JP5317004B1 - 設置用センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】多くの電波照射による物体検知装置や、この検知装置以外で類似の電波を照射する装置が、同じ検知領域にあると、お互いの電波干渉によって、物体の存在判定(距離算出)が妨げられる事が多々ある。防止の手段は有るが、台数を多く設置する場合に防ぐ方法が限定されていた。
【解決手段】電波Dを周波数変調させながら検知領域Kに照射して、検知領域K内の物体Tで反射した反射波Rを受信することで、検知領域K内における物体Tの距離を算出する。電波Dの照射停止時に検知領域K内における物体Tまでの距離算出を妨げる干渉波Gの存在を判定すると共に、干渉波Gが存在しないと判定した場合に電波Dを照射して物体Tの距離を算出し、干渉波Gが存在すると判定した場合に電波Dの照射停止を保留する信号処理手段5に、電波Dの照射停止が所定の時間を超えた際に保留超過信号Hを出力する保留超過部7を備えている。
【選択図】図6

Description

本発明は、電波を自ら検知領域に照射し、この検知領域に侵入した物体からの反射波により物体までの距離を算出して、その存在を判定する物体検知装置を複数備えた設置用センサに関するものであって、より詳しくは、複数の物体検知装置から互いに電波を照射した際に発生する電波干渉や、検知領域へ侵入した物体からの電波等によって、物体の距離算出が妨害されることを、事前に防止する設置用センサに関するものである。
従来より、物体検知装置として自ら電波を検知領域に照射し、この検知領域に侵入した物体からの反射波により物体を検出する方法として、例えばFMCWレーダ装置等を利用した方法などが知られている。
前記FMCWレーダ装置等の物体検知装置を複数使用する場合においては、物体検知方法として自らの照射した電波の反射波を検出手段とするために、他から照射した電波と電波干渉し、検知領域に侵入した物体と誤って検知してしまう場合がある。
図10で示すように、例えば、複数の物体検知装置のうち1つの物体検知装置が、他の物体検知装置から照射した電波を、直接、或いは障害物からの反射波を受信すると、電波干渉が誘発される。
このような電波干渉によって干渉波が生じると、検知領域内に物体が存在しなくても、あたかも物体が存在する(図10中、物体T’が存在しない場合には、電波DaはDa’のように突き抜けるものの、他からの電波Db、Dcや、反射波Rdが届く)と誤判定をしてしまう。
又、FMCWレーダ装置の場合、検知領域内に物体が存在しても、物体の反射波とのビート信号(照射した電波と反射波との差分信号)とは別の干渉波によるビート信号(照射した電波と干渉波との差分信号)が重畳し、存在する物体とは別の物体が検知領域内に存在するかのように誤判定をしてしまう場合もある。
上記の誤判定を防ぐ為に、従来は、複数の物体検知装置や、類似電波の照射装置による電波干渉を避ける為に、検知領域で利用する電波帯域を、周波数帯毎に区分けしたり、時間毎に制限して利用したり、電波干渉が起こらない様にそれぞれの利用電波を相互に干渉しない水平偏波と垂直偏波で利用する方法や、複数のレーダ装置間でネットワークを構築し、そのネットワーク内で、各レーダ装置の物体検知のタイミングを順次切り替えて干渉を回避する方法等があった。
しかしながら、検知領域で利用できる電波には、特定小電力無線局の移動体検知センサとして、24.05GHz以上24.25GHz以下との制限があり、周波数帯の区分けと水平・垂直偏波利用を同時に行っても、電波干渉を回避できる台数は数台であり、又、ネットワーク構築時の登録設定の煩わしさや、順次切り替わるレーダ装置同士の電波が被らないように、各レーダ装置の切替り間に、電波を照射しない時間(つまり、物体検知していない時間)を設ける必要があるなど、物体検知装置や類似電波の照射装置を多く設置する事に課題があった。
このように、物体検知装置を多く設置することを課題としたもので、従来、FMCWレーダ装置等が他レーダ装置から干渉を受けた場合の誤検知を防止するレーダによる手段検知を用いた踏切等の遮断侵入物検知装置が知られている(特許文献1)。
このレーダ侵入物検知装置は、送受信スイッチを逆相で切り替え、目標と自レーダの相対速度、距離を検出するFMCWレーダと、レーダにより固定距離に設置した少なくとも1つの基準反射断面積反射体からのレーダ検知受信レベルを検知する手段と、受信レベルがヌルとなる送受切替周波数にした時の信号レベルと閾値とを比較し、干渉障害を判別している。
特開2007−86009号公報(特許第4813859号公報)
しかしながら、上述の特許文献1に記載された遮断侵入物検知装置は、少なくとも1つの基準反射断面積反射体からレーダまでの距離が、固定距離だからこそ、送受信スイッチを逆相で切り替えただけで、基準反射体とレーダ間を遮断するレーダー搭載車からの出射波が、固定距離だけ離れた基準反射体からの反射波よりも、速く返ってきたことが認識でき、誤検出を防げるだけである。
従って、基準反射体付近にあるレーダー搭載車から電波が出射された場合には、誤検出してしまう。
又、特許文献1の遮断侵入物検知装置は、踏切等での設置を前提としているように、基準反射体から固定距離だけ離れた場所でなくては、レーダを設置できない等、設置条件に大きな制約がある。
そこで本発明は、多くの物体検知装置や類似の電波の照射装置を、検知領域に複数設置しても、自らの電波と他の電波とが電波干渉を起こさない環境下で物体までの距離算出を行う物体検知装置を複数備えた設置用センサを実現することを目的とする。
本発明に係る設置用センサは、電波Dを周波数変調させながら検知領域Kに照射して、この検知領域K内の物体Tで反射した反射波Rを受信することで、前記検知領域K内における物体Tまでの距離を算出する物体検知装置を複数備え、これら複数の物体検知装置が1つの同じ前記検知領域K内の物体Tを検知する位置に設置された設置用センサであって、前記物体検知装置それぞれは、前記電波Dを前記検知領域Kに照射自在な照射手段2と、前記反射波R又は干渉波Gを受信する受信手段3と、前記電波Dの照射停止時に前記検知領域K内における物体Tまでの距離算出を妨げる干渉波Gの存在を判定すると共に、前記干渉波Gが存在しないと判定した場合に前記電波Dを照射して物体Tまでの距離を算出し、前記干渉波Gが存在すると判定した場合に前記電波Dの照射停止を保留する信号処理手段5とを、1つずつ有しており、前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段5は、その内部だけで且つ外部との通信なしで且つ前記複数の物体検知装置同士の通信なしで、前記反射波R又は干渉波Gの何れかである受信した波に相当する信号と前記電波Dに相当する信号を乗算して出力されるビート信号に基づき、前記検知領域K内の物体Tまでの距離算出と、前記検知領域K内における干渉波Gの存在判定とをすると共に、前記電波Dの照射停止が所定の時間を超えた際に保留超過信号Hを出力して前記複数の物体検知装置同士の位置の不備を知らせる保留超過部7を備えていて、前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段5は、当該物体検知装置における照射手段2に、前記電波Dの周波数を周波数変動幅Δfだけ直線的に減少させながら当該電波Dを前記検知領域Kに照射させると共に、前記干渉波Gの存在判定を、当該干渉波Gに相当する信号と、前記電波Dに相当する信号として前記電波Dの周波数変動幅Δf内における最も高い照射直後の周波数と同じ値で周波数を一定とした信号とを乗算して出力されるビート信号に基づいて行い、前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段5は、前記物体Tまでの距離算出と前記干渉波Gの