JP5304387B2 - ロータリーピストンエンジンの始動制御方法及び始動制御装置 - Google Patents

ロータリーピストンエンジンの始動制御方法及び始動制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、ロータリーピストンエンジンの始動制御方法及び始動制御装置に関する技術分野に属し、特にエンジンの自動停止後における再始動時の制御に関する。
一般に、ロータリーピストンエンジンは、概略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングの両側にサイドハウジングを配置することによって形成したロータ収容室内に、概略三角形状のロータを収容したエンジンである。このロータリーピストンエンジンは、ロータの回転につれて、ロータとハウジングとの間で区画した3つの作動室それぞれを周方向に移動させながら、各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行わせる(例えば特許文献1参照)。
こうしたロータリーピストンエンジンでは、吸気ポート及び/又は吸気マニホールドに取り付けた燃料噴射弁から燃料を噴射して、吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるようにすることが一般的である。
また、上記特許文献1に示されているように、吸気行程にある作動室内に臨むように長軸付近に配置した燃料噴射弁から、その点火プラグの方向に指向するように、吸気行程の後半以降のタイミングで、作動室内に燃料を直接噴射することで、吸気行程にある作動室内に燃料を供給する場合もある。
一方、従来より、レシプロエンジンでは、燃費を向上させること等を目的として、アイドル時等のように所定のエンジン自動停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるようにすることが知られている(例えば特許文献2参照)。
特開平6−288249号公報 特開2000−356147号公報
ところで、ロータリーピストンエンジンにおいても、所定のエンジン自動停止条件が成立したときに、エンジンを自動停止させ、その後に所定のエンジン再始動条件が成立したときに、エンジンの再始動させることが望ましい。このようなエンジンの自動停止後の再始動は、出来る限り速やかに行うことが要求される。
しかし、上記のように、吸気ポートに燃料を噴射したり吸気行程にある作動室に燃料を直接噴射したりして、吸気行程にある作動室内に燃料を供給する構成では、燃料噴射から初爆までの時間の短縮には限界があり、改善の余地がある。すなわち、上記の構成では、エンジンの再始動時において、吸気行程にある作動室内に燃料を供給し、スタータモータでロータを回転させて、上記燃料を供給した作動室を圧縮行程とし、その圧縮行程の後期以降の点火タイミングで、点火プラグによる点火が行われて、作動室内の混合気が燃焼されることになる。このため、燃料噴射から点火タイミング(初爆)までの時間がかかる。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ロータリーピストンエンジンの自動停止後における再始動時に、燃料噴射から初爆までの時間を短縮して、始動レスポンスを出来る限り向上させようとすることにある。
上記の目的を達成するために、第1の発明では、互いに直交する長軸及び短軸によって規定される略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングと、それを挟むように配置されるサイドハウジングとにより区画されるロータ収容室内に、ロータが収容されて3つの作動室を区画するとともに、該ロータが出力軸回りに遊星回転運動することによって、上記各作動室を周方向に移動させながら、該各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行わせるように構成されたロータリーピストンエンジンの始動制御方法を対象とし、上記ロータリーピストンエンジンに、吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるように燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、圧縮行程にある作動室内に燃料を直接噴射する第2燃料噴射弁と、圧縮行程にある作動室内で圧縮された混合気を燃焼させる点火プラグと、上記ロータを回転させるエンジン始動用の駆動手段と、を予め設けておき、上記エンジンの自動停止時に、上記ロータにおける、圧縮行程にある作動室と吸気行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、上記第2燃料噴射弁の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、上記エンジンを停止させておき、上記エンジンの自動停止後における再始動時に、上記第2燃料噴射弁により、圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射する工程と、上記駆動手段により上記ロータを回転させる工程と、上記第2燃料噴射弁により燃料が噴射された作動室内の混合気を、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、上記点火プラグによる点火により燃焼させる工程と、を実行するようにした。
上記の始動制御方法により、エンジンの再始動時に、第2燃料噴射弁によって、圧縮行程にある作動室内に燃料が噴射され、駆動手段によるロータの回転により、該作動室で混合気が圧縮され、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、点火プラグによる点火が行われる。このように圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射する(圧縮行程噴射を行う)ようにすれば、第1燃料噴射弁によって、吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるように燃料を噴射する(吸気行程噴射を行う)場合に比べて、燃料噴射から点火タイミング(初爆)までの時間を短縮することができ、再始動のレスポンスを向上させることができる。
