JP5322385B2 - 質量分析器におけるイオン集団の制御 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2003年1月24日提出の米国仮出願No.60/442,368および2003年6月5日提出の米国仮出願60/476,473に利益を請求し、その両方を参照により本願に組み込む。
(背景)
本発明は、質量分析計におけるイオン集団の制御に関する。
イオン保存型質量分析計、たとえばRF四重極イオントラップ、ICR(イオンサイクロトロン共鳴)、orbitrapおよびFTICR(フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)質量分析計は、発生したイオンをイオン光学手段を介して質量分析計の貯蔵/捕獲セルに移して、ここでイオンをさらに解析することによって機能する。当該装置における質量分解能、質量精度および再現性に限界を与える主要な要因の一つとして空間電荷があり、この空間電荷によって、実験から次の実験の間の、貯蔵、捕獲条件、またはICRまたはイオントラップの質量分析能力を変化させて、得られる結果を変えることが可能になる。
同様に、飛行時間型(TOF)装置、またはTrap−TOFなどのハイブリッドTOF質量分析計の操作において、操作者は典型的には、感度を最大限にするために、検出装置を飽和させるほどではないにせよ、できるだけ高い絶対イオン速度をTOFに与えようと試みる。高い質量精度測定のために内部質量標準を用いる場合には、この問題は、内部標準と対象測定試料との相対強度を緊密に一致させる必要があるためにさらに複雑化する。
空間電荷効果は、捕獲されたイオンの電場同士の影響によって発生する。イオンの最終集団の組み合わせまたはバルク電荷は、周波数、したがってm/zに変化をもたらす。空間電荷が非常に高いと、得られる解像度が低下し、周波数(m/z)の近いピークが少なくとも部分的に融合することもある。走査と走査の間で生じる著しい空間電荷の強度の変化は、1つのイオン化/イオン注入事象と次の事象との間のセル内のイオン数の変化によって引き起こされる、捕獲されたイオンの密度の変化から生じる。空間電荷が考慮されるか、あるいは調節されない限り、高い質量精度、精細な質量および強度測定値を確保することはできない。
イオンに対するその他の力が存在しない均一の磁場内において、イオンの運動の角周波数は、以下のように、イオン電荷、イオン質量、および磁場強度の単純関数である:
ω=qB/m
(式中、ω=角周波数、q=イオン電荷、B=磁場強度、およびm=イオン質量)この単純化した等式は、イオンの周波数に対する電場の影響を無視している。参照により本願に組み込む、Franclら“Experimental Determination of the Effects of Space Charge on Ion Cyclotron Resonance Frequencies”Int.J.Mass Spectrom.Ion Processes,54,1983,p.189−199に記載されるように、ICRセルにおけるイオンのサイクロトロン周波数は、以下のように近似することができる:
ω=qB/m−2αV/aB−qρG/ε
(式中、αはセル幾何定数であり、Vは捕獲電圧であり、aはセル径であり、ρはイオン密度であり、Gはイオン雲幾何定数であり、εは、自由空間の許容度である。)
したがって、FTICR内のイオン集団が変化してもよい場合には、イオンが、セルおよび磁石の場に加えて別のイオンの静電場との相互作用によって移動し、結果として測定ピーク位置が移動する。これによる質量移動はわずか10数ppmであるので、比較的小さな問題とされてきた。しかしながら、分析への要求が進むにつれて、1ppmの範囲の質量精度を得ることが望まれるようになってきた。
イオン貯蔵型装置における結果の再現性、質量解像度および精度を高める1つの方法としては、貯蔵/捕獲された後に質量分析計に解析されるイオン集団を制御することである。
(要旨)
本発明は、所定のイオン集団を蓄積させ、蓄積したイオン集団を質量分析計の分析セルまたは一部に移送することにより、質量分析計内でイオン集団を制御する方法および装置を提供する。
一般に、1つの局面において、本発明は、質量分析計において被分析イオン集団を制御するための技術を具現する方法および装置を提供する。本技術は、指定された所定のイオン集団を蓄積させるのに必要な時間を表す蓄積期間を決定することと、該蓄積期間に対応する注入時間間隔のあいだイオンを蓄積することと、蓄積イオンを質量分析計に導入することとを含んでいる。
一般に、別の局面において、本発明は、質量分析計を運転するための技術を具現する方法および装置を提供する。本技術には、イオンを蓄積させることにより、質量分析計に導入するイオンの集団を制御することと、蓄積イオンから得られるイオンを質量分析計に導入することとが含まれる。イオンは、イオン蓄積速度と所定の最適イオン集団との関数として決定される時間のあいだ蓄積される。蓄積速度は、イオン源からイオンアキュムレータへのイオンの流速を表す。
一般に、第3の局面において、本発明は、質量分析計の操作のための関連技術を具現する方法および装置を提供する。本技術には、第1のイオンサンプルをイオン源から複数の多重極素子に導入することと、サンプリング時間間隔の間に、イオンアキュムレータ内に第1のイオンサンプルからのイオンを蓄積することと、第1のイオンサンプルからのイオンを検出することと、検出およびサンプリング時間に基づいて注入時間間隔を決定することと、第2のイオンサンプルをイオン源から複数の多重極素子に導入することと、前記注入時間に対応する時間のあいだ、イオンアキュムレータ内に第2のイオンサンプルからのイオンを蓄積することと、蓄積イオンから質量分析計にイオンを導入することとが含まれる。注入時間間隔は、所定の最適イオン集団を得るための時間間隔を表す。
一般に、さらに別の局面において、本発明は、質量分析計の操作のための方法および装置を提供する。本技術は、イオンサンプルを、イオン源から質量分析計へと延びるイオン路に沿って導入して、イオンサンプルからのイオンをサンプリング時間間隔のあいだ蓄積させる前実験を行うことを含む。イオンサンプルからのイオンを検出し、注入時間間隔を検出およびサンプリング時間間隔に基づいて決定する。イオンを注入時間間隔に相当する時間のあいだ蓄積させ、蓄積イオンからのイオンを質量分析計に導入する。注入時間間隔は、所定の最適イオン集団を得るための時間間隔を表す。
特定の実施態様では、以下の特徴の1つ以上を含んでいてもよい。イオンは、イオンアキュムレータ内に蓄積させてもよい。技術は、蓄積イオンを、質量分析計に導入する前に、イオンアキュムレータからストレージデバイスに移送することを含んでいてもよい。注入時間間隔に対応する時間のあいだイオンを蓄積することには、2期間以上のあいだ蓄積させることを含んでいてもよい。蓄積イオンを、イオンアキュムレータからストレージデバイスに移送することには、2期間以上のそれぞれの後であって、質量分析計にイオンを導入する前に、蓄積イオンをイオンアキュムレータからストレージデバイスに移送することを含んでいてもよい。この技術は、イオンが段階的に蓄積されるような期間の数を決定する第2の前実験を含んでいてもよい。イオンは、蓄積イオン集団全体が質量分析計に導入される前に、所定の回数に従ってストレージデバイスに蓄積および移送してもよい。
イオンアキュムレータは、RFイオンストレージデバイス、たとえば、環状イオンガイド、3次元トラップ、多重極イオンガイドまたは他の適切な素子を含んでいてもよい。多重極イオンガイドは、RF多重極リニアイオントラップであってもよい。イオンサンプルからのイオンを検出することには、イオンサンプルからのイオンの少なくとも一部をイオンアキュムレータから質量分析計へのイオン路を横切る方向に、イオンアキュムレータから検出器に向けて排出することを含んでいてもよい。多重極イオンガイドは、RF四重極イオントラップであってもよい。
イオンは、蓄積前に質量フィルタによってフィルタリングしてもよい。イオンのフィルタリングは、イオンサンプルと、1つ以上の質量フィルタを含む多重極素子を通るイオンを通過させることを含んでいてもよい。質量フィルタは、四重極素子を含んでいてもよい。イオンは、イオンアキュムレータ中に蓄積された後に検出器内で検出されてもよい。イオンサンプルからの実質的にすべてのイオンを、その後のあらゆるイオン蓄積の前に、イオンアキュムレータから除去するようにしてもよい。
