JP5319385B2 - アーク溶接ロボットのケーブル配設構造 - Google Patents

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Description

本発明は、アーク溶接ロボットのケーブル配設構造に関する。
電気エネルギーで溶接ワイヤ(消耗電極)を溶融して連続的に溶接するアーク溶接ロボットでは、ワイヤリール等から繰り出させた溶接ワイヤを溶接用トーチへ送給し、溶接ワイヤに送りを与えるワイヤ送給装置を備える。
前記アーク溶接ロボットは多関節を備えることが一般的である。例えば、アーク溶接ロボットは第一軸から第六軸までの6つの関節を備え、それぞれの関節を回転または捻り動作させてアームにそれぞれの回転、旋回、揺動または傾動を行わせ、手首等のエンドエフェクタに装着された溶接用トーチの位置や姿勢を変える。前記ワイヤ送給装置は、立ち姿勢にあるロアアームの上端で第三軸により傾動すると共に、軸線回りに回転するアッパアーム(以下、回転アームともいう)を支持する傾動台に装着される。
ワイヤリールからワイヤ送給装置までは、コンジットパイプで接続され、ワイヤ送給装置から溶接用トーチまでは、トーチケーブルが接続されている。コンジットパイプは、ケーブルは溶接ワイヤの移行をガイドする。前記トーチケーブルは、溶接ワイヤを送給するコンジットパイプ、その外周に沿って送気されるシールドガスのための通路を形成するホース、その外周を被覆して溶接電力を供給する導電線及び最外周の絶縁被覆からなる多重構造の一線式パワーケーブルにて構成されている。
上記のようにトーチケーブルは、多重構造を有することから曲げ剛性が高くて曲折させにくい。このため、溶接用トーチが動くときのひきつれを少なくしておくために、長さに余裕を持たせた状態でワイヤ送給装置及び溶接用トーチに装着される。
前記トーチケーブルを内配したアーク溶接ロボットでは、トーチケーブルが溶接ロボットの駆動軸や関節部の特に中心を通過させるように、回転アームに沿って長手軸線上もしくはその近傍を通過させるようにしている。この構成は、ワイヤ送給装置から溶接用トーチまでもアーム外空間に位置させる外配にした場合と比較して、各軸すなわち各関節が動作しても、トーチケーブルの変形を最少限に抑えることができるとの見識に基づいている。これは、関節中心配置や軸線上配置はアームの回転や傾動の影響を最も受けにくく、関節中心や軸線にトーチケーブルを配置すればいずれの方向へもケーブルは同程度の変形を呈するに止まると考えられるためである。
しかし、トーチケーブルを駆動軸や関節部の特に中心を通過させる内配した場合でも、曲げ動作が多用されるロボットまたは曲げた状態を維持することの多いロボット、さらには回転角やひねり量の大きいロボットにおいては必ずしも理想的と言えない。例えばアーク溶接ロボットの場合、溶融池の形成の良し悪しが溶接品質を左右するので、溶接用トーチに所望する姿勢を与えたり維持させておかなければならないことが多い。例えば6軸ロボットなら第五軸を0度から120度までにも曲げたり、曲げた角度を保ったりしておくことが要求される。
このような場合に、トーチケーブルが駆動軸や関節部の中心を通過し、回転アームに沿って長手軸線上もしくはその近傍を通過するようにしておくと、第四軸の中心を通った後のトーチケーブルは回転アームの長手軸線から徐々に上方へ離れ、第五軸回りでの下向き曲げを達成すべく疑問符(?)状に変形する。トーチケーブルがこのような形を保持すると、回転アームの長手軸線から反り上がる箇所と下向き急湾曲箇所でコンジットパイプにストレスが蓄積して、トーチケーブルの損耗を早めることになる。
コンジットパイプの内径は溶接ワイヤの直径より大きいため、湾曲した部位での曲率半径は、コンジットパイプの曲がりと溶接ワイヤのそれとは一致しない。曲率半径の違いは、曲がりの少なくとも前後二箇所において溶接ワイヤの擦れをきたす。湾曲度が変化すれば、コンジットパイプと溶接ワイヤの擦れをきたしている位置も変わる。コンジットパイプと溶接ワイヤとの間に働く摩擦力は、コンジットパイプの変形ごとに変動し、送給速度は不安定となる。
又、第五軸の曲げ量(傾動角)を変化させると、その動きが上流側のトーチケーブルに影響する。すなわち、第四軸と第五軸との間でケーブルの曲がりが変わり、コンジットパイプの長さと溶接ワイヤのそれとに差が生じる。コンジットパイプの長さ変化に相当する溶接ワイヤが溶接用トーチから突出したり引っ込んだりして、ワイヤ供給量が所望外に変化する。これによってアークが乱れ、溶接品質の大幅な向上は望み得なくなる。
特許文献1では、上記のように内配したトーチケーブルをもってしても達成され得ない問題、すなわち、関節における曲げ状態の持続や曲げ動作の繰り返しにより上流側のトーチケーブルに及ぶ影響を可及的に排除して溶接ワイヤの送りの安定と耐久性の向上を図っている。そして、高い溶接品質を達成できるようにし、ロボットの動作仕様を低下させることなく広い運動領域と高い運動性を持たせることができるようにしている。
具体的に説明すると、特許文献1のアーク溶接ロボットでは、図11に示すように、傾動台101に回動自在に支持された回転アーム102の基端部内に回動軸となる回転軸体103が回転軸線Oの周りで回動自在に設けられ、先端部に図示しない揺動軸が配置されている。
