次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるセブン機と呼ばれるパチンコ機に適用した構成を説明する。
図1に示すように、第1実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の前面部には、主として、外枠12と、内枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、発射ハンドル24などが設けられている。
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。内枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。また、内枠14の右端中央からやや下方には、施錠装置22が設けられている。
前面枠16は、本発明の前面扉の一具体例を示すもので、パチンコ機10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、内枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤26(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤26に形成された遊技領域28(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部30を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板32がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤26に形成された遊技領域28はガラス板32の後方に位置するようになっている。
前面枠16の下方側には、遊技球が貯溜される上皿部18が設けられている。この上皿部18には、演出ボタン40がそれぞれ設けられている。上皿部18の下方側には、下皿部20が設けられている。また、下皿部20の右下方側には、遊技球を発射させるための発射ハンドル24が設けられている。この発射ハンドル24には、発射レバー44と、発射停止ボタン46がそれぞれ設けられている。
下皿部20の左右下方側には、所定の効果音を出力するためのスピーカ48が2個設けられている。
また、内枠14には、遊技領域28(図2参照)の形状に合致した開口部(図示省略)が形成されている。この内枠14の内側面には、遊技盤26(図2参照)が取り付けられる。これにより、遊技者は、遊技盤26の遊技領域28を内枠14の開口部及び前面枠16の開口部30を通して視認することができる。
さらに、パチンコ機10の正面左側には、球貸装置154が設けられている。上皿部18には、球貸しを要求するための球貸スイッチ156、カード挿入口157に挿入されたプリペイドカードの返却を要求するための返却スイッチ158と、がそれぞれ設けられている。
次に、遊技盤26の表面構造について説明する。
図2に示すように、遊技盤26は、内枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆われている。遊技盤26には、遊技盤26の表面に設けられた外レール50と内レール52とにより略円形状の遊技領域28が形成されている。遊技領域28の内部には、中央装置54と、第1始動口56Aと、第2始動口56Bと、ワープ入球口58と、多数の障害釘60と、風車63等と、がそれぞれ配設されている。
中央装置54は、遊技領域28の略中央部に配置されており、演出図柄表示装置(変動表示手段)62と、可動役物200と、センター役物64と、ランプ装置66と、を備えている。
演出図柄表示装置62は、後述の主制御基板102(図3参照)やサブ制御基板106(図3参照)からの制御信号(コマンド)に基づいて表示制御されており、略長方形状の表示面(表示領域)62Aを有している。この表示面62A上には、特別図柄の演出図柄が変動表示される。具体的には、演出図柄表示装置62の表示面62A上には、1又は複数の演出図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する演出図柄表示領域が形成されている。すなわち、左演出図柄を表示する左演出図柄表示領域、中央演出図柄を表示する中央演出図柄表示領域、及び右演出図柄を表示する右演出図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(それぞれ図示省略)。各演出図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の演出図柄が順次表示されていく。また、表示面62A上には、演出図柄とともに、現在の遊技状態(通常遊技状態、確率変動状態、時短遊技状態など)を示す背景図柄も表示される。
演出図柄表示装置62は、遊技球が第1始動口56A又は第2始動口56Bに入球することにより、その表示面の表示領域に表示される各演出図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、演出図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置80に配設された後述の大入賞装置84の大入賞口86が開放される大当り遊技に移行する。本実施形態のパチンコ機10では第1始動口56A又は第2始動口56Bに遊技球が入球すると、各演出図柄がそれぞれ変動され、演出図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、例えば、大当りとして2種類のものが予め設定されている。具体的には、「7、7、7」などの同一の奇数数字の演出図柄(第1特別図柄(特図1ともいう。以下同様)又は第2特別図柄(特図2ともいう。以下同様)の演出図柄)が3桁揃うことにより成立する確変大当りがある。また、「8、8、8」などの同一の偶数数字の演出図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄の演出図柄)が3桁揃うことにより成立する通常大当りがある。
確変大当り及び通常大当りは、複数のラウンド数を有し、大入賞口86の開放時間が約26秒間である大当りである。このため、賞球数が比較的多くなる。なお、各大当りでは、大入賞口86に所定数(例えば、10個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数(例えば、10個)の遊技球が入球しなくても所定時間(例えば、26秒間)が経過したときに大入賞口86が閉じられて1ラウンドが終了する。なお、確変大当りには、15ラウンドの長期ラウンドを有する15ラウンド確変大当りと、2ラウンドの短期ラウンドを有する2ラウンド確変大当りと、が用意されている。
また、確率変動状態(いわゆる確変)は、大当り(確変大当り及び通常大当りの2種類の大当りを意味する)に移行する確率が予め定められた高確率となる状態である。また、開放時間延長状態は、第2始動口56Bの開放時間が通常よりも延長される状態である。例えば、通常の開放時間は、約0.1秒間であるのに対して、開放時間延長状態では、約4秒間に延長される。なお、第2始動口56Bは、普通図柄の抽選に当選することにより開放するもので、普通電動役物として機能する。
また、確変大当りの後は、大当りに移行する確率が、通常遊技状態と比べ予め定められた高確率となる、第1特別図柄又は第2特別図柄の確率変動状態になる。そして、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が行われるまでの間、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され(変動短縮機能が作動し)、かつ第2始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、通常大当りの後は、大当りに移行する確率が通常遊技状態と同一の予め定められた低確率状態となるとともに、規定回数(例えば、100回)だけ第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され(変動短縮機能が作動し)、かつ第2始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
センター役物64は、演出図柄表示装置62の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物64は、可動する一対の翼片部64Aを有している。この翼片部64Aの可動によりワープ入球口58の開口面積が変化する。
また、遊技領域28の左下方側には、主制御基板102からの制御信号(コマンド)に基づいて識別図柄(特別図柄の識別図柄及び普通図柄の識別図柄を意味する)を表示制御する7セグ表示部(図柄表示装置(変動表示手段))68が配置されている。この7セグ表示部68は、第1特別図柄の識別図柄を表示する第1表示器70Aと、第2特別図柄の識別図柄を表示する第2表示器70Bと、4個の普通図柄保留表示LED72と、4個の第1特別図柄保留表示LED73と、4個の第2特別図柄保留表示LED74と、普通図柄の識別図柄を表示する2個の普通図柄表示LED76と、を有している。