存在判定と前記保留超過信号Hの出力とをする第1〜6のステップS1〜S6を実行していて、前記第1のステップS1は、前記信号処理手段5が照射手段2に電波Dの照射を停止させる掃引制御信号を出力して前記第2のステップS2へ移るステップであり、前記第2のステップS2は、前記照射手段2が電波Dの照射を停止した状態で前記信号処理手段5が干渉波Gの存在判定をし、前記信号処理手段5が干渉波Gは存在すると判定した場合に前記検知領域K内での干渉波Gの存在を示す干渉信号を出力して前記第3のステップS3へ移り、前記信号処理手段5が干渉波Gは存在しないと判定した場合に前記干渉信号を出力せずに同じく前記第3のステップS3へ移るステップであり、前記第3のステップS3は、前記第2のステップS2で干渉信号の出力が有れば前記第6のステップS6へ移り、前記第2のステップS2で干渉信号の出力が無ければ前記第4のステップS4へ移るステップであり、前記第4のステップS4は、前記照射手段2が電波Dを1回照射する間に前記物体Tまでの距離を信号処理手段5が1回算出して前記第5のステップS5へ移るステップであり、前記第5のステップS5は、前記物体Tまでの距離算出の後に、前記信号処理手段5が照射手段2に電波Dの照射を停止させて前記第1のステップS1へ移るステップであり、前記第6のステップS6は、前記干渉信号が所定回数以上出力されていれば、前記電波Dの照射停止が所定の時間を超えたとして、前記信号処理手段5が前記保留超過信号Hを出力して前記第1のステップS1へ移るステップであることを第1の特徴とする。
尚、本発明における電波Dとは、一般的な電波の定義と同様に、電磁波のうち、周波数が3THz以下のものを言い、特に、周波数が300MHzから3THzまでのマイクロ波が好ましい。上述した特定小電力無線局の移動体検知センサとして物体検知装置1を設置するため、周波数が24.05GHz以上24.25GHz以下の電波Dを使用することとなる。
ここで、一般的に、電波Dなどを含む波動の干渉とは、複数の波動が重ね合わさることにより、新たな波動が発生することを言い、波動の干渉は、相関性の高い波動同士の時に顕著に表れ、例えば、発生源が同じである波動同士や、周波数が近い値又は同じ値である波動同士が重ね合わさった場合に生じる。
従って、本発明において、物体検知装置1が照射する電波D(又は反射波R)と、周波数が近い値又は同じ値の電波(妨害波Z)のみが、電波干渉を発生させ、物体検知装置1による距離算出を妨げることとなる。
すなわち、図10の如く、複数の物体検知装置1a〜1dを同じ検知領域Kに設置した場合では、ある物体検知装置1aにとって、他の物体検知装置1b、1cからの電波Db、Dc、他の物体検知装置1dからの電波Ddが物体Tで反射した反射波Rdが、妨害波Zとなり得る。
よって、本発明では、妨害波Zとしては、その妨害波Zの周波数F3が、電波Dや反射波Rの周波数帯と同じ値又は近い値をとる電波だけを想定すれば良い。
又、本発明における干渉波Gとは、厳密には、妨害波Zのみから成る波であるか、又は、この妨害波Zと照射した電波D、若しくは、妨害波Zと電波Dとその反射波Rが、電波干渉を起こして重ね合わさった波であり、反射波Rの周波数及び振幅に影響を与え、結果的に、物体Tまでの距離算出を妨げる波を言う。因みに、電波Dや反射波Rの周波数帯と同じ値又は近い値をとる妨害波Zであれば、その周波数F3以外に、その振幅や位相という要素も、反射波Rの周波数及び振幅に影響を与える。
本発明に係る設置用センサの第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段5は、前記干渉波Gの存在判定の履歴から、次に干渉波Gが発生すると予測される予測干渉時刻を求める干渉予測部8を備えていると共に、前記干渉波Gが存在すると判定した場合に、前記干渉予測部8による予測干渉時刻までに前記電波Dを照射する時間の有無を判断し、この照射する時間が有ると判断した際には、次に掃引制御信号が発生する時刻を待たずに、当該物体検知装置における照射手段2に電波Dを照射させる点にある。
これらの特徴により、本発明に係る物体検知装置1を複数備えた設置用センサは、電波Dの照射を停止しつつ、干渉波Gの判定をすることとなり干渉波Gの存在判定時には、判定に必要がない電波Dを照射しないことによって、複数ある物体検知装置1からの電波Dによる余計な干渉がなくなって干渉し合う確率を低減でき、干渉波G判定の精度が向上できる。
これと同時に、基準反射体から固定距離だけ離れた場所で設置する等の制約は一切なく、特許文献1のように、干渉波Gの発生源が、基準反射体付近にあるか否かなどにもよらず、干渉波Gの誤検出を低減できる。
これに加え、信号処理手段5によって、電波Dの照射停止時に検知領域K内における干渉波Gの存在を判定して、干渉波Gが存在しないとの判定時に電波Dを照射させて物体Tまでの距離を算出し、干渉波Gが存在するとの判定時に電波Dの照射停止を保留することで、物体検知装置1の設置現場でのネットワーク構築や、構築したネットワークへの登録設定が全く不要となり、装置1間で同期通信にかかる時間に、各物体検知装置1の電波Dの照射タイミングが束縛されない。
更には、ネットワークを構築した場合のように、各レーダ装置の切替り間における電波を照射しない時間は、必要なく、各物体検知装置1が、干渉波Gが存在しない期間内に、隙あらば、自らが電波Dを照射して距離算出を行う状態であり、先を争う形で物体検知が成されるため、物体検知していない時間がなくなる。
電波Dの照射停止が所定の時間を超えたことを保留超過信号Hによって知らせる際には、電波Dが照射保留された物体検知装置1の存在が、装置1の使用者に伝わり、この使用者が、検知領域K内の物体Tを確認したり、物体検知装置1の設置位置を修正して保留解除を行う事が可能となり、より信頼性の高い設置を行った複数の物体検知装置1を提供できる。
更に加えて、信号処理手段5内に、保留超過信号Hを出力する保留超過部7を備えることで、信号処理手段5外に、別途、保留超過部7を設けた場合よりも、物体検知装置1のコンパクト化が図れ、又、信号処理手段5と保留超過部7を一体的に製造でき、生産効率が上がる。
又、干渉波Gの存在判定の履歴から、今後の干渉波Gの変化を予測する際には、電波Dの照射に時間的余裕がないと判断した時には、干渉波Gの存在判定を、時間経過と共に履歴として記憶し、次に、いつ干渉波Gが来るかの判断に活かせると共に、干渉波Gの予測を組み合わせることにより、より信頼性の高い物体検知を行う事が出来る。
更に加えて、信号処理手段5内に、今後の干渉波Gの変化を予測する干渉予測部8を備えることで、上述と同様に、物体検知装置1のコンパクト化や、生産効率の向上が図れる。
そして、電波Dの照射1回につき、物体Tまでの距離を1回算出する(判定に必要がない期間に電波Dを照射しない)際には、複数ある物体検知装置1からの電波Dによる余計な干渉がなくなって干渉し合う確率を更に低減できるため、従来よりも各掃引にかかる時間が短縮、すなわち、各物体検知装置1の電波Dの照射停止の時間が短くなり、結果的に、物体検知装置1の同時使用可能台数が大幅に増加する。
尚、従来は、電波Dの1回の照射にかかる時間に比べて、信号処理手段5の算出速度が遅い場合もあった。
因みに、装置の同時使用可能台数を例示比較すれば、従来のFMCWレーダ装置の場合、相互に干渉させないために24.05GHz以上24.25GHz以下の周波数帯を区分けして(実質2区分程度)、この区分ごとに水平偏波と垂直偏波で利用した場合でも、多くとも4区分(つまり、最大の同時使用台数が4台)であった。