前記回転軸体103内に、遊転自在に軸承されて長手方向へ延びるガイド筒104が設けられている。前記ガイド筒104の内部には、トーチケーブルTを支持するための支持部材105が一体的に備えられている。支持部材105には、回転アーム102に沿わせるトーチケーブルTを通過させる挿通孔106が形成されている。挿通孔106の開口全面は回転軸体103内において回転アーム102の回転軸線Oからオフセットした位置に設けられている。この結果、回転アーム102の先端部で前記揺動軸が動作してトーチケーブルTが曲げられても、回転軸線Oからオフセットした位置にあるトーチケーブルTに及ぶその曲げの影響を可及的に少なくすることができる。例えば、回転アーム102の先端部に設けられた揺動軸の動きによって溶接用トーチを俯仰させるときには、回転アーム102の基端部ではトーチケーブルTを回転アーム102の回転軸線Oから上方へオフセットさせておくことができる。
特開2005−238428号公報
ところで、上記のように構成された特許文献1の溶接ロボットでは、トーチケーブルTを組付けする場合、或いはケーブルを交換する場合、回転軸体103内に組付けられた前記ガイド筒104に対して、基端側或いは先端側から挿入するようにしている。前記ガイド筒104に対してトーチケーブルTを挿入する場合は、挿通孔106の開口全面が回転軸線Oからオフセットした位置に設けられているため、ガイド筒104の断面積の半分以上を挿通孔として設けた場合と比較して、挿通孔106の開口面積は狭くなる。このため、トーチケーブルTの挿通がし難い問題がある。すなわち、前述のように、トーチケーブルTは、多重構造を有することから曲げ剛性が高くて曲折させにくいため、手作業で挿通孔をねらって入れることが困難であり、手間が掛かる。特に、支持部材105が基端部よりも先端部側に設けられている場合には、基端よりも遠位になるため、そのトーチケーブルTの挿通孔106に対する挿通作業は難しい作業となる。
本発明の目的は、トーチケーブルを組付けする際に、回転軸体内に設けられたガイド筒に対して挿入作業を容易に行うことができるアーク溶接ロボットのケーブル配設構造を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、揺動軸が先端部に、長手方向軸線回りの回転軸をなす回転軸体が基端部に備えられた回転アームの内部や近隣空間で、各関節の動作に付随して前記基端部から先端部に向けて延びるトーチケーブルの屈曲や捩れの増大を抑制するため、該トーチケーブルを回転アームの長手方向に沿わせるようにしたアーク溶接ロボットのケーブル配設構造であって、前記回転軸体内には、遊転自在に軸承されて長手方向へ延びるガイド筒が設けられ、該ガイド筒の先端部には、前記トーチケーブルを支持するための支持部と、前記回転アームに沿わせるトーチケーブルを通過させる挿通孔が形成され、前記挿通孔の開口全面が前記回転軸体内において前記回転アームの回転軸線からオフセットした位置にあるアーク溶接ロボットのケーブル配設構造において、前記支持部には、前記ガイド筒の基端部から前記トーチケーブルが挿入される際、前記挿通孔へ該トーチケーブルをガイド可能な挿入ガイド部が形成されており、また、前記支持部には、前記挿通孔に臨む前記支持部のトーチケーブル支持面と前記挿入ガイド部が曲面により連続して形成され、該トーチケーブル支持面と、前記挿入ガイド部の内、少なくともトーチケーブル支持面が外部に露出するように前記挿通孔が形成されていることを特徴とするアーク溶接ロボットのケーブル配設構造を要旨とするものである。
請求項の発明は、請求項において、前記トーチケーブル支持面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項2において、前記挿通孔が、前記ガイド筒の先端を切り欠いて形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のいずれか1項において、前記ガイド筒が、前記支持部と前記挿入ガイド部を備える第1ガイド筒体と、前記第1ガイド筒体を着脱自在に連結するとともに、前記回転軸体に対して遊転自在に支持された第2ガイド筒体とを含むことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1乃至請求項のうちいずれか1項において、前記回転アームには、前記ガイド筒の挿通孔から該ガイド筒の外部に出るトーチケーブルの配置を許容する空間を挟むように配置されるとともに前記挿通孔を覆うように形成された庇が設けられ、前記ガイド筒が前記回転軸体に対して遊転する回転範囲のうち、一部の回転範囲にガイド筒が位置する際、前記挿通孔が前記庇にて覆われることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、ケーブル組付け時、或いはケーブル交換時にガイド筒の基端からトーチケーブルを挿入すると、ガイド筒に設けられた挿入ガイド部が、トーチケーブルを挿通孔へガイドするため、トーチケーブルの組付け時、或いは、ケーブルの交換時に、回転軸体内に設けられたガイド筒に対して挿入作業を容易に行うことができる。
