JP5312833B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

本発明は、電路に介在し,該電路に異常電流が発生した場合には電路を遮断する回路遮断器に関するものであり,より詳しくは,大地に設けられた電気的端子が,該電気的端子と電気的に接続された接地線を介して,機器などの接地を行う保護接地導体と電気的に接続されることにより為される、接地の状態を確認する機能を備えた回路遮断器に関するものである。
従来から、電路において過電流や短絡電流が流れた場合などにおける配線の保護,また,電路や負荷機器の絶縁が劣化することにより地絡が生じた場合などにおける電気火災や,同じく負荷機器の絶縁が劣化することにより大地と負荷機器を構成する筐体などの間に電位が生じ,人体が負荷機器に触れた場合に生ずるおそれのある感電事故などの,種々の電気事故から,人命,財産の安全を確保するため,配線用遮断器や漏電遮断器を筆頭に、様々な回路遮断器が開発されている。
特に,人体が感電することによる電気事故を防止するため,労働安全衛生規則により,昭和44年に漏電遮断器の設置が義務化され,感電による死亡者数は年々減少している。
また,電路に発生した漏電電流を監視する目的で,非特許文献1に示したように,該漏電電流が予め定められた感度電流値に到達した場合には,外部に向けて漏電警報を出力する漏電警報付配線用遮断器が開発されている。
このような種々の回路遮断器は,負荷回路に電力を分配するため,キャビネット内に収納されて設けられ,従来から工場や住宅に用いられている。
さて,漏電遮断器の設置が義務化される以前においても,感電事故を防止する観点から,機器の保護接地工事が行われ,人体の感電事故の防止に成果を挙げてきたことは周知のとおりである。
例えば,図9に示したように,電路に設置される負荷機器の絶縁が劣化し,大地と該負荷機器の筐体間に対地電圧Vgが生じた場合でも,人体に影響がない接地抵抗は次のようになる。
RBをB種接地抵抗,RDをD種接地抵抗,VEを電路の電圧として,Vg={RD/(RB+RD)}VE
・・・(式1)と示される。ここで,人体の抵抗を1kΩ,人体通過許容電流として,数分間が限度(ビーゲツマイヤー氏による感電電流と人体の生理反応)とされる30mAを想定すると,対地電圧として,Vg=30Vが許容の上限とみなされる。
そして,電路の電圧VEが200Vの場合,式1にVgを代入し演算することにより,RB=5.7RD
・・・(式2)となり,B種接地抵抗の大きさが10Ωであった場合,RD≒1.7Ωとなることから,D種接地抵抗を約1.7Ω以下に設ければよいことになる。
しかしながら,この1.7Ω以下という接地抵抗は,現実的には、通常の設置工事では得難い低い接地抵抗値である。接地を行う際に土壌に科学的処理を施し,例えば,無機質高含水結晶体などを用いた接地抵抗低減剤を用いて,当該接地抵抗が得られたとしても,経年的に接地抵抗が保たれているか確認を行う必要があり,また,このような経年的に接地抵抗を確認することは、接地工事が為された当時とは周辺の環境が変化することが多く、現実的には困難なことであった。
このように,人体が感電することによる電気事故は,従来から機器の保護接地工事により防止されてきたが,接地に加えて,前述の漏電遮断器を電路に設置することにより,電路若しくは負荷機器の絶縁が劣化し、電路に所定の大きさの漏電電流が生じた場合には、該漏電遮断器が電路を遮断することにより、感電の危険性がなくなり、一層効果的に防止することができるものである。しかしながら,漏電遮断器を電路に設置していても,接地工事が十分になされていない場合には,人体が絶縁が劣化した負荷機器に接触してから該漏電遮断器が遮断動作するまでの間は,人体に漏電電流が流れることになり、感電事故が発生するおそれは完全には否定できない。
このように,接地は,漏電遮断器の有無にかかわらず、種々の電気事故から,人命,財産の安全を確保するために非常に重要なものである。
そして,このような接地の重要性に鑑み,前述したような回路遮断器をキャビネット内に収納する分電盤において,接地極の配線即ち接地分岐線を接続する接地分岐線端子について,例えば「日本配線器具工業会規格
JWDS 0007 住宅用分電盤」に,その構造が記載されている。
このような接地線分岐端子を設けた分電盤については,例えば,特許文献1,特許文献2に示したようなアース中継端子を備えたものが公知である。
ところで,接地工事を行った場合には,電気保安上,接地抵抗,即ち,大地と,大地に設けられた電気的端子である接地極との間の抵抗が,接地工事の種類に応じて,所定の抵抗値を満足しているか否かを確認する必要がある。
接地工事については,「電気設備に関する技術基準」に記載されているとおりであり,技術基準の解釈第19条によれば,
「接地工事は、第13条〔電路の絶縁〕第六号および第七号イに掲げるものを接地する場合、第23条〔需要場所の引込口の接地〕、第28条〔電気設備の接地〕第1項、第2項及び第4項並びに第42条〔避雷器の接地〕第二号イ及び第三号イ、ロの規定により接地する場合並びに低圧架空電線の特別高圧架空電線と同一支支持物に施設される部分に接地工事を施す場合を除き、次の左欄に掲げる4種とし、各接地工事における接地抵抗値は、同表の左欄に掲げる接地工事の種類に応じ、それぞれ同表の右欄に掲げる値以下とすること。」とされており,各々の接地工事の種類に応じて,A種接地工事の場合には接地抵抗値が10Ω,B種接地工事の場合には,変圧器の高圧側又は特別高圧側の電路の1線地絡電流のアンペア数で150 (変圧器の高圧側の電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧側の電路と低圧側の電路との混触により低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合に、1秒を超え2秒以内に自動的に高圧電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧電路を遮断する装置を設けるときは300、1秒以内に自動的に高圧電路又は使用電圧が35,000V以下の特別高圧電路を遮断する装置を設けるときは600)を除した値に等しいオーム数,C種接地工事の場合には,10Ω(低圧電路において、当該電路に地気を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは、500Ω),D種接地工事の場合には,100Ω(低圧電路において、当該電路に地気を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは、500Ω)と,接地抵抗値が定められている。
さて,接地抵抗値を測定する方法としては,従来から次のような方法が提案されている。
第一は、目的の接地抵抗を測定する接地極に加えて、補助電極を二つ用いて、各々の電極が三角形の頂点となるよう数メートル間隔に土中に打ち込んで配置し、該各々の頂点間の抵抗を測定することにより、目的の接地抵抗を測定する所謂コウラッシュ・ブリッジ法である。
第二は、目的の接地抵抗を測定する接地極に加えて、補助電極を二つ用いて、各々の電極を直線上に土中に打ち込んで配置し、一端には目的の接地抵抗を測定する接地極を配置するとともに、数十メートル離れた他端には一方の補助電極を設置し、前記接地極と他端の補助電極との間に、もう一方の補助電極を配置し、前記他端の補助電極と接地極との間に電流を流し、もう一方の補助電極と接地極との間に生じた電圧を測定することにより、目的の接地抵抗を測定する所謂電極電圧降下法である。
第三は、補助電極を用いずに、数十メートルの電線を地上に這わせ、該電線と大地との間で形成されるコンデンサ成分と、電線に存在するインダクタンス成分を利用して、目的の接地抵抗を測定する接地極と該電線との間に、既知の抵抗を介して高周波信号を与え、共振させることにより、前記コンデンサ成分とインダクタンス成分とが打ち消され、共振時の高周波電圧と、端子電圧とを測定することにより接地抵抗を測定する所謂共振を利用する方法である。
しかしながら,これらの測定方法においては,測定に用いる各々の補助電極を土中に打ち込む必要や、それぞれの電極をある程度の距離を設けて三角形や直線上に配置させることが必要で、そのため電極間の距離や測定に用いる電線の長さが数十メートル必要となり、現実的には、測定する周囲がコンクリートやアスファルトで舗装されていたり、また、隣家や塀が施設されている都合上、測定に必要な数十メートルもの広さが確保できない場合が多く、接地抵抗の測定が困難な場合が多い。
また、測定に用いる各々の補助電極を土中に打ち込む必要や、それぞれの電極を数十メートルの距離を設けて三角形や直線上に配置させることが必要になることから、実際の接地抵抗の測定には非常に手間がかかり、大きな労力を要するものであった。
このような,接地の重要性や接地抵抗の測定作業の手間を踏まえて、接地抵抗の値が規定の範囲に入るよう調整する技術や、接地抵抗の測定が困難な場所での測定を改善し,作業の効率化を図る技術など,次のように特許文献3乃至特許文献5に開示されている。
特開2000−201402号公報 図1 特開2000−201407号公報 図4 特開2006−275623号公報 図1 特開2007−163139号公報 図1 特開2007−127558号公報 図1 テンパール工業 総合カタログ 53P−54P 2006−2007年版
