図1は、本発明の実施例による電子情報処理装置としての自動演奏装置1のハードウェア構成を表すブロック図である。
自動演奏装置1は、例えば、鍵盤等の演奏操作子を有する電子楽器や、音源装置、再生装置等の自動演奏データの再生処理を行うことが可能な装置である。
自動演奏装置1のバス6には、RAM7、ROM8、CPU9、タイマ10、検出回路11、表示回路13、記憶装置15、音源・効果回路18、通信インターフェイス(I/F)21が接続される。
RAM7は、再生バッファ等のバッファ領域、フラグ、レジスタ、各種パラメータ等を記憶するCPU9のワーキングエリアを有する。
ROM8には、各種データファイル、各種パラメータ及び制御プログラム、又は本実施例を実現するためのプログラム等を記憶することができる。この場合、プログラム等を重ねて、記憶装置15に記憶する必要は無い。
CPU9は、ROM8又は、記憶装置15に記憶されている制御プログラム又は本実施例を実現するためのプログラム等に従い、演算又は自動演奏装置1の制御を行う。タイマ10は、CPU9に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング等をCPU9に供給する。
ユーザは、検出回路11に接続される設定操作子12を用いて、各種入力及び設定、選択をすることができる。設定操作子12は、例えば、スイッチ、パッド、フェーダ、スライダ、ロータリーエンコーダ、ジョイスティック、ジョグシャトル、文字入力用キーボード、マウス等、ユーザの入力に応じた信号を出力できるものならどのようなものでもよい。また、設定操作子12は、カーソルスイッチ等の他の操作子を用いて操作する表示装置14上に表示されるソフトスイッチ等でもよい。本実施例では、設定操作子12として、後述するフレーズリピートスイッチ、ABリピートスイッチ(A地点指定スイッチ、B地点指定スイッチ)が用意されている。
表示回路13は、表示装置14に接続され、各種情報を表示装置14に表示することができる。ユーザは、この表示装置14に表示される情報を参照して、各種入力及び設定を行う。
記憶装置15は、ハードディスク、FD(フレキシブルディスク又はフロッピーディスク(登録商標))、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多目的ディスク)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ等の記憶媒体とその駆動装置の組み合わせの少なくとも1つで構成される。記憶媒体は、着脱可能であってもよいし、自動演奏装置1に内蔵されていてもよい。記憶装置15及び(または)ROM8には、自動演奏データ(図2)、本発明の各実施例を実現するためのプログラムや、その他の自動演奏装置1を制御するためのプログラムを記憶することができる。なお、本発明の各実施例を実現するためのプログラムや、その他の自動演奏装置1を制御するためのプログラムを記憶装置15に記憶する場合は、これらをROM8に合わせて記憶する必要はない。また、一部のプログラムのみを記憶装置15に記憶し、その他のプログラムをROM8に記憶するようにしてもよい。
音源・効果回路18は、記憶装置15、ROM8又はRAM7等に記録された自動演奏データPD(図2)若しくは演奏操作子22又は通信インターフェイス21に接続された外部機器等から供給される演奏信号、MIDI信号等に応じて楽音信号を生成し、各種音楽的効果を付与して、サウンドシステム19に供給する。サウンドシステム19は、D/A変換器及びスピーカを含み、供給されるデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、発音する。
演奏操作子(鍵盤、パッド等)22は、ユーザの演奏を入力するための操作子であり、ユーザが操作した操作子に対応する音高で、該ユーザの操作子に対する操作開始タイミング及び終了タイミングをそれぞれキーオン及びキーオフ信号として入力する。
通信インターフェイス21は、MIDIなどの音楽専用有線I/F、USBやIEEE1394等の汎用近距離有線I/F、Ethernet(登録商標)等の汎用ネットワークI/F、無線LANやBluetooth(登録商標)等の汎用近距離無線I/F等の通信インターフェイスのうち少なくとも1つで構成される。
図2は、本発明の実施例による自動演奏データPDの構成を表す概念図である。
自動演奏データPDは、MIDIデータ等の自動演奏用のデータであり、ヘッダHDと、タイミングデータTDと、該タイミングデータで示されるタイミングに再生される各種イベントEVを含んで構成される。