また、請求項の発明によれば、挿通孔により、トーチケーブル支持面が少なくとも外部に露出するため、ガイド筒の先端の支持部側からトーチケーブルを基端に向かって入れる場合においては、トーチケーブル支持面がトーチケーブルの挿入をガイドすることができる。この構成においても、回転軸体内に設けられたガイド筒に対して挿入作業を容易に行うことができる。しかも、トーチケーブルの作業において、種々の作業条件に応じて、ガイド筒の先端又は基端のどちらからもトーチケーブルを容易にガイド筒に挿入することができる。
又、支持部のトーチケーブル支持面が前記挿入ガイド部と曲面により連続して形成されていることにより、溶接ロボットの関節が作動してトーチケーブルが作動して、ガイド筒に対する支持される位置が変化しても、トーチケーブル支持面だけでなく、挿入ガイド部においても支えることができる。仮に、挿入ガイド部とトーチケーブル支持面とが曲面により連続していない場合には、トーチケーブル支持面のエッジで支えることになり、同エッジにより、トーチケーブルの接触部位に荷重が加わり、トーチケーブルの損傷を早めることになる。請求項2によれば、このようなトーチケーブルの損傷を抑制することができる。
請求項の発明によれば、トーチケーブルを、断面円弧状に形成されてアール部として形成されて鋭い角部がないため、トーチケーブルの支持されている箇所に部分的に過度の荷重が加わることが抑制されて、トーチケーブルを滑らかに支持することとなり、トーチケーブル内に挿通されて走行する溶接ワイヤ(消耗電極)の送りの動作を滑らかに、すなわち、安定させることができる。この結果、溶接品質の向上を図ることができる。
請求項の発明によれば、挿通孔がガイド筒の先端を切り欠いて形成されていることにより、請求項に記載の挿通孔を容易に形成でき、請求項の作用効果を容易に実現できる。
請求項の発明によれば、第1ガイド筒体と、第2ガイド筒体とが分離自在となっているため、第1ガイド筒体が、トーチケーブルとの擦れにより摩耗した場合には、第2ガイド筒体を回転軸体から取外すことなく、摩耗した第1ガイド筒体を取外し、新しい第1ガイド筒体と交換することができる。
請求項の発明によれば、庇により挿通孔が覆うことができるため、アーク溶接中に発生したスパッタの挿通孔内への侵入を防止できる。又、アーク溶接中の溶接姿勢によってはトーチケーブルが回転アームの上方空間に向けて大きく湾曲することがあるが、湾曲しても、庇がトーチケーブルのはみ出しを抑制する壁として働くので、トーチケーブルが回転アームの上方空間から大きくはみ出して外部機器等と干渉することを防止することができる。又、庇と挿通孔の配置関係が上下に位置した際には、アーク溶接が停止している場合は、庇により上からの埃及びゴミが挿通孔内に入ることを防止できる。
本発明を具体化した一実施形態のアーク溶接ロボットの全体の構成図。 ロボットアームにおけるケーブル等の配設構造を表わしたアッパーアーム部分の構造図。 (a)はガイド筒の取付構造を示す概略断面図、(b)は平面Pと開口面積S1,S2の説明図。 アッパーアームの平面図。 ガイド筒の第1ガイド筒体の斜視図。 ガイド筒の第1ガイド筒体と第2ガイド筒体の分解斜視図。 (a)は、ガイド筒の先端部の正面図、(b)及び(c)は他の実施形態の先端部の正面図。 アッパーアームの正面図。 アッパーアームの斜視図。 アッパーアームの斜視図。 従来のロボットアームにおけるケーブル等の配設構造を表わしたアッパーアーム部分の構造図。
以下、本発明のアーク溶接ロボットのケーブル配設構造を具体化した第1実施形態を図1〜図7(a)、図8〜10を参照して説明する。
多関節型アーク溶接ロボット(以下、溶接ロボット10という)は、図1に矢印A〜Fで示した動きをする6つの関節を備え、それぞれが回転または捻りを行って、アームを回転、旋回、揺動または傾動させる。
具体的には、床面(図示しない)に固定された基台11には第一軸11a周り(図1のA矢印方向)に旋回ベース12が旋回自在に設けられている。旋回ベース12には、ロアアーム13が水平軸である第二軸12a周り(図1のB矢印方向)に揺動自在に軸支されている。
ロアアーム13の上端には、回転アームとしてのアッパアーム14が支持体としての傾動台15を介して水平軸である第三軸13a周りに上下方向(C矢印方向)に揺動自在に軸支されている。又、アッパアーム14は、傾動台15に対して、図3に示すように自身の長手方向軸線としての回転軸線14a周りに回転自在に設けられた回転軸としての回転軸体16により回転する。回転軸体16は第四軸に相当する。
アッパアーム14の先端には、トーチ支持腕17が第五軸としての揺動軸18により、傾動又は揺動可能に支持されている。揺動軸18は、アッパアーム14の先端部においてトーチ支持腕17を傾動させたり揺動させることにより、溶接用トーチ19を俯仰させる機構として働く。トーチ支持腕17は、エンドエフェクタとしての手首部に相当する。トーチ支持腕17の先端には、溶接用トーチ19が第六軸20にて図1のF矢印方向で旋回可能に装着されている。
前記第一軸11a〜第六軸20を有する各関節は、その軸には減速機を介したモータが装備され、図示しないロボットコントローラからの指令を受けて駆動される。
