JP5320179B2 - 電界通信用送信モジュール及びトランシーバ - Google Patents

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Description

本発明は、送信器又はトランシーバ等の第1の通信装置を人体や大地グランドから浮遊した導電体等の通信媒体に接触させ、通信媒体に接触した受信器又はトランシーバ等の第2の通信装置に情報を伝送する電界通信に用いる送信モジュール及びトランシーバに関する。
特許文献1(特開2007−295192号公報)や特許文献2(米国特許公開公報US−A1−20070184788)にて公開されている電界通信は、人体等の電界伝達媒体に電界を誘起し、その誘起された電界を検出して通信を行う通信技術であり、人体が携帯した携帯端末と人体が触れた物に接続された設置端末との間で人体を介して通信を行うことが可能である。電界通信でID認証が可能となれば、正規のIDカード等の携帯端末を所持していればそれをポケットから出さずにドアの前の床を踏むだけであるいはドアノブを握るだけで入場や入室することが可能となり、利便性の高い入退出管理システムが実現できる。
図49に電界通信を用いた入退出管理システムの概略図を示す。携帯端末1Aをポケットに入れる等して保持している利用者Aが床3に設置され設置トランシーバ(TRx)20に接続された設置電極4上に立つと、携帯端末1Aと設置トランシーバ20との間で正しい伝送経路PATH−Aを通じた電界通信による通信によりID認証され、入場等が可能となる。
しかしながら、別の携帯端末1Bを保持した利用者Bが利用者Aの後方に立っており、両者間の距離が短いと、携帯端末1Bから放射された電界が利用者Aに誘起され、利用者Bの持つ携帯端末1Bと設置トランシーバ20との間で誤った伝送経路PATH−Bを通じて電界通信による通信によりIDを認証することがある。
図50(a),(b)に携帯端末1の模式図を示す。携帯端末1は電界通信トランシーバ10が組み込まれた折り畳み式の携帯端末(例えば携帯電話)である。電界通信の送受信機能を持つ電界通信トランシーバモジュール10は、送信時には携帯信号電極16と携帯グランド電極17との間に電圧を印加して携帯端末1の外部に電界を誘起し、受信時には携帯信号電極16と携帯グランド電極17と間の電界を線積分した電位差を受信する。
そこで、図49に示した状態で利用者Bが携帯端末1Bを開いて使用し画面を見ている格好では、片方の携帯信号電極16が利用者Bに握られているのに対し携帯グランド電極17は利用者Aに近づけられた状態となり、携帯グランド電極17から利用者Aに誘起される電界が大きくなる。この状態では誤った伝送経路PATH−Bからも電界が設置トランシーバ20に伝送され、設置電極4に触れたり立ったりしていない人Bの持つ携帯端末1Bと誤って通信する。
電界通信システムでは、携帯端末を持つ利用者が設置電極に触れることが、通信の開始と設置電極に接続されている設置トランシーバの通信相手の選択とになっているが、上記の問題により選択性が低くなっていた。
特開2007−295192号公報 米国特許公開公報第2007/0184788号明細書 特開2008−236218号公報
本発明は、上述した従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、誤った伝送経路からの通信を除外することにより、通信端末の選択性の高い電界通信を可能にする電界通信技術を提供することを目的とする。
本発明の1つの特徴は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて情報の送信を行う通信端末で使用される送信モジュールであって、前記送信すべき情報に基づく送信パケット信号を、それにプリアンブルを含ませた信号として生成して出力するデータ処理手段を備え、前記プリアンブルは、所定の矩形波の周期信号であってHレベルの期間とLレベルの期間とのデューティ比を50%:50%からずらした信号であり、受信した受信パケットのプリアンブルの矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較することにより極性を検知し、正しい伝送経路からの送信パケット信号だけを受信する受信モジュールを備えた通信端末に対して送信するものである。
本発明の別の特徴は、送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて情報の送信を行う一方で、電界伝達媒体に誘起された受信すべき情報に基づく電界を受信することによって情報の受信を行うトランシーバであって、上記送信モジュールを備えたものである。
本発明の電界通信に用いる送信モジュール及びトランシーバによれば、電界伝達媒体である利用者が携帯していない端末から放射された電界が利用者に誘起されたことによる誤った伝送経路での通信を防ぎ、電界通信の信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールのブロック図。 図2は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する設置トランシーバのブロック図。 図3は、上記第1の実施形態において、携帯端末を開いた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の携帯極性可変送信部出力と設置極性検知受信部増幅・フィルタ部出力との波形図。 図4は、上記第1の実施形態において、携帯端末を開いた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信した場合の設置極性検知受信部増幅・フィルタ部出力の波形図。 図5は、上記第1の実施形態において、携帯端末を開いた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の回路モデル図。 図6は、上記第1の実施形態において、携帯端末を開いた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の回路モデル図。 図7Aは、上記第1の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の極性検知方法の説明図。 図7Bは、上記第1の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の極性検知方法の説明図。 図8は、上記第1の実施形態における設置トランシーバの極性検知部の構成例のブロック図。 図9は、上記第1の実施形態において、携帯端末を閉じた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の携帯極性可変送信部出力と設置極性検知受信部増幅・フィルタ部出力との波形図。 図10は、上記第1の実施形態において、携帯端末を開いた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で別例の携帯側送信パケット信号を送信する場合の携帯極性可変送信部出力と設置極性検知受信部増幅・フィルタ部出力との波形図。 図11は、上記第1の実施形態において、携帯端末を開いた状態でその携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で別例の携帯側送信パケット信号を送信する場合の携帯極性可変送信部出力と設置極性検知受信部増幅・フィルタ部出力との波形図。 図12は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールの変形例1のブロック図。 図13は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールを内蔵した携帯端末の開いた状態と閉じた状態とを示す模式図。 図14は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールの変形例2のブロック図。 図15は、図14に示す変形例2の携帯トランシーバモジュールとそれを内蔵した携帯端末の利用者との位置関係を示す説明図であって、図15(a)は携帯信号電極が利用者に近い場合の位置関係、図15(b)は携帯グランド電極が利用者に近い場合の位置関係を示す説明図。 図16は、図14に示す変形例2の携帯トランシーバモジュールについて、その携帯信号電極、携帯グランド電極を携帯正信号電極、携帯負信号電極に代え、かつ携帯回路グランドの面積を大きくし、携帯正信号電極、携帯負信号電極の面積を小さくする構成にした携帯トランシーバモジュールとそれを内蔵した携帯端末の利用者との位置関係を示す説明図。 図17は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールの変形例3のブロック図。 図18は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する設置トランシーバの変形例1のブロック図。 図19は、上記第1の実施形態の電界通信システムを構成する設置トランシーバの変形例2のブロック図。 図20は、本発明の第2の実施形態の電界通信システムを構成する設置トランシーバのブロック図。 図21は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の各部の信号波形図。 図22は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で携帯側送信パケット信号を送信する場合の設置トランシーバの信号モニタ・極性検知部の入力信号波形図。 図23Aは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、正しい伝送経路の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立下りで極性を検知する場合における各部の信号波形図。 図23Bは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、誤った伝送経路の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立下りで極性を検知する場合における各部の信号波形図。 図24は、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立下りで極性を検知する設置トランシーバにおける信号モニタ・極性検知部の極性検知部分の構成例1を示すブロック図。 図25Aは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、正しい伝送経路の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立上りで極性を検知する場合における各部の信号波形図。 図25Bは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、誤った伝送経路の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立上りで極性を検知する場合における各部の信号波形図。 図26は、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立上りで極性を検知する設置トランシーバにおける信号モニタ・極性検知部の極性検知部分の構成例2を示すブロック図。 図27は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で別例の携帯側送信パケット信号を送信する場合の各部の信号波形図。 図28は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で別例の携帯側送信パケット信号を送信する場合の設置トランシーバの信号モニタ・極性検知部の入力信号の波形図。 図29Aは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、正しい伝送経路で位相を変化させた携帯側送信パケット信号を設置トランシーバに送信した場合に設置トランシーバにて極性を検知する際の各部の信号波形図。 図29Bは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、誤った伝送経路で位相を変化させた携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信した場合に設置トランシーバにて極性を検知する際の各部の信号波形図。 図30は、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、立上りで極性を検知する設置トランシーバにおける信号モニタ・極性検知部の極性検知部分の構成例3を示すブロック図。 