JP5322250B2 - バルブ軸端潤滑構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ロッカアームを用いてバルブを駆動するエンジンのバルブ軸端潤滑構造に関するものである。
OHCエンジンは、シリンダヘッドに設けられたカムシャフトによって、吸気ポート及び排気ポートを開閉するバルブを駆動している。このようなOHCエンジンは、カムシャフトと並行に配置された軸回りに揺動するロッカアームを用いてカムシャフトからバルブへ駆動力を伝達することが一般的である。
上述したようなバルブ駆動機構は、一般にクランクケース部に設けたオイルポンプから、シリンダ部、シリンダヘッド部等に形成されたオイルギャラリを介してカムシャフトに潤滑油を供給し、カムシャフトの回転により発生する遠心力で潤滑油飛沫を飛散させることによって潤滑する構成とすることが多い。
また、特許文献1には、OHCエンジンにおいて、循環される潤滑油量を増大させることなくロッカアームとカムとの間の摺接部と共にロッカアームの吸排気弁との摺接部をも潤滑可能とすることを目的として、カム軸の上方からカムとロッカアームとの摺接部に潤滑油を供給する給油路、及び、潤滑油を弁の頭部との摺接部に導く油溝を形成することが記載されている。特許文献1のエンジンは、弁の頭部がカムシャフトの下方に設けられているため、カムを潤滑した潤滑油をその自重と油溝を利用してロッカアームと弁の頭部との摺接部へ導くことができる。
特開平8−28235号公報
しかし、カムシャフトの上方にバルブ軸端が設けられたOHCエンジンの場合、特許文献1のエンジンと同様の方式でロッカアームとバルブ軸端との摺接部へ潤滑油を導くことが困難である。そこで、従来、そのようなエンジンにおけるロッカアームとバルブ軸端との摺接部の潤滑は、オイル溜め部に浸ったカムシャフトの回転による遠心力で潤滑油飛沫を飛散させる方式を採っていた。この方式の場合、カムシャフトの回転による遠心力で潤滑油飛沫を飛散させる潤滑方式の場合、エンジンの回転数がある程度高い場合には問題がないが、アイドリング等の低回転時には遠心力が不足して潤滑油の飛散量が不足する場合がある。アイドリングが短時間である場合には問題がないが、例えばATV等の車両に搭載されたエンジンを発電機の代わりとして長時間アイドリングさせるような使用条件下においては、良好な潤滑状態が得られず、潤滑不足によるバルブ軸端部の磨耗が問題となる場合があった。
本発明の課題は、ロッカアームによって駆動されるバルブ軸端の潤滑状態を向上するバルブ軸端潤滑構造を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、エンジンの吸気ポート又は排気ポートを開閉する弁体から上方へ突き出したステムを有するバルブと、前記バルブを駆動するカム面が形成されたカムシャフトと、回転軸回りに揺動可能に設けられるとともに、前記カムシャフトの前記カム面に当接するカム当接部及び前記バルブのステム上端部に当接するバルブ当接部を有し、前記カムシャフトから前記バルブへ駆動力を伝達するロッカアームと、前記ロッカアームの上方に設けられたロッカカバーと、前記ロッカカバーに形成され、前記ロッカアームの上面部における前記バルブ当接部よりも高くかつ前記バルブ当接部に対して水平方向に離間した位置に潤滑油を供給するオイルギャラリとを備え、前記ロッカアームの上面部には、前記オイルギャラリの出口直下から前記バルブ当接部近傍まで延びて形成され、前記オイルギャラリから出た前記潤滑油を前記バルブ当接部側へ案内するガイド部を有し、前記ロッカアームの前記バルブ当接部が、前記ロッカカバーから水平方向に突出して配置されることを特徴とするバルブ軸端潤滑構造である。