傾動台15の上面には、載置面15aが形成されている。載置面15aは、ロアアーム13が鉛直方向に沿って立った立ち姿となっている状態(図1参照)で、アッパアーム14側に対して水平となるように設けられている。
図2に示すように、載置面15aには、トーチケーブル30に図示しない溶接ワイヤを送るワイヤ送給装置22が取り付けされている。又、ワイヤ送給装置22には、図1に示すように、コンジットパイプ39が接続され、図示しないワイヤリールから供給される溶接ワイヤがガイドされる。
図2に示すようにワイヤ送給装置22の装置本体ケースのアッパアーム側側面にはワイヤ出口としてのワイヤ送出口24が設けられている。ワイヤ送出口24は、アッパアーム14の長手方向軸線の上方空間に位置する。このようにワイヤ送出口24を回転軸線14aから上方へオフセットさせる理由は、トーチケーブル30をアッパアーム14の長手方向に沿わせるに際して溶接ワイヤを直進容易な状態に置いて、できるだけ湾曲度を抑えておくためである。
なお、ワイヤ送出口24には、図示はしないが、溶接のための電力を供給するパワーケーブルとシールドガスを供給するガスホースが接続された受給機構が設けられている。トーチケーブル30は、その中心には溶接ワイヤが通過し、その前進をガイドすると共に疵がつかないように保護するコイルライナが設けられている。コイルライナはコンジットパイプとして機能する。そして、コイルライナの外周部には、同外周部を覆うホースを備え、同ホースと同コイルライナ外周部との間にシールドガス通路が形成されている。該シールドガス通路により、受給機構を介して送られたシールドガスが流れて、溶接用トーチまで導かれるようにされている。又、前記ホースの外周は、受給機構を介して前記パワーケーブルに電気的に接続された導電線で覆われている。又、トーチケーブル30全体には絶縁被覆が施されている。
このようにトーチケーブル30は一線式パワーケーブルであり、溶接ワイヤ、電力、シールドガスの供給を溶接用トーチ19に同時に行うべく多重構造となっている。このため、トーチケーブル30は柔軟性が高いとは言えず、また捩じりが作用すれば、捻り戻そうする力を生じるほどの剛性を持つ。従って、トーチケーブル30はアッパアーム14の長手方向に沿わせるように配置されてはいるが、図1の二点鎖線で示すように、初期的な曲がりが復元力に抗して与えられる。なお、トーチケーブル30は、モータ駆動系のケーブル(図示しない)とは独立して溶接ロボット10に配備される。
次に、アッパアーム14及びその周辺構成の詳細を説明する。
傾動台15の上端には、図1、図3(a)に示すように軸受ケース40が設けられている。図3(a)に示すように軸受ケース40の支持孔40aには複数の軸受41を介してアッパアーム14の回転軸体16が回転自在に支持されている。図3(a)に示すように回転軸体16は、アッパアーム14の基端部に対して図示しないボルトにより締結されて一体に連結されている。このようにして、回転軸体16は傾動台15に設けられた軸受ケース40により支持されている。
前記回転軸体16は、図1に示す傾動台15に設けられたモータ46の出力軸に設けられた図示しない減速機、該減速機の出力軸に設けられた図示しない小プリー、回転軸体16の基端部に取付された図示しない大プーリーと、前記両プーリー間に巻回されたタイミングベルトからなる図示しない伝動機構を介して駆動される。
図4に示すようにアッパアーム14の基端部から延びる中央部及び先端部は回転軸線14aから側方へオフセットされている。そして、アッパアーム14の先端部に揺動軸18が設けられている。そして、揺動軸18によりトーチ支持腕17が傾動される。トーチ支持腕17の先端には、トーチ支持台70が設けられている。
前記トーチケーブル30は、図4に示すように前記アッパアーム14の一側方の空間62及び揺動軸18(第五軸)部位の側方空間61を介して溶接用トーチ19(図1参照)に至るまで、回転軸線14aに沿って通過するように配置されている。前記空間62はアッパアーム14の近隣空間に相当する。
図3(a)に示すように回転軸体16は、円筒状に形成され、その内部には、ガイド筒50が軸受手段51にて回転軸線14aの周りで遊転自在に支持されている。軸受手段51としては例えばコロ軸受又はメタルライナを挙げることができる。
ガイド筒50は、第1ガイド筒体52と第2ガイド筒体53とから構成されている。第2ガイド筒体53は、絶縁性の合成樹脂により円筒状に形成され、前記軸受手段51を介して前記回転軸体16に対して回転軸線14aの周りで遊転自在に支持されている。第2ガイド筒体53の先端部の周部には、複数の連結孔53aが形成されている。
図5に示す第1ガイド筒体52は、絶縁性の合成樹脂にて形成され、略中央から基端部迄は断面円形をなすように形成された円筒状の筒部55と、筒部55に一体に形成された支持筒部56とを備えている。なお、第1ガイド筒体52,第2ガイド筒体53の材質は合成樹脂に限定されるものではなく、絶縁性を有している材質であれば、限定されるものではない。