そして、エンジン始動後は、エンジンの運転状態に応じて、第1及び第2燃料噴射弁による噴射態様を変更することができる。すなわち、エンジンの運転状態が所定の高負荷運転領域にあるときには、第1燃料噴射弁による吸気行程噴射を行う。吸気行程噴射は、燃料の気化潜熱効果により吸気を冷却して、吸気充填効率を高める。その結果、高負荷運転領域においてはトルクが向上する。一方、エンジンの運転状態が、部分負荷運転領域にあるときには、第1燃料噴射弁による吸気行程噴射と第2燃料噴射弁による圧縮行程噴射とを行う。つまり、燃焼すべき混合気の空燃比が、エンジンの運転状態に応じて予め設定された設定値となるように第1及び第2燃料噴射弁による噴射を制御する。吸気行程噴射は、吸気冷却による充填効率向上効果の他にも、点火タイミングに対して大幅に早いタイミングで燃料が噴射されることから、気化霧化時間を長時間確保することができる。したがって、第1燃料噴射弁による吸気行程噴射は、気化霧化が良好な混合気を形成する上で有利である。しかし、ロータの回転に対して混合気(燃料)の流動が相対的に遅れる結果、特に部分負荷運転領域では、圧縮作動室内において、ロータ回転方向の進み側の領域がリーンになり、ロータ回転方向の遅れ側の領域がリッチになるような不均質性を生じる。そこで、圧縮行程噴射により、相対的にリーンの領域に燃料を供給するようにする。この結果、作動室内の混合気の不均質化を解消して、燃焼特性の改善により燃費を向上させることができる。
また、上記エンジンの自動停止時に、上記ロータにおける、圧縮行程にある作動室と吸気行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、上記第2燃料噴射弁の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、上記エンジンを停止させておくようにすることで、エンジンの再始動時に、第2燃料噴射弁による圧縮行程噴射を確実に行えるようになる。
の発明は、互いに直交する長軸及び短軸によって規定される略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングと、それを挟むように配置されるサイドハウジングとにより区画されるロータ収容室内に、ロータが収容されて3つの作動室を区画するとともに、該ロータが出力軸回りに遊星回転運動することによって、上記各作動室を周方向に移動させながら、該各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行わせるように構成されたロータリーピストンエンジンの始動制御装置の発明であり、この発明では、上記ロータリーピストンエンジンは、吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるように燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、圧縮行程にある作動室内に燃料を直接噴射する第2燃料噴射弁と、圧縮行程にある作動室内で圧縮された混合気を燃焼させる点火プラグと、上記ロータを回転させるエンジン始動用の駆動手段と、を有し、上記始動制御装置は、上記第1及び第2燃料噴射弁、上記点火プラグ、並びに上記駆動手段の作動を制御するとともに、所定のエンジン自動停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させる制御手段を備え、上記制御手段は、上記所定のエンジン自動停止条件が成立したときに、上記ロータにおける、圧縮行程にある作動室と吸気行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、上記第2燃料噴射弁の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、上記エンジンを停止させるとともに、上記エンジンの自動停止後に所定のエンジン再始動条件が成立したときに、上記第2燃料噴射弁に、圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射させ、かつ、上記駆動手段を作動させて上記ロータを回転させるとともに、上記第2燃料噴射弁により燃料が噴射された作動室内の混合気を燃焼させるべく、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、上記点火プラグに点火を行わせることで、上記エンジンを再始動させるよう構成されているものとする。
この発明により、制御手段が、エンジンの再始動時に、第2燃料噴射弁に、圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射させ、かつ、駆動手段を作動させてロータを回転させるとともに、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで点火プラグに点火を行わせるので、上記第1の発明と同様に、燃料噴射から点火タイミング(初爆)までの時間を短縮することができ、再始動のレスポンスを向上させることができる。
以上説明したように、本発明のロータリーピストンエンジンの始動制御方法及び始動制御装置によると、ロータリーピストンエンジンに、吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるように燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、圧縮行程にある作動室内に燃料を直接噴射する第2燃料噴射弁とを予め設けておき、上記エンジンの自動停止時に、上記ロータにおける、圧縮行程にある作動室と吸気行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、上記第2燃料噴射弁の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、上記エンジンを停止させておき、エンジンの自動停止後における再始動時に、第2燃料噴射弁により、圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射し、かつ、駆動手段によりロータを回転させるとともに、第2燃料噴射弁により燃料が噴射された作動室内の混合気を、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、点火プラグによる点火により燃焼させるようにしたことにより、燃料噴射から点火タイミング(初爆)までの時間を短縮して、再始動のレスポンスを出来る限り向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る始動制御装置の制御対象たるロータリーピストンエンジン1(以下、単にエンジン1という)の例を示している。