しかし、本発明に係る物体検知装置1を複数備えた設置用センサでは、物体Tまでの測定距離を200mと仮定した場合、反射波Rと電波Dとのビート信号の周波数は、後述するように、最大で250kHz程度となり、この2倍のマージンをとって、各物体検知装置1ごとに500kHz以上ビート信号の周波数が離れていれば、互いの検知に影響しないため、利用できる周波数帯を24.25GHz−24.05GHz=200MHzのうち上下10MHzのマージンをとって180MHzと少な目に見積もっても、180MHz÷500kHz=360台、つまり、180MHzの周波数帯で使用できる台数が360台と算出でき、同時使用可能台数を、4台から大幅に増やすことが可能となる。
電波の照射停止時に検知領域内における干渉波の存在を判定すると共に、干渉波が存在しないとの判定時に電波を照射させて物体までの距離を算出し、干渉波が存在するとの判定時に電波の照射停止を保留することで、電波干渉を受けない環境での物体検知が可能になり、誤判定を防ぐことが出来る。
本発明の物体検知装置の構成例を示すブロック図である。 干渉波がない場合の物体検知パターン例を示す図である。 干渉波がある場合の差分信号と干渉例を示す図である。 干渉波の存在判定をする構成の例を示す図である。 本発明の実施例1のフローチャート図である。 本発明の実施例1を説明するタイムチャート図である。 本発明の実施例2のフローチャート図である。 本発明の実施例3のフローチャート図である。 本発明の実施例3を説明するタイムチャート図である。 電波干渉が生じる環境を示した概略図である。
図1〜10に言及しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
<使用環境、全体構成>
図1は、物体検知装置1の一例であるFMCWレーダ装置の構成を示すブロック図であり、一般によく利用されているブロック図である
体検知装置1は、例えば、図10にて示された如く、複数の物体装置1a〜1dが設置された所定の検知領域Kにおいて、ある物体検知装置1aにとって、電波干渉が生じ得る環境(他の物体検知装置1b、1cからの電波Db、Dcや、他の物体検知装置1dからの電波Ddが物体Tで反射した反射波Rdが、妨害波Zとして入射し得る環境)でも使用できる。
物体検知装置1は、電波D(以下「照射波D」と言う)を検知領域Kに照射する照射手段2と、反射波R又は干渉波Gを受信する受信手段3と、反射波R又は干渉波Gと照射波Dとの差分信号Vを出力する差分出力手段4と、差分信号Vに基づいて物体Tまでの距離を算出する信号処理手段5を有している。
<照射手段2>
図1に示したように、照射手段2は、周波数を変調可能な基礎信号M(照射波Dと同等の周波数及び振幅を持つ信号、又は、後述の干渉基準信号N)を出力しつつ、この基礎信号Mを照射波Dとして、その周波数を変調させながら、照射波Dを照射自在とするものである。
ここで、「照射自在」とは、基礎信号Mを出力しつつも照射波Dを照射する場合と、この照射波Dの照射を停止して、基礎信号Mのみを出力する場合を言う。
このように、照射手段2は、基礎信号Mを出力しつつ、照射波Dを照射自在であれば、何れの構造でも良いが、例えば以下の構成であっても構わない。
尚、本発明において、周波数が変調可能な基礎信号Mとは、照射手段2が照射する電波Dと周波数及び振幅が同等の信号(電波Dに相当する信号)であるか、又は、干渉基準信号Nである。
又、本発明における干渉基準信号Nとは、電波D又は反射波Rに干渉可能な周波数を持ち、差分出力手段4で干渉波Gとの差分(差分干渉信号S)をとる際に、干渉の存在判定の基準となる信号を言う。又、この干渉基準信号Nの振幅は、反射波Rに相当する信号の振幅と同じ値又は近い値であっても良い。
照射手段2は、まずは、周波数を任意に変調可能な信号(振幅は一定でも良い)を発生させることが出来る変調信号発生器21を有しており、この他に、変調信号発生器21からの信号を増幅させる送信増幅器22と、この送信増幅器22から後述の送信アンテナ24までの経路を開閉させる送信スイッチ23と、この送信スイッチ23が閉じた時(ONの時)に送信増幅器22からの基礎信号Mを検知領域Kに照射する送信アンテナ24を備えている。
尚、基礎信号Mを出力する経路(経路L1)は、送信増幅器22と送信スイッチ23の間(送信増幅器22の下流側で且つ送信スイッチ23の上流側)に設けているが、基礎信号Mを出力しつつ、照射波Dを照射自在であれば良く、送信スイッチ23の構成は、限定されず、送信アンテナ24を塞いで、照射波Dを抑えるカバー等であっても構わない。
又、照射波Dの照射範囲・角度としては、特に限定はないが、例えば、左右方向よりも上下方向の照射角度を広くとって照射したり、その逆であったり、上下方向、左右方向の照射角度が略同一であっても良い。
<受信手段3>
図1に示したように、受信手段3は、照射手段2の送信アンテナ24から照射された照射波Dが、検知領域K内の物体Tで、周波数を変調させながら、反射した反射波R、又は、物体Tまでの距離算出を妨げる干渉波Gを受信するものである。
このため、受信手段3は、反射波R又は干渉波Gを受信して、これらに応じた信号とする受信アンテナ25と、この受信アンテナ25からの信号を増幅する受信増幅器26を備えている。
尚、一般的に、送信アンテナ24と受信アンテナ25を分けずに、一つのアンテナ(パッチアンテナ等)として構成を簡単にしても良い。
<差分出力手段4>
差分出力手段4は、受信手段3が受信した波と、照射手段2からの基礎信号Mとの差分信号Vを出力するミキサ27である。
図1で示したように、このミキサ27への入力は、照射手段2からの基礎信号M(照射波Dに相当する信号、又は、干渉基準信号N)を入力する経路L1と、受信手段3(受信増幅器26)からの信号(反射波R又は干渉波Gに相当する信号)を入力する経路L2の2つある。
又、照射手段2からの経路L1における信号の周波数をF1とし、受信手段3からの経路L2における信号の周波数をF2とする。
一方、差分出力手段4であるミキサ27の出力は、基本的に、(1)照射波Dに相当する信号と反射波Rに相当する信号とのビート差分信号B(つまり、B=D−R)と、(2)上述の干渉基準信号Nと干渉波Gに相当する信号との干渉差分信号S(S=N−G)の2種類である。
つまり、(1)はB=D−Rである場合であって、干渉波Gが生じておらず、照射波Dと本来の反射波Rとのビート差分信号Bによって、物体Tまでの距離が算出できる環境下である。
又、(2)は、S=N−Gである場合であって、干渉波Gは生じているものの、干渉基準信号Nとの干渉差分信号Sによって、干渉波Gの存在判定ができる環境下である。
尚、ミキサ27を成す回路は、照射手段2からの基礎信号Mと、受信手段3からの信号(反射波R又は干渉波Gに相当する信号)を入力(ミキシング)し、各信号における周波数の差を、出力信号の周波数とする回路である。
具体的には、ミキサ27は、アナログ乗算回路(差動増幅回路による乗算回路、対数変換による乗算回路)や、ひずみを利用するミキサ(トランジスタを用いたアクティブ・ミキサ、ダイオードを用いたパッシブ・ミキサ)など、何れの構成であっても良い。
因みに、ミキサ27は、何れの構成であっても、基礎信号Mと、受信手段3からの信号を下記式(1)の積和の公式で乗算した後、各周波数の差(F1−F2)の成分だけをフィルタ等で取り出すものとなる。
尚、式(1)で示されたように、ミキサ27から出力される差分信号Vの振幅は、基礎信号Mの振幅A1 と、受信手段3からの信号(反射波R又は干渉波Gに相当する信号)の振幅A2 を乗算したものの1/2となる。
従って、例えば、干渉波Gが存在しない場合、ノイズを除けば、受信手段3からの信号(干渉波Gに相当する信号)は、振幅A2 が0(周波数F2も0)となり、これを基礎信号Mに乗算しても、ミキサ27の差分信号Vの振幅は0となる(周波数(F1−F2)も0となる)。
<信号処理手段5>
信号処理手段5は、差分出力手段4(ミキサ27)からの差分信号Vに基づいて、検知領域K内の物体Tまでの距離を算出し、又、差分信号Vに基づいて干渉波Gの存在を判定する干渉判定部6を備えているものである。
