの±10%の範囲を求め、実測と比べた例である。図12では糖尿病治療を開始して24日目、52日目および80日目で予測HbA1cと実測HbA1cが良く一定しておりこのプログラムの有用性が明白であると共に、実測と予測を比較して治療の指導化が能であることも明白である。
本発明による血液試料解析装置は、演算機能を有するものであればパソコン、電卓、携帯電話等いかなる装置であってもよい。
日立自動分析装置7170S型にグリコアルブミン測定試薬、ヘモグロビンA1c試薬を搭載して同一者の血清および溶血液を測定した。
<試薬>
グリコアルブミン試薬:ルシカGA−L(旭化成ファーマ社製)および専用キャリブレーターを使用した。
ヘモグロビンA1c試薬:デターミナーHbA1c(協和メデックス社製)及び専用キャリブレーターを使用した。
1)劇症1型鑑別診断としてGA/A1cを入力して計算するように設定した。
2)GA測定値をデータ通信を用いてエクセルに添付。
その際に、式4、7を用いてA1c(t2)を出力した。エクセルの出力は図9〜11と同じである。なお、式4と7はA1c(∞)=5.0、A1c(0)=前回の測定値、TGA(1/2)=13.7、TA1c(1/2)=36.3、GA(∞)=15.0%、GA(0)=前回の測定値、t1に前回の治療開始から今回の診療まで日数を入れ、GA(t1)に今回の測定値を、t2に予測したい治療開始後日数を代入すれば計算可能である。
入力装置11は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の入力手段であり、ユーザが血液試料装置10に処理の指示を与えたり、データやパラメータを入力するために用いられる。また、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスを介して、メモリ媒体などからデータを読み込むことも可能である。ユーザによる入力装置11を介した操作は入力部12によって制御される。 出力装置17は、表示装置やプリンタ等である。出力装置17への出力処理は出力部16によって制御される。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
判定部15は、演算部14で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
判定部15においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力部16を介して出力装置17に出力する。
日立自動分析装置7170S型にグリコアルブミン測定試薬、ヘモグロビンA1c試薬を搭載して同一者の血清および溶血液を測定した。
<試薬>
実施例15に同じ。
<項目間演算式>
1)GA測定値をデータ通信を用いてエクセルに添付。
その際に、式(6)、(29)〜(33)を用いてA1c(t2)を出力した。エクセルの出力を図15に示す。また、図10〜12と同様にグラフを併用しても良い。
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
また、演算部14は、式(4)、(30)、(31)により、治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する。
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
A1c(t2)=A1c(∞2)+(A1c(t1)−A1c(∞2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞2)+(GA(t1)−GA(∞2))×10B …(31)
さらに、演算部14によって算出された、GA(t2)及びA1c(t2)は、出力部16を介して出力装置17に出力される。
演算部14は、式(1)中のA、上記式(4)中のBを、実施例15と同じ方法で計算し、上記式(30)、(31)中のBを、それぞれ式(32)、(33)により算出する。
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
また、演算部14は、式(32)、(33)中のkを、式(34)を用いて算出する。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞1))/(GA(0)−GA(∞1))) …(34)
なお、所定の判定値のどの領域に入っているかを判定する際には、A1c(t2)の場合、5.8%未満なら(優)、5.8〜6.5%未満なら(良)、6.5〜7.0%未満なら(不十分)、7.0〜8.0%未満なら(不良)、8.0%以上なら(不可)、GA(t2)の場合、17.0%未満なら(優)、17.0〜20.0%未満なら(良)、20.0〜21.0%未満なら(不十分)、21.0〜24.0%未満なら(不良)、24.0%以上なら(不可)と判定するとよい。
Claims (30)
- 血液試料中の血糖コントロールマーカーの値が変化する前の基準時点での血液試料中の平均血糖MBG(0)、グリコアルブミン値(GA(0))、ヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記基準時点からt1日後の血液試料中の平均血糖(MBG(t1))、グリコアルブミン値(GA(t1))、ヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、基準時点から十分時間が経過した後の血液試料中の平均血糖(MBG(∞))、グリコアルブミン値(GA(∞))、及びヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
(GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))の対数、(A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))の対数、及び(MBG(t)−MBG(0))/(MBG(0)−MBG(∞))の対数各々が前記基準時点からの経過日数tに比例することを利用して、t日目の平均血糖、グリコアルブミン、ヘモグロビンA1c、またはグリコアルブミンとヘモグロビンA1cの比を算出する第2の工程と、を有する血液試料解析方法。 - 治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))を取得する第1の工程と、
式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)を用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 前記第2の工程において、
