JP5322671B2 - トーン検出装置及びそれを備える無線通信機 - Google Patents

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Description

本発明は、主要には、音声周波数帯域の所定のトーン信号を検出するトーン検出装置に関する。
従来から、船舶間の無線通信等において、通信機に固有である4桁の数字に対応した周波数のトーン信号を送信することで、特定の相手の通信機を呼び出すことが行われている。この信号は、一般に選択呼出信号(セルコール)と呼ばれている。
選択呼出信号の検出機能を有する通信機は、受信したトーン信号に対応する4桁の数字が自機の固有の番号と一致していた場合には、例えばランプの点灯やスピーカからの呼出し音によって、自機が呼び出されたことを知らせるようになっている。これにより、ユーザは受信音声に常に注意を払わなくても、呼出しに対して適切に応答することができる。
また、上記のような選択呼出信号の検出機能をブイに備え、自機へのセルコール呼出にのみ応答して電波を自動的に発射するように構成したラジオブイ(セルコールブイ)の構成も知られている。この構成は、例えば特許文献1に開示されている。
ところで、上記のように特定の周波数のトーン信号を検出する用途では、音声周波数帯域での狭帯域特性を得るために、リードフィルタ、マイクロフォーク等といった電子部品が従来から使用されている。これらの電子部品は、メカニカルな共振特性を利用して帯域特性を実現するものである。即ち、電気信号を機械振動に変換してメカニカルな共振器に伝え、共振器の機械振動出力を電気信号に再変換することでフィルタ出力としている。
特開2008−228710号公報
しかし、上記のリードフィルタやマイクロフォークを用いた構成は、共振周波数がリードフィルタ及びマイクロフォークに固有の値となっている。従って、複数の検出器が必要な場合は、検出器の数だけリードフィルタやマイクロフォークを準備する必要がある。また、帯域幅の特性もリードフィルタやマイクロフォークに固有のものであり、複数の帯域特性が必要な場合はその数だけ部品を用意しなければならず、コストアップの原因となっていた。
更に、上記のようなメカニカルな共振特性を利用したフィルタは、船舶等のように振動する環境では特性が悪化する場合が多く、また、経年変化で特性が変わったり、温度、湿度等の環境変化により特性が不安定になったりすることもあった。また、近年は、この種の部品の製造が中止になっていることが多く、入手自体も容易ではなくなってきている。一方で、通常の帯域通過フィルタを用いることとすると、その時間的遅延の影響等により、急峻な選択度特性を得ることが大変困難であった。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、従来はリードフィルタやマイクロフォークで実現していた特性をデジタル信号処理で実現し、従来のフィルタでは不可能な狭い帯域を実現して、トーン信号を的確に検出可能な構成を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の観点によれば、音声周波数帯域の特定のトーン信号を検出可能なトーン検出装置において、以下の構成が提供される。即ち、このトーン検出装置は、共振型IIRフィルタと、判定部と、第1振幅検出部と、第1平均値計算部と、を備える。前記共振型IIRフィルタには、デジタル信号に変換された音声信号が入力される。前記判定部は、前記共振型IIRフィルタを通過した信号のレベルに基づいて、検出すべきトーン信号が前記音声信号に含まれているか否かを判定する。前記第1振幅検出部は、前記共振型IIRフィルタを通過しない信号の振幅を検出する。前記第1平均値計算部は、前記第1振幅検出部が検出した振幅の平均値を計算する。前記共振型IIRフィルタは複数備えられ、それぞれの共振周波数は互いに異なっている。前記判定部は前記共振型IIRフィルタに対応して設けられ、それぞれの前記判定部へ、前記第1平均値計算部が計算した平均値が出力される。それぞれの前記判定部は、第2振幅検出部と、第2平均値計算部と、倍率計算部と、を備える。前記第2振幅検出部は、前記共振型IIRフィルタを通過した信号の振幅を検出する。前記第2平均値計算部は、前記第2振幅検出部が検出した振幅の平均値を計算する。前記倍率計算部は、前記第2平均値計算部で計算した平均値を前記第1平均値計算部で計算した平均値で除することで信号レベルの倍率を計算する。デジタル信号に変換された前記音声信号は、複数の共振型IIRフィルタに並列で入力される。検出すべき前記トーン信号の波形が複数の前記共振型IIRフィルタに入力されると、そのうち1つを通過した波形だけが大きな振幅を有する。