しかしながら、接地工事が為された後で、接地抵抗を簡易に確認する装置や,経年的にみて接地抵抗を確認する装置は開示されておらず、また、前述のように接地抵抗の測定作業には労力を要する。また,そもそも接地工事自体が正しく為されていても、接地系統は,前述の保護接地導体と接地極が正常に接続された状態において初めて機能するものであるため,接地抵抗の確認と同様,接地系統が機能する状態であるか否かを確認することが重要となる。
しかも接地抵抗は,経年的にみた場合,接地系統の周囲の環境条件により変化することが予想されるものであり,接地系統における各種接続部分の経年変化による機能性低下も考慮に入れ,経年的に接地系統が機能する状態であるか否かを簡易に確認できることが望ましい。
本発明は、かかる課題に鑑み、接地工事が為された後で、接地抵抗の測定作業を労力をかけずに行うことができるとともに,経年的に接地抵抗を確認することができ、即ち、接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為され、しかも経年的に接地系統が正常に機能する状態であるか否かを非常に簡易に確認することができる回路遮断器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために,本発明の請求項1では,
電路に接続される端子部と,
操作ハンドルのON,OFF操作を,電路に介在する接触子の開閉動作に連動させる開閉機構部と,
電路に異常電流が流れた場合には前記開閉機構部に作用して電路を開状態にする引外し装置と,を具備するとともに,電路に設けられる変圧器2次巻線の中性線側に設けられ,大地に接地される第一の電気的端子と,前記変圧器の負荷側電路において,大地に接地される第二の電気的端子と,機器などの接地を行う複数の保護接地導体と,該複数の保護接地導体が集中する分電盤に設けられて前記第二の電気的端子に接続された接地線及び前記複数の保護接地導体がそれぞれ接続される共通接地導体と,から構成される接地系統における該共通接地導体と前記負荷側電路との間で電気的に接続されることにより構成された前記接地系統の接続状態を確認する接地系統接続状態確認部と,を具備したことを特徴として回路遮断器を提供したものである。
このような回路遮断器によれば,電路に介在する回路遮断器が設置された場所で,特に測定器具を用いることなく,接地系統の接続状態を確認することができ,接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為され、しかも経年的に接地系統が正常に機能する状態であるか否かを非常に簡易に確認することができる。また,該回路遮断器が収納される分電盤等には接地系統が集中しているから,仮に接地系統の接続状態が正しく為されていない場合には原因の発見を行いやすくなる。
また,前記接地系統接続状態確認部は,該電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と,該接続部により接続された電路ならびに接地系統との間に電圧を印加する電圧印加部と,該電圧印加部により印加した電圧により,前記電路ならびに接地系統との間に流れる電流を検出する電流検出部と,該電流検出部により電流が検出された場合には前記接地系統の接続が為されていると判断し,前記電流が検出されない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する判断部と,を備えたことを特徴として回路遮断器を構成してもよい。
このような回路遮断器によれば,電路に介在する変圧器2次巻線の中性線側の接地及び該電路の負荷側における接地が為されている場合には,前記中性線と前記保護接地導体,もしくは,電圧線と保護接地導体との間に流れる電流を検出することにより,接地系統の接続が為されているか否かを判断することができる。また,該回路遮断器が収納される分電盤には接地系統が集中しているから,仮に接地系統の接続状態が正しく為されていない場合には原因の発見を行いやすくなる。
また,前記接地系統接続状態確認部は,該電路の中性線側ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と、該接続部により接続された電路ならびに接地系統との間の電圧を測定する電圧測定部と,該電圧測定部により前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略ゼロボルトである場合には前記接地系統の接続が為されていると判断し,前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略ゼロボルトでない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する判断部と,を備えたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,電路に介在する変圧器2次巻線の中性線側の接地及び該電路の負荷側における接地が為されている場合には,前記電圧線と前記保護接地導体との間の電圧を検出することにより,接地系統の接続が為されているか否かを判断することができる。また,また,該回路遮断器が収納される分電盤には接地系統が集中しているから,仮に接地系統の接続状態が正しく為されていない場合には原因の発見を行いやすくなる。
また、前記接地系統接続状態確認部は,該電路の電圧線側ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と、該接続部により接続された電路ならびに接地系統との間の電圧を測定する電圧測定部と、該電圧測定部により前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧と測定電圧値が略等しい電圧値である場合には前記接地系統の接続が為されていると判断し、前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略等しくない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する判断部と、を備えたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,電路に介在する変圧器2次巻線の中性線側の接地及び該電路の負荷側における接地が為されている場合には,前記電圧線と前記保護接地導体との間の電圧を検出することにより,接地系統の接続が為されているか否かを判断することができる。また,該回路遮断器が収納される分電盤には接地系統が集中しているから,仮に接地系統の接続状態が正しく為されていない場合には原因の発見を行いやすくなる。
また,前記接地系統接続状態確認部は,前記電路の電圧線ならびに中性線ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と、前記判断部により接地系統の接続状態を判断する場合に、前記接続部により接続された電路ならびに接地系統のうち、電圧線と接地系統若しくは中性線と接地系統の接続を選択的に為し得る接続状態切替部を設け、請求項2乃至請求項4記載の判断部による判断を選択的、もしくは併合して行う判断部を設けたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば、前記判断部による判断を行う際に必要な種々の電圧値もしくは電流値の測定データを、前記接続状態切替部にて,電圧線と接地系統若しくは中性線と接地系統の接続を選択的に切替えて得ることができる。接地系統が設けられる環境には,前述したように種々の周囲環境下での接地が予測されるため,判断部による接地系統の接続状態の確認の際に,ひとつの測定方法により該接地系統の接続状態の確認を行う場合と,種々の測定方法を複合させて行う場合を予め想定し,複数の測定を行う構成を,回路遮断器に備えておくことにより,ひとつの測定方法により接地系統の接続状態の確認がうまく行えない場合でも,他の測定方法を行うことにより,適切に接続状態の確認を行うことが可能となる。
また,前記共通接地導体に,接地線と保護接地導体とを分離/接続するスイッチ部を設け,該スイッチが入状態及び切状態のそれぞれの場合において前記電流検出部による電流検出もしくは電圧測定部による電圧測定を行い、接地系統の接続状態の判断を行う判断部を設けたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,前記スイッチ手段により,前記保護接地導体と前記接地線とを分離/接続制御することにより,接地状態及び非接地状態を作り出し,それぞれの状態における電流値もしくは電圧値を比較することにより,より正確に接地系統の接続が為されているか否かを判断することができる。
また,前記判断部による判断結果に基づいて、判断結果の表示データを生成する表示データ生成部と、該表示データ生成部により生成された表示データを表示する表示部とを設けたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,前記判断部による判断結果を適宜表示部にて確認することができ、回路遮断器の設置された場所で,特に測定器具を用いることなく,非常に簡易な方法でありながらも接地系統の接続状態を利便性よく確認することができる。