イオンの蓄積は、1つの時間間隔の間に実質的に連続的にオン蓄積器内にイオンを受け取ることを含んでいてもよい。イオンアキュムレータは、質量分析計であってもよい。
イオンサンプルからのイオンの検出は、イオンサンプルからのイオンの電荷密度またはイオン密度を検出することを含んでいてもよい。イオンサンプルからのイオンの検出は、イオンサンプル内のイオンを検出することを含んでいてもよい。蓄積イオンから質量分析計へのイオンの導入は、蓄積イオンの少なくとも一部を質量分析計に導入することを含んでいてもよい。
生成イオンは、蓄積イオンから発生させてもよく、蓄積イオンからのイオンの導入は、生成イオンの少なくとも一部を質量分析計に導入することを含んでいてもよい。生成イオンは、イオンサンプル中のイオンから、および質量分析対象のイオンから生成されてもよい。イオンサンプルからのイオンの検出は、イオンサンプル中のイオンから発生する生成イオンの少なくとも一部を検出することを含んでいてもよい。蓄積イオンに由来するイオンの質量分析計への導入は、質量分析計に、蓄積イオンから発生した生成イオンの少なくとも一部を導入することを含んでいてもよい。
質量分析計は、RF四重極イオントラップ質量分析計、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、orbitrap質量分析計、またはTOF素子であってよい。イオン源は、実質的に連続するイオン流を発生しうる。イオン源は、大気圧化学イオン化(APCI)源、大気圧光イオン化(APPI)源、大気圧光化学イオン化(APPCI)源、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)源、大気圧MALDI(AP−MALDI)源、電子衝撃イオン化(EI)源、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源、捕獲電子捕獲イオン化源、高速原子衝撃源または二次イオン(SIMS)源であってよい。
蓄積イオン由来のイオンの質量スペクトルを判定することができる。質量スペクトルは、注入時間間隔に従って、質量スペクトル内のピークの強度を計測することにより、判定することができる。
いくつかの実施態様において、蓄積速度は、イオンが蓄積されている最中に測定してもよい。たとえば、蓄積速度は、イオンが蓄積されている最中に、イオンビームの一部を検出器の方へ転向させる(divert)ことによって測定することができる。イオンビームの一部をイオンアキュムレータに伝送し、イオンビームの残りの部分を代表するシグナルをイオンが蓄積されている最中に検出するようにしてもよい。
一般に、別の局面において、本発明は、質量分析装置を提供する。該装置は、イオン源と、イオン路に沿ってイオン源の下流に配置される質量分析計と、イオン路に沿ってイオン源と質量分析計の間に配置されるイオンアキュムレータと、イオン源からのイオンを受け取るように設けられ、受け取ったイオンを検出したことを示すシグナルを発生するように構成された検出器と、検出器およびイオンアキュムレータと連絡するプログラム可能なプロセッサとを含む。プログラム可能なプロセッサは、検出器シグナルを用いて、イオンアキュムレータ内に指定したイオン集団を蓄積させるのに必要な時間を表す蓄積期間を決定し、イオンアキュムレータに、蓄積期間に対応する注入時間間隔のあいだイオンを蓄積させ、蓄積イオン由来のイオンを質量分析計に導入するように作動可能である。
特定の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を含んでいてもよい。イオンアキュムレータは、二次質量分析計内に含めてもよい。該装置は、イオン路を沿ってイオン源とイオンアキュムレータの間に配置される質量フィルタを含んでいてもよい。質量フィルタは、イオン路に沿ってイオン源の下流に配置される複数の多重極素子内に含まれていてもよい。複数の多重極素子は、質量フィルタとコリジョンセルを含んでいてもよい。
検出器は、イオン路の外側に配置してもよい。イオンアキュムレータは、分析用質量分析計に向けてイオンをイオン路に沿って直線的に排出するように構成してもよいし、イオン路の横断方向に検出器に向けて排出するように構成してもよい。イオン路に沿って複数の多重極素子の下流に分流部を設けてもよい。分流部は、イオン路からのイオンを検出器に向けて分岐させるように構成することができる。検出器は、イオン路に沿って設けてもよい。検出器は、イオン路に沿って複数の多重極素子の下流に配置される変換ダイノードを含んでいてもよい。
本装置は、イオン路に沿ってイオンアキュムレータの下流に配置されるストレージデバイスを含んでいてもよい。ストレージデバイスは、イオンアキュムレータからイオンサンプルを繰り返し受け取って蓄積し、蓄積イオンサンプルを質量分析計に排出するように構成することができる。
質量分析計は、RF四重極イオントラップ質量分析計、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、またはorbitrap質量分析計であってよい。イオン源は、大気圧化学イオン化(APCI)源、大気圧光イオン化(APPI)源、大気圧光化学イオン化(APPCI)源、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)源、大気圧MALDI(AP−MALDI)源、電子衝撃イオン化(EI)源、エレクトロスプレーイオン化(ESI)源、捕獲電子捕獲イオン化源、高速原子衝撃源または二次イオン(SIMS)源であってよい。
一般に、別の態様において、本発明は、イオン源と、イオン路に沿ったイオン源の下流に配置されるイオンサイクロトロン共鳴(ICR)質量分析計と、イオン路から離れて配置される検出器と、イオン路に沿って、イオン源とICR質量分析計の間に配置されるRFリニア四重極イオントラップと、検出器とリニアイオントラップと連絡するプログラム可能なプロセッサとを含む質量分析装置を提供する。RFリニア四重極イオントラップは、イオン路を沿ったイオン源からイオンを受け取るように構成してもよく、また、ICR質量分析計に向けてイオン路に沿って直線的にイオンを排出するか、または検出器に向けてイオン路の横断方向に排出するように構成してもよい。プロセッサは、RF直線四重極イオントラップ内に、指定されたイオン集団を蓄積するのに必要とされる時間を表す蓄積期間を決定し、RFリニア四重極イオトラップに、蓄積期間に対応する注入時間間隔のあいだイオンを蓄積させ、蓄積イオンの少なくとも一部をICR質量分析計内に導入するように動作してもよい。
特定の実施態様は、以下の特徴の1つ以上を含んでいてもよい。多重極質量フィルタおよびコリジョンセルは、イオン路に沿ったイオン源とリニアのイオントラップの間に配置してもよい。ストレージデバイスは、イオン路に沿ったリニアイオントラップの下流に配置してもよい。ストレージデバイスは、リニアイオントラップからイオンサンプルを繰り返し受け取って蓄積し、蓄積イオンサンプルをICR質量分析計に排出するように構成することができる。
本発明は、以下の特徴の1つ以上を提供するように実施してもよい。イオンアキュムレータ内に蓄積したイオン集団および、質量分析計に導入するイオン集団は、イオンの選択および分析における空間電荷効果を低減または除去するように制御してもよい。MS実験において、前駆イオンの集団、および/または生成イオンの集団の両方を制御することができる。不要なイオンは、該イオンを質量分析計に導入する前にイオン流から除去して、質量分析計によって達成される測定の感度、精度、解像度および速度を向上させるようにしてもよい。
特に定義しない限り、本願において用いるすべての技術および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味を有するものとする。抵触の場合には、定義を含めた本明細書が基準となる。特に注記しない限り、「含む(“include”,“includes”および“including”)」、ならびに、「含む(からなる)(“comprise”,“comprises”および“comprising”)」は、開放的(open−ended)な意味合い、すなわち、「含まれる(“included”または“comprised”)」対象が、他の集合または群の部分または成分の存在を除外することなく、より大きな集合または群の一部または成分であるか、あってもよいことを示す。本発明の1つ以上の実施態様の詳細を添付の図面および下記の説明中に記載する。本発明のさらなる特徴、態様、および利点は、明細書、図面、および請求項から明らかになるであろう。