このエンジン1は、2つのロータ2を備えた2ロータタイプ(2気筒エンジン)であり、フロント側(図1の右側)及びリヤ側(図1の左側)の2つのロータハウジング3が、インターミディエイトハウジング(サイドハウジング)4をその間に挟んだ状態で、これらの両側からさらに2つのサイドハウジング5で挟み込むようにして一体化されることによって構成されている。尚、図1では、その右側(フロント側)の一部は切り欠いて内部を示すとともに、左側(リヤ側)のサイドハウジング5も内部を示すために分離してある。また、図中の符号Xは、出力軸としてのエキセントリックシャフト6の回転軸心であって、以下、これを単に回転軸心Xという。
上記各ロータハウジング3の、平行トロコイド曲線で描かれるトロコイド内周面3aと、これらロータハウジング3を両側から挟むサイドハウジング5の内側面5aと、インターミディエイトハウジング4の両側の内側面4aとによって、図2に示すように回転軸心Xの方向から見て繭のような略楕円形状をしたロータ収容室31(気筒)が、フロント側及びリヤ側の2つ横並びに区画されており、これらロータ収容室31にそれぞれロータ2が1つずつ収容されている。各ロータ収容室31は、インターミディエイトハウジング4に対して対称に配置されており、ロータ2の位置及び位相が異なっている点を除けば構成は同じであるため、以下、1つのロータ収容室31について説明する。
ロータ2は、回転軸心Xの方向から見て各辺の中央部が外側に膨出する略三角形状をしたブロック体からなり、その外周における各頂部間に、3つの略長方形をしたフランク面2aを備えている。この各フランク面2aの中央部分には、リセス2bが形成されている。
また、ロータ2は、その三角形の各頂部に図示しないアペックスシールを有し、これらアペックスシールがロータハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接しており、このロータハウジング3のトロコイド内周面3aと、インターミディエイトハウジング4の内側面4aと、サイドハウジング5の内側面5aと、ロータ2のフランク面2aとで、ロータ収容室31の内部に、3つの作動室8がそれぞれ区画形成されている。したがって、このエンジン1においては、フロント側に第1〜第3の3つの作動室8が形成され、リヤ側に第4〜第6の3つの作動室8が形成されている(図6参照)。
図示は省略するが、ロータ2は、該ロータ2の内側に設けた内歯車(ロータギア)とサイドハウジング5に設けた外歯車(固定ギア)とが噛合しながら、インターミディエイトハウジング4及びサイドハウジング5を貫通するエキセントリックシャフト6に対して、遊星回転運動をするように支持されている。
すなわち、ロータ2の回転運動は内歯車と外歯車との噛み合いによって規定され、ロータ2は、3つのアペックスシールが各々ロータハウジング3のトロコイド内周面3aに摺接しつつ、エキセントリックシャフト6の偏心輪6aの周りを自転しながら、回転軸心Xの周りに、該自転と同じ方向に公転する(この自転及び公転を含めて、広い意味で単にロータ2の回転という)。そして、ロータ2が1回転する間に3つの作動室8が周方向に移動し、それぞれで吸気、圧縮、膨張(燃焼)及び排気の各行程が行われて、これにより発生する回転力がロータ2を介してエキセントリックシャフト6から出力される。尚、ロータ2の1回転中にエキセントリックシャフト6は3回転し、この間に3つの作動室8がそれぞれ1回ずつ燃焼サイクルを行う。このことから、エキセントリックシャフト6の1回転につき1回の燃焼サイクルが行われることになる。
より具体的に、図2において、ロータ2は矢印で示すように、時計回り方向に回転しており、回転軸心Xを通るロータ収容室31の長軸Yを境に分けられるロータ収容室31の左側が概ね吸気及び排気行程の領域となり、右側が概ね圧縮及び膨張行程の領域となっている。
そして、図2における左上の作動室8に着目すると、これは、吸気と、噴射された燃料とによって混合気を形成する吸気行程を示しており(以下、この状態にある作動室を吸気作動室8ともいう)、この吸気作動室8がロータ2の回転につれて圧縮行程に移行すると、その内部にて混合気が圧縮される(以下、この状態にある作動室を圧縮作動室8ともいう)。その後、図2の右側に示す作動室8のように圧縮行程の後期から膨張行程にかけての所定のタイミングにて後述のトレーリング側及びリーディング側点火プラグ91,92により点火されて、燃焼・膨張行程が行われる(以下、この状態にある作動室を圧縮・膨張作動室8ともいう)。そして、最後に図2の左下の作動室8のような排気行程に至ると(以下、この状態にある作動室を排気作動室8ともいう)、燃焼ガスが排気ポート10から排気された後、再び吸気行程に戻って上記各行程が繰り返されるようになっている。
上記吸気作動室8には、複数(本実施形態では、3つ)の吸気ポート11,12,13が連通している。すなわち、吸気作動室8に面するインターミディエイトハウジング4の内側面4aには、ロータ収容室31の外周側の短軸Z寄りに第1吸気ポート11が開口している。また、図1に示すように、吸気作動室8に面するサイドハウジング5の内側面5aには、第1吸気ポート11に対向するように、そのロータ収容室31の外周側の短軸Z寄りに第2吸気ポート12及び第3吸気ポート13が開口している。例えば、エンジン1の低回転域では、第1吸気ポート11のみから吸気され、吸気量が不足するようになると第2吸気ポート12からも吸気され(中回転域)、さらに吸気量が不足するようになると第3吸気ポート13からも吸気されて(高回転域)、吸気量が変化しても最適な吸気流速を維持して、エンジン1の低負荷低回転から高負荷高回転までの全運転領域に亘って効率よく吸気できるようになっている。