ここで、確変大当りした場合、第1表示器70Aには、予め定められた第1特別図柄の識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。また同様にして、第2表示器70Bには、予め定められた第2特別図柄の識別図柄(例えば、奇数の数字からなる確変大当り図柄)が停止表示される。さらに、通常大当りした場合では、第1表示器70Aには、予め定められた第1特別図柄の別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。また同様にして、第2表示器70Bには、予め定められた第2特別図柄の別の識別図柄(例えば、偶数の数字からなる通常大当り図柄)が停止表示される。
また、演出図柄表示装置62の左側には、普通図柄作動ゲート78が配置されている。この普通図柄作動ゲート78の内部には、ゲートスイッチ124(図3参照)が配設されている。これにより、遊技球が普通図柄作動ゲート78を通過すると、ゲートスイッチ124が作動して、7セグ表示部68の普通図柄表示LED76が変動表示される。なお、普通図柄変動遊技で当選すると、第2始動口56Bが開放する。
普通図柄保留表示LED72、第1特別図柄保留表示LED73、及び第2特別図柄保留表示LED74は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、第1表示器70A、第2表示器70Bの左右両側に近接して配置されている。普通図柄保留表示LED72は、普通図柄作動ゲート78を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、第1特別図柄保留表示LED73は、第1始動口56Aに入球した遊技球の数を4個まで第1特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。さらに、第2特別図柄保留表示LED74は、第2始動口56Bに入球した遊技球の数を4個まで第2特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。
ここで、普通図柄も普通図柄表示LED76の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED72が消灯される。また、2個の普通図柄表示LED76が予め定められた表示態様(当り図柄)で停止表示されると、普通図柄当りが発生し、第2始動口56Bが開放状態となる。また、第1表示器70Aの変動表示が開始する度(第1特別図柄変動遊技が開始される度)に、未始動回数が消化され、1個の第1特別図柄保留表示LED73は消灯される。また、第2表示器70Bの変動表示が開始する度(第2特別図柄変動遊技が開始される度)に、未始動回数が消化され、1個の第2特別図柄保留表示LED74は消灯される。そして、第1表示器70A又は第2表示器70Bに予め定められた大当り図柄が停止表示されると大当りが発生し、後述の大入賞口86が開放状態となる。
なお、第1表示器70A又は第2表示器70Bにて表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される第1特別図柄又は第2特別図柄の演出図柄とは、同一の遊技結果(抽選結果)を示すものである。すなわち、第1表示器70Aにて表示される第1特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される第1特別図柄の演出図柄とが同一の遊技結果を示すように対応しており、また、第2表示器70Bにて表示される第2特別図柄の識別図柄と、演出図柄表示装置62にて表示される第2特別図柄の演出図柄とが同一の遊技結果を示すように対応している。
第1始動口56Aは、演出図柄表示装置62の下方に離れて配置されているものであり、常時開放している。すなわち、第1始動口Aには、翼片部材がなく、常に遊技球が入球できる状態になっている。第1始動口Aの内部には、遊技球の通過を検知する第1始動口スイッチ120A(図3参照)を備えている。
また、第2始動口56Bは、第1始動口56Aの下方に離れて配置されているものであり、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部材(開閉部材)56Cが開閉するように形成されている。第2始動口56Bの内部には、遊技球の通過を検知する第2始動口スイッチ120B(図3参照)と、翼片部材56Cを作動させるための始動口ソレノイド130(図3参照)と、が備えられている。この一対の翼片部材56Cが左右に開くと第2始動口56Bの開放面積が大きくなって遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部材56Cが閉じその離間距離が小さくなると第2始動口56Bの開放面積が小さくなって遊技球の入球が不可能となる通常状態(閉鎖状態)となる。
ここで、第1始動口56Aに遊技球が入球すると、第1特別図柄が変動して第1特別図柄変動遊技が開始する。このとき、第1表示器70Aで第1特別図柄の識別図柄が変動表示され、演出図柄表示装置62の表示面62Aで上記識別図柄と対応した第1特別図柄の演出図柄が変動表示される。この第1特別図柄変動遊技は、外れの場合も含めて、例えば、15ラウンド確変大当り、2ラウンド確変大当り、通常大当りの3つの大当り態様の抽選処理を行い、いずれかの大当り態様又は外れを決定する遊技である。
また、第2始動口56Bに遊技球が入球すると、第2特別図柄が変動して第2特別図柄変動遊技が開始する。このとき、第2表示器70Bで第2特別図柄の識別図柄が変動表示され、演出図柄表示装置62の表示面62Aで上記識別図柄と対応した第2特別図柄の演出図柄が変動表示される。この第2特別図柄変動遊技は、外れの場合も含めて、例えば、15ラウンド確変大当り、通常大当りの2つの大当り態様の抽選処理を行い、いずれかの大当り態様又は外れを決定する遊技である。なお、第2特別図柄変動遊技では、2ラウンド確変大当りが存在しない分だけ、15ラウンド確変大当りの当選確率が高くなっている。このため、第2特別図柄変動遊技は、第1特別図柄変動遊技と比較して、15ラウンド確変大当りに当選する確率が高くなる、遊技者にとって有利な遊技態様になる。
さらに、第1始動口56Aと第2始動口56Bとに遊技球が同時に入球した場合、すなわち、第1特別図柄の保留と第2特別図柄の保留の双方が存在する場合(ともに保留数が「1」以上の場合)には、第2特別図柄変動遊技が第1特別図柄変動遊技に対して優先される。このため、第1特別図柄変動遊技と第2特別図柄変動遊技が同時に開始することはなく、常に、第2特別図柄変動遊技の方が優先される。このことは、第1特別図柄変動遊技の保留数(以下、「第1特別図柄の保留数」と略す。)と第2特別図柄変動遊技の保留数(以下、「第2特別図柄の保留数」と略す。)の消化順序にも適用され、常に、第2特別図柄の保留数が第1特別図柄の保留数よりも優先的に消化される。この結果、各特別図柄の保留数を消化する場合においても、第2特別図柄変動遊技が第1特別図柄変動遊技に対して優先される。
変動入賞装置80は、第2始動口56Bの下方に配置されており、大入賞装置84を備えている。ここで、大入賞装置84は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口86と、この大入賞口86を開放又は閉鎖する開閉板88と、この開閉板88を開閉するための大入賞口ソレノイド132(図3参照)と、大入賞口86への遊技球の入球を検知する大入賞口スイッチ122(図3参照)と、を備えている。
中央装置54の左側下方部には、風車63が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方部には、一対のサイドランプ90がそれぞれ配置されている。
遊技盤26の下方にはアウト口92が設けられており、このアウト口92の下部にはバック球防止部材94が設けられている。このバック球防止部材94は、遊技領域28に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール52の先端部には、ファール球防止部材96が取り付けられている。
次に、パチンコ機10の遊技内容について説明する。
通常遊技の状態で普通図柄ゲート78を遊技球が通過した場合には、普通図柄が変動して普通図柄変動遊技が開始する。本実施形態では、変動短縮機能が作動していないときの普通図柄の変動時間を6秒としており、変動短縮機能が作動しているときの普通図柄の変動時間を1秒としている。普通図柄変動遊技において当選すると、翼片部材56Cが開動作して第2始動口56Bが開放する。この第2始動口56Bに遊技球が入球すると、第2特別図柄が変動して第2特別図柄変動遊技が開始する。第2特別図柄変動遊技において大当り(確変大当り(15ラウンド大当り)、通常大当り)に当選すると、大入賞口86が開放する。
また、通常遊技の状態で遊技球が第1始動口56Aに入球すると、第1特別図柄が変動して第1特別図柄変動遊技が開始する。第1特別図柄変動遊技において大当り(確変大当り(15ラウンド大当り及び2ラウンド大当りを含む)、通常大当り)に当選すると、大入賞口86が開放する。
