JP5308726B2 - 微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 - Google Patents

微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法の改良に関するものであり、特に、平均結晶粒径が10μm以下の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法に関するものである。
近年、鉄鋼材料において、結晶粒を微細化することは、合金元素の添加によらず強度・靭性を上昇させる最も有効な方法であることが知られている。また、非特許文献1及び2には、オーステナイト系ステンレス鋼において、JISG4305に規定されるSUS304で加工誘起マルテンサイトからオーステナイトへの相変態を利用した結晶粒の微細化の方法が開示されている。このような方法により、結晶粒径1〜5μmの微細粒組織を形成した効果として、非特許文献1には降伏強度の上昇が、非特許文献2には650〜750℃での超塑性の発現がそれぞれ報告されている。
さらに、オーステナイト系ステンレス鋼における結晶粒の微細化効果を利用したものとして、特許文献1には金属ガスケットとその素材およびそれらの製造方法が、特許文献2には高強度準安定オーステナイト系ステンレス鋼がそれぞれ開示されている。具体的に特許文献1では、JISG4305に規定されるSUS301Lで上述したような加工誘起マルテンサイトからオーステナイトへの相変態とクロム窒化物の析出とを利用して、結晶粒径5μm以下の微細粒組織とし、さらに調質圧延との組み合わせによってHv500以上の高強度化を図っている。一方、特許文献2では、酸化物の微細分散を利用してSUS304の結晶粒径を19〜50μmとし、伸線加工や冷間加工による割れの防止を図っている。
上述したように、SUS304やSUS301Lでの微細粒組織の形成は、高強度化を目的としている。すなわち、従来のオーステナイト系ステンレス鋼の微細粒組織は、高強度化を指向したものである。しかしながら、従来は、プレス成形用途への微細化効果の活用について全く明らかにされていなかった。
ところで、オーステナイト系ステンレス鋼板において、深絞り加工後に放置した場合の割れ、いわゆる時期割れが発生するという問題が古くから知られている。そこで、非特許文献3には、時期割れがSUS301,SUS304,SUS305においてNi含有量が高い順に改善され、また、CやN含有量が低いほど改善されることが記載されている。
さらに、上述のような深絞り性と関連するプレス成形性の改善については、例えば、特許文献3〜7に示すように、成分に関する数多くの検討がなされている。具体的には、特許文献3および4には、Mo,Cu,Alの複合添加により時期割れを改善したプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。一方、特許文献5には、C:0.035%以下,Si:0.6%以下,Mn:0.8〜1.8%,Ni:7.5〜8.3%,Cr:16.3〜17.1%,Cu:1.7〜2.3%,Mo:0.7〜1.1%,N:0.025%以下とし、かつ、これらの成分からなる構成式の値を規定したプレス成形性と耐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板が開示されている。一方、特許文献6には、C:0.04%以下,Si:1.0%以下,Mn:1.7〜2.1%,Ni:5〜9%,Cr:15〜20%,Cu:1.0〜5.0%,N:0.035%以下とし、かつ、これらの成分からなる構成式の値を規定して加工性を改善した軟質オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。一方、特許文献7には、更に成分範囲を厳格に規定した深絞り後の二次加工性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
WO/2002/088410号公報 特開2001−262281号公報 特許第3398250号公報 特許第3422592号公報 特許第3734428号公報 特開2005−68560号公報 特開2006−52457号公報 鉄と鋼,78(1992),p141−148 鉄と鋼,80(1994),p249−253 ステンレス鋼便覧,第3版,p560 日本鋼管技報,No.87(1980),p51−60 Mater.Trans.,45(2004),p2272