これにより、IIR共振型フィルタで急峻な選択度特性を得て、従来のフィルタでは不可能であった狭い帯域を実現することができる。また、デジタルフィルタを用いてトーン信号の検出を行うので、経年変化や環境変化によって特性が不安定となる問題もなく、また、要求される特性に対応させることも容易である。また、周波数を種々異ならせたトーン信号を識別可能な簡素な構成を実現できる。
前記のトーン検出装置においては、前記共振型IIRフィルタはデジタル信号処理装置により実現され、それぞれの前記判定部は、前記倍率計算部により計算された倍率を閾値と比較する比較部を備えることが好ましい。
これにより、フィルタをプログラムとして実現することができるので、複数のフィルタを構成しても、回路規模は1つのフィルタと同じようにすることができる。また、仕様の変更も、プログラムの変更により簡単に実現することができる。
前記のトーン検出装置においては、次のトーン信号を検知するために音声信号が前記共振型IIRフィルタに入力される前に、当該共振型IIRフィルタにおいて波形に残るオフセット分が除去されることが好ましい。
これにより、異なる周波数のトーン信号が連続的に入力された場合、共振型IIRフィルタの波形に残るオフセット分をゼロとした上で次のトーン信号を検知することができる。この結果、検知能力を向上させ、誤動作を回避することができる。
また、本発明の他の観点によれば、上記のトーン検出装置を備える無線通信機が提供される。
本発明の一実施形態に係るDSB送受信機の全体的な構成を示した斜視図。 DSB送受信機の機能ブロック図。 トーン信号検出部の構成を示すブロック図。 共振器の構成を示すブロック図。 信号レベル検出部及びトーン判定部の構成を示すブロック図。 入力波形に含まれるオフセット分について説明するグラフ。
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るDSB送受信機1の全体的な構成を示した斜視図である。図2は、DSB送受信機1の機能ブロック図である。
図1に示す本実施形態のDSB送受信機(無線通信機)1は、両側波帯(Double Side Band、DSB)と呼ばれる振幅変調波を用いて、音声を送受信することができる。このDSB送受信機1は、例えば漁船が船団を組んで操業する場合に、仲間船と相互に連絡をとり合うために用いることができる。
DSB送受信機1は、図2に示すように、マイク14、スピーカ16及びアンテナ17を接続可能な送受信機本体10を備えている。送受信機本体10には、無線通信で音声をやり取りするための送信部20及び受信部21が内蔵されている。また、送受信機本体10には、送信部20及び受信部21等を制御するためのデジタル信号処理装置(DSP)からなる制御部19が備えられている。
図1に示すように、前記マイク14は、送信と受信とを切り替えるための切替スイッチ15を備えている。この切替スイッチ15は、押されることで送信側に切り替わるという意味のPush To Talkの頭文字をとって、PTTスイッチと呼ばれることがある。
切替スイッチ15は、図2に示す送受信切替部23に電気的に接続されている。前記アンテナ17としては適宜のものを用いることができ、例えば公知のホイップアンテナとすることができる。
図1に示すように、当該送受信機本体10の正面側には平面状のパネルが備えられている。そして、このパネルには表示部11と操作部12とが配置されている。表示部11及び操作部12は、図2に示す制御部19に電気的に接続されている。
