JP5323392B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの起動方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの起動方法 Download PDF

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Description

本発明は、温度に応じて起動条件を変更する燃料電池システムおよび燃料電池システムの起動方法に関する。
燃料電池システムでは、起動時の温度に応じて起動条件を変更することが行われており、例えば、燃料電池の起動時の温度が氷点下となる場合には、暖機を促進するのに必要な補機(装置)を作動させることが行われている。従来、起動時の温度は、燃料電池システムを起動した時点におけるセンサ温度を採用している(特許文献1,2参照)。
特開2007−12636号公報(段落0029、図1および図3) 特開2008−4371号公報(段落0042、図1および図4)
ところで、燃料電池の内部に直接に温度センサを設けることは困難であるため、燃料電池の外部において燃料電池内を流れる流体の温度を測定することにより、そのセンサ温度を燃料電池の内部温度として制御することが一般的に行われている。また、燃料電池は、システム全体の熱源であり、かつ、熱容量が最も大きいものであるため、発電停止後において燃料電池の内部温度はセンサ温度に対して常に高い状態にある。すなわち、発電停止後は、センサ温度に対して燃料電池の内部温度がゆっくりと下がり、センサ温度は早くに下がるので、センサ温度と実際の燃料電池の内部温度との間で大きく乖離が生じる。このため、燃料電池の暖機制御のように、起動時における燃料電池の温度に応じて制御手法を変更するようなシステムでは、本来採るべき制御手法とは異なる制御手法が採用されるという問題がある。
本発明は、前記従来の課題を解決するものであり、常に最適な制御手法で動作せることができる燃料電池システムおよび燃料電池システムの起動方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の内部温度を代替して検出する燃料電池温度検出手段と、前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池の起動時に、前記燃料ガスが流通する燃料ガス流通路内を前記燃料ガスで置換し、前記酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスで置換するガス置換手段と、を備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池の起動時からの時間を計測する時間計測手段と、前記ガス置換手段によるガス置換完了後に前記時間計測手段により計測される時間が、前記燃料電池の起動時から前記燃料電池の内部温度がほぼ一定になるまでの時間である所定時間を経過している場合には、前記燃料電池温度検出手段により検出される前記所定時間経過後の前記燃料電池の内部温度を起動制御に用いる制御温度設定手段と、前記ガス置換手段によるガス置換完了後に前記時間計測手段により計測される時間が前記所定時間を経過していない場合には、前記燃料電池の内部温度を補正する燃料電池温度補正手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、起動温度を、システム起動直後ではなく、システム起動からガス置換完了後に遅らせて検出することで、実際の燃料電池の内部温度に近い温度を検出することが可能になり、適切な起動温度で起動制御をすることが可能になる。したがって、例えば低温環境下での起動時に暖機を促進する制御が行われる場合、燃料電池の昇温を促進するための補機を不必要に作動させてしまい、燃料電池が過度に昇温してしまうのを防止できる。しかも、補機を不必要に作動させることがないので消費電力を抑制することが可能になる。さらに、起動可能な温度範囲が設定されている場合に、実際には起動可能な温度であるのに、起動できない温度であると判断して、不必要にシステム(例えば、車両)の起動を禁止するのを防止できる。
ところで、所定時間には、検出した温度の上昇幅が所定以下になるときの経過時間を予め設定することができるが、このように設定された所定時間が経過する前にガス置換が完了した場合であっても、燃料電池の内部温度を補正することにより、燃料電池の内部温度に近い温度を起動温度に設定することができ、適切な起動制御を行うことが可能になる。
請求項2に係る発明は、前記燃料電池温度補正手段は、前記ガス置換手段によるガス置換完了直前の前記燃料電池温度検出手段による温度変化量に基づいて前記燃料電池の内部温度を推定することを特徴とする。これによれば、実際に検出された温度変化に基づいて決定することができるので、燃料電池の内部温度により近い温度を起動温度に設定することができる。