また,前記接地系統において,所定の時間間隔で前記記載の判断部による判断を実施する反復確認部を設けたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,前記判断部による判断を所定の時間間隔で反復して実施することにより,経年的に接地系統が機能する状態であるか否かを確認することができる。
また,前記判断部による判断結果に基づいて,判断結果の報知データを生成する報知データ生成部と,該報知データ生成部により生成された報知データを報知する報知部とを設けたことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,前記判断部による判断結果を,適宜報知部から報知される報知データにて確認することができ、回路遮断器の設置された場所にいなくとも,接地系統の接続状態を利便性よく確認することができる。
また,前記回路遮断器は,分電盤に設置され,負荷回路に電力を分配する主開閉器であることを特徴として提供してもよい。
このような回路遮断器によれば,前記判断部による判断結果を確認することができるとともに,仮に接地系統の接続状態が正常でない場合には,該主開閉器から電力を分配される負荷側電路において,電気安全が保たれていないことが把握でき,感電事故などの発生を未然に抑制する効果が期待できる。
また,前記接地系統接続状態確認部を筐体部に収納するとともに,該筐体部と回路遮断器とを連結手段で連結し,前記電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部のうち電路との接続部を回路遮断器内部に引き込み,接地系統と接続する接続部を接地系統と接続して構成したことを特徴として回路遮断器を構成してもよい。
このような回路遮断器によれば,既存の回路遮断器において,接地系統の接続状態を確認する機能を簡易に設けることができ,新たに該回路遮断器を開発する費用を極力抑えることができる。また,開発期間の短縮も可能となることから,短期間,低コストで電気安全の改善につながる回路遮断器を提供することができる。
また,前記接地系統接続状態確認部を回路遮断器を構成する筐体内に設け,前記電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部のうち電路との接続部を回路遮断器内部の電路に接続するとともに,接地系統と接続する接続部を前記回路遮断器を構成する筐体外部に引き出して接地系統と接続可能に構成したことを特徴として回路遮断器を提供してもよい。
これにより,接地系統の接続状態を確認する機能を有する回路遮断器を,省スペース性を保ちながら提供することができ,該回路遮断器を分電盤に設置する場合においても,分電盤内における施工スペースは極力変わることなく設けることができる。
本件の発明によれば、接地工事が為された後で、接地抵抗の測定作業を,労力をかけずに行うことができるとともに,経年的に接地抵抗を確認することができ、即ち、接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為され、しかも経年的に複数の接地系統が正常に機能する状態であるか否かを非常に簡易に確認することができる回路遮断器を提供することができる。
以下,本発明の実施の形態について,図面を用いて詳細に説明する。実施の形態は,いずれも電路に接続される端子部310と,操作ハンドルのON,OFF操作を,電路に介在する接触子311の開閉動作に連動させる開閉機構312と,電路に異常電流が流れた場合には前記開閉機構部312に作用して電路を開状態にする引外し装置313と,電路に設けられる変圧器2次巻線の中性線側が大地1に第一の電気的端子103を設けて接地されるとともに,該変圧器の負荷側電路において大地1に設けられた第二の電気的端子203が,該第二の電気的端子203と電気的に接続された接地線を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより構成された接地系統の接続状態を確認する接地系統接続状態確認部320と,を具備した回路遮断器300について示したものである。なお,機器などとは,一般的な電気機器のほか,建築設備,建築物に設けられる銅帯,電線,キュービクルの筐体など接地を行う必要があるもの全般である。また,本願では,社団法人日本電気協会発行の内線規程
電気技術規程使用設備編 JEAC8001に定められたとおり,中性線とは多線式電路の電源の中性極に接続される電線をいい,低圧電路において技術上の必要により接地された中性線又は接地された一線のことを接地側電線という。例えば単相3線式電路においては,電圧極としてL1極,L2極があり,中性極としてN極がある。また,単相2線式電路においては,電圧極と接地された接地側電線がある。
(第一の実施の形態)
図1は,本発明における第一の実施形態を示したものである。
第一の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子(earth
electrode)203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線(earthing conduction)202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体(protective
earthing conduction)201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,電路に介在する変圧器100の2次巻線の中性線102側と,前記共通接地導体601との間に電圧を印加することにより判断し確認する回路遮断器300を示したものである。
電路に介在する前記変圧器100の中性線102側は第一の電気的端子103により接地され,電圧線101とともに負荷側電路を構成している。
該負荷側電路において,第二の電気的端子203は接地線202と接続され,該接地線は共通接地導体601に設けられた接地線接続端子に接続されている。また,保護接地導体201は,前記共通接地導体601に設けられた保護接地導体接続端子に接続されている。
ここで,変圧器100の2次巻線の中性線102側が,前記第一の電気的端子103により為される接地は,電気設備に関する技術基準に示されるB種接地であり,電路の負荷側において保護接地導体201が接地線202を介して前記第二の電気的端子203により為される接地は,D種接地である。
このとき,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201は,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103を介して中性線102と接続されている状態にある。即ち,B種接地抵抗をRB,D種接地抵抗をRDとすると,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成抵抗は,
RTotal=RB+RD・・・(式3)と表される。
この場合において,電路の負荷側における中性線102及び共通接地導体601に電源装置301を接続部を介して接続し,電圧(電圧をEとする)を印加する。電源装置301は交流電源を使用してもよいし,直流電源を使用してもよい。電源として,1次側と2次側を絶縁した絶縁電源を用いてもよい。また,直流電源として,例えばコンデンサを用いて構成してもよい。
次に,前記中性線102及び共通接地導体601の間に流れる電流(電流をIとする)を電流計測手段302で計測する。該電流計測手段302は,変流器(CT)や,ホール素子を用いて構成してもよいし,その他一般的な電流センサを用いて構成するとよい。ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成抵抗は,(式3)のとおり,RTotal=RB+RDと表されるため,電圧Eを印加した場合,
E / (RB+RD) ・・・(式4)
の大きさで表される電流Iが前記電流計測手段302にて検出される。
このとき,該電流Iが検出された場合には,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合であるので,判断部303aにより前記接地系統の接続が為されていると判断する。
また,該電流Iが検出されない場合には,前記共通接地導体601が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103を介して中性線102と接続されていない状態であるため,前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
前記判断部303aは,マイコンやICを用いて構成し,(式4)の関係で表される検出電流について閾値を設定しておくことにより前記判断を行うようにしてもよいし,抵抗・ダイオード・オペアンプなどを用いて電子回路を構成し前記検出電流の大きさを検出することにより判断を行うようにしてもよい。