上述したように、特許文献3〜7に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、CやN含有量を低くし、オーステナイト形成元素であるNi,Cu,Mnの含有量を調整して、さらに成分範囲やその他元素の添加量を厳格に規定することにより、深絞り性と関連するプレス成形性を改善したものである。また、これらの鋼の製造方法として、冷間圧延された鋼板を1050〜1100℃で焼鈍することが明記されている。
しかしながら、非特許文献4には、オーステナイト系ステンレス鋼の成分を調整しても、1000℃以上で焼鈍すると細粒化の限度は結晶粒度No.10に満たない、すなわち結晶粒径は10μmより大きくなることが示されている。従って、特許文献3〜7に開示されたオーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒径は、10μmより大きいことが容易に推察される。
このように、オーステナイト系ステンレス鋼において、平均結晶粒径10μm以下の微細粒組織を形成してプレス成形用途への適用を試みた検討はなされていない。すなわち、これまでに微細化効果を活用してオーステナイト系ステンレス鋼の欠点である時期割れを克服してプレス成形性の向上を図るという技術思想ならびにそのような開示は皆無であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、厳格な成分調整及び合金元素の添加によらず、結晶粒の微細化効果によってオーステナイト系ステンレス鋼の欠点である時期割れを克服し、プレス成形性の向上を図った微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、SUS304より軟質なオーステナイト系ステンレス鋼を対象とし、微細粒組織の形成に最適な成分バランスと微細化効果による時期割れの改善作用について鋭意研究を行い、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1) 質量%にて、C:0.085%以下、Cr:14〜19%、Si:2%以下、Mn:4%以下、Ni:5〜8%、Cu:4%以下、N:0.1%以下、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼成分を有し、かつ下記(1)式に示すMdの値が−20〜40の範囲であり、平均結晶粒径が10μm以下であり、円筒深絞り成形後に放置して時期割れを発生する絞り比が2.2以上であることを特徴とする微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板。
Md=551−462×([C]+[N])−9.2×[Si]−8.1×[Mn]−13.7×[Cr]−29×([Ni]+[Cu])−18.2×[Mo] ・・・(1)
(ここで[ ]は質量%)
(ここで、絞り比は、ブランク径(mm)をポンチ径(mm)で割った値を表す。)
(2) 前記鋼が、さらに質量%にて、Mo:1%以下、V:1%以下、B:0.010%以下、Nb:0.5%以下、Ti:0.5%以下、希土類元素:0.5%以下、Al:0.5%以下、Mg:0.005%以下、Ca:0.005%以下の1種または2種以上含有していることを特徴とする上記(1)に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板。
) 上記(1)または(2)に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法であって、上記(1)または(2)に記載の鋼成分を有する熱間圧延鋼板を焼鈍した後、冷間圧延を行い、650〜50℃で最終焼鈍することを特徴とする微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
) 前記冷間圧延において、圧下率を70%以上、かつ圧延温度を50℃以下とすることを特徴とする上記()に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
) 前記最終焼鈍において、焼鈍温度を650〜900℃の温度域とし、焼鈍時間を10分以上とすることを特徴とする上記()または()に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
以上説明したように、本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板によれば、厳格な成分調整及び合金元素の添加によらず、結晶粒の微細化効果によってオーステナイト系ステンレス鋼の欠点である時期割れを克服し、プレス成形性の向上を図ることができる。