第1ガイド筒体52の基端部は、第2ガイド筒体53の先端部に対して内嵌する大きさに形成され、その周面には、前記連結孔53aに対応して複数の連結爪片54が形成されている。連結爪片54の先端外面には爪部54aが突出され、前記連結孔53aに対して係入合可能となっている。そして、第1ガイド筒体52は、第2ガイド筒体53に対して内嵌された状態で、連結爪片54の爪部54aが連結孔53aに弾性的に係入されることにより連結されている。又、第1ガイド筒体52と第2ガイド筒体53が連結された状態で、前記連結孔53aに係合された連結爪片54をその弾性に抗して係合を解除することにより、第1ガイド筒体52は第2ガイド筒体53に対して着脱自在、すなわち取り外すことが可能である。
支持筒部56の先端面は支持壁57により、図7(a)に示すように、先端部から正面視した場合、支持筒部56の先端面の半分以上が閉塞され、残りの部分が挿通孔58として開口されている。すなわち、挿通孔58の開口全面が回転軸線14aからオフセットされている。
支持壁57は、図3(a)、図5、図6に示すように、支持筒部56の軸心に沿って切断した断面視した場合、内面が円弧状に形成されることにより、曲面を有している。なお、支持筒部56の軸心は、回転軸線14aと一致する。そして、支持筒部56の軸心に近い、支持壁57の端部内面(すなわち、曲面)は、トーチケーブル支持面57aとなっている。トーチケーブル支持面57aは、断面円弧状に形成されている。
トーチケーブル支持面57aを有する支持壁57は、支持部に相当する。トーチケーブル支持面57aは、図7(a)、及び図8に示すように回転軸線14aからオフセットした位置に位置するとともに、本実施形態では正面視した場合、回転軸線14aと直交するようにして直線状に見えるように形成されている。
図3(a)に示すように、挿通孔58を回転軸線14aから上方に配置した状態で、トーチケーブル支持面57aから下方に位置する支持壁57の内面は、挿入ガイド部としての挿入ガイド面57bとなっている。挿入ガイド面57bは、トーチケーブル支持面57aに連続する曲面を有する。
ここで、トーチケーブル支持面57aは、ケーブル取付け後、又は交換後において、主にトーチケーブル30を支持する機能を発揮する面である。又、挿入ガイド面57b(挿入ガイド部)は、ケーブル取付け時、又は交換時において、トーチケーブル30がガイド筒50の基端側から挿入された際に、トーチケーブル支持面57aへ向かってトーチケーブル30を挿通孔58へガイドする面である。
図3(a)に示すように、挿通孔58は、支持筒部56の先端部において、回転軸線14aからトーチケーブル支持面57aの先端を上方に配置した状態で、トーチケーブル支持面57aから上方に位置する部分を、回転軸線14aに対して斜状に切り欠きすることによって形成されている。
このように挿通孔58が形成されていることにより、トーチケーブル支持面57aの全体が、挿通孔58により露出されている。又、本実施形態では、挿通孔58は、図5,6に示すように挿通孔58により、挿入ガイド面57bも外部から視認できるように露出している。
このような挿通孔58は、基準線としての回転軸線14a(すなわち、支持筒部56の軸心)に対して、例えば、斜行するようにカットすることにより、得ることができる。図3(a)に示すように斜行の角度θは回転軸線14aに対して寝かせるほど、すなわち、角度θが鋭角となって小さければ小さいほど挿通孔58の開口面積を大きくすることができる。
ここで、角度θについて説明する。
図3(a)においては、Pは、トーチケーブル支持面57aの先端縁57cと、トーチケーブル支持面57aが回転軸線14aからオフセットした方向(図7の矢印参照)において位置する支持筒部56の外周部56aを含む平面を表わしている。
角度θは、前記平面Pを、カット面としたときの回転軸線14aとのなす角度である。本実施形態では、この平面Pにほぼ沿うようにして支持筒部56の先端がカットされることにより、挿通孔58が形成されている。そして、本実施形態では、図3(a)に示すようにさらに、挿通孔58の外形線58aは、平面Pでカットされたものより、下方に弧状に湾曲するように形成されている。
なお、挿通孔58の形成のために、前記のように弧状に湾曲することは必要でなく、前記平面Pでカットしてもよく、或いは、図3(a)において、外形線58aが平面Pよりも上方に湾曲してカットするようにしてもよい。又、外形線58aは、図3(a)において、直線、弧状に限定されるものではなく、トーチケーブル支持面57aの全体が、或いは、トーチケーブル支持面57a全体と挿入ガイド面57bの少なくとも一部が挿通孔58により露出されるように、カットされていればよい。
挿通孔58の形状は、ガイド筒50が回転軸線14aの周りで回転した際に、トーチケーブル30に対してガイド筒50の相対移動を許容する大きさの形状であればよい。このように挿通孔58が形成されているため、アッパアーム14と支持部としての支持壁57とが相対回転したり、或いは相対回転しなくても、トーチケーブル30に蓄積されるストレスが少なくできる。
又、挿通孔58が、上記のように構成されていることにより、支持筒部56の直径方向に切断した面に沿って挿通孔が配置されるとともに回転軸線14aからオフセットされている場合に比較して、斜状にカットして形成された挿通孔58の方が、その開口面積を、広くすることができる。