大当り遊技の終了後は、上述した通り、確変遊技又は時短遊技が開始する。確変遊技では、次回大当りが発生するまでの間か、あるいは規定回数(例えば、10000回)の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が行われるまでの間、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ第2始動口56Bの開放延長機能が作動する。また、時短遊技では、規定回数(例えば、100回)だけ第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動時間が短縮され、かつ第2始動口56Bの開放延長機能が作動する時短遊技状態となる。
以上のように、大当り遊技の終了後は、確変遊技又は時短遊技において、第2始動口56Bの開放延長機能の作動が開始されるが、実際には、遊技の進行状況によっては、第2始動口56Bの開放延長機能の作動が直ちに反映されず、第2始動口56Bが所定の時間だけ閉じている状態になる場合がある。
例えば、第2始動口56Bの開放延長機能が未作動の状態で大当り遊技が発生する場合(パチンコ機10の作動を開始してから初めて大当り遊技が発生する場合など)には、その大当り遊技の終了時に第2特別図柄の保留が存在すること(保留数が「1」以上であること)は殆どなく、しかも大当り遊技の終了後の確変遊技又は時短遊技において第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間が短縮されるため、1回目の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時(1回目の第1特別図柄変動遊技及び第2特別図柄変動遊技)において、第2始動口56Bに遊技球が入球する可能性は低い。その一方で、第1始動口56Aは、常時開放しているため、大当り遊技の終了時には第1特別図柄の保留数が上限(本例では4個)に到達していることが殆どであり、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時(1回目の第1特別図柄変動遊技及び第2特別図柄変動遊技)においても、遊技球が第1始動口56Aに入球することがある。この結果、本来ならば第1特別図柄変動遊技と第2特別図柄変動遊技との間では第2特別図柄変動遊技が優先されるのであるが、上記事情により、第2始動口56Bの開放延長機能が未作動の状態で発生した大当り遊技の終了後は、第1特別図柄変動遊技が開始することになる。これにより、第1特別図柄変動遊技は、第2特別図柄変動遊技よりも遊技者にとって不利な遊技態様であるため、遊技者は苛立ち、遊技性が低下する問題が残る。
また同時に、第2始動口56Bの開放延長機能が未作動の状態で大当り遊技が発生する場合(例えば、パチンコ機10の作動を開始してから初めて大当り遊技が発生する場合など)には、その大当り遊技の終了後に第2始動口56Bの開放延長機能の作動が直ちに反映されないと、大当り遊技終了後の遊技における各特別図柄の保留数の消化順序においても、結果として第1特別図柄の保留数が先に消化されることになり、遊技者にとって不利となる。このように、大当り遊技終了後に、遊技者にとって不利となる第1特別図柄変動遊技が、第2特別図柄変動遊技よりも頻繁に発生するといった問題点が生じる。
以上のように、第1始動口56Aと第2始動口56Bを用いたパチンコ機10では、上記問題点が発生するため、本実施形態は、以下の構成及び制御処理を採用することにより、その問題点を解決している。
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置について説明する。
図3及び図4に示すように、電子制御装置は、主として、主制御基板102と、払出制御基板104と、サブ制御基板106と、発射制御基板108と、を備えている。これらの制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAMなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。
図4に示すように、主制御基板102は、CPU(変動パターン選択手段)102Aと、ROM(変動パターン記憶手段)102Bと、タイムカウンタ102Cと、特別変動カウンタ102Dと、変動短縮カウンタ102Eと、コマンド送信部102Fと、を備えている。
主制御基板102のCPU102Aは、遊技全体を司り主として当否判定などの遊技制御処理を実行するものであり、この遊技制御処理に基づく遊技の進行状況に沿った遊技環境を実現させるためにサブ制御基板106及び払出制御基板104を直接的に制御する。また、主制御基板102のCPU102Aは、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116を、サブ制御基板106を介して、間接的に制御する。
特に、CPU102Aは、各フラグの状態や乱数値に基づいて、後述する特別変動パターン又は通常変動パターンのいずれかを選択する。また、CPU102Aは、後述する各フラグのON/OFFを切り替える。なお、CPU102Aの上記機能は、各変動パターンの決定権はCPU102Aが有するものの、主制御基板102から変動パターン指定コマンドを受けたサブ制御基板106のCPU106Aあるいは演出表示基板110に持たせることにより実現してもよい。
主制御基板102のROM102Bには、CPU102Aにより実行される遊技全体の制御を実現するためのプログラムが記憶されている。また、ROM102Bには、遊技状態の内容にかかわらず第1特別図柄及び第2特別図柄の変動時間が所定時間以上、常に確保される第1特別図柄及び第2特別図柄の特別変動パターンと、遊技状態に対応した第1特別図柄及び第2特別図柄の通常変動パターンと、が記憶されている。
具体的には、図10及び図12に示すように、特別変動パターンとして、変動パターン特1と、変動パターン特2が記憶されている。変動パターン特1により特別変動用当り変動パターンテーブルがセットされ、変動パターン特2により特別変動用外れ変動パターンテーブルがセットされる。
また、通常変動パターンとして、大当り時の変動パターンのグループに、確変用当り変動パターンテーブル、変動短縮用(時短用)当り変動パターンテーブル、通常用当り変動パターンテーブルがあり、外れ時の変動パターンのグループに、確変用外れ変動パターンテーブル、変動短縮用(時短用)外れ変動パターンテーブル、通常用外れ変動パターンテーブルがある。なお、第1特別図柄及び第2特別図柄の特別変動パターンと通常変動パターンの図柄データ自体は、サブ制御基板106のROM106Bあるいは演出表示ROM168に記憶させてもよい。
タイムカウンタ102Cは、後述するように、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間をカウントする。
特別変動カウンタ102Dは、後述するように、特別変動フラグと連動するものであり、第1特別図柄及び第2特別図柄の特別変動パターンに基づく変動表示の実行回数をカウントする。
変動短縮カウンタ102Eは、後述するように、変動短縮フラグと連動するものであり、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動短縮回数をカウントする。
コマンド送信部102Fは、後述するように、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン指定コマンド及び停止情報指定コマンドをサブ制御基板106に対して送信する。
主制御基板102には、中継端子板118を介して、第1始動口スイッチ120Aと、第2始動口スイッチ120Bと、大入賞口スイッチ122と、ゲートスイッチ124と、カウントスイッチ126と、がそれぞれ電気的に接続されている。
主制御基板102には、中継端子板128を介して、始動口ソレノイド130と、大入賞口ソレノイド132と、図柄表示装置134と、がそれぞれ電気的に接続されている。なお、7セグ表示部68は、図柄表示装置134の一実施形態である。
払出制御基板104には、中継端子板136を介して、ガラス枠スイッチ138と、外部タンクスイッチ140と、タンクスイッチ142と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104には、中継端子板144を介して、エラーLED146が電気的に接続されている。また、払出制御基板104には、下皿満タンスイッチ148が電気的に接続されている。また、払出制御基板104には、中継端子板149を介して、球貸表示基板151と、球貸装置(CRユニット)154と、がそれぞれ電気的に接続されている。
球貸表示部151には、球貸スイッチ156と、返却スイッチ158と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板104には、中継端子板160を介して、払出モータ162と、払出スイッチ164と、がそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板104には、主制御基板102と、発射制御基板108と、がそれぞれ電気的に接続されている。
図3及び図4に示すように、サブ制御基板106は、主制御基板102からのコマンドに基づいて遊技の演出の制御を司るものであり、サブ制御基板106には、演出表示基板110と、アンプ基板112と、装飾駆動基板114と、演出ボタン基板116と、がそれぞれ電気的に接続されている。
サブ制御基板106は、CPU106Aと、ROM106Bと、を備えている。