また、本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法によれば、上記微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板を製造することができる。
本発明者らは、前記した課題を解決するために、SUS304より軟質なオーステナイト系ステンレス鋼を対象として、微細粒組織の形成に最適な成分バランスと、微細化効果による時期割れの改善作用とについて種々検討を行い、下記の新しい知見を得た。
以下に、上記検討の代表的な結果について説明する。
下記の表1に成分を示すオーステナイト系ステンレス鋼を溶製し、3.0mm厚の熱延板を製造した。ここで、熱延板焼鈍は1150℃で行い、酸洗して0.5mm厚の冷延板を作製した。また、冷間圧延は、水冷しながら板温を10℃に保ち、加工発熱を抑制して加工誘起マルテンサイトの生成を促進した。さらに、冷延板焼鈍は、加工誘起マルテンサイトからオーステナイトへの相変態を活用して微細粒組織を形成させるために、600〜1050℃の温度域で、保持時間を1分〜24時間の範囲で変化させた。更にまた、冷延焼鈍板を酸洗した後、平均結晶粒径の測定および多段深絞り試験を行い、時期割れの発生する限界絞り比を測定した。
Figure 0005308726
また、平均結晶粒径は、板断面を樹脂に埋め込み、これを研磨して硝酸電解エッチングした後、JISG0551に規定する鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法により求めた。一方、多段深絞り試験は、ブランク径72mmφ、ポンチ径40mmφ、ダイス径42mmφ、しわ押さえ圧1トンの条件で円筒深絞りを行い、これを48時間放置した後に、2段目以降の円筒深絞りを実施した。なお、2段目以降の円筒深絞りは、ポンチ径を2段目:35mmφ、3段目:30mmφ、4段目:25mmφ、5段目:22mmφ、6段目:20mmφとし、各段への移行は48時間放置した後に、時期割れを発生しなかった場合に行うものとした。
(a) 図1は、冷延板焼鈍を800℃で1時間保持とした場合の平均結晶粒径と成分バランス(Md)との関係を示すグラフである。ここで、Md値は、下記(1)式のように定義される。図1に示すように、平均結晶粒径は、Md値の上昇とともに小さくなる。すなわち、Md値の上昇により、冷間圧延で生成する加工誘起マルテンサイトの量は増加する。そのため、Md値の上昇は、上記非特許文献1および2で述べたように冷間圧延後の焼鈍において、加工誘起マルテンサイトからオーステナイトへの相変態を活用した微細化が促進したものと考えられる。したがって、本検討から、目標とする平均結晶粒径10μm以下への微細化には、Md値を−20以上にすることが効果的である。また、Md値がSUS304とほぼ同等であっても、Cr,Niを低減してCuを添加した成分(表1中の鋼B)の方が、微細化に対して有効であることを確認した。
Md=551−462×([C]+[N])−9.2×[Si]−8.1×[Mn]−13.7×[Cr]−29×([Ni]+[Cu])−18.2×[Mo] ・・・(1)
(ここで[ ]は質量%)
(b) 図2は、鋼B(Md=29.5)における多段深絞り試験後の外観を示す図であり、図2(a)は6段円筒深絞り後の外観を、図2(b)は4段円筒深絞り後の外観をそれぞれ示している。また、図3は、鋼Bにおける多段深絞り試験に供した資料のミクロ組織の観察結果を示す図であり、図3(a)は図2(a)に示す鋼のミクロ組織の観察結果を、図3(b)は図2(b)に示す鋼のミクロ組織の観察結果をそれぞれ示している。
図2(a)に示すように、平均結晶粒径が3μmまで微細化された鋼(図3(a)参照)は、6段目までの円筒深絞り試験後においても時期割れを発生していない。これに対して、図2(b)に示すように、通常の焼鈍条件(1050℃,60秒保持)で製造されて、平均結晶粒径が28μmの鋼(図3(b)参照)は、4段目の円筒深絞り試験後において時期割れが発生した。
この結果から、時期割れ限界絞り比は、結晶粒の微細化効果により飛躍的に向上するという、新規な知見を見出した。