請求項2の発明は、前記オイルギャラリは、前記潤滑油が供給されるメインギャラリ及び前記メインギャラリから分岐して設けられ前記ロッカアームに潤滑油を供給する出口につながったサブギャラリを有し、前記サブギャラリは、前記メインギャラリとの接続部近傍に設けられた小径部、及び、前記小径部以外の範囲に設けられ、前記小径部よりも内径が大きい大径部を有することを特徴とする請求項1に記載のバルブ軸端潤滑構造である。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)オイルギャラリからロッカアームの上面部におけるバルブ当接部よりも高くかつ前記バルブ当接部に対して水平方向に離間した位置に潤滑油を供給することによって、潤滑油が自重によりロッカアームの上面部を伝ってバルブ当接部へ流れ、バルブ軸端に供給される。これによって、バルブ軸端の潤滑油切れを防止し、潤滑状態を向上して磨耗を抑制することができる。
(2)ロッカアームの上面部に、オイルギャラリの出口直下からバルブ当接部近傍まで延びて形成されたガイド部を設けることによって、オイルギャラリから供給される潤滑油を確実にバルブ軸端へ供給することができる。
(3)サブギャラリをメインギャラリとの接続部近傍に設けられた小径部、及び、小径部以外の範囲に設けられた大径部を有する構成とすることによって、小径部を形成する小径ドリル加工が必要な範囲を少なくし、工程を簡素化するとともに工具寿命を延ばし、生産性を向上することができる。
本発明は、ロッカアームによって駆動されるバルブ軸端の潤滑状態を向上するバルブ軸端潤滑構造を提供する課題を、ロッカアームの揺動軸であるロッカシャフトを支持するロッカカバーの内部にオイルギャラリを形成し、このオイルギャラリからロッカアーム上面のガイドリブに潤滑油を滴下し、潤滑油がガイドリブに沿ってバルブ軸端へ流れる構成とすることによって解決した。
以下、本発明のバルブ軸端潤滑構造を適用したエンジンの実施例について説明する。
実施例のエンジンは、例えばATVに搭載される4ストローク単気筒水冷のOHCエンジンである。
図1は、エンジンをクランクシャフトの軸方向と直交しかつシリンダの中心軸を含む面で切って見た断面図である。
図2は、図1のII−II部矢視断面図である。
エンジン1は、クランクシャフト10、ピストン20、コンロッド30、クランクケース40、シリンダ50、スロットルボディ60、カムチェーン70、シリンダヘッド100等を備えて構成されている。
クランクシャフト10は、エンジン1の出力軸であって、コンロッド30が接続されるクランクピン11、及び、カム駆動用のスプロケット12(図2参照)等が形成されている。クランクシャフト10は、車載状態において、その中心軸が前後方向に沿って配置されている。
ピストン20は、シリンダ50のボア内に挿入され燃焼圧力を受けて往復運動する部材である。
コンロッド30は、ピストン20のピストンピンが挿入される小端部、及び、クランクシャフト10のクランクピン11と接続される大端部を有する連結部材である。
クランクケース40は、クランクシャフト10を収容するとともに支持する部分である。
シリンダ50は、クランクケース40の上部から突出して設けられ、ピストン20が挿入される円筒状のライナが鋳込まれている。
スロットルボディ60は、シリンダヘッド100の吸気ポート102に導入される空気量を調整するスロットルバルブを備えている。スロットルボディ60は、吸気ポート102の入り側に吸気管を介して接続されている。
カムチェーン70は、クランクシャフト10のスプロケット12と、カムシャフト130のスプロケット132との間にわたして設けられ、クランクシャフト10からカムシャフト130へ駆動力を伝達するものである。
シリンダヘッド100は、シリンダ50の上部に設けられている。シリンダヘッド100は、OHC式であって、気筒あたり4バルブのものである。
図3は、シリンダヘッド100をクランクシャフト10の回転軸と直交する面で切って見た断面図である。
図4は、シリンダヘッド100をシリンダ50の中心軸方向に沿った上方側から見た外観図である。
図5は、シリンダヘッド100を斜め後方側かつ斜め上方側から見た外観斜視図である。
シリンダヘッド100は、燃焼室101、吸気ポート102、排気ポート103、吸気バルブ110、排気バルブ120、カムシャフト130、吸気ロッカアーム140、排気ロッカアーム150、ロッカカバー160、ヘッドカバー170等を有して構成されている。(ヘッドカバー170は、図3乃至図5では不図示)
燃焼室101は、シリンダヘッド100の下部にシリンダ50の内部に面して設けられたペントルーフ型燃焼室である。