前記表示部11は例えば液晶ディスプレイとして構成されており、DSB送受信機1の稼動状況等に関する情報を確認のために表示できるようになっている。この情報としては様々であるが、例えば、現時点で通信に使用しているチャンネル、電波の受信レベル等である。また、表示部11は送受信機本体10に関する各種設定項目や各種操作項目等をメニューで表示可能に構成されており、後述の操作部12を使用することで当該メニューに関する操作を行うことができる。
操作部12は、操作ボタン、回転ダイアル等の各種の操作具を備えている。ユーザは、適宜の操作を行うことによって、受信部21の感度の切替え等の所望の指示をDSB送受信機1(制御部19)に与えることができる。
送信部20は、マイク14から入力される音声信号に基づいて高周波信号を変調させ、増幅してアンテナ17に出力することにより、所定のチャンネル(周波数)で音声信号を送り出すことができる。受信部21は、アンテナ17から入力される信号に対して、増幅、復調等の処理を行い、所定のチャンネル(周波数)で送信された音声信号を取り出してスピーカ16に出力することができる。以上により、いわゆるA3E形式の電波による音声信号のやり取りが実現されている。
トーン信号発生部30は、音声周波数領域における所定のトーン信号を生成し、送信部20へ出力する。なお、このトーン信号としては、特定の船舶を選択して呼び出すための選択呼出信号(セルコール)や、緊急事態が発生したときに周囲の船舶に知らせるための注意信号等が考えられる。
このトーン信号発生部30は、正弦波を発生させる図略の発振器を備えている。そして、例えば前記選択呼出信号を送信する場合は、ユーザは、相手先の通信機を特定するための4桁の数字(選択呼出番号)を、操作部12の操作により指示する。すると、各桁について、1、2、・・・、0の数字に対応する約0.5〜2kHzのトーン周波数がトーン信号発生部30において生成され、4つのトーン信号が、送信部20を介してアンテナ17から連続的に送信される。
トーン信号検出部(トーン検出装置)31は、前記受信部21で復調された音声信号を監視し、所定のトーン信号(具体的には、前記セルコール信号)を検出した場合は、制御部19に信号を送るように構成されている。制御部19は、4つのトーン周波数に対応する4桁の数字(選択呼出番号)が自機の固有の数字と一致していたときは、表示部11に適宜の表示をさせたり、送受信機本体10のパネルに備えられたランプを点灯させたり、スピーカ16から呼出音を出力する等、適宜の方法でユーザに知らせる。これにより、ユーザは、自船がセルコールで呼び出されていることを知ることができる。
次に、DSB送受信機1が備えるトーン信号検出部31の詳細な構成について説明する。図3は、トーン信号検出部31の構成を示すブロック図である。
図3に示すトーン信号検出部31は、A/D変換器4と、バンドパスフィルタとしての共振器5と、信号レベル検出部6と、トーン判定部7と、を主要な構成として備えている。
受信部21からの復調音声信号は、A/D変換器4を通過してデジタルデータに変換された後、複数の共振器5に並列に入力され、それぞれ当該共振器5を同時に通過する。それぞれの共振器5は共振型IIRフィルタとして構成されており、「1」、「2」、・・・「0」の10個の数字、及び「R」に対応させるようにして、計11個の共振器5が配置されている。
各共振器5には、それぞれの数字に対応して無線設備規則で予め定められた所定の周波数が、共振周波数として設定されている。なお、「R」は、セルコールにおいて直前の数字の反復を意味する。例えば、「0011」という4桁の数字は「0R1R」というように表現され、これに相当するトーン信号が通信機の間でやり取りされる。
トーン判定部(判定部)7は、それぞれの共振器5に対応して設けられている。共振器5の出力信号はトーン判定部7に入力され、当該共振器5に対応するトーン信号の有無が判定される。そして、トーン信号ありと判定された場合は、トーン検出信号が制御部19に送信される。
図4は、1つの共振器5の構成を示すブロック図である。この共振器5は、乗算器、加算器、及び単位遅延素子を備えた公知のIIR共振型フィルタとして構成されており、これにより急峻な選択度特性を得ることができる。共振器5の共振周波数をF、共振の帯域幅をBとすると、図4に示される係数a1,a2及びb0は以下の式(1)〜(3)のように表すことができる。
