JP5317430B2 - プローブセット、プローブ担体、及び真菌の判別同定方法 - Google Patents

プローブセット、プローブ担体、及び真菌の判別同定方法 Download PDF

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Description

本発明は、感染による疾患の原因菌の検出および同定に有用な遺伝子検査方法、ならびに遺伝子検査のためのキットに関する。
真菌が原因となる感染症としては、皮膚疾患、深在性真菌症などが挙げられる。
一方、皮膚に掻痒感があり、疱瘡状になっているような皮膚疾患があるとして、これを目視で原因を特定することは不可能である。一般に、水虫と呼ばれる白癬菌が原因となる皮膚疾患の場合もあれば、カンジダ等の酵母様真菌が原因の場合もある。これらは真菌が原因となる感染症である。あるいは、こういった真菌が原因ではなく、ヘルペスウィルス等が原因の場合もあり、アトピー性皮膚炎等の場合もある。こういった、皮膚疾患の原因の違いにより、投与する薬剤が全く異なるという事情があるため、皮膚疾患の原因が真菌であるのか、細菌やウィルスによるものなのか、また、真菌であっても糸状菌によるものなのか、酵母様真菌によるものであるのか等を迅速に診断する方法の開発が必要とされている。
一般に、患部から採取した検体を水酸化カリウム溶液で処理し、顕微鏡下で観察を行い、ここで菌糸が確認できれば、真菌が原因であると判断する。その上で、通常は、培養により菌種の同定が行われている。
一方、核酸の配列を決定することで、生物種を同定する方法が知られている。特許文献1では、病原真菌が一般的に持つリボソーマルRNA遺伝子を増幅することで、検体中の真菌を検出する方法が開示されている。また特許文献2では、病原真菌の中でもカンジダ・アルビカンスのミトコンドリアDNAを増幅することで、同菌を検出する方法が開示されている。また、特許文献3でも同様に血液中のカンジダ・アルビカンスを単離し、核酸を増幅することで同菌を検出できるプライマーが開示されている。
また、特許文献4には、磁性ビーズを用いて単離した菌の表面に対する抗原抗体反応によって、皮膚糸状菌の同定を行う方法が開示されている。
一方、爪から菌を単離することなく直接PCRにより核酸を増幅し、その増幅産物を制限酵素処理した断片の長さや数から、菌種を同定している報告がある(非特許文献1)。
さらに、従来の核酸配列の決定による生物種同定方法では、特許文献5などに詳細に説明されているように、菌を特異抗体固定化粒子等で分離した後に、遺伝子を検出する方法が一般的である。また、特許文献6では、DNAチップを用いることで一度の実験で、複数の候補となる原因菌種を一括で検出できる方法が開示されている。
特公平8−24600公報 特許第3167154号公報 米国特許第5426027号公報 特開2004−258024号公報 安澤ら, (2005), 日本医真菌学会雑誌第46巻増刊1号, 89頁 特開平11−142409号公報 特開2004−313181号公報
このように、皮膚疾患の原因となる真菌の菌種同定を、従来から有る技術により、行うことは可能である。
しかし、顕微鏡を用いた目視による同定を行う場合、顕微鏡の視野の中に真菌の菌体を見出すことが一般に困難である。また、見出した糸状の物体が、糸状菌の菌糸であるのか、酵母様真菌の仮性菌糸であるのか、あるいはゴミなのかを区別することが難しい場合もある。また、酵母様真菌か糸状菌かが分かっても、菌種の同定までは目視では不可能な場合も多い。
また、培養法による菌種の同定は、現在標準的に行われている方法であるが、通常約4週間と非常に時間がかかるのが一般的である。また、患者から採取したサンプルを確実に培養することは容易なことではない。そのため、培養に失敗して、サンプル中に真菌は存在しないという誤った結果(偽陰性)を導き出してしまう可能性が高い。
また、皮膚には、通常、常在菌と呼ばれる必ずしも疾患を起こしているわけではない菌も存在しており、この常在菌のみが選択的に増殖してしまい、正しく疾患の原因菌を同定できない場合もある。
さらに、従来の核酸配列の決定による生物種同定方法では、特許文献5などに詳細に説明されているように、菌を特異抗体固定化粒子等で分離した後に、遺伝子を検出する方法が一般的である。菌の単離を行う操作後に、さらに核酸の抽出を行い、さらに抽出された核酸の配列決定を行うのは、非常に繁雑な操作が要求される。
さらに、従来の核酸配列の決定による生物種同定方法では、特定したい菌種ごとにプライマーセットを設計した上で、存在が疑われる菌種ごとにPCRによる増幅実験を行う必要がある。そのため、実験は想定される菌種の数だけ複数回行う必要がある。また、1回の実験で複数のプライマーセットによるPCRを多重化して行う方法もマルチプレックスPCR法として一般に考案され実施されているが、それにより実験が複雑化することは避けられない。また、プライマー毎に異なる標識を導入する、あるいはPCR後に熱解析を行うなど、同時に検出可能な菌種数には制限がある。さらに、実験を複数回行うにせよ1回の実験で多重化するにせよ、候補となる菌種用に設計されたプライマーでの増幅をそれぞれ行うために、候補となる菌種数に合わせて検体採取量を増やさなければならないという問題もある。
このような核酸配列の決定における問題を解決する方法として、特許文献6では、DNAチップを用いることで一度の実験で、複数の候補となる原因菌種を一括で検出できる方法が開示されている。特許文献6で開示されている方法は、病原細菌の16S rRNA領域を対象とした方法であるが、真菌では16S rRNAが存在しないために、この方法を使用することはできない。
抗原抗体反応を用いて検出する方法においては、特許文献4に記載の方法によると、菌を含む試料中から、抗原抗体反応を阻害する物質を取り除くために、菌体の単離を必要としている。また、菌の表面の抗原に対する抗体反応であるため、例えば類縁の菌など、表面構造が似ている菌同士を十分に区別できる抗体を用意することは容易ではない。
非特許文献1に開示されているPCR−RFLP法による菌種同定では、PCR増幅産物を制限酵素処理することで、菌種によって切断箇所が変わることを期待する方法である。これは、制限酵素処理した後に、菌種によって生じる断片の数や、断片の長さの特徴から、菌種の同定を行うものである。この方法によると、検出を期待する複数の菌種が存在する場合、それらの菌種間では、制限酵素処理により生じる断片の数と長さが、それぞれ異なるように、制限酵素を選択する必要がある。このため、対象とする菌種が増えた場合には、適切な制限酵素の選択が非常に複雑になる。また、皮膚には常在菌と呼ばれる必ずしも感染症の起炎菌ではない菌が存在することが知られており、非特許文献1に記載のように菌の単離を行わず核酸を直接抽出した場合には、感染症の起炎菌の核酸と常在菌の核酸が混在する可能性が高い。この場合、対象として想定していない常在菌に由来する核酸が混入する可能性があるため、制限酵素処理をする事で得られる断片数や断片長の特徴は、想定外の複雑な組み合わせとなり、菌種同定を行うことは難しくなる。
本発明は、患部組織から核酸を抽出する工程、真菌が共通して保有する核酸配列領域の少なくとも一部を増幅可能なプライマーセットを用いて、抽出した核酸を増幅する工程、
増幅した核酸の、菌種の同定が可能な部分配列の情報を取得し、増幅した核酸の菌種を判別同定する工程を含む、真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該プライマーを用いた増幅反応が、PCR法であることを特徴とする真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該真菌が共通して保有する領域が、18SリボソーマルRNA遺伝子配列、ITS領域、23SリボソーマルRNA遺伝子配列から選ばれることを特徴とする真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該増幅した核酸の菌種を判別同定する工程が、菌種に特異的な部分配列から設計された核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を行い、得られるハイブリダイゼーション信号強度から菌種を判別同定する工程であることを特徴とする真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該増幅した核酸の菌種を判別同定する工程が、複数の菌種の菌に対してそれぞれの特異的な部分配列から設計された核酸プローブからプローブセットを構成し、構成したプローブセットを固定した担体を用いることを特徴とする真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該プローブセットを構成する複数のプローブの各々が、担体上に、互いに隔離して配置されているプローブ担体を使用することを特徴とする真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該プローブセットを構成する核酸プローブが、ハイブリダイゼーション条件を単一化できるように性状が均一化されていることを特徴とする、真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該プローブセットを構成する核酸プローブが、融解温度が一定の範囲内に納まるよう均一化されていることを特徴とする、真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明は、該増幅した核酸の菌種を判別同定する工程が、菌種毎に各プローブから得られるハイブリダイゼーション信号の強度の強弱の程度が異なることを利用することを特徴とする、真菌の菌種同定方法である。
さらに、本発明の真菌の菌種同定方法においては、 前記核酸プローブとして、下記第1群乃至第29群の各プローブ及びその相補的配列からなるプローブから選択された少なくとも3種のプローブを含み、以下の(A)及び(B)の条件を満たすプローブセットが使用される。
(A):(1)第1群に属する第1のプローブと、第2群に属する第2のプローブを含むか、または、(2)前記第1のプローブに対して相補的な塩基配列からなる第3のプローブと、前記第2のプローブに対して相補的な塩基配列からなる第4のプローブを含む。
(B)以下の菌種:
Candida intermedia(第5群)、
Trichosporon asahii(第12群)、
Epidermophyton floccosum(第16群)
Arthroderma otae(第17群)
Arthroderma gypseum(第18群)
Arthroderma benhamiae(第19群)、
Trichophyton rubrum(第20群)
Trichophyton tonsurans(第21群)
Trichophyton verrucosum(第22群)
Trichophyton violaceum(第23群)
Arthroderma vanbreuseghemii(第24群)
Arthroderma incurvatum(第25群)
を検出するための下記第5群、第12群、第16群、第17群、第18群、第19群、第20群、第21群、第22群、第23群、第24群及び第25群から選択された少なくとも1種からなる第5のプローブを含むか、または第5のプローブに対して相補的な配列からなる第6のプローブを含む。
第1群:
(1)tctttgaaacaaacttgctttggcgg(配列番号1)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ccgccagaggtctaaacttacaacc(配列番号2)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gacggtagtggtaaggcgggat(配列番号3)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)ggcggtaacgtccaccacgtat(配列番号4)からなる塩基配列を有するプローブ
第2群:
(1)tgtgttttgttctggacaaacttgctttg(配列番号5)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ctgccgccagaggacataaacttac(配列番号6)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)tagtggtataaggcggagatgcttga(配列番号7)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)tctggcgtcgcccattttattcttc(配列番号8)からなる塩基配列を有するプローブ
第3群:
(1)ggtgttttatcacacgactcgacact(配列番号9)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ggagttctcccagtggatgcaaac(配列番号10)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ggccatatcagtatgtgggacacg(配列番号11)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)aggttttaccaactcggtgttgatctag(配列番号12)からなる塩基配列を有するプローブ
第4群:
(1)gcttaactgcgcggcgaaaaac(配列番号13)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)agataggttgggccagaggtttaaca(配列番号14)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)tcttagtcggactaggcgtttgctt(配列番号15)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)tcgttgaatggtgtggcgggat(配列番号16)からなる塩基配列を有するプローブ