吸気ポート102は、スロットルボディ60から供給される新気を燃焼室101内に導入する流路である。
排気ポート103は、燃焼室101から出た燃焼済みガスを図示しないエキゾーストパイプに排出する流路である。
吸気バルブ110及び排気バルブ120は、それぞれ弁体111,121と、ステム112,122とを備えている。
弁体111,121は、吸気ポート102及び排気ポート103のバルブシートと当接し、吸気ポート102及び排気ポート103を開閉する部分である。
ステム112,122は、弁体111,121からそれぞれ上方へ突き出して形成された軸状部分である。
吸気バルブ110及び排気バルブ120は、ステム112,122がシリンダヘッド100に形成されたステムガイドに対して軸方向に摺動可能して往復運動することによって各ポートを開閉する。吸気バルブ110及び排気バルブ120は、それぞれクランクシャフト10の中心軸方向に並べて2本ずつ設けられている。
また、吸気バルブ110及び排気バルブ120は、それぞれ軸端部113,123、及び、バルブスプリング114,124を備えている。
軸端部113,123は、ステム112,122の上端部であって、吸気ロッカアーム140のバルブ当接部144a及び排気ロッカアーム150のバルブ当接部154aによってそれぞれ押圧される部分である。
バルブスプリング114,124は、シリンダヘッド100と軸端部113,123に嵌め込まれたスプリングシートとの間にわたして設けられ、内径側にステム112,122が同心に挿入される圧縮コイルバネである。バルブスプリング114,124は、吸気バルブ110及び排気バルブ120を、閉位置側へ付勢している。
吸気バルブ110と排気バルブ120との間には、所定のバルブ挟み角が設けられ、各バルブのステム112,122は、軸端部113,123側が開くように相互に傾斜して配置されている。
カムシャフト130は、吸気バルブ110及び排気バルブ120を駆動するカム面131が形成された回転軸である。カムシャフト130は、その中心軸がクランクシャフト10と平行に配置されるとともに、吸気バルブ110及び排気バルブ120のステム112,122の間に挟まれて配置されている。また、カムシャフト130は、図1に示すように、吸気バルブ110の軸端部113よりも低い位置に設けられている。
カムシャフト130には、カムチェーン70から駆動力を伝達されるスプロケット132(図2参照)が設けられており、これによって駆動され、クランクシャフト10の半分の回転数で回転する。
また、カムシャフト130には、オイルポンプからシリンダ50等に設けられたオイルギャラリを介して潤滑油が圧送される。潤滑油はカムシャフト130の内部に形成されたオイルギャラリを介してカム面131から吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150との摺動部にも供給されるようになっている。
さらに、シリンダヘッド100に設けたオイル溜め部180には、潤滑油が供給されるようになっている。カムシャフト130は、回転することによりオイル溜め部180の潤滑油を飛沫させている。
吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150は、それぞれカムシャフト130のカム面131の変位を吸気バルブ110及び排気バルブ120の軸端部113,123に伝達する部材である。
吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150は、それぞれロッカカバー160に装着された吸気ロッカシャフト141及び排気ロッカシャフト151に対して揺動可能に支持されている。吸気ロッカシャフト141及び排気ロッカシャフト151は、カムシャフト130と並行して設けられ、カムシャフト130の斜め上方側(吸気ロッカシャフト141は吸気ポート102側、排気ロッカシャフト151は排気ポート103側)に配置されている。
吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150は、図3に示すように、一体に形成された筒状部142,152、カム側アーム143,153、バルブ側アーム144,154を備えている。