サブ制御基板106のCPU106Aは、主制御基板102からのコマンドを受けて演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114及び演出ボタン基板116などの各基板を制御する。
特に、CPU106Aは、主制御基板102から受けた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン指定コマンド及び停止情報指定コマンドに基づいて、演出表示基板110、アンプ基板112、装飾駆動基板114を制御する。
ROM106Bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の演出や装飾に関する情報)が記憶されている。
図4に示すように、演出表示基板110には、演出表示装置166(62)と、演出表示ROM168と、がそれぞれ電気的に接続されている。この演出表示ROM168には、演出図柄表示装置62で変動表示される第1特別図柄及び第2特別図柄の演出図柄に関するデータが記憶されている。なお、演出図柄表示装置62は、演出表示装置166の一実施形態である。
具体的には、演出表示ROM168には、変動パターン特1である特別変動用当り変動パターンテーブルと、変動パターン特2である特別変動用外れ変動パターンテーブルと、に対応する図柄データが記憶されている。また、演出表示ROM168には、確変用当り変動パターンテーブル、変動短縮用当り変動パターンテーブル、通常用当り変動パターンテーブル、確変用外れ変動パターンテーブル、変動短縮用外れ変動パターンテーブル、通常用外れ変動パターンテーブルに対応する図柄データが記憶されている。
アンプ基板112には、所定の効果音を出力する各種スピーカ170(48)が電気的に接続されている。特に、アンプ基板112は、第1特別図柄変動遊技及び第2特別図柄変動遊技の際には、それぞれの遊技に対応した効果音を出力する。なお、スピーカ48は、各種スピーカ170の一実施形態である。
装飾駆動基板114には、各種LED・ランプ172が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板114は、サブ制御基板106からのコマンドを受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。また、演出ボタン基板116には、操作スイッチ174が電気的に接続されている。
次に、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の遊技処理について説明する。なお、特別図柄の遊技処理は、主制御基板102により実行される。
図5に示すように、第1始動口56Aに遊技球が入球したか否かがCPU102Aにより判断される(S100)。このステップは、CPU102Aが第1始動口スイッチ120Aにより遊技球が検知されたか否かに基づいて判断する。
第1始動口56Aに遊技球が入球した場合(S110:YES)には、第1特別図柄の保留数が4未満か否かがCPU102Aにより判断される(S110)。ここで、第1特別図柄の保留は、主制御基板102が備える図示しないRAMの所定アドレスに記憶される(第1特別図柄保留記憶手段)。第1特別図柄の保留数が4未満であれば(S110:YES)、第1特別図柄の判定用乱数を取得し、この取得した判定用乱数が、主制御基板102が備える図示しないRAMの所定アドレスに記憶される(S120)。なお、第1特別図柄の判定用乱数は、第1特別図柄の大当り抽選乱数、第1特別図柄の決定乱数(大当り図柄決定乱数)を意味する。
その後、第2始動口56Bに遊技球が入球したか否かがCPU102Aにより判断される(S130)。このステップは、CPU102Aが第2始動口スイッチ120Bにより遊技球が検知されたか否かに基づいて判断する。なお、S100において第1始動口56Aに遊技球が入球していない場合(S100:NO)、又はS110において第1特別図柄の保留数が4未満でない場合(S110:NO)には、S130にそのまま移行する。
第2始動口56Bに遊技球が入球した場合(S130:YES)には、第2特別図柄の保留数が4未満か否かがCPU102Aにより判断される(S140)。ここで、第2特別図柄の保留は、主制御基板102が備える図示しないRAMの所定アドレスに記憶される(第2特別図柄保留記憶手段)。第2特別図柄の保留数が4未満であれば(S140:YES)、第2特別図柄の判定用乱数を取得し、この取得した判定用乱数が図示しないRAMの所定アドレスに記憶される(S150)。なお、第2特別図柄の判定用乱数は、第2特別図柄の大当り抽選乱数、第2特別図柄の決定乱数(大当り図柄決定乱数)を意味する。
次に、図6に示すように、現在、大当り遊技中であるか否がCPU102Aにより判断される(S160)。なお、S130において第2始動口56Bに遊技球が入球していない場合(S130:NO)、又はS140において第2特別図柄の保留数が4未満でない場合(S140:NO)には、S160にそのまま移行する。
そして、大当り遊技中である場合(S160:YES)には、この特別図柄の遊技処理を終了して、大当り遊技の実行に係る処理を行う。なお、CPU102Aが行う大当り遊技に係る制御処理(大入賞口86の開閉、大入賞口86の入球数カウント、賞球払い出し、大当りラウンド数のカウントなど)については、公知のセブン機タイプのパチンコ機が行う大当り遊技に係る処理と同様であり、本発明の要旨とは直接関係しないので、ここでの詳細な説明は省略する。
一方、現在、大当り遊技中でない場合(S160:NO)には、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中か否かがCPU102Aにより判断される(S170)。なお、第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中か否かとは、第1特別図柄の識別図柄及び演出図柄、あるいは第2特別図柄の識別図柄及び演出図柄が変動表示中か否かを意味する。
S170において第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中であると判断された場合(S170:YES)には、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間が経過したか否かがCPU102Aにより判断される(S180)。第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間は、主制御基板102のタイムカウンタ102C(あるいはタイマ)によるカウント値に基づいてCPU102Aが判断する。なお、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間が経過していない場合(S180:NO)には、特別図柄遊技処理を終了して、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)を行う。
第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示時間が経過した場合(S180:YES)には、第1特別図柄又は第2特別図柄が停止表示される(S190)。なお、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示とは、第1特別図柄の識別図柄及び演出図柄、あるいは第2特別図柄の識別図柄及び演出図柄の変動表示が終了して、予め定められた大当り図柄又は外れ図柄が表示されることを意味する。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間がCPU102Aにより設定される(S200)。なお、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間とは、第1特別図柄の識別図柄及び演出図柄、あるいは第2特別図柄の識別図柄及び演出図柄(大当り図柄又は外れ図柄)が停止表示している時間を意味する。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間が経過したか否かがCPU102Aにより判断される(S210)。第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間が経過した場合(S210:YES)には、図7のS290に移行する。なお、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間が経過していない場合(S210:NO)には、特別図柄遊技処理を終了して、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)を行う。
一方、S170において第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中ではないと判断された場合(S170:NO)には、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間中であるか否かがCPU102Aにより判断される(S220)。第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間中である場合(S220:YES)には、S210に移行する。