第5群:
(1)gtgttgccttccgaaatatcacagttg(配列番号17)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)cagttgtcgcaatacgttacttcaacttt(配列番号18)からなる塩基配列を有するプローブ
第6群:
(1)gcggccagttcttgattctctgc(配列番号19)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)agctcgtctctccagtggacataaac(配列番号20)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ttgaaagtggctagccgttgcc(配列番号21)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)tcgtggtaagcttgggtcatagagac(配列番号22)からなる塩基配列を有するプローブ
第7群:
(1)agcggaacgaaaacaacaacacct(配列番号23)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)acctagtgtgaattgcagccatcg(配列番号24)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gacgtgtaaagagcgtcggagc(配列番号25)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)gcgagtgttgcgagacaacaaaaag(配列番号26)からなる塩基配列を有するプローブ
第8群:
(1)ctcgaggcattcctcgaggcat(配列番号27)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)aggcgttgctccgaaatatcaacc(配列番号28)からなる塩基配列を有するプローブ
第9群:
(1)tggggcctgccagagattaaact(配列番号29)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gtgttgagcgatacgctgggttt(配列番号30)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)gttttttccactcattggtacaaactcca(配列番号31)からなる塩基配列を有するプローブ
第10群:
(1)accgccagaggttataactaaaccaaa(配列番号32)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gagcaatacgctaggtttgtttgaaagaa(配列番号33)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)acgcttattttgctagtggccacc(配列番号34)からなる塩基配列を有するプローブ
第11群:
(1)tgaactgttgattgacttcggtcaattga(配列番号35)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)gcgtgtttaacttgtcttatctggcg(配列番号36)からなる塩基配列を有するプローブ
第12群:
(1)gttctactacttgacgcaagtcgagt(配列番号37)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)ttgggcgtctgcgatttctgatc(配列番号38)からなる塩基配列を有するプローブ
第13群:
(1)caacggatctcttggcttccaca(配列番号39)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)ttgagagtcatgaaaatctcaatccctcg(配列番号40)からなる塩基配列を有するプローブ
第14群:
(1)cccgtgtctatcgtaccttgttgc(配列番号41)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)tgaacgctgttctgaaagtatgcagt(配列番号42)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)gccagccgacacccaactttatt(配列番号43)からなる塩基配列を有するプローブ
第15群:
(1)cccatccgtgtctattgtaccctgt(配列番号44)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)acacgaacactgtctgaaagcgtg(配列番号45)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)cctgccgacgttttccaaccat(配列番号46)からなる塩基配列を有するプローブ
第16群:
(1)tctctctgaatgctggacggtgtc(配列番号47)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ctcgccgaaggagtgattctcaga(配列番号48)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ttccaccgggagaggagaaagg(配列番号49)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)acaaaaccagcgccttcaggac(配列番号50)からなる塩基配列を有するプローブ
第17群:
(1)cctgagggggactcttgtttcct(配列番号51)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)cgccggaggattactctggaaaac(配列番号52)からなる塩基配列を有するプローブ
第18群:
(1)gtccggggacaatcaactccct(配列番号53)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)aatccatgaatactgttccgtctgagc(配列番号54)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)ggccggttttctggcctagtttt(配列番号55)からなる塩基配列を有するプローブ
第19群:
(1)agcctctttgggggctttagct(配列番号56)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)acagacatcaaaaaatcttggaaagctgt(配列番号57)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ctgggcgaatgggcagtcaaac(配列番号58)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)ctctggccttcccccaaatctc(配列番号59)からなる塩基配列を有するプローブ
第20群:
(1)agacaccaagaaaaaattctctgaagagc(配列番号60)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gaatgggcagccaattcagcgc(配列番号61)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)cttctgggagcctcgagccg(配列番号62)からなる塩基配列を有するプローブ
第21群:
(1)cggcgagcctctctttatagcg(配列番号63)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)cctctctttatagcggctcaacgc(配列番号64)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)ggctttctaggcgaatgggcaa(配列番号65)からなる塩基配列を有するプローブ
第22群:
(1)aggacagacatcaaaaaatcttgaagagc(配列番号66)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)aagctcggcttgtgtgatggac(配列番号67)からなる塩基配列を有するプローブ
第23群:
(1)acaccaaggaaaattctctgaagggc(配列番号68)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)ccaaggaaaattctctgaagggctgt(配列番号69)からなる塩基配列を有するプローブ
第24群:
(1)tctctttagtggctcaacgctgga(配列番号70)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)ggacagacgcaaaaaaattctttcagaag(配列番号71)からなる塩基配列を有するプローブ
第25群:
(1)tgggcaataaccagcgcctcta(配列番号72)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)tcagggatgcatttctctgcgaatc(配列番号73)からなる塩基配列を有するプローブ
第26群:
(1)cctctctttagtggctaaacgctgg (配列番号74) からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)cgccctggcctcaaaatctgtt (配列番号75) からなる塩基配列を有するプローブ
第27群:
(1)ttcgagcgtcatttcaacccctc(配列番号76)からなる塩基配列を有するプローブ
第28群:
(1)gttgacctcggatcaggtagggat(配列番号77)からなる塩基配列を有するプローブ
第29群:
(1)aactttcaacaacggatctcttggttct(配列番号78)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gcatcgatgaagaacgcagcga(配列番号79)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)gtgaatcatcgaatctttgaacgcaca(配列番号80)からなる塩基配列を有するプローブ
さらに、本発明は、前記プローブ担体と、プローブと標的核酸との反応を検出するための試薬と、を含むことを特徴とする真菌の菌種同定用のキットである。
本発明によれば、疾患の原因となる真菌の有無や、その菌種の同定を、従来の顕微鏡検査や培養による方法と比較して、確実かつ迅速に行うことが可能である。さらに、従来の、想定される菌ごとにプライマーを設計して、その増幅産物から菌種を同定する方法と比較して、簡便に菌種の同定が可能になる。また、さらに、従来の患部から菌を単離した後に遺伝子検査・抗体検査を行う方法と比較して、簡便に菌種の同定が可能になる。また、さらに、複数種類の菌から核酸が抽出されていても、各菌のプローブごとに独立したハイブリダイゼーション信号の解析が可能であることから、確実な菌種の同定が可能になる。
本発明の実施態様を図1により説明する。図1は、本発明の菌種同定方法の概要フロー図である。真菌に感染した患部を採取(101)した後、患部と菌とを一括して溶解・破砕するなどして、核酸を抽出する(102)。抽出された核酸は、真菌の種に非特異的であり且つ真菌が共通して保有する領域を増幅可能な核酸配列からなるプライマーにより増幅される (103) 。その後、増幅した核酸(増幅産物)の、菌種の同定が可能な部分配列の情報を取得するための分析を行う(104)。この分析結果の解析を行い(105)、菌種を同定する(106)。
核酸の増幅の際には、対象とする真菌のゲノム配列を、菌種によらず一括して増幅することができるプライマーであれば、単一のプライマーを用いても良いし、あるいは複数のプライマーを組み合わせたプライマーセットを用いても良い。
また、核酸の増幅の際には、標識の導入を行っても良い。
増幅した核酸の、菌種の同定が可能な部分配列の情報を取得するための分析には、プローブによるハイブリダイゼーション、菌種特異的な部分配列の配列決定、質量分析など、様々な方法がある。
プローブによるハイブリダイゼーションの手法を利用する際には、想定される複数の菌種に対して、各々特異的となる部分配列より設計されたプローブを同時に用いることが好ましい。これは、各々のプローブのハイブリダイゼーション強度を求めた後、総合的に判断することで、存在する可能性の高い菌と、可能性の低い菌とをより明確に判断することが可能になるためである。また、各々のプローブのハイブリダイゼーション強度から、複数種類の菌に同時に感染している場合に、感染している各々の菌を個別に同定することが可能となるためである。さらに、同時に利用するプローブが増えることにより、ハイブリダイゼーション結果から得られる情報に冗長性を持たせることが可能になるためである。さらに、ハイブリダイゼーション結果が、複数菌に対する同時検出の結果として、一覧性のあるデータとなるためである。
