JP5317759B2 - 塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法及びそのシステム - Google Patents

塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法及びそのシステム Download PDF

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Description

本発明は、塗膜中の鱗片状材料の配向状態を非接触で正確に且つ迅速に定量化できる方法に関する。
塗料組成物はその目的に応じて、鱗片状材料を配合せしめる場合がある。基材を保護するために塗料を塗装する場合には、鱗片状の金属、ガラス、タルクやマイカ等を配合した塗料を使用することがある。これらの鱗片状材料が、塗装される基材面と平行に配向して、基材の腐食を促進する水等の浸入を防ぐので、塗膜中における鱗片状材料の配向は、塗膜性能との関係において重要である。また、美粧性の付与を目的とするために塗装する場合においては、特に観察角度によって色が変化する塗色を得たいときには、塗料中に金属フレーク顔料や、各種の鱗片状の基材に金属酸化物等を被覆したパール顔料等の鱗片状材料を配合し、鱗片状材料の反射を利用することがある。この場合も塗膜中における鱗片状材料の配向は、塗装して得られる塗色との関係において重要である。
図1(a)は、鱗片状材料の一例、鱗片状アルミニウムフレーク顔料を配合したシルバーメタリック塗色を呈する塗膜の断面SEM写真である。図中の角度θは、アルミフレークと塗膜の表面とがなす角度、即ち、アルミフレークの配向角度を示していると言える。図1(b)は、鱗片状材料の光反射特性を決める3つの要素、即ち、鱗片状材料の表面粗度r、粒径d、及び配向角度θを示している。
一方、塗膜中の鱗片状材料のこの配向角度θを調べるには、従来から以下のような評価方法がある。
1.塗膜を破壊する方法としては、塗膜を物理的に切断し切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)等で観察し、撮像した画像情報から鱗片状物質の平均配向角度を求める方法がある。
2.塗膜を破壊しない方法としては、塗膜を特徴付ける何らかの特徴量を求める方法がある。例えば、鱗片状材料として光輝性顔料を配合した塗料によって形成された塗膜であれば、塗膜の異なる観察角度(受光角度)における分光反射率から、フリップフロップ(FF)値を求め、鱗片状材料の配向状態の指標とすることができる(下記非特許文献1参照)。FF値の求め方の一例は、下記の式1に示す。
FF=2×(15Y−45Y)/(15Y+45Y) (式1)
ここで、15Yは、正反射から15°の観察角度において例えばx−Rite社製のMA−68II(多角度分光光度計)を用いて測定した明度であり、45Yは、正反射から45°の観察角度において測定した明度である。
しかしながら、上記の塗膜の断面を観察する方法では、例えば塗膜を切断する角度が一定でなければ、再現性のある結果は得られない。また、評価できる範囲が限定されるため、塗膜全体における配向状態を反映できない場合がある等の問題点がある。さらに、塗膜を切断して研磨し、撮像した画像を処理するには多くの工数がかかる。
また、上記の複数の観察角度の分光反射率からフリップフロップ値を計算する方法では、測色機によっては、測定できない範囲や、測定に時間がかかるものがある。さらに、フリップフロップ値は、複数の観察角度における光強度の違いによる配向状態の推定に過ぎず、配向角度を直接表すものではなく代用特性であるために汎用的に使えない等の問題点がある。例えば、広く用いられているx−Rite社製のMA−68IIの場合、5つの観察角度(正反射光に対して15°、25°、45°、75°、110°)で分光反射率を測定するが、正反射光に対して0〜15度の間での分光反射率を測定することはできない。また、村上色彩研究所製のGCMS(三次元変角分光測色システム)は、入射角、受光角を変化させて測定できるシステムではあるが、投光器と受光器とがそれぞれ動いて測定するシステムであるために、測定に長時間を要する。
このように、従来では、塗膜中の鱗片状材料の配向状態を調べるのに上記した手間のかかる方法や推定方法以外に、鱗片状材料の配向状態の簡便な定量化方法、例えば特許文献1及び非特許文献1に提案されているようなメタリック塗膜の質感、メタリック感を定量化するような方法は未だに開発されていない。
特開2004−286672号公報
竹内徹,レーザー式メタリック感測定装置について、塗装工学、1995,Vol.30,No.8,p.339〜344.