筒状部142,152は、その内径側に吸気ロッカシャフト141及び排気ロッカシャフト151が挿入されるほぼ円筒状の部分である。吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150は、吸気ロッカシャフト141及び排気ロッカシャフト151の外周面と筒状部142,152の内周面とが摺動することによって揺動する。
カム側アーム143,153は、それぞれ筒状部142,152の外周面からカムシャフト130側へ突き出して形成されている。カム側アーム143,153の先端部にはカムシャフト130のカム面と摺動するカム当接部が形成されている。
バルブ側アーム144,154は、それぞれ筒状部142,152の外周面から吸気バルブ110の軸端部113、及び、排気バルブ120の軸端部123側へ突き出して形成されている。バルブ側アーム144,154の先端部には、軸端部113,123を押圧するバルブ当接部144a,154a、及び、バルブクリアランス調整用のアジャスティングナット144b,154bが設けられている。
なお、本実施例のエンジンは吸気バルブ110及び排気バルブ120をそれぞれ2本ずつ有する4バルブのものであることから、バルブ側アーム144,154も各筒状部142,152にそれぞれ2つずつ設けられている。
また、バルブ側アーム144,154には、その上面部から突き出して形成され、筒状部142,152からアジャスティングナット144b,154bの近傍まで伸びたリブ145,155が設けられている。図1に示すように、リブ145の上面は、吸気ロッカシャフト141側が高く軸端部113側が低い斜面として形成され、配置されている。
これらのリブ145,155は、バルブ側アーム144,154の剛性を向上する補強効果を発揮するほか、吸気側のリブ145は、ロッカカバー160のオイルギャラリ161から供給される潤滑油を、吸気バルブ110の軸端部113に案内するガイドとしても機能する。この点については後に詳しく説明する。
ロッカカバー(カムサポート)160は、シリンダヘッド100に固定されるとともに、カムシャフト130、吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150の主要部の上部を覆って設けられている。ロッカカバー160は、例えば、アルミニウム合金による鋳造品に所定の機械加工を施して形成されている。
ロッカカバー160は、シリンダヘッド100の上面から立ち上がった側面部、及び、側面部の上端部と連続して形成された上面部を有する。ロッカカバー160の側面部には、吸気ロッカシャフト141及び排気ロッカシャフト151が挿入され回転自在に配設される。ロッカカバー160の上面部は、吸気ロッカアーム140及び排気ロッカアーム150の筒状部142,152及びカム側アーム143,153をカバーしている。この上面部は、シリンダ50の軸線方向とほぼ直交する平面に沿って配置された平板状に形成されている。
また、ロッカカバー160は、カムシャフト130の上部をサポートするカムサポート部材としても機能する。
ロッカカバー160の上面部には、吸気ロッカアーム140のバルブ側アーム144の上面に潤滑油を供給するオイルギャラリ161が形成されている。オイルギャラリ161は、ロッカカバー160の内部に形成されたメインギャラリ162及びサブギャラリ163等を有して構成される。
メインギャラリ162は、ロッカカバー160の上面部内における中央部に配置され、カムシャフト130や各ロッカシャフト141,151と並行に伸びて形成された油路である。メインギャラリ162には、カムシャフト130を潤滑するオイルギャラリから、オイルポンプによって加圧された潤滑油が供給される。