前記式(1)中のAを、式(2)の代わりに式(3)を用いて算出し、
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、 前記式(3)中のkを、式(14)を用いて算出することを特徴とする請求項2に記載の血液試料解析方法。
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14) - 治療開始前に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)を用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 前記第2の工程において、
前記式(4)中のBを、式(5)の代わりに式(6)を用いて算出し、
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
前記式(6)中のkを、式(15)を用いて算出することを特徴とする請求項4に記載の血液試料解析方法。
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15) - 治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記第2の工程では、上記式(4)中のBを、式(7)を用いて算出し、
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 治療開始前に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始前に採取された血液試料の平均血糖(MBG(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料の平均血糖(MBG(∞))を取得する第1の工程と、
式(8)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料の平均血糖(MBG(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10C …(8)
前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(9)を用いて算出し、
C=t2/t1×TGA(1/2)/TMBG(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(9)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))、前記治療開始前に採取された血液試料の平均血糖(MBG(0))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料の平均血糖(MBG(∞))を取得する第1の工程と、
式(8)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料の平均血糖(MBG(t2))を算出する第2の工程と、を有し、
MBG(t2)=MBG(∞)+(MBG(0)−MBG(∞))×10C …(8)
前記第2の工程では、上記式(8)中のCを、式(10)を用いて算出し、
C=t2/t1×TA1c(1/2)/TMBG(1/2)×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(10)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
TMBG(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料の平均血糖が(MBG(0)+MBG(∞))/2に到達するまでの期間を示す1〜6日の定数であり、
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))が既知である場合、
式(23)を用いてk値を決定する第1の工程と、
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(23)
式(24)、(25)、(26)、(27)を用いて前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))およびグリコアルブミン値(GA(t1))を算出する第2の工程と、を有し、
A1c(t1)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(24)
B=−log2×t1/(TA1c(1/2)×k) …(26)
GA(t1)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(25)
A=−log2×t1/(TGA(1/2)×k) …(27)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))、及び投薬量がそれぞれD1、D2、D3の場合の前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値A1c(∞D1)、A1c(∞D2)、A1c(∞D3)が既知である場合、式(28)を用いて、投薬量がD1である場合のk1、投薬量がD2である場合のk2、投薬量がD3である場合のk3を決定する第1の工程と、
k=−log2×t3/TA1c(1/2)/log((A1c(t2)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(28)
前記治療開始日からt1日後までの投薬量をD1、t1日後からt2日後までの投薬量をD2として治療を実施した場合に、
治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞D1)および(GA(∞D2)))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞D1)および(A1c(∞D2)))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))を取得する第2の工程と、
式(29)を用いて、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))を算出する第3の工程と、
A1c(t1)=A1c(∞1)+(A1c(0)−A1c(∞1))×10B …(29)
式(30)、(31)を用いてA1c(t2)もしくはGA(t2)を計算する第4の工程を有し、
A1c(t2)=A1c(∞2)+(A1c(t1)−A1c(∞2))×10B …(30)