この理由を説明する。図3(a)、(b)に示すように支持筒部56を平面Pにより斜状にカットして形成された挿通孔58の開口面積をS1とし、支持筒部56の直径方向に切断した平面P1、すなわち、回転軸線14aに直交する平面P1に沿って形成された挿通孔106の開口面積をS2とする。この場合、挿通孔106の開口面積S2は、平面Pに含まれる挿通孔58の開口面積S1を投影した面積(投影面積)に相当することになる。ここで、開口面積S2は、従来の構成の挿通孔106の開口面積に相当するものである。従って、図3(b)に示すように、S1>S2となる。
このようにして、本実施形態では、挿通孔58の開口全面が回転軸線14aからオフセットされているにもかかわらず、その開口面積S1は、従来の構成のものに比較して広い面積を有することになる。このため、ガイド筒50の先端の挿通孔58からトーチケーブル30をガイド筒50の基端に向かって入れる場合においては、トーチケーブル30の挿入を行い易くなる構成となっている。
トーチケーブル30はワイヤ送出口24に接続された端部から挿通孔58に対して略線的に挿通され、トーチケーブル支持面57aにて支持される。図2に示すようにトーチケーブル30は、トーチケーブル支持面57aにて支持されている部位からは、図2実線及び図1の二点鎖線で示すように、上方へ延出されて下方へ湾曲する。そして、トーチケーブル30は、この湾曲する部分(すなわち、変曲点Q)から下方へ延びて溶接用トーチ19に接続される。前記挿通孔58により、トーチケーブル30は、回転軸線14aからオフセットした状態が保持される。
又、ガイド筒50に対して支持壁57が一体的に設けられているため、アッパアーム14に対して相対回転するガイド筒50がトーチケーブル30の弛みやふらつきを抑止し、トーチケーブル30の無用な変形が防止される。ガイド筒50の材質を絶縁性の合成樹脂成形品としておけば、トーチケーブル30の絶縁を果たすことができる。又、支持壁57がガイド筒50と共に遊転するため、アッパアーム14に対するトーチケーブル30の相対回転はより一層滑らかとなる。
又、前記アッパアーム14において、図1〜図4、図8〜図10に示すようにガイド筒50の挿通孔58に対応する部位には、庇60が設けられている。庇60は、挿通孔58から外部へ出るトーチケーブル30の部位に干渉しないようにトーチケーブル30から離間するように設けられている。すなわち、庇60は、ガイド筒50の挿通孔58からガイド筒50の外部に出るトーチケーブル30の配置を許容する空間を挟むようにアッパアーム14に形成されている。
そして、ガイド筒50が回転軸体16に対して遊転する回転範囲のうち、一部の回転範囲にガイド筒50が位置する際、挿通孔58は、前記ガイド筒50の外部に出るトーチケーブル30の配置を許容する空間を介して庇60にて覆われるようにされている。
挿通孔58と庇60と相対するようにガイド筒50の回転位置が位置した際、庇60は、埃、ゴミ、或いは、アーク溶接中のスパッタ、溶接ヒュームが挿通孔58内に入らないように阻止する。例えば、図2に示すように挿通孔58が上方に向くようにガイド筒50の回転位置が位置し、かつ、挿通孔58と対向するように庇60が、挿通孔58の上方に位置すると、庇60は、アッパアーム14の上方からの埃、ゴミ、或いは、アーク溶接中のスパッタ、溶接ヒュームが挿通孔58内に入らないように阻止する。
(実施形態の作用)
上記のように構成された溶接ロボット10では、トーチケーブル30を回転軸体16に取付けされたガイド筒50に対し挿通する場合、ケーブル取付け、或いはケーブル交換時のロボットの周囲環境、作業順序等の種々の作業条件に応じて、ガイド筒50の基端側から挿通するときと、ガイド筒50先端側から挿通するときがある。
ガイド筒50の基端側からトーチケーブル30を挿通する場合は、ワイヤ送給装置22が載置面15aに取付けされていない状態で、トーチケーブル30の先端部をガイド筒50の基端側から挿入する。この場合、ガイド筒50内に挿入されたトーチケーブル30の先端がガイド筒50の挿入ガイド面57bに当たると、挿入ガイド面57bにより挿通孔58へガイドされる。この結果、トーチケーブル30を、容易に挿通孔58からガイド筒50の先端に出すことができる。
一方、ガイド筒50の先端側からトーチケーブル30を挿通する場合は、挿通孔58に対して、トーチケーブル30の基端を挿入する。この場合、本実施形態の挿通孔58の開口全面が回転軸線14aからオフセットされているにもかかわらず、その開口面積S1は、従来の構成のものに比較して広い面積を有する。このため、ガイド筒50の先端の挿通孔58からトーチケーブル30をガイド筒50の基端に向かって入れる場合においては、トーチケーブル30の挿入が行い易い。又、トーチケーブル支持面57aがトーチケーブル30の挿入をガイドすることができる。
さて、本実施形態の溶接ロボット10によれば、以下のような特徴がある。