Figure 0005322671
以上に説明した共振器5(共振型IIRフィルタ、バンドパスフィルタ)は特別な部品で構成されるものではなく、DSB送受信機1が備えるデジタル信号処理装置(DSP)において、プログラムによるデジタル信号処理で実現されるものである。従って、通常の通信制御や表示部の表示制御等を行うために従来から備えられていたDSP回路にプログラムを新しく追加することで、ハードウェアの変更を伴うことなく、機能を容易に追加することができる。なお、本実施形態では、信号レベル検出部6及びトーン判定部7もDSPにおいてプログラム的に実現されている。
また、デジタル処理を用いてフィルタを構成しているので、要求される特性(即ち、周波数及び帯域幅)を満たすことが容易である。本実施形態ではIIR共振型フィルタにより急峻な選択度特性が得られているので、後述の閾値を適当に設定することで、通常のフィルタでは不可能であった狭い帯域(例えば、500±1.5Hz)を実現することができる。
更に、このように共振器5がデジタルフィルタとして構成されているので、前述のメカニカルな共振特性を利用したフィルタと比較して、経年変化の影響を回避できるとともに、温度、湿度、振動等の環境の変化にかかわらずその特性を安定させることができる。
図3に示す信号レベル検出部6は、それぞれのトーン判定部7においてトーン信号の有無を判定するために基準となる信号を生成して出力するように構成されている。具体的には図5に示すように、信号レベル検出部6は、振幅検出部61と、平均値計算部62と、を備えている。
振幅検出部61は、受信部21から得られた復調音声信号の振幅を検出する。平均値計算部62は、継続して検出される前記振幅の平均値を計算し、その結果をトーン判定部7へ出力する。
前記トーン判定部7は、振幅検出部71と、平均値計算部72と、倍率計算部73と、比較部74と、を備えている。
振幅検出部71は前記信号レベル検出部6の振幅検出部61と同様に構成されており、共振器5を通過した信号の振幅を検出する。平均値計算部72は、振幅検出部71が検出した振幅の平均値を計算する。倍率計算部73は、平均値計算部72の計算結果を前記平均値計算部62の計算結果で除することで、信号レベルの倍率を計算する。
この信号レベルの倍率(レベル比)は、共振器5を通過した信号のレベルが、通過しなかった場合の信号のレベルの何倍となっているかを示すものである。ここで、仮に共振器5が持つ共振周波数に一致するトーン信号が復調音声信号に含まれていた場合は、当該トーン信号の成分が共振器5で例えば数十倍程度に強調されるので、上記の倍率は著しく大きくなる。本実施形態ではこのことを利用して、倍率計算部73で計算された倍率を比較部74で所定の閾値と比較し、この閾値を上回っていた場合はトーン信号ありと判定するのである。
そして、上記共振器5(バンドパスフィルタ)及びトーン判定部7の設計パラメータとしては、フィルタ係数、Q値、閾値、及び遅延量があり、これらは事情に応じて適宜決定される。例えば、前記閾値を高く設定すると共振周波数の尖塔値に近くなるので、帯域幅を狭く設定することができる。一方、閾値を低く設定すると共振周波数の裾野に近くなるので、帯域を広く設定することができる。このように、閾値を適宜設定することで、その使用目的に合致した帯域特性を得ることができる。
なお、セルコールの場合、4つの数字に対応する周波数のトーン信号が連続的に入力される。従って、上記の構成でトーン判定部7が1つ目の数字の周波数を検知するタイミングでは、次の別の数字に該当する周波数のトーン信号が全ての共振器5に入力され始めることになる。このとき、共振器5に前の数字の入力波形のオフセット(図6に図示)が残っていると、次に入力される波形が閾値に達する周波数が低くなり、周波数(即ち、数字)を正確に検知できなくなってしまう。
以下、詳細に説明する。図6のハッチングで示した部分は、「1」に相当するトーン信号が入力された後、「2」に相当するトーン信号が入力される場合に問題となる波形のオフセットを示している。セルコールの場合、数字に対応する周波数は、「1」〜「0」、「R」の順に、502.5Hz、532.5Hz、・・・というように30Hz刻みで定められ、最後の「R」に対応する周波数は802.5Hzである。「1」のトーン信号が入力されると、「1」〜「R」のすべての共振器5に、502.5Hzをピークとする山形の波形が入力される。そして、「1」の共振器5を通過した波形だけが大きな振幅を有することになり、これにより、当該トーン信号が「1」であると判定される。