サブギャラリ163は、メインギャラリ162から、これと直交する方向(すなわち吸気ロッカアーム140と並行する方向)に分岐して形成された油路である。サブギャラリ163は、車載状態におけるエンジン1の車幅方向にほぼ沿って配置されている。サブギャラリ163は、一方の端部がメインギャラリ162と連通し、他方の端部がロッカカバー160上面部の後端側に開口している。このサブギャラリ163の開口端は、図5に示すように、吸気ロッカアーム140のリブ145の上側であって、かつ、このリブ145と隣接して配置されている。なお、本実施例において、サブギャラリ163の開口端には、下方に向かって伸びるリブ181が設けられている。
また、サブギャラリ163は、メインギャラリ162との接続部近傍の内径が例えば約2mmに形成されている(この部分を小径部と称する)。一方、その他の部分の内径が例えば約4mmと、メインギャラリ162との接続部近傍の内径よりも大きく設定されている(この部分を大径部と称する)。サブギャラリ163の小径部は、サブギャラリ163に通流される潤滑油の油量を調整するオリフィスとして機能する。
ロッカカバー160の製造時においては、サブギャラリ163は、先ず大径部を鋳ぬきピンによって形成した後、小径のドリルに工具を変更して小径部を形成する。
ヘッドカバー170は、シリンダヘッド100の頂部に設けられている。ヘッドカバー170は、各バルブ110,120、カムシャフト130、各ロッカアーム140,150、ロッカカバー160等のシリンダヘッド100の各構成部材をカバーするとともに、エンジン1の外部に露出して配置された外側カバーである。
なお、本実施例のエンジン1は、ATVの車体への搭載時には、車体設計の都合上シリンダ50の中心軸が例えば約20度前傾して配置される。その結果、吸気バルブ110の軸端部113は、カムシャフト130よりも高い位置に配置され、特に低速運転時にはカムシャフト130からの飛沫による潤滑は困難となっている。
次に、上述したエンジン1における吸気バルブ110の軸端部113の潤滑について説明する。
例えばアイドリング回転時のように、エンジン1の回転数が比較的低い場合には、図3に矢印によって図示するように、ロッカカバー160のサブギャラリ163から、吸気ロッカアーム140のバルブ側アーム144上部に形成されたリブ145に潤滑油が滴下される。リブ145に滴下された潤滑油は、リブ145の上面を自重によって流れ、バルブ側アーム144のバルブ当接部144aを介して吸気バルブ110の軸端部113に供給される。なお、このときの潤滑油の滴下量は、エンジン1のアイドリング時に軸端部113の潤滑油切れによる磨耗を防止できる程度に設定される。
これに対し、例えば車両の走行時のようにエンジン1の回転数が比較的高い場合には、吸気バルブ110の軸端部113は、オイルポンプの吐出圧力が向上したことによってサブギャラリ163から噴出する潤滑油、及び、カムシャフト130によって飛散した潤滑油飛沫によって潤滑される。
なお、リブ181は、サブギャラリ163の開口端からバルブ側アーム144のリブ145への潤滑油の滴下をガイドしている。
以上説明した実施例によると、以下の効果を得ることができる。
(1)オイルギャラリ160のサブギャラリ163から、吸気ロッカアーム140のバルブ側アーム144の上面部におけるバルブ当接部144aよりも高い位置に潤滑油を供給することによって、潤滑油が自重によりバルブ側アーム144及びリブ145を伝ってバルブ当接部144aへ流れ、吸気バルブ110の軸端部113に供給されて潤滑状態を向上し、軸端部113の磨耗を抑制することができる。これによって、例えばオイルジェットを追加する場合等と比較して、簡素な構造で良好な潤滑を行うことができる。
(2)吸気ロッカアーム140の上面部に、サブギャラリ163の出口直下からバルブ当接部144aの近傍まで延びて形成されたリブ145を設けることによって、オイルギャラリ161から供給される潤滑油を確実に吸気バルブ110の軸端部113へ案内することができる。
(3)サブギャラリ163をメインギャラリ162との接続部近傍に設けられた小径部、及び、小径部以外の範囲に設けられた大径部を有する構成とすることによって、小径部を形成する小径ドリル加工が必要な範囲を少なくし、工程を簡素化するとともに工具寿命を延ばし、生産性を向上することができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)上述した実施例は、吸気バルブ軸端の潤滑条件が過酷であることから、吸気バルブ側にのみ本発明のバルブ軸端潤滑構造を適用しているが、排気バルブ側も含めた両側に設