上記排気作動室8には、複数(本実施形態では、2つ)の排気ポート10が連通している。すなわち、排気作動室8に面するインターミディエイトハウジング4の内側面4aには、ロータ収容室31の外周側の短軸Z寄りに1つの排気ポート10が開口している。また、図1に示すように、排気作動室8に面するサイドハウジング5の内側面5aにも、前記排気ポート10に対向してもう1つの排気ポート10が開口している。このように、このエンジン1では、いわゆるサイド排気方式が採用されており、この排気ポート10の開口位置及び開口形状は、吸気のオープンタイミングと排気のオープンタイミングとがオーバーラップしないように設定されている。これによって、次行程に持ち込まれる残留排ガスを低減するようにしており、その結果、混合気がリーンであっても燃焼安定性が向上するようになる。
ロータハウジング3の長軸Y上に相当する、該ロータハウジング3の頂部付近には、第1インジェクタ(第1燃料噴射弁)15及び第2インジェクタ(第2燃料噴射弁)16がそれぞれ取り付けられている。第1インジェクタ15は、吸気作動室8に臨んで配設され、第2インジェクタ16は、圧縮作動室8に臨んで配設されている。
第1インジェクタ15は、図2及び図3に示すように、長軸Yに対してロータ回転方向の遅れ側、つまり、図3における左側に配設されている。第1インジェクタ15は、吸気作動室8内に燃料を直接噴射するように構成されており、第1インジェクタ15は特に、図3に示す回転軸心Xの方向から見たときに、ロータハウジング3の頂部付近から、吸気ポート11,12,13の方向に指向して、燃料を噴射する。第1インジェクタ15は、その先端部に燃料を噴射する複数の噴口を有するマルチホール型である。本実施形態では、第1インジェクタ15は、ロータ回転方向に4方向と、ロータ幅方向に2方向との、合計8方向(図3に示すラインD1−1,D1−2,D2−1,D2−2,D3−1,D3−2,D4−1,D4−2を参照)に燃料を噴射するように、8個の噴孔が形成されている。第1インジェクタ15の噴孔の数は、これに限るものではない。尚、図3に示す第1インジェクタ15の噴射方向は例示であり、これに限定されない。
第2インジェクタ16は、図2及び図3に示すように、長軸Yに対して、ロータ回転方向の進み側、つまり、図3における右側に配設されている。第2インジェクタ16は、圧縮作動室8内に燃料を直接噴射するように構成されており、第2インジェクタ16は特に、図3に示す回転軸心Xの方向から見たときに、ロータハウジング3の頂部付近からトレーリング側点火プラグ91の方向に指向して、燃料を噴射する。第2インジェクタ16はまた、第1インジェクタ15と同様に、その先端部に燃料を噴射する複数の噴口を有するマルチホール型であり、本実施形態では、第2インジェクタ16は、ロータ回転方向に対しては1方向でかつ、ロータの幅方向に対して2方向に燃料を噴射するように、2個の噴孔が形成されている。ロータの幅方向に対し2方向(図3に示すラインD5−1,D5−2を参照)に燃料を噴射することによって、トレーリング側点火プラグ91のプラグホールに噴霧が直接当たることを避けることが可能となる。尚、図3に示す第2インジェクタ16の噴射方向は例示であり、これに限定されない。ここで、第1及び第2インジェクタ15,16は、その本体部は互いに同じインジェクタを採用する一方、その先端に取り付けられる噴口が形成されたプレートのみを互いに異ならせるようにしてもよい。
上記第1及び第2インジェクタ15,16は、図3に示すように、その軸心方向が互いに平行となるように、ロータハウジング3に対してそれぞれ取り付けられている。ここで、図3においては、第1及び第2インジェクタ15,16の軸心を、長軸Yに対して所定の角度を有するように傾斜して配置しているが、第1及び第2インジェクタ15,16を配設する角度は、特に限定されるものではない。第1及び第2インジェクタ15,16の配設角度は、その先端から噴射する燃料の方向と軸心との成す角度が最適となるように、適宜設定すればよい。また、図示は省略するが、フロント側及びリヤ側の2つのロータ収容室31それぞれに対して、第1及び第2インジェクタ15,16が配設されており、その各ロータ収容室31において、第1及び第2インジェクタ15,16は、互いに平行となるように配設されている。したがって、このエンジン1では、合計4個のインジェクタ15,16が互いに平行となるように配設されている。
また、上記第1及び第2インジェクタ15,16は、1つの蓄圧器7に対して接続されており、この蓄圧器7は、図示を省略する高圧燃料ポンプに接続されている。蓄圧器7は、高圧燃料ポンプから供給された燃料を、第1及び第2インジェクタ15,16に任意のタイミングで供給することができるように高圧の状態で蓄える。蓄圧器7は、第1燃料供給管71と第2燃料供給管72とを含んで構成されている。第1燃料供給管71は、フロント側のロータハウジング3に取り付けられた第1インジェクタ15と、リヤ側のロータハウジング3に取り付けられた第2インジェクタ16とを互いに連通するようにフロント側及びリヤ側のロータハウジング3に亘って、回転軸心X方向(正確には、回転軸心Xに対して所定角度だけ傾斜した方向)に延びるように配設されている。一方、第2燃料供給管72は、フロント側のロータハウジング3に取り付けられた第2インジェクタ16と、リヤ側のロータハウジング3に取り付けられた第1インジェクタ15とを互いに連通するように、フロント側及びリヤ側のロータハウジング3に亘って、回転軸心X方向(正確には、回転軸心Xに対して、第1燃料供給管71とは逆側に所定角度だけ傾斜した方向)に延びるように配設されている。これら第1及び第2燃料供給管71,72は、その長さ方向の略中央位置において交差しており、その交差位置で互いに連通している。こうして、蓄圧器7は、平面視で見たときに、X字状を有するように構成されている。
上記第1及び第2燃料供給管71,72は、各々、その両端部それぞれにおいて下向きに突出して、第1又は第2インジェクタ15,16の上端部に外嵌される接続部73を有している。上述したように、4つのインジェクタ15,16は、互いに平行に配置されているため、各接続部73と各インジェクタ15,16との位置合わせをして、各接続部73が各インジェクタ15,16の上端部に外嵌するようにこの蓄圧器7を押し込めば、全てのインジェクタ15,16を、一度に蓄圧器7に接続させることができる。
上記蓄圧器7において、上記第1及び第2燃料供給管71,72の交差する位置(4つのインジェクタ15,16からの距離が略等しくなる位置)には、燃圧センサ76(図4にのみ示す)が取り付けられている。この燃圧センサ76は、蓄圧器7内の燃料圧力を計測し、その計測信号を、後述するコントロールユニット100(以下、ECU100という)に出力する(図4参照)。ECU100は、燃圧信号を、第1及び第2インジェクタ15,16に供給するパルス幅(燃料噴射信号)を設定する際に利用する。