そして、その直後に、「2」として検出されるべき範囲よりも低い周波数の信号が何らかの事情で入力されたとする。このような信号は、ピークの部分が「2」の共振器5における共振帯域幅に入らないので、通常では「2」のトーン判定部7において閾値を超える振幅が検出されず、この信号が「2」の信号と判定されることはない。ところが、「1」のトーン信号が入力された直後は、「2」の共振器5には当該「1」のトーン信号の波形が一定程度残留している。従って、「2」の共振器5においては、「1」のトーン信号波形の残留分に、新しく入力された問題の信号波形が上積みされる形となり、この結果、トーン判定部7で検出された振幅が閾値を超えてしまうことがある。これは、「2」として検出すべきでない信号を「2」のトーン信号であると誤検出してしまうことを意味する。
このように、過去の入力波形が残っていると、現在判定しようとしている波形に当該残存分がオフセットとして残ってしまい、誤動作の原因となる。なお、このようなオフセットは、上記の「1」と「2」のように2つの数字の周波数が近い場合により大きな問題となるが、「1」と「3」のようにある程度離れている場合でも、図6のように信号波形が重なる部分がある限り問題となり得る。
この点、本実施形態においては、各桁の信号の合間に相当する所定のタイミングで制御部19が全てのトーン判定部7にリセット信号を送り、この信号を受信したそれぞれのトーン判定部7が共振器5をリセットすることで、波形に残るオフセット分をゼロに戻すようになっている。従って、共振器5を用いて次の数字を検知するときに、過去の入力波形に起因する残存オフセットの影響を排除できるので、トーン検出能力を良好に向上させることができる。
以上に説明したように、本実施形態のDSB送受信機1が備えるトーン信号検出部31は、音声周波数帯域の特定のトーン信号を検出可能に構成されている。トーン信号検出部31は、共振型IIRフィルタとしての共振器5と、トーン判定部7と、を備える。共振器5には、デジタル信号に変換された音声信号が入力される。トーン判定部7は、共振器5を通過した信号のレベルに基づいて、検出すべきトーン信号が前記音声信号に含まれているか否かを判定する。
これにより、共振型IIRフィルタとしての共振器5により急峻な選択度特性を得て、従来のフィルタでは不可能であった狭い帯域を実現することができる。また、デジタルフィルタを用いてトーン信号の検出を行うので、経年変化や環境変化によって特性が不安定となることもなく、また、要求される特性に対応させることも容易である。
また、本実施形態において、トーン信号検出部31の共振器5はデジタル信号処理装置により実現されていることが好ましい。
これにより、前記共振器5等のフィルタをプログラムとして実現することができるので、複数のフィルタを構成しても、回路規模は1つのフィルタと同じように構成することができる。また、仕様の変更も、プログラムの変更により簡単に実現することができる。
また、本実施形態において、共振器5は複数備えられ、それぞれの共振周波数は互いに異なっている。デジタル信号に変換された前記音声信号は、複数の共振器5に並列で入力される。
これにより、周波数を種々異ならせたトーン信号を識別可能な簡素な構成を実現できる。
また、本実施形態においては、次のトーン信号を検知するために音声信号が共振器5に入力される前に、当該共振器5において波形に残るオフセット分が除去されるようになっている。
これにより、異なる周波数のトーン信号が連続的に入力された場合、波形に残るオフセット分をゼロとした上で次のトーン信号を検知することで、検知能力を向上させ、誤動作を回避することができる。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
共振器5の構成は、図4に示したものに限定されず、他の様々な構成の共振器を採用することもできる。