本発明は、上記した従来の問題を解決するために案出されたものであって、塗膜に光を照射して、塗膜中の鱗片状材料の配向角度と対応した位置で反射光強度を測定することにより、鱗片状材料の配向状態を、非接触非破壊で、簡便にかつ正確に定量化することができる方法、及び定量化システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)は、前記塗膜に対して所定の方向から前記塗膜面上の所定の領域に光を照射する第1工程と、前記塗膜によって反射された反射光の強度を複数の異なる測定位置で測定し、反射光強度分布を取得する第2工程と、前記測定位置を前記鱗片状材料の配向角度に幾何学的に変換させ、測定された前記反射光の強度を前記配向角度の頻度に対応させて、前記反射光強度分布を前記鱗片状材料の配向角度分布に変換する第3工程と、を含むことを特徴としている
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(2)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)において、前記第2及び第3工程において、前記測定位置と前記所定の領域との間の距離による光強度の変動を補正した後の反射光の強度を用いることを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(3)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)または(2)において、前記第2及び第3工程において、前記反射光の測定装置の受光軸と、入射光の光軸との角度によって補正された反射光強度を用いることを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(4)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)〜(3)の何れか1つにおいて、前記配向角度分布が、前記配向角度の頻度分布であることを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(5)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)〜(4)の何れか1つにおいて、照射する前記光が白色光であることを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(6)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)〜(5)の何れか1つにおいて、照射する前記光がレーザー光であることを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(7)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(6)において、前記レーザー光がパルス光であることを特徴としている。
また、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(8)は、上記した塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法(1)〜(7)の何れか1つにおいて、前記塗膜が、観察角度によって色の見え方が変化するメタリック色を呈するものであり、前記鱗片状材料が、鱗片状光輝性顔料であることを特徴としている。
さらに、本発明に係る塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化システムは、光照射装置、反射光強度測定装置、及び演算装置を備え、塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化するシステムであって、前記光照射装置が、塗膜に対して所定の方向から前記塗膜面上の所定の領域に光を照射し、複数の異なる測定位置で、前記反射光強度測定装置が、前記塗膜によって反射された反射光の強度を測定して、前記演算装置に出力し、前記演算装置が、入力された前記反射光の強度及び前記測定位置を基に反射光強度分布を取得し、前記測定位置を前記鱗片状材料の配向角度に幾何学的に変換させ、測定された前記反射光の強度を前記配向角度の頻度に対応させて、前記反射光強度分布を前記鱗片状材料の配向角度分布に変換することを特徴としている。
本発明に係る定量化方法によれば、塗膜に所定の角度から光を照射し、反射された光を電気信号として測定しその強度分布を取得して、該強度分布に基づいて塗膜中の鱗片状材料の各配向角度の頻度を計算することにより配向角度分布を求めるので、塗膜中の鱗片状材料の配向状態を非接触非破壊で簡便にかつ正確に定量化できる効果を有する。従って、研究開発や製造現場で塗膜中の鱗片状材料の配向状態に関して正確な定量評価を迅速に提供することができる。