GA(t2) =GA(∞2)+(GA(t1)−GA(∞2))×10B …(31)
前記第3の工程では、上記式(29)中のBを式(6)により算出し、
ただし、B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
前記第4の工程では、上記式(30)中のBを式(32)により、式(31)中のBを式(33)により算出し、
B=−log2×(t2-t1)/(TA1c(1/2)×k×k2/k1) …(32)
B=−log2×(t2-t1)/(TGA(1/2)×k×k2/k1) …(33)
前記式(32)、(33)中のkを、式(34)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞1))/(GA(0)−GA(∞1))) …(34)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数である、血液試料解析方法。 - t2が3ヶ月以上であり、
A1c(t2)が5.8%未満の場合に(優)、5.8〜6.5%未満の場合に(良)、6.5〜7.0%未満の場合に(不十分)、7.0〜8.0%未満の場合に(不良)、8.0%以上の場合に(不可)、GA(t2)が17.0%未満の場合に(優)、17.0〜20.0%未満の場合に(良)、20.0〜21.0%未満の場合に(不十分)、21.0〜24.0%未満の場合に(不良)、24.0%以上の場合に(不可)と判定することを特徴とする請求項2〜6、9、10のいずれかに記載の血液試料解析方法。 - t2が3ヶ月以上、t1が1〜5週間であり、
A1c(t2)が5.8%未満の場合に(優)、5.8〜6.5%未満の場合に(良)、6.5〜7.0%未満の場合に(不十分)、7.0〜8.0%未満の場合に(不良)、8.0%以上の場合に(不可)、GA(t2)が17.0%未満の場合に(優)、17.0〜20.0%未満の場合に(良)、20.0〜21.0%未満の場合に(不十分)、21.0〜24.0%未満の場合に(不良)、24.0%以上の場合に(不可)とすることを特徴とする、GA(t1)-GA(0)を用いてA1c(t2)を算出する工程を含む、請求項2〜6、9、10のいずれかに記載の血液試料解析方法。 - GA(t1)-GA(0) とA1c(O)を用いて算出したA1c(t2)を示す表、または、A1c(O)ごとに、GA(t1)-GA(0) とA1c(t2)の関係を示したグラフを用いて、A1c(t2)を算出する請求項12に記載の血液試料解析方法。
- 治療に用いる薬剤がリラグリチドであり、治療開始時の投薬量を0.3mgとし、
治療開始2週間後のGA値の変化が2.5%以上の場合、「0.3mgにて投薬を継続」、
治療開始2週間後のGA値変化が2.0-2.4%の場合、「2週間後に0.6mgに投薬量を増加」、
治療開始2週間後のGA値変化が1.0-1.9%の場合、「2週間後に0.6mgに投薬量を増加し、さらにその2週間後に0.9mgに投薬量を増加」、
治療開始2週間後のGA値変化が1.0%未満の場合、「他の薬剤への切り替え」と、出力装置に出力することを特徴とする請求項13に記載の血液試料解析方法。 - 前記GA(∞)は、11〜20%であることを特徴とする、請求項1、2、3、6、7、9、10のいずれかに記載の血液試料解析方法。
- 前記A1c(∞)は、4〜7%であることを特徴とする、請求項1、4、5、6、8〜10のいずれかに記載の血液試料解析方法。
- 前記MBG(∞)は、80〜180mg/dlであることを特徴とする、請求項1、7または8のいずれかに記載の血液試料解析方法。
- 糖尿病発症t日後の血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び糖尿病発症t日後の血液試料のヘモグロビンA1c値A1c(t)を取得する第1の工程と、
GA(t)/A1c(t)を算出する第2の工程と、
前記GA(t)/A1c(t)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第3の工程と、を有する血液試料解析方法。 - 治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を取得する第1の工程と、
式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第2の工程と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第3の工程と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)と前記A1c(t2)を用いてGA(t2)/A1c(t2)を算出し、GA(t2)/A1c(t2)が所定の閾値以上の場合には、当該血液試料が劇症1型糖尿病患者由来血液試料であると判定する第4の工程と、を有し、
前記第2の工程では、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
TGA(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間を示す7〜26日の定数であり、
前記第3の工程では、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
TA1c(1/2)は、急激に血糖を低下させる治療を行った場合に、血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間を示す19〜84日の定数であり、
前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析方法。 - 前記GA(∞)が35〜90%であり、前記A1c(∞)が10〜30%であり、kが1〜3であることを特徴とする請求項19に記載の血液試料解析方法。
- 前記TGA(1/2)を式(11)を用いて算出することを特徴とする請求項3、6、7、9、10、19のいずれかに記載の血液試料解析方法。
TGA(1/2)=−log2×t/log((GA(t)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(11) - 前記TA1c(1/2)を式(12)を用いて算出することを特徴とする請求項5、6、8、9、10、19のいずれかに記載の血液試料解析方法。
TA1c(1/2)=−log2×t/log((A1c(t)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(12) - 前記TMBG(1/2)を式(13)を用いて算出することを特徴とする請求項7または8に記載の血液試料解析方法。