第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間中ではない場合(S220:NO)には、第2特別図柄の保留数が0(ゼロ)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S230)。
第2特別図柄の保留数が0(ゼロ)である場合(S230:YES)には、第1特別図柄の保留数が0(ゼロ)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S240)。第1特別図柄の保留数が0(ゼロ)である場合(S240:YES)には、特別図柄遊技処理を終了して、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)を行う。
一方、S240において第1特別図柄の保留数が0(ゼロ)ではないと判断された場合(S240:NO)には、上述のS120の処理にて主制御基板102が備える図示しないRAMに記憶された第1特別図柄の判定用乱数のうち、最も古い第1特別図柄の判定用乱数が読み出される(S250)。そして、第1特別図柄の変動表示関連処理がCPU102Aにより実行される(S260)。これにより、第2特別図柄変動遊技が実行されない場合には、第1特別図柄変動遊技が実行される。その後、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)に移行する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理とは、第1特別図柄の抽選処理(大当り抽選処理)、第1特別図柄の変動パターン選択・決定処理、第1特別図柄の変動表示処理、第1特別図柄の保留数更新処理(−1カウント処理)などが該当する。
また、S230において第2特別図柄の保留数が0(ゼロ)ではないと判断された場合(S230:NO)には、上述のS150の処理にて主制御基板102が備える図示しないRAMに記憶された第2特別図柄の判定用乱数のうち、最も古い第2特別図柄の判定用乱数が読み出される(S270)。これにより、第2特別図柄変動遊技が第1特別図柄変動遊技よりも優先的に実行される。そして、第2特別図柄の変動表示関連処理がCPU102Aにより実行される(S280)。その後、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)に移行する。なお、第2特別図柄の変動表示関連処理とは、第2特別図柄の抽選処理、第2特別図柄の変動パターンの選択・決定処理、第2特別図柄の変動表示処理、第2特別図柄の保留数更新処理(−1カウント処理)などが該当する。
また、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止表示時間が経過した場合(S210:YES)には、図7に示すように、停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄であるか否かがCPU102Aにより判断される(S290)。
停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄である場合(S290:YES)には、大当り遊技フラグがCPU102AによりON(オン)される(S300)。これにより、大当り遊技が開始される。
そして、現在(大当り遊技開始時)の第2始動口56Bに関する開放延長フラグの状態がCPU102Aにより記憶される(S310)。
次に、確変フラグがONであるか否か(確変遊技中であるか否か)がCPU102Aにより判断される(S320)。確変フラグがONである場合(S320:YES)には、確変フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S330)。そして、変動短縮フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S340)。さらに、第2始動口56Bに関する開放延長フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S350)。その後、CPU102Aは図示しない大当り遊技処理に移行して、大当り遊技の実行に係る処理を行い、これにより、大当り遊技が進行される。なお、大当り遊技フラグ、変動短縮フラグ及び開放延長フラグは、主制御基板102が備える図示しないRAMの所定アドレスにそれぞれ割り当てられている。また、上述のように第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄で停止表示されると、確変フラグ、変動短縮フラグ及び開放延長フラグは全てOFFに設定されるので、大当り遊技中は確変機能や変動短縮機能や開放延長機能が未作動の状態となる。
一方、図7のS320において確変フラグがONではない(確変遊技中でない)と判断された場合(S320:NO)には、変動短縮フラグがON(オン)であるか否か(時短遊技中であるか否か)がCPU102Aにより判断される(S360)。変動短縮フラグがONである(時短遊技中である)場合(S360:YES)には、S340に移行して、変動短縮フラグがCPU102AによりOFF(オフ)され(S340)、さらに開放延長フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S350)。なお、変動短縮フラグがONではない場合(S360:NO)には、特別図柄遊技処理を終了して、図示しない大当り遊技処理に移行する。
また、図7のS290において第1特別図柄又は第2特別図柄が大当り図柄ではない(外れ図柄である)と判断された場合(S290:NO)には、特別変動フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S370)。特別変動フラグがONである場合(S370:YES)には、特別変動カウンタ102DがCPU102Aにより−1カウントされる(S380)。なお、特別変動フラグ及び特別変動カウンタは、大当り遊技終了時にセットされるものであり、これについては、図13を用いて後述する。
次に、特別変動カウンタ102Dが0(ゼロ)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S390)。特別変動カウンタ102Dが0(ゼロ)である場合(S390:YES)には、特別変動フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S400)。
次に、変動短縮フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S410)。変動短縮フラグがON(オン)である場合(S410:YES)には、変動短縮カウンタ102EがCPU102Aにより−1カウントされる(S420)。
次に、変動短縮カウンタ102Eが0(ゼロ)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S430)。変動短縮カウンタ102Eが0(ゼロ)である場合(S430:YES)には、変動短縮フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S440)。そして、第2始動口56Bに関する開放延長フラグがCPU102AによりOFF(オフ)される(S450)。その後、特別図柄遊技処理を終了して、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)を行う。
一方、S370において特別変動フラグがOFFであると判断された場合(S370:NO)には、S410に移行して、変動短縮フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S410)。また、S390において特別変動カウンタ102Dが0(ゼロ)ではない場合(S390:NO)には、S410に移行して、変動短縮フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S410)。
また、S410において変動短縮フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S410:NO)には、特別図柄遊技処理を終了して、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)を行う。また、図7のS430において変動短縮カウンタ102Eが0(ゼロ)ではないと判断された場合(S430:NO)には、特別図柄遊技処理を終了して、遊技進行に係る他の処理(大当り遊技処理、普通図柄遊技処理など)を行う。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示関連処理(図6のS260、S280)について説明する。なお、第1特別図柄の変動表示関連処理と第2特別図柄の変動表示関連処理とは、共通するものである。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示関連処理は、主制御基板102により実行される。