(c) 図4は、時期割れ限界絞り比および平均結晶粒径ならびにMd値の関係を示すグラフである。図4に示すように、Md=29.5の場合、時期割れ限界絞り比は、結晶粒の微細化効果により上昇していることが確認される。この理由は、必ずしも明らかでないが、以下のように推定される。すなわち、鉄鋼材料において、結晶粒微細化による高靭性化はよく知られている。例えば、上記の非特許文献5では、低温で生じるBCC金属の脆性破壊に対する微細化の抑止効果が報告されている。今回、オーステナイト系ステンレス鋼の深絞り成形で生じる時期割れは、母相のオーステナイト(FCC)と加工誘起マルテンサイト(BCC)との混合状態で生じる脆性的な割れ(脆性破壊)である。このような脆性破壊に対しても、BCC金属と同様に微細化による抑止効果が発現したものと推察される。
(d) 上述した微細化効果の発現には、成分バランス(Md)の影響を受ける。図3において、Md=43(表1中に示される鋼A)の場合、時期割れ限界絞り比は、微細化しても上昇せず若干低下している。この理由は、微細化による材料そのものの硬質化、深絞り成形での多量の加工誘起マルテンサイト生成により、カップ側壁の残留応力が時期割れ限界に達しやかったものと推定される。本検討結果から、時期割れを抑止する微細化効果の発現には、Md値が40以下であることが有効である。
(e) 一方、Md値が低いMd=−25(表1中に示される鋼G)の場合、上記(a)で述べたように微細粒組織の形成が困難であるとともに、材料そのものが加工誘起マルテンサイト生成を抑制することから、時期割れを抑止する微細化効果を得ることは困難である。
(f) 従来から微細化の検討事例が数多く報告されているSUS304では、図3から前記(d)の場合と同様に時期割れの抑止効果を得ることが困難である。この理由は、従来から報告されているように、微細化による材料そのものの硬質化が大きいためと推察される。
(g) 結晶粒の微細化は、上記(a)で述べた成分条件に加えて、製造条件の影響を受ける。したがって、加工誘起マルテンサイトからオーステナイトへの相変態を活用するために、冷間圧延において加工誘起マルテンサイト変態を促進させることが効果的である。そのために、冷間圧延で圧下率を大きくしてかつ加工発熱を抑制することが好ましい。さらに、冷間圧延後に実施する最終焼鈍は、なるべく低温で長時間保持することが好ましい。
上記(1)〜(6)の本発明は、上記(a)〜(g)の知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」表示は「質量%」を意味する。
本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板は、質量%にて、C:0.1%以下、Cr:14〜19%、Si:2%以下、Mn:4%以下、Ni:5〜8%、Cu:4%以下、N:0.1%以下、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼成分を有し、かつ下記(2)式に示すMdの値が−20〜40の範囲であり、平均結晶粒径が10μm以下であることを特徴とする。
Md=551−462×([C]+[N])−9.2×[Si]−8.1×[Mn]−13.7×[Cr]−29×([Ni]+[Cu])−18.2×[Mo] ・・・(2)
(ここで[ ]は質量%)
また、本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板は、上記の鋼が、さらに質量%にて、Mo:1%以下、V:1%以下、B:0.010%以下、Nb:0.5%以下、Ti:0.5%以下、希土類元素:0.5%以下、Al:0.5%以下、Mg:0.005%以下、Ca:0.005%以下の1種または2種以上含有していることが好ましい。
さらに、本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板は、円筒深絞り成形後に放置して時期割れを発生する絞り比が2.2以上であることが好ましい。ここで、絞り比は、ブランク径(mm)をポンチ径(mm)で割った値を表す。
(A) 成分に関する限定理由を以下に説明する。
本発明のプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板は、平均結晶粒径10μm以下の微細粒組織を形成して、微細化効果により時期割れ限界絞り比を向上させるために、成分および成分バランスを規定したものである。
Cは、オーステナイト生成元素であり、オーステナイト安定度を確保する目的で添加されるが、多量に添加すると硬質になり加工性が低下するため、上限は0.1%とする。好ましくは0.05%以下である。下限は、製造性との関係から、0.005%とすることが好ましい。より好ましくは、0.01%以上とする。
