JP5316385B2 - 画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Description
これに関連する技術として、例えば、特許文献1には、縮小画像での画質が大幅に向上し、しかも任意の縮小率に容易に対応することができる画像縮小装置を提供することを課題とし、ラインバッファは、所望する縮小率にしたがって入力2値画像から画素ブロックを生成し、平均値算出器は、画素ブロック内の画素値の平均値を求め、加算器は、平均値算出器の結果に周囲の画素ブロックからの誤差を加算し、閾値比較器は、加算器の加算結果と所定の閾値とを比較し、この結果をラインバッファへ縮小画像の画素として出力し、画素カウンタは、縮小画素の黒画素数を計数し、誤差算出器は、加算器の加算結果と画素カウンタの計数結果とに基づいて前記誤差を算出することが開示されている。
請求項1の発明は、2値画像の黒画素数又は白画素数を計数する計数手段と、前記2値画像に対する変形量と前記計数手段によって計数された画素数に基づいて、該2値画像を変形した場合の黒画素数又は白画素数を算出する画素数算出手段と、前記2値画像に対して前記変形量に基づいて前記変形を行う変形手段と、前記変形手段によって変形された画像の画素値ごとの画素数と前記画素数算出手段によって算出された画素数に基づいて、前記変形手段によって変形された画像を2値化する場合の閾値を算出する閾値算出手段と、前記閾値算出手段によって算出された閾値に基づいて、前記変形手段によって変形された画像を2値化する2値化手段を具備することを特徴とする画像処理装置である。
<1.1. アフィン変換>
まず、アフィン変換の対象である座標(ベクトル)を式(1)とする。
以下、画像の1画素を縦の長さが1、横の長さが1の正方形で表すこととする。また、画像の各画素を取り囲む線分の座標値は、(x,y)座標系上で整数となるように並ぶとする。例えば、図1の例に示すように、左下を原点(0,0)とした座標系で、処理対象の画像内の1つの画素100の頂点の座標は、(0,0)、(1,0)、(0,1)、(1,1)となり、その他の画素の頂点の座標も(x,y)座標系上で整数となるように並んでいることになる。
処理対象である画像(以下、「対象画像」という場合がある。)の各画素、あるいは、アフィン変換処理を施した出力画像(以下、単に「出力画像」という場合には、対象画像にアフィン変換を施し、2値化する前の画像を指すものとする。)の各画素は、図1の例に示されるような縦横1のグリッド上に配置されることになる。
次に前記の定義を用いて、処理対象の2値画像のアフィン変換を行う方法について説明する。
まず、処理対象の2値画像にN個の画素が含まれているとする。i番目の画素をPiとする。また、Piの4つの頂点の座標をベクトル表現で(pi00、pi10、pi01、pi11)とする。つまり、図2の例に示すように、画像220の左下の頂点は位置ベクトル200(pi00)、左上の頂点は位置ベクトル201(pi01)、右下の頂点は位置ベクトル210(pi10)、右上の頂点位置ベクトル211(pi11)となる。
ここで、画素Piがアフィン変換されるとする。アフィン変換後の画素をQiとする。4つの頂点の位置ベクトルを、(qi00、qi10、qi01、qi11)とすると、(7)式のようになる。
したがって、図3の例に示すような変換となり、アフィン変換後の画素Qi(画像320)の形状は、頂点を位置ベクトル300(qi00)、位置ベクトル301(qi01)、位置ベクトル310(qi10)、位置ベクトル311(qi11)とする平行四辺形となる。
この状態で、出力画像の画素値を求めたい。出力画像の1つの画素は、縦横の長さが1のグリッド(図1の例)である。そこで、図3の例に示す平行四辺形を出力画像のグリッド上(各グリッドは画素を表す)に、重ね合わせて表示した例が図4である。図4で点線で囲まれた正方形(出力画像400を構成する4つの正方形)が出力画像の1画素に相当する。
このとき、出力画像の画素Rjの内部に存在している画素Qiの面積を(8)式のように定義する。
ここで対象画像内のi番目の画素Piの画素値をXiで表すこととする。同様に、j番目の出力画像の画素Rjの画素値をYjで表す。画素値Yjは、(9)式のように算出し得る。
出力画像の画素Rjの4つの頂点の位置ベクトルを、(rj00、rj10、rj01、rj11)とすると、これらのベクトルを(10)式によって逆変換すると、出力画像の画素を対象画像の画素上にマッピングし得る。
(sj00、sj10、sj01、sj11)は、出力画像の画素の頂点位置を、対象画像にマッピングしたときの位置ベクトルである。(sj00、sj10、sj01、sj11)を4頂点とする平行四辺形の画素をSjとする。図6の例に示すように、対象画像の画素630に対して、逆アフィン変換後の画素620は位置ベクトル600(sj00)、位置ベクトル601(sj01)、位置ベクトル610(sj10)、位置ベクトル611(sj11)の頂点を保つ平行四辺形に囲まれている画素である。
