JP5314349B2 - 眼科用組成物 - Google Patents
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(1)(A)デキストラン、(B)メントール、及び(C)界面活性剤を含有する眼科用組成物。
(2)20℃での粘度が3.0mPa・s未満である、(1)に記載の眼科用組成物。
(3)さらに、(D)アミノエチルスルホン酸及びその塩からなる群より選ばれる1種以上を含有する、(1)又は(2)に記載の眼科用組成物。
(4)さらに、(E)ヒアルロン酸、アルギン酸及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を含有する、(1)乃至(3)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(5)(B)メントールの配合割合が0.005〜0.1(w/v)%であり、且つ点眼剤である(1)乃至(4)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(6)コンタクトレンズ装着液、洗眼剤又はコンタクトレンズケア用剤である、(1)乃至(4)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(7)デキストランを組成物全体に対して0.0001〜10(w/v)%で含有する、(1)乃至(6)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(8)デキストランが、重量平均分子量20000以上1000000以下のデキストランである、(1)乃至(7)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(9)デキストランが、デキストラン70である、(1)乃至(8)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(10)メントールが、l−メントールである請求項(1)乃至(9)記載のいずれかに記載の眼科用組成物。
(11)界面活性剤を組成物全体に対して0.0001〜10(w/v)%で含有する、(1)乃至(10)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(12)界面活性剤が、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選ばれる1種以上である、(11)に記載の眼科用組成物。
(13)非イオン性界面活性剤を組成物全体に対して0.001〜1(w/v)%で含有する、(12)に記載の眼科用組成物。
(14)非イオン性界面活性剤が、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60及びポロクサマー407からなる群より選ばれる1種以上である、(12)又は(13)に記載の眼科用組成物。
(15)陽イオン性界面活性剤を組成物全体に対して0.0001〜0.1(w/v)%で含有する、(12)に記載の眼科用組成物。
(16)陽イオン性界面活性剤が、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン及び塩酸クロルヘキシジンからなる群より選ばれる1種以上である、(12)又は(15)に記載の眼科用組成物。
(17)両性界面活性剤を組成物全体に対して0.0001〜0.1(w/v)%で含有する、(12)に記載の眼科用組成物。
(18)両性界面活性剤が、塩酸アルキルジアミノエチルグリシンである(12)又は(17)に記載の眼科用組成物。
(19)さらに、エチレンジアミン酢酸誘導体またはその塩からなる群より選ばれる1種以上を含有する、(1)乃至(18)のいずれかに記載の眼科用組成物。
(20)(A)デキストランと(F)エチレンジアミン酢酸誘導体及びその塩からなる群より選ばれる1種以上とを含有し、且つ、組成物全体に対して(F)エチレンジアミン酢酸誘導体及びその塩からなる群より選ばれる1種以上を0.005〜0.04%含有する、眼科用組成物。
(21)(A)デキストランの総量1重量部に対して、(F)エチレンジアミン酢酸誘導体及びその塩からなる群より選ばれる1種以上を総量として0.01〜0.04重量部の割合で含有する、眼科用組成物。
なお、本明細書中、特に言及しない場合、%はw/v%を意味するものとする。
また、本明細書中でコンタクトレンズとは、ハード、ソフト、酸素透過型ハード、カラーなどのあらゆるタイプのコンタクトレンズを包含する。
また別の実施形態において、本発明の眼科用組成物は、デキストランと共にエチレンジアミン酢酸誘導体及び/又はその塩を含有することにより、該エチレンジアミン酢酸誘導体及び/又はその塩に起因する目への刺激を効果的に軽減することができる。
好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤である。