図1(a)は、鱗片状アルミニウムフレーク顔料を配合したシルバーメタリック塗色を呈する塗膜の断面SEM写真である。図1(b)は、鱗片状材料の光反射特性を決める3つの要素(表面粗度、粒径、及び配向角度)を説明する図である。 異なる配向状態の塗板からの反射光パターンの画像をグレースケールで表示した図である。 鱗片状材料の配向角度と反射光角度及び測定位置との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鱗片状材料の配向状態の定量化システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明に係る鱗片状材料の配向状態の定量化方法を説明するフローチャートである。 図6(a)は、測定対象の塗膜のSEM断面写真である。図6(b)は、本発明に係る方法により得られた鱗片状材料の配向角度分布と従来の方法により得られたヒストグラムとの比較を示す図である。 本発明の一応用例で、塗膜を形成する異なる段階において測定された鱗片状材料の配向角度分布を比較する図である。 本発明の一実施例で使用された定量化システムの一部を示す概念図である。 図9(a)〜図9(d)は、異なる配向状態を有する塗膜に対する定量化の検証・比較を示す図である。 本発明方法によって得られた平均配向角度とSEM画像処理によって得られた平均配向角度の比較を示す図である。 本発明方法によって得られた配向角度の分散とSEM画像処理によって得られた配向角度の分散の比較を示す図である。
まず、本願発明の鱗片状材料の配向状態の定量化に係わる基本概念及び測定原理を説明する。
鱗片状材料を配合した塗料より得られた塗膜に光を照射すると、鱗片状材料の配向によって塗膜からの反射光のパターンが異なる。
図2は、3枚のメタリック塗板に3mmφのレーザー光を照射して、各塗板から同じ距離に、各塗板に平行に測定面を配置して得られた、塗板からの反射光のパターンを示す画像である。中心の黒点は、光源の光軸方向に対応し、測定できないために生じている。それらの塗板は、鱗片状アルミニウムフレーク顔料を配合した塗料を塗布することにより得られ、アルミフレークの配向分布がそれぞれ異なる。具体的には、図2(a)、図2(b)、及び図2(c)は、それぞれアルミフレークの配向分布が良好(FF=1.82)、標準(FF=1.59)、及び、不良(FF=1.25)の3つの場合を示している。このように、アルミフレークの配向分布が良好な場合には、反射光は広がりが小さく、強度も大きい。一方、配向分布が悪い場合には、反射光は強度が著しく落ち、広がりも大きい。
即ち、鱗片状材料の配向分布と反射光のパターン、つまり、反射光強度分布とは強い相関関係を有する。このことを図3を参照しながら一層具体的に説明する。
図3は、鱗片状材料の配向角度と反射光角度及び測定位置との関係を示す図である。ここでは、塗膜BC中の1つの鱗片状材料の配向角度をθとし、塗膜表層のクリヤー層CCの屈折率をn2とし、空気(以下、気相とも記す)の屈折率をn1(=1)とする。クリヤー相CCまでの距離Lに光源が配置され、また、光源の光軸から距離dに、(受光角度θ’で)受光装置であるフォトダイオード(以下、PDとも記す)が、受光軸が塗膜面に垂直になるように配置されているとする。なお、θ’は、気相-クリヤー相界面における屈折角度でもある。
このような配置の場合、1つの鱗片状材料から反射された光の測定強度は、鱗片状材料から測定位置までの距離による減衰(第1の減衰)と、PDの受光軸が鱗片状材料の方向を向いていない、厳密に言えば、PDの受光軸が、反射光がPDに入射する鱗片状材料からの反射光による測定位置への入射光の方向、図3の例の場合に、反射光が屈折した後の屈折光の方向と一致していないことによる減衰(第2の減衰)を受ける。従って、配向角度θの鱗片状材料、例えばアルミ片の反射強度I(θ)と、光源の光軸から距離d及びクリヤー層からの距離LにおけるPDの受光強度I(L,d)とは、以下のような関係がある。
まず、第1の減衰に関しては、鱗片状材料からの斜め方向(同じ受光角度θ’方向)の距離Lの位置(位置E)にPDが配置されていたとした場合、位置Eでの受光強度をI(L)とすると、実際にPDが配置される距離ΔL+Lにおける受光強度I(L+ΔL)は、
I(L+ΔL)=I(L)・(cosθ’) (式2)
と表される。即ち、第1の減衰ファクターは、(cosθ’) である。
次に、第2の減衰に関しては、位置E(受光角度θ'、距離L)で受光軸をクリヤー層CCに垂直にして受光したPDの受光強度I’(θ’)は、受光軸が鱗片状材料の方向に向いていた場合に測定されるべき反射光の強度I(θ’)とは、Δd<<dの場合、例えば、塗膜BC及びクリヤー層CCの厚さが距離Lより十分に小さい場合、
