JP5304170B2 - カラーフィルタ及びカラーフィルタの製造方法、これを用いた液晶表示装置 - Google Patents
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Description
図1に示すスペーサ(4)は、カラーフィルタを製造する際の工程数を削減するために、3色の着色層(3R’、3G’、3B’)で代替えしたものである。
スペーサは、基板間のギャップを設定しており、パネルに荷重が加わると変形し、荷重が取り除かれると復元する弾性特性が求められている。また、温度による液晶の熱膨張及び熱収縮に追従して変形する特性が求められている。
また、スペーサ(4)上には、透明電極膜(5)を介してスペーサの高さを任意に高さにするための調整層(7)が設けられている。この調整層(7)は、対向基板との短絡を防ぐための絶縁層を兼ねている。
この透明保護層(8)は、スペーサ(4)の高さを制御することを可能としている。
比較して、透明保護層(8)を形成する工程が増えることになる。
また、上記カラーフィルタを用いた液晶表示装置を提供することを課題とする。
1)ブラックマトリックス層、3色の着色層、スペーサ、透明電極膜が形成された透明基板上に、絶縁層及びエッチング保護膜を形成するためのフォトレジスト層を形成する工程、
2)半透光部にITO膜を用いた多諧調マスクであるフォトマスクを介したフォトレジスト層への露光、現像により、絶縁層、及びスリットの形成に対応した開口部を有するエッチング保護膜を形成する工程、
3)エッチング処理により、透明電極膜にスリットを形成する工程、
4)着色層上方の透明電極膜上のエッチング保護膜を剥離する工程、を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法である。
これにより、液晶の配向の乱れが抑制され、液晶表示装置のコントラストが向上し、表示品位は良好なものとなる。
図4は、本発明による液晶表示装置用カラーフィルタの一実施例の断面図である。図4は、着色層が赤色、緑色、青色の順に形成されたカラーフィルタの赤色着色層と緑色着色層の間を拡大した示したものである。
図4に示すように、このカラーフィルタ(CF4)は、透明基板(1)上に、ブラックマトリックス層(2)、3色の着色層(3R、3G、(3B))、スペーサ(4)、透明電極膜(5)が順次に形成されたものである。スペーサ(4)は、赤色着色層(3R’)、緑色着色層(3G’)、青色着色層(3B’)を積層して形成されたものである。スリット(6)は、液晶の配向を規制するものであり、透明電極膜(5)へのフォトエッチングによって形成されたものである。
また、液晶表示装置としてのパネルの基板間のギャップは、2〜5μmが本発明に適用できる範囲である。
図5(a)に示すように、ブラックマトリックス層(2)、3色の着色層(3R、3G、(3B))、スペーサ(4)、透明電極膜(5)が順次に形成された透明基板(1)上に、フォトレジスト層(10)が形成されている。
フォトレジスト層(10)の厚さは、スペーサ(4)上にてスペーサ(4)の高さを調整する際に求められる厚さであり、通常はエッチング保護膜として適切なエッチング保護膜(15)の膜厚より厚い。
図5(a)においては、既に現像処理が完了し、エッチング保護膜(15)が形成された状態のものを点線で示してある。
エッチング保護膜(15)は、エッチングによって透明電極膜(5)にスリット(6)が形成された後には剥離されるが、絶縁層(17)は残されるので、エッチング保護膜(15)の厚さは、その剥離を容易にするために薄い方が好ましい。
例えば、エッチング保護膜(15)の開口部(16)の形成が良好になされるように、フォトレジスト層(10)への露光が透光部(23)を介して適正に行われた際に、エッチング保護膜(15)への半透光部(22)を介した露光も適正に行われるように、半透光膜の透過率を設定する。
また、スペーサは、着色層間の全ブラックマトリックス層上に上記形状で形成しても良いが、カラーフィルタ基板とTFT基板を貼り合わせる工程での弾性を確保するために、赤色着色層、緑色着色層、青色着色層を一組とする着色層あたり一個形成することが望ましい。
表1に示すように、条件1に比較して、絶縁層(17)を設けた際には、条件2〜条件4に表わされるように、スペーサの高さ全体には、スペーサ(4)の厚さに、高さを調整する絶縁層(17)の厚さ(t15)がそのまま加算されるといった著しい効果が得られている。
尚、図6は、表1に示す厚さの各部位を表したものである。
すなわち、表1に示す結果と、表2に示す結果とを合わせると、スペーサとして機能する全体(スペーサ(4)及び絶縁層(17))の高さは、例えば、1.8μm〜4.5μmといった広範囲の間で任意の高さにすることが可能である。
本実施の形態においては、ブラックマトリックス層及び着色層の形成に用いる黒色感光性樹脂及び着色感光性樹脂は、樹脂バインダと開始剤を主成分として、樹脂バインダが光重合、又は熱重合、或いは光重合及び熱重合を経て、三次元架橋される。