上記の実施形態のDSB送受信機1から受信部21を省略し、DSB送信機(即ち、送信専用の無線通信機)として構成することもできる。
上記実施形態の構成はDSBを用いた音声通信機に限定されず、例えば単側波帯(Single Side Band、SSB)を用いるSSB送受信機、周波数変調を行うFM送受信機等、各種の音声通信機に適用することができる。
上記のトーン検出の構成は、選択呼出信号の受信に限定されず、例えば注意信号の受信のために用いることができる。また、無線通信機に限らず、上記のトーン検出装置を留守番電話やリモコン等におけるトーン検出のために用いることもできる。
上記実施形態では制御部19が共振器5のリセットのための信号をトーン判定部7に送信しているが、制御部19が共振器5にリセット信号を直接送信して共振器5をリセットする構成に変更することもできる。
上記実施形態では、トーン判定部7によって音声信号から前記トーン信号を検出したと判定したか否かにかかわらず、適宜のタイミングで共振器5をリセットし、過去の信号入力に起因するオフセット分をゼロに戻すように構成されている。しかしながら、検出すべきトーン信号が前記音声信号に含まれているとトーン判定部7が判定した場合にのみ、制御部19からリセット信号を送信するように変更することもできる。
上記実施形態では、オフセット分の影響を除去するために、次の入力が始まる前に全ての共振器5にリセットを掛ける構成となっている。しかしながら、直前の入力信号の周波数と共振器5の共振周波数とが著しく乖離していた場合等、リセットが不要と判断された共振器5に関しては、リセットを省略する構成とすることもできる。
1 DSB送受信機(無線通信機)
5 共振器(共振型IIRフィルタ)
7 トーン判定部
19 制御部
31 トーン信号検出部(トーン検出装置)

Claims (4)

  1. 音声周波数帯域の特定のトーン信号を検出可能なトーン検出装置において、
    デジタル信号に変換された音声信号が入力される共振型IIRフィルタと、
    前記共振型IIRフィルタを通過した信号のレベルに基づいて、検出すべきトーン信号が前記音声信号に含まれているか否かを判定する判定部と、
    前記共振型IIRフィルタを通過しない信号の振幅を検出する第1振幅検出部と、
    前記第1振幅検出部が検出した振幅の平均値を計算する第1平均値計算部と、
    を備え、
    前記共振型IIRフィルタは複数備えられ、それぞれの共振周波数は互いに異なっており、
    前記判定部は前記共振型IIRフィルタに対応して設けられ、それぞれの前記判定部へ、前記第1平均値計算部が計算した平均値が出力され、
    それぞれの前記判定部は、前記共振型IIRフィルタを通過した信号の振幅を検出する第2振幅検出部と、前記第2振幅検出部が検出した振幅の平均値を計算する第2平均値計算部と、前記第2平均値計算部で計算した平均値を前記第1平均値計算部で計算した平均値で除することで信号レベルの倍率を計算する倍率計算部と、を備え、
    デジタル信号に変換された前記音声信号は、複数の共振型IIRフィルタに並列で入力され、
    検出すべき前記トーン信号の波形が複数の前記共振型IIRフィルタに入力されると、そのうち1つを通過して前記判定部に入力された波形だけが大きな振幅を有することを特徴とするトーン検出装置。
  2. 請求項1に記載のトーン検出装置であって、
    前記共振型IIRフィルタはデジタル信号処理装置により実現されており、
    それぞれの前記判定部は、前記倍率計算部により計算された倍率を閾値と比較する比較部を備えることを特徴とするトーン検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載のトーン検出装置であって、
    次のトーン信号を検知するために音声信号が前記共振型IIRフィルタに入力される前に、当該共振型IIRフィルタにおいて波形に残るオフセット分が除去されることを特徴とするトーン検出装置。
  4. 請求項1から3までの何れか一項に記載のトーン検出装置を備えることを特徴とする無線通信機。
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