上記ロータハウジング3の側部における、短軸Zを挟んだロータ回転方向のトレーリング側(遅れ側)位置及びリーディング側(進み側)位置には、それぞれ、トレーリング側点火プラグ91及びリーディング側点火プラグ92が取り付けられている。これら2つの点火プラグ91,92は、上記圧縮・膨張作動室8に臨んでいて、圧縮・膨張作動室8内の混合気(つまり圧縮作動室8で圧縮された混合気)を燃焼させるべく、同時に又はリーディング側及びトレーリング側の順番で点火する。このように2つの点火プラグ91,92を備えることによって、扁平形状となる圧縮・膨張作動室8において、その燃焼速度を高めるようにしている。
図4は、エンジン1の制御系の構成を示している。上記ECU100に対して、エンジン1を搭載した車両の乗員のアクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度を検出するアクセル開度センサ101、上記車両の走行速度を検出する車速センサ102、エキセントリックシャフト6の回転角度(以下、エキセン角という)を検出するエキセン角センサ103、上記乗員のブレーキペダルの踏み込み量を検出するブレーキセンサ104、エンジン1の冷却水の温度を検出する水温センサ105、吸気通路内に吸入される吸気流量を検出するエアフローセンサ106、排気ガス中の酸素濃度を検出するリニアO2センサ107、及び、上記燃圧センサ76がそれぞれ検出信号を出力する。ECU100は、上記各センサからの信号を入力して、該入力信号に基づいて、エンジン1の運転状態を判定するとともに、その運転状態に応じて、電動式のスロットル弁108の開度、各作動室8における点火プラグ91,92による点火時期、並びに、第1及び第2インジェクタ15,16による燃料噴射量及び燃料噴射タイミングの制御を行う。また、エンジン1の始動時には、ECU100は、エンジン始動用の駆動手段としてのスターターモータ109を駆動させて、ロータ2を回転させる。このことで、ECU100は、第1及び第2インジェクタ15,16、点火プラグ91,92並びにスターターモータ109の作動を制御する、本発明の始動制御装置の制御手段を構成することになる。
上記ECU100は、後述の如くエンジン1を自動停止させる自動停止制御部100aと、そのエンジン1の自動停止後に再始動させる再始動制御部100bと、エンジン1の始動後の通常運転時において、第1及び第2インジェクタ15,16の作動を制御して燃料噴射を制御する燃料噴射制御部100cと、エンジン1の通常運転時において、トレーリング側及びリーディング側点火プラグ91,92の作動を制御して点火を制御する点火制御部100dと、上記自動停止制御部100aによる自動停止時に、エンジン1の補機110の負荷を制御する補機負荷制御部100eとを有している。
ここで、このエンジン1においては、図5のマップに示すように、その運転領域が、高負荷運転領域と部分負荷運転領域とに区分されており、燃料噴射制御部100cは、各領域において、第1及び第2インジェクタ15,16による燃料噴射態様が互いに異なるように、第1及び第2インジェクタ15,16の作動を制御する。高負荷運転領域と部分負荷運転領域とでは、空燃比が互いに異なるように設定される。つまり、負荷運転領域と部分負荷運転領域との境界線は、空燃比によって決定される。尚、図5のマップの横軸であるエンジン回転数は、エキセン角センサ103により検出されるエキセン角の、時間に対する変化率を計算することで求まる。
そうして、燃料噴射制御部100cは、部分負荷運転領域では、第1インジェクタ15によって吸気行程にある作動室8内に燃料を噴射する吸気行程噴射と、第2インジェクタ16によって圧縮行程にある作動室8内に燃料を噴射する圧縮行程噴射との双方を実行し、高負荷運転領域では、第1インジェクタ15による吸気行程噴射のみを実行する。
また、燃料噴射制御部100cは、燃焼すべき混合気の空燃比が、エンジンの運転状態に応じて予め設定された設定値となるように、高負荷運転領域では第1インジェクタ15による燃料噴射量を設定し、部分負荷運転領域では第1及び第2インジェクタ15,16による燃料噴射量をそれぞれする。そして、燃料噴射制御部100cは、高負荷運転領域では、第1インジェクタ15に、上記設定された燃料噴射量でもって燃料を噴射させ、部分負荷運転領域では、第1及び第2インジェクタ15,16、それぞれ上記設定された燃料噴射量でもって燃料を噴射させる。部分負荷運転領域では、上記設定値の空燃比を得るために作動室8内に供給する燃料を、第1及び第2インジェクタ15,16によって分割して噴射して、第1インジェクタ15による燃料噴射量と、第2インジェクタ16による燃料噴射量との総量が、当該作動室8内に供給すべき燃料量に等しくなるようにする。第1インジェクタ15による燃料噴射量と第2インジェクタ16による燃料噴射量との比率は予め設定されており、本実施形態では、第1インジェクタ15による燃料噴射量の方が第2インジェクタ16による燃料噴射量よりも多くなるように設定される。これは、第1インジェクタ15による吸気行程噴射は、点火タイミングに対して大幅に早いタイミングで燃料が噴射されることから、気化霧化が良好な混合気を形成する上で有利であるからである。
次に、上記燃料噴射制御部100cにおける燃料噴射制御について、図6のタイミングチャートを参照しながら説明する。尚、図6では、吸気行程噴射及び圧縮行程噴射のことを、それぞれ「吸気噴射」及び「圧縮噴射」と記載している。
燃料噴射制御部100cによる第1インジェクタ15の燃料噴射タイミング(吸気行程噴射のタイミング)は、ロータ2が、図2に示す状態、つまり圧縮・膨張作動室8の容積が最小となる状態(圧縮上死点:TDC)を基準(0°)としたときに、エキセントリックシャフト6の回転方向側の回転角(エキセン角)が−450°〜−330°ATDCの範囲内で設定される。このときのロータ2の回転位置は、図3において二点鎖線で示される。この燃料噴射タイミングは、吸気作動室8内での吸気の運動エネルギが大きくかつ吸気流速が大きいタイミングであって、吸気作動室8内に激しい吸気流の流動が形成されている。このため、このタイミングで吸気ポート11,12,13に指向して燃料を噴射することによって、燃料を効率よく拡散させ得ることになる。また、このタイミングは、TDCに対して大幅に早いタイミングであるため、長い気化霧化時間を確保することが可能である。こうして、第1インジェクタ15による吸気行程噴射によって比較的多量の燃料を効率よく拡散させるとともに、長い気化霧化時間を確保することによって気化霧化が良好な混合気を形成する。また、吸気行程噴射は、燃料の気化潜熱により吸気を冷却し、充填効率を向上させることが可能である。その後、その作動室8は圧縮行程へと移行する。