I’(θ’) ≒ I(θ’)cosθ’ (式3)
という関係がある。即ち、第2の減衰ファクターは、cosθ’である。ここで、
θ’= tan−1(d/L) (式4)
である。
従って、鱗片状材料に対して受光角度θ'、光源の光軸中心から距離d及びクリヤー層からの距離LにおけるPDの受光強度I(L,d)は、
I(L,d)≒ I(θ’)・cosθ’・(cosθ’) (式5)
となり、よって、
I(θ’)≒ I(L,d)/(cosθ’) (式6)
となる。
また、スネルの式より、n2・sin(2θ)=n1・sinθ’という関係から
θ = 1/2sin−1(n1/n2・sinθ’) (式7)
によって配向角度θが得られる。即ち、配向角度θの鱗片状材料からの反射光強度は、I(θ’)である。鱗片状材料表面での散乱を考慮しなければ、配向角度θと受光角度θ’とは一対一の対応関係にあるため、受光角度θ’方向での測定強度I(L,d)から、式6及び式7によってI(θ)が得られることになる。
以上により、測定された反射光の強度I(L,d)及び測定位置(L,d)、即ち、測定された反射光の強度分布を基に、鱗片状材料の反射光強度I(θ)と配向角度θとの対応関係が得られる。
なお、上記の分析から分かるように、鱗片状材料の配向角度θが大きくなるにつれ、屈折の角度θ’も大きくなり、それとは反対に、受光強度I(L,d)がcosθ’の関数との関係で小さくなることが分かる。そして、最も重要なのは、配向角度が大きい鱗片状材料からの反射光は、反射光パターンの中心から離れてより外側に向かうことである。この分析は、図2の3つの画像によって示された傾向と合致している。
本発明は、この鱗片状材料の配向角度θと該鱗片状材料により反射された光が反射光パターンの中心からの距離dとの対応関係を利用し、反射光の強度分布から、幾何学的に鱗片状材料の配向角度分布を求める。これは、同じ配向角度を有する鱗片状材料が同じ方向に光を反射し、また、同じ配向角度を有する鱗片状材料が多く存在すれば、該方向で測定された反射光の強度もより強くなることに基づくものである。
配向角度分布を求める具体的な方法としては、上記説明した反射光の強度分布を基に得られた反射光強度I(θ)と配向角度θとの対応関係を用いて求めることができる。例えば、配向角度をX軸とし、光の反射強度I(θ)(具体的には、測定された電流値または電圧値)をY軸としたグラフを考えれば、各配向角度の頻度fは、次式により求めることができる。なお、ここでは、測定された反射光強度に対応する電流値を一例として用いる。
f = 電流値(A)× 微小配向角度差分(Δθ)
/測定範囲における電流値曲線とX軸とにより囲まれた面積(ΣAΔθ)
= AΔθ/ΣAΔθ (式8)
ここで、配向分布を求めるためには、相対的な反射光強度を使用すればよいので、式8によって、相対的な反射光強度を頻度fとして求めている。
このように、2次元又は3次元空間で測定された鱗片状材料の反射光の強度I(L,d)は、反射光強度I(θ)と配向角度θとの対応関係に変換され、さらに、この対応関係より、配向角度分布が求められる。
なお、反射光強度の測定方法は、上記した方法に限定されず、次の方法であってもよい。
PDの受光軸を塗膜面に垂直方向に固定して、PDを、塗膜面に垂直な面内で、照射位置を中心とする円弧上で移動させて、測定する。この場合、第2の減衰のみ考慮すればよい。
または、PDの受光軸を照射位置に向けて、PDを、塗膜面に平行に移動させて、測定する。この場合、第1の減衰のみ考慮すればよい。
または、PDの受光軸を照射位置に向けて、PDを、塗膜面に垂直な面内で、照射位置を中心とする円弧上で移動させて、測定する。この場合、第1及び第2の減衰を考慮する必要がない。
以下、本発明の実施の形態に関して図面を参照して詳細に説明する。
図4は、本発明の実施の形態に係る鱗片状材料の配向状態の定量化システムの概略構成を示すブロック図である。本鱗片状材料の配向状態の定量化システムは、演算装置1、光源部2、反射光測定装置3、及び表示装置4を備えている。
演算装置1は、各部を制御し、後述する所定の処理を実行するCPU11と、メモリ12と、配向角度に関する種々の分布データ等を格納する記録部13と、外部からの指示を受け付ける操作部14と、操作部14及び外部機器とのインタフェースの役割をするインタフェース部(以下、I/F部と記す)15と、各部の間でデータを伝送するためのデータバス16とを備えている。本演算装置1は、I/F部15を介して、光源部2や反射光測定装置3を制御し、また、反射光測定装置3が測定して得られた反射光強度に関するデータを取得し、さらに、表示装置4に配向角度分布等を表示させる。CPU11は、メモリ12をワーク領域として使用して、必要なデータ(設定値、処理途中のデータなど)を一時記憶し、後述する方法で、配向角度の分布を求め、記録部13に計算結果などの長期保存するデータを適宜記録する。