光重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、アクリレート樹脂、熱重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、エポキシ樹脂、光重合及び熱重合に適合する樹脂バインダとしては、例えば、エポキシアクリレート樹脂があげられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、アクリル酸を含む(メタ)アクリル系樹脂、マレイン酸系樹脂、ロジン系樹脂、ノボラック樹脂などがあげられる。
チルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール、チオキサンソン、2−クロロチオサンソン、2,4−ジエチルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、2−イソプロピルチオキサンソン等の硫黄化合物、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシフェニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシナフチル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン類、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンパーオキシド等の有機過酸化物、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物等α−アミノケトン系光重合開始剤である2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニルト2]−モルフオリノプロパン−1−オン(イルガキュア907:チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノート(4−モルフオリノフェニルトブノン−1(イルガキュア369:チバスペシャリティーケミカルズ社製:商品名)などがあげられる。α−アミノケトン系光重合開始剤は、スペーサに腰の強さ、すなわち、スペーサ自体の単位面積当たりの機械的強度を与えるものである。
9、61、71、73等が挙げられる。
なぜなら、ジケトピロロピロール系赤色顔料は、その微細化処理を工夫することにより、Rthを正負のどちらにすることも可能であり、その絶対値もある程度制御可能であり、また、アントラキノン系赤色顔料は、微細化処理に関わらず0に近いRthを得やすいためである。
上記において金属フタロシアニン系青色顔料としてはC.I.PigmentBlue15:6、ジオキサジン系紫色顔料としてはC.I.PigmentViolet23が、優れた耐光性、耐熱性、透明性、および着色力等の点から好適である。
以上のプロセスにより、透明基板上に絶縁層が形成される。1回のパターニングで十分な高さを得られることが困難である場合には、複数層の樹脂層を積層することも可能である。
[スペーサの弾性測定]
弾性特性を微小膜硬度計HM2000(フィッシャー・インストルメンツ社製)によって評価する。弾性特性は、50μm×50μmの平坦圧子を用い、2.2mN/secの速度で20mNの荷重を負荷し、5秒間保持した後、2.2mN/secの速度で0.4mNまで荷重を除去したときの総変形量、塑性変形量を測定する。総変形量、塑性変形量、弾性復元率は、以下の式で表される値である。まとめたものを表3に示した。なお、スペーサの大きさは、平面視で径およそ16μmの円形状とする。
A:スペーサの初期高さ
B:所定荷重を付加時における高さ
C:所定荷重を付加した後、荷重を除去した後の高さ
総変形量:A−Bで表される変形量。
塑性変形量:A−Cで表される変形量
弾性復元率:[(C−B)/(A−B)]×100で表される変形率
また、弾性特性の評価として、真空気泡(低温気泡)の発生について測定を行った。
上記比較例としてのカラーフィルタ(CF1)にては低温気泡が発生したが、一実施例のカラーフィルタ(CF4)では低温気泡の発生はみられないといった結果が得られている。
液晶パネルを−20℃下に3時間放置し、低温下にて直径11mm重さ5gの金属球を10cmの高さからパネルに垂直に5回落下させ、液晶パネル内部に気泡が発生するか否かを確認する。
図7に示すように、このカラーフィルタ(CF7)は、透明基板(1)上に、ブラックマトリックス層(2)、3色の着色層(3R、3G、(3B))、スペーサ(4)、透明電極膜(5)、絶縁層(17)が順次に形成されたものである。
スペーサ(4)は、赤色着色層(3R’)、緑色着色層(3G’)、青色着色層(3R’)を積層して形成されたものである。スリット(6)は、液晶の配向を規制するものであり、透明電極膜(5)へのフォトエッチングによって形成されたものである。
これにより、液晶の配向の乱れが抑制され、液晶表示装置のコントラストが向上し、表示品位は良好なものとなる。
[コントラスト測定方法]
