JP5302713B2 - Field of view expansion structure - Google Patents
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Description
本発明は、助手席側の車体外部の視野を拡大するための視野拡大構造に関する。 The present invention relates to a field-of-view enlargement structure for enlarging a field of view outside a vehicle body on a passenger seat side.
従来より、助手席側の車体外部の視野を拡大するための視野拡大構造として、種々のものが案出されていた。例えば、特許文献1には、アウターミラーのハウジング内部に補助ミラーを設けて、前方のフェンダー付近を視認する構成が開示されている。特許文献2には、アウターミラーの側部に小型の補助ミラーを設けて、アウターミラー下部のドア付近を視認する構成が開示されている。特許文献3には、アウターミラーのハウジング内部に2枚の補助ミラーを設けて、前方のフェンダー付近を視認する構成が開示されている。特許文献4には、アウターミラーの基端部に小型ミラーを設けて、アウターミラー下部のドア付近を視認する構成が開示されている。
Conventionally, various structures have been devised for expanding the visual field outside the vehicle body on the passenger side. For example,
しかしながら、前記の特許文献1,2および4の従来技術では、補助ミラーが1枚であるので、視認できる像が鏡像となってしまい、直接視界と像が反転して、運転者に不快感および紛らわしさを与えてしまう問題があった。また、特許文献3の従来技術では、補助ミラーを2枚使って、視認できる像が正像とすることができるが、反射を2回行うため光路長が長くなり、その分視認できる像が小さくなるので、障害物を認識し難い問題があった。さらに、前記の従来技術は全て車体付近の地面の方向の狭い範囲を視認するため、相対的な位置関係が分かり難い問題があった。
However, in the prior arts of
そこで、本発明は、前記の問題を解決すべく案出されたものであって、広い範囲を視認できるとともに障害物を認識しやすい視野拡大構造を提供することを課題とする。 Therefore, the present invention has been devised to solve the above-described problem, and an object thereof is to provide a field-of-view expansion structure that can visually recognize a wide range and easily recognize an obstacle.
前記課題を解決するために創案された請求項1に係る発明は、助手席側の車体外部の視野を拡大するための視野拡大構造において、前記助手席側の車体側部であって運転者の眼球位置より前方下部に、視野を拡大する凹レンズが設けられ、前記凹レンズの凹面部がサイドウィンドウ面に沿っており、前記助手席側のドアミラーが、前記凹レンズと前記運転者の眼球位置とを結ぶ直線上から上方にオフセットし、且つ前記凹レンズよりも前方に設けられており、前記凹レンズは、前記ドアミラーを支持するためのミラーベースに設けられたレンズ支持部に支持されており、前記レンズ支持部は、前記ミラーベースの基部から後方に延出したものであることを特徴とする視野拡大構造である。
The invention according to
このような構成によれば、凹レンズを運転者の眼球位置より前方下部に設けたことによって、運転者の姿勢を崩すことなく、助手席側の車体外部の広い範囲を正像で視認することができ、障害物の相対的な位置関係を把握しやすい。さらに、ドアミラーを凹レンズと運転者の眼球位置とを結ぶ直線上から上方にオフセットして設けたことによって、凹レンズを通して得られる像にドアミラーが写り込むことがなく、障害物を認識しやすい。また、ミラーベースを車体に取り付けるだけで、凹レンズが車体に固定され、車体への取付け構造が簡素化されるとともに、取付け作業が容易になる。 According to such a configuration, the concave lens is provided in the lower front part of the driver's eyeball position, so that a wide range outside the vehicle body on the passenger seat side can be visually recognized without breaking the driver's posture. It is easy to grasp the relative positional relationship of obstacles. Furthermore, by providing the door mirror offset upward from the straight line connecting the concave lens and the driver's eyeball position, the door mirror does not appear in the image obtained through the concave lens, and an obstacle can be easily recognized. Further, by simply attaching the mirror base to the vehicle body, the concave lens is fixed to the vehicle body, the attachment structure to the vehicle body is simplified, and attachment work is facilitated.