光源部2は、測定対象である、鱗片状材料が配合された塗膜に対して、光を照射する。
反射光測定装置3は、測定対象からの反射光を受光して、例えば、光電変換により電流値を出力する。
表示装置4は、例えばフルカラー表示が可能な画像表示装置であり、CPU11は、配向角度の定量化結果である配向角度分布曲線又は頻度分布や、反射光の強度分布の画像、塗膜の写真などを所定の形式で、I/F部15を介して表示装置4に表示することができる。
以下、図5を参照しながら、本実施の形態による鱗片状材料の配向状態の定量化システムの動作を説明する。
図5は、本発明に係る鱗片状材料の配向状態の定量化方法を説明するフローチャートである。
ステップS1:鱗片状材料が配合された塗料が塗布され、塗膜が形成された塗板を用意する。
ステップS2:光源部2がI/F部15を介して操作部14によって制御されて、塗膜に対して光を照射する。
ステップS3:同様に、反射光測定装置3も制御されて、位置(L、d)にて塗膜からの反射光を測定し、光電変換により得られた電流値を、位置情報と共に、I/F部15を介して、演算装置1のメモリ12に入力する。
なお、測定は、複数の異なる測定位置にて、繰り返して行われ、メモリには測定位置の情報と測定値とが対応させて記憶される。
ステップS4:CPU11は、メモリ12からデータを読み出し、複数の異なる測定位置での反射光強度(電流値A)、及びそれぞれの位置情報(L、d)を用いて、必要に応じて受光角度及び測定距離に関して補正を行い、反射光強度I(θ)と配向角度θとの対応関係を求め、この対応関係に基づいて、さらに、配向角度θの分布を求める。得られた結果を他の関連情報と共に記録部13に記録する。例えば、式8を使用する場合、複数の角度θと各θに対応する頻度fとが、配向角度分布として記録部13に記録される。
ステップS5:配向角度θの分布を、必要に応じて他の情報と共に表示装置4に出力する。
図6は、本発明に係る方法により得られた鱗片状材料の配向角度分布と従来の方法により得られたヒストグラムとの比較例を示す図である。図6(a)は、直径が3mmの光照射範囲内の塗膜のSEM断面写真を示している。なお、ここの塗膜には、東洋アルミニウム社製の、固形分65質量%、平均粒径約16μmの、鱗片状アルミニウム顔料「アルペーストTCR−2060」を使用した。該写真から、サンプル数N=803個のアルミフレークの画像を抽出し、各々の配向角度を算出して、各配向角度(所定幅を有する)のアルミフレークの数を求めることにより、図6(b)のヒストグラムを得た。図6(b)から分かるように、本発明に係る方法により求められた配向角度分布曲線は、従来のヒストグラムとはほぼ一致しており、配向角度分布を十分正確に反映していると言える。
このように、本発明では、鱗片状材料が配合された塗料で形成された塗膜にレーザー光などの光を照射し、その反射光の強度分布を測定し、測定位置と鱗片状材料の配向角度との対応関係を利用することにより鱗片状材料の配向角度の分布を求めるので、塗膜に含まれた鱗片状材料の配向角度を非接触非破壊で、簡便に且つ正確に定量化することができる。これによって、従来の配向状態の評価に必要とされる工数や手間から解放されることができるので、研究開発や生産現場に鱗片状材料の配向状態の情報を容易に定量的に提供することができる。
また、本発明の応用として、例えば、本発明の測定の簡便さを利用して、水性塗料の塗膜形成過程、例えば、塗装直後、予熱(PH)後、及び焼付乾燥後の鱗片状材料の配向状態の変化を追跡することができる。各過程の配向状態を比較することにより、一層良好な配向を得ることに資することができる。図7は、反射光測定装置にラインセンサーを使用して得られた3つの段階での鱗片状材料の配向状態を示している。図7より、塗装直後から予熱後の間には配向角度が最も大きく変化していることが分かる。このように、本発明を利用して塗膜形成過程において配向角度の変化を追跡するのが可能であることが確認された。
なお、本定量化システムに使用される光源部には、種々の波長の光(例えば白色光)を出力する光源でも、または特定の波長の光を出力する光源でも使用することが可能であり、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード、レーザー等、様々なものを使用することができる。即ち、光源は、輝度分布が明らかで、発色が安定していれば色に関しては特に限定されない。