図31は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路でさらに別例の携帯側送信パケット信号を送信する場合の各部の信号波形図。 図32は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路でさらに別例の携帯側送信パケット信号を送信する場合の設置トランシーバの信号モニタ・極性検知部の入力信号の波形図。 図33Aは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、正しい伝送経路で位相を1周期分180°だけ変化させた携帯側送信パケット信号を設置トランシーバに送信した場合に設置トランシーバにて極性を検知する際の各部の信号波形図。 図33Bは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、誤った伝送経路で位相を1周期分180°だけ変化させた携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信した場合に設置トランシーバにて極性を検知する際の各部の信号波形図。 図34は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ正しい伝送経路で非対称な周期波形の携帯側送信パケット信号を送信する場合の各部の信号波形図。 図35は、上記第2の実施形態において、携帯トランシーバモジュールから設置トランシーバへ誤った伝送経路で非対称な周期波形の携帯側送信パケット信号を送信する場合の設置トランシーバの信号モニタ・極性検知部の入力信号の波形図。 図36Aは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、正しい伝送経路で非対称な周期波形の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバに送信した場合に設置トランシーバにて極性を検知する際の各部の信号波形図。 図36Bは、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、誤った伝送経路で非対称な周期波形の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信した場合に設置トランシーバにて極性を検知する際の各部の信号波形図。 図37は、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、非対称な周期波形の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、極性を検知する設置トランシーバにおける信号モニタ・極性検知部の極性検知部分の構成例3を示すブロック図。 図38は、上記第2の実施形態の電界通信システムによる電界通信において、非対称な周期波形の携帯側送信パケット信号を設置トランシーバで受信処理する際に、極性を検知する設置トランシーバにおける信号モニタ・極性検知部の極性検知部分の構成例4を示すブロック図。 図39は、上記第2の実施形態の電界通信システムを構成する設置トランシーバの1つの変形例のブロック図。 図40は、上記第2の実施形態において、設置トランシーバの信号モニタ・極性検知部の構成例のブロック図。 図41は、上記第2の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールの1つの変形例のブロック図。 図42は、本発明の第3の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールのブロック図。 図43は、上記第3の実施形態において、設置トランシーバから携帯トランシーバモジュールへ正しい伝送経路で設置側送信パケット信号を送信する場合の回路モデル図。 図44は、上記第3の実施形態において、設置トランシーバから携帯トランシーバモジュールへ正しい伝送経路で設置側送信パケット信号を送信する場合の回路モデル図。 図45は、本発明の第4の実施形態の電界通信システムを構成する携帯トランシーバモジュールのブロック図。 図46は、本発明の第5の実施形態の電界通信システムを構成する携帯送信モジュールのブロック図。 図47は、上記第5の実施形態の電界通信システムを構成する設置受信器のブロック図。 図48は、本発明の第6の実施形態の電界通信システムを構成する携帯受信モジュールのブロック図。 図49は、一般的な電界通信システムにおける、携帯端末内の携帯トランシーバモジュールと設置モジュールとの間の正しい伝送経路と誤った伝送経路とでの電界通信を示す説明図。 図50は、携帯トランシーバモジュールを内蔵した折畳み式携帯端末の開いた状態、閉じた状態を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。尚、以下の説明において、同一若しくは近似する構成要素については同一若しくは近似する符号を用いて説明する。
[第1の実施形態]
図1には、本発明にかかる第1の実施形態の電界通信システムで使用する携帯トランシーバモジュール10を示し、図2には設置トランシーバ20を示す。
図1の携帯トランシーバモジュール10は、送信データ(送信すべき情報)から送信パケットを作成し、受信パケットから受信データ(受信すべき情報)を取り出す携帯データ処理部11、コンピュータにて構成される携帯端末処理装置12、送受切替スイッチ13、携帯極性可変送信部14、携帯受信部15、そして電極として携帯信号電極16と携帯グランド電極17を備えている。尚、携帯信号電極16、携帯グランド電極17それぞれには絶縁体16IS、17ISそれぞれが取り付けてある。
この携帯トランシーバモジュール10において、携帯データ処理部11は、送信時では携帯端末処理装置12からデータ伝送要求S11があり未送信のデータがない若しくは少なければ要求応答S11を返して送信データDT−T1を受け取り、送信データDT−T1に少なくとも所定のプリアンブルDT−PT1を付加した送信パケットPK−T1を生成する。その後、携帯データ処理部11は、送受信切替信号S13により送信できる状態にすると共に端末状態信号S14に基づいて極性指定信号S15を携帯極性可変送信部14に出力し、送信パケットPK−T1を携帯極性可変送信部14に出力する。
携帯データ処理部11は、受信時では、送受信切替信号S13により携帯受信部15を起動させ、携帯受信部15から出力された受信パケットPK−R1から受信データDT−R1を抽出する。その後、携帯データ処理部11は、携帯端末処理装置12にデータ伝送要求S11を出力し、携帯端末処理装置12から応答S11が返されれば受信データDT−R1を出力する。
携帯極性可変送信部14は、極性指定信号S15により出力する送信パケットPK−T1のHレベルとLレベルの極性を反転させるか非反転させるかを選択する。入力された送信パケットPK−T1に極性指定信号S15により指定された反転又は非反転の処理を行って出力する。携帯受信部15では携帯信号電極16と携帯グランド電極17との間に入力された信号に混入した雑音を除去すると共に所定の振幅まで信号を増幅し、受信パケットPK−R1を抽出して出力する。携帯極性可変送信部14と携帯受信部15は共通の携帯回路グランドG10に接続され、この携帯回路グランドG10と携帯グランド電極17とが接続されている。送受切替スイッチ(SW)13は、送受切替信号S13により送信時には携帯極性可変送信部14の出力と携帯信号電極16を接続し、受信時には携帯受信部15の入力と携帯信号電極16を接続する。
図2に示す設置トランシーバ20は、設置極性検知受信部21、設置データ処理・制御部22、設置送信部23、送受切替スイッチ(SW)24、設置電極25を備えている。設置データ処理・制御部22はリモートのコンピュータである情報処理装置30とLANその他の方法にて接続されている。
設置トランシーバ20における設置極性検知受信部21は、受信した受信パケットPK−R2のプリアンブルPK−PR2の極性を検知し、正しい極性であれば受信パケットPK−R2を出力し、誤った極性であれば遮断する働きをするもので、増幅・フィルタ部211、極性検知部212、データ再生部213を備えている。設置極性検知受信部21内の増幅・フィルタ部211では受信した信号S20(PK−R2)に混入した雑音を除去し、所定の振幅にまで増幅する。極性検知部212では、増幅・フィルタ部211から出力された信号S24が所定の振幅以上であれば受信パケットPK−R2のプリアンブルPK−PR2から極性を検知し、正しい極性の受信パケットPK−R2が入力されれば検知信号S21を出力し、受信パケットPK−R2の受信が終わると検知信号S21の出力を停止する。データ再生部213では、設置データ処理・制御部22から起動信号S22が入力されると増幅・フィルタ部211から出力された受信パケットPK−R2を波形整形して出力する。この受信パケットPK−R2は、携帯トランシーバモジュール10からの送信パケットPK−T1に対応するものである。
設置データ処理・制御部22は、受信時には送受切替信号S23を受信の状態に変え、検知信号S21が入力されるとデータ再生部213に起動信号S22を出力し、受信パケットPK−R2の受信が終了すると停止信号S22を出力する。受信パケットPK−R2を受信した際には受信データDT−R2(受信すべき情報)を抽出して情報処理装置30へ送信する。設置データ処理・制御部22は、送信時には送受切替信号S23を送信の状態に変え、情報処理装置30から受信した送信データDT−T2(送信すべき情報)を含む送信パケットPK−T2(携帯トランシーバモジュール10の受信パケットPK−R1となる)を生成し設置送信部23へ出力する。この送信パケットPK−T2は、携帯トランシーバモジュール10の受信パケットPK−R1となるものである。
設置送信部23は送受切替SW24を介して送信パケットPK−T2を設置電極25に出力する。送受切替SW24は、送受切替信号S23により送信時には設置送信部23の出力と設置電極25を接続し、受信時には設置極性検知受信部21の入力と設置電極25を接続する。
上記の携帯端末1と設置トランシーバ20との間の詳しい通信動作を図3の正しい伝送経路PATH−Aでの各部の波形を用いて説明する。図3は携帯端末1(携帯トランシーバモジュール10)で送信し設置トランシーバ20で受信するときの信号を説明するものであり、送信パケットPK−T1の先頭で送信パケットPK−T1が出力されていない時の電圧よりも高い電圧が出力された状態を正しい極性とする。携帯端末1の携帯端末処理装置12からの端末状態信号S14は携帯端末1が開いているか閉じているかを検知して出力される信号であり、開いていることを検知した場合に図3に示す動作を行う。また、同図では送信データDT−T1やプリアンブルDT−PT1の包絡線のみを記載している。
正しい伝送経路PATH−Aの時の回路モデルを図5に示す。極性の説明に関係ない浮遊容量等の回路要素は割愛している。正しい伝送経路PATH−Aの時では、利用者Aと設置電極25との間の浮遊容量C1、設置トランシーバ20の入力インピーダンスZ1、携帯グランド電極17と大地グランド電極GEとの間の浮遊容量C2、携帯端末1の送信状態を模した信号源S1で閉ループが形成されている。携帯グランド電極17と携帯信号電極16との間の電圧Vsが正の時では、設置トランシーバ20に入力される電圧Vrcvも正となる。このため図3の設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211の出力S24では受信パケットPK−R2の先頭は正の電圧となる。
図6に誤った伝送経路PATH−Bでの回路モデルを示す。極性の説明に関係ない浮遊容量等の回路要素は割愛している。誤った伝送経路PATH−Bでは、携帯回路グランドG10と利用者Aとの間の浮遊容量C3、利用者Aと設置電極25との間の浮遊容量C1、設置トランシーバ20の入力インピーダンスZ1、利用者Bと大地グランドGEとの間の浮遊容量C4、携帯端末1の送信状態を模した信号源S2で閉ループが形成されている。携帯グランド電極17と携帯信号電極16との間の電圧Vsが正の時では、設置トランシーバ20に入力される電圧Vrcvは負となる。したがって、図4に示すように、設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211の出力S24′では、受信パケットPK−R2の先頭は負の電圧となる。
図3と図4で説明した受信パケットPK−R2の先頭の極性の違いから、伝送経路違いを見分けられるため、正しい伝送経路PATH−Aの受信パケットPK−R2のみを受信することは可能である。