様々な図面における同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
(詳細な説明)
図1に示すように、本発明の1つの態様に従う質量分析計130において、イオン集団を制御するために用いることのできる装置/システム100は、イオンアキュムレータ120(イオンアキュムレータ電子部150を付属)と連絡するイオン源115と、検出器125(検出器電子部155を付属)と、質量分析計130とを含む。システム100のいくつかまたはすべての部品は、様々な部品からのデータを受け取って処理し、受け取ったデータに対する分析を実施するように構成してもよい、適切にプログラムされたデジタルコンピュータ145などのシステム制御部に連結してもよい。
イオンスプレーまたはエレクトロスプレーイオン源などの任意の従来のイオン源であってよいイオン源115は、たとえば、自動サンプラ105や液体クロマトグラフ110などから受け取った材料からイオンを発生する。イオン源115によって発生したイオンは、(直接的または間接的に)イオンアキュムレータ120に進行する。イオンアキュムレータ120は、イオン源115から発生したイオンに由来するイオンを蓄積するように機能する。本願で用いる、イオン源によって提供されるイオンに「由来する」イオンには、イオン源によって発生されるイオン、ならびに、後で詳細に検討するように、上記イオンの操作によって発生したイオンも含まれる。イオンアキュムレータ120は、イオンを貯蔵するように構成され、イオン伝送用の開口を有した複数の電極を含む、たとえば、多重極イオンガイド、たとえばRF四重極イオントラップ、またはRFリニア多重極イオントラップ、またはRF「イオントンネル」などの形態であってもよい。イオンアキュムレータ120がRF四重極イオントラップである場合、RF四重極イオントラップ中に捕獲される電荷に対するイオン質量の範囲および効率(m/z’s)は、たとえば、RFおよび四重極場を発生するために用いるDC電圧を選択することにより、または補助場、たとえば広帯域波形を与えることによって、制御してもよい。イオンアキュムレータ120に注入されるイオンの十分な衝突安定化を可能にするために、好ましくは衝突または減衰ガスをイオンアキュムレータに導入する。
図1に示す実施態様において、イオンアキュムレータ120は、排出されたイオンを検出する検出器125に向けてイオンを排出するように構成することができる。検出器125は、イオンアキュムレータ120から排出されたイオンを検出するために使用可能な任意の従来の検出器であってよい。1つの実施形態において、検出器125は、電子増倍検出器やアナログ電位計などの外部検出器であってよく、イオンはイオンアキュムレータ120から、イオンビームの通路を横切る方向に、質量分析計に向けて排出してもよい。
イオンアキュムレータ120は、質量分析計130に向けて(随意でイオン移送光学部140を介して)イオンを排出するようにしてもよく、該質量分析計130においては、イオンをたとえば、分析部(たとえば、セル)135において分析してもよい。質量分析計130は、任意の従来のトラップ型イオン質量分析計、たとえば、3次元四重極イオントラップ、RFリニア四重極イオントラップ質量分析計、Orbitrap、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計であってよいが、他の従来の質量分析計、たとえば飛行時間型質量分析計を用いてもよい。
図2は、システム100内の質量分析計130におけるイオン集団の制御方法200の説明図である。本方法は、前実験から開始し、この間に、イオンがイオンアキュムレータ120(工程210)中に蓄積され、検出器125(工程220)において検出される。イオンは、上述のようにイオン源115において発生する。発生したイオンに由来するイオンが、所定のサンプリング間隔のあいだ(たとえば、イオンアキュムレータ120を、イオン源115によって発生されるイオン流に対して、所定のサンプリング間隔に対応する期間のあいだ開放することより)、イオンアキュムレータ120内に蓄積される。サンプリング間隔の持続時間は、問題とする個々のイオンアキュムレータに応じて異なり、イオンアキュムレータに後続の検出および前実験の判定工程に十分なイオンを供給するのに十分な比較的短い時間間隔である。たとえば、典型的なRF多重極リニアイオントラップは、0.02から200ミリ秒またはそれ以上の時間かけて、エレクトロスプレーイオン化源によって発生されるイオンによって、容量まで充填される。したがって、このような蓄積器に対する適切なサンプリング時間間隔は、0.2ミリ秒前後であろう。次に、実質的にすべての蓄積イオンがイオンアキュムレータ120から排出され、排出されたイオンの少なくとも一部が検出器125上を通過する。残っているすべてのイオンは、次にイオンアキュムレータ120内にイオンが蓄積される前に、イオンアキュムレータ120から排出されなければならない。
検出器125から発生される、排出イオンの検出シグナルを用いて、注入時間間隔(工程230)を決定する。注入時間間隔は、下記のより詳細に説明するように、後続実験の目的に最適と予想される所定のイオン集団を得るために必要な蓄積時間量を表す。注入時間間隔は、排出イオンの検出シグナルと、所定のサンプリング間隔から、イオンアキュムレータ120内の蓄積速度を推定することにより、すなわち、サンプリング時間間隔のあいだに蓄積器120内に捕獲されたイオン集団を推定することにより決定することができる。この推定蓄積速度(実質的にイオン流が連続していると想定して)から、質量分析計130によってその後に分析される最終イオン集団を最終的に発生するために、イオンアキュムレータ120にイオンを注入するのに必要な時間を決定することができる。
イオンアキュムレータ120中に、決定された注入時間間隔に対応する期間のあいだイオンを蓄積させる(工程240)。これらの蓄積イオンは、分析のために質量分析計130に移送される(工程250)。
上で検討したように、注入時間間隔は、蓄積器がイオンアキュムレータまたはシステム100の性能を最適化するための所望のイオン集団を(初期処理または操作後に)蓄積するように、イオンアキュムレータ120にイオンを供給する期間を表す。
最適性能は、様々な基準、たとえば、過剰な空間電荷の除去、複数の測定にわたる空間電荷の一貫性、質量分析計の特別の特徴に対する順化などに関連する。したがって、たとえば、質量分析計における低イオン集団に対しては、ノイズレベルから検出されたイオン集団を区別することが難しいかもしれない。分析室内のイオン集団を増加させることにより、質量分析計のこの問題を無くすことができるかもしれない。
一方、これまでは、フーリエ変換質量分析計におけるイオン集団の増加が空間電荷の問題をもたらし、個々のイオンの周波数が移動し、m/z割り当ての精度を悪化させることがあった。周波数の移動は、局所的な周波数移動または大きな(bulk)周波数移動であり、m/z割り当てに誤差を生じさせることもある。より高い電荷レベルにおいて、周波数の近いピーク(m/z)が、全体的または部分的に融合することもある。このことは、とりわけ、同位体質量が近いイオン集団を扱う場合、および隣接するイオンの質量強度を測定する場合に関心事となりうる。
決定された注入時間間隔のあいだイオンを蓄積するために、イオンアキュムレータ120は、部分的に充填するだけでよいかもしれないし、2回以上充填する必要があるかもしれない。すなわち、イオンアキュムレータ120は、イオンアキュムレータ120をその全容量まで充填するのに必要な時間より短い時間のあいだ、イオン源115からのイオン流に対して開放される場合もある。あるいは、決定された注入時間間隔のあいだ蓄積させるために、イオンアキュムレータを複数回充填する必要があるかもしれない(たとえば、蓄積器が、全注入時間間隔のあいだにイオン源115から導入されるイオン量を収容することができない場合など)。この場合、蓄積イオンは、所望の二次蓄積器集団が達成されるまで、どこか別のところ(後でより詳細に記載する)に貯蔵しておいてもよい。
このように、注入時間間隔は、イオン蓄積速度からおよびシステム100に関連する最適なイオン充填条件から決定される。最適集団は、各イオン上の電荷数と実際の電荷の両方を考慮に入れた電荷密度、または、イオン数を考慮に入れ、選択されたイオンのいずれに付随する電荷も同一(かつ通常は1つ)であると仮定したイオン密度のいずれかに関するものであってよい。
注入時間間隔は、単純に検出されたイオン電荷(検出イオン電流の積分)に基づいて決定してもよい:
注入-最適検出-最適 /Q 検出AGC-前実験 ×T注入-前実験
(式中、Tは時間を表し、Qは検出されたイオン電荷(検出イオン電流の積分)を表す)イオンアキュムレータ120および質量分析計130によって課される限定または制限は、最適イオン集団(すなわち、注入時間間隔全体にわたって蓄積されるイオン集団)が、イオンアキュムレータ120内の最適イオン集団か、質量分析計130の分析セル135内の最適イオン集団かのいずれに対応するかを指示するものであってもよい。イオンアキュムレータ120内および/または質量分析計130の分析セル135内のイオン集団を調節することにより、システム100を最適容量で動作するように調整することができる。すなわち、所定の注入時間間隔だけイオンを蓄積させることにより、イオンアキュムレータ120または質量分析計130の分析セル135を、該素子を飽和させないその最大容量まで充填するイオン集団が得られる(すなわち、望ましくない空間電荷効果をもたらすことはない)。
分析セル135内に捕獲されたイオンの最終集団は、多数の既知の方法によって、m/z分析することができる。たとえば、FT−ICR法においては、捕獲されたイオンがそのサイクロトロン運動が拡大され大きく干渉するように(同じm/zのイオンが位相の近いサイクロトロン運動を有するように)励起される。この放射状励起は、一般に、適切なAC静電二極場(平行板コンデンサー場)が発生されるように、AC電圧を分析セル135の電極に重畳することによって達成される。一旦イオンを励起して、大きく実質的に干渉性のサイクロトロン運動を得たところで、励起を停止し、イオンをその天然の周波数で自由に循環(振動)させる(主としてサイクロトロン運動)。磁場が完全に均一であり、DC静電捕獲電位が完全に四重極(他の場を考慮する必要のない、均質な場合)であれば、イオンの天然の周波数は、場のパラメータおよびイオンのm/zによって全体的に決定することができる。これらの状況における良好な一次近似f=B/(m/ze)。
振動イオンは、セルの電極(およびその上の対応する小さい電圧シグナル)内にイメージ電流を誘発する。これらのシグナル(様々な範囲のひずみを有する)は、セル内のイオンの運動と類似している。シグナルを増幅し、デジタル的にサンプリングし、記録する。周知のシグナル処理方法(DFT、FFTなど)によるこの時間ドメインデータは、周波数ドメインデータ(周波数スペクトル)に変換する。振幅−周波数スペクトルは、以前に決定されたfからm/zへの較正に基づいて、振幅−m/zスペクトル(マススペクトル)に変換される。得られるスペクトル内のピークの強度を、スペクトルを作成する元となったサンプルを提供するために用いたイオン注入の全時間(イオンアキュムレータの全「充填」時間にわたって)によって計る。このようにして、結果として得られる、分析セル135内に捕獲されたイオンの最終m/z分析集団のm/zスペクトルは、これらのイオンがイオン源内で発生され、イオンアキュムレータに移送される速度と比例した強度を有している。
システム100は、イオンがフラグメント化される(典型的には最初の質量選択工程に続く)MSモードで動作し、その後、フラグメント化されたイオンが質量分析にかけられるように合わせてもよい。本明細書において用いる「生成イオン」とは、1回の質量選択工程に続く1回のフラグメント化工程(すなわち、「MS/MS」モード)によって生成したイオン、ならびに、2回目、3回目、またはそれ以上の質量選択およびフラグメント化工程で発生されたイオンも含む。生成イオンを発生するために用いることのできる1つの技術として、中性バックグラウンドガスによるイオンの衝突誘起解離(CID)によって起こるイオンフラグメント化がある。生成イオンを発生させる他の方法としては、限定はされないが、解離、光解離、および熱解離をもたらすイオン−分子間反応またはイオン−イオン間反応が挙げられる。
図1を参照して、このモードで動作するようにされたシステム100の1つの実施態様は、2つの質量分析計165および130と、付属の電子部170および160とを含んでいる。第1の質量分析計165(点線で表示)は、RFリニア四重極イオントラップなどのイオンアキュムレータ120を含み、特定のイオンを選択するように、また必要に応じて、数世代に亘ってイオンを発生させるように動作させることができる。分析器165もまた、選択されたイオンの質量および量を確認するために(すなわち、素子内に捕獲されたイオンの質量スペクトルを生成する)用いることができる。
動作の一モードにおいて、イオンが、上述のように本質的に空のRFリニア四重極イオントラップ(イオンアキュムレータ120)内に注入される。その後、RFリニア四重極イオントラップに印加される電圧を操作して、特定の質量電荷比(m/z)を有するか、特定の質量電荷比(m/z)範囲内にあるイオンを選択する。この工程の効率と精度は、空間電荷に依存する。CIDを用いる実施形態において、親または前駆イオンが単離された状態で捕獲され、これらの捕獲されたイオンがガス状媒体内で励起されて、単離イオンのフラグメント化をもたらし、生成イオンを発生する。生成イオンの収率は、単離とフラグメント化の両方の成功に応じて変わる。
その後、実質的にすべての生成イオンがリニアイオントラップから排出され、これらのうちの少なくとも一部検出器125上に渡されて、ここで上述のように検出される。このことは、イオンがm/zシーケンスで排出される走査として行われることが好ましい。これにより、m/z依存性の効果の修正を行える。排出イオンの検出シグナルを用いて、リニアイオントラップ内に捕獲されたイオン集団を調節し、その後、イオン集団を移送し、捕獲し、質量分析計130内で分析する。
注入時間間隔を決定する。この動作モードにおいて、蓄積器内の所望の最適イオン集団は、質量分析計130に流入する生成イオンの所望の集団(イオンアキュムレータに最初に流入した(親)イオンの集団と必ずしも同じではない)に対応しうる。この場合、注入時間間隔は、イオンアキュムレータ120を、あらゆる選択およびフラグメント化工程の後に所望の生成イオン集団を与えるのに十分な親イオン集団で充填するのに必要な時間を表す。
適切な注入時間間隔が決定したところで、イオンを第1の質量分析計165の多重極イオンガイド内に、該間隔に対応する期間のあいだ導入し、蓄積させる。次に、蓄積イオンはイオン移送光学部140を介して第2の質量分析計130の分析セル135中に移送され、ここで上述のように分析される。
好ましくは、MS/MSモードにおいて用いるイオンは、「生成イオン」の形態ではなく、初期(すなわち親)イオンの形態で調節される。イオンは、サンプリング時間間隔のあいだ、本質的に空のRFリニア四重極イオントラップ120内に注入される。次に前駆イオンが、RFリニア四重極イオントラップ内で選択される。単離された(前駆体)内容物は、RF四重極リニアトラップ120から排出され、その少なくとも一部が検出器125に渡される。
排出イオンの検出シグナルを用いて、RFリニア四重極イオントラップにおいて発生する生成イオンの集団、または続いて質量分析計130において分析される生成イオンの最終集団を最終的に制御するために、RFリニア四重極イオントラップ120にイオンを注入するのに必要な時間量を表す注入時間間隔を決定する。
この決定は、前駆イオンからの生成イオンの収率が比較的一定の動作条件下において実質的に一定であるという前提を含む、いくつかの前提に基づくものとなろう。本例においては、RFリニア四重極イオントラップ120内のイオン集団の制御によって、ICRの分析セル135内のイオン集団の効果的な制御(または少なくとも制限)を行うことができる。
MS/MS動作に対する1つの実施形態において、システム100は、質量分析計130としてのフーリエ変換質量分析計を含み、質量電荷比(m/z)選択の第1段階(前駆イオンの選択)は、イオンをRFリニア四重極イオントラップ(イオンアキュムレータ120)に導入する前に行われる。この場合、(一度または何回かの反復のいずれかによって)RFリニア四重極イオントラップに導入される最終イオン集団は、FTMSイオン集団限界によって決定される。所望のFTMS結果のために質量分析計130の分析セル135を適切に充満するために(すなわち、分析セル内での所望のイオン集団を確保するためにRFリニア四重極イオントラップに導入すべき、選択されたイオンの最適集団)、RFリニア四重極イオントラップをどの程度「充満」すべきかとの関係は、適切な前実験を用いて経験的に決定することができる。