但し、塗膜内部における減衰を考慮する場合、光源の波長は、連続スペクトルが好ましい。又、塗膜の色相に応じた輝線スペクトルを使用しても良い。300nm以下の短い波長の光は、塗膜にダメージを与える可能性があるので好ましくない。使用する波長の範囲は、受光器の感度とも関連するが、強度分布を解析可能であれば良い。可視光領域(380〜780nm)、及び近赤外領域(780〜2500nm)が実用に向いている。また、塗膜と光源との距離を考慮すると減衰が少ないほうが好ましいため、大型装置に設置する場合にはレーザー光を使用することが望ましい。レーザーには、波長405nm、532nm、635nm、1064nmなどの一般的なものを使用することができる。
さらに、塗膜に照射する光は、連続光、パルス光のいずれでもよい。塗膜もしくは鱗片状材料の色相に対する補色の関係にある波長の光を用いる場合には、吸収によって十分な反射強度が得られない場合があるため、光源の強度を増大させるか受光装置の感度を増大させる必要がある。パルス光は、上記の光源の強度を増大させた場合に塗膜が入射光のエネルギーによって劣化もしくは改質される恐れがあるために用いられる。また、パルス光は測定環境下において被測定物とは異なる物質からの反射光によるノイズを低減するためにも用いられる。
溶剤雰囲気下で測定する場合や、空気の対流があれば、ノイズが生じる恐れがある。その場合、パルス光を用いた方が、補正が容易となる。
また、本定量化システムに使用される反射光測定装置は、被測定物からの反射光を受光して反射光の強度を光電変換により電流値もしくは電圧値に変換して出力する受光装置である。受光装置には、フォトダイオード、CCD、CMOS、フォトマル(光電子増倍管)等が挙げられる他、感光材料で反射光を記録しスキャナーで読み込む方法もある。受光装置は市販の部品を組み合わせて構成してもよく、市販のデジタルカメラ、ビデオカメラ等でも可能である。反射光測定装置は単体でも複数でも構わない。また受光方法として単一の測定素子を順次移動させる方法と、複数の測定素子で同時に複数の点の反射光を受光する方法とがあるが、測定時間の短縮化の観点からは複数同時受光が望ましい。
反射光測定装置から得られる信号を記録するものとしては、演算装置(例えばパソコン)内のメモリ、データロガーなどが挙げられるが、手動での記録を排除するものではない。但し、多数の測定データを短時間に処理するためには機械的な記録方法が望ましい。
また、本発明は原理上、塗膜だけでなく、印刷物(例えば鱗片状の光輝性顔料を含むインクを用いた印刷物)、鱗片状物質を練りこんだプラスチック等への応用も可能である。測定対象、例えば塗膜は、基本的には平面であることが好ましい。但し、入射光の照射範囲内に、曲率の非常に小さい面を有することを仮定さえできれば、曲面状の塗膜でも測定可能である。鱗片状材料の濃度、色相など、被測定物の状態に関して制限はなく、未硬化塗膜の測定にも本発明を適用することが可能である。
さらに、入射光及び反射光の増幅や減衰、ビーム径(光束)の調整、位相変化、方向の変更などの目的のために、本定量化システムにおける光源部と被測定物(塗膜)との間、及び、被測定物と反射光測定装置との間に、レンズ、ミラー、虹彩絞り、NDフィルタ、偏光フィルタ、位相フィルタ、波長フィルタ、プリズム、ビームエキスパンダ、ピンホールなどの光学部品を設置することができる。上記光学部品は1種類であっても良いし、2種類以上であっても良い。均質な光束を得るために、光源部からの入射光を2枚のレンズで拡張し、ピンホールで入射光の中心部分を取り出す方法が望ましい。
入射光の被測定物への入射角度は特に限定されないが、鉛直方向から見て余りに大きい角度の場合には塗膜表面における正反射光強度が、鱗片状材料からの反射光に比べて強くなりすぎて、鱗片状材料の配向角度の測定に必要な反射強度の確保が難しいため、測定面に対して、0°〜60°程度が望ましい。
照射面積は、測定対象の塗膜に存在する鱗片状材料の量に依存する。例えば、1枚の鱗片状材料を1つの円と考える場合に、直径15μmの円が表面に並ぶと、直径0.5mmの範囲内には1000枚、直径1mmの範囲内には4000枚、直径3mmの範囲内には40000枚程度の鱗片状材料が入る。従って、塗膜中における鱗片状材料の配向分布を定量化するという目的を考えると、照射面積は、直径0.5mm以上とすることが好ましい。
次に、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
塗膜が形成された試験板の作成例を説明すると、次のとおりである。
脱脂及びりん酸亜鉛処理した鋼板(JISG3141、大きさ400×300×0.8mm)と、カチオン電着塗料「エレクロン9400HB」(関西ペイント株式会社製、エポキシ樹脂ポリアミン系カチオン樹脂・ブロックポリイソシアネ−ト化合物系の塗料)とを用意した。そして、該鋼板に「エレクロン9400HB」を、硬化塗膜方法で膜厚が20μmになるように電着塗装し、その後、170℃で20分加熱して架橋硬化させて電着塗面を得た。