真菌による感染症として皮膚疾患を対象とする場合、皮膚疾患の患部には、皮膚疾患の原因となる菌と、健常人であっても通常存在する常在菌との、双方が存在する可能性がある。通常、疾患を起こしている菌は、常在菌と比較して、大量に患部に存在しているため、抽出できる核酸量比に差ができる。ここで、本発明の方法によれば、常在菌も疾患の原因菌も同様に増幅する核酸プライマーを用いて増幅処理をすることで、増幅後の核酸量の差は、抽出後の核酸量の差と比較して大きくなる。その結果、ハイブリダイゼーション信号の強度を検出する際には、その強度比が大きくなり、その信号強度の強度比から、常在菌と原因菌との判別も可能である。
皮膚疾患組織片から抽出した核酸には、皮膚由来のヒトゲノムが存在する。核酸プライマーによる増幅の際には、これらのヒトゲノムが増幅しないようなプライマーを設計・使用することが重要である。真菌が共通して保有する核酸配列領域の例としては、18SリボソーマルRNA遺伝子、ITS領域、26SリボソーマルRNA遺伝子が挙げられる。これらの領域の少なくとも一部を真菌であれば菌種に依存せずに一括して増幅することが可能なプライマーあるいはプライマーセットを設計することが重要である。これらのプライマーあるいはプライマーセットがヒトゲノムを増幅しないことは、その前提となる。
一方、毛根を除く毛髪・角層化した皮膚・爪等の細胞は脱核しているため、これらの検体から抽出した核酸にはヒトゲノムは含まれない。よって、検体から核酸が抽出され、真菌が共通して保有する核酸配列領域の少なくとも一部を増幅可能なプライマーセットにより増幅される場合は、何らかの真菌が検体中に含まれることを示す。
また、真菌による感染症として血液疾患を対象とする場合、抽出した核酸には白血球由来のヒトゲノムが存在する。この場合も、前記のように、ヒトゲノムを増幅せず、真菌ゲノムのみを選択的に増幅するプライマーを設計し使用する必要がある。
また、本発明の方法により、真菌が共通して保有する核酸配列領域の少なくとも一部を増幅可能なプライマーセットによる核酸の増幅が見られない場合は、皮膚疾患の原因は真菌ではないと判断できる。この場合は、細菌、ウィルス、アトピー、自己免疫疾患、薬疹その他の原因であることが推測されるため、治療のために使用する薬剤の候補を、迅速に絞り込むことができる。
増幅した核酸の、菌種の同定が可能な部分配列の情報を取得するための分析において、核酸プローブによるハイブリダイゼーションの手法を用いた場合、ハイブリダイゼーション信号を解析することで、菌種の同定が可能になる。ハイブリダイゼーション信号の解析により菌種の同定を行う際には、菌種判定ロジックを実装した判定ソフトウェアを用いても良い。図5は、本実施形態による判定ソフトウェアが動作する情報処理装置を示すブロック図である。本判定ソフトウェアは、中央処理装置(CPU)501、記憶装置502、RAM503、入出力装置504がバス505により接続された装置に実装される。すなわち、一般的なパーソナルコンピュータ、ワークステーション等に実装可能である。図5において、中央処理装置(CPU)501は、記憶装置502に保存された本実施形態のプログラムや、本実施形態のプログラム実行に必要なデータ等を、RAM503上に一時的に記憶し、本実施形態のプログラムの実行を行う。入出力装置504は、ディスプレイ、キーボード、ポインティングデバイス、印刷装置、ネットワークインターフェイス等を含み、本実施形態のプログラムの実行に際して、使用者とのインタラクションを行う。多くの場合、本実施形態のプログラムの実行は、この入出力装置504を介して、使用者が行う。また、使用者の実行結果参照や、プログラム実行時のパラメータ制御をこの入出力装置504を介して行う。判定ソフトウェアでは、ハイブリダイゼーション結果のデータを入力として受け取り、必要がある時は入力データの正規化を行った上で、データ解析を行う。その結果、出力として、ハイブリダイゼーションを行ったサンプル中の真菌の有無、あるいは真菌の存在確率、あるいは存在する菌種名などを出力する。
さらに、真菌の菌種同定のためのプローブを2つ以上組み合わせてなるプローブセットが提供される。このプローブセットを用いることで、以下の26種の真菌のいずれか1つ、あるいはその複数種を同時的に検出可能である。
1)カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
2)カンジダ・ダブリニエンシス(Candida dubliniensis)
3)カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)
4)カンジダ・ギリエルモンジイ(Candida guilliermondii)
5)カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)
6)カンジダ・ケフィル(Candida kefyr)
7)カンジダ・クルセイ(Candida krusei)
8)カンジダ・ルシタニアエ(Candida lusitaniae)
9)カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)
10)カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)
11)トリコスポロン・クタネウム(Trichosporon cutaneum)
12)トリコスポロン・アサヒ(Trichosporon asahii)
13)クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)
14)アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)
15)アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)
16)エピデルモフィトン・フロッコースム(Epidermophyton floccosum)
17)アルスロデルマ・オタエ(Arthroderma otae)
18)アルスロデルマ・ギプセウム(Arthroderma gypseum)
19)アルスロデルマ・ベンハミアエ(Arthroderma benhamiae)
20)トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)
21)トリコフィトン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)
22)トリコフィトン・ベルコースム(Trichophyton verrucosum)
23)トリコフィトン・ビオラセウム(Trichophyton violaceum)
24)アルスロデルマ・バンブルースゲミイ(Arthroderma vanbreuseghemii)
25)アルスロデルマ・インクルバーツム(Arthroderma incurvatum)
26)トリコフィトン・インテルジキターレ(Trichophyton interdigitale)
すなわち、本発明により、上記26種類の真菌の種に対して非特異的であり且つ真菌が共通して保有する領域としてITS領域を過不足なく検出するためのプローブセットが提供される。本発明にかかるプローブセットを構成するプローブは、真菌のITS領域のDNA配列そのもの、あるいはそのITS領域に特有な塩基配列を有する核酸を含むサンプルと反応せしめるためのプローブである。真菌の菌種同定に用いるプローブセットを構成し得るプローブとしては、下記第1群乃至第29群から選ばれるプローブ及びその相補的配列からなるプローブを挙げることができる。
第1群:
(1)tctttgaaacaaacttgctttggcgg(配列番号1)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ccgccagaggtctaaacttacaacc(配列番号2)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gacggtagtggtaaggcgggat(配列番号3)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)ggcggtaacgtccaccacgtat(配列番号4)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号1〜4の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第2群:
(1)tgtgttttgttctggacaaacttgctttg(配列番号5)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ctgccgccagaggacataaacttac(配列番号6)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)tagtggtataaggcggagatgcttga(配列番号7)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)tctggcgtcgcccattttattcttc(配列番号8)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号5〜8の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第3群:
(1)ggtgttttatcacacgactcgacact(配列番号9)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ggagttctcccagtggatgcaaac(配列番号10)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ggccatatcagtatgtgggacacg(配列番号11)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)aggttttaccaactcggtgttgatctag(配列番号12)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号9〜12の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第4群:
(1)gcttaactgcgcggcgaaaaac(配列番号13)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)agataggttgggccagaggtttaaca(配列番号14)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)tcttagtcggactaggcgtttgctt(配列番号15)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)tcgttgaatggtgtggcgggat(配列番号16)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号13〜16の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第5群:
(1)gtgttgccttccgaaatatcacagttg(配列番号17)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)cagttgtcgcaatacgttacttcaacttt(配列番号18)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号17〜18の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第6群:
(1)gcggccagttcttgattctctgc(配列番号19)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)agctcgtctctccagtggacataaac(配列番号20)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ttgaaagtggctagccgttgcc(配列番号21)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)tcgtggtaagcttgggtcatagagac(配列番号22)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号19〜22の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第7群:
(1)agcggaacgaaaacaacaacacct(配列番号23)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)acctagtgtgaattgcagccatcg(配列番号24)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gacgtgtaaagagcgtcggagc(配列番号25)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)gcgagtgttgcgagacaacaaaaag(配列番号26)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号23〜26の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第8群:
(1)ctcgaggcattcctcgaggcat(配列番号27)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)aggcgttgctccgaaatatcaacc(配列番号28)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号27〜28の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第9群:
(1)tggggcctgccagagattaaact(配列番号29)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gtgttgagcgatacgctgggttt(配列番号30)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gttttttccactcattggtacaaactcca(配列番号31)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号29〜31の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第10群:
(1)accgccagaggttataactaaaccaaa(配列番号32)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gagcaatacgctaggtttgtttgaaagaa(配列番号33)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)acgcttattttgctagtggccacc(配列番号34)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号32〜34の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第11群:
(1)tgaactgttgattgacttcggtcaattga(配列番号35)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gcgtgtttaacttgtcttatctggcg(配列番号36)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号35〜36の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第12群:
(1)gttctactacttgacgcaagtcgagt(配列番号37)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ttgggcgtctgcgatttctgatc(配列番号38)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号37〜38の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第13群:
(1)caacggatctcttggcttccaca(配列番号39)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ttgagagtcatgaaaatctcaatccctcg(配列番号40)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号39〜40の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第14群:
(1)cccgtgtctatcgtaccttgttgc(配列番号41)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)tgaacgctgttctgaaagtatgcagt(配列番号42)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gccagccgacacccaactttatt(配列番号43)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号41〜43の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第15群:
(1)cccatccgtgtctattgtaccctgt(配列番号44)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)acacgaacactgtctgaaagcgtg(配列番号45)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)cctgccgacgttttccaaccat(配列番号46)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号44〜46の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第16群:
(1)tctctctgaatgctggacggtgtc(配列番号47)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ctcgccgaaggagtgattctcaga(配列番号48)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ttccaccgggagaggagaaagg(配列番号49)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)acaaaaccagcgccttcaggac(配列番号50)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号47〜50の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第17群:
(1)cctgagggggactcttgtttcct(配列番号51)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)cgccggaggattactctggaaaac(配列番号52)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号51または52の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第18群:
(1)gtccggggacaatcaactccct(配列番号53)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)aatccatgaatactgttccgtctgagc(配列番号54)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ggccggttttctggcctagtttt(配列番号55)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号53〜55の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第19群:
(1)agcctctttgggggctttagct(配列番号56)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)acagacatcaaaaaatcttggaaagctgt(配列番号57)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ctgggcgaatgggcagtcaaac(配列番号58)からなる塩基配列を有するプローブ、
(4)ctctggccttcccccaaatctc(配列番号59)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(5)配列番号56〜59の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第20群:
(1)agacaccaagaaaaaattctctgaagagc(配列番号60)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gaatgggcagccaattcagcgc(配列番号61)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)cttctgggagcctcgagccg(配列番号62)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号60〜62の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第21群:
(1)cggcgagcctctctttatagcg(配列番号63)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)cctctctttatagcggctcaacgc(配列番号64)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)ggctttctaggcgaatgggcaa(配列番号65)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号63〜65の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第22群:
(1)aggacagacatcaaaaaatcttgaagagc(配列番号66)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)aagctcggcttgtgtgatggac(配列番号67)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号66または67の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第23群:
(1)acaccaaggaaaattctctgaagggc(配列番号68)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ccaaggaaaattctctgaagggctgt(配列番号69)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号68または69の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第24群:
(1)tctctttagtggctcaacgctgga(配列番号70)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)ggacagacgcaaaaaaattctttcagaag(配列番号71)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号70または71の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第25群:
(1)tgggcaataaccagcgcctcta(配列番号72)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)tcagggatgcatttctctgcgaatc(配列番号73)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号72または73の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第26群:
(1)cctctctttagtggctaaacgctgg (配列番号74) からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)cgccctggcctcaaaatctgtt (配列番号75) からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(3)配列番号74または75の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換、挿入もしくは付加がなされた変異配列からなるプローブ。
第27群:
(1)ttcgagcgtcatttcaacccctc(配列番号76)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)配列番号76の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第28群:
(1)gttgacctcggatcaggtagggat(配列番号77)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(2)配列番号77の配列に、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
第29群:
(1)aactttcaacaacggatctcttggttct(配列番号78)からなる塩基配列を有するプローブ、
(2)gcatcgatgaagaacgcagcga(配列番号79)からなる塩基配列を有するプローブ、
(3)gtgaatcatcgaatctttgaacgcaca(配列番号80)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
(4)配列番号78〜80の配列のいずれか1つに、前記プローブとしての機能を保持できる範囲内で、塩基の欠失、置換もしくは付加がなされた変異配列を有するプローブ。
上記の各群は、それぞれ2種乃至4種のプローブが属しており、上記の各群から選択されるプローブを用いたプローブセットは、最少で2種のプローブからなり、最大で80種のプローブから構成される。
本発明においては、第1群乃至第29群の各プローブ及びその相補的配列からなるプローブから選択された少なくとも3種のプローブを含むプローブセットを使用し、
前記プローブセットは、以下の(A)及び(B)の条件を満たすことを特徴とするものである。