請求項3に係る発明は、前記所定時間は、前記燃料電池の起動時のシステム起動温度に基づいて決定することを特徴とする。所定時間はシステム起動時の検出温度に依存しているので、これによれば、システム起動時の温度が変動したとしても、燃料電池の内部温度に近い温度を起動温度に設定することが可能になる。
請求項4に係る発明は、前記所定時間は、前記システム起動温度が低いほど長く設定することを特徴とする。これによれば、起動時の温度環境の変動に応じて燃料電池の内部温度に近い温度を起動温度に設定することが可能になる。
請求項5に係る発明は、燃料ガス供給手段から燃料ガスが供給され、酸化剤ガス供給手段から酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の内部温度を代替して検出する燃料電池温度検出手段と、を備え、前記燃料電池の起動時に、燃料ガス流通路内を燃料ガスで置換し、酸化剤ガス流通路内を酸化剤ガスで置換する燃料電池システムの起動方法であって、前記燃料ガス流通路および前記酸化剤ガス流通路のガス置換がそれぞれ完了した後に、前記燃料電池の起動時から前記燃料電池の内部温度がほぼ一定になる時間である所定時間を経過している場合には前記燃料電池温度検出手段により検出した前記所定時間経過後の前記燃料電池の内部温度を起動制御に用い、前記所定時間が経過していない場合には前記燃料電池の内部温度を補正することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、起動温度を、システム起動直後ではなく、システム起動からガス置換が完了した後に遅らせて検出することで、実際の燃料電池の内部温度に近い温度を検出することが可能になり、適切な起動温度で起動制御することができる。
本発明の燃料電池システムおよび燃料電池システムの起動方法によれば、常に最適な制御手法で動作せることができる。
図1は本実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図、図2は本実施形態の燃料電池システムにおける起動制御を示すフローチャート、図3はセンサ温度の変化の一例を示すグラフ、図4はシステム起動時のセンサ温度と所定時間との関係を示すマップ、図5は所定時間経過前にガス置換が完了したときの温度推定方法を示すグラフである。なお、本実施形態では、燃料電池自動車(車両)に搭載した場合を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、船舶や航空機、あるいは家庭用や業務用の定置式のものなどあらゆるものに適用できる。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池10、アノード系20、カソード系30、冷媒循環系40、電力消費系50、制御系60などで構成されている。
燃料電池10は、例えば、イオン導電性を有する固体高分子電解質膜の一面側を、触媒を含むアノードと、他面側を、触媒を含むカソードとで挟み、さらに一対の導電性のセパレータで挟んでなる単セルを厚み方向に複数積層した構造を有している。セパレータには、アノードに対向する面に水素(燃料ガス)が流通するアノード流路10a、カソードに対向する面に空気(酸化剤ガス)が流通するカソード流路10b、アノードおよびカソードに対向しない面に冷媒が流通する冷媒流路10cがそれぞれ形成されている。また、燃料電池10は、単セルがそれぞれ電気的に直列に接続されて、高電圧の起電力が得られるようになっている。
アノード系20は、燃料電池10のアノードに対して水素を給排する系であり、水素タンク21、遮断弁22、エゼクタ23、パージ弁24などで構成されている。
水素タンク21は、例えば高純度の水素を高い圧力で充填した容器である。遮断弁22は、例えばソレノイドを有する電磁作動式のものであり、配管a1を介して水素タンク21と接続され、配管a2を介してエゼクタ23と接続されている。エゼクタ23は、真空ポンプの一種であり、燃料電池10のアノードから排出された未反応の水素を配管a4,a3を介して再びアノードに戻して再循環させる機能を有する。パージ弁24は、例えば、ソレノイドを有する電磁作動式のものであり、定期的に開弁してアノード循環系(配管a3,a4、アノード流路10a)に蓄積した不純物を、配管a5を介して外部に排出する機能を有する。なお、不純物とは、カソードから固体高分子電解質膜を介してアノードに透過した空気に含まれる窒素、生成水などである。
なお、図示していないが、水素タンク21から供給される高圧の水素を減圧するための減圧弁などが設けられている。また、配管a1〜a5およびアノード流路10aが本実施形態における燃料ガス流通路に相当する。