なお、自動演奏データPDは、例えば、図1の外部記憶装置15若しくはROM8等に記憶されている。また、自動演奏データPDは、自動演奏装置1内に記憶されているものに限らず、通信ネットワーク3を介して、取得されるものであってもよい。例えば、インターネット等のネットワークにおける演奏データ配信サービスから擬似ストリーミング(MIDIデータ等を一度にダウンロードして再生終了後自動的に消去するダウンロード手法)等によって、ダウンロードしてもよい。また、自動演奏データPDは、図1の外部記憶装置15に記憶されるとともに、再生時には、RAM7等の再生バッファに記憶される。擬似ストリーミング等により一時的にダウンロードされた自動演奏データPDは、RAM7等の再生バッファに記憶され、再生終了後に、消去される。
ヘッダHDは、自動演奏データPDに関する記述がなされる部分であり、例えば、自動演奏データPDがスタンダードMIDIファイル(SMF)である場合は、フォーマット(0/1/2)や、ディビジョン(音符分解能)などが記述される。なお、演奏データPDは、スタンダードMIDIファイル以外でもよく、その場合はその他の情報が記憶される。ヘッダHDは、通常自動演奏データPDの先頭部分に配置され、以降に実体データが記述される。実体データは、例えば、タイミングデータTDとイベントEVの組み合わせを時系列に並べたものである。
タイミングデータTDは、所定音符長を所定数(分解能)で割ったTick(Clockともいう)で表されるデータであり、一例として、四分音符を1920で割ったものとする。なお、この場合は、「分解能=1920」といい、1920Tickで四分音符1つ分の長さに相当する。なお、Tickは、四分音符を分解能で割ったものなので、Tickの時間的長さは、テンポによって変化する。タイミングデータTDは、曲(演奏データPD)の先頭等の所定位置からの絶対タイミング(Tick数)で表してもよいし、1つ前のイベント(タイミングデータTD)からの相対タイミング(Tick数)で表してもよい。なお、本実施例では、タイミングデータTDは、演奏データPDの先頭からの絶対タイミングで表すものとする。
イベントEVは、タイミングデータTDで示されるタイミングにおいて、再生(図1の音源回路18又は効果回路19などに出力)又は読み出すべきデータであり、例えば、ノートイベント、音色を変更するプログラムチェンジ、音量や効果等を変更するコントロールチェンジ(オールノートオフ、オールサウンドオフ等)、システムエクスクルーシブ、小節線(図3〜図5の小節線MLに対応するイベント)、フレーズマーク(図3〜図5のフレーズマークPHMに対応するイベント)などのイベントが含まれる。なお、ノートイベントは、ノートオン及びノートオフが別のものでもよいし、ノートオンとゲートタイムの組み合わせでもよい。本実施例では、ノートオンとゲートタイムの組み合わせでノートイベントが記録されているものとする。また、自動演奏データPDの末尾には、エンドイベントが記録される。
小節線MLは、各小節の区切り位置に挿入されるイベントであり、例えば、テキストメタイベントで記述される。なお、小節線MLを表すイベントは、必須ではなく、例えば、タイミングデータTDを積算することで小節線MLの位置を識別するようにしても良い。
フレーズマークPHMは、音楽的なフレーズの区切り位置に挿入されるイベントであり、小節線の位置とは独立に挿入することができる。なお、小節線の位置と一致させることも可能である。フレーズマークPHMは、フレーズの区切り位置のみを表すものでもよいし、フレーズ番号をあわせて記述するものでも良い。なお、フレーズマークPHMは、例えば、テキストメタイベントで記述される。
次に本発明の実施例によるリピート機能を説明する。本発明の実施例では、ABリピートとフレーズリピートとを組み合わせることによりリピート機能を実現する。
なお、本実施例では、リピートモードとして、「フレーズリピートモード(待機中を含む)」、「ABリピートモード(待機中を含む)」、「ABフレーズリピートモード(待機中を含む)」、「リピートオフ」が用意されている。
図3〜図7は、本発明の実施例による各リピートモードにおけるリピート機能を説明するための概念図である。各図中、小節線ML(ML1〜16)は、1〜16小節までの各小節の区切り位置を表し、フレーズマークPHM1〜3は、フレーズ1〜4の各フレーズ間の区切り位置を表す。また、水平方向の実線の矢印は、自動演奏データPDの再生区間を表し、垂直方向の矢印は、ユーザによる各操作の操作タイミング位置を表す。
図3は、本発明の実施例によるフレーズリピートモードにおけるリピート機能の一例を説明するための概念図である。
「フレーズリピートモード」は、指定された1フレーズ(フレーズリピートスイッチが操作されたときに再生されているフレーズ)の先頭から末尾までを繰り返し再生するモードである。