中塗塗料「ル−ガベ−ク中塗りグレ−N−6」(関西ペイント株式会社製、ポリエステル樹脂・メラミン樹脂系の有機溶剤型の塗料)を用意した。上記で得られた電着塗面に、「ル−ガベ−ク中塗りグレ−N−6」を、硬化後の塗膜の膜厚が30μmになるようにエアスプレーで塗装し、140℃で30分加熱して架橋硬化させて、中塗り塗膜が形成された塗板を得た。該塗板を基材とした。
水酸基含有アクリル樹脂(水酸基価100、平均分子量20000)及びメラミン樹脂からなる樹脂成分を用意した。また、東洋アルミニウム社製の、固形分65質量%、平均粒径約16μmの、鱗片状アルミニウム顔料「アルペーストTCR−2060」を用意した。上記樹脂成分100質量部(固形分)あたり、上記鱗片状アルミニウム顔料を固形分として10質量部配合して攪拌混合し、塗装に適正な粘度に希釈して、固形分約30%の有機溶剤型塗料を調整し、各実施例及び比較例に使用するベースコート塗料を作成した。
作成したベースコート塗料を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブ−ス温度が20℃、湿度が75%の条件で硬化後の塗膜の膜厚が15μmとなるように上記で得た塗板に塗装した。塗装後、室温にて2分間放置した。
クリヤー塗料「ル−ガベ−ククリヤ−」(関西ペイント社製、アクリル樹脂・アミノ樹脂系有機溶剤型の塗料)を用意した。未硬化の塗膜(上記の塗装されたベースコート塗料の膜)上に該クリヤー塗料を、ミニベル型回転式静電塗装機を用いて、ブ−ス温度が20℃、湿度が75%の条件で硬化後の塗膜の膜厚が30μmとなるように塗装した。塗装後、この複数層の塗膜を室温にて15分間放置した後に、熱風循環式乾燥炉内を使用して、140℃で30分間加熱し、複数層の塗膜を同時に乾燥硬化せしめて試験板とした。
測定例について説明すると、次の通りである。
光源部として半導体レーザー(シグマ光機社製、635nm)を用いた。2枚のレンズを用いてレーザー光を拡張し、拡張したレーザー光を、ピンホールを用いて直径3mmの円形入射光として取り出して試験板に照射した。図8は、本実施例に使用された鱗片状材料の配向角度の定量化システムの一部を示す概念図である。均質な入射光を得るために、レーザー装置と塗膜の試験板との間に、2枚の凸レンズ及び1つの虹彩絞りユニットが配置された。これにより得られた反射光パターン(分布)を、塗膜からの距離L=20cmの位置に、塗膜に正対するように置かれている、有効受光面積13mmのフォトダイオード(浜松ホトニクス製、S2386)を移動させて測定した。具体的には、フォトダイオードは、該反射光パターンを反射光パターンの同心円の中心部分から周縁部分方向へ測定するように0.5cm(図3において、dが0.5cmずつ増える)間隔で移動させられて、それぞれの位置で光強度を測定し、電流値として出力した。出力された電流値は、フォトダイオードの位置(測定位置)と共に記録された。
次に、記録された上記の測定位置を光学理論に基づいて鱗片状アルミ顔料の配向角度に変換し、記録された電流値を、測定位置を基に受光角度及び測定距離について補正した。補正後の電流値をY軸とし、対応する配向角度をX軸とする平面において、電流値〜配向角度曲線を得た。該曲線を、配向角度に関して近似・補間しながら、配向角度の測定範囲において曲線と横軸(配向角度)との面積を求める。補正後の電流値と対応する配向角度差分との積算結果を上記面積で割り、さらに100を乗じた数値を頻度とする。頻度を縦軸に、変換後の配向角度を横軸にとって描かれる曲線を配向角度分布とした。
この配向角度分布と、塗膜の測定部位の切断面を走査顕微鏡(SEM)で観察し、長さ3mmの範囲に含まれる鱗片状アルミ顔料の配向角度から得られるヒストグラムとを比較したところ、良い一致を示した(図6参照)。
図9は、更なる複数の比較検証を示す図である。図9(a)〜図9(d)には、各試験板のFF値が1.86、1.59、1.25、及び1.51であり、アルミフレークの平均粒径が18、18、18、及び10μmである場合の比較を示している。
図示されているように、図9(a)には、配向角度の分散が小さく、反射光強度分布も中央に集中している場合が示されており、本発明により得られた配向角度分布曲線は、SEM画像解析により得られたヒストグラムの配向分布とほぼ一致を示している。同じ粒径のアルミフレークを有する図9(b)、図9(c)において、FF値が次第に小さくなり、配向角度の分散が大きくなっていく場合が示されているが、本発明により得られた配向角度分布曲線は、SEM画像解析により得られたヒストグラムの配向分布とほぼ一致を示している。より小さい粒径を有する図9(d)の場合においても、同様な結果が得られている。
本発明の方法による測定結果の有効性及び正確さについて、さらに、測定された配向角度の平均、分散、尖度、及び歪度という点から比較評価を行った。