このように,接地系統の接続状態を,電路における中性線と前記共通接地導体との間に接続部を介して電圧を印加し,前記中性線と前記保護接地導体との間に流れる電流を検出することにより確認することができるため,接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為されていることを簡易に確認することができる。
また,電路に介在する変圧器100の2次巻線の電圧線101側と,前記共通接地導体601との間に接続部を介して電圧を印加することにより判断を行うように構成してもよい。
このとき,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201は,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103,中性線102,変圧器の2次巻線を介して電圧線101側と接続されている状態にある。即ち,B種接地抵抗をRB,D種接地抵抗をRD,変圧器の2次巻線のインピーダンスをZL(=jωL:Lはコイルのインダクタンス)とすると,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成インピーダンスは,
ZTotal=RB+RD+ZL・・・(式5)と表される。
この場合において,電路の負荷側における電圧線101及び共通接地導体601に電源装置301を接続し,電圧(電圧をEとする)を印加する。
次に,前記電圧線101及び共通接地導体601の間に流れる電流(電流をIとする)を電流計測手段で計測する。ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201と電圧線101との間の合成抵抗は,(式5)のとおり,ZTotal=RB+RD+ZLと表されるため,電圧Eを印加した場合,
E / (RB+RD+ZL) ・・・(式6)
の大きさで表される電流Iが検出される。
このとき,該電流Iが検出された場合には,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合であるので,判断部303aにより前記接地系統の接続が為されていると判断する。また,該電流Iが検出されない場合には,前記共通接地導体601が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103,中性線102,変圧器の2次巻線を介して電圧線101側と接続されていない状態であるため,前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
このように,接地系統が集中する端子部において,接地系統の接続状態を,電路における電圧線と前記共通接地導体との間に接続部を介して電圧を印加し,前記電圧線と前記保護接地導体との間に流れる電流を検出することにより確認することができるため,接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為されていることを簡易に確認することができる。
(第二の実施の形態)
図2は,本発明における第二の実施形態を示したものである。
第二の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,電路に介在する変圧器100の2次巻線の中性線102側と,前記共通接地導体601との間の電圧を測定することにより判断し確認する回路遮断器300を示したものである。
電路に介在する前記変圧器100の中性線102側は第一の電気的端子103により接地され,電圧線101とともに負荷側電路を構成している。
該負荷側電路において,第二の電気的端子203は接地線と接続され,該接地線は共通接地導体601に設けられた接地線接続端子に接続されている。また,保護接地導体201は,前記共通接地導体601に設けられた保護接地導体接続端子に接続されている。
ここで,変圧器100の2次巻線の中性線102側が,前記第一の電気的端子103により為される接地は,電気設備に関する技術基準に示されるB種接地であり,電路の負荷側において共通接地導体601が接地線202を介して前記第二の電気的端子203により為される接地は,D種接地である。
このとき,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記共通接地導体601は,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103を介して中性線102と接続されている状態にある。即ち,B種接地抵抗をRB,D種接地抵抗をRDとすると,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成抵抗は,
RTotal=RB+RD・・・(式3)と表される。
この場合において,電路の負荷側における中性線102及び共通接地導体601の間の電圧を接続部を介して電圧計測手段304にて測定する。該電圧計測手段304は,電子回路により構成してもよいし,電圧計測機能を有するマイコンやIC,その他の電圧センサ等を利用して構成するとよい。
ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記共通接地導体601と中性線102との間の合成抵抗は,(式3)のとおり,RTotal=RB+RDと表されるため,前記中性線102及び共通接地導体601の間の電圧は,単純に前記合成抵抗が介在する抵抗回路の開放端の電圧に相当し,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して略ゼロボルトの測定電圧値が検出される。
また,前記B種接地,前記D種接地が為されていない場合には,前記前記合成抵抗が介在する抵抗回路の途中に開放区間が存在することとなり,電圧は安定しないものとなる。即ち,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略ゼロボルトではない測定電圧値となる。
前記中性線と電圧線との線間電圧に対して略ゼロボルトの測定電圧値が検出された場合には,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合であるので,判断部303bにより前記接地系統の接続が為されていると判断する。また,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略ゼロボルトではない測定電圧値となる場合には,前記共通接地導体601が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103を介して中性線102と接続されていない状態であるため,前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
前記判断部303bは,マイコンやICを用いて構成し,検出電圧について閾値を設定しておくことにより前記判断を行うようにしてもよいし,抵抗・ダイオード・オペアンプなどを用いて電子回路を構成し前記検出で何津の大きさを検出することにより前記判断を行うようにしてもよい。
このように,接地系統が集中する端子部において,接地系統の接続状態を,電路における中性線と前記共通接地導体との間の電圧を接続部を介して測定することにより確認することができるため,接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為されていることを簡易に確認することができる。また,該端子部には接地系統が集中しているから,仮に接地系統の接続状態が正しく為されていない場合には原因の発見を行いやすくなる。
(第三の実施の形態)
図3は,本発明における第三の実施形態を示したものである。
第三の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,電路に介在する変圧器100の2次巻線の電圧線101側と,前記共通接地導体601との間の電圧を測定することにより判断し確認する回路遮断器を示したものである。
電路に介在する前記変圧器100の電圧線101側は,第一の電気的端子103により接地された中性線102とともに負荷側電路を構成している。
該負荷側電路において,第二の電気的端子203は接地線と接続され,該接地線は共通接地導体601に設けられた接地線接続端子に接続されている。また,保護接地導体201は,前記共通接地導体601に設けられた保護接地導体接続端子に接続されている。
ここで,変圧器100の2次巻線の中性線102側が,前記第一の電気的端子103により為される接地は,電気設備に関する技術基準に示されるB種接地であり,電路の負荷側において保護接地導体201が接地線202を介して前記第二の電気的端子203により為される接地は,D種接地である。
このとき,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201は,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103,中性線102,変圧器の2次巻線を介して電圧線101側と接続されている状態にある。即ち,B種接地抵抗をRB,D種接地抵抗をRD,変圧器の2次巻線のインピーダンスをZL(=jωL:Lはコイルのインダクタンス)とすると,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成インピーダンスは,