図8に示すように、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り抽選乱数がCPU102Aにより読み込まれる(S500)。ここで読み込まれる大当り抽選乱数は、第1始動口56A又は第2始動口56Bに遊技球が入球した際に取得され、RAMの所定アドレスに記憶される判定用乱数に含まれるもので(図5のS120、S150参照)、記憶した乱数のうち最も古いものから読み込まれる。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り抽選がCPU102Aにより実行される(S510)。この大当り抽選は、S500で読み込んだ第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り抽選乱数と、予め定められた大当り値とを比較することにより行われるもので、両者が一致すれば「当り(大当り)」となる。
そして、S510における大当り抽選の結果が大当りか否かがCPU102Aにより判断される(S520)。その結果、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当りである場合(S520:YES)には、図9に示す大当り時変動パターンテーブル振分処理が実行される(S530)。また、S510における大当り抽選の結果が大当りではない場合(S520:NO)には、図11に示す外れ時変動パターンテーブル振分処理が実行される(S540)。なお、大当り時変動パターンテーブル振分処理及び外れ時変動パターンテーブル振分処理については後述する。
次に、大当り時変動パターンテーブル振分処理又は外れ時変動パターンテーブル振分処理が終了すると、セットされた変動パターンテーブルを用いて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンがCPU102Aにより決定される(S550)。ここで、特別図柄の変動パターンは、特別図柄の変動時間や、リーチ演出や予告演出などの図柄変動演出を伴う変動とするか否かを規定するものである。
次に、第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄がCPU102Aにより決定される(S560)。そして、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始される(S570)。さらに、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン指定コマンド及び停止情報指定コマンドが主制御基板102のコマンド送信部102Fからサブ制御基板106に対して送信される(S580)。ここで、変動パターン指定コマンドは、上述のS550で決定された第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを示すもので、停止情報指定コマンドは、上述のS560で決定された第1特別図柄又は第2特別図柄の停止図柄を示すコマンドである。サブ制御基板106は、これらのコマンドを受信すると、その受信したコマンドで指定される変動パターン(演出パターン)や停止図柄に従って、演出図柄表示装置62の表示面62Aに表示される演出図柄の変動表示を開始する。
次に、上述のS530における第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り時変動パターンテーブル振分処理について図9を用いて説明する。なお、第1特別図柄の大当り時変動パターンテーブル振分処理と第2特別図柄の大当り時変動パターンテーブル振分処理とは、共通するものである。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り時変動パターンテーブル振分処理は、主制御基板102により実行される。
図9に示すように、まず、特別変動フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S600)。特別変動フラグは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を行うにあたり、特別変動パターンを用いるか否かを判断するために参照されるもので、主制御基板102が備える図示しないRAMの所定アドレスに割り当てられており、図13を用いて後述する大当り遊技終了時処理にてセットされる。
そして、S600において特別変動フラグがON(オン)であると判断された場合(S600:YES)には、「特別変動用当り変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S610)。ここで、図10に示すように、特別変動用当り変動パターンテーブルとは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が60秒にわたる当り用の変動パターン特1を規定するもので、第1始動口56A又は第2始動口56Bに遊技球が入球した際に取得される変動パターン決定乱数(判定用乱数の一種)が0から255の範囲内の値である場合に取得される。なお、本例では、変動パターン決定乱数の値(範囲)を「0から255まで」としているので、特別変動用当り変動パターンテーブルを用いて当り変動パターンを決定する場合には、必ず変動パターン特1が選択されることとなる。
一方、S600において特別変動フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S600:NO)には、確変フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S620)。
そして、S620において確変フラグがON(オン)であると判断された場合(S620:YES)には、「確変用当り変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S630)。
一方、S620において確変フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S620:NO)には、変動短縮フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S640)。
そして、S640において変動短縮フラグがON(オン)であると判断された場合(S640:YES)には、「変動短縮用当り変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S650)。
一方、S640において変動短縮フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S640:NO)には、「通常用当り変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S660)。なお、「確変用当り変動パターンテーブル」、「変動短縮用当り変動パターンテーブル」、「通常用当り変動パターンテーブル」には、それぞれ、そのときの遊技状態(確変遊技、時短遊技、通常遊技の何れか)に即した特別図柄の当り変動パターンが複数種類規定されており、変動表示の実行対象となる特別図柄の変動開始時における保留数と、第1始動口56A又は第2始動口56Bに遊技球が入球した際に取得される変動パターン決定乱数を用いた抽選の結果とに基づいて一の変動パターンが選択される。この選択された変動パターンが今回の特別図柄変動遊技に用いる変動パターンに決定される。本実施形態では、「確変用当り変動パターンテーブル」、「変動短縮用当り変動パターンテーブル」、「通常用当り変動パターンテーブル」に規定される当り変動パターンに基づく特別図柄の変動時間が「20秒から150秒」の範囲内で予め設定されている。
次に、上述のS540における第1特別図柄又は第2特別図柄の外れ時変動パターンテーブル振分処理について図11を用いて説明する。なお、第1特別図柄の外れ時変動パターンテーブル振分処理と第2特別図柄の外れ時変動パターンテーブル振分処理とは、共通するものである。また、第1特別図柄又は第2特別図柄の外れ時変動パターンテーブル振分処理は、主制御基板102により実行される。
図11に示すように、まず、特別変動フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S700)。
そして、S700において特別変動フラグがON(オン)であると判断された場合(S700:YES)には、「特別変動用外れ変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S710)。ここで、図12に示すように、特別変動用外れ変動パターンテーブルとは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が60秒にわたる外れ用の変動パターン特2を規定するもので、第1始動口56A又は第2始動口56Bに遊技球が入球した際に取得される変動パターン決定乱数(判定用乱数の一種)が0から255の範囲内の値である場合に取得される。なお、本例では、変動パターン決定乱数の値(範囲)を「0から255まで」としているので、特別変動用外れ変動パターンテーブルを用いて外れ変動パターンを決定する場合には、必ず変動パターン特2が選択されることとなる。
一方、S700において特別変動フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S700:NO)には、確変フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S720)。