TMBG(1/2)=−log2×t/log((MBG(t)−MBG(∞))/(MBG(0)−MBG(∞))) …(13) - 前記GA(t)/A1c(t)の閾値が3.0〜3.5であることを特徴とする請求項18または19に記載の血液試料解析方法。
- 前記GA(t)/A1c(t)の閾値が3.2であることを特徴とする請求項24に記載の血液試料解析方法。
- 治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける入力部と、
前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を記憶する第1の記憶部と、
前記治療開始後に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間(TA1c(1/2))を記憶する第2の記憶部と、
式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する第1の演算部と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する第2の演算部と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する出力部と、を備え、
前記第1の演算部は、上記式(1)中のAを、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
前記第2の演算部は、上記式(4)中のBを、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
前記第1の演算部及び前記第2の演算部は、それぞれ前記式(3)、前記式(6)中のkを、式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とする血液試料解析装置。 - 糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び前記血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける入力部と、
前記GA(t)と前記A1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する演算部と、
前記演算部で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力装置に出力する出力部と、を備えた血液試料解析装置。 - 前記閾値が3.0〜3.5であることを特徴とする請求項27に記載の血液試料解析装置。
- コンピュータに、
治療開始日に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(0))、前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t1))、前記治療開始日に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(0))、及び前記治療開始日からt1日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける機能と、
前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(∞))、及び前記治療開始日から十分時間が経過した時点で採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(∞))を記憶する機能と、
前記治療開始後に、血液試料のグリコアルブミン値が(GA(0)+GA(∞))/2に到達するまでの期間(TGA(1/2))、及び血液試料のヘモグロビンA1c値が(A1c(0)+A1c(∞))/2に到達するまでの期間(TA1c(1/2))を記憶する機能と、
式(1)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t2))を算出する機能と、
GA(t2)=GA(∞)+(GA(0)−GA(∞))×10A …(1)
式(4)を用いて、前記治療開始日からt2日後に採取された血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t2))を算出する機能と、
A1c(t2)=A1c(∞)+(A1c(0)−A1c(∞))×10B …(4)
前記GA(t2)及び前記A1c(t2)を出力装置に出力する機能と、を実行させるプログラムであって、
上記式(1)中のAは、式(2)または式(3)のいずれかを用いて算出し、
A=t2/t1×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(2)
A=−log2×t2/(TGA(1/2)×k) …(3)
上記式(4)中のBは、式(5)から式(7)のいずれかを用いて算出し、
B=t2/t1×log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(5)
B=−log2×t2/(TA1c(1/2)×k) …(6)
B=t2/t1×TGA(1/2)/TA1c(1/2)×log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(7)
前記式(3)、前記式(6)中のkは、それぞれ式(14)、式(15)を用いて算出し、
k=−log2×t1/TGA(1/2)/log((GA(t1)−GA(∞))/(GA(0)−GA(∞))) …(14)
k=−log2×t1/TA1c(1/2)/log((A1c(t1)−A1c(∞))/(A1c(0)−A1c(∞))) …(15)
t1<t2であることを特徴とするプログラム。 - コンピュータに、
糖尿病発症後t日後の患者から採取された血液試料のグリコアルブミン値(GA(t))、及び前記血液試料のヘモグロビンA1c値(A1c(t1))の入力を受け付ける機能と、
前記GA(t)と前記A1c(t1)を用いて、GA(t)/A1c(t1)を算出する機能と、
前記演算部で算出されたGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上であるか否かを判定する機能と、
前記判定部においてGA(t)/A1c(t1)が所定の閾値以上と判定された場合には、当該患者が劇症1型糖尿病を発症しているという判定結果を出力装置に出力する機能と、を実行させるプログラム。
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