特に好ましい緩衝剤は、ホウ酸緩衝剤である。
粘度の測定方法
粘度測定方法は円すい一平板形回転粘度計を用いる方法(第十四改正日本薬局法に記載の、一般試験法、45粘度測定法、第2法回転粘度計法、「(3)円すい−平板形回転粘度計」の項に記載の方法)に従った。具体的には、市販の円すい−平板形回転粘度計と適宜選択されたロータとを用いて測定した。
η =100×(3α/2πR3)・(T /ω)
η :試料の粘度(mPa ・s)(Pa ・s =103 mPa・s )
α :平円板と円すいがなす角度(rad)
π :円周率
R :円すいの半径(cm)
T :平円板又は円すい面に作用するトルク(10−7N・m)
ω :角速度(rad/s)
測定条件:
TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプに付属の標準コーンロータ(図1における円すい1に相当)(平円板と円すいがなす角度=1°34’、半径(R)=2.4cm)をフルスケール・トルク673.7×10−7 Nm のスプリングを介してモータで回転させる。測定時、粘度計は回転軸が水平面に対して垂直になるように設置する。
被検試料1mlをコーンロータの所定の位置(平円板)に載置し、温度が20℃になるまで放置する。次いで、装置を被検試料の粘度に応じた回転数で回転させ、表示された粘度を読み取る。高精度の測定結果を得るために、被検試料測定前に、JIS Z 8809 により規定されている石油系の炭化水素油(ニュートン流体)を校正用標準液として用い、測定値が標準液の粘度に一致するように調整する。なお、TVE−20L形粘度計コーンプレートタイプ以外の市販の機種を用い、上記と同様にコーンロータを選択して実施し、適宜校正することにより、同等の結果を得ることもできる。
使用ローター:標準ローター(1°34′、R=2.4cm)
回転数 :100rpm
試料量 :1ml
測定温度 :20℃
時間 :3分後の粘度を測定値とした。
表1に記載する実施例1、2、比較例1、2の点眼剤を常法に従って調整し、プラスチック製容器に充填した。これらの点眼剤を、軽い結膜充血又は目のかゆみ等の症状が見られる被験者(通常よりも外的刺激に敏感になっている被験者)5名に点眼して、点眼直後の眼刺激(痛み、シミなどの不快な刺激)を評価した。実施例と比較例の両方を比較し、刺激が強いと感じるものを0点、刺激が弱いと感じるものを2点、全く刺激を感じないものを4点として評価した。
被験者全員の評価点を平均して、その平均値が2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点以上を◎とした。
結果を表1に示す。比較例に比して実施例は、眼刺激が顕著に改善されていることが確認された。また、結膜充血や目のかゆみの悪化もなく、安全性の高い点眼剤である事が確認された。
表1に記載する実施例1、2、比較例1、2の点眼剤を常法に従って調整し、プラスチック製容器に充填した。これらの点眼剤を、軽い結膜充血又は目のかゆみ等の症状が見られる被験者(通常よりも外的刺激に敏感になっている被験者)5名に点眼して、点眼後の清涼感の持続を評価した。
清涼感が弱すぎてほとんど感じない場合をレベル0、強すぎも弱すぎもしない心地よい清涼感を感じる場合をレベル1、清涼感が強すぎて不快な場合をレベル2として3段階評価し、心地よい清涼感であるレベル1の持続時間を評価した。
試験後、心地よい清涼感が持続した時間(レベル1と評価された持続時間)を被験者全員で平均した結果を表2に示す。比較例に比して実施例は心地よいレベルの清涼感が長時間持続していることが確認された。
表3に記載する実施例3〜6、比較例3〜6の点眼剤を常法に従って調整し、プラスチック製容器に充填した。これらについて、試験例1と同様に評価した。
その結果、実施例3〜6についても、それぞれ対応する比較例3〜6と比較して良好な結果が得られた。
また、比較例3、4の点眼剤では、瞬きがし難いかったが、実施例3、4については、瞬きが滑らかになると言う効果も奏した。
表4に記載する実施例7及び比較例7のコンタクトレンズ装着液、実施例8及び比較例8の洗眼剤、実施例9及び比較例9のコンタクトレンズ消毒液(マルチパーパスソリューション)を常法に従って調整し、プラスチック製容器に充填した。これらについて、試験例1、2と同様に評価した。尚、コンタクトレンズ装着液の場合は、本発明のコンタクトレンズ装着液1〜2滴でソフトコンタクトレンズの両面を濡らした後、レンズを装着して使用した。同様に、酸素透過性ハードコンタクトレンズについても試験を実施した。洗眼剤の場合は、市販の洗眼剤に付属するアイカップに本発明の洗眼剤を5mL入れ、アイカップを目に当てて洗眼剤を目に接触させ、瞬きを数回繰り返して使用した。コンタクトレンズ消毒液(マルチパーパスソリューション)の場合は、ソフトコンタクトレンズを手のひらにのせて本発明のコンタクトレンズ消毒液(マルチパーパスソリューション)を数滴つけてレンズの両面を指で軽くこすりながら洗い、洗ったレンズを本発明のコンタクトレンズ消毒液(マルチパーパスソリューション)ですすぎ、コンタクトレンズケースに本発明のコンタクトレンズ消毒液(マルチパーパスソリューション)を8〜10分目まで入れ、その中にレンズを浸して4時間放置し、レンズを装着して使用した。同様に、酸素透過性ハードコンタクトレンズについても試験を実施した。