カソード系30は、燃料電池10のカソードに対して空気を給排する系であり、エアポンプ31、加湿器32、背圧弁33などで構成されている。
エアポンプ31は、モータで駆動される機械式の過給器であり、外部から取り込まれた空気を圧縮して燃料電池10のカソードに供給する機能を有する。加湿器32は、配管c1を介してエアポンプ31から供給された空気を燃料電池10の発電に適した湿度に固体高分子電解質膜を加湿する機能を有し、加湿された空気が配管c2を介して燃料電池10のカソードに供給されるようになっている。なお、加湿器32は、複数の中空糸膜を束ねて構成され、中空糸膜の一側にエアポンプ31からの乾燥した空気が供給され、他側に燃料電池10のカソードから排出されたカソードオフガスから供給されて、乾燥した空気が加湿されるようになっている。背圧弁33は、例えばバタフライ弁などで構成され、燃料電池10のカソード圧を適宜調節する機能を有する。
なお、図示していないが、燃料電池システム1は、パージ弁24の下流および背圧弁33の下流に、アノード側から排出された水素を希釈して外部に排出するための希釈器が設けられている。なお、配管c1〜c3およびカソード流路10bが本実施形態における酸化剤ガス流通路に相当する。
冷媒循環系40は、燃料電池10に対して冷媒(エチレングリコールなど)を循環させる系であり、ラジエータ41、ウォータポンプ42、サーモスタット弁43、流量調整弁44などで構成されている。
ラジエータ41は、冷媒に蓄積された熱を外部に放出させる機能を有し、冷媒配管d1を介してサーモスタット弁43と接続され、冷媒配管d2を介してウォータポンプ42と接続されている。
ウォータポンプ42は、冷媒を循環させる機能を有し、例えば、エアポンプ31の回転軸と同軸で構成され、エアポンプ31が駆動したときにウォータポンプ42も同時に駆動するように構成されている。
サーモスタット弁43は、冷媒の温度に応じて流路を切り替えることができる弁であり、燃料電池10が過度に昇温したときにラジエータ41を通る位置に切替えられ、そうでないときにラジエータ41をバイパスする冷媒バイパス配管d3の位置に切替えられるようになっている。また、サーモスタット弁43は、冷媒配管d4を介して燃料電池10の冷媒出口と接続されている。なお、この切替えは、例えばサーモスタット弁43内のワックスが温度によって体積が変化することによりなされるが、例えば後記するECU61からの信号により電気的に切替えが行われるものであってもよい。
流量調整弁44は、例えば、バタフライ弁で構成され、燃料電池10の暖機が必要な低温起動時に閉弁されることにより冷媒の流量が絞られて、燃料電池10の暖機を促進する機能を有する。また、流量調整弁44は、冷媒配管d5を介してウォータポンプ42と接続され、冷媒配管d6を介して燃料電池10の冷媒入口と接続されている。
電力消費系50は、燃料電池10の発電電力を消費する系であり、燃料電池自動車を駆動させるのに必要な負荷51などで構成されている。なお、負荷51とは、図示しない走行モータや高電圧バッテリ(例えばリチウムイオン電池)、エアポンプ31などである。また、図示していないが、電力消費系50は、燃料電池10からの発電電力の取り出しを制御するVCU(Voltage Control Unit)や、燃料電池10と負荷51との接続および遮断を行うスイッチであるコンタクタなどを備えている。
制御系60は、ECU(Electronic Control Unit)61、温度センサ62,63,64、電圧センサ65などで構成されている。
ECU61は、CPU(CentralProcessing Unit)、RAM、プログラムを記憶したROM、各種回路などで構成され、遮断弁22およびパージ弁24を開閉し、エアポンプ31およびウォータポンプ42のモータの回転速度を適宜調節し、背圧弁33および流量調整弁44の開度を適宜調節する。
またECU61は、温度センサ62が燃料電池10のアノード出口の配管a4に設けられてアノードオフガス温度Taを取得し、温度センサ63がカソード出口の配管c3に設けられてカソードオフガス温度Tcを取得し、温度センサ64が冷媒出口の冷媒配管d4に設けられて冷媒出口温度Twを取得し、電圧センサ65から燃料電池10の電圧を取得する。なお、本実施形態では、カソードオフガス温度Tcを燃料電池10の内部温度を代替する温度として使用するが、カソードオフガス温度Tcに限定されるものではなく、燃料電池システム1のシステム構成に応じて冷媒出口温度Twやアノードオフガス温度Taを適用してもよい。
次に、本実施形態の燃料電池システム1における起動制御について図2ないし図5(適宜図1)を参照して説明する。なお、燃料電池システム1のイグニッションスイッチがオフされている場合には、遮断弁22が閉じられて燃料電池10のアノードへの水素の供給が停止され、エアポンプ31が停止されて燃料電池10のカソードへの空気の供給が停止されている。また、コンタクタ(図示せず)が開かれて(OFFされて)、燃料電池10と負荷51との電気的な接続が遮断されている。