Crは、十分な耐食性を得るためには14%以上必要であるため、下限は14%とする。好ましくは15%以上、より好ましくは16%以上とする。一方、Crを多量に添加すると、硬質化やδフェライトの形成により加工性を低下させる。さらに、本発明の目的とする結晶粒の微細化を阻害する。そのため、上限は19%とする。好ましくは18%以下である。
Siは、強力な脱酸剤として有効であるが多量に添加されると硬質になるとともに製造性を阻害するため、上限は2%以下とする。好ましくは1%以下である。下限は、製造性との関係から、0.1%以上とすることが好ましい。より好ましくは0.2%以上である。
Mnは、オーステナイト生成元素であり、オーステナイト安定度の確保と深絞り性の向上とを目的に添加する。しかしながら、多量に添加するとMnSを形成し耐食性が低下するため、上限は4%以下とする。好ましくは、3%以下とする。下限は、上記目的のために0.5以上とすることが好ましい。より好ましくは1%以上である。
Niは、オーステナイト系ステンレス鋼には不可欠な元素であり、オーステナイト安定度および加工性の確保の点から、下限は5%とする。好ましくは6%以上である。一方、Niは高価で希少な元素であること、および本発明の目的とする結晶粒の微細化を阻害して硬質化する要素も持つことから、上限は8%とする。好ましくは7.5%以下である。
Cuは、前記Niと同様に、オーステナイト安定度および軟質化を目的に添加するが、Niを節減して結晶粒の微細化を促進する上でも好ましい元素である。しかし、多量の添加は、熱間加工性を低下させ、Cu金属成分を全く不要とする鋼種の溶鋼の品質、排出されるスラグ品質及びその有効利用に悪影響を及ぼし支障を来すことになる。このため、上限は4%とする。好ましくは3%以下である。一方、下限は、上記効果を得るために1%とすることが好ましく、より好ましくは1.5%以上である。
Nは、Cと同様にオーステナイト生成元素であり、オーステナイト安定度を確保する目的で添加される。しかし、多量に添加すると硬質になり加工性が低下するため、上限は0.1%とする。好ましくは0.06%以下である。一方、下限は、製造性との関係から,0.005%とすることが好ましく、より好ましくは、0.01%以上である。
Moは、本発明において必須元素ではないが、耐食性向上に有効な元素である。しかし、Moは大変高価で希少な元素であるため、上限は1%とする。好ましくは0.5%以下である。一方、下限は、耐食性の向上効果を得るために0.05%とすることが好ましく、より好ましくは下限を0.1%である。
Vは、本発明において必須元素ではないが,Moに及ばないまでも耐食性向上に有効な元素である。しかし、Vは高価な元素であるとともに,固溶強化元素であるため加工性を阻害する。そのため、上限は1%とする。好ましくは0.5%以下である。一方、下限は、耐食性の向上効果を得るために0.1%とすることが好ましい。
Bおよび希土類元素は、熱間加工性を向上させるために適時添加しても良い。しかし、Bは0.01%を超えると、製造性や耐食性を著しく損なう場合がある。そのため、Bの上限は0.01%とすることが好ましく、より好ましくは0.005%以下である。なお、Bを添加する場合には、Bの下限を0.0005%とすることが好ましい。一方,希土類元素は、0.5%を超えると、製造性および経済性を損なう場合がある。そのため、希土類元素の上限は0.5%とすることが好ましく、より好ましくは、0.2%以下である。なお、希土類元素を添加する場合には、希土類元素の下限を0.005%とすることが好ましい。
Nb、Tiは、炭窒化物を形成して結晶粒の微細化に寄与するため、適時添加しても良い。しかし、多量に添加すると加工性や製造性が低下するため、上限は0.5%とする。好ましくは0.3%以下である。なお、Nb、Tiを添加する場合には、下限は0.005%とすることが好ましい。より好ましくは0.01%以上である。
Alは、脱酸元素として有効な元素であるため,適時添加しても良い。しかし、過度な添加は加工性や溶接性の低下に繋がるため、上限は0.5%とする。好ましくは0.3%以下、より好ましくは0.1%以下である。なお、Alを添加する場合、下限を0.01%とすることが好ましい。
Mg、Caは、溶鋼中でAlとともに酸化物を形成して脱酸剤として作用するため、適時添加しても良い。CaはSを固定して熱間加工性の改善作用を持つ。しかし、過度な添加は耐食性や溶接性の低下に繋がるため、上限は0.005%とする。好ましくは、0.002%以下とする。なお、Mg、Caを添加する場合、下限を0.0001%とすることが好ましい。より好ましくは0.0003%以上である。