燃料噴射制御部100cによる第2インジェクタ16の燃料噴射タイミング(圧縮行程噴射のタイミング)は、エキセン角で−180°〜−150°ATDCの範囲内に設定される。このときのロータ2の回転位置は、図3における実線で示され、これは圧縮行程の中期に相当する。作動室8が吸気行程から圧縮行程へと移行するに伴い、ロータ2の回転に対して混合気(燃料)の流動が相対的に遅れる結果、特に、第1インジェクタ15による燃料噴射量が少なくなる部分負荷運転領域では、圧縮・膨張作動室8内において、ロータ回転方向の進み側の領域がリーンになり、ロータ回転方向の遅れ側の領域がリッチになるような不均質性を生じる。これに対し、図3に太実線で示すように、第2インジェクタ16によって点火プラグ91の方向に指向して燃料を噴射することによって、ロータ2の回転角度との関係上、圧縮作動室8内における相対的にリーンの領域に燃料を供給し得る。このことにより、圧縮作動室8、及びその後の圧縮・膨張作動室8内におけるリーンの領域がリッチ化し、ロータ回転方向に対する混合気の不均質性が解消され得る。
そうして、第1及び第2インジェクタ15,16の両方、又は第1インジェクタ15のみによる燃料噴射が行われた後、点火制御部100dが、トレーリング側及びリーディング側の2つの点火プラグ91,92を、上記所定のタイミングで、同時に又はリーディング側及びトレーリング側の順番で点火させる。
尚、圧縮行程噴射は吸気行程噴射に対して遅いタイミングであるため、気化霧化時間を十分に確保することが難しい。しかしながら、第2インジェクタ16が噴射する燃料量は、第1インジェクタ15が噴射する燃料量と比較して少ないため、気化霧化時間が短いという不利益を極小化して、エミッション性の低下を抑制することが可能である。
上記自動停止制御部100aは、所定のエンジン自動停止条件が成立したときにエンジン1を自動停止させる。上記エンジン自動停止条件が成立するのは、例えば、ブレーキセンサ104により検出されたブレーキペダル踏み込み量が所定値以上である状態が所定時間継続し、かつ車速センサ102により検出された車速が所定速度以下である場合(つまりエンジン1のアイドル運転状態が所定時間継続していると想定される場合)である。
この自動停止時に、自動停止制御部100aは、補機負荷制御部100eと協働して、ロータ2における、圧縮作動室8と吸気作動室8とを区画するアペックスシールが、上記第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、エンジン1を停止させる。これは、後述の如く、エンジン1の再始動時に、圧縮作動室8内に燃料を噴射して、燃料噴射から初爆までの時間を短縮するためである。
具体的には、自動停止制御部100aは、上記エンジン自動停止条件が成立したときに、燃料噴射制御部100cに対して、第1及び第2インジェクタ15,16による燃料噴射を停止させる。これにより、燃料噴射が停止し、ロータ2の回転速度が低下していく。このロータ2が停止する位置は、ロータ2が停止する直前の3つの作動室8の空気量のバランスにより略決定され、また、燃料噴射の停止直前のエンジン回転数(津状、アイドル回転数)から、ロータ2の停止時に圧縮行程となる作動室8も決まる。しかし、ロータ2が停止したときに、ロータ2における、圧縮作動室8と吸気作動室8とを区画するアペックスシールが、第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転進み側に位置すると、後述の如く、エンジン1の再始動時に、第2インジェクタ16により圧縮作動室8に燃料を噴射することができなくなる。そこで、燃料噴射停止後にエンジン1の補機110の負荷を調整して、ロータ2を、圧縮作動室8と吸気作動室8とを区画するアペックスシールが第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように停止させる。本実施形態では、補機110はオルタネータであり、その発電量の大小に応じてエンジン1に対する負荷を調整し、エキセン角で−180°〜−150°ATDCの範囲を目標にロータ2を停止させる。尚、補機110としては、オルタネータ以外に、例えば空調装置のコンプレッサ等であってもよく、エンジン1に対する負荷を調整できるものであれば、どのようなものであってもよい。
そして、上記自動停止制御部100aは、エキセン角センサ103により検出されるエキセン角と、該エキセン角の時間に対する変化率から求まるエンジン回転数とに基づいて、補機110の負荷を求め、この負荷の情報を補機負荷制御部100eに送信して、補機負荷制御部100eに対し、該負荷が得られるように補機110を制御させる。
上記自動停止制御部100aによるエンジン自動停止制御を、図7のフローチャートにより説明する。
最初のステップS1で、各センサより検出データを入力し、次のステップS2で、エンジン自動停止条件が成立したか否かを判定する。
上記ステップS2の判定がNOであるときには、当該エンジン自動停止制御を終了する一方、ステップS2の判定がYESであるときには、ステップS3に進んで、燃料噴射制御部100cに対して、第1及び第2インジェクタ15,16による燃料噴射を停止させるように指示する。
上記ステップS3に続くステップS4では、エキセン角センサ103より入力したエキセン角と、該エキセン角の時間に対する変化率から求まるエンジン回転数とに基づいて、補機110の負荷を決定し、次のステップS5で、その決定した負荷の情報を補機負荷制御部100eへ送信して、補機負荷制御部100eに対し、該負荷が得られるように補機110を制御させる。
次のステップS6では、エキセン角センサ103よりエキセン角を入力し、次のステップS7で、エンジン1が停止したか否か(つまり、エキセン角センサ103により検出されるエキセン角が変化しなくなったか否か)を判定し、このステップS7の判定がNOであるときには、上記ステップS4に戻る一方、ステップS6の判定がYESであるときには、そのまま当該エンジン自動停止制御を終了する。