設置極性検知受信部21の極性検知部212による極性検知の方法の例を図7A、図7Bに示す。パケットPK−R2を受信していない時では、設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211の出力S24は、極性検知のしきい値TH1及びしきい値TH2の間の電圧となり、極性検知部212は検知信号S21を出力しない。
図7Aに示すように、正しい伝送経路PATH−Aの場合で増幅・フィルタ部211の出力S24A(受信パケットPK−R2)が入力されると、パケット先頭でしきい値TH1を超えたことを検知し検知信号S21を出力する。増幅・フィルタ部211の出力が十分な振幅を有している間は、極性検知部212は検知信号S21の出力を保持する。極性検知部212は、受信パケットPK−R2の受信が終わった時には、増幅・フィルタ部211の出力S24Aの振れ幅がしきい値TH1としきい値TH2の間になったことを検出して検知信号S21の出力を停止する。
図7Bに示すように、極性検知部212は、誤った伝送経路PATH−Bの場合で増幅・フィルタ部211の出力S24B(受信パケットPK−R2)が入力されると、しきい値TH2より低くなったことを検知して検知信号S21を出力させない処理を行う。その後、受信パケットPK−R2の受信が終わった時には、増幅・フィルタ部211の出力S24の振れ幅がしきい値TH1としきい値TH2の間になったことを検出して検知信号S21を出力させない処理を停止する。
図7A、図7Bに示した極性検出方法を実行する極性検知部212の構成例を図8に示す。比較器(1)2121では設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211の出力S24がしきい値TH1を超えると出力がHレベルになり、比較器(1)2121の出力がLレベルからHレベルになるときの立上りをエッジ検出回路(1)2123で検知する。比較器(2)2122では増幅・フィルタ部211の出力S24がしきい値TH2より低くなると出力がHレベルになり、比較器(2)2122の出力がLレベルからHレベルになるときの立上りをエッジ検出回路(2)2124で検知する。
極性判定回路2126では、先にエッジ検出回路(1)2123から信号が入力された場合では検知信号S21を出力し、エッジ検出回路(2)2124から先に信号が入力された場合では検知信号S21を出力させない処理を行う。この処理により受信パケット先頭の極性を検知することができる。
受信パケットPK−R2の受信が終わった時には、増幅・フィルタ部211の出力S24の振れ幅がしきい値TH1としきい値TH2の間になり、比較器(1)2121と比較器(2)2122の出力が共にLレベルで固定される。パケット終点検出回路2125では、比較器(1)2121と比較器(2)2122の出力が共にLレベルに固定されたことを検出しクリアパルス信号S29をエッジ検出回路(1)2123、エッジ検出回路(2)2124に出力する。エッジ検出回路(1)2123とエッジ検出回路(2)2124ではクリアパルス信号S29が入力されると、回路内部の状態を受信パケットPK−R2が入力される前の状態に戻し、再び受信パケットPK−R2が入力されるのを待つ。
以上は、図50(a)に示す状態、つまり携帯端末1を開いて人の手に持たれた状態で使用される時の動作の説明であった。ところが、携帯端末1は図50(b)に示すように、閉じてポケット等に入れた状態で使用される場合もある。その場合には、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のどちらが人に接触又は近接するかは不明であるため、図9(a)に示すように非反転の送信パケットS16−1と反転させた送信パケットS16−2との両方を送信する。携帯トランシーバモジュール10において、携帯データ処理部11が携帯端末処理装置12から出力される端末状態信号S14により携帯端末1の閉じたことを検知した場合に、この動作を行う。これにより、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のいずれかが人に接触又は近接しても、設置トランシーバ20で受信できる。その場合には、図9(b)に示すように、設置トランシーバ20における設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211の出力する信号S24−1,S24−2の両方に対して極性検知部212にて極性検知を行い、極性検知できた方の信号S24−1又はS24−2に対して検知信号S21を出力する。そして、データ再生部213にて受信パケットPK−R2を再生させる。
以上の説明のように、利用者の携帯端末の保持状態を検知して利用者に正しい極性の電界を誘起することにより携帯トランシーバモジュールで正しい伝送経路を指定でき、設置トランシーバにおいて受信した信号電界の極性を検知して伝送経路の正誤を判定することにより正しい伝送経路を経由したパケットを選択できる。これにより誤った伝送経路での通信を防ぎ、通信の信頼性を高めることができる。
図10(a),(b)には送信パケットPK−T1のプリアンブルDT−PT1に使用する所定の周期信号(矩形波)のデューティ比を50%:50%からずらして極性を判定する場合の各部の波形を示す。同図(a)の携帯極性可変送信部出力S16では送信データDT−T1やプリアンブルDT−PT1の包絡線のみを記載している。本説明は携帯端末1で送信し設置トランシーバ20で受信するときの説明であり、正しい極性の時に矩形波のHレベルの期間が長いプリアンブルを使用した場合を記載している(図10(a)のプリアンブルDT−PT1の時間軸上の拡大波形S16を参照)。携帯端末1が端末状態信号S14により開いていることを検知した場合には、携帯トランシーバ10は図10(a)に示す送信動作を行う。
設置トランシーバ20における設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211は正しい伝送経路PATH−Aで受信したときに出力S24を出力する。図10(b)は、出力S24(受信パケットPK−R2)のプリアンブルDT−PR2の拡大波形を示し、携帯端末1で送信した信号S16(送信パケットPK−T1)のプリアンブルDT−PT1と同じように、矩形波のHレベルの期間が長い波形となる。これに対し誤った伝送経路PATH−Bで受信した場合では、図11に示すように、増幅・フィルタ部211の出力S24′(受信パケットPK−R2)のプリアンブルDT−PR2′は携帯端末1で送信した送信パケットPK−T1のプリアンブルDT−PT1が反転した矩形波となり、Hレベルの期間が短い波形となる。このように受信した受信パケットPK−R2のプリアンブルDT−PT2,DT−PT2′の矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較することにより極性を検知でき、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットPK−R2を選択できる。この方法でも誤った伝送経路での通信を防ぎ、通信の信頼性を高めることができる。
携帯端末1で端末状態信号S14により閉じていることを検知した場合では、図9に示す波形の包絡線と同様に非反転の送信パケットと反転させた送信パケットの両方を送信する。
図1に示す携帯トランシーバモジュール10では、一方の電極を携帯信号電極16とし、他方を携帯回路グランドG10に接続した携帯グランド電極17としたが、図12に示す変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように、携帯極性可変送信部14の出力を差動出力として、一方の電極を携帯正信号電極160とし、他方を携帯負信号電極170としてもよい。携帯端末1での電極位置の例を図13の模式図に示す。この場合の携帯トランシーバモジュール10−1では、携帯負信号電極170に比べて携帯正信号電極160の電圧が高いときがHレベルとなり、携帯負信号電極170に比べて携帯正信号電極160の電圧が低いときがLレベルとなる。携帯端末1を開いて使用する際には、携帯負信号電極に比べて携帯正信号電極の電圧が高い状態を正しい極性とする。
図14に第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2を示す。図1に示した携帯トランシーバモジュール10では、携帯端末処理装置12から端末状態信号S14を得ていたが、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のどちらが人に近くなっているかの利用者の携帯端末の保持状態を携帯極性可変送信部14から見た容量により判断し、人に近くなっている電極が高い電圧となる極性にすることも可能である。図15(a),(b)に示すように携帯信号電極16の面積を携帯グランド電極17に比べて小さくすると、同図(a)の携帯信号電極16が人Aに近い場合には携帯極性可変送信部14から見た携帯端末外部の負荷容量C11+C12が、同図(b)の携帯グランド電極17が人Aに近い場合の負荷容量C13に比べて大きくなる。図15(b)のように携帯グランド電極17が人Aに近い場合では携帯信号電極16は人Aとの容量結合が小さくなるため携帯極性可変送信部14から見た携帯端末外部の負荷容量C13が小さくなる。携帯端末1と人Aの周囲には他に大地グランドとの間等にも浮遊容量があるが、図15では変化の大きい浮遊容量のみを記載した。
携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定し所定の負荷容量以上の場合では、携帯信号電極16が人に近くなっていると決めて極性判定部18で端末状態信号S14を出力することにより正しい極性で送信できる。携帯端末外部の負荷容量の大きさの測定は、例えば携帯極性可変送信部14の送信時の消費電力の大きさを測定することで実施できる。この場合には、送信パケットPK−T1を送信する前に負荷容量測定用の信号を出力する。
図14の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2では、携帯信号電極16と携帯グランド電極17を用いたが、これらを携帯正信号電極160と携帯負信号電極170にしてもよい。そしてその場合には、図16に示すように、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成にしてもよい。図16において、C11′は携帯正信号電極160と人Aとの間の浮遊容量、C12′は携帯回路グランドG10と人Aとの間の浮遊容量を示している。この場合、極性が正と負の2種類しかないため、片方の電極に接続されている側、例えば携帯正信号電極160に接続されている側の回路の消費電力のみを計測して極性を決定できる。
以上の方法により利用者の携帯端末の保持状態を検知して利用者に正しい極性の電界を誘起して携帯トランシーバモジュールで正しい伝送経路を指定できる。変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2では、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。変形例2の携帯トランシーバモジュールは折り畳み式の携帯端末以外の携帯端末にも適用できる。
図17に第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3を示す。本変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3は、携帯信号電極16にセンサ19を取り付け、極性判定部18によりセンサ19の出力により人が携帯信号電極16に触れているか否かを判定して端末状態信号S14を出力する構成となっている。センサ19には温度センサ等を使用し、極性判定部18は人が携帯信号電極16に触れたときの温度上昇を検知して端末状態信号S14を出力する。携帯信号電極16に人が触れていない時では温度上昇がないため、携帯グランド電極17に人が触れているものとみなして端末状態信号S14を出力する。これにより正しい極性で送信できる。
変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3においても、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用してもよい。この場合には、一方、例えば携帯正信号電極160にのみセンサ19を取り付け、温度上昇が見られる時にはセンサ19を取り付けた方の電極160を正となる送信パケットを出力し、温度上昇がない場合にはセンサ19を取り付けていない方の電極170を正とする送信パケットを出力する。以上の方法により利用者の携帯端末1の保持状態を検知して利用者に正しい極性の電界を誘起して携帯トランシーバモジュール10−3で正しい伝送経路を指定できる。変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3では、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3は折り畳み式の携帯端末以外の携帯端末にも適用できる。