さらに、本発明のオーステナイト系ステンレス鋼は、上記の成分以外に、不可避的不純物の一部としてP、Sを下記の範囲で含有してもよい。P、Sは、熱間加工性や耐食性に有害な元素である。したがって、Pは、0.1%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.05%以下である。一方、Sは、0.01%以下とするのが好ましく、より好ましくは0.005%以下である。
本発明では、前記した成分範囲に加えて、微細粒組織の形成に最適な成分バランスを下記(3)式に示すMd値により規定した。
Md=551−462×([C]+[N])−9.2×[Si]−8.1×[Mn]−13.7×[Cr]−29×([Ni]+[Cu])−18.2×[Mo] ・・・(3)
(ここで[ ]は質量%)
準安定オ−ステナイト系ステンレス鋼は、Ms点(マルテンサイト変態開始温度)以上の温度でも塑性加工によってマルテンサイト変態を起こす。このように、加工によって変態を生じる上限温度は、Md値と呼ばれる。すなわち、Md値は、オーステナイトの安定度を示す指標である。したがって、Md値を−20〜40の範囲に設計することにより、本発明の目的とする微細粒組織の形成と、この微細化効果による時期割れ限界絞り比の向上作用とが得られる。しかしながら、Md値が−20未満の場合は、上記(e)で述べたように微細粒組織の形成ならびに時期割れの抑制が困難となる。一方、Md値が40を越える場合は、上記(d)で述べたように微細粒組織の形成には有効であるものの、時期割れの抑止効果を阻害する。なお、より好ましいMd値は、−5〜35の範囲である。
(B) 製造方法に関する限定理由を以下に説明する。
本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法は、上記(A)項に述べた鋼成分を有する熱間圧延鋼板を焼鈍した後、冷間圧延を行い、650〜1050℃で最終焼鈍することを特徴とする。
また、冷間圧延において、圧下率を70%以上、かつ圧延温度を50℃以下とすることが好ましく、最終焼鈍において、焼鈍温度を650〜900℃の温度域とし、焼鈍時間を10分以上とすることが好ましい。
すなわち、本発明の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法は、上記(A)項に述べた成分を有し、平均結晶粒径10μm以下とするために、具体的に製造条件を以下のように制御することが好ましい。
熱間圧延までの製造方法は、公知の方法を適用することができ、特に限定されるものではない。また、冷間圧延後の最終焼鈍において微細粒組織を形成するには、上記(g)で述べたとおり、冷間圧延で加工誘起マルテンサイト変態を促進させることが有効である。一方、本発明の目的とする平均結晶粒径10μm以下とするには、冷間圧延後に加工誘起マルテンサイト体積率50%以上とすることが効果的である。ここで、冷間圧延後の最終焼鈍条件は、上述した要件を満たすために規定したものである。さらに、好ましくは冷間圧延条件も規定し、熱延板焼鈍も考慮するのが良い。
熱延板(熱間圧延鋼板)焼鈍は、冷間圧延に供するオーステナイト粒を20μm以上に粗粒化して冷間圧延で加工誘起マルテンサイト変態を促進するために、1050〜1200℃の温度範囲とすることが好ましい。ここで、1050℃未満の場合は、オーステナイト粒径が20μm未満となる場合があるため好ましくない。一方、1200℃超の場合では、焼鈍後の酸洗性など表面品質を阻害する場合があるため好ましくない。また、1200℃超の焼鈍は設備への負荷も大きい。したがって、上述したように1050〜1200℃の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、1080〜1180℃の範囲である。
最終焼鈍は、平均結晶粒径を10μm以下にするために、650〜1050℃の温度範囲とする。ここで、下限温度が650℃未満の場合は、冷間圧延での歪が蓄積された状態であり、オーステナイト粒の再結晶が不十分となって加工性が著しく低下するため好ましくない。したがって、下限温度は、650℃、好ましくは700℃、より好ましくは750℃とする。一方、上限温度が1050℃超の場合は、オーステナイトの結晶粒成長が進行し、平均結晶粒径は10μm超となるため好ましくない。したがって、上限温度は、1050℃、好ましくは1000℃、より好ましくは900℃とする。