図3に示す例では、自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがフレーズリピートモードに設定され、自動演奏データPDの再生は直ちに当該操作がなされた時点で再生中のフレーズの先頭位置に戻り、当該フレーズの先頭から末尾までを繰り返し再生する。この例では、フレーズマークPHM1を通過後、図中垂直方向の矢印ONの時点で、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作しているので、当該操作後、直ちにフレーズ2の先頭位置に戻り、以降フレーズ2の先頭から末尾までが繰り返し再生される。
「フレーズリピートモード」において、ABリピートスイッチ(A地点及びB地点指定スイッチ)が操作されずに、再度フレーズリピートスイッチ(設定操作子12)が操作されると、リピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。なお、最初のフレーズリピートスイッチ操作時、直ちにフレーズ先頭位置に戻る代わりに、当該操作が行われた際に再生中の小節(この例では第4小節)の末尾又はフレーズ(この例ではフレーズ2)の末尾まで再生した後に、当該操作がなされた時点で再生中のフレーズ(この例ではフレーズ2)の先頭位置に戻り、当該先頭位置から再生を再開するようにしても良い。
図4は、本発明の実施例によるABリピートモードにおけるリピート機能の一例を説明するための概念図である。
「ABリピートモード」は、ユーザの操作により指定されるA地点を含む小節の先頭位置から、ユーザの操作により指定されるB地点を含む小節の末尾位置までを繰り返し再生するモードである。
自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、ユーザがA地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABリピートモード(B地点指定待機中、以下ABリピート待機モードと呼ぶ)に設定され、再生が継続されて、その後、ユーザがB地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABリピートモード(ABリピートオン)に設定され、直ちに(又は当該指定されたB地点を含む小節の末尾位置まで再生が行われた後)、A地点を含む小節の先頭位置に戻り、以降、A地点を含む小節の先頭位置からB地点を含む小節の末尾位置までを繰り返し再生する。
図4に示す例では、小節線ML7の通過後、すなわち第7小節の再生中にA地点指定がなされ、その後、小節線ML11の通過後、すなわち第11小節の再生中にB地点が指定されているので、図に示すように、B地点指定後、直ちに第7小節の先頭位置に戻り、以降、第7小節から第11小節までが繰り返し再生される。その後、ABリピートオフスイッチが操作されると、リピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。
なお、ABリピートスイッチは、A地点指定スイッチ、B地点指定スイッチ及びABリピートオフスイッチをそれぞれ3つの独立した設定操作子12に割り当ててもよいし、1つの設定操作子12をABリピートスイッチとして、1回目の操作はA地点指定、2回目の操作はB地点指定、3回目の操作はABリピートオフとするようにしても良い。
「ABフレーズリピートモード」は、「フレーズリピートモード」において、ユーザによるA地点の指定があった場合、又は「ABリピートモード」においてフレーズリピートスイッチが操作された場合等の「フレーズリピートモード」及び「ABリピートモード」を組み合わせたリピートモードである。「ABフレーズリピートモード」については、以下に、図5〜図7を参照して詳述する。
本実施例においては、ABリピートスイッチは、リピート再生の開始地点及び終了地点を小節単位で指定するものであり、当該地点の含まれる小節の先頭及び末尾位置をリピート再生開始地点及び終了地点として指定するが、フレーズリピート機能がオン状態(フレーズリピートモード)での、ABリピート機能指示(A地点指定及びB地点指定)は、フレーズ単位で行われ、当該地点の含まれるフレーズの先頭及び末尾位置をリピート再生開始地点及び終了地点として指定する。
図5は、本発明の実施例によるABフレーズリピートモードにおけるリピート機能の一例を説明するための概念図である。