尚、補機110の負荷の決定を燃料噴射の停止直後のみにして、その負荷をエンジン1の停止まで継続するようにしてもよい。このようにすると、ロータ2が停止したときに、ロータ2における、圧縮作動室8と吸気作動室8とを区画するアペックスシールが、第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転進み側に位置する可能性があるが、本実施形態では、万一に備えて、後述の如く、エンジン1の再始動時において、上記アペックスシールが第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転進み側にある場合には、吸気作動室8内に燃料を供給するようにしているので、問題は生じない。但し、ロータ2を目標停止位置に、より正確に停止させて、出来る限り圧縮作動室8内に燃料を噴射できるようにするためには、図7のフローチャートのようにフィードバック制御するのがよい。
上記再始動制御部100bは、上記エンジン1の自動停止後において、所定のエンジン再始動条件が成立したときにエンジン1を再始動させる。上記エンジン再始動条件が成立するのは、例えば、アクセル開度センサ101により検出されたアクセル開度(アクセルペダルの踏み込み量)が所定値以上である場合や、上記エンジン自動停止条件がエンジン1の停止後に解除された場合である。
この再始動時に、再始動制御部100bは、第2インジェクタ16に、圧縮行程にある作動室8内に燃料を噴射させるようにする。このとき、再始動制御部100bは、第1インジェクタ15に、吸気行程にある作動室8(次に圧縮行程となる作動室8)内に燃料を噴射させるようにする。第1及び第2インジェクタ15,16による燃料噴射後、スターターモータ109を駆動させてロータ2を回転させる(クランキングする)。尚、ロータ2が目標停止位置よりもロータ回転遅れ側に停止している場合には、上記燃料噴射前又は燃料噴射と同時に、スターターモータ109を駆動させるようにしてもよい。また、第1インジェクタ15による燃料噴射は、第2インジェクタ16による燃料噴射と同時でなくてもよく、吸気行程にある作動室8が圧縮行程に移行するまでに行えばよい。
そして、上記第2インジェクタ16により燃料が噴射された作動室8内の混合気を、圧縮行程後期以降の上記所定のタイミング(通常運転時の点火タイミングと同じ)で、トレーリング側及びリーディング側点火プラグ91,92による点火(初回点火)により燃焼させる。この後は通常運転となり、上記第1インジェクタ15により燃料が噴射された作動室8内の混合気を燃焼させるタイミングとなったときには、2回目の点火が行われることになる。
ここで、上記再始動時において、ロータ2における、圧縮作動室8と吸気作動室8とを区画するアペックスシールが、第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転進み側にある場合には、再始動制御部100bは、第2インジェクタ16による燃料噴射は行わせず、第1インジェクタ15に、吸気行程にある作動室8内に燃料を噴射させるようにする。この燃料噴射後(燃料噴射前又は燃料噴射と同時であってもよい)、スターターモータ109を駆動させてロータ2を回転させる(クランキングする)。そして、第1インジェクタ15により噴射された燃料が供給された作動室8内の混合気を、圧縮行程後期以降の上記所定のタイミング(通常運転時の点火タイミングと同じ)で、トレーリング側及びリーディング側点火プラグ91,92による点火(初回点火)により燃焼させる。この後は通常運転となる。
上記再始動制御部100bによるエンジン再始動制御を、図8のフローチャートにより説明する。
最初のステップS21で、各センサより検出データを入力し、次のステップS22で、エンジン再始動条件が成立したか否かを判定する。
上記ステップS22の判定がNOであるときには、当該エンジン再始動制御を終了する一方、ステップS22の判定がYESであるときには、ステップS23に進んで、ロータ2の停止位置が正常であるか否か、つまり、停止しているロータ2における、圧縮作動室8と吸気作動室8とを区画するアペックスシールが、第2インジェクタ16の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置しているか否かを判定する。
上記ステップS23の判定がYESであるときには、ステップS24に進んで、第2インジェクタ16に、圧縮行程にある作動室8内に燃料を噴射させる(圧縮行程噴射させる)とともに、第1インジェクタ15に、吸気行程にある作動室8内に燃料を噴射させる。
上記ステップS24に続くステップS25では、スタータモータ109を駆動させて、ロータ2を回転させ、次のステップS26で、第2インジェクタ16により燃料が噴射された作動室8内の混合気を燃焼させるべく、所定のタイミングで、点火プラグ91,92による点火(初回点火)を行わせ、しかる後にステップS30に進む。
一方、上記ステップS23の判定がNOであるときには、ステップS27に進んで、第1インジェクタ15に、吸気行程にある作動室8内に燃料を噴射させる(吸気行程噴射させる)。
上記ステップS27に続くステップS28では、スタータモータ109を駆動させて、ロータ2を回転させ、次のステップS29で、第1インジェクタ16により燃料が噴射された作動室8内の混合気を燃焼させるべく、所定のタイミングで、点火プラグ91,92による点火(初回点火)を行わせ、しかる後にステップS30に進む。
上記ステップS30では、通常運転に移行し、燃料噴射制御部100c及び点火制御部100dに対し、第1及び第2インジェクタ15,16並びに点火プラグ91,92の通常運転時の制御を行わせる。
したがって、本実施形態では、エンジン1の自動停止後における再始動時に、第2インジェクタ16により、圧縮行程にある作動室8内に燃料を噴射し、その作動室8内の混合気を、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、点火プラグ91,92による点火により燃焼させるようにしたので、第1インジェクタ15により、吸気行程にある作動室8内に燃料を噴射する場合に比べて、燃料噴射から点火タイミング(初爆)までの時間を短縮することができ、再始動のレスポンスを向上させることができる。