請求項2に係る発明は、助手席側の車体外部の視野を拡大するための視野拡大構造において、前記助手席側の車体側部であってサイドウィンドウの下端部に、視野を拡大する凹レンズが設けられ、前記凹レンズの凹面部がサイドウィンドウ面に沿っており、前記助手席側のドアミラーが、前記凹レンズと前記運転者の眼球位置とを結ぶ直線上から上方にオフセットし、且つ前記凹レンズよりも前方に設けられており、前記凹レンズは、前記ドアミラーを支持するためのミラーベースに設けられたレンズ支持部に支持されており、前記レンズ支持部は、前記ミラーベースの基部から後方に延出したものであることを特徴とする視野拡大構造である。 According to a second aspect of the present invention, there is provided a field-of-view enlargement structure for enlarging the field of view outside the vehicle body on the passenger seat side, and a concave lens for enlarging the field of view is provided on the vehicle body side portion on the passenger seat side and at the lower end of the side window. Provided, the concave portion of the concave lens is along the side window surface, the door mirror on the passenger seat side is offset upward from a straight line connecting the concave lens and the eyeball position of the driver , and more than the concave lens Provided in front, the concave lens is supported by a lens support provided in a mirror base for supporting the door mirror, and the lens support extends backward from the base of the mirror base. It is a visual field expansion structure characterized by being a thing.
このような構成によっても、運転者の姿勢を崩すことなく、助手席側の車体外部の広い範囲を正像で視認することができ、障害物の相対的な位置関係を把握しやすい。さらに、ドアミラーを上方にオフセットして設けたことによって、凹レンズを通して得られる像にドアミラーが写り込むことがなく、障害物を認識しやすい。また、ミラーベースを車体に取り付けるだけで、凹レンズが車体に固定され、車体への取付け構造が簡素化されるとともに、取付け作業が容易になる。 Even with such a configuration, it is possible to visually recognize a wide range outside the vehicle body on the passenger seat side without losing the posture of the driver, and to easily grasp the relative positional relationship of the obstacles. Furthermore, by providing the door mirror offset upward, the door mirror does not appear in the image obtained through the concave lens, and an obstacle can be easily recognized. Further, by simply attaching the mirror base to the vehicle body, the concave lens is fixed to the vehicle body, the attachment structure to the vehicle body is simplified, and attachment work is facilitated.
請求項3に係る発明は、前記凹レンズが、フレネルレンズにて構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の視野拡大構造である。
The invention according to
このような構成によれば、凹レンズの厚さを薄くすることができ、車体走行時の空気抵抗の増加を低減することができる。 According to such a configuration, the thickness of the concave lens can be reduced, and an increase in air resistance during traveling of the vehicle body can be reduced.