ZTotal=RB+RD+ZL・・・(式5)と表される。
この場合において,電路の負荷側における電圧線101及び共通接地導体601の間の電圧を接続部を介して測定する。該電圧計測手段304は,電子回路により構成してもよいし,電圧計測機能を有するマイコンやIC,その他の電圧センサ等を利用して構成するとよい。
ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201と電圧線101との間の合成インピーダンスは,(式5)のとおり,ZTotal=RB+RD+ZLと表されるため,前記電圧線101及び共通接地導体601の間の電圧は,単純に前記合成インピーダンスが介在する抵抗−コイルの直列回路の開放端の電圧に相当し,前記中性線と電圧線との線間電圧と略等しい測定電圧値が検出される。
また,前記B種接地,前記D種接地が為されていない場合には,前記前記合成インピーダンスが介在する抵抗回路の途中に開放区間が存在することとなり,電圧は安定しないものとなる。即ち,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して略等しくない測定電圧値が測定されることとなる。
前記中性線と電圧線との線間電圧に対して略等しい測定電圧値が検出された場合には,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合であるので,判断部303cにより前記接地系統の接続が為されていると判断する。また,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略等しくない測定電圧値となる場合には,前記共通接地導体601が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103,中性線102,変圧器の2次巻線を介して電圧線101側と接続されていない状態であるため,前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
前記判断部303cは,マイコンやICを用いて構成し,検出電圧について閾値を設定しておくことにより前記判断を行うようにしてもよいし,抵抗・ダイオード・オペアンプなどを用いて電子回路を構成し前記検出で何津の大きさを検出することにより前記判断を行うようにしてもよい。
このように,接地系統が集中する端子部において,接地系統の接続状態を,電路における電圧線と前記保護接地導体との間の電圧を接続部を介して測定することにより確認することができるため,接地抵抗の測定作業にかかる労力を極力低減できるとともに,接地工事自体が正しく為されていることを簡易に確認することができる。また,該端子部には接地系統が集中しているから,仮に接地系統の接続状態が正しく為されていない場合には原因の発見を行いやすくなる。
(第四の実施の形態)
図4は,本発明における第四の実施形態の例を示したものである。
第四の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,前記電路の電圧線ならびに中性線ならびに接地系統と電気的に接続する接続部を設け、
前記判断部により接地系統の接続状態を判断する場合に、前記接続部により接続された電路ならびに接地系統のうち、電圧線と接地系統若しくは中性線と接地系統の接続を選択的に為し得る接続状態切替部305を設け、前述した第一の実施の形態乃至第三の実施形態のいずれか一に示した判断を選択的に,もしくは前述した第一の実施の形態乃至第三の実施形態に示した判断を併合して実施することにより行う回路遮断器を示したものである。
305は接続状態切替部であり,前記電圧線と中性線との接続を択一的に切り替えるようリレーを用いて構成してもよいし,マイコンやICの内部で電子的に接続を選択する半導体スイッチで構成してもよい。
そして,判断部304dは,電圧線を選択した場合には,前述した第三の実施形態の判断を行い,中性線を選択した場合には,前述した第二の実施形態の判断を行うよう機能を複合させて構成しておくとよい。また,選択した電路において,前述した第一の実施形態の判断を行うよう構成してもよい。
さらに,前記接続状態切替部305により選択した電路において,前述の第一の実施形態乃至第三の実施形態の判断を併合し,複合的に行うよう判断部303dを構成してもよい。
これにより,前記判断部303dによる判断を行う際に必要な種々の電圧値もしくは電流値の測定データを、前記接続状態切替部305にて,電圧線と接地系統若しくは中性線と接地系統の接続を選択的に切替えるだけで得ることができる。
接地系統が設けられる環境には,前述したように種々の周囲環境下での接地が予測されるため,回路遮断器300による接地系統の接続状態の確認の際に,ひとつの測定方法により該接地系統の接続状態の確認を行う場合と,種々の測定方法を複合させて行う場合を予め想定し,複数の測定を行う構成を,判断部に備えておくことにより,ひとつの測定方法により接地系統の接続状態の確認がうまく行えない場合でも,他の測定方法を行うことにより,適切に接続状態の確認を行うことが可能となる。
(第五の実施の形態)
図5は,本発明における第五の実施形態の例を示したものである。
第五の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,該接地線接続端子6011と保護接地導体接続端子6012との間に介在し,前記保護接地導体201と前記接地線202とを分離/接続するスイッチ手段401を設けて,該スイッチ手段401により前記保護接地導体201と接地線202とを分離/接続制御することにより接地状態A及び非接地状態Bを作り出し,該接地状態A及び非接地状態Bのそれぞれの状態において,前述した第一の実施の形態乃至第四の実施形態に示したいずれか一の判断を実施し,前記接地状態A及び非接地状態Bの双方で得られた測定電流値もしくは測定電圧値を比較することにより確認する回路遮断器300を示したものである。
まず,本実施の形態について,前述した第一の実施の形態を基として,スイッチ手段401を前記保護接地導体201と前記接地線202との間に介在させた場合の説明を行う。該スイッチ手段401は,リレー回路を用いてもよいし,ICやマイコンを用いて構成した電子スイッチを用いてもよい。
この場合,まず,前記スイッチ手段401を閉じた状態(接地状態A)で,電路の負荷側における中性線102及び共通接地導体601に電源装置301を接続し,電圧(電圧をEとする)を印加する。そして,前記中性線102及び共通接地導体601の間に流れる電流(電流をIとする)を電流計測手段302で計測する。ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成抵抗は,(式3)のとおり,RTotal=RB+RDと表されるため,電圧Eを印加した場合,
E / (RB+RD) ・・・(式4)
の大きさで表される電流Iが検出される。
続いて,前記スイッチ手段401を開いた状態(非接地状態B)で,電路の負荷側における中性線102及び共通接地導体601に電源装置301を接続し,電圧(電圧をEとする)を印加する。そして,前記中性線102及び共通接地導体601の間に流れる電流(電流をIとする)を電流計測手段で計測する。このときには,前記共通接地導体601と中性線102との間は,前記スイッチ手段401により分離されているため,電流Iは検出されない状態となる。
ここで,判断部303eにより,前記スイッチ手段401を閉じた状態(接地状態A)と開いた状態(非接地状態B)とで得られた前記電流値を比較すると,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,検出される電流値Iは,前記接地状態Aと前記非接地状態Bとで変化し,前記B種接地,前記D種接地が為されていない場合には,前記共通接地導体601が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103を介して中性線102と接続されていない状態であるため,前記電流値Iは,前記接地状態Aと前記非接地状態Bとで変化しないものとなる。
したがって,前記判断部303eは,前記電流値の比較の結果該電流値に変化がある場合には前記接地系統の接続が為されていると判断する。また,前記電流値の比較の結果該電流値に変化がない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
続いて,前述した第二の実施の形態を基として,スイッチ手段401を前記共通接地導体601と前記接地線202との間に介在させた場合の説明を行う。
この場合,まず,前記スイッチ手段401を閉じた状態(接地状態A)で,電路の負荷側における中性線102及び共通接地導体601の間の電圧を測定する。
ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成抵抗は,(式3)のとおり,RTotal=RB+RDと表されるため,前記中性線102及び共通接地導体601の間の電圧は,単純に前記合成抵抗が介在する抵抗回路の開放端の電圧に相当し,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して略ゼロボルトの測定電圧値が検出される。