又、信号処理手段5(信号処理回路32)内に、保留超過部7と干渉予測部8も設けられている。
図1に示したように、具体的には、信号処理手段5は、ミキサ27からの差分信号Vを所定の周波数帯域のみ通過させる距離バンドパスフィルタ28(以下「距離BPF28」という)と、この距離BPF28からの信号(アナログ信号)をデジタル信号に変換するA/D変換器29と、ミキサ27からの差分信号Vを所定の周波数帯域のみ通過させる干渉バンドパスフィルタ30(以下「干渉BPF30」という)と、この干渉BPF30からの信号に基づいて干渉波Gの存在判定を行う干渉波判定器31と、この干渉波判定器31やA/D変換器29からの信号を処理し、変調信号発生器21や送信スイッチ23に指令を与える信号処理回路32を有している。
尚、干渉BPF30と、干渉波判定器31を合わせて干渉判定部6とし、バンドパスフィルタとは、帯域通過フィルタのことである。又、図1のように、A/D変換器29と干渉波判定器31は、信号処理回路32内に設けられているが、信号処理回路32の外に設けられていても良い。
以下に、信号処理手段5による照射手段2、受信手段3、差分出力手段4を制御の流れを示す。
信号処理回路32による照射波Dに相当する周波数変調信号発生の指示信号C1をもとに、変調信号発生器21で任意の周波数に変調された周波数変調信号が発生される。
この周波数変調信号を、送信増幅器22で増幅することで基礎信号Mとなり、この基礎信号Mは、経路L1を通って、ミキサ27に送られる。
又、この基礎信号Mは、信号処理回路32による電波照射の指示信号C2で送信スイッチ23が閉(ON)となれば、送信アンテナ24により照射波D(電波D)として照射される。逆に、この送信スイッチ23が開(OFF)となれば、照射波Dが照射されずに、基礎信号Mだけが出力される。
送信アンテナ24より照射された照射波D(電波D)は、検知領域Kに侵入した物体Tなどの障害物により反射し、反射波Rとして、受信アンテナ25で受信される。
尚、反射波Rは、もともと、変調されながら照射された照射波Dが、物体Tで反射したものであるから、反射波Rも変調しながら、物体Tで反射することとなる。
受信アンテナ25で受信された反射波Rに相当する信号は、受信増幅器26を通してミキサ27で、照射手段2からの基礎信号Vとミキシングされる。
又、上述したように、照射手段2(送信増幅器22)からの信号の周波数がF1で、受信手段3(受信増幅器26)からの信号の周波数がF2であるから、ミキサ27からの出力である差分信号Vは、周波数(F1−F2)の信号となる。
ミキシングされたミキサ27(差分出力手段4)の出力は、距離BPF28及び干渉BPF30に導かれ、それらの出力信号を信号処理回路32に入力して、物体Tまでの距離算出や、干渉波Gの存在判定が行われる。
この干渉波Gの存在判定では、干渉BPF30の出力信号は、干渉波判定器31(コンパレータ等)を経て信号処理回路32に導かれ、干渉波判定処理が行われる。
一方、距離BPF28の出力信号は、A/D変換器29でA/D変換され信号処理回路32に導かれ、以下で説明する周波数解析処理が行われ物体検知処理が行われる。
<物体検知のパターン例>
図2は、干渉波Gの無い状態での物体検知パターン例を示す図である。
送信アンテナ24から照射される照射波Dは、信号処理回路32からの指示で変調信号発生器21によって、所定の掃引時間及び周波数変動幅に設定できるが、例えば、図2中のパターン<1> 及び<2> の照射波Dは、鋸波で掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する。
パターン<1> は、検知領域K内に物体Tが無い状態を説明する図である。物体Tが無い為に、当然に物体Tからの反射波Rを受信アンテナ25で受信することは出来ず、ミキサ27からの出力である差分信号V自体が発生しない。
パターン<2> は、検知領域K内に物体Tが有る状態を説明する図である。送信アンテナ24から照射された照射波Dは、物体Tに反射され、時間(遅延時間)Δτだけ遅れて受信アンテナ25で受信される。この遅延時間Δτは、物体Tとの距離に比例する。
尚、このパターン<2> において、
が成立する。つまり、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)は、遅延時間Δτ(すなわち、物体Tまでの距離)に、比例することがわかる。
因みに、このビート差分信号B用として設けられた距離BPF28の通過帯域について言及すれば、ビート差分信号Bは、物体Tからの距離が遠ければ遠いほど、照射波Dが物体Tで反射して戻ってくるまでに、反射波Rが微弱化して、S/N比が悪く(ノイズ成分の割合が大きく)なり、周波数解析処理が出来なくなる。よって、物体Tまでの最大測定距離x、つまり、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)の上限値Frmax が存在する。
又、照射波Dを照射した後、直ぐに反射波Rが返ってきた場合、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)の値は、非常に小さい(低周波)となり、周波数解析処理に時間を要し、実時間内に処理が終わらないため、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)の下限値Frmin も存在する。
従って、距離BPF28の通過帯域は、Frmin 以上Frmax 以下であれば良い。
ここで、ビート差分信号Bの周波数から物体Tまでの距離までの算出を、より具体的に示せば、例えば、掃引時間がΔT、周波数変動幅がΔfで、ビート差分信号Bの周波数が(F1−F2)で、物体Tまでの距離がxであり、光の速さをcとした場合、
から、遅延時間Δτと掃引スピードΔVが求められるが、
となり、この式(5)に、式(3)、(4)を代入すると、
となる。これをxについて解き直せば、
が、物体Tとの距離を算出する式である。
よって、例えば、掃引時間ΔT=1024μSec 、周波数変動幅Δf=180MHzで、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)≒176kHzであれば、これらを、上記式(7)に代入して、距離はx≒150mと算出され、この他、掃引時間や周波数変動幅を、ΔT=512μSec 、周波数変動幅Δf=90MHzのように変えたとしても、ビート差分信号Bの周波数が(F1−F2)≒117kHzであれば、距離はx≒100mと算出できる。
これとは逆に、物体Tまでの最大測定距離Xを算出するために、ビート差分信号Bにおける周波数幅が幾らになるかを算出する場合は、上記式(6)を利用すれば良く、例えば、物体Tまでの最大測定距離X=210mの物体検知装置1を作る場合、掃引時間ΔT=1024μSec 、周波数変動幅Δf=180MHzを、上記式(6)に代入して、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)≒246kHzで、約250kHzとなる。
つまり、この約250kHzという値が、約200mを測定射程とする物体検知装置1が、1台あたりで最低限確保すべき周波数幅であり、この約250kHzの2倍マージンをとった500kHz分だけ、互いの物体検知装置1の照射波Dの照射タイミングを離してやれば、200mを測定射程とする物体検知装置1同士で、干渉は発生しない。
これを詳解すれば、仮に、複数の物体検知装置1a〜1dのうち、ある装置1aが検知領域Kに照射した電波Dは、照射直後の周波数から連続的に離れていくが、その照射直後の周波数から測定射程200m往復分にあたる250kHzの更に2倍の500kHz分離れた時間後に、次の装置1bが同じ検知領域Kに電波Dを照射しても、先の装置1は、距離算出を2倍の余裕で既に終えており、なんら影響を受けない。