図2の設置トランシーバ20では設置電極25のみを用いていたが、携帯トランシーバモジュール10と同様にグランド電極26を用いてもよい。この場合には、図18の変形例1の設置トランシーバ20−1のように、設置グランド電極26を設置回路グランドG20に接続する。また、図19の設置トランシーバ20−2に示すように、設置正信号電極250と設置負信号電極260を使用してもよい。この場合には設置送信部23の出力を差動出力として、差動出力の非反転出力を設置正信号電極250に接続し、反転出力を設置負信号電極260に接続する。さらに、設置極性検知受信部21の増幅・フィルタ部211の入力を差動入力とし、非反転入力側を設置正信号電極250に接続し、反転入力側を設置負信号電極260に接続する。
[第2の実施形態]
以上の第1の実施形態の電界通信システムでは、周波数帯域の広い信号のパケットを送受信する電界通信の場合について説明した。ところが、特定の周波数に雑音があり周波数帯域を制限した方が良い場合もあり、その場合には周波数帯域の狭い信号のパケットを送受信した方が良い。その場合には、受信する側、又は、送信する側と受信する側との両方に帯域制限するフィルタを使用するが、そのため、パケット先頭の立上りが緩やかになりパケット先頭の立上りで極性を検知するのは難しい。そこで、第2の実施形態の電界通信システムに使用する設置トランシーバとして、帯域制限されたパケットから極性を検知する場合に使用する設置トランシーバ20Aの構成を図20に示す。尚、携帯トランシーバモジュールとしては、第1の実施形態における携帯トランシーバモジュール10、変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1乃至変形例3の携帯トランシーバモジュール10〜3のいずれかを用いることができる。
本実施形態の設置トランシーバ20Aは、設置極性検知受信部21A、設置データ処理・制御部22、設置送信部23、送受切替スイッチ(SW)24、設置電極25を備えている。そして、設置極性検知受信部21Aは、自動利得制御増幅・フィルタ部211A、データ再生部212、信号モニタ・極性検知部213Aにて構成されている。また、設置データ処理・制御部22は外部のコンピュータで成る情報処理装置30とLANその他の接続手段にて接続されている。
携帯トランシーバモジュール10(以下、携帯トランシーバモジュールは符号10にて代表する)の携帯データ処理部11では送信時に所定の周波数の信号で構成される信号列を少なくともプリアンブルDT−PT1Aとして使用し、前記所定の周波数の信号を送信データDT−T1で変調した信号列DT−T1Aを付加した信号列S16Aを送信パケットPK−T1Aとする。ここで、プリアンブルDT−PT1Aの後に、送信データDT−T1に通信制御に使用するデータを追加したデータ列で所定の周波数を変調した信号列を使用して送信パケットとしてもよい。本実施形態における設置トランシーバ20Aでは、プリアンブルDT−PT1Aで使用する所定の周波数の信号の振幅や位相を変化させた時に、自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力S24Aで起こることが予想される過渡現象に基づいて信号モニタ・極性検知部213Aで極性を検知する。
設置トランシーバ20Aにおける設置極性検知受信部21Aの自動利得制御増幅・フィルタ部211Aでは、設置電極25と送受切替SW24を通して受信した信号S20A(PK−R2)に混入する雑音を除去し、利得固定信号S25が入力されていない時では受信した信号S20Aが自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力S24Aで所定の振幅になるまで利得を変えながら増幅する。設置データ処理・制御部22から利得固定信号S25が入力された時では利得を固定して増幅する。
データ再生部212では、設置データ処理・制御部22から起動信号S22が入力されると自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力信号S24Aを復調して送信データDT−T1又は通信制御に使用するデータと送信データDT−T1Aとを再生し、設置受信再生パケットPK−R2Aとして設置データ処理・制御部22に出力する。
信号モニタ・極性検知部213Aでは、所定の振幅の信号が自動利得制御増幅・フィルタ部211Aから一定期間Ta1以上出力されたことを検出して受信開始信号S28を設置データ処理・制御部22に出力する。所定の振幅より低い信号が自動利得制御増幅・フィルタ部211Aから一定期間Ta2以上出力されたことを検出した場合には受信開始信号S28の出力を停止する。また、設置データ処理・制御部22から起動信号S22が入力されると自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力信号S24Aの受信パケットPK−R2のプリアンブルDT−T1Aから極性を検知し、正しい極性の受信パケットが入力されれば検知信号S21を出力し、受信パケットPK−R2の受信が終わると検知信号S21の出力を停止する。
プリアンブルDT−PT1Aで所定の周波数の信号の振幅を変化(変調)させた場合の動作を図21の正しい伝送経路での各部の波形の例を用いて説明する。図21は携帯端末1(携帯トランシーバモジュール10)で送信し設置トランシーバ20Aで受信するときの説明であり、携帯端末1で端末状態信号S14により開いていることを検知した場合に図21に示す動作を行う。また、図21(a)の携帯極性可変送信部出力S16Aと図21(c)の設置極性検知受信部入力S20Aでは包絡線のみを記載している。
携帯トランシーバモジュール10では、図21(a)の携帯極性可変送信部出力S16Aに示すように、プリアンブルDT−PT1Aに所定の周波数の信号の振幅をゼロにする期間SiTを設ける。図21(a)では振幅がゼロの期間SiTでは、同図(b)に示す振幅抑制時前後携帯極性可変送信部出力に示すように中心電圧に固定されている。
振幅がゼロになるSiT以前のプリアンブルDT−PT1Aの期間では、自動利得制御増幅・フィルタ部211Aにおいて、受信した信号S20Aが自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力S24Aで所定の振幅になるまで利得を変える。また、図21(d)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aにおいて所定の振幅の信号S24Aが自動利得制御増幅・フィルタ部211Aから一定期間Ta1以上出力されたことを検出して受信開始信号S28を出力する。図21(e)に示すように、設置データ処理・制御部22では自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの利得の変化がなくなったことを確認して、利得固定信号S25を出力すると共に、信号モニタ・極性検知部213Aの極性を検知する動作を開始させるために起動信号S22を出力する。
図21(f)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aでは、受信開始信号S28で検出する振幅の変化よりも早い振幅の変化を検出する振幅検波信号S29により、プリアンブルDT−PT1で振幅変調されているタイミングを得て極性検知の動作を完了させる。図21(g)の波形S24A−1,S24A−2に示すように、振幅がゼロになる時では過渡現象により所定の周波数の信号の振幅が徐々に小さくなる変化を示し、振幅がゼロになった期間後では徐々に大きくなる変化を示す。振幅が変化しているときの1周期の波形は中心電圧に対して非対称である。信号モニタ・極性検知部213Aは、この過渡現象における波形S24A−1,S24A−2の非対称性を検知して極性の検知を行う。誤った伝送経路PATH−Bでは、図22に示すように、過渡現象における波形S24A−1′,S24A−2′が正しい伝送経路PATH−Aの場合の波形S24A−1,S24A−2に対して、中心電圧に対して反転した波形となる。このようにして、信号モニタ・極性検知部213Aは伝送経路の違いによる極性の違いを検知し、設置トランシーバで正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットを選択できる。
[振幅がゼロになる時(立下り)で検知する場合の極性検知の方法]
図23A、図23Bに振幅がゼロになる時(立下り)で検知する場合の極性検知の方法の例を示し、この極性検知方法を実現する例として信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A1を図24に示す。信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aを比較器(1)301と比較器(2)302に入力する。比較器(1)301ではしきい値TH1と信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aが比較され、比較器(2)302ではしきい値TH2と信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aが比較される。比較器(1)301の出力S202は立上りエッジ検出回路の入力として用いられ、比較器(2)の出力は立上りエッジ検出回路303のイネーブル信号S203として用いられる。立上りエッジ検出回路303では、イネーブル信号S203がHレベルのときに入力信号S202の立上りでHレベルを出力し、イネーブル信号S203がLレベルになると内部状態をクリアしてLレベルを出力する。起動・停止信号S22により立上りエッジ検出回路303とサンプラー304は内部状態をクリアされる。
図23A(a)に示す入力信号S24Aのように、信号モニタ・極性検知部213Aには過渡現象が起きていない期間では、しきい値TH1を超える期間としきい値TH2を下回る期間が交互に入力される。このため、図23A(b)〜(d)に示すように、入力信号S24Aがしきい値TH1を超えたときに立上りエッジ検出回路303は出力信号S204としてHレベルを出力し、入力信号S24Aがしきい値TH2を下回ったときにLレベルを出力する。正しい伝送経路PATH−Aの場合で振幅がゼロになった後では、入力信号S24Aはしきい値TH1を超えたのを最後にしきい値TH1としきい値TH2の間の電圧となる。このとき、立上りエッジ検出回路303には比較器(2)の出力であるイネーブル信号S203がHレベルのまま入力され続けるため、出力信号S204としてHレベルを出力し続ける。
図23A(e)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aの内部で入力信号S24Aの振幅が十分小さくなったときに振幅検波信号S205が立下がるように遅延をかけ、振幅検波信号S205の立下りで立上りエッジ検出回路303の出力をサンプリングすれば、サンプラー304から検知信号S21が得られる。
図23B(a)〜(c)に示すように、誤った伝送経路PATH−Bの場合では、入力信号S24A′がしきい値TH2を下回ったのを最後にしきい値TH1としきい値TH2の間の電圧となる。このとき、図23B(d)に示すように立上りエッジ検出回路303はLレベルの信号S204′を出力し続けるため、同じ検波信号S205′の立下りで立上りエッジ検出回路303の出力S204′をサンプリングすれば、サンプラー304から検知信号S21は出力されない。
以上の例で説明した方法で、伝送経路PATH−A,PATH−Bの違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットPK−R2を選択できる。
携帯端末1で端末状態信号S14により閉じていることを検知した場合では、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のどちらが人に近いか不明であるため、携帯トランシーバモジュール10で極性を非反転させた送信パケットと極性を反転させた送信パケットの両方を送信する。設置トランシーバ20Aでは正しい極性の受信パケットのみを受信する。
本実施形態においては、携帯トランシーバモジュールには図1の構成の携帯トランシーバモジュール10だけでなく、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を設けたものを用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。さらに、図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。携帯トランシーバモジュールが変形例2(10−2)や変形例3(10−3)の構成になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