その結果、実施例7〜9についても、それぞれ対応する比較例7〜9と比較して良好な結果が得られた。
目のかわきに対する改善効果を、ドライアイ解析システムTSAS(Tear Stability Analysis System)を用いて評価した。具体的には、オートレフトポグラファー(TOMEY RT−6000機器;(株)トーメーコーポレーション製)と涙液安定性解析ソフトTSAS((株)トーメーコーポレーション製)を用いて、評価を行った。オートレフトポグラファーと涙液安定性解析ソフトTSASは、添付された使用説明書に準じて使用することにより実験を行った。
まず、下記の表5に記載する実施例10、比較例10-1、10-2、10-3の点眼剤を常法に従って調整し、プラスチック製容器に充填した。点眼前に、被験者に10秒間開瞼させて、TSASにより1秒間隔で角膜のマイヤーリング像を撮影し、その像の歪みが生じた時間と面積をカラーコードマップとして映像化したブレークアップ・マップを用いて涙液安定性の評価を行った。次いで、各実施例・比較例の点眼剤を被験者に点眼させた。点眼から5分後、上記と同様にして、被験者に10秒間開瞼させて、TSASにより1秒間隔で角膜のマイヤーリング像を撮影し、その結果得られたブレークアップ・マップを用いて涙液安定性を評価した。
表6に記載する実施例11、比較例11の点眼剤を常法に従って調整し、プラスチック製容器に充填した。これらの点眼剤を、軽い結膜充血又は目のかゆみ等の症状が見られる被験者(通常よりも外的刺激に敏感になっている被験者)に点眼して、点眼直後の眼刺激(痛み、シミなどの不快な刺激)を評価した。実施例と比較例の両方を比較し、刺激が強いと感じるものを0点、刺激が弱いと感じるものを2点、全く刺激を感じないものを4点として評価した。被験者全員の評価点を平均して、その平均値が2点未満を×、2点以上3点未満を△、3点以上を◎とした。
結果を表6に示す。比較例に比して実施例は、眼刺激が顕著に改善されていることが確認された。
下表7−14に記載の処方で、点眼剤(処方例1−19、47−60)、洗眼剤(処方例20−28)、コンタクトレンズ装着液(処方例29−35)、コンタクトレンズ消毒液(マルチパーパスソリューション)(処方例36−46)を調製した。
Claims (8)
- (A)デキストラン、
(B)メントール、
(C)界面活性剤、並びに
(D)エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上
を含有する眼科用組成物。 - さらに、(E)ヒアルロン酸、アルギン酸、及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を含有する、請求項1に記載の眼科用組成物。
- (C)界面活性剤が、非イオン性界面活性剤である、請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
- (C)界面活性剤が、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルからなる群より選ばれる一種以上である、請求項1又は2に記載の眼科用組成物。
- 20℃での粘度が3.0mPa・s未満である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
- (A)デキストランの総量1重量部に対して、(D)エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上を総量として0.01〜0.04重量部の割合で含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
- 結膜充血又は目のかゆみを生じている者に適用される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
- (B)メントール、(C)界面活性剤、並びに(D)エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸及びそれらの塩からなる群より選ばれる1種以上に起因する目への刺激が軽減された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の眼科用組成物。
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