従って、2番目の装置1bの電波D照射から、500kHz分離れた時間後に、3番目の装置1cが同じ検知領域Kに電波D照射しても、2番目の装置1bの距離算出は、やはり影響を受けない。これは、3番目の装置1cと4番目の装置1dや、それ以降の各装置1、1、1・・・同士にも言える。
隙あらば、先を争って距離算出を行う各物体検知装置1であれば、当該装置1が電波Dを照射しようとする瞬間に、500kHz離れた電波が、同じ検知領域K内に存在しても、この電波は、物体Tまでの距離算出を妨げる干渉波Gと認識されず(電波干渉は発生せず)、当該検知領域K内に設置された数多くの物体検知装置1a、1b、1c、1d、1、1、1・・・同士は、500kHz刻みで、隙あらば先を争って照射波D(電波D)を連続で照射し続ける。
例えば、各装置1の照射波Dが、図2のパターン<1> 及び<2> のように、掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する場合であれば、ある1つの装置1dが照射した電波Dの照射直後の周波数が、利用できる周波数帯(例:180MHzの幅)内で、最も高い周波数(例:24.24GHz)であるが、その装置1dが電波Dを照射した「その瞬間」にも、先の装置1a、1b、1cから、最も高い周波数(例:24.24GHz)よりも低い周波数帯で、500KHz刻みの電波D(例:24.2395GHz、24.2390GHz、24.2385GHz)が照射され得ていて、互いに影響することなく存在し得る。
従って、この利用できる周波数帯を、24.25GHz−24.05GHz=200MHzのうち上下10MHzのマージンをとって180MHzと少な目に見積もった場合でも、180MHz÷500kHz=360台、つまり、180MHzの周波数帯で使用できる台数が360台と算出できる。
又、仮に、照射波Dの測定射程200m往復分にあたる250kHzに対して、10倍の2500kHzを更にマージンとしたとしても、180MHz÷2500kHz=72台の同時使用が可能となる。
尚、物体検知装置1では、距離算出だけではなく、反射波Rの反射強度、振幅(ビート差分信号Bの振幅)等によって、その物体Tが、反射しにくいもの(人など)か、表面が均一で反射しやすいもの(車など)か等が判断でき、検知領域Kにおける物体Tの認識や存在判定が可能となる。
又、照射波Dは、検知領域K内に物体Tが無くとも、建物や樹木など既知の物体Tから反射して、その反射波Rが発生する場合もある。このような既知の物体Tからの反射波Rによる検知を除く方法として、定常的な反射波Rと比較して既知の物体Tを取り除く処理等があり、通常実施されている。
又、実際のビート差分信号Bは、様々な周波数成分をもつ波形であるため、その周波数成分の中で最も多く含まれる周波数の値を求める必要がある。
そのため、一般的には、以下の式(8)に示すフーリエの変換公式を適用することで、ビート差分信号Bの周波数(F1−F2)スペクトルが得られ、そのスペクトルにおいて振幅又はエネルギーのピークを示す周波数成分を、ビート差分信号Bの周波数とし、物体Tまでの距離xを算出することとなる。
図2におけるパターン<3> は、検知領域K内に物体Tが有る状態で送信アンテナから照射される照射波Dは、鋸波で掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に増加する照射波Dを用いても、パターン<2> と同様に物体Tを判別できる事を示した図である。
図2におけるパターン<4> は、送信アンテナから照射される照射波Dは、掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に増加し、その後掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する三角波で照射波Dを用いても、パターン<2> と同様に物体Tを判別できる事を示した図である。
以上のように、本発明に用いる送信アンテナ24から照射される照射波Dは、鋸波で掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する照射波Dを用いても(パターン<1> ・<2> )、鋸波で掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に増加する照射波Dを用いても(パターン<3> )、掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に増加し、その後掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する三角波で照射波Dを用いても(パターン<4> )、同様の結果を得ることが出来る。
<干渉判定部6>
次に、信号処理手段5の一部である干渉判定部6について述べる。
図1にて示したように、干渉判定部6は、干渉BPF30と、干渉波判定器31を備えている。
図3のパターン<5> にて示したように、検知領域K内に物体Tは存在しないが、妨害波Z(図10中で、他の物体検知装置1から照射される電波Dなど)が存在する場合、受信アンテナ25は、妨害波Zを、干渉波Gとして受信する。
図4にて示した如く、この干渉波Gに相当する信号は、受信増幅器26で増幅後、周波数F2の信号としてミキサ27に入力され、照射手段2から出力された周波数F1の干渉基準信号Nと、ミキシングされる。
ミキサ27の出力であり且つ周波数が(F1−F2)である干渉差分信号Sは、干渉BPF30に入力された後、干渉BPF30の出力信号として、信号処理回路32内の干渉波判定器31に導かれ、干渉波判定処理が行われる。
この処理の際に、信号処理回路32は、干渉基準信号Nの発生の指示信号C3で、変調信号発生器21に、所定の周波数の信号を発生させ、この信号を送信増幅器22で増幅することで、干渉波Gの存在判定の基準となる干渉基準信号Nを出力させている。
尚、この干渉基準信号Nは、電波D又は反射波Rに干渉可能な周波数(電波Dや反射波Rの周波数と近い値又は同じ値の周波数)を持つことで、干渉の存在判定の際、判定の基準と成る信号である。この干渉基準信号Nが、照射手段2から経路L1を介して、差分出力手段4(ミキサ27)に入力される。又、干渉基準信号Nの振幅を、反射波Rの振幅と同じ値か又は近い値としても良い。
更に、この処理では、信号処理回路32による電波Dの照射停止の指示信号C4で送信スイッチ23が開(OFF)として送信アンテナ24から照射波Dが照射されないように制御されている。
ここで、干渉基準信号Nと干渉波Gに相当する信号をミキシングした干渉差分信号Sは、干渉BPF30で設定された帯域の周波数成分のみが通過して、信号処理回路32に入力される。
つまり、干渉BPF30における通過帯域を、上手く設定していなければ、電波干渉が生じたかが正しく認識できない。
そこで、干渉BPF30の通過帯域について、以下に述べる。
干渉BPF30の帯域として、(物体検知装置1自身が)物体検知用として変調して実際に照射された照射波Dの周波数の「内」に、干渉基準信号Nが存在する場合(つまり、周波数が周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する照射波Dに対して、例えば、照射波Dの照射直後における最も高く一定の周波数を持つ信号を、干渉基準信号Nとするなど、周波数変動幅Δf「内」の周波数を持つ信号を、干渉基準信号Nとする場合)を述べる。
この場合には、干渉基準信号Nは、電波Dにおける周波数変動幅Δf内のいずれかの周波数を持つことから、干渉BPF30の通過帯域を、Fgmin 以上Fgmax 以下とすると、下限値であるFgmin は、