本発明によれば、広い範囲を視認できるとともに障害物を認識しやすい視野拡大構造を提供することができるといった優れた効果を発揮する。 According to the present invention, it is possible to provide a visual field expansion structure that can visually recognize a wide range and easily recognize an obstacle.
次に、本発明に係る視野拡大構造を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。 Next, a mode for carrying out the visual field expansion structure according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
図1に示すように、本実施形態に係る視野拡大構造1は、車体2の助手席側外部の視野を拡大するためのものであって、車体2の助手席側の側部に凹レンズ10を設け、助手席側のドアミラー30を、凹レンズ10と運転者Pの眼球位置Aとを結ぶ直線L上から上方にオフセットして設けたことを特徴とする。凹レンズ10は、運転者Pの視野を拡大するものであって、運転者Pの眼球位置Aより前方下部に配置されている。
As shown in FIG. 1, the field-of-
凹レンズ10とドアミラー30は、共通のミラーベース40に支持されている。ミラーベース40は、ドアミラー30を支持するものであって、自動車の車体2の側面に設けられている。ミラーベース40は、例えばフロントサイドドア3の前端の三角コーナー部41とサイドウィンドウ43との間に固定されるようになっている。
The
図2および図3に示すように、ミラーベース40は、例えば合成樹脂から構成されており、車体2(図1参照)に固定される板状の基部44と、この基部44の上端部から外側に張り出す張出部45と、基部44の下端部から車体2の後方に延出するレンズ支持部51とを備えている。基部44と張出部45とレンズ支持部51は、例えば射出成型によって一体成型されている。
As shown in FIGS. 2 and 3, the
基部44は、ミラーベース40を車体へ固定した状態で、車体2の側面(サイドウィンドウ43面)に沿うように上部が車両内側に傾斜するように形成されている。基部44は、三角コーナー部41とサイドウィンドウ43との間の隙間形状に合わせて、例えば、側面視で、前後に底辺を有する略台形を呈している(図1参照)。なお、基部44の形状は、台形に限定されるものではなく、車体2への取付部分の形状に応じて決定するようにすればよく、例えば、三角コーナー部41に基部が形成される場合は、側面視三角形を呈する。図2に示すように、基部44には、車体2の内側に向かってボルト46が複数(本実施形態では3本)挿通されており、このボルト46を介して、ミラーベース40がフロントサイドドア3の窓枠(図示せず)に固定されている。
The
図1および図3に示すように、張出部45は、ミラーベース40を車体2へ固定した状態で、略水平となり、その先端にドアミラー30が回動可能に支持される。張出部45の内部には、ドアミラー30を使用位置と格納位置との間で回動させる電動格納ユニット47(図3参照)が設けられている。ドアミラー30の使用位置とは、ドアミラー30が外方に張り出して、走行時に運転者Pが車体2の後方を視認できる状態の位置をいう。ドアミラー30の格納位置とは、ドアミラー30が車体2側に折り畳まれて格納された状態をいう。電動格納ユニット47は、ドアミラー30を回動させるためのモータ、ギヤ、シャフトおよび電子制御基板(図示せず)を備えており、これらをケーシング内に一体的に収容して構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 3, the
図3に示すように、張出部45の下部には、段差部48が電動格納ユニット47の下方の位置で、形成されている。段差部48には、ドアミラー30の底部から車体2側に延出して形成された取付座31が組み合わされる。ドアミラー30の取付座31には、電動格納ユニット47のシャフトが固定され、シャフトが回転することでドアミラー30が回動する。張出部45の高さは、ドアミラー30が通常位置(ミラーベースの下端部位置)よりも100mm程度上方に位置するように設定されている。
As shown in FIG. 3, a
通常、電動格納ユニットはドアミラー内に設けられるが、本実施形態では、電動格納ユニット47をミラーベース40の張出部45に設けているので、ドアミラー30の内部空間にスペースができる。このスペースには、レーダやカメラ等といった車両・歩行者検知デバイス、種々の電波を受信するアンテナや、ターンランプ32(図1参照)等の光などを収容することができる。なお、前記スペースを削除して、ドアミラー30のハウジングを小さくすることで、運転者Pの直接視認領域を広くするようにしてもよい。
Normally, the electric storage unit is provided in the door mirror, but in this embodiment, since the