このとき、出力画像の画素Sjの内部に存在している対象画像の画素Piの面積を出力画像の画素Sjの面積で割った値(画素Sjの内部に存在しているPiの面積割合)を、(11)式のように定義する。
アフィン変換後の画素値を算出するには、線形補間法(バイリニア法)やキュービックコンボリューション法(バイキュービック法)などのように周囲の画素値を用いて画素と画素との間の値を補間によって求める手法がある。
例えば、線形補間法では下記のような処理となる。
図7の例に示すように、逆アフィン変換後の画素710(Sj)の中心点711(2つの対角線の交点)の座標を(sjx, sjy)とする。同様に、対象画像の画素Piの中心点の座標を(pix, piy)とする。
ここで、Sjの中心点に近い4つの対象画像の画素をP1(画素701)、P2(画素702)、P3(画素703)、P4(画素704)とする。4つの画素P1、P2、P3、P4の画素値をX1、X2、X3、X4とする。このとき、出力画像の画素Sjの画素値Yjは、(16)式とすると、(17)式のような形で表し得る。
結局、重みwijを適切に算出することによって、投影法でも補間法でも(15)式の形で出力画像の画素Sjの画素値を求めることになる。
(15)式の出力は、一般的には多値となる。2値画像出力とするためには、これを2値化する必要がある。以下、多値データYjを2値化した結果をZjとする。
例えば、ここでは、対象画像の画素値を、0と1の2値であるとする。このとき、(15)式の出力Yjは、
0≦Yj≦1
の実数値となる。これを、0又は1の2値とするため、一般的には、閾値処理が行われる。すなわち、予め定められた閾値THを用いて、(18)式を適用する。
このように、単一の閾値で2値化を行うと、対象画像の直線や曲線の滑らかさが保存されない場合がある。この不具合例に関して、以下示す。ここでは、単純なアフィン変換としてシフトだけを行う例((19)式)を示す。
ここで、変換前の画像を図9の例に示すものとする。つまり、下段の行で1つ置きに黒画素が配列されているような画像である。
ここで、変換後の画素値を投影法を用いて算出する。
投影法では面積比を用いて濃度値を算出するため、各画素の2値化前の画素値(グレイ値)は図10の例に示すようになる。つまり、出力画像の上段の左角にある画素の画素値は1/9、その右隣にある画素の画素値は2/9、下段の左角にある画素の画素値は2/9、その右隣にある画素の画素値は4/9である。
通常(18)式の閾値THは0.5を用いることが多い。図10の例の場合、変換後の全ての画素値が閾値TH(0.5)未満であるため、出力の2値画像は、図11の例に示すように、全て白の画像となってしまう。
アフィン変換を(20)式とする。
変換前の画像を図12の例に示す。変換前の画像は、縦1画素幅の横ラインである。この画像(直線画像)を点線の画素位置に変換して、さらに誤差拡散により2値化すると、図13の例に示すようになる。
誤差拡散方式ではできるだけ濃度を保存するように誤差を拡散しているため、もともとの濃度の低い場所であっても、たまたま拡散された誤差が蓄積すると黒画素として2値化されてしまう。さらに、低い濃度の画素が黒画素となってしまうと、濃度を下げる方向に誤差が近隣の画素に拡散されるため、もともと濃度の高い画素が白画素となってしまうことが生じる。
前述のように、誤差拡散を行うと、真っ直ぐな直線にガタツキが発生してしまう。このような問題は直線以外でも発生し、ガタツキとなって感知される。あるいは、ガタツキがボケとなって感知される場合もある。すなわち、近づいて見ると(あるいは低解像度画像では)ガタツキであるが、遠くから見ると(あるいは高解像度画像では)、人間の視覚周波数特性から、ボケとなって知覚される場合がある。
特に、CG(Computer Graphics)で作成した直線や図形や文字などのデータでは、直線性が高かったり、曲線が滑らかであったりするため、拡大、縮小、あるいはアフィン変換した場合にこれらのガタツキ、あるいは、ボケが特に気になる場合がある。
まず、以下に示す実施の形態では、処理対象である2値画像の黒画素数を計測する。対象2値画像の黒画素数をKとする。
行列Aを用いるアフィン変換では、変換後の四角形の面積は、変換前の四角形の面積のdet(A)倍になる。ここで、det(A)は、行列Aの行列式である。よって、変換後の2値画像の黒画素数L(目標黒画素数)は、(21)式によって得られる。
以下に示す実施の形態では、このLを満たす閾値THを画像毎に算出する。
そのために、変換後の(2値化前の)画像(グレイ値)の頻度分布を算出する。
例えば、ここでは、グレイ値Gを8ビット整数Fで表現するとする。