ステップS100において、ECU61は、燃料電池自動車に設けられたイグニッションスイッチ(IG)がオンにされると、システムが起動されて、ROMに記録された所定のプログラムが読み込まれるとともに、システム起動からの経過時間を計測するタイマが始動する。なお、経過時間の計測は、ECU61に内蔵されたタイマを用いることができる。
そして、ステップS110(ガス置換手段)において、ECU61は、図示しない高電圧バッテリに蓄積された電力を用いてエアポンプ31を駆動して、加湿器32で加湿された空気を燃料電池10のカソードに供給し、遮断弁22を開弁して減圧弁で所定圧に減圧された水素を燃料電池10のアノードに供給する。なお、このときエアポンプ31の駆動によってウォータポンプ42も駆動して冷媒が循環する。これにより、各単セルにおいて電位差が発生し、燃料電池10にOCV(Open Circuit Voltage、開回路電圧)が発生する。このとき、パージ弁24を適宜開弁することにより燃料ガス流通路内が徐々に水素に置換され、酸化剤ガス流通路内が徐々に空気に置換され、燃料電池10のOCVが徐々に上昇する。
そして、ステップS120において、ECU61は、温度センサ63からカソードオフガス温度Tcを検出し、システム起動後の初回に検出したカソードオフガス温度Tcをシステム起動温度T0として設定する。
そして、ステップS130において、ECU61は、ガス置換が完了したか否かを判断する。なお、ガス置換完了の条件としては、燃料電池10のアノードの水素置換とカソードの空気置換がそれぞれ十分に行なわれて、燃料電池10のOCVが所定電圧を超えたか否かで判断することができる。なお、OCVは電圧センサ65から得られる電圧値(開回路電圧)を監視することによって判断できる。また、所定電圧は、発電を開始して負荷51に電力を供給しても燃料電池10の発電性能を損なうことのない値に設定される。
ステップS130において、ECU61は、まだOCVが所定電圧を超えておらずガス置換が完了していないと判断した場合には(No)、ステップS120に戻ってセンサ温度を検出するとともにガス置換を継続し、OCVが所定電圧を超えてガス置換が完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS140に進む。なお、エアポンプ31を駆動することにより、燃料電池10内部のカソード流路10bに空気が流れるので、ガス置換が継続されるにつれてセンサ温度Tcが徐々に上昇する。すなわち、システム起動時には、センサ温度Tcに対して燃料電池10の内部温度が高いため(または同等であるため)、燃料電池10内に空気を流すと燃料電池10から熱をもらって排出される空気の温度が上昇する。そして、空気を流し続けると熱交換が進み、やがて燃料電池10の内部温度と同等の空気が燃料電池10から排出される。
そして、ステップS140において、ECU61は、図示しないコンタクタを接続して、VCU(図示せず)を介して燃料電池10から電流の取り出しを開始する(負荷を引く)。これにより、高電圧バッテリからの電力の一部または全部を燃料電池10の発電電力に置き換えて、燃料電池10からエアポンプ31などの負荷51に電力の供給を開始する。
そして、ステップS150において、ECU61は、システムを起動(S100)してから所定時間Aが経過したか否かを判断する。なお、所定時間Aは、図3に示すように、例えば経過時間aのときのセンサ温度の温度変化量ΔTcが所定値以下、つまりセンサ温度の温度変化がほぼなくなるまでの時間に設定され、予め実験等によって決定されるものである。このように、燃料電池10の内部温度を直接に測定することが困難であっても、燃料電池10内を流通する流体(本実施形態では空気)のセンサ温度がほぼ一定になる時間(所定時間A)に設定することで、そのとき検出されるセンサ温度が燃料電池10の内部温度にほぼ等しい温度であると判断できる。
また、所定時間Aは、図4に示すように、システム起動時に温度センサ63から得られるセンサ温度T0(システム起動温度)に基づいて設定され、センサ温度T0が低いほど所定時間Aが長くなるように設定される。これは、センサ温度T0が低いほど、センサ温度の上がり方が遅くなるからである。
ステップS150において、ECU61は、システムを起動してから所定時間Aが経過していると判断した場合には(Yes)、所定時間A経過後の温度センサ63から得られるセンサ温度を起動温度として設定する。
このように、本実施形態では、システム起動直後のセンサ温度を起動温度に設定するのではなく、起動温度の判定を遅らせてシステム起動から所定時間Aが経過したときのセンサ温度を起動温度に設定するので、燃料電池10の内部温度に近い温度を起動温度に設定することが可能になる。