あるいは、MS/MSモードにおける質量電荷比(m/z)選択の第1段階は、RFリニア四重極イオントラップ120において行ってもよい。この場合、FTMS質量分析計に移送されるイオンの最終集団は、選択工程において損失されると予測される初期イオン集団と、フラグメント化工程の効率と、FTMSm/zスペクトルを与えるのに必要なイオン量を考慮に入れて、選択されたイオン集団に基づいて、所望の最大誤差内に制御することができる。この場合も、これは適切な前実験に基づいて実験的に決定された較正である。
殆どの場合において、ICRセル135の相対容量は、リニアイオントラップ120の容量とほぼ同等かはるかに大きい。いずれの場合でも、イオン抽出前のリニアイオントラップ120内での空間電荷レベルに換算した、ICRセル135内の最大許容空間電荷レベルは、装置(磁場の強さ、ICRセルの大きさ)および所望のm/z精度およびFTICRデータによって提供されるダイナミックレンジ(これらは、捕獲されたイオン数、ICR半径などの変化と互換)に強く依存する。超高精度実験に対しては、FTICRの空間電荷限界が、リニアイオントラップのイオン充填を決定することもある。FTデータにより高いダイナミックレンジが要求されるが、m/z精度は小さくてもよい実験においては、リニアイオントラップの単離空間電荷限界が、リニアイオントラップの充填を決定することもよくある。
イオンアキュムレータ120および/または第1の質量分析計165、ならびに第2の質量分析計130を含む上述の装置は、上述の前実験と組み合わせることにより、質量分析計130を最適な方法、好ましくは、イオンアキュムレータ120内に捕獲されるイオン集団を制御し、次に移送される、質量分析計130の分析セル135内で捕獲または分析されるイオン集団を制御する最適な方法で、質量分析計130を提供できるようになる。
図3は、システム300が、イオンアキュムレータ120の前に位置する検出器125を含んでいる、代替実施形態を示す。この実施形態において、イオン源115によって発生したイオンは、質量フィルタ310を横断してから、イオンアキュムレータ120に到達する。質量フィルタ310は、特定の所望のイオンだけがイオンアキュムレータ120に渡されるように、不要なイオンを濾去することのできる任意の素子であってよい。したがって、たとえば、質量フィルタ310は、特定のm/z比を有するイオン、たとえば特定の生成イオンのみを通過させるように構成された、複数の多重極、たとえば、四重極によって提供されてもよい。
本実施形態において、イオンアキュムレータ120は、事前選択されていてもされていなくてもよいイオンを一時的に蓄積し、イオン選択能を独立して有している必要がない。このようなイオンアキュムレータの例は、RF多重極素子である。イオン束の初期測定は、検出器125によって提供される。
イオン束の測定値を用いて、その後に質量分析計130において分析される最終イオン集団を最終的に制御するために、イオンアキュムレータ120内にどのくらいの長さでイオンを注入する必要があるかを表す注入時間間隔を決定する。
次に、被分析イオン(またはそれらの前駆体)が、質量フィルタ310を通過させられて、イオンアキュムレータ120中に蓄積される。イオンアキュムレータ120の中身全体が分析のために質量分析計130へ送られる。
図3は、ビーム路に関して、質量フィルタ310より後で、イオンアキュムレータ20より前に配置される検出器125を示しているが、検出器に対して代替の配置も可能である。検出器は、イオンアキュムレータ自体内の蓄積イオンのイオン束を測定するように配置してもよい。
図4は、システム400が、質量分析計130の上流に配置される複合多重極システム410、たとえば2つまたは3つの四重極システムを含む別の変形を示している。複合多重極システム410に対する従来の構成は、四重極質量フィルタ420と、四重極コリジョンセル430と、第2の四重極質量フィルタ440とに続いて、検出器125を含んでいる。イオンはイオン源115から複合四重極システム410に渡され、検出器125によって検出される。
従来の動作モードにおいて、図4に示した3つの四重極質量分析計は、図3に示した質量フィルタ310と実質的に類似の機能を遂行する。したがって、第1の四重極質量フィルタ420は、実質的にすべての質量電荷比(m/z)のイオンが通過するように、動作させる。四重極コリジョンセル430のパラメータ(イオンのエネルギー、圧力、電場)は、イオンフラグメント化が一切起こらないように設定される。第2の四重極質量フィルタ440を通過したイオンを走査して、検出器125を通ったイオンが質量スペクトルをもたらすようにしてもよい。続けて第2の四重極質量フィルタを通過したが、検出器には渡されなかったイオンが、イオンアキュムレータ120内に蓄積される。
図4の構成もまた、MS/MS動作(MS)を可能にする。このモードにおいて、注目質量(親イオン)は、第1の四重極質量フィルタ420において選択される。断片(生成イオン)は四重極コリジョンセル430内で生成され、第2の四重極質量フィルタ440内で走査された後、検出器125によって検出されるか、イオンアキュムレータ120に渡される。
プレカーサースキャンを用いる場合には、さらに別の動作モードが利用できる。この動作モードにおいて、第2の四重極質量フィルタ440は、特定の質量に設置され、走査は第1の四重極質量フィルタ420において行われる。
図4に示したシステムの別の変形において、従来の多重極四重極質量分析計(410)の質量フィルタ440をイオンアキュムレータ120に代えてもよい。この構成において、3つの四重極構成の外部にいかなる追加のイオンアキュムレータ120も必要でない。この構成における動作の第1のモードにおいて、サンプリング時間間隔のあいだに、初期サンプル集団のうちの実質的にすべての質量電荷比(m/z)のイオンが第1の四重極質量フィルタ420に渡される。四重極コリジョンセル430のパラメータは、フラグメント化が一切起きず、イオンがイオンアキュムレータ120に渡された後に検出されるように設定される。検出シグナルは、サンプリング時間間隔のあいだにイオンアキュムレータ120内に蓄積された初期イオン集団を推定するために用いることができる。注入時間間隔は、上述のように決定することができる。
第2の動作モードにおいて、第1の四重極質量フィルタ420は、前駆イオンの選択、四重極コリジョンセル430に送る特定のm/zまたはm/z範囲の選択のために用いられる。四重極コリジョンセルのパラメータは、フラグメント化が起こり、得られるイオンがイオンアキュムレータ120内に蓄積されるように設定される。そしてイオンアキュムレータ120はそれらを質量分析計130に移送する。
図4に示したシステムの別の変形において、イオンアキュムレータ120および質量分析計130は、1つの素子に含まれており、イオン移送光学部140が必要でなくなる。あるいは、第2の質量フィルタ440がイオンストレージデバイスの形態をとってもよく、この場合、別個の素子120、140および130は必要なくなる。
他の変形が図5Aに示されており、システム500のイオンアキュムレータの充填が、イオンアキュムレータが充填される際にリアルタイムでモニタされる。この変形において、イオン源115/イオンビームゲート510を出るイオンビームは、イオンビームの一部がイオンアキュムレータ(たとえばリニアトラップ)120に向けられ、一部が検出器125に偏向されるように、イオンスプリッタ520において分割される。積分された検出器シグナルは、イオンビームがゲート上に来た時から(すなわち、イオンアキュムレータへのイオンの注入の始まった時間から)継続的にモニタされる。検出イオンの電流シグナルの積分が、イオンアキュムレータの目標充填レベルに対応する目標量に達すると、図5Bに示すようにイオンビームのゲートが閉まる。素子を充填している間のイオンアキュムレータ内のイオンの蓄積がモニタされるので、この変形においては実験は必要でない。
この実施形態に対する代替は、イオンビームゲート510と、イオンビームスプリッタ520と、イオン検出器125を、開口レンズプレートなどの1つのビームスプリッター素子に組み合わせている。イオン源からのイオンビームは、ビームスプリッター素子に向けられる。開口レンズに印加される電圧は、レンズプレートの開口をイオンアキュムレータ120に向けて通過するイオンビームの一部を調節するように制御される。イオンビームの残りの部分は、開口を通過しないが、レンズプレート自体に衝突する。イオンビームのこの部分によって付与されるイオン電流シグナルは、連続したイオン電流の測定値を提供する。前述したように、検出されたイオン電流シグナルの積分がイオンアキュムレータ充填の目標レベルに対応する標的量に達すると、図5Bに示すようにイオンビームのゲートが閉じる。