そして、S720において確変フラグがON(オン)であると判断された場合(S720:YES)には、「確変用外れ変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S730)。
一方、S720において確変フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S720:NO)には、変動短縮フラグがON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S740)。
そして、S740において変動短縮フラグがON(オン)であると判断された場合(S740:YES)には、「変動短縮用外れ変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S750)。
一方、S740において変動短縮フラグがON(オン)ではないと判断された場合(S740:NO)には、「通常用外れ変動パターンテーブル」がCPU102Aによりセットされる(S760)。なお、「確変用外れ変動パターンテーブル」、「変動短縮用外れ変動パターンテーブル」、「通常用外れ変動パターンテーブル」には、それぞれ、そのときの遊技状態(確変遊技、時短遊技、通常遊技の何れか)に即した特別図柄の外れ変動パターンが複数種類規定されており、変動表示の実行対象となる特別図柄の変動開始時における保留数と、第1始動口56A又は第2始動口56Bに遊技球が入球した際に取得される変動パターン決定乱数を用いた抽選の結果に基づいて一の変動パターンが選択される。この選択された変動パターンが今回の特別図柄変動遊技に用いる変動パターンに決定される。本実施形態では、「確変用外れ変動パターンテーブル」、「変動短縮用外れ変動パターンテーブル」に規定される外れ変動パターンに基づく特別図柄の変動時間が「2秒から30秒」の範囲内で予め設定されており、「通常用外れ変動パターンテーブル」に規定される外れ変動パターンに基づく特別図柄の変動時間が「2秒から150秒」の範囲内で予め設定されている。また、変動表示の実行対象となる特別図柄の変動開始時における保留数が保留上限値(本例では「4」)に近いほど、変動時間の短い変動パターンが選択されるようになっている。
次に、大当り遊技終了時処理について図13を用いて説明する。この大当り遊技終了時処理は、大当り遊技の終了時に主制御基板102により実行される。「大当り遊技の終了条件」は、大当り遊技の開始時に停止表示された第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り図柄の種類(15ラウンド確変大当り、2ラウンド確変大当り、通常大当り)に基づき予め定められるもので、主制御基板102のCPU102Aが、図示しない大当り遊技処理において、大当り遊技の進行過程で「大当り遊技の終了条件」が成立したか否かを判断する。そして、「大当り遊技の終了条件」が成立すると、CPU102Aは図13に示す大当り遊技終了時処理を実行する。
図13に示すように、大当り遊技終了時処理が開始されると、まず、大当り遊技開始時の開放延長フラグの状態がCPU102Aにより読み込まれる(S800)。この開放延長フラグは、図7のS310で主制御基板102の図示しないRAMに記憶されたものである。
そして、読み込まれた開放延長フラグの状態がON(オン)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S810)。
読み込まれた開放延長フラグの状態がON(オン)ではない場合、すなわち、終了を迎えた今回の大当り遊技の開始時に開放延長機能が作動していなかった場合(S810:NO)には、特別変動フラグがCPU102AによりON(オン)される(S820)。そして、特別変動カウンタ102DがCPU102Aにより「1」にセットされる(S830)。これにより、第2始動口56Bの開放延長機能が未作動の状態で発生した大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技では、長時間(本例では60秒)に設定された変動パターン(特別変動パターン)に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示される(図9、図11参照)。そして、その1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技が終了すると、特別変動カウンタが−1カウントされて0(ゼロ)になり、これにより特別変動フラグがOFFに設定される(図7のS370〜S400参照)。この結果、大当り遊技終了後に続く2回目以降の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技では、そのときの遊技状態に即した変動パターンに基づき第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示される(図9、図11参照)。
次に、終了を迎えた今回の大当り遊技の開始契機となった第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り図柄が確変図柄であるか否かがCPU102Aにより判断される(S840)。なお、S810において読み込まれた開放延長フラグの状態がON(オン)である場合、すなわち、終了を迎えた今回の大当り遊技の開始時に開放延長機能が作動していた場合(S810:YES)には、そのままS840に移行する。
第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り図柄が確変図柄である場合(S840:YES)には、変動短縮カウンタ102EがCPU102Aにより「10000」にセットされる(S850)。これにより、結果として、次の大当りが発生するまでの間、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が短縮される。
次に、確変フラグがCPU102AによりONされる(S860)。そして、変動短縮フラグがCPU102AによりONされる(S870)。これにより、大当り終了後に続く第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技においては、大当り抽選に当選する確率が高確率になるとともに、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が短縮される。さらに、開放延長フラグがCPU102AによりONされる(S880)。これにより、大当り終了後に続く第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において、第2始動口56Bの開放延長機能が作動する。
なお、S840において第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り図柄が確変図柄ではない場合(S840:NO)には、変動短縮カウンタ102EがCPU102Aにより「100」にセットされ(S890)、変動短縮フラグ及び開放延長フラグがCPU102AによりONされる(S870、S880)。これにより、大当り遊技終了後に続く第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技においては、大当り抽選に当選する確率が低確率(通常遊技時と同じ確率)になるとともに、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が短縮され、第2始動口56Bの開放延長機能が作動する。
第1実施形態のパチンコ機10によれば、図9、図11及び図13に示すように、第2始動口56Bの開放延長機能が未作動の状態で大当り遊技が開始され、その大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において、遊技内容(遊技状態)にかかわらず、常に、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンが長時間となる特別変動パターンがCPU102Aにより選択される。具体的には、大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において大当りに当選する場合には、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを選択・決定する際に参照する変動パターンテーブルとして、長時間(本例では60秒)の「当り変動パターン特1」だけを含む特別変動用当り変動パターンテーブルが設定される。また、大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において大当りに当選しない場合(外れの場合)には、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを選択・決定する際に参照する変動パターンテーブルとして、長時間(本例では60秒)の「外れ変動パターン特2」だけを含む特別変動用外れ変動パターンテーブルが設定される。このように、大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において大当りに当選した場合も外れた場合も、常に、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が長時間になる。