ところで、起動温度に応じて発電条件を変更する起動制御が行われる燃料電池システム1では、例えばシステムが氷点下に至るような低温環境下で使用されて起動時に暖機が行われる場合、燃料電池10に対する昇温特性を早めるために流量調整弁44を閉弁方向に制御して冷媒流量を絞る必要がある。本実施形態によれば、前記したように起動温度を実際の燃料電池10の内部温度に近い温度に設定できるので流量調整弁44を絞り過ぎて冷媒の流量を必要以上に低減してしまい燃料電池10が過昇温するといった不都合を防止できる。具体的には、起動温度が実際にはマイナス10℃と設定されるべきところをマイナス20℃と設定されて、マイナス20℃に対応した起動制御で昇温が行われて、燃料電池10の温度を過度に上げ過ぎてしまう制御が行われるといった不都合を防止することができる。
さらに、燃料電池10の暖機時には、エアポンプ31のモータの回転速度を高めてエア量やエア圧を増やすことが行われる場合がある。このような起動制御は、エア量やエア圧を増やすことから消費電力を大きくする制御であるが、本実施形態によればエアポンプ31を無駄な回転速度で駆動させることがなくなり、エアポンプ31によるエネルギロスを防止することが可能になる。つまり、無駄にエアポンプ31などの補機の出力を高めることがないので、補機の消費電力を抑制することが可能になる。
さらに、燃料電池自動車では、燃料電池システム1を起動できる温度範囲が設定されている場合がある。このような温度範囲が設定されている場合において、実際には起動(イグニッションON)できる温度範囲であるのに起動不可と判断されて、燃料電池自動車の起動を不必要に禁止するといった不都合を防止することが可能になる。
一方、ステップS150において、ECU61は、システム起動(IG−ON)から所定時間Aが経過していないと判断した場合には(No)、ステップS170(燃料電池温度補正手段)に進み、起動温度を補正する処理を行う。例えば、図5に示すように、ガス置換完了が所定時間経過前である場合には、ガス置換完了直前の温度変化量(ΔT)に基づいて起動温度を推定する。なお、図5において、太線で示すグラフは、それぞれ、実際の温度、その温度に基づく温度変化量を示し、細線で示すグラフは、それぞれ、推定温度変化量、その推定温度変化量に基づく推定温度を示している。
すなわち、図5に示すように、ガス置換完了時の温度変化量ΔT(℃/sec)に基づいて、この温度変化量ΔTが0℃になるまで演算を継続する。具体的には、ガス置換完了直前に測定した温度変化量をΔT0,ΔT1とすると、ΔT2=ΔT1−(ΔT0−ΔT1)、ΔT3=ΔT2−(ΔT0−ΔT1)、・・・と演算し、ΔT(ΔT1,ΔT2,・・・)=0となるまで演算を継続する。そして、温度については、T2=T1+ΔT2、T3=T2+ΔT3と推定して、ΔT=0となるまで演算し、収束点(起動温度)を求める。
このように、本実施形態によれば、ガス置換が所定時間A経過前に完了した場合には、起動温度を補正して、実際の燃料電池10の内部温度に近い温度に設定できるので、暖機など起動温度に応じて起動条件(エアポンプ31、流量調整弁44など)を変更するような制御において、常に適切な起動制御を行うことができる。
また、図4で説明したように、システム起動時のセンサ温度(システム起動温度)T0が低いほど、所定時間Aが長くなるように補正すると、実際の燃料電池10の内部温度に近い温度を起動温度に設定でき、システム起動時のセンサ温度T0が変動したとしても最適な起動制御を行うことが可能になる。
ちなみに、所定時間Aよりも早くにガス置換が完了する場合とは、発電停止時間(IG−OFFからIG−ONまでの時間)によってガス置換する際のガス量が変動する場合があり、発電停止時間が短い場合にはガス置換量が少なくなってガス置換完了までの時間が短くなることがある。なお、発電停止時間によってガス置換する際のガス量が変動するのは、アノードからカソードに水素が透過して、カソードで生じる燃焼反応により水素が消費され、またカソードからアノードに窒素等が透過してアノードがエアに置換されるからである。具体的には、燃料電池システム1が急激に冷やされて燃料電池10の外側は冷えてセンサ温度は低いが発電停止時間が短い場合には、ガス置換完了まで(S130,Yes)の時間は所定時間Aよりも短くなることがある。なお、ディスチャージを利用すると、水素消費が促進されるため、クロスリークのみよりも発電停止時間に対するガス置換量が多くなると考えられる。