続いて,前記スイッチ手段401を開いた状態(非接地状態B)で,電路の負荷側における中性線102及び共通接地導体601の間の電圧を測定する。
この場合には,前記保護接地導体201と電圧線101との間は,前記スイッチ手段401により分離されているため,電圧は安定しないものとなる。即ち,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略等しくない測定電圧値となる。
ここで,前記スイッチ手段401を閉じた状態(接地状態A)と開いた状態(非接地状態B)とで得られた前記電圧値を比較すると,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,検出される電圧値Eは,前記接地状態Aと前記非接地状態Bとで変化し,前記B種接地,前記D種接地が為されていない場合には,前記共通接地導体601が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103,中性線102,変圧器の2次巻線を介して電圧線101側と接続されていない状態であるため,前記電圧値Eは,前記接地状態Aと前記非接地状態Bとで変化しないものとなる。
したがって,判断部303eは,前記電圧値の比較の結果該電圧値に変化がある場合には前記接地系統の接続が為されていると判断する。また,前記電圧値の比較の結果該電圧値に変化がない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
続いて,前述した第三の実施形態を基として,スイッチ手段401を前記共通接地導体601と前記接地線202との間に介在させた場合の説明を行う。
この場合,まず,前記スイッチ手段401を閉じた状態(接地状態A)で,電路の負荷側における電圧線101及び共通接地導体601間の電圧を測定する。
ここで,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,前記保護接地導体201と中性線102との間の合成抵抗は,(式5)のとおり,ZTotal=RB+RD+ZLと表されるため,前記中性線102及び共通接地導体601の間の電圧は,単純に前記合成インピーダンスが介在する抵抗−コイルの直列回路の開放端の電圧に相当し,前記中性線と電圧線との線間電圧と略等しい測定電圧値が検出される。
そして,前記スイッチ手段401を開いた状態(非接地状態B)で,電路の負荷側における電圧線101及び共通接地導体601の間の電圧を測定する。
この場合には,前記保護接地導体201と電圧線101との間は,前記スイッチ手段401により分離されているため,電圧は安定しないものとなる。即ち,前記中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略等しくない測定電圧値となる。
ここで,前記スイッチ手段401を閉じた状態(接地状態A)と開いた状態(非接地状態B)とで得られた前記電圧値を比較すると,前記B種接地,前記D種接地が為されている場合には,検出される電圧値Eは,前記接地状態Aと前記非接地状態Bとで変化し,前記B種接地,前記D種接地が為されていない場合には,前記保護接地導体201が,前記接地線202,第2の電気的端子203,大地1,第一の電気的端子103,中性線102,変圧器の2次巻線を介して電圧線101側と接続されていない状態であるため,前記電圧値Eは,前記接地状態Aと前記非接地状態Bとで変化しないものとなる。
したがって,判断部303eは,前記電圧値の比較の結果該電圧値に変化がある場合には前記接地系統の接続が為されていると判断する。また,前記電圧値の比較の結果該電圧値に変化がない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する。
なお,前述した第一の実施の形態乃至第四の実施形態に示した判断を複合的に実施し,前記接地状態A及び非接地状態Bの双方で得られた測定電流値もしくは測定電圧値を比較することにより確認するように構成してもよい。また,図13に示したように,スイッチ手段401を電路と共通接地導体601との間に介在させ,接地系統自体と電路とを分離/接続するように構成して接地状態A及び非接地状態Bを作り出し,該接地状態A及び非接地状態Bのそれぞれの状態において,前述した第一の実施形態乃至第四の実施形態に示したいずれか一の判断を実施するように構成してもよい。これにより,接地系統全体の接地の状態を簡易に確認することができる。
(第六の実施の形態)
図6は,本発明における第六の実施形態の例を示したものである。
第六の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,前述した判断部による判断結果に基づいて、表示データを生成する表示データ生成部と、該表示データ生成部により生成された表示データを表示する表示部とを設けて,前述した第一の実施の形態乃至第五の実施形態のいずれか一に示した判断を実施し,確認する回路遮断器を示したものである。
306は表示データ生成部であり,前記判断部から出力された判定結果に基づいて,表示部307に表示するための表示データを生成する。具体的には,キャラクタジェネレータ機能を有するマイコンや液晶駆動ドライバなどで構成するとよい。表示データは,接地系統の接続状態の良し悪しや,測定した電流値,測定した電圧値,判断部演算の結果得られた接地抵抗値など接地系統の状態が把握できるデータを生成し,表示部307に向けて出力されるようにするとよい。
また,より簡易に行う場合には,LEDの表示色により区別した表示を行い,接地の接続状態がよいと判断した場合には緑色のLEDを点灯させ,接地の接続状態がよくないと判断した場合には赤色のLEDを点灯させるように構成してもよい。
また,表示部307は,液晶ディスプレイを用いて構成している。該液晶ディスプレイは,前述のキャラクタ表示データを適宜表示する。なお,表示部307としては,この他外部から視認可能な表示機能を有する有機ELディスプレイや,LEDなどを用いて構成してもよい。
(第七の実施の形態)
図7は,本発明における第七の実施形態の例を示したものである。
第七の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,前述した判断部による判断結果に基づいて、報知データを生成する報知データ生成部308と、該報知データ生成部により生成された報知データを報知する報知部309とを設けて,前述した第一の実施の形態乃至第七の実施形態のいずれか一に示した判断を実施し,確認する回路遮断器を示したものである。
308は報知データ生成部であり,前記判断部から出力された判定結果に基づいて,報知部309に表示するための報知データを生成する。具体的には,音声ジェネレータ機能を有するマイコンや音声ドライバなどで構成するとよい。報知データは,接地系統の接続状態の良し悪しや,測定した電流値,測定した電圧値,判断部による演算の結果得られた接地抵抗値など接地系統の状態が把握できるデータを生成し,報知部309に向けて出力されるようにするとよい。
また,より簡易に行う場合には,ブザーの音色により区別した報知を行い,接地の接続状態がよくないと判断した場合にはブザーを鳴らすように構成してもよい。

(第八の実施の形態)
図8は,本発明における第八の実施形態の例を示したものである。
第八の実施形態は,大地1に設けられた電気的端子203が,該電気的端子203と電気的に接続された接地線202を介して,機器などの接地を行う保護接地導体201と,電気的に接続されることにより為される接地の状態を,所定の時間間隔で確認する反復確認手段501を設けて,前述した第一の実施の形態乃至第六の実施形態のいずれか一に示した実施形態における判断を実施し,経年的に反復して確認する回路遮断器300を示したものである。
前記反復確認手段501は,電子的なタイマーや,プログラミングされたマイコンを用いて構成し,定期的に前述した一連の判断が実施されるように構成するとよい。
前記反復手段501により,所定の時間間隔で接地系統の接続状態を確認できるため,経年的に変化する接地抵抗,ならびに,前記保安系接地系統における各種接続部分の経年変化による機能性低下が簡易に確認できる。
なお,反復確認手段501のほかに,前述した実施の形態における測定した電流値や電圧値,接地状態の確認結果などのデータを経年的に蓄積する記憶手段,例えばマイコン内部のメモリや外部メモリなどを設けて,前記電流値や電圧値,接地状態の確認結果などのデータを経年的に呼び出し,確認できるように構成すれば,一連の判断を実施した都度得られる各種データを前記表示部にて表示することができるなど種々活用することができる。
また,所定の時間間隔で確認するほか,所定のタイミング,例えば季節の変わり目であるとか,手動にて確認を行いたい場合に確認を行うようにしてもよい。また,天候の変化や,温度,湿度を測定するセンサを設けて,所定の変化があった場合に確認を行うようにしてもよい。
図9は,本発明における第一乃至第八の実施形態に示した回路遮断器において,接地系統接続状態確認部320を内蔵した実施形態の回路遮断器の外観図を示したものである。
前記接地系統接続状態確認部320と電路との接続部は、回路遮断器内部の電路に接続することにより行われ、接地系統と接続する接続部は、前記回路遮断器を構成する筐体外部に引き出し線を引き出すことにより接地系統と接続可能に構成した。