(A):(1)第1群に属する第1のプローブと、第2群に属する第2のプローブを含むか、または、(2)前記第1のプローブに対して相補的な塩基配列からなる第3のプローブと、前記第2のプローブに対して相補的な塩基配列からなる第4のプローブを含む。
(B)以下の菌種:
Candida intermedia(第5群)、
Trichosporon asahii(第12群)、
Epidermophyton floccosum(第16群)
Arthroderma otae(第17群)
Arthroderma gypseum(第18群)
Arthroderma benhamiae(第19群)、
Trichophyton rubrum(第20群)
Trichophyton tonsurans(第21群)
Trichophyton verrucosum(第22群)
Trichophyton violaceum(第23群)
Arthroderma vanbreuseghemii(第24群)
Arthroderma incurvatum(第25群)
を検出するための下記第5群、第12群、第16群、第17群、第18群、第19群、第20群、第21群、第22群、第23群、第24群及び第25群から選択された少なくとも1種からなる第5のプローブを含むか、または第5のプローブに対して相補的な配列からなる第6のプローブを含む。
上記の変異配列は、プローブとしての機能を損なわない範囲内、すなわち、検出対象としての標的核酸配列にハイブリダイズしてこれを検出可能な範囲内での変異を有するものである。なかでも、ストリンジェントな条件で検出対象としての標的核酸配列にハイブリダイズし得る範囲での変異を有することが好ましい。変異の範囲を規定するハイブリダイゼーションの好ましい条件としては、後述する実施例における条件を挙げることができる。なお、ここでいう検出対象は、ハイブリダイゼーションを行う試料中に含まれるもので、感染症起炎菌に特有な塩基配列そのものであってもよいし、この特有な塩基配列の相補配列であってもよい。更に、かかる変異としては、1から数個の塩基の欠失、置換または付加がプローブ機能を保持する範囲内で行われた変異配列を挙げることができる。
これらのプローブの機能は、検査対象としての標的核酸配列に対するプローブ配列の特異性に大きく依存している。プローブ配列の特異性は、標的核酸配列に対する塩基の一致度合と、標的核酸配列とプローブ配列との間の融解温度から、評価することが可能である。また、プローブがプローブセットを構成する場合は、他のプローブ配列の融解温度とのバラ付きも性能を左右する条件となる。
これらのプローブ配列の設計にあたっては、同一種であれば異なる株であってもバラ付きの無いような当該菌種では一般的な領域が選択されている。また、当該菌種以外の菌種の配列とは3塩基以上の塩基の不一致箇所があるような特異的な領域が選択されている。また、プローブ配列と当該菌種の配列との融解温度と、プローブ配列と当該菌種以外の菌種の配列との融解温度の差が、10℃以上となるように設計されている。さらに、同一の担体に固定するプローブのそれぞれの融解温度が一定の範囲内に納まるように、特異性の高い領域に塩基の削除あるいは追加を行って設計されている。
本願の発明者らの実験によれば、プローブ配列のうち、連続した80%以上の配列が保存されている場合は、ハイブリダイゼーションの強度の減衰が少ないことが分かっている。このことから、本願により開示しているプローブ配列のうち連続して80%以上の塩基配列が保存されている変異配列であれば、プローブの機能は損なわないといえる。
ここで、上記の各群の検出機能は以下のとおりである。
第1群:カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)
第2群:カンジダ・ダブリニエンシス(Candida dubliniensis)
第3群:カンジダ・グラブラータ(Candida glabrata)
第4群:カンジダ・ギリエルモンジイ(Candida guilliermondii)
第5群:カンジダ・インターメディア(Candida intermedia)
第6群:カンジダ・ケフィル(Candida kefyr)
第7群:カンジダ・クルセイ(Candida krusei)
第8群:カンジダ・ルシタニアエ(Candida lusitaniae)
第9群:カンジダ・パラプシローシス(Candida parapsilosis)
第10群:カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)
第11群:トリコスポロン・クタネウム(Trichosporon cutaneum)
第12群:トリコスポロン・アサヒ(Trichosporon asahii)
第13群:クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)
第14群:アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)
第15群:アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)
第16群:エピデルモフィトン・フロッコースム(Epidermophyton floccosum)
第17群:アルスロデルマ・オタエ(Arthroderma otae)
第18群:アルスロデルマ・ギプセウム(Arthroderma gypseum)
第19群:アルスロデルマ・ベンハミアエ(Arthroderma benhamiae)
第20群:トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)
第21群:トリコフィトン・トンスランス(Trichophyton tonsurans)
第22群:トリコフィトン・ベルコースム(Trichophyton verrucosum)
第23群:トリコフィトン・ビオラセウム(Trichophyton violaceum)
第24群:アルスロデルマ・バンブルースゲミイ(Arthroderma vanbreuseghemii)
第25群:アルスロデルマ・インクルバーツム(Arthroderma incurvatum)
第26群:トリコフィトン・インテルジキターレ(Trichophyton interdigitale)
第27群:白癬菌群(第16群〜第26群の菌とそれに近縁の菌)検出用
第28群:糸状菌群(第14群〜第26群の菌とそれに近縁の菌)検出用
第29群:真菌群(第1群〜第26群の菌とそれに近縁の菌)検出用
これらのプローブ配列の相補的な配列もまた、同じ機能を有する為にプローブ配列として有効であり、これらの相補配列を有するプローブの2以上を用いてプローブセットを構成することができる。
各菌のプローブの設計は、DNA配列上のITS領部分より、当該菌に対し非常に特異性が高く、また、それぞれのプローブ塩基配列でばらつきがなく、十分なハイブリダイゼーション感度が期待できるように行った。
これらのプローブは、担体上に結合された1種以上の担体に固定した状態でのプローブと検体とのハイブリダイゼーション反応において、安定なハイブリッド体を形成し、良好な結果を与えるように、塩基配列の長さや、塩基の構成比を調整して、融解温度が一定の範囲内に納まるような塩基配列となるように設計されている。
また、これらのプローブ配列は、ITS領域全体の配列を決定することなく、特徴的な複数の部分を組み合わせることで、菌種の判定が可能であるように設計されている。
よって、これらのプローブ配列を用いることで、増幅した核酸の、菌種の同定が可能な部分配列の情報を取得できる。
さらに、本発明にかかる真菌の菌種同定用のプローブが固定されたプローブ担体(例えばDNAチップ)は、担体の所定位置にプローブを供給し、固定することにより得ることができる。担体へのプローブの供給には、種々の方法が利用できる。例えば、プローブが化学的結合(共有結合など)により担体に固定可能とし、これを含む液体をインクジェット法により担体の所定位置に付与する方法が好適に利用できる。これにより、プローブが担体から剥がれにくくなるうえ、感度が向上するという付帯的な効果も得られる。つまり、従来、一般的に用いられるスタンフォード法と呼ばれるスタンピング法によりDNAチップを作製した場合、塗布したDNAが剥がれやすい場合があるという欠点があった。また、DNAチップの作製方法としては、担体表面上でのDNA合成によりプローブを配置する方法がある(例えば、Affymetrixのオリゴヌクレオチドアレイ等)。この担体上でプローブを合成する方法では、プローブごとの合成量を均一に制御することが難しい為に、各プローブの固定領域(スポット)ごとにプローブの固定量が大幅に異なる場合が生じ易い。そのような各プローブの固定量にバラツキがあると、それを用いた検出結果に対する正確な評価ができない場合が生じる。このような観点から、本発明にかかるプローブ担体は、上述したインクジェット法を利用して作製されることが好ましい。上述したインクジェット法によれば、プローブが担体に安定に固定されは剥がれにくく、高感度と高精度の検出ができるプローブ担体を効率良く提供できるという利点がある。
担体に複数のプローブを固定して使用する上で、ハイブリダイゼーションのプロトコールを簡略化・単一化することができるように、プローブの融解温度は一定になるように設計するのが好ましい。
以下、本発明の好適な実施形態について、さらに詳細に説明する。
本明細書中で使用されている用語について以下に説明する。
「検体」とは、検査の対象として取得したものを示す。「試料」とは、検体を調整するなどして、DNAや核酸断片を含む状態にしたものを示す。「サンプル」とは、プローブと反応させる対象を示す。検体を直接プローブと反応させる場合には、「サンプル」には検体が含まれ、検体を調整した試料をプローブと反応させる場合には、「サンプル」には試料が含まれる。
本発明の菌種同定方法に用いるプローブ担体(例えば、DNAチップ)を用いた検査対象としてのサンプルには、ヒト、家畜等の動物由来のものがある。例えば、血液、髄液、喀痰、胃液、膣分泌物、口腔内粘液等の体液、爪、皮膚、毛髪等の組織片、尿及び糞便のような排出物等細菌が存在すると思われるあらゆるものが検査対象となる。また、食中毒、汚染の対象となる食品、飲料水及び温泉水のような環境中の水等、または空気清浄機等のフィルタなど、細菌による汚染が引き起こされる可能性のある媒体全てが検査対象として挙げられる。さらに、輸出入時における検疫等の動植物も検査の対象となる。
上記のような検体がDNAチップとの反応にそのまま利用できる場合には、それをサンプルとしてDNAチップと反応させて、その結果を分析する。また、検体をそのままDNAチップと反応させることができない場合には、標的物質の抽出、精製などの必要に応じた処理を検体に行って得た試料をサンプルとしてDNAチップと反応させる。例えば、標的核酸が検体に含まれている場合にこれを含むと想定される抽出物を試料から調製し、更に必要に応じて洗浄や希釈などの処理を行って検体溶液とし、これをDNAチップと反応させてもよい。更に、PCR増幅処理などを含む各種の増幅処理を行って標的核酸が検体に含まれている場合にこれを増幅してDNAチップと反応させる検体としてもよい。このような増幅核酸試料には、以下のものがある。
(a)ITS領域検出用に設計されたPCR反応用プライマーを用いて調製された試料。
(b)PCR増幅物を元にさらにPCR反応等を行って調製された試料。
(c)PCR以外の増幅方法により調製された試料。
(d)可視化のために各種標識方法により標識された試料。
また、DNAチップなどのプローブ固定担体の調製に用いられる担体としては、目的とする固相−液相反応を行うことができる特性を満たすものであればよい。例えば、ガラス基板、プラスチック基板、シリコンウェハー等の平面基板、凹凸のある三次元構造体、ビーズのような球状のもの、棒状、紐状、糸状のもの等を担体として用いることができる。さらに、その担体の表面はプローブの固定化が可能なように処理されたものであってもよい。特に、表面に化学反応が可能となるように官能基を導入したものは、ハイブリダイゼーション反応の過程でプローブが安定に結合している為に、再現性の点で好ましい形態である。
プローブの固定化には種々の方法が利用できる。一例として、マレイミド基とチオール(−SH)基との組み合わせを用いる方法が挙げられる。この方法では、プローブの末端にチオール(−SH)基を結合させておき、担体(固相)表面がマレイミド基を有するように処理しておく。これにより、担体表面に供給されたプローブのチオール基と担体表面のマレイミド基とが反応して共有結合が形成されプローブが固定化される。
マレイミド基の導入には、まず、ガラス基板にアミノシランカップリング剤を反応させ、次にそのアミノ基とEMCS試薬(N−(6−Maleimidocaproyloxy)succinimide:Dojin社製)との反応によりマレイミド基を導入する方法が利用できる。DNAへのチオール基の導入は、DNA自動合成機上5’−Thio
l−Modifier C6(Glen Research社製)を用いることにより行うことができる。固定化に利用する官能基の組み合わせとしては、上記したチオール基とマレイミド基の組み合わせ以外にも、例えばエポキシ基(固相上)とアミノ基(核酸プローブ末端)の組み合わせ等が挙げられる。また、各種シランカップリング剤による表面処理も有効であり、該シランカップリング剤により導入された官能基と反応可能な官能基を導入したプローブが用いられる。さらに、官能基を有する樹脂をコーティングする方法も利用可能である。
本発明にかかるプローブ担体を用いた感染症起炎菌DNAの検出は、少なくとも以下の工程(i)及び(iii)を有するDNA検出方法により行うことができる。
(i)患部から抽出した核酸からサンプルを調製する工程。
(ii)本発明にかかるプローブを固定したプローブ担体とサンプルとを反応させる工程。
(iii)前記プローブ担体上のプローブと前記サンプル中の核酸との反応の強度を検出する工程。
更に、少なくとも以下の工程(A)〜(C)の工程を有する検出方法とすることもできる。