[振幅がゼロの期間後(立上り)で検知する場合の極性検知の方法]
図25A、図25Bに振幅がゼロの期間後(立上り)で検知する場合の極性検知の方法の例を示し、この極性検知方法を実現する例として信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A2を図26に示す。信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aを比較器(1)301と比較器(2)302に入力する。比較器(1)301ではしきい値TH1と信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aが比較され、比較器(2)302ではしきい値TH2と信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aが比較される。また、比較器(2)302では入力信号S24Aがしきい値TH2を下回ったときにHレベルの信号S203が出力される。比較器(1)301の出力S202が立上りエッジ検出回路(1)303Aに入力され、比較器(2)302の出力S203が立上りエッジ検出回路(2)303Bに入力される。立上りエッジ検出回路(2)303Bの出力S204Bは立上りエッジ検出回路(1)303Aのクリア信号として用いられる。起動・停止信号S22により立上りエッジ検出回路(1)303A、立上りエッジ検出回路(2)303Bとパルス検出回路305は内部状態をクリアされる。
具体的には、起動信号S22が入力される前には立上りエッジ検出回路(1)303A、立上りエッジ検出回路(2)303Bとパルス検出回路305の内部状態はクリアで固定されており、起動信号S22が入力されるとイネーブルになる。受信開始信号S28が停止され、停止信号S22が入力されると、立上りエッジ検出回路(1)303A、立上りエッジ検出回路(2)303Bとパルス検出回路305の内部状態はクリアで固定される。
図25A(a)〜(d)に示すように、正しい伝送経路PATH−Aの場合で振幅がゼロの期間後では、信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aがはじめにしきい値TH1を超えるため立上りエッジ検出回路(1)303Aの出力S204AがHレベルになる。その後、図25A(e)に示すように、入力信号S24Aがしきい値TH2を下回り立上りエッジ検出回路(2)303Bの出力S204BがHレベルになり、立上りエッジ検出回路(1)303Aがクリアされる。このとき立上りエッジ検出回路(1)303Aから出力されるパルス信号S204Aをパルス検出回路305で検出して検知信号S21を得る。
誤った伝送経路PATH−Bの場合では、図25B(a)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24A′がはじめにしきい値TH2を下回るため、図25B(b)〜(f)に示すように、立上りエッジ検出回路(2)303Bの出力S204B′がHレベルになり立上りエッジ検出回路(1)303Aがクリアされる。その後、入力信号S24A′がしきい値TH1を超えても立上りエッジ検出回路(1)303AはHレベルにならず、検知信号S21は出力されない。
このような動作により、正しい伝送経路PATH−Aと間違った伝送経路PATH−Bとの違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットPK−R2を選択できる。
図26の構成の極性検知部分213A2ではパルス検出信号を用いたが、立上りエッジ検出回路でもよい。図25A、図25Bでは、正しい伝送経路PATH−Aのときに入力信号S24Aがはじめにしきい値TH1を超え、誤った伝送経路PATH−Bのときにはじめにしきい値TH2を下回るとしたが、自動利得制御増幅・フィルタ部211Aのフィルタの特性により逆転する場合もある。このときは、はじめにしきい値TH2を下回ったときに正しい伝送経路PATH−Aであると認識するようにすることになる。
尚、構成例213A2では立上りエッジ検出回路303A,303Bを用いているが、立下りエッジ検出回路を用いてもよい。この場合では、比較器(1)301と比較器(2)302の反転入力に自動利得制御増幅・フィルタ部出力信号S24Aを入力し非反転入力にそれぞれしきい値TH1としきい値TH2を入力する。
携帯端末1で端末状態信号S14により閉じていることを検知した場合では、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のどちらが人に近いか不明であるため、携帯トランシーバモジュール10で極性を非反転させた送信パケットと極性を反転させた送信パケットの両方を送信する。設置トランシーバ20Aでは正しい極性の受信パケットのみを受信する。
設置トランシーバ20Aがこの検知方法を利用する場合においても、携帯トランシーバモジュールには図1の構成の携帯トランシーバモジュール10だけでなく、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を設けたものを用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。さらに、図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。携帯トランシーバモジュールが変形例2(10−2)や変形例3(10−3)の構成になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
以上のプリアンブルDT−PT1で所定の周波数の信号の振幅を変化させた場合の説明では、振幅変化の回数が1回であったが、2回以上にしてもよい。この場合の設置トランシーバでは、1回でも正しい極性を検知すれば正しい伝送経路からの受信パケットと判定してもよく、所定の回数以上正しい極性を検知すれば正しい伝送経路からの受信パケットと判定してもよい。所定の回数以上極性を検知する場合には受信開始信号をイネーブルとして検知信号の立上りの回数をカウントするカウンタを設置データ処理・制御部に設ける。はじめに受信開始信号がHレベルになると信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分に起動信号を入力し、検知信号がHレベルになる度に停止信号・起動信号の順に入力して再び極性検知動作を開始させる。受信開始信号が停止するとカウンタは内部状態をクリアする。この動作により複数回の極性検知動作が可能になる。
[プリアンブルで所定の周波数の信号の位相を変化させた場合の動作]
図27を参照して、携帯トランシーバモジュール10側でプリアンブルDT−PT1で所定の周波数の信号の位相を変化(変調)させて送信する場合の受信動作を、正しい伝送経路PATH−Aでの各部の波形の例を用いて説明する。図27は携帯端末1(携帯トランシーバモジュール10)で送信し設置トランシーバ20Aで受信するときの各部の信号を示しており、携帯端末1で端末状態信号S14により開いていることを検知した場合に設置トランシーバ20Aは図27に示す受信動作を行う。尚、同図27(a)の携帯極性可変送信部出力S16と同図(c)の設置極性検知受信部入力S20Aでは包絡線のみを記載している。
携帯トランシーバモジュール10では、図27(a),(b)の携帯極性可変送信部出力S16に示すように、プリアンブルDT−PT1に所定の周波数の信号S16−1,S16−2の位相を180度変化させる個所IV1を設ける。
位相が変化するIV1より以前のプリアンブルS16−1の期間では、設置トランシーバ20A側の自動利得制御増幅・フィルタ部211Aにおいて、受信した信号S20Aを自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力S24Aが所定の振幅になるまで利得を変える。また、図27(c),(d)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aにおいて所定の振幅の信号S20Aが自動利得制御増幅・フィルタ部211Aから一定期間Ta1以上出力されたことを検出して受信開始信号S28を出力する。設置データ処理・制御部22では自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの利得の変化がなくなったことを確認して、利得固定信号S25を出力すると共に信号モニタ・極性検知部213Aの極性を検知する動作を開始させるために起動信号S22を出力する。
図27(f)に示すように、信号S24Aで位相が変化した個所IV1では過渡現象により振幅が小さくなり、1周期の波形は中心電圧に対して非対称である。図27(f),(g)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aはこの過渡現象における波形の非対称性を検知して極性の検知を行い、検知信号S21を出力する。
図28に示すように、誤った伝送経路PATH−Bでは過渡現象における波形S24A′が中心電圧に対して反転した波形となる。このため、伝送経路PATH−A,PATH−Bの違いによる極性の違いを検知して検知信号S21を出力することで、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットを選択できる。
図29A、図29Bに位相を変化させた場合の極性検知の方法の例を示し、この極性検知方法を実現する例として信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A3を図30に示す。比較器(1)301では自動利得制御増幅・フィルタ部出力信号S24Aとしきい値TH1を比較し、比較器(2)302では自動利得制御増幅・フィルタ部出力信号S24Aとしきい値TH2を比較する。2進カウンタ306は、比較器(1)301の出力S202のパルス数をカウントしてカウント数が2になると出力S21をHレベルにし、比較器(2)302の出力S203がLレベルになるとカウントをクリアするが、カウント数が2の後でクリアされても出力S21のHレベルは保持する。また、2進カウンタ306は起動信号S22の入力前(停止信号入力)では内部状態をクリアで固定され、出力S21はLレベルで固定される。こうして2進カウンタ306は起動信号S22の入力後に動作を開始し、停止信号S22が入力されると内部状態をクリアし出力S21をLレベルにする。
図29A(a)〜(d)に示すように、入力信号24Aの位相が変化する前ではしきい値TH1を超える期間としきい値TH2を下回る期間が交互にあり、2進カウンタ306のカウント値は2にはならない。図29A(a)〜(c)に示すように、正しい伝送経路PATH−Aの場合では、入力信号S24Aの位相が変化する箇所IV1の前後でしきい値TH1を超える期間が続くため2進カウンタ306のカウント値が2になり、図29A(d)に示すように検知信号S21が出力される。
誤った伝送経路PATH−Bの場合、図29B(a)に示す入力信号S24A′のようにその位相が変化する箇所IV1′の前後でしきい値TH2を下回る期間が続くため、図29B(b),(c)のように比較器(1)301の出力は信号S202′のようになり、比較器(2)302の出力は信号S203′のようになる。このため、2進カウンタ306のカウント値は2にならず、検知信号S21は出力されない。このような動作により伝送経路の違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路からの受信パケットを選択できる。
携帯端末1で端末状態信号S14により閉じていることを検知した場合では、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のどちらが人に近いか不明であるため、携帯トランシーバモジュール10で極性を非反転させた送信パケットと極性を反転させた送信パケットの両方を送信する。これに対して、設置トランシーバでは正しい極性の受信パケットのみを受信する。以上の所定の周波数の信号の位相を変化させた場合の説明では、プリアンブルで位相を変化させていたが、通信制御と送信データDT−T1における変調方式がBPSK(Binary Phase Shift Keying)でビットレートが低い場合には通信制御と送信データDT−T1の先頭のビットで極性を検知してもよい。この場合には、通信制御と送信データDT−T1の先頭のビットとプリアンブルで位相を180度変化させる。