と設定でき、上限値であるFgmax は、
と設定でき、このような通過帯域を、干渉BPF30がもてば十分である。
尚、上述の例では、周波数が周波数変動幅Δfだけ直線的に減少する照射波Dにおける照射直後の周波数を、干渉基準信号Nの周波数としたが、照射波Dの照射終了直前における最も低い周波数を、干渉基準信号Nの周波数としても良い。
又、干渉基準信号Nの周波数は、周波数変動幅Δf内で減少途中の値(照射波Dが減少する途中で、干渉差分信号Sの周波数が0になり得る値)の周波数でも設定可能である。
干渉基準信号Nは、周波数を一定とした信号だけでなく、図2中における鋸波や三角波のように変調する信号でも良い。
一方、実際に照射される照射波Dの周波数の「外」に、干渉基準信号Nが存在する場合(つまり、照射波Dの周波数変動幅Δf以外の周波数持つ信号を、干渉基準信号Nとした場合)について述べる。
但し、照射波Dの周波数変動幅Δf以外といえども、照射波Dの周波数変動幅Δfから干渉基準信号Nが離れすぎてしまうと、本来、存在判定すべき、干渉波Gからも離れてしまうため、干渉の存在判定の基準となる範囲で、干渉基準信号Nを設定する。
照射波Dの周波数の「外」に、干渉基準信号Nが存在する場合における干渉BPF30の通過帯域の下限値Fgmin は、
と設定し、上限値であるFgmax は、
と設定でき、このような通過帯域を、干渉BPF30がもてば十分である。
これらの設定により、干渉波Gを反映した干渉差分信号Sが、確実に干渉BPF30を通過し、干渉BPF30の出力信号が干渉波判定器31へ入力される。
干渉波判定器31は、干渉BPF30の出力信号の振幅が、所定の値を超えたかを判断できるものであれば、何れの構成でも構わないが、例えば、干渉BPF30の出力信号(交流信号)を直流に変換し、その値をコンパレータで比較する事により、干渉BPF30の出力信号の振幅が、一定以上になったかを判定するような構成でも良い。
より詳しく述べれば、干渉波判定器31は、交流信号を直流信号に変換するコンバータ回路(順変換回路)と、このコンバータ回路からの信号を1つの入力とするコンパレータ回路(比較回路)を備えている。
干渉波判定器31は、まず、コンバータ回路で干渉BPF30からの出力信号(交流信号)を直流信号に変換する。この直流信号を、コンパレータ回路の1つの入力とすると共に、コンパレータ回路のもう1つの入力には、干渉波Gが存在したかを判断する閾値直流信号を入力し、この閾値直流信号を超えた際に、越えた旨を表すHレベル信号が、コンパレータ回路から出力される。
この閾値直流信号は、干渉波判定器31へ入力される干渉差分信号Sを鑑みて決定できる。
干渉波判定器31のコンバータ回路へは、ミキサ27の干渉差分信号Sが、干渉BPF30を経て入力される。
ここで、干渉差分信号Sにおける振幅は、上記式(1)で示したように、基礎信号Mの振幅A1 と、干渉波Gに相当する信号の振幅A2 を乗算したものの1/2となり、特に、干渉波Gが存在しない場合、ノイズを除けば、干渉波Gに相当する信号の振幅A2 が0であって、干渉差分信号Sの振幅も0となる。
従って、閾値直流信号を、ノイズの振幅分に相当する電圧値と、同じ値又は若干大きい値にしておけば、本来のノイズ分を超えて、干渉波Gが受信されていることがわかり、検知領域K内における干渉波G(電波干渉)の存在が判定できる。
尚、コンバータ回路としては、交流信号における正逆いずれも整流せずとも、ダイオード回路のみを用いて正逆一方のみを整流した場合でも、それぞれの直流信号で表される振幅を、コンパレータ回路で判定することは可能である。又、干渉BPF30の出力信号を、別途設けたA/D変換器で変換することで、干渉BPF30の出力信号の振幅を信号処理回路32で処理する事も出来る。
一方、干渉差分信号Sの周波数に着目すれば、干渉波Gが存在しない場合、ノイズを除けば、干渉波Gに相当する信号の振幅A2 が0となるが、このA2 =0を、上記式(1)に代入すると、干渉差分信号Sは、振幅が0となるだけでなく、交流信号としての周波数も表れず、0となる。
従って、ミキサ27から出力される干渉差分信号Sにおいて、その周波数成分の中で最も多く含まれる周波数の値を、上記式(8)に示すフーリエの変換公式を適用することで、干渉差分信号Sの周波数(F1−F2)スペクトルを得て、そのスペクトルにおいて振幅又はエネルギーのピークを示す周波数成分が、ノイズ相当分の周波数成分を越えたか否かを判定することで、検知領域K内における干渉波G(電波干渉)の存在を判定するように、干渉判定部6を構成しても良い。
又、この他の干渉波判定処理の例として、図1の干渉BPF30及び干渉波判定器31を使用せず干渉波Gを判別することも出来る。
この場合において、干渉判定部6は、距離BPF28とA/D変換機29で構成されることとなる。
又、この場合における干渉波Gの存在判定の基準となる基礎信号Mは、距離BPF28の周波数通過帯域を鑑みて、照射波Dに相当する信号が好ましいが、距離BPF28に応じた信号(例えば、上述のように、照射波Dの照射直後における最も高く一定の周波数を持つ信号)を用いる場合には、上述と同様に、干渉基準信号Nを用いても良い。
これら基礎信号Mと干渉波Gに相当する信号をミキシングした干渉差分信号Sは、距離BPF28に入力され、この距離BPF28からの出力をA/D変換器29で変換することで、干渉差分信号Sの振幅を、信号処理回路32で処理する事ができる。
その結果、干渉差分信号Sの振幅が、一定以上になったかで、干渉波Gの存在を判定する事が出来る。
ここで、更に考察すれば、周波数変動幅Δf「内」の周波数を持つ干渉基準信号Nや、照射波Dの相当する信号を、基礎信号Mとした場合には、干渉BPF30に入力される差分信号Vは、同時に、距離BPF28へも入力され得る。
つまり、図3のパターン<6> にて示したように、物体検知装置1自らも照射波Dを出し物体Tまでの距離算出を行っているときであれば、距離BPF28へ、物体Tからの反射波と妨害波Zを含んだ干渉波Gに相当する信号と、基礎信号M(照射波Dに相当する信号)との差分信号Vが入力される。
そこで、以下の実施例1〜3で後述するように、信号処理回路32が照射波Dの照射を停止させた状態で、干渉波Gの判定だけを行い、干渉波Gが存在しなくなれば、再び照射波Dを照射して物体検知処理を行うことにより、妨害波Zを含んだ干渉波Gを反射波Rと誤認識することを避けて、干渉波Gの存在しない環境で物体検知することも出来る。
[実施例1]
図5の本発明の実施例1を示すフローチャート図と、図6の本発明の実施例1を示すタイムチャート図をもとに、実施例1の詳細を説明する。
尚、図6のケース<1> は、干渉波Gを受信し、干渉波Gの存在を示す干渉信号が有る場合のタイムチャート図である。
図5のフローチャート図に従い、信号処理回路32は、掃引制御信号を周期的に発生させる。掃引制御信号により干渉波判定処理において定められた時間、干渉信号を観測し、干渉信号の有無を判定する。干渉信号が有ると判定されると何もせず次の掃引制御信号を待機する。
尚、図6のケース<2> は、干渉波Gを受信し干渉信号が無い場合のタイムチャートである。
図5のフローチャート図に従い、信号処理回路32は、掃引制御信号を周期的に発生させる。掃引制御信号により干渉波判定処理において定められた時間、干渉信号を観測し、干渉信号の有無を判定する。
干渉波判定処理で干渉信号が無いと判定されると物体検知処理を起動し、変調信号波形発生し、送信スイッチ23を閉(ON)にし、送信アンテナより照射波Dを照射する。
照射した照射波Dは、検知領域K内に物体Tが存在すると受信アンテナ25は、物体Tの反射波Rを受信し、受信増幅器26、ミキサ27、距離BPF28及びA/D変換器29を通してデジタル信号が信号処理回路32に導かれ周波数解析処理が行われる。