けたり、あるいは、排気バルブ側にのみ設けてもよい。
(2)実施例のエンジンは、例えば、吸排気バルブを1本のカムシャフトによって駆動するSOHC式のものであるが、本発明はこれに限らず、吸排気バルブをそれぞれ独立したカムシャフトによって駆動するDOHC式の場合であっても、直押式ではなくロッカアームを用いるものであれば適用することができる。
(3)バルブ軸端潤滑構造を構成する各部材の形状、構造、配置等は、上述した実施例のものに限定されず、適宜変更することができる。例えば、実施例ではオイルギャラリから出た潤滑油をバルブ当接部側へ案内するガイド部はリブであったが、これに限らず、例えば溝とすることもできる。
本発明のバルブ軸端潤滑構造を適用したエンジンの実施例の断面図である。 図1のII−II部矢視断面図である。 図1のエンジンのシリンダヘッドの断面図である。 図3のシリンダヘッドをシリンダ中心軸方向上方側から見た外観図である。 図3のシリンダヘッドを斜め後方側かつ斜め上方側から見た外観斜視図である。
1 エンジン 10 クランクシャフト
11 クランクピン 12 スプロケット
20 ピストン 30 コンロッド
40 クランクケース 50 シリンダ
60 スロットルボディ 70 カムチェーン
100 シリンダヘッド 101 燃焼室
102 吸気ポート 103 排気ポート
110 吸気バルブ 111 弁体
112 ステム 113 軸端部
114 バルブスプリング
120 排気バルブ 121 弁体
122 ステム 123 軸端部
124 バルブスプリング
130 カムシャフト 131 カム面
132 スプロケット
140 吸気ロッカアーム 141 吸気ロッカシャフト
142 筒状部 143 カム側アーム
144 バルブ側アーム 144a バルブ当接部
144b アジャスティングナット 145 リブ
150 排気ロッカアーム 151 排気ロッカシャフト
152 筒状部 153 カム側アーム
154 バルブ側アーム 154a バルブ当接部
154b アジャスティングナット 155 リブ
160 ロッカカバー 161 オイルギャラリ
162 メインギャラリ 163 サブギャラリ
170 ヘッドカバー 180 オイル溜め部
181 リブ

Claims (2)

  1. エンジンの吸気ポート又は排気ポートを開閉する弁体から上方へ突き出したステムを有するバルブと、
    前記バルブを駆動するカム面が形成されたカムシャフトと、
    回転軸回りに揺動可能に設けられるとともに、前記カムシャフトの前記カム面に当接するカム当接部及び前記バルブのステム上端部に当接するバルブ当接部を有し、前記カムシャフトから前記バルブへ駆動力を伝達するロッカアームと、
    前記ロッカアームの上方に設けられたロッカカバーと、
    前記ロッカカバーに形成され、前記ロッカアームの上面部における前記バルブ当接部よりも高くかつ前記バルブ当接部に対して水平方向に離間した位置に潤滑油を供給するオイルギャラリとを備え、
    前記ロッカアームの上面部には、前記オイルギャラリの出口直下から前記バルブ当接部近傍まで延びて形成され、前記オイルギャラリから出た前記潤滑油を前記バルブ当接部側へ案内するガイド部を有し、
    前記ロッカアームの前記バルブ当接部が、前記ロッカカバーから水平方向に突出して配置されること
    を特徴とするバルブ軸端潤滑構造
  2. 前記オイルギャラリは、前記潤滑油が供給されるメインギャラリ及び前記メインギャラリから分岐して設けられ前記ロッカアームに潤滑油を供給する出口につながったサブギャラリを有し、
    前記サブギャラリは、前記メインギャラリとの接続部近傍に設けられた小径部、及び前記小径部以外の範囲に設けられ、前記小径部よりも内径が大きい大径部を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のバルブ軸端潤滑構造。
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