グレイ値Gは0から1.0までの間の値をとる。この区間[0, 1]を、256分割して、0から255までの値(F)にマッピングすればよい。ただし、ここでは、黒を0、白を255の値にするとする。つまり、グレイ値G=0をF=255にマッピングし、グレイ値G=1をF=0にマッピングする。間の値は線形にマッピングする。
このようにすると、各Fの値毎に、何画素存在しているかというデータ(Fの頻度分布)を取得することができる(図14参照)。
ここで、例えば、変換後の2値画像の黒画素数Lを15000とする。このLを実現する閾値は、図15の例に示す累積頻度分布を用いて、図16の例に示すように求めることができる。すなわち、Lの値に最も近い累積頻度を持つ画素値Fを閾値とする。
最終的に閾値THは、画素値Gと比較できる値でなければならないため、画素値Fで160として算出した閾値を、[0,1.0]内の値にマッピングすればよい。
(あるいは、現実的には、グレイ画素値G自体を[0,1.0]内の実数値として計算するのではなく、0から255までの整数値として計算することが多い。この場合には、画素値Gと画素値Fはまったく同じものになるため、変換の必要はない)
以上で、画素値Fとして8ビット整数を用いたが、これは何ビットでもよい。整数ではなく、固定小数点であると考えてもよい。
画素数K、あるいは目標画素数Lとして、実際の画素数を用いたが、これは、全体の画素数で割った比の値を用いてもよい。その他、画素数Kと目標画素数Lの比が変わらないような値であれば何でもよい。ただし、その値を用いて累積頻度分布をとりさえすればよい。
前述のように閾値THを定めて、(18)式を用いて2値化する。
このようにすることで、図9の例の場合は、図17の例に示すように点線を保持し得る。
また、図12の例に示す場合は、直線性を保持し得る。
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な各種の実施の形態の例を説明する。
図19は、第1の実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、コンピュータ・プログラム、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
(1)処理対象である2値画像1901
(2)変形量A1902
(3)シフト量t1903
2値画像1901の受け付けには、例えば、スキャナ、カメラ等で画像を読み込むこと、ファックス等で通信回線を介して外部機器から画像を受信すること、ハードディスク(コンピュータに内蔵されているものの他に、ネットワークを介して接続されているもの等を含む)等に記憶されている画像を読み出すこと等が含まれる。
変形量A1902は、アフィン変換を示す式(4)内の2×2の行列である。単純な拡大あるいは縮小の場合は、行列ではなくてスカラー値の拡大率あるいは縮小率であっても構わない。
シフト量t1903は、アフィン変換を示す式(4)内の2次元ベクトルである。シフトを行わない場合は、存在していなくても構わない。
変形量A1902、シフト量t1903の受け付けは、例えば、利用者の操作によるもの、通信回線を介して外部機器から値を受信すること、ハードディスク等に記憶されている値を読み出すこと等が含まれる。
行列式算出モジュール1920は、変形量A1902を受け取り、目標黒画素数算出モジュール1930と接続されており、変形量A1902の行列式を計算し、その行列式を目標黒画素数算出モジュール1930へ渡す。単純な拡大あるいは縮小の場合は、拡大率の2乗等の演算でよい。縦横の拡大率が異なる場合は、縦の拡大率×横の拡大率でもよい。いずれにせよ、これらの演算は行列式の演算で包含されている。
目標黒画素数算出モジュール1930は、黒画素数計測モジュール1910、行列式算出モジュール1920、閾値算出モジュール1970と接続されており、黒画素数計測モジュール1910によって計数された黒画素数と行列式算出モジュール1920による行列式算出結果を乗算して、2値画像1901を変形量A1902又はシフト量t1903(変形量A1902だけの場合、変形量A1902とシフト量t1903の両方を含む)に基づいて変形した場合の黒画素数である目標黒画素数を算出し、その算出結果である目標黒画素数を閾値算出モジュール1970へ渡す。
ここでは、アフィン変換後の画素値を0から255の256値のグレイ値で表現することとする。これは、2値画像1901の白を255、黒を0として、アフィン変換を浮動小数点演算で(あるいは固定小数点演算で)行い、変換結果を、整数に丸めることによって算出するようにしてもよい。もちろん、黒を1、白を0として、アフィン変換を行い、変換結果の0〜1の値を255〜0の値に線形にマッピングするようにしてもよい。
累積頻度分布モジュール1960は、頻度分布モジュール1950、閾値算出モジュール1970と接続されており、画素値F以下の画素数を算出する。なお、画素値Fは0から255の値である。