自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがフレーズリピートモードに設定され、自動演奏データPDの再生は直ちに当該操作がなされた時点で再生中のフレーズの先頭位置に戻る。その後、「フレーズリピートモード」において自動演奏データPDの再生中に、ユーザがA地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABフレーズリピートモード(B地点指定待機中、以下ABフレーズリピート待機モードと呼ぶ)に設定され、再生が継続される。なお、この場合、「フレーズリピートモード」は一旦解除されているので、「フレーズリピートモード」してリピート再生されるフレーズ以降のフレーズも再生されるようになる。ABフレーズリピート待機モード中に、ユーザがB地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABフレーズリピートモード(ABフレーズリピートオン)に設定され、直ちに(又は当該指定されたB地点を含むフレーズ又は小節の末尾位置まで再生が行われた後)、A地点を含むフレーズの先頭位置に戻る。以降、A地点を含むフレーズの先頭位置からB地点を含むフレーズの末尾位置までを繰り返し再生する。フレーズリピートスイッチ又はABリピートスイッチのいずれかが、再度操作されるとリピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。
図5に示す例では、自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、フレーズマークPHM1を通過後、図中垂直方向の矢印ONの時点で、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードが一旦フレーズリピートモードに設定され、自動演奏データPDの再生は直ちに当該操作がなされた時点で再生中のフレーズの先頭位置に戻り、以降フレーズ2の先頭から再生が再開される。リピートモードはフレーズリピートモードに設定され、以降のA地点設定スイッチによる地点指定は、フレーズ単位での指定、すなわち、当該A地点を含むフレーズの先頭をA地点として指定するようになる。その後、小節線ML7の通過後、すなわち第7小節の再生中にA地点指定がなされて、リピートモードはABリピート待機モードに設定されるとともに、当該A地点を含むフレーズ2の先頭位置がリピート再生開始地点(A地点)として指定される。さらに、その後、小節線ML11の通過後、すなわち第11小節の再生中にB地点が指定されることによりABフレーズリピートモードに設定されるとともに、当該B地点を含むフレーズ3がリピート再生終了地点(B地点)として指定され、直ちにフレーズ2の先頭位置に戻り、以降、フレーズ2からフレーズ3までが繰り返し再生される。
図6は、本発明の実施例によるABフレーズリピートモードにおけるリピート機能の他の例を説明するための概念図である。
自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、ユーザがA地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードが一旦ABリピートモード(B地点指定待機中)に設定されるとともに当該地点がA地点(リピート再生始点)として指定され、再生が継続される。その後、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABフレーズリピート待機モードに設定され、さらに再生が継続される。その後、ABフレーズリピート待機モード中に、ユーザがB地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABフレーズリピートモード(ABフレーズリピートオン)に設定され、直ちに(又は当該指定されたB地点を含むフレーズ又は小節の末尾位置まで再生が行われた後)、A地点を含む小節の先頭位置に戻る。以降、A地点を含む小節の先頭位置からB地点を含むフレーズの末尾位置までを繰り返し再生する。フレーズリピートスイッチ又はABリピートスイッチのいずれかが、再度操作されるとリピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。
図6に示す例では、自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、小節線ML6の通過後、すなわち第6小節の再生中に、ユーザがA地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作して、当該A地点を含む第6小節の先頭位置がA地点として指定される。その後、図中垂直方向の矢印ONの時点で、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作しているため、リピートモードはABフレーズリピート待機モードに設定され、以降のB地点設定スイッチによる地点指定は、フレーズ単位での指定、すなわち、当該B地点を含むフレーズの末尾をB地点として指定するようになる。そこで、フレーズ3に含まれる小節線ML11の通過後、すなわちフレーズ3の再生中にB地点が指定されることにより、リピートモードはABフレーズリピートモードに設定され、当該B地点を含むフレーズ3の末尾をB地点(リピート再生終了地点)として指定し、図に示すように、直ちに第6小節の先頭位置に戻り、以降、第6小節からフレーズ3の末尾までが繰り返し再生される。その後、フレーズリピートスイッチ又はABリピートオフスイッチが操作されると、リピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。