具体的には、上記4種類の塗膜を対象に、本方法による測定は、配向角度θ=2〜12°に対応する受光角度θ’の範囲内で行われた。測定結果を統計処理し、各場合の配向角度の平均、分散、尖度、及び歪度を求めた(表1参照)。
また、測定を実施された各塗膜の断面のSEM画像に対して、同じ配向角度範囲(θ=2〜12°)の鱗片状材料のサンプルのみを抽出して統計処理をした。得られた各場合の配向角度の平均、分散、尖度、及び歪度は、同じく表1に示している。
Figure 0005317759
さらに、両方法に関して、最小自乗法を用いて各統計量について相関係数(R)を計算した(表1及び図10参照)。
図10(a)は、本発明の方法によって得られた配向角度の平均とSEM画像処理によって得られた配向角度の平均の比較を示し、図10(b)は、本発明の方法によって得られた配向角度の分散とSEM画像処理によって得られた配向角度の分散の比較を示している。
表1及び図10により、本方法による測定結果は、SEM断面観察から得られた配向角度分布と極めて高い相関(R=0.93〜0.99)を有することが分かる。即ち、本発明は、従来のSEMによる測定方法と同じように正確な測定結果を提供することができる。
1 演算装置
2 光源部
3 反射光測定装置
4 表示装置
11 CPU
12 メモリ
13 記録部
14 操作部
15 インタフェース部(I/F部)
16 バス

Claims (8)

  1. 塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化する方法であって、
    前記塗膜に対して所定の方向から前記塗膜面上の所定の領域に光を照射する第1工程と、
    前記塗膜によって反射された反射光の強度を複数の異なる測定位置で測定し、測定した前記反射光の強度について、前記測定位置と前記所定の領域との間の距離による光強度の変動を補正し、補正後の前記反射光の強度についての反射光強度分布を取得する第2工程と、
    前記測定位置を前記鱗片状材料の配向角度に幾何学的に変換させ、補正後の前記反射光の強度を前記配向角度の頻度に対応させて、前記反射光強度分布を前記鱗片状材料の配向角度分布に変換する第3工程と、を含むことを特徴とする塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  2. 前記第2及び第3工程において、前記反射光の測定装置の受光軸と、入射光の光軸との角度によって補正された反射光強度を用いることを特徴とする請求項1に記載の塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  3. 前記配向角度分布が、前記配向角度の頻度分布であることを特徴とする請求項1または2の何れか一項に記載の塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  4. 照射する前記光が白色光であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  5. 照射する前記光がレーザー光であることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  6. 前記レーザー光がパルス光であることを特徴とする請求項に記載の塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  7. 前記塗膜が、観察角度によって色の見え方が変化するメタリック色を呈するものであり、
    前記鱗片状材料が、鱗片状光輝性顔料であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化方法。
  8. 光照射装置、反射光強度測定装置、及び演算装置を備え、塗膜中の鱗片状材料の配向状態を定量化するシステムであって、
    前記光照射装置が、前記塗膜に対して所定の方向から前記塗膜面上の所定の領域に光を照射し、
    複数の異なる測定位置で、前記反射光強度測定装置が、前記塗膜によって反射された反射光の強度を測定して、前記演算装置に出力し、
    前記演算装置が、入力された前記反射光の強度について、前記測定位置と前記所定の領域との間の距離による光強度の変動を補正し、補正後の前記反射光の強度及び前記測定位置を基に反射光強度分布を取得し、前記測定位置を前記鱗片状材料の配向角度に幾何学的に変換させ、補正後の前記反射光の強度を前記配向角度の頻度に対応させて、前記反射光強度分布を前記鱗片状材料の配向角度分布に変換することを特徴とする塗膜中の鱗片状材料の配向状態の定量化システム。
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