周波数解析の結果、物体検知処理で、物体Tの検知の有無や、物体Tまでの距離を判定し、その結果として物体検知信号を外部に送付する。
そして送信スイッチ23を開(OFF)にして照射波Dの照射を止め、次の掃引制御信号を待つ一連の動作を繰り返す。
上述の処理で、干渉信号が有ると判定すると、干渉波Gが無いと判定されるまで干渉波判定処理を実施すことにしても同様の効果を得ることが出来る。
以上の動作による効果として、干渉波Gが無い事を確認し、自ら送信アンテナ24から照射波D波を照射する事により受信アンテナ25には、干渉波Gの無い状態で照射波Dの反射波Rが受信できる為に、物体検知処理で誤判定を行うことなく物体Tを検知できる。
又、必要な時のみ送信アンテナ24から照射波Dを照射する為に、他の物体検知装置1に干渉を誘発する機会が軽減される。
上述の流れを換言すれば、図5で示した如く、電波干渉を回避して物体Tまでの距離算出する処理をスタートする(ステップS0)、次に、信号処理回路32から掃引制御信号(C3、C4)を照射手段2に出す(ステップS1)、照射手段2は、干渉波判定処理において定められた時間、照射波D(電波D)の照射を停止した状態で干渉基準信号Nを出力して、干渉波Gの存在判定をスタートする(ステップS2)。
干渉波Gの存在判定を行い(ステップS3)、判定の結果、存在すると判定されれば、掃引制御信号を出すステップS1に戻り、存在しないと判定されれば、実際に、物体Tまでの距離算出の処理(ステップS4)へ移る。
物体Tまでの距離算出のステップS4では、電波Dを変調させながら照射し、その反射波Rに相当する信号と電波Dに相当する信号のビート差分信号Bから、周波数解析を経て、物体Tまでの距離を算出する。
もし、検知領域K内で物体Tまでの距離が算出できれば、その距離や、物体Tを検知したとの信号を出力する。尚、反射波Rの反射強度、振幅(ビート差分信号Bの振幅)等も出力しても良い。又、物体Tが検知されなければ、当然、検知したとの信号は出力されない(ステップS4)。
ステップS4の物体検知処理が終了すれば、照射手段2に、電波Dの照射を停止する信号(C4)を出す(ステップS5)。
ここで、物体検知装置1は、電波Dの照射1回につき、物体Tまでの距離を1回算出することとしても良く、判定に必要がない期間に電波Dを照射しない際には、複数ある物体検知装置1からの電波Dによる余計な干渉がなくなって干渉し合う確率を更に低減できるため、従来よりも各掃引にかかる時間が短縮、つまり、各物体検知装置1の電波Dの照射停止の時間が短くなり、結果的に、物体検知装置1の同時使用可能台数が大幅に増加する。
尚、従来は、電波Dの1回の照射にかかる時間に比べて、信号処理手段5の算出速度が遅い場合もあった。
[実施例2]
次に、図7の本発明の異常信号発生例のフローチャート図により、実施例2の詳細を説明する。
図7は、図5の本発明の干渉回避のフローチャート図の例を基本に、異常処理を施したフローチャート図である。検知領域K内に干渉波G存在したとの意である干渉信号が長く続き、本来の物体検知処理を行う事が出来ない事態を想定し、そのような場合には、信号処理回路32内の保留超過部7から異常信号(保留超過信号H)を出力し、設定等を再度行う事を促す処置を施したフローチャート図である。
尚、この保留超過信号Hを出すのは、干渉信号が出力される回数が、所定の値を超えた時などのように設定されるが、干渉信号が出力される回数以外のものに基づいて、保留超過信号Hを、ディスプレイ、ランプ、ブザー等の出力手段を介して、装置1の使用者や複数の装置1の管理者に対し、出力しても良い。
例えば、他の物体検知装置1や類似の電波照射装置から発せられる照射波Dが一定期間以上照射されている装置からの影響で、自らの物体検知装置1で干渉波Gを検知し、物体検知処理が出来ない場合に、保留超過信号Hを出力しても良い。
このように、保留超過信号Hを出力する処置を行う事により、検知領域K内の他の物体検知装置1から発せられる照射波Dや、検知領域K内の物体Tから発せられる妨害波Z等の干渉波Gが発生し続けた場合であっても、各物体検知装置1同士の配置の不備を認識できたり、検知領域K内に、妨害波Zを出し続ける物体Tが存在することを知らせたりする事が可能となり、より信頼性の高い装置を提供できる。
上述の流れを換言すれば、図7で示した如く、実施例2において、処理をスタートしてから、物体検知処理を終了して、電波Dの照射を停止するまでは、実施例1のステップS0〜ステップS5と同様である。
実施例2と、実施例1の違いは、干渉信号が長く続き、本来の物体検知処理を行う事が出来ない場合には、保留超過信号Hを出力する処理(ステップS6)の有無にある。
[実施例3]
次に、図8の本発明の実施例3を示すフローチャート図と、図9の本発明の実施例3を示すタイムチャート図をもとに、実施例3の詳細を説明する。
まず、図9に言及すれば、ケース<3> は、物体検知装置1aが、掃引制御信号を基に干渉信号が無いことを確認して送信アンテナ24から照射波Dを照射し、物体検知装置1bが、物体検知装置1aから照射された照射波Dにより干渉信号を発生させた場合のタイムチャート図である。
このケース<3> では、物体検知装置1bは、信号処理回路32(干渉予測部8)内に過去の干渉信号の履歴(干渉波Gの存在判定の履歴)が存在せず、干渉信号の発生によって、送信アンテナ24から照射波Dが照射されない。
これに対して、図9のケース<4> は、物体検知装置1aが、掃引制御信号を基に干渉信号が無いことを確認して送信アンテナから照射波Dを照射し、物体検知装置1bが、物体検知装置1aから照射された照射波Dにより、干渉信号を発生させるものの、信号処理回路32(干渉予測部8)に、過去の干渉信号の履歴がある場合のタイムチャート図であり、実施例3の基本的動作を説明するものである。
本発明における実施例3は、図8のフローチャート図において干渉波判定処理後の干渉信号有無判定で、干渉信号が有の場合には、干渉信号有の時間記録し、過去の受信履歴を記録し残しておき、干渉信号が無くなった時に、過去の干渉信号履歴から次に受信する干渉波Gを予測する干渉予測部8を、信号処理回路32に備えている事が特徴である。
この干渉予測部8の動作を、図9を使って示せば、ケース<3> では、物体検知装置1bの干渉予測部8に干渉信号の履歴がなく、物体検知装置1bからは、照射波Dが照射されなかったものの、このケース<3> で発生した干渉信号の履歴(発生の時刻等)を、物体検知装置1bの干渉予測部8に記憶させておく。
この干渉予測部8で記憶させたケース<3> における干渉信号から、次のケース<4> で発生した干渉信号までの所定時間を測定し、この所定時間も、干渉予測部8に記憶させておく。
つまり、ケース<4> では、この所定時間後に、次の干渉信号が発生すると予測している(図9のケース<4> 中の予測干渉時刻)。
このケース<4> では、物体検知装置1bは、次の干渉信号が発生する予測干渉時刻までに、自らが照射波Dを照射する時間的余裕があると判断して、次の掃引制御信号が発生する時刻(タイミング)まで待たずに、照射波Dを照射している。
これによって、各物体検知装置1a、1bが掃引制御信号を発生させる時間間隔よりも、更に短い時間間隔で、各装置1a、1b同士が、隙あらば先を争って距離算出を行うこととなると共に、同じ検知領域K内に設置された他の物体検知装置1から発せられる照射波D(干渉波G)も予測することで、より信頼性の高い物体検知を行う事が出来る。
尚、物体検知装置1bが、次の干渉信号が発生する予測干渉時刻までに、自らが照射波Dを照射する時間的余裕がないと判断した時には、図8のフローチャート図に示すように、干渉信号有の時間記録として履歴を記録し、次の照射判断に活かす。
又、実施例3の処理は、実施例2を、より高めて基本動作を補うものであり、除く事も可能である。