また、プリアンブルで所定の周波数の信号の位相を変化させた場合の上記の説明ではプリアンブルDT−PT1に位相を180度変化させる個所IV1を1箇所設けていたが、1周期分の波形だけ180度変化させてもよい。この場合の正しい伝送経路での各部の波形を図31に示す。図31は携帯端末1(携帯トランシーバモジュール10)で送信し設置トランシーバ20Aで受信するときの各部の信号を示しており、携帯端末1で端末状態信号S14により開いていることを検知した場合に設置トランシーバ20Aは図30に示す受信動作を行う。尚、同図31(a)の携帯極性可変送信部出力S16と同図(c)の設置極性検知受信部入力S20Aでは包絡線のみを記載している。
携帯トランシーバモジュール10では、図31(a),(b)の携帯極性可変送信部出力S16に示すように、プリアンブルDT−PT1に所定の周波数の信号の1周期分の波形の位相を180度変化させる個所IV10を設ける。
位相が変化するIV10より以前のプリアンブル期間での、設置トランシーバ20A側の自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの動作と、信号モニタ・極性検知部213Aの受信開始信号S28を出力する動作、設置データ処理・制御部22の利得固定信号S25と起動信号S22を出力する動作は位相を180度変化させる個所IV10を1箇所設けた場合と同じである。
図31(f)に示すように、信号S24Aで1周期分だけ位相を180度変化させた個所IV10では過渡現象により振幅が小さくなり、前後の周期の波形は中心電圧に対して非対称である。図31(f),(g)に示すように、信号モニタ・極性検知部213Aはこの過渡現象における波形の非対称性を検知して極性の検知を行い、検知信号S21を出力する。
図32に示すように、誤った伝送経路PATH−Bでは過渡現象における波形S24A′が中心電圧に対して反転した波形となる。このため、伝送経路PATH−A,PATH−Bの違いによる極性の違いを検知して検知信号S21を出力することで、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットを選択できる。
図33A、図33Bに位相を変化させた場合の極性検知の方法の例を示す。このときの信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例は図30に示す構成例213A3と同じである。
図33A(a)〜(d)に示すように、入力信号S24Aの位相が変化する周期IV10の前ではしきい値TH1を超える期間としきい値TH2を下回る期間が交互にあり、入力信号S24Aの位相が変化する周期IV10の前後でしきい値TH1を超える期間が続く。誤った伝送経路PATH−Bの場合では、図33B(a)に示す入力信号S24A′のように位相が変化する周期の前後でしきい値TH2を下回る期間が続く。このような伝送経路の違いによる波形の差異は図29Aと図29Bで示した波形の差異と同じであり、同じ極性検知方法で伝送経路の違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路からの受信パケットを選択可能である。
図31に示したプリアンブルDT−PT1に所定の周波数の信号の1周期分の波形の位相を180度変化させる個所を設ける方法では、1周期分の波形の位相を変化させる個所IV10が1箇所だけであったが、所定の時間間隔で複数個所設けてもよい。この場合の設置トランシーバでは、1回でも正しい極性を検知すれば正しい伝送経路からの受信パケットと判定してもよく、所定の回数以上正しい極性を検知すれば正しい伝送経路からの受信パケットと判定してもよい。所定の回数以上極性を検知する場合には受信開始信号をイネーブルとして検知信号の立上りの回数をカウントするカウンタを設置データ処理・制御部に設ける。はじめに受信開始信号がHレベルになると信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分に起動信号を入力し、検知信号がHレベルになる度に停止信号・起動信号の順に入力して再び極性検知動作を開始させる。受信開始信号がLレベルになるとカウンタの内部状態をクリアする。この動作により複数回の極性検知動作が可能になる。
設置トランシーバ20Aが以上のプリアンブルDT−PT1での位相の変化点IV10での過渡現象で極性を検知する方法を利用する場合においても、携帯トランシーバモジュールには図1の構成の携帯トランシーバモジュール10だけでなく、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を設けたものを用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。さらに、図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。携帯トランシーバモジュールが変形例2(10−2)や変形例3(10−3)の構成になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
[プリアンブルで中心電圧に対して非対称な周期信号を用いた場合の動作]
携帯トランシーバモジュール10が送信パケットPK−T1のプリアンブルDT−PT1で中心電圧に対して非対称な周期信号を用いた場合の設置トランシーバ20Aでの受信動作を、図34の正しい伝送経路PATH−Aでの各部の波形の例を用いて説明する。図34は携帯端末1(携帯トランシーバモジュール10)で送信し設置トランシーバ20Aで受信するときの説明図であり、携帯端末1で端末状態信号S14により開いていることを検知した場合に図34に示す送受信動作を行う。図34(a)の携帯極性可変送信部出力S16と同図(c)の設置極性検知受信部入力S20Aでは包絡線のみを記載している。同図(b)の拡大図に示すように、送信パケットPK−T1のプリアンブルDT−PT1で中心電圧に対して非対称な周期信号S16を用い、送信データDT−T1で変調する際には所定の周波数の信号を用いる。
携帯トランシーバモジュール10ではプリアンブルDT−PT1に中心電圧に対して非対称な周期信号S16を用いる。図34(a),(b)の例では、中心電圧より大きい期間が長い信号S16を用いている。設置トランシーバ20Aの設置極性検知受信部21Aでは、自動利得制御増幅・フィルタ部211Aにおいて受信した信号S20Aが自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの出力で所定の振幅になるまで利得を変える。また、信号モニタ・極性検知部213Aにおいて所定の振幅の信号が自動利得制御増幅・フィルタ部211Aから一定期間TDy1以上出力されたことを検出して受信開始信号S28を出力する。設置データ処理・制御部22では自動利得制御増幅・フィルタ部211Aの利得の変化がなくなったことを確認して、利得固定信号S25を出力すると共に信号モニタ・極性検知部213Aの極性を検知する動作を開始させるために起動信号S22を出力する。
正しい伝送経路PATH−Aで受信したプリアンブルDT−PT1の波形は図34(f)の極性検知部入力信号S24Aの拡大波形に示すように、谷から山へは急に変化し山から谷へは緩やかに変化する波形となる。誤った伝送経路PATH−Bで受信したプリアンブルDT−PT1の波形は、図35の波形S24A′に示すように谷から山へは緩やかに変化し山から谷へは急に変化する波形となる。したがって、波形の非対称性に起因した波形の山から谷と谷から山への変化の速さの違いを検出することにより、伝送経路PATH−A,PATH−Bの違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットPK−R2を選択できる。
[中心電圧に対して非対称な周期信号を用いた場合の極性検知の方法]
図36A、図36Bに携帯トランシーバモジュール10が送信パケットPK−T1のプリアンブルDT−PT1で中心電圧に対して非対称な周期信号を用いた場合の設置トランシーバ20Aでの極性検知の方法の例を示し、この極性検知方法を実現する例として設置トランシーバ20Aにおける信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A4を図37に示す。設置データ処理・制御部22からの起動信号S22の入力前では立上りエッジ検出回路310の内部状態はクリアされ、出力S21はLレベルで固定されている。図37の構成におけるしきい値TH1はシュミット回路307の低電位から高電位へ変化する際のしきい値であり、しきい値TH2は高電位から低電位へ変化する際のしきい値である。
正しい伝送経路PATH−Aの場合では、図36A(a)に示すように入力信号S24Aの山から谷への変化が緩やかであるため、信号モニタ・極性判定回路213Aの入力信号S24Aがしきい値TH1を超えてからしきい値TH2を下回るまでの時間が長く、しきい値TH2を下回ってからしきい値TH1を超えるまでの時間が短い。このため、シュミット回路307の出力S211はHレベルの期間が長い周期波形となる。この波形を低域通過フィルタ308に通し平均をとると、図36A(c)の信号S212に示すように中心電圧Vcnより高い電圧が得られる。
図36B(a)〜(c)に示すように、誤った伝送経路PATH−Bでは入力信号S24A′が信号S24Aの逆位相となり、シュミット回路307の出力S211′は逆にHレベルの期間が短い周期波形となるため、低域通過フィルタ308の出力S212′は中心電圧Vcnよりも低い電圧となる。
そこで、低域通過フィルタ308の出力S212を中心電圧Vcnと比較する比較器309に入力し、その出力S213を立上りエッジ検出回路310に入力すれば、立上りエッジ検出回路310は正しい伝送経路PATH−Aでは検知信号S21を出力し、誤った伝送経路PATH−Bでは出力しない動作が得られる。立上りエッジ回路310により検知信号S21が出力された場合では検知信号S21の出力を保持するため、プリアンブルDT−PT1が終了して中心電圧Vcnに対して対称な信号DT−T1が入力されても検知信号S21は出力される。停止信号S22が入力されると立上りエッジ回路310がクリアされ、検知信号S21の出力が停止する。このような動作により伝送経路PATH−A,PATH−Bの違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットPK−R2を選択できる。
図38には中心電圧Vcnに対して非対称な周期信号を用いた場合の信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の別の構成例213A5を示す。図37の構成例213A4に対して、シュミット回路307の代わりに比較器(1)301、比較器(2)302、立上りエッジ検出回路(1)310Aを用いている。
比較器(1)301ではしきい値TH1と信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aが比較され、比較器(2)302ではしきい値TH2と信号モニタ・極性検知部213Aの入力信号S24Aが比較される。比較器(1)301の出力S202は立上りエッジ検出回路(1)310Aの入力として用いられ、比較器(2)302の出力S203は立上りエッジ検出回路(1)310Aのイネーブル信号として用いられる。立上りエッジ検出回路(1)310Aではイネーブル信号S203がHレベルのときに入力信号S24Aの立上りで信号S211としてHレベルを出力し、イネーブル信号S203がLレベルになると内部状態をクリアしてLレベルを出力する。起動信号S22の入力前は立上りエッジ検出回路(1)310Aと立上りエッジ検出回路(2)310Bは内部状態をクリアされ固定されている。低域通過フィルタ311、比較器(3)312、立上りエッジ検出回路(2)310Bについては、図37の構成例213A4における低域通過フィルタ308、比較器309、立上りエッジ検出回路310と同じである。
正しい伝送経路PATH−Aの場合では、山から谷への変化が緩やかであるため、信号モニタ・極性判定回路213Aの入力信号S24Aがしきい値TH1を超えてからしきい値TH2を下回るまでの時間が長く、しきい値TH2を下回ってからしきい値TH1を超えるまでの時間が短い。したがって、立上りエッジ検出回路(1)310Aに比較器(1)301の出力S202の立上りエッジが入力されてから比較器(2)302の出力S203であるイネーブル信号の立下りが入力されるまでの時間が長い。このため立上りエッジ検出回路(1)310Aの出力S211の波形はHレベルの期間が長い周期波形となる。