ここで、最終焼鈍の温度範囲が650〜900℃の場合、焼鈍時間は、オーステナイトの再結晶を促進し、冷間圧延での歪を除去するために10分以上とすることが好ましく、30分以上とすることがより好ましい。また、保持時間(焼鈍時間)の上限は、特に限定するものではないが、クロム系ステンレスで工業的に公知な箱焼鈍を想定して24時間以下とすることが好ましい。ただし、小規模の焼鈍設備で製造する場合は、上記の限りではなく、24時間を超過しても構わない。
一方、最終焼鈍の温度範囲が900〜1050℃の場合、焼鈍時間は、結晶粒成長を考慮して10分以下の短時間保持とすることが好ましく、1分以下とすることがより好ましい。
冷間圧延は、加工誘起マルテンサイト変態を促進させるために、圧下率を70%以上、かつ圧延温度50℃以下とすることが好ましい。ここで、圧下率が70%未満の場合には、加工誘起マルテンサイト体積率は50%未満となり、上述の不可避的不純物であるP、Sで説明したように微細粒組織を形成することが困難となる。また、より好ましくは圧下率を80%以上とする。なお、この圧下率の上限は特に規定されるものではないが、熱延板製造と冷延設備能力とを考慮して90%が好ましい。
一方、圧延温度が50℃超の場合には、加工誘起マルテンサイト体積率は50%未満となり、前述した通り微細粒組織の形成が困難となる。また、圧延温度の下限は特に規定されるものではないが、工業的には水冷で到達する温度10℃が好ましい。ただし、小規模の圧延設備で製造する場合は、上記の限りではなく、液体窒素等の冷却で到達する低温(例えば、−200℃)でも構わない。
本発明のプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒径は、上記(A)項の成分を有し、上記(B)項の製造条件を実施して、平均結晶粒径を10μm以下とする。ここで、平均結晶粒計が10μm超の場合には、本発明の目的とする微細化効果による時期割れの抑止が困難となる。したがって、これら微細化効果を活用するには、好ましくは平均結晶粒径を5μm以下とする。この平均結晶粒径の下限は特に規定されるものではないが、上記の非特許文献の記載からも1μm未満とすることは困難である。従って、実用面を考慮して、平均結晶粒径は1〜5μmの範囲とすることがより好ましい。
以下に、本発明の製造方法を実施して、本発明の成分及び平均結晶粒径としたオーステナイト系ステンレス鋼板の実施例について述べる。
まず、表2に成分を示すオーステナイト系ステンレス鋳片を溶製し、熱間圧延を行い板厚3.5mmの熱延板とした。ここで、表3に示す鋼No.1〜23は、本発明で規定する成分とMd値を満たすものである。これに対して、鋼No.24〜28は、本発明で規定する成分とMd値の一方あるいは両者が外れるものである。
Figure 0005308726
Figure 0005308726
次に、各熱延板を焼鈍し、冷間圧延および最終焼鈍を行って製品とした。冷間圧延および最終焼鈍は、本発明で規定する条件とそれ以外の条件でも実施した。上記表3に各工程の製造条件を示す。表3に示すように、冷間圧延は、常温で水冷しながら30℃未満となるようにしたもの(表3中「<30℃」と記載)と、水冷など実施せず加工発熱により冷延途中に50℃を上回るもの(表3中「>50℃」と記載)との2条件で行った。
最終焼鈍板は、酸洗した後、平均結晶粒径の測定、硬さ測定、多段深絞り試験を行い、時期割れの発生する限界絞り比を測定した。
平均結晶粒径は、上述したようにJISG0551に規定する方法で求めた。
硬さは、平均結晶粒径を測定した埋め込み試料を用いて、JISZ2244に規定するビッカ−ス硬さ試験により測定した。
多段深絞り試験は、上記実施形態で説明した方法で行い、時期割れの発生する限界絞り比を測定した。
本試験で測定される限界絞り比は、ブランク径72mm/ポンチ径20mm=3.6を上限とする。従って、限界絞り比3.6を上回る場合は、3.6以上(表3中も同様)とする。
上述した各種評価結果を表3に示す。
試験No.6は、本発明の成分とMd値とを有し、公知の焼鈍温度で製造したものである。この試験No.6の平均結晶粒径は30μm、時期割れ限界絞り比は2.2である。これに対して、試験No.1〜4,7〜28は、本発明の成分とMd値とを有し、本発明で規定する製造条件を実施したものである(表3の備考欄に発明例と記載)。これらの本発明例の鋼板は、平均結晶粒径10μm以下であり、時期割れの発生する限界絞り比は、結晶粒の微細化効果により2.2を大きく上回る値が得られた。これにより、本発明の成分とMd値とを有し、本発明で規定する製造条件を実施したオーステナイト系ステンレス鋼板は、深絞り成形において微細化効果により極めて優れた耐時期割れ性を有していることが確認された。