カラーフィルタ及び対向TFT基板にポリイミドの配向膜を800Åで形成し、ODF法(One Drop Fill)にて液晶を滴下、シール材を塗布し真空中で貼り合わせ液晶を充填する。その後、張り合わせた基板を120℃で1時間焼成しシール材を硬化させ、液晶パネルを作成する。
液晶パネルのコントラストは(白表示時の輝度)/(黒表示時の輝度)で表される数値である。
測定機にはトプコン(社)製:輝度計BM−5Aを使用し、測定は暗室で行う。
液晶パネルに電圧を印加し、全白表示にした際の輝度と電圧を解き全黒表示にした際の輝度を正面から測定し、パネルコントラストを算出する。
このカラーフィルタは、3原色の着色層を積層する層数を変え、高さの異なる2種のスペーサを有している。図8に示すように、このカラーフィルタ(CF8)は、透明基板(1)上に、ブラックマトリックス層(2)、3色の着色層(3R、3G、(3B))、スペーサ(4)、第二スペーサ(14)、透明電極膜(5)、絶縁層(17)が順次に形成されたものである。
スペーサ(4)は、パネル組み立て時の荷重による変形、及び前記低温気泡に対応したスペーサである。また、第二スペーサ(14)は、局部的に過剰な荷重を受けた時に、スペーサ(4)の破壊を防ぎ、基板間のギャップを保つスペーサである。
本発明は又、工程が増えることになるが、着色層を積層して形成されたスペーサが有する
欠点を補うに際し、絶縁層を転写法によって絶縁層を形成してもよい。
無機粒子としては、シリカ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、タルクなどの体質顔料、及び白、黒、赤、青、緑などの着色顔料、及びアルミナ、ジルコニア、マグネシア、ベリリア、ムライト、コージライトなどのセラミックス粉末、及びガラス−セラミックス複合粉末などが用いられる。体質顔料の内、バライト、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカおよびタルクは着色がなく、絶縁層を透明にできるので、特に好ましい。
フィラーの粒径は平均1次粒子径が5〜40nmが好ましく、より好ましくは6〜35nm、さらに好ましくは8〜30nmである。
2・・・ブラックマトリックス層
3R・・・赤色着色層
3G・・・緑色着色層
3B・・・青色着色層
3R’、3G’、3B’・・・スペーサを構成する3色の着色層
4・・・スペーサ
5・・・透明電極膜
6・・・スリット
7・・・調整層
8・・・透明保護層
10・・・フォトレジスト層
14・・・第二スペーサ
15・・・エッチング保護膜
16・・・開口部
17・・・絶縁層
20・・・フォトマスク
21・・・遮光部
22・・・半透光部
23・・・透光部
CF1〜CF8・・・カラーフィルタ
E・・・露光
Claims (6)
- 透明基板上にブラックマトリックス層、3原色の着色層、スペーサ、透明電極膜を備えた液晶表示装置用カラーフィルタにおいて、該スペーサは、該3原色の内の少なくとも2原色の着色層を積層して形成され、該スペーサ上に透明電極膜及びスペーサの高さの調整を兼ねた絶縁層を有し、
かつ、前記スペーサ上の絶縁層は、スペーサ上部から下部までを覆い被せるように形成され、
かつ、前記スペーサ上の絶縁層は、透明電極膜にスリットを形成する際に用いるエッチング保護膜と同一材料で形成されるとともに、前記材料がアルカリ可溶性のポジ型感光性樹脂であり、
該3原色の着色層上の透明電極膜は、液晶の配向を規制するスリットを有することを特徴とするカラーフィルタ。 - 前記スペーサは、ブラックマトリックス層上に形成されたことを特徴とする請求項1記載のカラーフィルタ。
- 前記3原色の着色層を積層する層数を変え、高さの異なる2種以上のスペーサを有することを特徴とする請求項1又は2記載のカラーフィルタ。
- 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載するカラーフィルタを製造する製造方法であって、少なくとも、
1)ブラックマトリックス層、3色の着色層、スペーサ、透明電極膜が形成された透明基板上に、絶縁層及びエッチング保護膜を形成するためのフォトレジスト層を形成する工程、
2)半透光部にITO膜を用いた多諧調マスクであるフォトマスクを介したフォトレジスト層への露光、現像により、絶縁層、及びスリットの形成に対応した開口部を有するエッチング保護膜を形成する工程、
3)エッチング処理により、透明電極膜にスリットを形成する工程、
4)着色層上方の透明電極膜上のエッチング保護膜を剥離する工程、を具備することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項3に記載するカラーフィルタを製造する製造方法であって、スペーサを構成する
3原色の着色層の形成に対応したパターンとして、積層する層数に準じたパターンを有する各3原色用のフォトマスクを用いることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載するカラーフィルタを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
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