累積頻度分布モジュール1960の出力は、図20の例に示すような累積頻度分布テーブル2000となる。図20は、累積頻度分布テーブル2000のデータ構造例を示す説明図である。累積頻度分布テーブル2000は、画素値欄2010、累積頻度分布欄2020を有しており、各画素値以下の画素値を有する画素の数(累積頻度分布)を対応付けている。
2値化モジュール1980は、アフィン変換モジュール1940、閾値算出モジュール1970と接続されており、閾値算出モジュール1970によって算出された閾値に基づいて、アフィン変換モジュール1940によってアフィン変換された画像を2値化し、その2値化した画像を出力2値画像1999として出力する。
ここで、0〜255の値にマッピングされたアフィン変換後の画素値をFとする。2値化出力をHとする。2値化モジュール1980は、(22)式を用いて2値化を行う。なお、H=0が白、H=1が黒とする。
前述の第1の実施の形態では、閾値算出モジュール1970では、累積頻度分布の値が目標黒画素数に近い画素値をTHとして求めており、2値化モジュール1980では、(18)式の演算を行って2値画像を出力するようにしている。このような場合に、次のような現象が起きる場合がある。
図21に示す例は、目標画素数より小さい累積頻度分布の値をもつ画素値のうち、目標画素数に最も近い累積頻度分布の値をもつ画素値F1と、目標画素数より大きい累積頻度分布の値をもつ画素値のうち、目標画素数に最も近い累積頻度分布の値をもつ画素値F2との、累積頻度分布の値の差が激しい場合である。このような場合、閾値THをF1とすると目標黒画素数を大きく下回ってしまうこととなる。逆にTHをF2とすると目標黒画素数を大きく上回ってしまうこととなる。
このような場合に対処するため、次の動作を行う。
閾値算出モジュール1970では、累積頻度分布の値が目標黒画素数よりも大きく、かつ、累積頻度分布の値が目標黒画素数に近い画素値をTHとして算出する。図21に示した例では、TH=F2である。なお、F1は、閾値THよりも1低い画素値である。
より具体的には、例えば、(23)式にしたがって2値化処理を行う。
目標黒画素数から、F=F1の場合の累積頻度を引くと、F=THのときに何画素黒画素にしなければならないかが判明する。この画素数をI(画素値が閾値THである画素のうち黒画素とする画素数)とする。さらに、累積頻度分布モジュール1960で算出されているので、F=F2となる画素数Jも判明している。
F=THの場合には、I/Jの確率で黒画素、(J−I)/Jの確率で白画素となるように制御すればよい。
例えば、ランダムに選択してもよいし、I/Jを有理数U/V(ただし、U、Vは、できるだけ小さな自然数)で近似して、U個を続けて黒画素とした後に、V個を続けて白画素とする処理を繰り返してもよい。
あるいは、誤差拡散的に、F=THの場合の濃度目標値をI/Jとして、誤差をF=THの画素のみに拡散させてもよい。すなわち、初期値e=0として、適当な閾値TH2(例えば0.5)を定め、
e+I/J > TH2 のとき、H=1とし、new_e=e+I/J−1を近隣のF=THの画素に分散させる。
e+I/J ≦ TH2 のとき、H=0とし、new_e=e+I/Jを近隣のF=THの画素に分散させる。
ここで、近隣のF=THの画素とは、ラスタスキャンで次に出現するF=THの画素であってもよいし、まだ2値化していない、同一行同一列で次に出現するF=THの画素であってもよい。あるいは、斜め左下や、斜め右下で、次に出現するF=THの画素であってもよい。
通常のFloyd&Steinberg方式の誤差拡散であれば、近隣の4画素へ拡散させる。次に出現する4番目のF=THの画素まで拡散させるという手法もある。
図22は、誤差拡散の例を示す説明図である。
まず図22の例に示すように、Xは、2値化を行う対象画素とする。また、F=THであるとする。A,B,C,Dの画素のうち、F=THであるものにFloyd&Steinberg方式と同じ係数で誤差を拡散させる。A,B,C,Dの画素のうち、F=THであるものが4画素とも無い場合、拡散できなかった誤差は、ラスタスキャンで次に出現したF=THの画素に拡散させる。そのときの係数は、拡散できなかった係数のうち、大きなものから順に使用する。
Floyd&Steinberg方式の拡散係数を図23の例に示す。なお、係数はこれ以外にも様々なものがあるため、これに限るものではない。
あるいは、2値画像の距離変換を行ってもよい。距離変換は、2値画像の黒画素の塊の外周からの距離を各画素の値とする変換である。F=FHとなる画素のうち、距離が小さい画素から白画素としていく。この手法によって、黒画素の塊の外側から削って行くようにしてもよい。
前述の実施の形態では、対象画像全体の濃度保存を行う処理を示した。