(A)患部から抽出した核酸からサンプルを調製する工程。
(B)本発明にかかるプローブを固定したプローブ担体とサンプルとを反応させる工程。
(C)プローブ担体上のプローブとサンプル中の核酸との反応の有無を検出する工程。
(D)プローブとサンプル中の核酸の反応が検出される場合に、サンプル中の核酸と反応したプローブを特定し、プローブの塩基配列に基づいてサンプル中に含まれる感染症起炎菌のDNAを特定する工程。
先に述べたとおり、検体中に含まれる真菌の種に対して非特異的であり且つ真菌が共通して保有する領域としてITS領域を対象とし、その塩基配列をPCRで増幅させてこれをプローブ担体と反応させるサンプルとする場合には、感染症起炎菌の検出用プライマーセットを用いることができる。このプライマーセットとしては以下の公知の塩基配列を持つオリゴヌクレオチドをプライマーとして含むものが好適である。
(1)5' tccgtaggtgaacctgcgg 3' (ITS1;配列番号81)
(2)5' tcctccgcttattgatatgc 3' (ITS4;配列番号82)
よって、本発明の菌種同定方法では、上記ITS1及びITS4のそれぞれの塩基配列からなるプライマーセットを用いて、前期検体中の標的核酸をPCR増幅する工程を更に有していても良い。
以上説明したプローブセットと、サンプル中の核酸と各プローブとの反応を検出するための試薬とを少なくとも用いて真菌の菌種同定用のキットを構成することができる。このキットにおけるプローブセットは上述したように、担体にプローブセット固定したものとして提供しても良い。また、検出用試薬には、反応を検出するための標識や、前処理としての増幅を行う場合のプライマーが含まれてもよい。検出用試薬にプライマーを含む場合は、プライマーは真菌のITS領域のDNAを増幅するためのプライマーで構成されるものが好適である。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1) 真菌種同定用のDNAチップの作製
検出対象菌種の共通領域を増幅した核酸とハイブリダイゼーションを行ことで菌種の同定が可能なDNAチップを作製する。
[1.対象菌の設定]
本発明に記載した菌種同定方法の一実施形態では、対象となる真菌として、以下の表1に示す真菌を対象とした。
Figure 0005317430
表1に示す菌は、本発明の一実施形態として説明する菌種であり、上記以外の菌を対象菌として含む実施形態であっても本発明と同様の同定方法を適用できることは言うまでもない。
[2.対象領域の設定]
本発明に記載した菌種同定方法の一実施形態として、真菌の種に対して非特異的であり且つ真菌が共通して保有する領域として、ITS領域を対象とすることにした。その上で、表1に示す真菌種のITS領域を共通して増幅することができるプライマーとして、以下の表2に示す公知のプライマーを用いた。
Figure 0005317430
表2に示すプライマーは、対象領域としてITS領域を設定した上で、この領域を増幅するプライマーであるが、他の遺伝子領域を用いる場合には、その遺伝子領域の核酸配列に応じて、菌種を問わず共通して増幅できるプライマーを用いれば良いことは言うまでもない。
[3.菌特異的プローブの設計]
表2のプライマーで増幅した領域に対して、表1に示す菌ごとに特異的な領域から、次の表3に示すプローブを設計した。
Figure 0005317430
Figure 0005317430
Figure 0005317430
プローブは、菌種ごとに特異的なものだけではなく、27、28、29群として、菌をグループ化した上で、そのグループに特異的なプローブも設計した。
第27群の白癬菌共通プローブは、第16乃至26群の菌に共通する配列から設計されている。第28群の糸状菌共通プローブは、第14乃至26群の菌に共通する配列から設計されている。第29群の真菌共通プローブは、第1乃至26群菌に共通する配列から設計されている。
[4.DNAチップ作製]
表3に示すプローブを用いた一括検出を可能にするために、これらのプローブをガラス基板に固定したDNAチップを作製した。
[4−1.ガラス基板の洗浄]
合成石英のガラス基板(サイズ:25mm×75mm×1mm、飯山特殊ガラス社製)を耐熱、耐アルカリのラックに入れ、所定の濃度に調製した超音波洗浄用の洗浄液に浸した。一晩洗浄液中で浸した後、20分間超音波洗浄を行った。続いて基板を取り出し、軽く純水ですすいだ後、超純水中で20分超音波洗浄をおこなった。次に80℃に加熱した1N水酸化ナトリウム水溶液中に10分間基板を浸した。再び純水洗浄と超純水洗浄を行い、DNAチップ用の石英ガラス基板を用意した。
[4−2.表面処理]
シランカップリング剤KBM-603(信越シリコーン社製)を、1重量(wt)%の濃度となるように純水中に溶解させ、2時間室温で攪拌した。続いて、先に洗浄したガラス基板をシランカップリング剤水溶液に浸し、20分間室温で放置した。ガラス基板を引き上げ、軽く純水で表面を洗浄した後、窒素ガスを基板の両面に吹き付けて乾燥させた。次に乾燥した基板を120℃に加熱したオーブン中で1時間ベークし、カップリング剤処理を完結させ、基板表面にアミノ基を導入した。次いで、N-マレイミドカプロイロキシスクシイミド(以下EMCSと略す)を、ジメチルスルホキシドとエタノールの1:1混合(容量比)溶媒中に最終濃度が0.3mg/mlとなるように溶解したEMCS溶液を用意した。EMCSは、同仁化学研究所社製のN-マレイミドカプロイロキシスクシイミド(N-(6-Maleimidocaproyloxy)succinimido)である。
ベークの終了したガラス基板を放冷し、調製したEMCS溶液中に室温で2時間浸した。この処理により、シランカップリング剤によって表面に導入されたアミノ基とEMCSのスクシイミド基が反応し、ガラス基板表面にマレイミド基が導入された。EMCS溶液から引き上げたガラス基板を、先述のEMCSを溶解した混合溶媒を用いて洗浄し、さらにエタノールにより洗浄した後、窒素ガス雰囲気下で乾燥させた。
[4−3.プローブDNA]
前述の[3.菌特異的プローブの設計]で作製した真菌検出用プローブセットを純水に溶解し、それぞれ、最終濃度(インク溶解時)10μMとなるように分注した後、凍結乾燥を行い、水分を除いた。
[4−4.インクジェットプリンタによるDNA吐出、および基板への結合]
グリセリン7.5wt%、チオジグリコール7.5wt%、尿素7.5wt%、アセチレノールEH(川研ファインケミカル社製)1.0wt%を含む水溶液を用意した。続いて、先に用意した80種類のプローブ(表3)の夫々を上記の混合溶媒に規定濃度なるように溶解した。得られたDNA溶液をインクジェットプリンタ(商品名:BJF-850 キヤノン社製)用インクタンクに充填し、印字ヘッドに装着した。
なおここで用いたインクジェットプリンタは平板への印刷が可能なように改造を施したものである。またこのインクジェットプリンタは、所定のファイル作成方法に従って印字パターンを入力することにより、約5ピコリットルのDNA溶液を約120μmピッチでスポッティングすることが可能となっている。
続いて、この改造インクジェットプリンタを用いて、1枚のガラス基板に対して、印字操作を行い、アレイを作製した。印字が確実に行われていることを確認した後、30分間加湿チャンバー内に静置し、ガラス基板表面のマレイミド基と核酸プローブ末端のチオール基とを反応させた。
[4−5.洗浄]
30分間の反応後、100mMのNaClを含む10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)により表面に残ったDNA溶液を洗い流し、ガラス基板表面に一本鎖DNAを固定したDNAチップを得た。
[5.真菌からのDNA採取]
作製したDNAチップの性能を確認するため、以下の真菌株からDNAを抽出した。
[5−1.微生物の培養とDNA抽出]
以下の表4に示す真菌株を、定法に従って培養した。この微生物培養液から、核酸精製キット(FastPrep FP100A・FastDNA Kit:フナコシ株式会社製)を用いて、DNAの抽出と精製を行った。
Figure 0005317430
[5−2. 回収したDNAの検査]
回収された各真菌株のDNAは、定法に従って、アガロース電気泳動と260/280nmの吸光度測定を行い、その品質(低分子核酸の混入量、分解の程度)と回収量を検定した。本実施例では、約10μgのDNAが回収され、DNAのデグラデーションやリボソーマルRNAの混入は認められなかった。回収したDNAは、最終濃度50ng/μlとなるようにTE緩衝液に溶解し、以下の実施例に使用した。
[6.増幅と標識化]
[6−1.核酸の増幅:1st PCR]
抽出した核酸を増幅した。具体的には、表5に示す液組成で、表2に示すプライマーを用いて、PCRを行った。
Figure 0005317430
上記表5に示す組成の反応液を、図2に示すプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーを用いて増幅反応を行った。
反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いて精製した後、増幅産物の定量を行った。
ここで、あきらかな核酸の増幅が見られたことから、爪検体中には、何らかの真菌が存在することが分かった。
[6−2.核酸の増幅・標識:2nd PCR]
表6に示す標識用プライマーを用いて、2nd PCRを行った。
Figure 0005317430
具体的には、表2に示すITS4プライマーの5'末端にCy3を導入したものを標識用プライマーとした。
下記の表7の組成の反応液を図3に示すプロトコールに従って、市販のサーマルサイクラーで増幅反応を行った。
Figure 0005317430
反応終了後、精製用カラム(QIAGEN QIAquick PCR Purification Kit)を用いて精製し、標識導入済みサンプルとした。
[7.ハイブリダイゼーション]
[7−1.ハイブリダイゼーション反応]
前述の[6−2.2nd PCR]で説明する処理により得られた、増幅・標識された検体由来の核酸と、前述の[4.DNAチップ作製]にて説明される方法で作製されたDNAチップを用いて、ハイブリダイゼーション反応を行った。
具体的には、表8に示すハイブリダイゼーション溶液を用いて、図4に示すプロトコールに従いハイブリダイゼーション反応を行った。
Figure 0005317430
[7−2.蛍光測定]
上記ハイブリダイゼーション反応終了後、蛍光検出装置(Axon社製、GenePix 4000B)を用いて蛍光測定を行った。
[8.結果分析]
以下の表9〜表34に、蛍光測定により得られた蛍光輝度を示す。
Figure 0005317430
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上記表9〜表34の結果より、菌ごとの実験結果において80種類のプローブのそれぞれの蛍光輝度の高低のパターンが、それぞれに異なる特徴を示すことが分かる。このような菌ごとに異なる各プローブの蛍光輝度の高低のパターンを、以降「菌ごとの輝度プロファイル」と呼ぶこととする。輝度プロファイルは、本実施例に示す以外の実験においても、蛍光輝度の絶対値が異なる場合でも特徴的なプローブの蛍光輝度の高低のパターンがよく保存されており、すなわち輝度プロファイルとしては菌種ごとに保存されることが分かった。
以上より、本実施例に説明するプローブセットを固定した担体を用いると、菌ごとにハイブリダイゼーション後の蛍光輝度プロファイルが異なることから、真菌の菌種同定が可能であるといえる。
すなわち、検体中の、各検出対象菌のみを特異的に検出可能なプローブセットを固定したDNAチップを作成することができた。更に、このDNAチップを用いて、感染症起炎菌を同定することが可能になり、微生物由来のDNAプローブの問題を解決した。すなわち、オリゴヌクレオチドプローブは化学的に大量合成が可能であり、精製や濃度のコントロールが可能である。また、真菌の種による分類を目的に、同じ種の菌種は一括検出が可能で、しかも、他の種の菌は区別して検出できるようなプローブセットが提供できた。また、上記実施形態によれば、感染症起炎菌DNAのITS領域の塩基配列を過不足なく検出することにより、該感染症起炎菌の存在を効率良く、また高い精度で判定することができる。
また、以上に説明したように、検体に含まれる核酸を共通領域で増幅し、菌種特異的プローブでハイブリダイゼーションを行うことで、迅速かつ簡便に菌種同定を行うことが可能となった。
(実施例2) 爪疾患の原因菌の同定
爪疾患の患部から、培養を経ないで直接抽出したDNAを用いて、原因となる菌種を同定する。
[1.検体採取]
皮膚科病院に来院した患者のうち、インフォームドコンセントを得られた患者から、患部の爪検体を採集した。
この爪検体を2つに分け、一方は定法により培養による同定を行い、もう一方からは本発明にて説明する方法にて同定を行うものとする。
[2.前処理]
実施例1と同様に、DNAを抽出後に、表2に示すプライマーを用いて、増幅を行った。ここであきらかな核酸の増幅が検出されたことから、爪検体中に何らかの真菌が存在することが分かった。
増幅産物に対して、表6に示す標識用プライマーを用いて、標識を導入した後、ハイブリダイゼーション反応を行い、蛍光測定を行った。
以下の表35に、蛍光測定により得られた蛍光輝度を示す。なお、表35に記載の蛍光輝度は、同様の実験を3回行った結果の平均値である。また、表35には、菌を含まないネガティブコントロールでのハイブリダイゼーション時の輝度も同時に載せてある。
Figure 0005317430
Figure 0005317430
Figure 0005317430
[3.蛍光測定結果の解析]
[3−1.特徴的なプローブの特定]
表35に示す各プローブの蛍光輝度について、以下のような帰無仮説を立てた。
「帰無仮説:検体由来の核酸をハイブリダイゼーションして得られる蛍光輝度のばらつきは、ネガティブコントロール使用時の蛍光輝度のばらつきとの間に差はない。」