これにより、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技中(大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示中)において、翼片部材56Cが開動作して第2始動口56Bが開放する際に第2始動口56Bの開放延長機能の作動が反映した状態で、第2始動口56Bが延長時間(約4秒間)にわたって開放する。この結果、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄の変動表示中に、第2始動口56Bへの遊技球の入球頻度が高まって第2特別図柄の保留を確保できるようになり、遊技者にとって有利な第2特別図柄変動遊技が主体となる遊技に早期に導くことが可能となる。なお、第1始動口56Aは常時開放しているため、第1始動口56Aには常に遊技球が入球可能になるが、第1特別図柄変動遊技と第2特別図柄変動遊技が競合した場合には、遊技者に有利な第2特別図柄変動遊技が第1特別図柄変動遊技よりも優先的に実行されるため(図6のS230参照)、第2特別図柄の保留が存在する限り(第2特別図柄の保留数が「1」以上である限り)は、遊技者にとって有利な第2特別図柄変動遊技が継続する。このように、第2始動口56Bの開放延長機能が未作動の状態で開始された大当り遊技の終了後に、第1特別図柄変動遊技が繰り返し行われることなく、遊技者にとって有利な第2特別図柄変動遊技が開始されるため、遊技者の遊技に対する面白さや期待が増し、遊技性を高めることができる。
特に、大当り遊技の終了時に、普通図柄変動遊技が開始した場合でも、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が長時間になるため、その変動時間内に第2始動口56Bを開放させて遊技球を入球させることが可能になる。この結果、大当り遊技の終了時の遊技状態(確変又は時短)にかかわらず、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において、第2始動口56Bの開放延長機能の作動を第2始動口56Bの開動作に確実に反映させることができる。
また、図11に示すように、大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において大当り抽選に当選しない場合(外れの場合)には、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを選択・決定する際に参照する変動パターンテーブルとして、長時間(本例では60秒)の「外れ変動パターン特2」だけを含む特別変動用外れ変動パターンテーブルが設定される。そして、大当り抽選の結果が「外れ」であることを示す特別図柄変動遊技の終了後には大当り遊技が発生することがないので、それ以降も、特別図柄変動遊技が継続して行われる状態となる。このように、特別図柄変動遊技が引き続き行われることが確約された状態において、「外れ変動パターン特2」に基づく長時間の変動表示を行うことで、その変動表示中に開放延長機能の作用を受けて開放する第2始動口56Bに遊技球を確実に入球させることができ、次回以降の特別図柄変動遊技を確実に第2特別図柄により行うことができる。この結果、開放延長機能未作動時に開始された大当り遊技の終了後、効果的に遊技者にとって有利な遊技態様(第2特別図柄変動遊技を主体とした遊技態様)に導くことができる。
なお、図9及び図11に示すように、大当り遊技終了後の2回目以降の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技においては、遊技状態(遊技内容)に対応した第1特別図柄又は第2特別図柄の通常変動パターンがCPU102Aにより選択される。
次に、本発明の第2実施形態のパチンコ機について説明する。
第1実施形態のパチンコ機の構成と重複する構成には同符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態のパチンコ機は、第1実施形態のパチンコ機と比較して、大当り遊技終了時処理のステップの一部を変更したものである。なお、第2実施形態のパチンコ機においても、大当り遊技終了時処理は、主制御基板102により実行される。
図14に示すように、大当り遊技終了時処理の最初に読み込まれた開放延長フラグの状態がON(オン)である場合(S810:YES)には、大当り遊技の終了時の第2特別図柄の保留数が2以下(例えば、第2特別図柄の保留数が0、1、2のいずれか)であるか否かがCPU102Aにより判断される(S910)。
第2特別図柄の保留数が2以下(例えば、第2特別図柄の保留数が0、1、2のいずれか)である場合(S910:YES)には、S820に移行して、特別変動フラグがCPU102AによりON(オン)される(S820)。その後、図14に示すS820以後の工程が実行されていく。
一方、第2特別図柄の保留数が2以下(例えば、第2特別図柄の保留数が0、1、2のいずれか)ではない場合、すなわち3以上(第2特別図柄の保留数が3、4の何れか)である場合(S910:NO)には、S840に移行して、第1特別図柄又は第2特別図柄の大当り図柄が確変図柄であるか否かがCPU102Aにより判断される(S840)。その後、図13に示した第1実施形態と同様にして、図14に示すS840以後の工程が実行されていく。
第2実施形態のパチンコ機によれば、大当り遊技終了時の第2特別図柄変動遊技の保留数が少ない場合(例えば、保留数が2以下の場合)に、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間が長時間になる特別変動パターンが選択される。つまり、大当り遊技終了時の第2特別図柄変動遊技の保留数が一定数確保されている場合(例えば、3以上存在する場合)には、その保留が全て消化されるまでに開放延長機能の作動を第2始動口56Bの開動作に反映させることができる可能性が高いので、このような場合には、特別変動用の変動パターンテーブルを用いることなく、そのときの遊技状態(確変又は時短)に即した変動パターンテーブルを用いて特別図柄の変動パターンを選択・決定することができる。これにより、第2特別図柄の保留数が少ない場合に限り、大当り遊技終了後の1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技において長時間の変動パターンが採用されることとなるので、本来は変動時間が短縮されるはずの確変遊技又は時短遊技の遊技性(特別図柄の変動表示が円滑に進む遊技性)を極力損なうことなく、第2始動口56Bの開放延長機能の作動を第2始動口56Bの開動作に反映させることができる。この結果、効率良く第2特別図柄変動遊技を主体とした遊技態様に導くことができる。
なお、上述した各実施形態では、第2始動口56Bの開放延長機能未作動時に開始された大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技にて、大当り抽選に当選した場合(当りの場合)及び当選しなかった場合(外れの場合)の双方において特別変動用変動パターンテーブルを用いることとし、長時間(本例では60秒)の変動パターン(変動パターン特1、特2)を必然的に選択するものとして説明した。しかしながら、長時間の変動パターンを規定する特別変動用の変動パターンテーブルを用いるのは、第2始動口56Bの開放延長機能未作動時に開始された大当り遊技の終了後に続く1回目の第1特別図柄変動遊技又は第2特別図柄変動遊技における大当り抽選の結果が「外れ」の場合に限ることとしても良い。この場合、特別変動用変動パターンテーブルを用いるのは、次回も引き続き特別図柄変動遊技が行われることが確約された状態に限られることとなるので、大当り遊技終了後に第2特別図柄変動遊技が主体となる遊技を早期に開始させるための処理を効率よく効果的に機能させることができる。
また、上述した各実施形態では、特別変動用の変動パターンテーブルで規定される特別変動パターンの変動時間を「60秒」として説明したが、この変動時間は、比較的長い時間であれば特に限定されるものではない。つまり、特別変動パターンの変動時間は、普通図柄の変動開始タイミングや、普通図柄の変動時間(変動短縮機能作動時・未作動時の双方)を考慮して、大当り遊技終了後の1回目の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に、第2始動口56Bが開放される状況を確実に創出することのできる時間であれば良い。よって、「60秒」よりも短い時間であっても、あるいは長い時間であっても良い。
但し、大当り遊技終了後の1回目の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に、第2始動口56Bが開放される状況を確実に創出するためには、特別変動パターンの変動時間を、変動短縮機能未作動時における普通図柄の変動時間の少なくとも2倍以上(例えば、変動短縮機能未作動時の普通図柄変動時間が6秒であれば12秒以上、同じく30秒であれば60秒以上)とするのが好ましく、長時間である程、大当り遊技終了後の1回目の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示中に第2始動口56Bが開放される可能性は高まる。