なお、本実施形態では、ガス置換完了時点の経過時間が所定時間Aに満たない場合において、温度変化量に基づいて演算により起動温度を推定したが、これに限定されるものではなく、実験データを基にしたマップを参照して起動温度を推定するようにしてもよい。例えば、システム起動時に想定される各センサ温度(T0)に応じた温度変化量を予め実験等によって求めてマップとして保持することにより、必要に応じてシステム起動時に検出されたセンサ温度T0に対応した温度変化量に基づいて起動温度を推定する。また、この場合には、前記したように発電停止時間に基づいて温度変化量を補正してもよい。つまり、発電停止時間が長くなればなるほど、その温度変化量を減らす補正を行う。
また、本実施形態では、経過時間として所定時間Aが経過しているか否かの処理(S150)を含んでいるが、経過時間に拘らずそのときの温度センサ63から得られるセンサ温度を起動温度として設定するようにしてもよい。
本実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。 本実施形態の燃料電池システムにおける起動制御を示すフローチャートである。 センサ温度の変化の一例を示すグラフである。 システム起動時のセンサ温度と所定時間との関係を示すマップである。 所定時間経過前にガス置換が完了したときの温度推定方法を示すグラフである。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池
10a アノード流路(燃料ガス流通路)
10b カソード流路(酸化剤ガス流通路)
21 水素タンク(燃料ガス供給手段)
31 エアポンプ(酸化剤ガス供給手段)
61 ECU(ガス置換手段、燃料電池温度補正手段)
63 温度センサ(燃料電池温度検出手段)
a1〜a5 配管(燃料ガス流通路)
c1〜c3 配管(酸化剤ガス流通路)

Claims (5)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池の内部温度を代替して検出する燃料電池温度検出手段と、
    前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、
    前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池の起動時に、前記燃料ガスが流通する燃料ガス流通路内を前記燃料ガスで置換し、前記酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスで置換するガス置換手段と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の起動時からの時間を計測する時間計測手段と、
    前記ガス置換手段によるガス置換完了後に前記時間計測手段により計測される時間が、前記燃料電池の起動時から前記燃料電池の内部温度がほぼ一定になるまでの時間である所定時間を経過している場合には、前記燃料電池温度検出手段により検出される前記所定時間経過後の前記燃料電池の内部温度を起動制御に用いる制御温度設定手段と、
    前記ガス置換手段によるガス置換完了後に前記時間計測手段により計測される時間が前記所定時間を経過していない場合には、前記燃料電池の内部温度を補正する燃料電池温度補正手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池温度補正手段は、前記ガス置換手段によるガス置換完了直前の前記燃料電池温度検出手段による温度変化量に基づいて前記燃料電池の内部温度を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記所定時間は、前記燃料電池の起動時のシステム起動温度に基づいて決定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記所定時間は、前記システム起動温度が低いほど長く設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 燃料ガス供給手段から燃料ガスが供給され、酸化剤ガス供給手段から酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池の内部温度を代替して検出する燃料電池温度検出手段と、を備え、前記燃料電池の起動時に、燃料ガス流通路内を燃料ガスで置換し、酸化剤ガス流通路内を酸化剤ガスで置換する燃料電池システムの起動方法であって、
    前記燃料ガス流通路および前記酸化剤ガス流通路のガス置換がそれぞれ完了した後に、前記燃料電池の起動時から前記燃料電池の内部温度がほぼ一定になる時間である所定時間を経過している場合には前記燃料電池温度検出手段により検出した前記所定時間経過後の前記燃料電池の内部温度を起動制御に用い、前記所定時間が経過していない場合には前記燃料電池の内部温度を補正することを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
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