誤った伝送経路PATH−Bでは、入力信号S24Aが正しい伝送経路PATH−Aの場合とは逆にLレベルの期間が長い周期波形となるため、低域通過フィルタ311の出力S212を中心電圧Vcnと比較する比較器(3)312に入力すれば、正しい伝送経路PATH−Aでは検知信号S21を出力し、誤った伝送経路PATH−Bでは出力しない動作が得られる。立上りエッジ回路(2)310Bの動作は、図37での立上りエッジ検出回路310の動作と同じである。このような動作においても伝送経路PATH−A,PATH−Bの違いによる極性の違いを検知して、正しい伝送経路PATH−Aからの受信パケットPK−R2を選択できる。
この構成例213A5に対しても、携帯端末1で端末状態信号S14により閉じていることを検知した場合では、携帯信号電極16と携帯グランド電極17のどちらが人に近いか不明であるため、携帯トランシーバモジュール10で極性を非反転させた送信パケットと極性を反転させた送信パケットの両方を送信する。それに対して、設置トランシーバ20Aでは正しい極性の受信パケットPK−R2のみを受信する。
この極性検知方法においても、携帯トランシーバモジュール10には図1の構成だけでなく、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように、携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。この場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成もとれる。さらに、図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように、一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。携帯トランシーバモジュール10が変形例2(10−2)や変形例3(10−3)の構成になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
図39に第2の実施形態に用いる設置トランシーバの変形例20A−1を示す。図20に示した設置トランシーバ20Aと共通する要素には共通する符号を用いて示している。フィルタ部(1)2131では所定の周波数信号を通信すべきデータで変調した信号が通過できるようにその通過帯域を設定してある。またフィルタ部(2)2132ではプリアンブルDT−PT1において変調された信号のもつ周波数成分が強く通過できるようにその通過帯域を設定してある。自動利得制御増幅・フィルタ部211Aではフィルタ部(1)2131とフィルタ部(2)2132の通過帯域をカバーするようにその通過帯域を設定してある。
自動利得制御増幅・フィルタ部211Aは設置データ処理・制御部22から利得固定信号S25を受けて利得を固定し、その増幅、濾波信号S24Aをフィルタ部(1)2131、フィルタ部(2)2132に出力する。フィルタ部(1)は入力信号S24Aから所定の周波数信号を通信すべきデータで変調した信号を通過させ、データ再生部212、信号モニタ部2133に出力する。データ再生部212は受信データ再生して設置受信再生パケットPK−R2として設置データ処理・制御部22に出力する。信号モニタ部2133では、フィルタ部(1)2131の出力信号を受信して受信開始信号S28を設置データ処理・制御部22に出力する。他方、フィルタ部(2)2132は、入力信号S24Aに対してそのプリアンブルDT−PT1において変調された信号のもつ周波数成分を通過でさせて極性検知部2134に出力する。極性検知の方法は、図21、図27、図34で示した方法のいずれかをとることができる。極性検知部2134は上記第2の実施形態の設置トランシーバ20Aにおける信号モニタ・極性検知部213A内の極性検知部分の構成例213A1〜213A5のいずれかの構成を備え、同様にして検知信号S21を出力する。
以上の第2の実施形態とその変形例における信号モニタ・極性検知部213Aの構成例213A1〜213A5では比較器により2値化して信号処理を行っていたが、ADコンバータにより多値のデジタル信号に変換して信号処理を行ってもよい。この場合には図40に示す構成例213A6のように、ADコンバータ2135で出力されるデジタル信号S300を波形解析部2136で解析する。起動信号S22が入力されるとAD変換動作及び波形解析動作を開始して、過渡現象や非対称な信号を入力した際における中心電圧Vcnに対する波形の非対称性から極性を検知し、正しい極性の場合には検知信号S21を出力する。その後、停止信号S22が入力されると動作を停止する。内部状態の初期化は起動信号S22が入力された直後又は停止信号S22の入力後に行う。
第2の実施形態における設置トランシーバ20Aとその変形例20A−1においても、設置グランド電極26を使用してもよい。この場合には設置グランド電極26と回路グランドG20が接続される。また、設置正信号電極250と設置負信号電極260を使用してもよい。この場合には設置送信部23の出力を差動出力として、差動出力の非反転出力を設置正信号電極250に接続し、反転出力を設置負信号電極260に接続する。さらに、設置極性検知受信部21A,21A−1の増幅・フィルタ部211Aの入力を差動入力とし、非反転入力に設置正信号電極250に接続し、反転入力に設置負信号電極260に接続する構成とする。
尚、以上の各実施形態では送信パケットPK−T1に付加したプリアンブルDT−PT1のみを使用していたが、送信パケットPK−T1の後尾にポストアンブルDT−ST1を付加して送信し、そのポストアンブルDT−ST1を解析する構成にすることも可能である。
第2の実施形態の電界通信システムで使用される携帯トランシーバモジュールでは、送信時の人体への電界印加効率を向上させるために特許文献2(米国特許公開公報US−A1−20070184788)や特許文献3(特開2008−236218)にて公開されている可変リアクタンス部を用いてもよい。この場合、可変リアクタンス部は携帯極性可変送信部と携帯信号電極の間に接続される。例として図14を用いて説明すると、携帯極性可変送信部14と送受切替SW13の間、若しくは送受切替SW13と携帯信号電極16の間に接続される。送受切替SW13と携帯信号電極16の間に可変リアクタンス部を接続した場合では、受信時に可変リアクタンス部のリアクタンス値を小さくする制御信号を入力して、可変リアクタンス部での受信信号の減衰を抑制する。
可変リアクタンス部を使用した場合では人体に印加される電界が最大となる最適なリアクタンス値は携帯端末外部の負荷容量に依存して変化する。この特性を、図15で示した負荷容量で利用者の携帯端末1の保持状態を判断することに利用できる。この場合の構成例10−4を図41に示す。図41に示す携帯トランシーバモジュール10−4では、可変リアクタンス部と携帯トランシーバモジュールの送信時に可変リアクタンス部のリアクタンス値を最適な値に制御するリアクタンス制御部を組み合わせた可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110が設けられている。電極に関しては図15に示した携帯信号電極16と携帯グランド電極17を使用する。図41の携帯トランシーバモジュール10−4において、その他の要素については、図14に示した携帯トランシーバモジュール10−2と共通する要素については共通する符号を付して示してある。
携帯トランシーバモジュール10−4の送信時ではプリアンブルDT−PT1の期間で可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110のリアクタンス値を人体に印加される電界が最大となる最適な値に当該可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110で制御するとともに、最適な時のリアクタンス値を表す信号を極性判定部18に出力する。極性判定部18では、携帯信号電極16が人に近いときの最適なリアクタンス値と携帯グランド電極17が人に近いときの最適なリアクタンス値に基づいて、予めリアクタンス値のしきい値を設定しておく。可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110からの最適な時のリアクタンス値が、リアクタンス値のしきい値よりも携帯信号電極16が人に近いときの最適なリアクタンス値側か携帯グランド電極17が人に近いときの最適なリアクタンス値側かを判定することにより、利用者の携帯端末1の保持状態を検知できる。この判定結果に基づいて極性判定部18から端末状態信号S14を出力し、極性可変送信部14では正しい極性で送信パケットPK−T1を送信する。以上の方法により利用者の携帯端末1の保持状態を検知して利用者に正しい極性の電界を誘起して携帯トランシーバモジュール10−4で正しい伝送経路を指定できる。
[第3の実施形態]
第1と第2の実施形態の電界通信システムでは、携帯トランシーバモジュールで正しい極性の電界を誘起し、設置トランシーバにおいて受信した信号電界の極性を検知して伝送経路の正誤を判定していたが、携帯トランシーバモジュールで極性を検知して伝送経路の正誤を判定することも可能である。図42に第3の実施形態の電界通信システムに使用する携帯トランシーバモジュール10−5のブロック図を示す。設置トランシーバには第1の実施形態にて使用する図2の構成例20、図18の構成例20−1、図19の構成例20−2のもの、又は第2の実施形態にて使用する図20の構成例の設置トランシーバ20A、図39の構成例の設置トランシーバ20A−1のいずれかを用いることができる。また、図20又は図39で示した設置トランシーバ20A,20A−1の電極構成は、図18に示した設置信号電極25、設置グランド電極26、又は図19に示した設置正信号電極250、設置負信号電極260のどちらの電極構成でもよい。
正しい伝送経路PATH−Aと誤った伝送経路PATH−Bでの携帯トランシーバモジュールで受信される電界の極性の差異を説明するために図43と図44に正しい伝送経路の時の回路モデルと誤った伝送経路の時の回路モデルをそれぞれ示す。図で極性の説明に関係ない浮遊容量等は割愛した。
図43に示すように、正しい伝送経路PATH−Aの時では、利用者Aと設置電極25との間の浮遊容量C1、携帯端末の入力インピーダンスZ1、携帯グランド電極17と大地グランド電極GEとの間の浮遊容量C2、設置トランシーバの送信状態を模した信号源SS1で閉ループが形成されている。大地グランドGEと設置電極25との間の電圧Vsが正の時では、携帯端末に入力される電圧Vrcvも正となり、設置トランシーバで送信した電界と携帯端末(携帯トランシーバモジュール)で受信した電界は同じ極性となる。
図44に示すように、誤った伝送経路PATH−Bでは、携帯回路グランドG10(携帯グランド電極17B)と利用者Aとの間の浮遊容量C3、利用者Aと設置電極25との間の浮遊容量C1、携帯端末の入力インピーダンスZ1、利用者Bと大地グランドGEとの間の浮遊容量C4、設置トランシーバの送信状態を模した信号源SS2で閉ループが形成されている。大地グランドGEと設置電極25との間の電圧Vsが正の時では、携帯端末に入力される電圧Vrcvは負となり、設置トランシーバで送信した電界と携帯端末(携帯トランシーバモジュール)で受信した電界は逆の極性となる。
以上の説明の通り、携帯トランシーバモジュール10−5で受信した電界の極性は伝送経路に依存するため、極性を検知すれば正しい伝送経路の受信パケットのみを受信することは可能である。設置トランシーバで極性検知をする場合と異なり、携帯トランシーバモジュール10−5の場合では、利用者の携帯端末1の保持状態で正しい極性が変わるため、携帯データ処理装置11からの極性指定信号S15により正しい極性を指定する。
その他の動作は、図1に示した第1の実施形態で説明した携帯トランシーバモジュール10の動作と同じであるため割愛する。
なお、設置トランシーバ20から設置トランシーバ20の電極25に接触している利用者Aに電界を誘起する時では、利用者Aに誘起される電界の極性は一定であるため、設置トランシーバ20に携帯トランシーバモジュール10における携帯極性可変送信部14に相当する極性可変送信部は必要ない。
極性検知の方法は、図7及び図9で示したプリアンブル先頭で極性を検知する方法、図10で示したプリアンブルDT−PT1のデューティ比を50%:50%からずらした矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較して検知する方法、図21に示したようにプリアンブルDT−PT1の振幅を変調し図22で示した立下り又は図25で示した立上りの過渡現象で極性を検知する方法、図27で示したプリアンブルDT−PT1を位相変調した時の過渡現象で極性を検知する方法及びBPSK変調された搬送波の先頭のビットで検知する方法、図34で示したプリアンブルDT−PT1に使用した中心電圧vcnに対する周期信号の非対称性に起因した波形の差異から極性を検知する方法のいずれかをとることができる。携帯極性検知受信部15Aの構成は、図2、図20、図39で示した設置極性検知部212,213A,2134の構成のいずれかをとることができる。また、極性検知部の構成は、例として、図8に示した上記第1の実施形態における極性検知部212の構成例、及び上記第2の実施形態における設置トランシーバ20Aにおける信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A1〜213A6があげられる。