対象画像の部分毎の濃度保存でもよい。対象画像をブロックに分割して、ブロック毎に黒画素数を計測して、その黒画素数を保存する処理を行ってもよい。つまり、対象とする2値画像1901をブロックに分割する分割モジュールと2値化モジュール1980によって2値化された2値画像を合成して、2値画像1901のアフィン変換後の2値画像を生成する合成モジュールを付加してもよい。この場合、黒画素数計測モジュール1910とアフィン変換モジュール1940が対象とする2値画像は、分割モジュールによってブロックに分割された2値画像となる。
すなわち、図24の例に示すように、分割モジュールは、対象画像である2値画像1901(図24(a)参照)をブロックに分割する(図24(b)参照)。
分割したブロック画像(図24(c)参照)を図19における対象の2値画像1901であるとする。
図19の例に示す構成を用いて、出力2値画像1999を作成する。これを出力ブロック画像とする(図24(d)参照)。
複数のブロック画像(図24(c)参照)に対し、複数の出力ブロック画像(図24(d)参照)を生成する。個々の出力ブロック画像を生成するときに使用した閾値はそれぞれ独立に算出することになる。もちろん、ブロック毎の閾値は異なる値となる場合もあり、同じ値となる場合もある。
そして、合成モジュールは、2値化モジュール1980が複数生成した出力ブロック画像を合わせて、合成後の出力2値画像(図24(e)参照)を生成する。
また、前述の各種の実施の形態を組み合わせてもよく(例えば、ある実施の形態内のモジュールを他の実施の形態内に適用する、入れ替えする等も含む)、各モジュールの処理内容として背景技術で説明した技術を採用してもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray Disc(登録商標))、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
1902…変形量A
1903…シフト量t
1910…黒画素数計測モジュール
1920…行列式算出モジュール
1930…目標黒画素数算出モジュール
1940…アフィン変換モジュール
1950…頻度分布モジュール
1960…累積頻度分布モジュール
1970…閾値算出モジュール
1980…2値化モジュール
1999…出力2値画像
Claims (5)
- 2値画像の黒画素数又は白画素数を計数する計数手段と、
前記2値画像に対する変形量と前記計数手段によって計数された画素数に基づいて、該2値画像を変形した場合の黒画素数又は白画素数を算出する画素数算出手段と、
前記2値画像に対して前記変形量に基づいて前記変形を行う変形手段と、
前記変形手段によって変形された画像の画素値ごとの画素数と前記画素数算出手段によって算出された画素数に基づいて、前記変形手段によって変形された画像を2値化する場合の閾値を算出する閾値算出手段と、
前記閾値算出手段によって算出された閾値に基づいて、前記変形手段によって変形された画像を2値化する2値化手段
を具備することを特徴とする画像処理装置。 - 前記変形手段は、前記2値画像に対して移動量に基づいて変形する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 前記2値化手段は、前記閾値算出手段によって算出された閾値と前記変形手段によって変形された画像の画素値との比較によって2値化し、該閾値と該画素値が同じ場合は、前記画素数算出手段によって算出された画素数に基づいて、該画素値の画素を2値化する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 - 対象とする2値画像を矩形に分割する分割手段と、
前記2値化手段によって2値化された2値画像を合成する合成手段
をさらに具備し、
前記計数手段と前記変形手段が対象とする2値画像は、前記分割手段によって矩形に分割された2値画像とする
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。 - コンピュータを、
2値画像の黒画素数又は白画素数を計数する計数手段と、
前記2値画像に対する変形量と前記計数手段によって計数された画素数に基づいて、該2値画像を変形した場合の黒画素数又は白画素数を算出する画素数算出手段と、
前記2値画像に対して前記変形量に基づいて前記変形を行う変形手段と、
前記変形手段によって変形された画像の画素値ごとの画素数と前記画素数算出手段によって算出された画素数に基づいて、前記変形手段によって変形された画像を2値化する場合の閾値を算出する閾値算出手段と、
前記閾値算出手段によって算出された閾値に基づいて、前記変形手段によって変形された画像を2値化する2値化手段
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
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