試験No.5は、本発明の成分とMd値とを有するものの、本発明で規定する製造方法から外れるものである。試験No.5は、平均結晶粒径1μmと小さいが、最終焼鈍温度が低く未再結晶組織である。そのため、冷間圧延時の歪の残存によりHv250と硬質となり、微細化による時期割れ限界絞り比の向上が見られなかった。
試験No.29,31,33,34,36は、本発明の成分とMd値とから外れるものの、本発明で規定する製造方法を実施したものである。ここで、試験No.29,31,36は、結晶粒の微細化によりHv220以上、時期割れ限界絞り比2.2未満となり、微細化による時期割れ限界絞り比の向上が見られなかったものである。一方、試験No.33,34は、平均結晶粒10μm以下に到達しなかったものである。
試験No.30,32,35は、本発明の成分およびMd値ならびに製造方法の全てが本発明の規定範囲から外れるものである。これらは、平均結晶粒径28および30μmであり、従来から公知である成分の効果(低C、低N、Md値が小さく、加工誘起マルテンサイトの生成を抑制する)により、2.2を上回る時期割れ絞り比が得られたものである。
本発明によれば、厳格な成分調整と合金元素の添加によらず、オーステナイト系ステンレス鋼の欠点である時期割れを結晶粒の微細化効果により克服することができる。これにより、プレス成形性の向上が図られた微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板を得ることが出来る。
図1は、冷延板焼鈍を800℃で1時間保持とした場合の平均結晶粒径と成分バランス(Md)との関係を示すグラフである。 図2は、多段深絞り試験後の外観を示す図である。 図3は、多段深絞り試験に供した資料のミクロ組織の観察結果を示す図である。 図4は、時期割れ限界絞り比および平均結晶粒径ならびにMd値の関係を示すグラフである。

Claims (5)

  1. 質量%にて、C:0.085%以下、Cr:14〜19%、Si:2%以下、Mn:4%以下、Ni:5〜8%、Cu:4%以下、N:0.1%以下、残部がFeおよび不可避不純物からなる鋼成分を有し、かつ下記(1)式に示すMdの値が−20〜40の範囲であり、平均結晶粒径が10μm以下であり、円筒深絞り成形後に放置して時期割れを発生する絞り比が2.2以上であることを特徴とする微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板。
    Md=551−462×([C]+[N])−9.2×[Si]−8.1×[Mn]−13.7×[Cr]−29×([Ni]+[Cu])−18.2×[Mo] ・・・(1)
    (ここで[ ]は質量%)
    (ここで、絞り比は、ブランク径(mm)をポンチ径(mm)で割った値を表す。)
  2. 前記鋼が、さらに質量%にて、Mo:1%以下、V:1%以下、B:0.010%以下、Nb:0.5%以下、Ti:0.5%以下、希土類元素:0.5%以下、Al:0.5%以下、Mg:0.005%以下、Ca:0.005%以下の1種または2種以上含有していることを特徴とする請求項1に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板。
  3. 請求項1または2に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法であって、
    請求項1または2に記載の鋼成分を有する熱間圧延鋼板を焼鈍した後、冷間圧延を行い、650〜50℃で最終焼鈍することを特徴とする微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
  4. 前記冷間圧延において、圧下率を70%以上、かつ圧延温度を50℃以下とすることを特徴とする請求項に記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
  5. 前記最終焼鈍において、焼鈍温度を650〜900℃の温度域とし、焼鈍時間を10分以上とすることを特徴とする請求項またはに記載の微細粒組織を有するプレス成形用オーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。
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