図6A〜図6Bに示した図5Aの装置の特定の実施形態において、システム600は、図6Aに示すようにイオンビームを所定の期間のあいだイオンアキュムレータ120に向け、図6Bに示すようにさらに別の期間のあいだビームを検出器125に向けるビーム切替素子610を内蔵している。したがって、たとえば、転向素子610は、ビームを所定期間の50〜90%の間イオンアキュムレータ120に、残りの10〜50%の期間の間検出器125に向けるように、(たとえば、コンピュータ145の制御下で)操作してもよい。1つの態様において、システム600は、切替周期時間(たとえば、2〜3切替周期)に比べてイオンアキュムレータ120の充填時間が長くなるように、イオンビーム束が十分に小さくなるように操作される。図6Aおよび図6Bに示す態様において、ビーム切替素子は、DC四重極ビーム切替器として示されているが、他の切替素子、たとえば、屈折板なども使用することができる。
図7は、システム700が、イオンアキュムレータ120よりも大きなイオン貯蔵用容量を有しイオンビーム内のイオンアキュムレータ120よりも後に配置されるストレージデバイス710を含んでいる、別の変形を示している。この構成においては、前実験を行って上述のように注入時間間隔を決定する。質量分析計130の最適充填に対して決定された注入時間間隔が、イオンアキュムレータ120の容量を超えるイオン集団を与えるようであれば、所望のイオン集団の一部の断片だけをイオンアキュムレータ120中に回収し、より大きな中間ストレージデバイス710に移送する。この処理を決定された注入時間間隔に対応する全蓄積時間まで繰り返し、この時間で、ストレージデバイス710は、質量分析器への移送後に、該質量分析器内の最適集団を生成するようなイオン集団に対応する最終イオン集団を含有することになる。このイオン集団は、分析のために質量分析計130に移送される。1つの態様において、ストレージデバイス710は、より高次の多重極RF場、たとえば6重極または8重極トラップに基づいたRF多重極であってもよい。ストレージデバイス710は、適当なバックグラウンドガス分子/原子(アルゴン、窒素、キセノンなど)と衝突により衝突活性化分解が起こるのに十分な運動エネルギーで、イオンが素子に入るように、コリジョンセルとしての働きもする。システム700は、イオン移送光学部140に加えてイオン移送光学部720(および随意でさらなるイオン光学部)を含んでいてもよく、これらは多重極であってもよい。
このように、システム700の動作において、決定された注入時間間隔に対応するイオンの集団が中間イオントラップ710内に回収された後、1工程で、質量分析計130に移送される。ストレージデバイス710に貯蔵されるイオンの全電荷は、最終的に分析セル135に輸送されたときに(輸送または捕獲中のあらゆる損失の後)、分析セル135内のイオンの操作およびm/z分析が、所望のように行える(すなわちm/z精度、m/z解像度、単離幅、ダイナミックレンジなど)ような電荷量を超えてはならない。
これにより、質量分析計130の外部の適切なストレージデバイス内に適当な量のイオンを回収できるようになる。このことは、分析走査を行う時間がイオンアキュムレータ120の1回または複数回の充填を行うための時間を超える場合に有益であろう。この場合、質量分析計130がその分析走査を行っているあいだに、次に分析すべきイオン集団を質量分析計130の外部のストレージデバイス内に蓄積することができ、前の走査が完了してから可及的速やかに分析の準備を整えることができる。これにより、このような実験に対するデューティサイクルが増大する。
システム700は、抽出されたイオンが衝突によって分解するような、イオンアキュムレータ120とストレージデバイス710の間のコリジョンセル/イオンガイドを含んでいてもよい。分解生成イオンは、ストレージデバイス710内に捕獲および蓄積される。上述のように、素子に注入されるイオンを有効に衝突安定化させるために、衝突または減衰ガスをストレージデバイス710に導入してもよい。
ストレージデバイス710は、質量分析計130の分析セル135への輸送および該セル内での捕獲を最適化するように、イオン抽出のために最適化してもよい。このようなストレージデバイス710は、抽出の間に素子の軸に沿ったDC勾配を与えるように設計することができ、これがイオンアキュムレータ120において具現される場合には、蓄積器がm/z単離およびm/z走査を行えるようにする機械的特徴が必要になるかもしれない。
ストレージデバイス710の電荷容量は、制限要因とならないように、(イオン捕獲、捕獲、および抽出の機能を遂行する際には)十分に大きくすべきである。
図8は、図1に示したシステム100を用いた図2に従う方法の1つの態様を示しており、イオンアキュムレータ120はRFリニア四重極イオントラップであり、質量分析計130は、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計である。
この方法において、イオンは、上述のようなエレクトロスプレーイオン源などのイオン源から連続的に発生される。これらのイオンは、該イオンが元の供給源から発散されてから、RFリニア四重極イオントラップ蓄積素子120に入るまでの間に、操作、修飾、フィルタリング、または何らかの方法で干渉されていてもよい。最初の較正実験(前実験)のあいだに、RFリニア四重極イオントラップ120が開放され、イオンが所定のサンプリング時間間隔(tref)、たとえば約0.2ミリ秒(工程800)のあいだ蓄積される。所定のサンプリング時間は、前実験と前実験の間でも変動し、所望の結果に依存している。
イオントラップ120内の捕獲されたイオンの集団(別個イオンの数または特定の電荷密度)は、検出器125(工程810)を用いて検出される。
この情報を用いて、最良の測定結果を与える質量分析計に移送されるイオン集団をもたらすのに必要な蓄積時間を表す注入時間間隔(tAGCともよぶ)(工程820)を算出する。
前実験後(すなわち、注入時間間隔の決定後)、イオントラップ120内のイオンをクエンチして、後続の実験で分析すべきイオンの導入前に、すべての初期イオンサンプルがイオンアキュムレータから除外されるようにする。クエンチ工程は、クエンチが望ましくない場合や、初期測定技術の最中(またはその結果として)クエンチがすでに達成されている場合には省略してもよい。
次に、イオントラップ120を注入時間間隔と同じ時間のあいだ開放し、第2の目的イオン集団を回収する(工程830)。この注入時間間隔のあいだに回収されたイオンが、FTICR質量分析計130(工程840)の分析セル135に移送される。回収されたイオンに由来するあらゆる生成イオンを、イオンアキュムレータに導入されたイオンとともに(あるいはこれに代えて)移送することができる。
移送されたイオンは、FTICR分析用質量分析計130(工程850)においてm/z分析される。この場合も、これに続く前に分析されたイオンのクエンチ(図示せず)が、すべての「古い」イオンを次の分析の前にICRセルから除去するために必要であるかもしれない。
質量スペクトルは、最終分析結果に基づいて決定する(工程860)。随意で、次のイオンサンプルをイオントラップ120に導入する前にフィードバックを提供してもよい(工程870)。このフィードバックは、最終分析工程(または走査)の最適化または後続の前実験工程の最適化を可能にする有用な情報を提供しうる。
図9は、システム100を上述のようにMSモードで動作するように構成できる、図2に従う方法の1つの実施形態を示している。イオンは、第1の質量分析計165(工程900)の一部であるRF四重極リニアイオントラップ120内に回収される。動作において、MS動作を行うことが必要である場合(工程905で“YES”)には、リニアトラップを操作して、特定の注目(親イオン)質量を選択または単離するようにする(工程910)。随意で、単離されたイオンをフラグメント化して生成イオンを発生させる(工程915)。単離およびフラグメント化の工程は、様々な従来技術を用いて行うことができる。
単離された前駆イオン集団は次に、前駆イオンを検出器に抽出することによって、検出される(工程920)。注入時間間隔tAGCは、前実験サンプリング時間間隔と検出された生成イオンシグナルによって決定される(工程925)。その後イオンを、第1の質量分析計165のRFリニア四重極イオントラップ120内に前記注入時間間隔に対応する期間の間に回収して、最適な生成イオン集団を得る(工程930)。