図42では、携帯トランシーバモジュール10−5の送信部や端末状態信号S14は図1に示した第1の実施形態における携帯トランシーバモジュール10と構成が同じであるが、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を設けたものを用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。さらに、図41に示した可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110からの最適な時のリアクタンス値に基づいて極性判定部18で端末状態信号S14を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。携帯トランシーバモジュールの送信部が変形例2(10−2)、変形例3(10−3)や図41に示した構成(10−4)になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
[第4の実施形態]
図45に第4の実施形態の電界通信システムに使用する携帯トランシーバモジュール10−6のブロック図を示す。本実施形態では携帯トランシーバモジュール10−6で極性を検知して伝送経路の正誤を判定する。携帯トランシーバモジュール10−6で極性を指定して送信しないため、設置トランシーバ20で極性を検知する必要はない。
携帯トランシーバモジュール10−6で極性を検知する仕組みは、図42に示した第3の実施形態における携帯トランシーバモジュール10−5の場合と同じである。極性検知の方法は、図7及び9で示したプリアンブル先頭で極性を検知する方法、図10で示したデューティ比を50%:50%からずらした矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較して検知する方法、図21に示したようにプリアンブルの振幅を変調し図22で示した立下り又は図25で示した立上りの過渡現象で極性を検知する方法、図27で示したプリアンブルを位相変調した時の過渡現象で極性を検知する方法及びBPSK変調された搬送波の先頭のビットで検知する方法、図34で示したプリアンブルDT−RT1に使用した中心電圧Vcnに対する周期信号の非対称性に起因した波形の差異から極性を検知する方法のいずれかをとることができる。なお、設置トランシーバ20から設置トランシーバ20の電極25に接触している利用者Aに電界を誘起する時では、利用者Aに誘起される電界の極性は一定であるため、設置トランシーバ20に極性可変送信部は必要ない。
携帯極性検知受信部15Aの構成は、図2、図20、図39で示した設置極性検知部212,213A,2134の構成のいずれかをとることができる。また、極性検知部の構成例としては、図8に示した上記第1の実施形態における極性検知部の構成例212、及び上記第2の実施形態における設置トランシーバ20Aにおける信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A1〜213A6があげられる。
図45では、携帯トランシーバモジュール10−6の携帯送信部14Aや端末状態信号S14は図1の構成と同じであるが、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を設けたものを用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号S14を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。さらに、図41に示した可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110からの最適な時のリアクタンス値に基づいて極性判定部18で端末状態信号S14を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。携帯トランシーバモジュールの送信部が変形例2(10−2)、変形例3(10−3)や図41に示した構成(10−4)になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
[第5の実施形態]
以上ではトランシーバで電界通信システムを構成していたが、トランシーバの送信する機能のみの送信モジュールを備えた通信装置(送信器)と、受信する機能のみの受信モジュールを備えた通信装置(受信器)とで電界通信システムを構成することも可能である。例えば、図1の携帯トランシーバモジュールにおいて携帯極性可変送信部と携帯データ処理部の送信に関する機能を備えたものが送信モジュールとなる。また受信モジュールに関しては、例えば図2の設置トランシーバにおいて設置極性検知受信部と設置データ処理・制御部の受信に関する機能を備えたものが受信モジュールとなる。
図46に第5の実施形態の電界通信システムに使用する携帯送信モジュール10−7のブロック図を、図47に設置受信器20−3のブロック図を示す。本実施形態では携帯端末1で送信し、設置受信器20−3で受信する場合の電界通信システムを示している。
図46の携帯送信モジュール10−7の動作は、図1の携帯トランシーバモジュール10の送信時の動作と同じであり、図47の設置受信器20−3の動作は図2の設置トランシーバモジュール20の受信時の動作と同じである。極性検知の方法は、図7及び図9で示したプリアンブル先頭で極性を検知する方法、図10で示したデューティ比を50%:50%からずらした矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較して検知する方法、図21に示したようにプリアンブルDT−PT1の振幅を変調し図22で示した立下り又は図25で示した立上りの過渡現象で極性を検知する方法、図27で示したプリアンブルDT−PT1を位相変調した時の過渡現象で極性を検知する方法及びBPSK変調された搬送波の先頭のビットで検知する方法、図34で示したプリアンブルDT−PT1に使用した中心電圧Vcnに対する周期信号の非対称性に起因した波形の差異から極性を検知する方法のいずれかをとることができる。
図46では、携帯送信モジュール10−7の送信部14や端末状態信号S14は図1の構成と同じであるが、図12に示した第1の実施形態の変形例1の携帯トランシーバモジュール10−1のように携帯信号電極16と携帯グランド電極17の代わりに、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を設けたものを用いてもよい。また、図14に示した第1の実施形態の変形例2の携帯トランシーバモジュール10−2のように、携帯端末外部の負荷容量の大きさを測定して極性判定部18で端末状態信号を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。図17に示した第1の実施形態の変形例3の携帯トランシーバモジュール10−3のように一方の電極16にセンサ19を取り付けて、センサ19からの信号を基に、端末状態信号S14を出力する構成にしてもよい。さらに、図41に示した可変リアクタンス部・リアクタンス制御部110からの最適な時のリアクタンス値に基づいて極性判定部18で端末状態信号を出力する構成のものを用いてもよい。さらにこの場合にも、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170を使用する構成や、携帯トランシーバモジュール10−2の携帯回路グランドG10の面積を大きくして、携帯正信号電極160と携帯負信号電極170の面積を小さくする構成も採用することができる。携帯送信モジュール10−7の携帯極性可変送信部14が変形例2(10−2)、変形例3(10−3)や図41に示した構成になる場合には、人に近い電極を検知できるため送信するパケットは正しい極性のパケットのみでよい。
図47に示した設置受信器20−3における設置極性検知受信部の構成は、図2、図20、図39で示した設置極性検知受信部21,21A,21A−1の構成のいずれかをとることができる。また、極性検知部212の構成例としては、図8に示した上記第1の実施形態における極性検知部212の構成、及び図20に示した上記第2の実施形態における設置トランシーバ20Aにおける信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A1〜213A6があげられる。
[第6の実施形態]
図48に第6の実施形態の電界通信システムに使用する携帯受信モジュール10−8のブロック図を示す。本実施形態では上記図47に示した設置送信器20−3で送信し、携帯端末の携帯受信モジュール10−8で受信する場合の電界通信システムを示している。
携帯受信モジュール10−8で極性を検知する仕組みは第3の実施形態と同じである。極性検知の方法は、図7及び図9で示したプリアンブル先頭で極性を検知する方法、図10で示したデューティ比を50%:50%からずらした矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較して検知する方法、図21に示したようにプリアンブルDT−PT1の振幅を変調し図22で示した立下り又は図25で示した立上りの過渡現象で極性を検知する方法、図27で示したプリアンブルDT−PT1を位相変調した時の過渡現象で極性を検知する方法及びBPSK変調された搬送波の先頭のビットで検知する方法、図34で示したプリアンブルDT−PT1に使用した中心電圧Vcnに対する周期信号の非対称性に起因した波形の差異から極性を検知する方法のいずれかをとることができる。なお、設置トランシーバから設置トランシーバの電極に接触している利用者に電界を誘起する時では、利用者に誘起される電界の極性は一定であるため、設置トランシーバに極性可変送信部は必要ない。
図48の携帯極性検知受信部15Aの構成は、図2、図20、図39で示した設置極性検知受信部21,21A,21A−1の構成のいずれかをとることができる。また、極性検知部の構成例としては、例として、図8に示した上記第1の実施形態における極性検知部の構成例212、及び上記第2の実施形態における設置トランシーバ20Aにおける信号モニタ・極性検知部213Aの極性検知部分の構成例213A1〜213A6があげられる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができる。また、電界通信の電界検出方式は光学式、電気式のいずれでもよく、特定されるものではない。
1 携帯端末
10 携帯トランシーバモジュール
11 携帯データ処理部
12 携帯端末処理装置
13 送受切替スイッチ
14 携帯極性可変送信部
15 携帯受信部
16 携帯信号電極
17 携帯グランド電極
160 携帯正信号電極
170 携帯負信号電極
G10 携帯回路グランド
20 設置トランシーバ
21 設置極性検知受信部
211 増幅・フィルタ部
212 極性検知部
213 データ再生部
22 設置データ処理・制御部
23 設置送信部
24 送受切替スイッチ
25 設置電極
26 設置グランド電極
250 設置正信号電極
260 設置負信号電極
30 情報処理装置

Claims (2)

  1. 送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて情報の送信を行う通信端末で使用される送信モジュールであって、
    前記送信すべき情報に基づく送信パケット信号を、それにプリアンブルを含ませた信号として生成して出力するデータ処理手段を備え、
    前記プリアンブルは、所定の矩形波の周期信号であってHレベルの期間とLレベルの期間とのデューティ比を50%:50%からずらした信号であり、
    受信した受信パケットのプリアンブルの矩形波のHレベルとLレベルの期間を比較することにより極性を検知し、正しい伝送経路からの送信パケット信号だけを受信する受信モジュールを備えた通信端末に対して送信するものであることを特徴とする送信モジュール。
  2. 送信すべき情報に基づく電界を電界伝達媒体に誘起し、この誘起した電界を用いて情報の送信を行う一方で、電界伝達媒体に誘起された受信すべき情報に基づく電界を受信することによって情報の受信を行うトランシーバであって、
    請求項1に記載の送信モジュールを備えたことを特徴とするトランシーバ。
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