また、回路遮断器300の筐体外部には,外部から接地の接続状態を確認できるように、該接地の接続状態を表示する表示部307を設けている。該表示部307は、前述のように液晶にて構成されている。
なお,図に示したように,前記接地系統と接続する接続部として端子部を筐体に設けて構成し、即ち、接地線202と保護接地導体201とを接続する共通接地導体601と,電線により接続される接地系統接続端子部3011を筐体に設けて構成してもよい。
また,前記接地系統の接続状態を確認する際に,前記電路ならびに接地系統のうち、電圧線と接地系統若しくは中性線と接地系統の接続を選択的に為し得る接続状態切替部(相選択ボタン)を,外部から操作可能に設けている。また,測定方法について,電圧を測定するモードと,電流を測定するモードを切り替える測定方法選択部(測定方法選択ボタン),該それぞれの切替部/選択部で,切替/選択したモードを確認する確認部(確認ボタン)を設けている。
また,図中前面には,手動で動作確認を行いたい場合に動作させる押しボタン式の手動動作確認部(接地確認ボタン)3071を設けている。
前記手動動作確認部3071は,前記筐体内部において,前記判断部と接続されており,該手動動作確認部3071を押圧することによりトリガがかかり,押圧したときの接地系統の接続状態について測定を行う。なお,手動動作確認部3071は,押しボタン式のほか,タッチセンサ式のものでもよいし,その他手動で前記トリガ信号を出力できるものであればよい。また,報知部309は,スピーカで構成されている。
また、図10には、前記接地系統接続状態確認部320をモジュール330として、回路遮断器に内蔵したものを示している。
前記モジュール330を覆うカバーについては,表示部307を外部から視認可能なように一部を透明パネルに形成して構成している。
また,モジュール330は,回路遮断器300に予め設けたモジュール挿入部に挿入可能な形状としてその外観を構成しており,該モジュール330の挿入部に挿入を行うことにより,遮断器と連結をし,電路における接地系統の接続状態を確認することを可能としている。
また,モジュール330には,予め電路及び接地系統との接続部としての端子部が設けられており,前記モジュール挿入部に挿入した場合には,回路遮断器側に設けられた端子部と接触することにより電気的に接続される構造となっている。
これにより,接地系統の接続状態を確認する機能を有する回路遮断器を,省スペース性を保ちながら提供することができ,該回路遮断器を分電盤に設置する場合においても,分電盤内における施工スペースは極力変わることなく設けることができる。
図11には,前記接地系統接続状態確認部320を筐体部に収納して、該筐体部と回路遮断器とを連結手段で連結して構成した実施形態を示している。
前記連結手段は,前記接地系統接続状態確認部320を収納した筐体部に設けられたかぎ状凸部が,回路遮断器側に設けられた前記かぎ状凸部に対応する凹部と嵌合することにより連結されるよう構成している。
また,前記電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部のうち,電路との接続部を回路遮断器内部に引き込み,接地系統と接続する接続部を接地系統と接続して構成する。なお,接地系統接続端子部3011と前記共通接続導体601とを電線にて接続するとともに,電路と接続する端子部である電路接続端子部3012と回路遮断器の端子部とを電線にて接続して構成してもよい。
このような回路遮断器によれば,既存の回路遮断器において,接地系統の接続状態を確認する機能を簡易に設けることができ,新たに該回路遮断器を開発する費用を極力抑えることができる。また,開発期間の短縮も可能となることから,短期間,低コストで電気安全の改善につながる回路遮断器を提供することができる。
なお,本発明は,前述した実施の形態に限定されることなく,発明の要旨を逸脱しない限りにおいて,適宜,必要に応じて応用が可能である。
例えば,接地系統が正常に機能する状態であるか否かをより詳細に確認することを目的として,前記B種接地ならびにD種接地が正常に為された状態を基本状態として,該基本状態における前述した実施の形態に示した測定電流値ならびに測定電圧値を基本データとして記憶部に記憶しておき,経年的に前記工程を反復して行う場合に,得られた測定電流値ならびに測定電圧値のデータを前記基本データと判断部にて比較することにより,正常な状態からのずれがあるか否かを把握し,該ずれの大きさが所定の大きさになった場合には,接地の状態が正常に機能していないと判断するように構成してもよい。
また,前記記憶部に記憶された前記基本データとして,実際に接地系統における抵抗値データを求めておき,経年的に前記判断を反復して行った結果得られた測定電流値ならびに測定電圧値のデータから抵抗値データを求め,各々の抵抗値データのずれが所定の大きさになった場合には,接地の状態が正常に機能していないと判断するように構成してもよい。
また,前記基本データから得られる接地系統における抵抗値データ,ならびに,経年的に前記工程を反復して行った結果得られた測定電流値ならびに測定電圧値のデータから求められる抵抗値データが,前述した電気設備に関する技術基準に記載された,例えばD種接地工事の場合の接地抵抗値100Ω以内であるか否かを判断部により判断し,該接地抵抗値よりも大きい場合には,接地の状態が正常に機能していないと判断するよう構成してもよい。
また,回路遮断器300に,通信部を設けて,前述の基本データや,経年的に前記工程を反復して得られた測定電流値ならびに測定電圧値のデータ,また,これらのデータから求められた抵抗値データや,接地の状態が正常であるか否かといったデータを,外部の機器で得られるようにすることで,外部の機器で設置の状態が正常に機能しているか否かを確認できるように構成してもよい。
前記通信部としては,RS−232Cを用いたシリアル通信部を設けて構成したり,IEEE802.3で定められるイーサネット(登録商標)方式による通信部を設けて一般的な住宅内LANに接続できるよう構成してもよい。また,この他,特定小電力無線や,無線LAN方式などによる無線方式の通信部や,電力線にデータを重畳させる電力線搬送方式の通信部を設けて構成してもよい。
そして,外部の機器としては,一般的なインターネットに接続可能な携帯電話や,コンピュータとしてもよいし,前述の各種データを蓄積し演算処理を行い表示を行う専用のデータ処理装置としてもよい。また,前記回路遮断器300で得られたデータを,ゲートウエイ装置を介し,インターネット網を経由して,インターネット上に設けられたデータ蓄積サーバに集積し,電力会社側から該データ蓄積サーバにアクセスし,対象となる前記接地系統接続状態確認部320からのデータを参照することにより,接地の状態が正常に機能しているか否かを確認できるように構成してもよい。
これにより,従来では接地の状態を確認する場合には,該当する現地に赴き確認を行う必要があったが,電力会社側で接地の状態を確認することができ,また,各電力会社の管轄内もしくは管轄内外における場所においても,地域の制約を受けることなく,広い範囲の接地の状態を統計的に確認することができる。
さらには,得られた接地の状態のデータから,経年的なデータの変化を得ることにより,接地の状態が経年的にどのような変化を行っているのか,また,定められた接地抵抗値を超えた場合や,定められた接地抵抗値を超えそうな場合には,例えば,当該場所における接地の状態を確認し,接地の状態が正常になるよう事前に改善を行うことができる。
また,接地系統接続状態確認部において,前述の基本データや,経年的に前記判断を反復して得られた測定電流値ならびに測定電圧値のデータ,また,これらのデータから求められた抵抗値データや,接地の状態が正常であるか否かといったデータが,所定の値を超えたり,大きくずれたりしたような場合には,前記報知部から,接地の状態が正常ではない旨を報知させ,接地の状態が周囲で確認できるよう構成してもよい。
また,電力会社側のサーバと前記回路遮断器300とで双方向通信を行うようにしておき,電力会社側で把握した接地の状態を,前記報知部から報知させるようにすることで,接地の状態をより適切に確認することができる。
前記報知させる音声データは,前記接地系統接続状態確認部320にマイコンを設けて,想定される音声を予め該マイコン内部に格納しておくとよい。もしくは,インターネット網を介して,音声データを前記接地系統接続状態確認部320の通信部に送信し,該音声データを前記報知部から報知させるように構成してもよい。
本発明は,接地系統における接地線や保護接地導体が接続される分電盤に設けられる回路遮断器に適用可能である。主には,各種分電機器が収容された分電盤内における接地系統統の接続状態の確認や,接地専用ボックスにおける接地系統統の接続状態の確認有効である。分電盤は,住宅用分電盤のほか,産業用分電盤に設けられる回路遮断器に対して適用することにより,住宅用,産業用を問わず,種々の場所に為される接地に対して該接地の状態を確認できる回路遮断器を提供できる可能性がある。