図7は、本発明の実施例によるABフレーズリピートモードにおけるリピート機能のさらに他の例を説明するための概念図である。
自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがフレーズリピートモードに設定され、自動演奏データPDの再生は直ちに当該操作がなされた時点で再生中のフレーズの先頭位置に戻る。その後、「フレーズリピートモード」において自動演奏データPDの再生中に、ユーザがA地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードがABフレーズリピートモード(B地点指定待機中、以下ABフレーズリピート待機モードと呼ぶ)に設定され、再生が継続される。なお、この場合、「フレーズリピートモード」は一旦解除されているので、「フレーズリピートモード」してリピート再生されるフレーズ以降のフレーズも再生されるようになる。ABフレーズリピート待機モード中に、ユーザが再度フレーズリピートスイッチを操作すると、リピートモードはABリピートモードとなり、以降の地点指定は小節単位となる。したがって、ユーザがB地点設定スイッチ(設定操作子12)を操作すると、当該指定されたB地点を含む小節の末尾位置がリピート再生終了地点(B地点)として設定され、その後、直ちに(又は当該指定されたB地点を含むフレーズ又は小節の末尾位置まで再生が行われた後)、A地点を含むフレーズの先頭位置に戻る。以降、A地点を含むフレーズの先頭位置からB地点を含む小節の末尾位置までを繰り返し再生する。ABリピートスイッチのいずれかが、再度操作されるとリピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。なお、この場合、A地点の設定は、「フレーズリピートモード」において行われているので、フレーズ単位での設定となり、A地点を含むフレーズの先頭位置がリピート再生開始地点(A地点)として指定される。
図7に示す例では、自動演奏データPDの通常再生中(リピート再生がされていない時)、フレーズマークPHM1を通過後、図中垂直方向の矢印ONの時点で、ユーザがフレーズリピートスイッチ(設定操作子12)を操作すると、リピートモードが一旦フレーズリピートモードに設定され、自動演奏データPDの再生は直ちに当該操作がなされた時点で再生中のフレーズの先頭位置に戻り、以降フレーズ2の先頭から再生が再開される。リピートモードはフレーズリピートモードに設定され、以降のA地点設定スイッチによる地点指定は、フレーズ単位での指定、すなわち、当該A地点を含むフレーズの先頭をA地点として指定するようになる。その後、小節線ML7の通過後、すなわち第7小節の再生中にA地点指定がなされて、リピートモードはABリピート待機モードに設定されるとともに、当該A地点を含むフレーズ2の先頭位置がリピート再生開始地点(A地点)として指定される。さらに、その後、フレーズマークPHM2を通過後、図中垂直方向の矢印OFFの時点で、ユーザがフレーズリピートスイッチを再度操作すると、フレーズリピート機能がオフ状態となり、リピートモードは、ABフレーズリピート待機モードに設定され、以降のB地点設定スイッチによる地点指定は、小節単位での指定、すなわち、当該B地点を含む小節の末尾をB地点として指定するようになる。そこで、小節線ML11の通過後、すなわち第11小節の再生中にB地点が指定されることにより、リピートモードはABフレーズリピートモードに設定され、当該B地点を含む第11小節の末尾をB地点(リピート再生終了地点)として指定し、図に示すように、直ちにフレーズ2の先頭位置に戻り、以降、フレーズ2の先頭位置から第11小節の末尾位置までが繰り返し再生される。その後、ABリピートオフスイッチが操作されると、リピートモードはリピートオフに設定され、通常の再生(リピート再生をしない再生)に戻る。
図8は、本発明の実施例によるリピート再生処理を表すフローチャートである。この処理は、図3〜図7を参照して説明した本発明の実施例によるリピート機能を実現するための処理であり、タイマ割り込みにより一定期間(例えば、30ms)ごとに起動される。