この帰無仮説に基づき、有意水準0.05であるとして、スチューデントのT検定を実施した。T検定の結果、P値は0.01368であった。今回は、有意水準を0.05であるとしており、帰無仮説は棄却されることとなった。すなわち、検体由来の核酸のハイブリダイゼーションによる蛍光輝度のばらつきとネガティブコントロールでの蛍光輝度のばらつきとは、有意に異なるといえる結果となった。
ここで、検体由来の核酸をハイブリダイゼーションした結果得られる蛍光輝度は有意にバラ付いていることから、特にばらつきの大きいプローブを選択する。
表35に示す検体由来の核酸に対する全プローブの平均輝度は1827.9で、標準偏差は6220.9である。平均+標準偏差より外れている有意に高い蛍光輝度を示すプローブは、以下の表36に示すプローブである。
Figure 0005317430
[3−2.モデル検体の輝度プロファイルとの比較]
(実施例1)において、今回のDNAチップにおける対象の26菌種ごとの輝度プロファイル得ることができた。この菌ごとの輝度プロファイルと、今回の臨床検体から得られた輝度プロファイルとの比較を行い、最も輝度プロファイルの特徴が類似している菌を求める。その結果、Trichophyton rubrumの輝度パターンと非常に類似していることが分かった。
[4.菌種同定]
[3−1.特徴的なプローブの特定]における表36の結果、あるいは[3−2.モデル検体の輝度プロファイルとの比較]によるモデルとなる菌の輝度パターンとの比較の結果から[1.検体採取]で採取した爪検体中に存在する真菌は、Trichophyton rubrumであるという結果となった。
また、約4週間の培養の結果、Trichophyton rubrumであるという結果が得られた。本発明の方法では4週間もの時間は必要としておらず、培養よりも迅速に菌種の同定を行うことができた。
本発明の方法によらないで、従来の生物種ごとの核酸を特異的に増幅することができるPCRキットを用いて同定を行う場合、候補となる菌種が今回のように26菌種考えられる場合は、26菌分のプライマーセットを用意する必要がある。その場合、増幅操作を26回行う必要があり、非常に繁雑な手順を要求されることになる。
以上に説明するように、患部である爪から採取した検体に含まれる核酸を共通領域で増幅し、菌種特異的プローブでハイブリダイゼーションを行うことで、従来の同定方法と比較して、迅速に菌種同定を行うことができた。
なお、本実施例では、爪検体中のTrichophyton rubrumを同定する例を説明したが、検体は爪以外に、毛髪や皮膚片等であっても同様の結果が得られる。また、検体中の菌がTrichophyton rubrumでなくても、同様に検出することが可能である。
(実施例3) 爪疾患の原因菌の同定(複数種菌の同定)
本実施例では、爪から複数の菌が抽出できた例を説明する。
[1.ハイブリダイゼーション]
前述の(実施例2)に示す方法と同様に、爪から抽出したDNAの増幅とハイブリダイゼーションを行った結果、次の表37に示す蛍光輝度が得られた。なお、表37に示す蛍光輝度は、同一の検体から抽出したDNAを用いて9回行った実験結果の中央値である。
Figure 0005317430
Figure 0005317430
Figure 0005317430
なお、この実験におけるネガティブコントロールでの各スポット輝度の平均は49.2で、標準偏差は18.7だった。
[2.菌種判定]
ハイブリダイゼーション結果から、菌種を判定するにあたり、判定ロジックを組み込んだソフトウェアを作成した。
[2−1.判定ソフトウェア]
判定ソフトウェアとして、図6に示すロジックを組み込んだ判定ソフトウェアを作成した。ステップ601では、ハイブリダイゼーション輝度が含まれるデータを入力する。ステップ602は、ネガティブコントロールのデータから、平均値とその標準偏差を求めるステップである。ステップ603は、ネガティブコントロールの各スポットの平均値と標準偏差から、各スポットの蛍光輝度について有意に高輝度となっていると判定するための閾値を求めるステップである。本実施例では、平均値に3倍した標準偏差を加算した値を閾値とし、この閾値を越えて高輝度なスポットが有意にハイブリダイゼーションが起こっているスポットであると判断する。本実施例のDNAチップでは、各菌ごとに2乃至4個のプローブが設計されているが、全てのプローブが閾値を越えているような菌を抽出するのが、ステップ604である。その結果として有意に強いハイブリダイゼーション反応が起きている菌名を表示するのが、ステップ605である。
[2−2.菌種判定]
表37に示すハイブリダイゼーション結果を入力として、判定ソフトウェアを使用した。
その結果、有意に高輝度になっている菌として、以下の表38に示す3菌を抽出することができた。
Figure 0005317430
なお、ネガティブコントロールを用いた実験においては、上記のような有意に高輝度なプローブは検出されなかった。以上より、本実施例における検体には、「Candida guilliermondii」「Candida parapsilosis」「Trichophyton rubrum」が含まれていると判定した。
また、(実施例1)において得られた菌ごとの輝度プロファイルとの比較を行った結果、どの菌の単一の輝度プロファイルとも類似はしていないことが分かったが、上記の3菌の輝度プロファイルを足しこんだ上で比較を行うと、類似していることが分かった。よって、事前に取得した輝度プロファイルを辞書データとして、類似プロファイルから菌判定を行う方法も有効であることが分かった。
[3.培養結果との比較]
本実施例における検体を培養した結果、「Trichophyton rubrum」の増殖が確認された。蛍光輝度からは、Trichophyton rubrumに比較してCandida guilliermondiiとCandida parapsilosisの輝度が低く、菌の量比としてTrichophyton rubrumが最も多かったことが推測される。この事から、菌の量比が原因でTrichophyton rubrum以外の増殖が確認されなかったということが推測され、本願発明による菌種同定方法が、従来の培養方法と比較して高感度であることがこの結果から言える。
本発明の実施態様を示すフロー図である。 1st PCRのプロトコールを示すフロー図である。 2nd PCRのプロトコールを示すフロー図である。 ハイブリダイゼーションのプロトコールを示すフロー図である。 判定ソフトが動作する情報処理装置を示す図である。 菌種判定のロジックを示すフロー図である。
符号の説明
101 患部を採取するステップである
102 核酸抽出のステップである
103 核酸の増幅反応のステップである
104 増幅産物の分析ステップである
105 増幅産物の分析結果の解析ステップである
106 菌種同定を行うステップである
501 中央処理装置
502 記憶装置
503 RAM
504 入出力装置
505 バス
601 輝度値データを入力するステップである
602 判定のための輝度値解析をするステップである
603 判定のための閾値を求めるステップである
604 プローブ輝度が有意に高い菌を抽出するステップである
605 判定結果を表示するステップである

Claims (10)

  1. 患部組織から核酸を抽出する工程と、
    真菌が共通して保有する核酸配列領域の少なくとも一部を増幅可能なプライマーセットを用いて、抽出した核酸を増幅する工程と、
    増幅した核酸の、菌種の同定が可能な部分配列の情報を取得し、増幅した核酸の菌種を判別同定する工程と、
    を含み、
    前記増幅した核酸の菌種を判別同定する工程が、菌種に特異的な部分配列から設計された核酸プローブとのハイブリダイゼーション反応を行い、得られるハイブリダイゼーション信号強度から菌種を判別同定する工程であり、
    前記核酸プローブとして、下記第1群乃至第29群の各プローブ及びその相補的配列からなるプローブから選択された少なくとも3種のプローブを含むプローブセットを使用し、
    前記プローブセットが、以下の(A)及び(B)の条件を満たす
    ことを特徴とする真菌の菌種同定方法。
    (A):(1)第1群に属する第1のプローブと、第2群に属する第2のプローブを含むか、または、(2)前記第1のプローブに対して相補的な塩基配列からなる第3のプローブと、前記第2のプローブに対して相補的な塩基配列からなる第4のプローブを含む。
    (B)以下の菌種:
    Candida intermedia(第5群)、
    Trichosporon asahii(第12群)、
    Epidermophyton floccosum(第16群)
    Arthroderma otae(第17群)
    Arthroderma gypseum(第18群)
    Arthroderma benhamiae(第19群)、
    Trichophyton rubrum(第20群)
    Trichophyton tonsurans(第21群)
    Trichophyton verrucosum(第22群)
    Trichophyton violaceum(第23群)
    Arthroderma vanbreuseghemii(第24群)
    Arthroderma incurvatum(第25群)
    を検出するための下記第5群、第12群、第16群、第17群、第18群、第19群、第20群、第21群、第22群、第23群、第24群及び第25群から選択された少なくとも1種からなる第5のプローブを含むか、または第5のプローブに対して相補的な配列からなる第6のプローブを含む。
    第1群:
    (1)tctttgaaacaaacttgctttggcgg(配列番号1)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)ccgccagaggtctaaacttacaacc(配列番号2)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)gacggtagtggtaaggcgggat(配列番号3)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)ggcggtaacgtccaccacgtat(配列番号4)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第2群:
    (1)tgtgttttgttctggacaaacttgctttg(配列番号5)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)ctgccgccagaggacataaacttac(配列番号6)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)tagtggtataaggcggagatgcttga(配列番号7)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)tctggcgtcgcccattttattcttc(配列番号8)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第3群:
    (1)ggtgttttatcacacgactcgacact(配列番号9)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)ggagttctcccagtggatgcaaac(配列番号10)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)ggccatatcagtatgtgggacacg(配列番号11)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)aggttttaccaactcggtgttgatctag(配列番号12)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第4群:
    (1)gcttaactgcgcggcgaaaaac(配列番号13)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)agataggttgggccagaggtttaaca(配列番号14)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)tcttagtcggactaggcgtttgctt(配列番号15)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)tcgttgaatggtgtggcgggat(配列番号16)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第5群:
    (1)gtgttgccttccgaaatatcacagttg(配列番号17)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)cagttgtcgcaatacgttacttcaacttt(配列番号18)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第6群:
    (1)gcggccagttcttgattctctgc(配列番号19)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)agctcgtctctccagtggacataaac(配列番号20)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)ttgaaagtggctagccgttgcc(配列番号21)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)tcgtggtaagcttgggtcatagagac(配列番号22)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第7群:
    (1)agcggaacgaaaacaacaacacct(配列番号23)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)acctagtgtgaattgcagccatcg(配列番号24)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)gacgtgtaaagagcgtcggagc(配列番号25)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)gcgagtgttgcgagacaacaaaaag(配列番号26)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第8群:
    (1)ctcgaggcattcctcgaggcat(配列番号27)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)aggcgttgctccgaaatatcaacc(配列番号28)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第9群:
    (1)tggggcctgccagagattaaact(配列番号29)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)gtgttgagcgatacgctgggttt(配列番号30)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)gttttttccactcattggtacaaactcca(配列番号31)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第10群:
    (1)accgccagaggttataactaaaccaaa(配列番号32)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)gagcaatacgctaggtttgtttgaaagaa(配列番号33)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)acgcttattttgctagtggccacc(配列番号34)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第11群:
    (1)tgaactgttgattgacttcggtcaattga(配列番号35)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)gcgtgtttaacttgtcttatctggcg(配列番号36)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第12群:
    (1)gttctactacttgacgcaagtcgagt(配列番号37)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)ttgggcgtctgcgatttctgatc(配列番号38)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第13群:
    (1)caacggatctcttggcttccaca(配列番号39)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)ttgagagtcatgaaaatctcaatccctcg(配列番号40)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第14群:
    (1)cccgtgtctatcgtaccttgttgc(配列番号41)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)tgaacgctgttctgaaagtatgcagt(配列番号42)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)gccagccgacacccaactttatt(配列番号43)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第15群:
    (1)cccatccgtgtctattgtaccctgt(配列番号44)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)acacgaacactgtctgaaagcgtg(配列番号45)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)cctgccgacgttttccaaccat(配列番号46)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第16群:
    (1)tctctctgaatgctggacggtgtc(配列番号47)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)ctcgccgaaggagtgattctcaga(配列番号48)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)ttccaccgggagaggagaaagg(配列番号49)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)acaaaaccagcgccttcaggac(配列番号50)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第17群:
    (1)cctgagggggactcttgtttcct(配列番号51)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)cgccggaggattactctggaaaac(配列番号52)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第18群:
    (1)gtccggggacaatcaactccct(配列番号53)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)aatccatgaatactgttccgtctgagc(配列番号54)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)ggccggttttctggcctagtttt(配列番号55)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第19群:
    (1)agcctctttgggggctttagct(配列番号56)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)acagacatcaaaaaatcttggaaagctgt(配列番号57)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (3)ctgggcgaatgggcagtcaaac(配列番号58)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (4)ctctggccttcccccaaatctc(配列番号59)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第20群:
    (1)agacaccaagaaaaaattctctgaagagc(配列番号60)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)gaatgggcagccaattcagcgc(配列番号61)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)cttctgggagcctcgagccg(配列番号62)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第21群:
    (1)cggcgagcctctctttatagcg(配列番号63)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)cctctctttatagcggctcaacgc(配列番号64)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)ggctttctaggcgaatgggcaa(配列番号65)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第22群:
    (1)aggacagacatcaaaaaatcttgaagagc(配列番号66)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)aagctcggcttgtgtgatggac(配列番号67)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第23群:
    (1)acaccaaggaaaattctctgaagggc(配列番号68)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)ccaaggaaaattctctgaagggctgt(配列番号69)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第24群:
    (1)tctctttagtggctcaacgctgga(配列番号70)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)ggacagacgcaaaaaaattctttcagaag(配列番号71)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第25群:
    (1)tgggcaataaccagcgcctcta(配列番号72)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)tcagggatgcatttctctgcgaatc(配列番号73)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第26群:
    (1)cctctctttagtggctaaacgctgg (配列番号74) からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (2)cgccctggcctcaaaatctgtt (配列番号75) からなる塩基配列を有するプローブ。
    第27群:
    (1)ttcgagcgtcatttcaacccctc(配列番号76)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第28群:
    (1)gttgacctcggatcaggtagggat(配列番号77)からなる塩基配列を有するプローブ。
    第29群:
    (1)aactttcaacaacggatctcttggttct(配列番号78)からなる塩基配列を有するプローブ、
    (2)gcatcgatgaagaacgcagcga(配列番号79)からなる塩基配列を有するプローブ、及び
    (3)gtgaatcatcgaatctttgaacgcaca(配列番号80)からなる塩基配列を有するプローブ。
  2. 前記プライマーセットを用いた増幅反応が、PCR法であることを特徴とする、請求項1記載の真菌の菌種同定方法。
  3. 前記真菌が共通して保有する核酸配列領域が、18SリボソーマルRNA遺伝子配列、ITS領域、23SリボソーマルRNA遺伝子配列から選ばれることを特徴とする、請求項1または2に記載の真菌の菌種同定方法。
  4. 前記プローブセットが、第7のプローブとして、前記第1群乃至第29群における前記第1乃至第6のプローブのそれぞれが属する群以外の他の群から選択した少なくとも1種のプローブまたはその相補的な配列からなるプローブを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真菌の菌種同定方法。
  5. 前記プローブセットが、第1群から第29群のそれぞれの群から選択される少なくとも1種のプローブまたはその相補的な配列からなるプローブを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の真菌の菌種同定方法。
  6. 前記プローブセットを構成する複数のプローブの各々が、担体上に、互いに隔離して配置されているプローブ担体を使用することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の真菌の菌種同定方法。
  7. 前記プローブセットを構成する核酸プローブのそれぞれにおいて、判定に適したハイブリダイゼーション条件が揃っている請求項1に記載の真菌の菌種同定方法。
  8. 前記プローブセットを構成する核酸プローブが、融解温度が一定の範囲内に納まるよう設計されていることを特徴とする、請求項1に記載の真菌の菌種同定方法。
  9. 前記増幅した核酸の菌種を判別同定する工程が、菌種毎に各プローブから得られるハイブリダイゼーション信号の強度の強弱の程度が異なることを利用することを特徴とする、請求項1に記載の真菌の菌種同定方法。
  10. 請求項に記載の真菌の菌種同定方法に用いられるプローブ担体と、プローブと標的核酸との反応を検出するための試薬と、を含むことを特徴とする真菌の菌種同定用のキット。
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