第一の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第二の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第三の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第四の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第五の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第六の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第七の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図 第八の実施の形態に係わる回路遮断器の説明図。 本発明を適用した回路遮断器の外観図 本発明を適用した回路遮断器の他の外観図 本発明を適用した回路遮断器の他の外観図 電路に設置される負荷機器の絶縁が劣化した場合の対地電圧ならびに接地抵抗の説明図 第五の実施の形態における他の例の説明図。
1 大地
100 変圧器
101 電圧線
102 中性線
103 第1の電気的端子
201 保護接地導体
202 接地線
203 第2の電気的端子
300 回路遮断器
301 電源装置
302 電流計測手段
303 判断部
304 電圧計測手段
305 接続状態切替部
306 表示データ生成部
307 表示部
3071 手動動作確認部
308 報知データ生成部
309 報知部
310 端子部
320 接地系統接続状態確認部
330 モジュール
3011 共通接地導体接続端子
3012 電路接続端子
401 スイッチ手段
501 反復確認手段
601 共通接地導体
6011 接地線接続端子
6012 保護接地導体接続端子

Claims (12)

  1. 電路に接続される端子部と,
    操作ハンドルのON,OFF操作を,電路に介在する接触子の開閉動作に連動させる開閉機構部と,
    電路に異常電流が流れた場合には前記開閉機構部に作用して電路を開状態にする引外し装置と,を具備するとともに,
    電路に設けられる変圧器2次巻線の中性線側に設けられ,大地に接地される第一の電気的端子と,
    前記変圧器の負荷側電路において,大地に接地される第二の電気的端子と,
    機器などの接地を行う複数の保護接地導体と,
    該複数の保護接地導体が集中する分電盤に設けられて前記第二の電気的端子に接続された接地線及び前記複数の保護接地導体がそれぞれ接続される共通接地導体と,から構成される接地系統における該共通接地導体と前記負荷側電路との間で電気的に接続されることにより構成された前記接地系統の接続状態を確認する接地系統接続状態確認部と,
    を具備したことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記接地系統接続状態確認部は,
    該電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と,
    該接続部により接続された電路ならびに接地系統との間に電圧を印加する電圧印加部と,
    該電圧印加部により印加した電圧により,前記電路ならびに接地系統との間に流れる電流を検出する電流検出部と,
    該電流検出部により電流が検出された場合には前記接地系統の接続が為されていると判断し,
    前記電流が検出されない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する判断部と,
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. 前記接地系統接続状態確認部は,
    該電路の中性線側ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と、
    該接続部により接続された電路ならびに接地系統との間の電圧を測定する電圧測定部と,
    該電圧測定部により前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略ゼロボルトである場合には前記接地系統の接続が為されていると判断し,
    前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略ゼロボルトでない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する判断部と,
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  4. 前記接地系統接続状態確認部は,
    該電路の電圧線側ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と、
    該接続部により接続された電路ならびに接地系統との間の電圧を測定する電圧測定部と、
    該電圧測定部により前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧と測定電圧値が略等しい電圧値である場合には前記接地系統の接続が為されていると判断し、
    前記電圧を測定した場合に前記変圧器2次巻線の中性線と電圧線との線間電圧に対して測定電圧値が略等しくない場合には前記接地系統の接続が為されていないと判断する判断部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  5. 前記接地系統接続状態確認部は,
    前記電路の電圧線ならびに中性線ならびに接地系統と電気的に接続する接続部と、
    前記判断部により接地系統の接続状態を判断する場合に、前記接続部により接続された電路ならびに接地系統のうち、電圧線と接地系統若しくは中性線と接地系統の接続を選択的に為し得る接続状態切替部を設け、請求項2乃至請求項4記載の判断部による判断を選択的、もしくは併合して行う判断部を設けたことを特徴とする請求項2乃至請求項4記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  6. 前記共通接地導体に,接地線と保護接地導体とを分離/接続するスイッチ部を設け,
    該スイッチ部を入切制御するスイッチ制御部と,
    該スイッチが入状態及び切状態のそれぞれの場合において
    前記電流検出部による電流検出もしくは電圧測定部による電圧測定を行い、
    接地系統の接続状態の判断を行う判断部を設けたことを特徴とする請求項乃至請求項5記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  7. 前記判断部による判断結果に基づいて、判断結果の表示データを生成する表示データ生成部と、
    該表示データ生成部により生成された表示データを表示する表示部とを設けたことを特徴とする請求項乃至請求項6記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  8. 前記接地系統において,
    所定の時間間隔で前記記載の判断部による判断を実施する反復確認部を設けたことを特徴とする請求項乃至請求項7記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  9. 前記判断部による判断結果に基づいて,判断結果の報知データを生成する報知データ生成部と,
    該報知データ生成部により生成された報知データを報知する報知部とを設けたことを特徴とする請求項乃至請求項8記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  10. 前記回路遮断器は,分電盤に設置され,負荷回路に電力を分配する主開閉器であることを特徴とする請求項1乃至請求項9記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  11. 前記接地系統接続状態確認部を筐体部に収納するとともに,
    該筐体部と回路遮断器とを連結手段で連結し,
    前記電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部のうち
    電路との接続部を回路遮断器内部に引き込み,
    接地系統と接続する接続部を接地系統と接続して構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項10記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
  12. 前記接地系統接続状態確認部を回路遮断器を構成する筐体内に設け,
    前記電路ならびに接地系統と電気的に接続する接続部のうち
    電路との接続部を回路遮断器内部の電路に接続するとともに,
    接地系統と接続する接続部を前記回路遮断器を構成する筐体外部に引き出して
    接地系統と接続可能に構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項10記載のうちいずれか一項記載の回路遮断器。
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