(1) 本実施形態の溶接ロボット10は、揺動軸18が先端部に、回転軸線14a(長手方向軸線)回りの回転軸体16が基端部に備えられたアッパアーム14(回転アーム)を備える。又、アッパアーム14の内部や近隣空間で、各関節の動作に付随して前記基端部から先端部に向けて延びるトーチケーブル30の屈曲や捩れの増大を抑制するため、該トーチケーブル30をアッパアーム14の長手方向に沿わせるようにしている。回転軸体16内には、遊転自在に軸承されて長手方向へ延びるガイド筒50が設けられている。ガイド筒50の先端部には、トーチケーブル30を支持するための支持壁57(支持部)と、アッパアーム14に沿わせるトーチケーブル30を通過させる挿通孔58が形成されて、挿通孔58の開口全面が回転軸体16内においてアッパアーム14の回転軸線14aからオフセットした位置にあるようにしている。そして、支持壁57には、ガイド筒50の基端部からトーチケーブル30が挿入される際、挿通孔58へ該トーチケーブル30をガイド可能な挿入ガイド面57b(挿入ガイド部)が形成されている。
この結果、ケーブル組付け時、或いはケーブル交換時にガイド筒50の基端から該トーチケーブル30を挿入すると、挿入ガイド面57bが、トーチケーブル30を挿通孔58へガイドするため、該トーチケーブル30の組付け時、或いは、ケーブルの交換時に、回転軸体16内に設けられたガイド筒50に対して挿入作業を容易に行うことができる。
(2) 本実施形態では、支持壁57(支持部)には、挿通孔58に臨む支持壁57のトーチケーブル支持面57aと挿入ガイド面57b(挿入ガイド部)が曲面により連続して形成されている。そして、トーチケーブル支持面57aと、挿入ガイド面57bの内、少なくともトーチケーブル支持面57aが外部に露出するように挿通孔58が形成されている。
この結果、挿通孔58により、トーチケーブル支持面57aが少なくとも外部に露出するため、ガイド筒50の先端の支持壁57(支持部)側からトーチケーブル30をガイド筒50の基端に向かって入れる場合においては、トーチケーブル支持面57aがトーチケーブル30の挿入をガイドでき、ガイド筒50に対して挿入作業を容易に行うことができる。しかも、トーチケーブル30の作業において、種々の作業条件に応じて、ガイド筒の先端又は基端のどちらからもトーチケーブルを容易にガイド筒に挿入することができる。
又、支持壁57のトーチケーブル支持面57aが挿入ガイド面57bと曲面により連続して形成されていることにより、溶接ロボット10の関節が作動してトーチケーブル30が作動して、ガイド筒50に対する支持される位置が変化しても、トーチケーブル支持面57aだけでなく、挿入ガイド面57bにおいても支えることができる。仮に、挿入ガイド面57b(挿入ガイド部)とトーチケーブル支持面57aとが曲面により連続していない場合には、トーチケーブル支持面57aのエッジで支えることになり、同エッジにより、トーチケーブル支持面57aの接触部位に荷重が加わり、トーチケーブル30の損傷を早めることになる。本実施形態によれば、このようなトーチケーブル30の損傷を抑制することができる。
(3) 本実施形態の溶接ロボット10では、トーチケーブル支持面57aが、断面円弧状に形成されている。この結果、トーチケーブル30を、断面円弧状に形成されて鋭い角部がないため、トーチケーブル30の支持されている箇所に部分的に過度の荷重が加わることが抑制されて、トーチケーブル30を滑らかに支持することとなり、トーチケーブル30内に挿通されて走行する溶接ワイヤの送りの動作を滑らかに、すなわち、安定させることができる。この結果、溶接品質の向上を図ることができる。
(4) 本実施形態の溶接ロボット10では、挿通孔58が、ガイド筒50の先端を切り欠いて形成されていることにより、上記(2)に記載の挿通孔58を容易に形成でき、上記(2)の作用効果を容易に実現できる。
(5) 本実施形態の溶接ロボット10では、ガイド筒50が、支持壁57(支持部)と挿入ガイド面57b(挿入ガイド部)を備える第1ガイド筒体52と、第1ガイド筒体52を着脱自在に連結するとともに、回転軸体16に対して遊転自在に支持された第2ガイド筒体53とを備えている。この結果、第1ガイド筒体52と、第2ガイド筒体53とが分離自在となっているため、第1ガイド筒体52が、トーチケーブル30との擦れにより摩耗した場合には、第2ガイド筒体53を回転軸体16から取外すことなく、摩耗した第1ガイド筒体52を取外し、新しい第1ガイド筒体52と交換することができる。
(6) 本実施形態の溶接ロボット10では、アッパアーム14(回転アーム)には、ガイド筒50の挿通孔58からガイド筒50の外部に出るトーチケーブル30の配置を許容する空間を挟むように配置されるとともに挿通孔58を覆うように形成された庇60が設けられている。そして、ガイド筒50が回転軸体16に対して遊転する回転範囲のうち、一部の回転範囲にガイド筒50が位置する際、挿通孔58が庇60にて覆われるようにされている。