ステップSA1では、リピート再生処理を開始し、ステップSA2では、ユーザによるフレーズリピートスイッチの操作の有無を検出する。操作を検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA3に進み、検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSA11に進む。
ステップSA3では、現在のリピートモードの設定を判別する。リピートモードが「ABリピートオン」の場合(RM=AB_ON)はステップSA4に進み、「オフ」の場合(RM=OFF)はステップSA5に進み、「ABリピート待機」の場合(RM=AB_S)はステップSA7に進み、「ABフレーズリピート待機」の場合(RM=ABP_S)はステップSA8に進み、「フレーズリピートオン」の場合(RM=PR_ON)又は「ABフレーズリピートオン」の場合(RM=ABP_ON)はステップSA9に進む。なお、リピートモードの初期設定は、「オフ」(RM=OFF)である。したがって、自動演奏装置1の電源投入後、このリピート再生処理の初回起動時は、リピートモードは、初期設定である「オフ」に設定されているので、ステップSA3のあとは、ステップSA5に進む。2回目以降の起動時は、以下のステップで設定されるリピートモードに応じて変わる。
ステップSA4では、現在行われているABリピート再生(図4参照)を解除する。
ステップSA5では、リピートモードを「フレーズリピートオン」に設定し(RM←PR_ON)、ステップSA6で、現在再生中のフレーズの先頭位置に戻り、当該先頭位置から再生を継続する。その後、ステップSA11に進む。
ステップSA7では、リピートモードを「ABフレーズリピート待機」に設定し(RM←ABP_S)、その後、ステップSA11に進む。
ステップSA8では、リピートモードを「ABリピート待機」に設定し(RM←AB_S)、その後、ステップSA11に進む。
ステップSA9では、リピートモードを「オフ」に設定し(RM←OFF)、ステップSA10でリピート再生を解除して通常の再生を継続する。すなわち、フレーズリピート(図3参照)での再生中であれば、リピート再生を行っているフレーズの末尾から当該フレーズの先頭に戻ることなく以降のフレーズへの再生を継続する。また、その他のリピート(図4〜図7参照)再生中であれば、指定されているB点(リピート再生終了地点)からA地点(リピート再生開始地点)に戻ることなく、以降の自動演奏データの再生を継続する。その後、ステップSA11に進む。
ステップSA11では、ユーザによるABリピートスイッチの操作の有無を検出する。操作を検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA12に進み、検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSA23に進み、今回のリピート再生処理を終了する。
ステップSA12では、現在のリピートモードの設定を判別する。リピートモードが「オフ」の場合(RM=OFF)はステップSA13に進み、「フレーズリピートオン」の場合(RM=PR_ON)はステップSA15に進み、「ABリピート待機」の場合(RM=AB_S)はステップSA17に進み、「ABフレーズリピート待機」の場合(RM=ABP_S)はステップSA19に進み、「ABリピートオン」の場合(RM=AB_ON)、又は「ABフレーズリピートオン」の場合(RM=ABP_ON)はステップSA21に進む。
ステップSA13では、現在再生中の小節の先頭位置をA地点(リピート再生開始地点)として指定し、ステップSA14でリピートモードを「ABリピート待機」に設定する(RM←AB_S)。その後、ステップSA23に進み、今回のリピート再生処理を終了する。
ステップSA15では、現在再生中のフレーズの先頭位置をA地点(リピート再生開始地点)として指定し、ステップSA16でリピートモードを「ABフレーズリピート待機」に設定する(RM←ABP_S)。その後、ステップSA23に進み、今回のリピート再生処理を終了する。
ステップSA17では、現在再生中の小節の末尾位置をB地点(リピート再生終了地点)として指定し、ステップSA18でリピートモードを「ABリピートオン」に設定する(RM←AB_ON)。その後、ステップSA23に進み、今回のリピート再生処理を終了する。
ステップSA19では、現在再生中のフレーズの末尾位置をB地点(リピート再生終了地点)として指定し、ステップSA20でリピートモードを「ABフレーズリピートオン」に設定する(RM←ABP_ON)。その後、ステップSA23に進み、今回のリピート再生処理を終了する。