蓄積されたイオン集団に対して、単離(工程940)とフラグメント化(工程945)工程の組み合わせをn−1回連続して行う。それ以上のフラグメント化が望まれなくなったところで(すなわち、所望の生成イオン生成が行われたところで)、蓄積した生成イオンを、第1の質量分析計165内のイオントラップ120から、FTICR分析用質量分析計130内の分析セル135(工程950)に移送し、ここで、スペクトル分析が行われ(工程955)、得られるデータが次の分析サイクルのための準備として、評価、格納される。
一旦親イオンから生成イオンが形成されると、単離およびフラグメント化工程を繰り返して、次世代の生成イオンを得ることができる。どの生成イオンが必要かに応じて、所望の生成イオン集団が得られるまで工程940および945を繰り返す必要があるかもしれない。
図9の方法は、単離された第1段階の前駆イオンの集団を制御する。しかしながら、前述のように、前駆イオンから生成イオンへの変換が有効であれば、前実験のあいだの単離後に親イオン集団を直接測定することによって、生成イオン集団の良好な近似が提供される。これにより、前実験のあいだの励起工程をスキップすることができ、分析時間を短縮することができる。この場合、(最終的には同じではあるものの)制御されるのは、本質的にイオンアキュムレータ内の親または前駆イオンの集団であって、質量分析計内の生成イオンの集団ではない。また、これらのイオンの実質的に一定の集団が所望の生成イオンの親イオンであるという前提に基づいて、イオンアキュムレータに導入されたイオンの集団を制御することもできる。かくして、本願に記載する制御技術は、本願に記載のこのおよび他のプロセスの様々な段階において適用することができる。
随意で、イオン集団はプロセス中の2段階以上で制御してもよい。たとえば、n>2であるようなMS実験において、それぞれの連続する単離−フラグメント化の反復は、典型的にはイオントラップ中に存在する電荷レベルを実質的に低下させることになる。分析セルの空間電荷容量が、最初のn−1回の単離、フラグメント化および抽出が完了した後にイオンアキュムレータ内に保持されているイオンの空間電荷を実質的に越える場合(典型的には、イオンアキュムレータがイオントラップであり、質量分析計がICR質量分析計である態様に対する場合)、複数回の繰り返しでイオンアキュムレータ内にイオンを蓄積し、蓄積された全イオン集団は、上述のようにICR質量分析計に蓄積イオンを移送するまでストレージデバイス内に貯蔵しておくことが望ましいかもしれない。
しかしながら、最終的に質量分析計に移送されるイオン集団を最適に制御するためには、n−1段階の単離およびフラグメント化後にイオンアキュムレータ内に残っている捕獲されたイオン電荷を判定する第2の前実験が有益であるかもしれない(これは関与しているイオンの個々の構造に強く依存しているかもしれない)。第2の前実験において、イオンアキュムレータを実験のMS段階に対するその単離空間電荷限界まで充填し、実験の残りのMSn−1段階を完結するのに必要な捕獲されたイオンのあらゆるさらなる操作を行う。得られたイオンを検出器に排出する。
検出器シグナルおよびICRセルにおいて必要な最適集団(たとえば、ストレージデバイスに必要な充填レベルの実験的に確立された較正)に基づいて、ストレージデバイス内に所望の集団を与えるために必要なイオンアキュムレータの充填回数を決定することができる。
本発明の方法は、デジタル電子回路内またはコンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて具現することができる。本発明の方法は、コンピュータプログラム製品、すなわち、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータまたは複合コンピュータなどのデータ処理装置によって実行されるか、これらの動作を制御するために、情報担体内、たとえば機械読み取り可能なストレージデバイス内、または伝播シグナル内で具現されるコンピュータプログラムとして具現することができる。コンピュータプログラムは、コンパイルまたは解釈された言語を含む任意の形式のプログラム言語で記述することができ、スタンドアロン・プログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、またはコンピュータ環境において用いるための適切な他の単位を含む任意の形態で展開することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上または、一カ所または分散した複数の場所にあって通信ネットワークで相互接続された複数のコンピュータ上で実行できるように展開することができる。
本発明の方法工程は、入力データに操作を行って出力を生成することによって、本発明の機能を遂行するために、コンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実施することができる。特定の目的の論理回路、たとえばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)によって方法工程は実施することができ、本発明の装置を具現することができる。
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサとしては、一例として、汎用または特定用途向けマイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサの両方が挙げられる。一般に、プロセッサは読み出し専用メモリまたはランダムアクセスメモリまたはその両方からの命令とデータを受ける。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つ以上のメモリ素子である。一般に、コンピュータは、データを格納するための1つ以上の大容量記憶素子、たとえば磁気、光磁気ディスク、または光学ディスクを含むか、これとデータの授受を行うように動作連結されている。コンピュータプログラム命令およびデータを具現するための適切な情報担体には、たとえばEPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリ素子などの半導体メモリ素子を含む不揮発性メモリ;たとえば内部ハードディスクまたはリムーバブルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスク;およびCD−ROMおよびDVD−ROMディスクのすべての形態が含まれる。プロセッサおよびメモリは、特定用途向け論理回路内によって提供してもよいし、これに内蔵してもよい。
ユーザとのインタラクションを提供するために、本発明は、ユーザへの情報を表示するためのたとえばCRT(陰極線管)またはLCD(液晶表示)モニタなどの表示素子と、ユーザがコンピュータに入力を与えるためのキーボードと、ポインティングデバイス、たとえばマウスまたはトラックボール有するコンピュータ上で具現してもよい。他の種類の素子もユーザとのインタラクションを提供するために用いることができ、たとえば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、たとえば視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであってよく、ユーザからの入力は音響、発話または触覚入力を含む任意の形態で受信することができる。
本発明は、特定の実施形態に関して説明してきた。他の実施形態は以下の請求項の範囲に含まれる。たとえば、イオン源115は、エレクトロスプレーイオン化源(ESI)として記載したが、代替のイオン源としては、APCI(大気圧化学イオン化)、APPI(大気圧光イオン化)、APPCI(大気圧光化学イオン化)、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化)、AP−MALDI(大気圧MALDI)、EI(電子衝撃イオン化)、CI(化学イオン化)、FAB(高速原子衝撃イオン化)、およびSIMS(二次イオン質量分析)が挙げられる。
イオンは一旦イオン源115を離れると、イオンアキュムレータ120に入るまでに、様々なイオンガイド、イオン光学要素、または他のイオンビーム輸送手段(図示せず)を横切る。これらのイオンビーム検証手段は、m/zフィルタリング特性を有していてもよいし、イオンアキュムレータ120に入るビームを予備調整するために用いてもよい。