この結果、本実施形態によれば、庇60により挿通孔58を覆うことができるため、アーク溶接中に発生したスパッタが挿通孔58内へ侵入することを防止できる。又、アーク溶接中の溶接姿勢によってはトーチケーブルが回転アームの上方空間に向けて大きく湾曲することがあるが、湾曲しても、庇がトーチケーブルのはみ出しを抑制する壁として働くので、トーチケーブルが回転アームの上方空間から大きくはみ出して外部機器等と干渉することを防止することができる。又、庇60が挿通孔58に対して上方に位置した際、アーク溶接が停止している場合は、庇60により上からの埃及びゴミの挿通孔58内への侵入を防止できる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態ては、溶接ロボット10は、基台11が床面に固定されるタイプのものであるが、天井に基台11を支持するタイプの溶接ロボットに具体化してもよい。
・ 前記実施形態では、トーチケーブル支持面57aは、図7(a)に示すように、正面視した場合、回転軸線14aと直交するようにして直線状に見えるように形成されている。この直線状に見えるようにする代わりに、図7(b)においてトーチケーブル支持面57aの左右両端を中央よりも下方に位置するように湾曲形成してもよい。或いは、図7(b)においてトーチケーブル支持面57aの左右両端を中央よりも上方に位置するように湾曲形成してもよい。
・ 前記実施形態では、トーチケーブル支持面57aと挿入ガイド面57bとが曲面で連続して形成されていたが、トーチケーブル支持面57aと挿入ガイド面57bとを分離してもよい。例えば、トーチケーブル支持面57aと挿入ガイド面57b間に段部、又は溝を有していてもよい。この場合、トーチケーブル支持面57aと溝又は段部とを区切る縁部は、アールを形成することが好ましい。
・ 前記実施形態では、ガイド筒50の先端面が挿通孔58以外の部分を全て閉塞するように形成したが、支持壁57の内面に挿入ガイド面57bのガイド機能を失わない条件の下で、一部が外部に開口していてもよい。
・ 前記実施形態では、ガイド筒50を第1ガイド筒体52と第2ガイド筒体53とにより形成され、互いに分離可能としたが、組付けした後は、分離不能に連結されていてもよい。例えば、第1ガイド筒体52と第2ガイド筒体53間の連結する部位間を接着剤にて接着するようにしてもよい。
・ 前記実施形態では、ガイド筒50は第1ガイド筒体52と第2ガイド筒体53との2つの部材で構成したが、ガイド筒50の全体を1つの部材で構成してもよい。
14…アッパアーム(回転アーム)、14a…回転軸線、16…回転軸体、
18…揺動軸、10…溶接ロボット、30…トーチケーブル、
50…ガイド筒、52…第1ガイド筒体、53…第2ガイド筒体、
57…支持壁(支持部)、57a…トーチケーブル支持面、
57b…挿入ガイド面(挿入ガイド部)、58…挿通孔、60…庇。

Claims (5)

  1. 揺動軸が先端部に、長手方向軸線回りの回転軸をなす回転軸体が基端部に備えられた回転アームの内部や近隣空間で、各関節の動作に付随して前記基端部から先端部に向けて延びるトーチケーブルの屈曲や捩れの増大を抑制するため、該トーチケーブルを回転アームの長手方向に沿わせるようにしたアーク溶接ロボットのケーブル配設構造であって、前記回転軸体内には、遊転自在に軸承されて長手方向へ延びるガイド筒が設けられ、該ガイド筒の先端部には、前記トーチケーブルを支持するための支持部と、前記回転アームに沿わせるトーチケーブルを通過させる挿通孔が形成され、前記挿通孔の開口全面が前記回転軸体内において前記回転アームの回転軸線からオフセットした位置にあるアーク溶接ロボットのケーブル配設構造において、
    前記支持部には、前記ガイド筒の基端部から前記トーチケーブルが挿入される際、前記挿通孔へ該トーチケーブルをガイド可能な挿入ガイド部が形成されており、
    また、前記支持部には、前記挿通孔に臨む前記支持部のトーチケーブル支持面と前記挿入ガイド部が曲面により連続して形成され、
    該トーチケーブル支持面と、前記挿入ガイド部の内、少なくともトーチケーブル支持面が外部に露出するように前記挿通孔が形成されていることを特徴とするアーク溶接ロボットのケーブル配設構造。
  2. 前記トーチケーブル支持面が、断面円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接ロボットのケーブル配設構造。
  3. 前記挿通孔が、前記ガイド筒の先端を切り欠いて形成されていることを特徴とする請求項2に記載のアーク溶接ロボットのケーブル配設構造。
  4. 前記ガイド筒が、前記支持部と前記挿入ガイド部を備える第1ガイド筒体と、前記第1ガイド筒体を着脱自在に連結するとともに、前記回転軸体に対して遊転自在に支持された第2ガイド筒体とを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のアーク溶接ロボットのケーブル配設構造。
  5. 前記回転アームには、前記ガイド筒の挿通孔から該ガイド筒の外部に出るトーチケーブルの配置を許容する空間を挟むように配置されるとともに前記挿通孔を覆うように形成された庇が設けられ、
    前記ガイド筒が前記回転軸体に対して遊転する回転範囲のうち、一部の回転範囲にガイド筒が位置する際、前記挿通孔が前記庇にて覆われることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載のアーク溶接ロボットのケーブル配設構造。
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