ステップSA21では、リピートモードを「オフ」に設定し(RM←OFF)、ステップSA22でリピート再生を解除して通常の再生を継続する。すなわち、フレーズリピート(図3参照)での再生中であれば、リピート再生を行っているフレーズの末尾から当該フレーズの先頭に戻ることなく以降のフレーズへの再生を継続する。また、その他のリピート(図4〜図7参照)再生中であれば、指定されているB点(リピート再生終了地点)からA地点(リピート再生開始地点)に戻ることなく、以降の自動演奏データの再生を継続する。その後、ステップSA23に進み、今回のリピート再生処理を終了する。
以上本発明の実施例によれば、フレーズリピートモード中のA地点の指定は、当該A地点を含むフレーズの先頭をリピート再生開始点として指定し、リピートモードがリピートオフの場合のA地点の指定は、当該A地点を含む小節の先頭をリピート再生開始点として指定する。また、フレーズリピートモード中のB地点の指定は、当該B地点を含むフレーズの末尾をリピート再生終了点として指定し、リピートモードがリピートオフの場合のB地点の指定は、当該B地点を含む小節の末尾をリピート再生終了点として指定する。
フレーズリピート機能がオン状態(フレーズリピートモード)で、ABリピート機能指示(A地点指定及びB地点指定)が行われることにより、A地点を含むフレーズ先頭位置とB地点を含むフレーズ末尾位置間でのリピート再生が行われる。したがって、非常に簡単な操作で複数フレーズのリピート再生を行うことができる。
フレーズリピート機能がオフ状態(リピートオフモード)で、ABリピート機能指示(A地点指定)を行い、その後、フレーズリピート機能をオン状態(ABフレーズリピートモード)にして、ABリピート機能指示(B地点指定)を行うことにより、A地点を含む小節先頭位置とB地点を含むフレーズ末尾位置間でのリピート再生を行うことができる。
フレーズリピート機能がオン状態(フレーズリピートモード)で、ABリピート機能指示(A地点指定)を行い、その後、フレーズリピート機能をオフ状態(ABフレーズリピートモード)にして、ABリピート機能指示(B地点指定)を行うことにより、A地点を含むフレーズ先頭位置とB地点を含む小節末尾位置間でのリピート再生を行うことができる。
本発明の実施例によれば、上述した各種のリピート機能を用いて、リピート再生の開始地点をフレーズ又は小節の先頭位置に指定できるとともに、終了地点をフレーズ又は小節の末尾位置に指定できる。したがって、より音楽的な視点で自動演奏データの任意区間のリピート再生をすることができる。また、音楽的なフレーズ感を体得することができる。さらに、再生範囲(リピート区間)を詳細に設定できることで、より効率的な学習が可能となる。
なお、上述の実施例では、「ABリピートスイッチ」は、リピート再生の開始地点及び終了地点を小節単位で指定するものであり、当該地点の含まれる小節の先頭及び末尾位置がリピート再生開始地点及び終了地点として指定されるが、A地点及びB地点の位置をそのままリピート再生開始地点及び終了地点として指定するようにしても良い。
また、上述の実施例では、フレーズリピート、ABリピート、複数フレーズのリピート、小節先頭位置からフレーズ末尾位置までのリピート、及びフレーズ先頭位置から小節末尾位置までのリピートの全てが可能な例を説明したが、これらのリピートの内の一部のみを可能としても良い。例えば、フレーズリピート、ABリピート、複数フレーズのリピートのみを可能としても良い。この場合、ABリピート待機モードでのフレーズリピートスイッチの操作により、ABリピート待機を解除して通常のフレーズリピートモードに設定したり、リピートオフモードに設定したりすることができる。また、上述の各種のリピートの使用・不使用を予めユーザが設定できるようにしてもよい。
また、図1の表示装置14のスクリーン上に現在設定されているリピートモード、A地点及びB地点の位置(小節数、フレーズ番号等)を表示することが好ましい。
また、フレーズリピートスイッチ、ABリピートスイッチは、専用のハードウェアスイッチ(設定操作子12)に限らず、表示装置14上に表示した操作子の表示要素をポインティングデバイス(設定操作子12)でポイントするようなソフトスイッチとしても良い。また、フレーズリピートスイッチの1回目の操作で「フレーズリピートオン」、2回目の操作で「フレーズリピートオフ」としたが、スイッチ操作を継続している間は、「フレーズリピートオン」となるようにしても良い。その場合、「ABフレーズリピートモード」に設定するには、例えば、フレーズリピートスイッチを操作しながら、ABリピートスイッチを操作するようにすればよい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1…電子音楽装置、6…バス、7…RAM、8…ROM、9…CPU、10…タイマ、11…検出回路、12…設定操作子、13…表示回路、14…表示装置、15…記憶装置、18…音源・効果回路、19…サウンドシステム、21…通信I/F、22…演奏操作子