イオン移送光学部は、RF多重極ガイド、チューブレンズ、イオンを通す開口および/または開口プレートレンズ/差次的ポンピングオリフィスを有する複数のFR電極からなる「イオントンネル」を含んでいてもよい。
イオンアキュムレータ120内に最初に捕獲されたイオンは、検出前に操作することができ、たとえば、望ましくないイオンをこの時点で排出して、イオンのm/z範囲を制限するか、または特定の狭いm/z範囲を捕獲するようにすることができる。
上述のように、イオンは様々な様式で操作または妨害してもよい。m/z範囲の操作に加えて、イオンの荷電状態も、たとえば、イオン−分子間またはイオン−イオン間反応によって操作することができる。他の操作方法としては、限定はされないが、荷電状態分布を変えるためのイオンの電磁照射が挙げられる。
図1の検出器125は、質量分析計130に向けて伝播するイオンの軸から離れて、質量分析計130の上流に配置されるように示されているが、検出器125はどこに配置してもよく、たとえば、図3に示すように質量分析計130に入るイオンビームと同軸上に配置してもよい。検出器125は、イオントラップからのイオンの放射状排出だけでなく軸方向のイオン排出も収容するように配置することができ、あるいは、排出されたイオンをそれらのビーム通路から取り出して検出することもできる。
前実験検出工程において、イオンアキュムレータ120の実質的に全内容を排出することが望ましいかもしれないが、全イオンを同時に排出させる必要は必ずしもない。イオンは、イオン電流測定に対する補正が、ゲインのm/z依存性変化および検出器の検出効率に対して行われるように、たとえばm/zに基づいて排出してもよい。あるいは、m/zの移動範囲を検出器125にパルス出力して、本質的に単純な質量スペクトルを与えるようにしてもよい。
たとえば、イオンアキュムレータ120(またはストレージデバイス710)およびイオン移送光学部130に印加される電圧の、様々な操作を用いて、質量分析計130の分析セル135へのイオンの輸送および該セル内でのイオンの捕獲捕獲を高めることができる。
前実験段階において、イオンアキュムレータ120(またはストレージデバイス710)からイオンを抽出するための時間は、0.1〜2ミリ秒以上の領域であってよい。この時間間隔は、使用する素子に依存する。たとえば、RFリニア四重極イオントラップを用いる場合には、該時間間隔は、軸方向DCの長さ、有無、抽出場を有する空間電荷場、減衰/衝突ガスの圧力と種類などに依存する。また、イオンのm/z(および化学構造)にも依存する。
イオンアキュムレータ120(またはストレージデバイス710)から質量分析計130の分析セル135へのイオンの通過時間は、限定はされないが、イオンガイドを通る運動エネルギー、ガイドの長さ、およびイオンに対するm/z比を含む様々な要因に依存する。通過時間は典型的には、20〜2000マイクロ秒以上の範囲である。イオンは、各様イオンパケットとして分析セル135を通過する(典型的には、低m/zイオンがパケットの前方に集中し、高m/zイオンが後方により集中する)。
分析セル135内に捕獲されたイオン集団は、捕獲電位をこれらのイオンの捕獲を行うために変化させた(典型的には前方の捕獲電位を上げた)場合に分析セル135内にあるパケットの一部に基づいている。通常は、分析セル135の捕獲電位は、イオンが低運動エネルギー(約1eV)で分析セル135に入り、セルの「後」端において捕獲電位によって反射されるように設定される。イオンパケットが(典型的に)自身の上で反射すると、分析セル135内部でのイオンパケットの密度が約2倍になる。分析セル135のイオン通過時間は、典型的には20〜200マイクロ秒(イオンの運動エネルギー、セル寸法、およびm/zによって異なる)であろう。
m/z分析またはいくつかのさらなる操作を行う前に、分析セル135内に捕獲されたイオンを安定化させることが望ましいかもしれない。このことは、たとえば、分析セル135上の電圧を操作すること、断熱冷却を用いること、捕獲電位を下げてより高いエネルギーイオンを漏出させること、または衝突冷却によって達成することができる。
上に図示および記載した方法の工程は、異なる順序で行ってもよく、望ましい結果を得ることができる。開示した材料、方法、および例は、説明のみを目的としており限定することは意図していない。図示および記載した装置は、説明的に記載したものに加えて、特定の用途に必要であるかもしれない他の部品を含んでいてもよい。様々な例示的実施形態に基づいて説明した様々な特徴は組み合わせて、本発明のさらなる実施形態を構成してもよい。
図1は、本発明の1つの態様に従う質量分析計における、イオン集団制御方法を具現する装置の概略図である。 図2は、本発明の1つの態様に従う質量分析計における、イオン集団制御方法を説明する流れ図である。 図3は、図1に従う装置の代替実施形態の概略図である。 図4は、質量分析計におけるイオン集団制御方法を具現する三連多重極システムを含む、本発明の1つの態様に従う方法の実施形態の概略図である。 図5Aは、イオンスプリッタを組み込んだ図4に従う装置の代替実施形態の概略図である。 図5Bは、図5Aに示した装置の動作を示すプロットである。 図6Aおよび図6Bは、ビーム切替素子を組み込んだ、図4に従う装置の代替実施形態の概略図である。 図6Aおよび図6Bは、ビーム切替素子を組み込んだ、図4に従う装置の代替実施形態の概略図である。 図7は、中間イオントラップを組み込んだ、図1に従う装置の代替実施形態の概略図である。 図8は、複数の四重極およびFTICRを含んだシステムを利用する、図2に従う方法の実施形態の流れ図である。 図9は、MSモードで動作するように構成されたシステムを利用する図2に従う方法の実施形態の流れ図である。

Claims (2)

  1. 質量分析器の作動方法であって、該方法は、以下:
    前駆体イオンを蓄積し、該蓄積された前駆体イオンに由来する生成イオンを該質量分析器に導入することによって、該質量分析器に導入される生成イオン集団を制御する工程を包含し、該前駆体イオンは、イオン蓄積速度と目標前駆体イオン集団とに基づいて決定される期間の間蓄積され、該目標前駆体イオン集団は、最適生成イオン集団を生成する目標前駆体イオンの集団であり、該最適生成イオン集団は、これを超えると該生成イオンが前記質量分析器に導入された際にm/z割り当てに誤差が生じる生成イオン集団であり、該蓄積速度は、前駆体イオン源からイオンアキュムレータへのイオンの流速を表し、該蓄積速度は、イオンビームの一部分を検出器に転向させることによって測定され、一方で該イオンビームの残りの部分が前記イオンアキュムレータに移送される、方法。
  2. 質量分析器を作動させるために情報担体上で明白に具現されるコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムは、プログラム可能なプロセッサに作動可能に連結された質量分析計を含む装置に、以下:
    a)イオン源から質量分析計に延びるイオン路に沿って、前記イオン源と前記質量分析器との間にあるイオンアキュムレータへイオンサンプルを導入させ、
    b)該イオンサンプル由来のイオンをサンプリング時間間隔の間蓄積させ、
    c)蓄積されたイオン由来の実質的に全てのイオンを前記イオンアキュムレータから排出し;
    d)排出されたイオンの少なくとも一部を検出させ、
    e)前記イオンアキュムレータへのイオンの蓄積速度を、前記検出、前記時間間隔及び前記一部に基づいて決定する工程;
    前記蓄積速度及び目標イオン集団に基づいて注入時間間隔を決定させ該注入時間間隔は、前記目標イオン集団を前記イオンアキュムレータに蓄積するための時間間隔を表し、該目標イオン集団は、前記イオンアキュムレータ内での衝突誘起解離による前記イオンの解離の間に最適生成イオン集団を生成するイオン集団であり、該最適生成イオン集団は、これを超えると該生成イオンが前記質量分析器に導入された際にm/z割り当てに誤差が生じる生成イオン集団である
    )該注入時間間隔に対応する時間の間前記装置内の第2のイオンサンプルを蓄積させ、
    )前記装置内において特定の質量電荷比または範囲を有する該第2のイオンサンプルのサブセットを単離し、
    )前記装置内において前記第2のイオンサンプルのサブセットから前記生成イオンを発生させ、そして
    )前記生成イオンを質量分析計に導入させる働きをする命令
    を含む、コンピュータプログラム。
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