尚、上記実施形態では、本発明の第1燃料噴射弁を、吸気行程にある作動室8内に燃料を直接噴射する第1インジェクタ15で構成したが、吸気ポート11(他の吸気ポートであってもよい)に燃料を噴射して、吸気ポート11を介して、吸気行程にある作動室8内に燃料を供給するインジェクタ、又は、該インジェクタ及び第1インジェクタ15の両方で第1燃料噴射弁を構成してもよい。上記吸気ポート11に燃料を噴射するインジェクタによる燃料噴射は、吸気ポート11の開口タイミングにおいて実行するのがよい。
さらに、上記実施形態では、エンジン1を2つの気筒(2つのロータ2)で構成したが、1つの気筒や3つ以上の気筒で構成してもよい。
本発明は、ロータリーピストンエンジンの自動停止後における再始動時の始動制御方法及び始動制御装置に有用である。
本発明の実施形態に係る始動制御装置の制御対象たるロータリーピストンエンジンの概要を示す斜視図である。 ロータリーピストンエンジンの要部を示す、一部を簡略化した断面図である。 ロータリーピストンエンジンのローターハウジングにおける頂部付近を拡大して示す図である。 ロータリーピストンエンジンの制御系の構成を示すブロック図である。 燃料噴射制御に関する運転領域のマップの例を示す図である。 ロータリーピストンエンジンの運転に関するタイミングチャートである。 ECUの自動停止制御部によるエンジン自動停止制御を示すフローチャートである。 ECUの再始動制御部によるエンジン再始動制御を示すフローチャートである。
1 ロータリーピストンエンジン
2 ロータ
3 ローターハウジング
3a トロコイド内周面
4 インターミディエイトハウジング(サイドハウジング)
5 サイドハウジング
6 エキセントリックシャフト(出力軸)
8 作動室
15 第1インジェクタ(第1燃料噴射弁)
16 第2インジェクタ(第2燃料噴射弁)
31 ローター収容室
91 トレーリング側点火プラグ
92 リーディング側点火プラグ
100 ECU(制御手段)
109 スタータモータ(エンジン始動用の駆動手段)
110 補機
Y 長軸
Z 短軸

Claims (2)

  1. 互いに直交する長軸及び短軸によって規定される略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングと、それを挟むように配置されるサイドハウジングとにより区画されるロータ収容室内に、ロータが収容されて3つの作動室を区画するとともに、該ロータが出力軸回りに遊星回転運動することによって、上記各作動室を周方向に移動させながら、該各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行わせるように構成されたロータリーピストンエンジンの始動制御方法であって、
    上記ロータリーピストンエンジンに、
    吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるように燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、
    圧縮行程にある作動室内に燃料を直接噴射する第2燃料噴射弁と、
    圧縮行程にある作動室内で圧縮された混合気を燃焼させる点火プラグと、
    上記ロータを回転させるエンジン始動用の駆動手段と、
    を予め設けておき、
    上記エンジンの自動停止時に、上記ロータにおける、圧縮行程にある作動室と吸気行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、上記第2燃料噴射弁の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、上記エンジンを停止させておき、
    上記エンジンの自動停止後における再始動時に、
    上記第2燃料噴射弁により、圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射する工程と、
    上記駆動手段により上記ロータを回転させる工程と、
    上記第2燃料噴射弁により燃料が噴射された作動室内の混合気を、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、上記点火プラグによる点火により燃焼させる工程と、
    を実行することを特徴とするロータリーピストンエンジンの始動制御方法。
  2. 互いに直交する長軸及び短軸によって規定される略楕円形状のトロコイド内周面を有するロータハウジングと、それを挟むように配置されるサイドハウジングとにより区画されるロータ収容室内に、ロータが収容されて3つの作動室を区画するとともに、該ロータが出力軸回りに遊星回転運動することによって、上記各作動室を周方向に移動させながら、該各作動室において吸気、圧縮、膨張及び排気の各行程を順に行わせるように構成されたロータリーピストンエンジンの始動制御装置であって、
    上記ロータリーピストンエンジンは、
    吸気行程にある作動室内に燃料が供給されるように燃料を噴射する第1燃料噴射弁と、
    圧縮行程にある作動室内に燃料を直接噴射する第2燃料噴射弁と、
    圧縮行程にある作動室内で圧縮された混合気を燃焼させる点火プラグと、
    上記ロータを回転させるエンジン始動用の駆動手段と、
    を有し、
    上記第1及び第2燃料噴射弁、上記点火プラグ、並びに上記駆動手段の作動を制御するとともに、所定のエンジン自動停止条件が成立したときに上記エンジンを自動停止させる制御手段を備え、
    上記制御手段は、上記所定のエンジン自動停止条件が成立したときに、上記ロータにおける、圧縮行程にある作動室と吸気行程にある作動室とを区画するアペックスシールが、上記第2燃料噴射弁の噴口よりもロータ回転遅れ側に位置するように、上記エンジンを停止させるとともに、上記エンジンの自動停止後に所定のエンジン再始動条件が成立したときに、上記第2燃料噴射弁に、圧縮行程にある作動室内に燃料を噴射させ、かつ、上記駆動手段を作動させて上記ロータを回転させるとともに、上記第2燃料噴射弁により燃料が噴射された作動室内の混合気を燃焼させるべく、圧縮行程後期以降の所定のタイミングで、上記点火プラグに点火を行わせることで、上記エンジンを再始動させるよう構成されていることを特徴とするロータリーピストンエンジンの始動制御装置。
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