上述の流れを換言すれば、図9で示した如く、実施例3において、処理をスタートしてから、干渉波Gの存在判定を行うまでは、実施例1、2のステップS0〜ステップS3と同様である。
又、実施例3は、干渉信号が長く続き、本来の物体検知処理を行う事が出来ない場合には、保留超過信号Hを出力するステップS6’では、実施例2と同様であるが、このステップS6を詳解している。
具体的には、まず、干渉信号有の時間を記録する(ステップS61)。
次に、干渉信号有の時間が一定値を超過したか判定を行い(ステップS62)、判定の結果、超過していなければステップS3へ戻り、超過していると判定されれば、保留超過信号Hを出力する処理(ステップS63)へ移り、このステップS63によって、保留超過信号Hを出力する。
又、実施例3と、実施例1、2との違いは、以下のステップS9、10の有無にある。 実施例3におけるステップS3にて、干渉信号が無くなった判定した時に、次に発生する干渉が発生する時間を予測する(ステップS7)。
この干渉予測の時間に対して、自ら照射する時間的余裕があるか判定を行い(ステップS8)、その結果、時間的余裕があると判定した時には、実施例1、2と同様に、物体検知を行うステップS4、S5へ移り、時間的余裕がないと判定した時には、干渉信号有の時間記録として履歴を記録し、ステップS61へ移る。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。設置用センサの各構成又は全体の構造、デザイン形状、寸法、重量などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る
留超過部7、干渉予測部8は、上述のように信号処理手段5内に設けていても良いが、信号処理手段5の外に、干渉予測部8を備えた処理手段を別途設けても構わない。
本発明は、物体検知装置や類似の電波照射装置を周辺に複数設置し、それぞれの装置が干渉を起こさずに物体の検知を確実に検出する用途に適用できる。又、検知領域へ侵入した物体からの電波によって、物体までの距離算出が妨害される際にも有用である。
1 物体検知装置
2 照射手段
3 受信手段
4 差分出力手段
5 信号処理手段
6 干渉判定部
7 保留超過部
8 干渉予測部
21 変調信号発生器
22 送信増幅器
23 送信スイッチ
24 送信アンテナ
25 受信アンテナ
26 受信増幅器
27 ミキサ
28 距離バンドパスフィルタ(距離BPF)
29 A/D変換器
30 干渉バンドパスフィルタ(干渉BPF)
31 干渉波判定器
32 信号処理回路
D 電波(照射波)
K 検知領域
T 物体
M 基礎信号
R 反射波
G 干渉波
V 差分信号
H 保留超過信号
Z 妨害波
N 干渉基準信号
B ビート差分信号
S 干渉差分信号

Claims (2)

  1. 電波(D)を周波数変調させながら検知領域(K)に照射して、この検知領域(K)内の物体(T)で反射した反射波(R)を受信することで、前記検知領域(K)内における物体(T)までの距離を算出する物体検知装置を複数備え、これら複数の物体検知装置が1つの同じ前記検知領域(K)内の物体(T)を検知する位置に設置された設置用センサであって、
    前記物体検知装置それぞれは、前記電波(D)を前記検知領域(K)に照射自在な照射手段(2)と、前記反射波(R)又は干渉波(G)を受信する受信手段(3)と、前記電波(D)の照射停止時に前記検知領域(K)内における物体(T)までの距離算出を妨げる干渉波(G)の存在を判定すると共に、前記干渉波(G)が存在しないと判定した場合に前記電波(D)を照射して物体(T)までの距離を算出し、前記干渉波(G)が存在すると判定した場合に前記電波(D)の照射停止を保留する信号処理手段(5)とを、1つずつ有しており、
    前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段(5)は、その内部だけで且つ外部との通信なしで且つ前記複数の物体検知装置同士の通信なしで、前記反射波(R)又は干渉波(G)の何れかである受信した波に相当する信号と前記電波(D)に相当する信号を乗算して出力されるビート信号に基づき、前記検知領域(K)内の物体(T)までの距離算出と、前記検知領域(K)内における干渉波(G)の存在判定とをすると共に、前記電波(D)の照射停止が所定の時間を超えた際に保留超過信号(H)を出力して前記複数の物体検知装置同士の位置の不備を知らせる保留超過部(7)を備えていて、
    前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段(5)は、当該物体検知装置における照射手段(2)に、前記電波(D)の周波数を周波数変動幅(Δf)だけ直線的に減少させながら当該電波(D)を前記検知領域(K)に照射させると共に、前記干渉波(G)の存在判定を、当該干渉波(G)に相当する信号と、前記電波(D)に相当する信号として前記電波(D)の周波数変動幅(Δf)内における最も高い照射直後の周波数と同じ値で周波数を一定とした信号とを乗算して出力されるビート信号に基づいて行い、
    前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段(5)は、前記物体(T)までの距離算出と前記干渉波(G)の存在判定と前記保留超過信号(H)の出力とをする第1〜6のステップ(S1〜S6)を実行していて、
    前記第1のステップ(S1)は、前記信号処理手段(5)が照射手段(2)に電波(D)の照射を停止させる掃引制御信号を出力して前記第2のステップ(S2)へ移るステップであり、
    前記第2のステップ(S2)は、前記照射手段(2)が電波(D)の照射を停止した状態で前記信号処理手段(5)が干渉波(G)の存在判定をし、前記信号処理手段(5)が干渉波(G)は存在すると判定した場合に前記検知領域(K)内での干渉波(G)の存在を示す干渉信号を出力して前記第3のステップ(S3)へ移り、前記信号処理手段(5)が干渉波(G)は存在しないと判定した場合に前記干渉信号を出力せずに同じく前記第3のステップ(S3)へ移るステップであり、
    前記第3のステップ(S3)は、前記第2のステップ(S2)で干渉信号の出力が有れば前記第6のステップ(S6)へ移り、前記第2のステップ(S2)で干渉信号の出力が無ければ前記第4のステップ(S4)へ移るステップであり、
    前記第4のステップ(S4)は、前記照射手段(2)が電波(D)を1回照射する間に前記物体(T)までの距離を信号処理手段(5)が1回算出して前記第5のステップ(S5)へ移るステップであり、
    前記第5のステップ(S5)は、前記物体(T)までの距離算出の後に、前記信号処理手段(5)が照射手段(2)に電波(D)の照射を停止させて前記第1のステップ(S1)へ移るステップであり、
    前記第6のステップ(S6)は、前記干渉信号が所定回数以上出力されていれば、前記電波(D)の照射停止が所定の時間を超えたとして、前記信号処理手段(5)が前記保留超過信号(H)を出力して前記第1のステップ(S1)へ移るステップであることを特徴とする設置用センサ
  2. 前記物体検知装置それぞれにおける信号処理手段(5)、前記干渉波(G)の存在判定の履歴から、次に干渉波(G)が発生すると予測される予測干渉時刻を求める干渉予測部(8)を備えていると共に、前記干渉波(G)が存在すると判定した場合に、前記干渉予測部(8)による予測干渉時刻までに前記電波(D)を照射する時間の有無を判断し、この照射する時間が有ると判断した際には、次に掃引制御信号が発生する時刻を待たずに、当該物体検知装置における照射手段(2)に電波(D)を照射させることを特徴とする請求項に記載の設置用センサ
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