図1および図2に示すように、レンズ支持部51は、基部44の下端部の後端縁から、車体2の後方へ延出しており、凹レンズ10がサイドウィンドウ43の下端部位置に配置されるようになっている。レンズ支持部51は、ミラーベース40を車体へ固定した状態で、サイドウィンドウ43と干渉しないように、基部44の外側へオフセットして形成されている(図3参照)。図2に示すように、レンズ支持部51は、凹レンズ10の外周縁を囲繞する筒部52と、筒部52内に挿入された凹レンズ10を押さえる押え部材53とを備えている。筒部52は、その軸方向が、ミラーベース40を車体2へ固定した状態で、サイドウィンドウ43の表面と略直交する角度に形成されている。筒部52の外側端部には、凹レンズ10を係止する鍔部52aが形成されている。鍔部52aは凹レンズ10によって見える像の死角を増やさないように、僅かな幅で形成されている。押え部材53は、筒部52内に挿入された凹レンズ10および後記するマスク11を車内側から外方に押えるものであって、筒部52に嵌合あるいは、ビス等の図示しない固定部材を用いて、筒部52に固定されている。押え部材53には、凹レンズ10を視認するための開口部53aが形成されている。開口部53aは、内側に位置するマスク11の開口部11aよりも大きく形成されており、押え部材53が、マスク11の開口部11aを塞がないようになっている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
筒部52の位置は、ミラーベース40を車体へ固定した状態で、凹レンズ10の前端が基部44の後端縁から約30mmの部分に位置し、凹レンズ10の下端がフロントサイドドア3の窓枠の下端部(ドア本体の上端面)から約30mmの部分に位置するように決定されている。
The
次に、凹レンズ10の構成を説明する。
Next, the configuration of the
凹レンズ10は、車体2の外部の死角を視認するために車体2の窓面に沿って設けられる車両用視野拡大レンズであって、図4の(a)および(b)に示すように、レンズ本体12の接眼側片面12aに、凹面部13を形成するとともに、レンズ本体12の接眼側片面12aの反対側の面となる対物側片面12b(図4の(a)のみ図示)の表面を、凹面部13の投影面13a(図4の(a)のみ図示)を全て含むとともに投影面13aよりも大きい面積になるように形成したことを特徴とする。凹面部13は、レンズ本体12の片面(接眼側片面12a)の表面の面積よりも小さい広さに形成されており、レンズ本体12の片面(接眼側片面12a)には、凹面部13に隣接する平面部14が形成されている。凹レンズ10は、凹面部13が形成された面が接眼側片面12aとなり、運転者P側を向くように配置される。
The
レンズ本体12は、円盤形状を呈しており、凹面部13は、その開口部分の平面形状がレンズ本体12のレンズ径より小さい径の円形状に形成されている。凹面部13は、レンズ本体12と同心円状に形成されており、平面部14が、凹面部13を囲んで輪帯状に形成されている。対物側片面12bとなる凹面部13および平面部14の裏側の面(車体2の外方面)は、フラットになっている。なお、凹面部13および平面部14の裏側の面(対物側片面12b)は、フラットに限定されるものではなく、凹状あるいは凸状に形成されてもよい。この場合、凹状または凸状の曲率半径は、凹面部13の曲率半径より小さくする。
The lens
レンズ本体12は、例えば、アクリル樹脂等の屈曲率1.49の材質によって形成されている。この場合、図4の(a)に示すように、レンズの直径D1を98.4mm、レンズの厚さTを28.0mm、凹面部13の表面と同じ曲率の球体の半径D2を30.7mm、前記球体の中心と平面部14の表面との間の距離Xを7.7mmとするのが好ましい。このようにすれば、凹レンズ10から運転者P側に62.5mmの位置に焦点があり、ディオプター値が−16D相当のレンズとなる。なお、図示しないが、レンズ本体12の外周面には、レンズ支持部51に固定するための、ネジ穴、爪部や溝部等が形成されている。
The
このような構成の凹レンズ10によれば、凹面部を囲む平面部を有さない通常の凹レンズ110(図5の(b)参照)と比較して、視野角が広くなる。以下に、その理由を説明する。図5の(a)に示すように、凹面部13に入射する光の経路は、凹面部13の周縁部に近ければ近いほど、光の進路と凹面部13表面との傾斜角度が大きくなるため、径方向外側に屈折する。ここで、本実施形態の凹レンズ10では、接眼側片面12aの凹面部13の周囲に平面部14が形成されているので、凹面部13の周縁部で入射した光が、径方向外側へ屈折した際に、平面部14の厚み部分を通過して、平面部14の裏側の面(車体2の外方面)からさらに径方向外側へ屈折して出射される。これによって、広い視野角度を確保することができる。そして、凹面部13の外端近傍部分まで有効な像を得られ、広い範囲を視認することができる。特に、本実施形態では、平面部14は、凹面部13の周囲全体に亘って輪帯状に形成されているので、上下左右の全周方向に亘って広い視野角度を確保することができる。なお、平面部14の幅は、凹面部13の周縁部で入射した光の屈折角度と、凹レンズ10の厚さTに応じて決定されるものであって、凹面部13の周縁部で入射した光が、平面部14の裏側の面(対物側片面12b)に到達できる(レンズ本体12の外周面から出射しない)寸法となる。
According to the
これに対して、凹面部を囲む平面部を有さない通常の凹レンズ110では、図5の(b)に示すように、凹面部13の周縁部に入射した光は、凹レンズ110の外周面から外側に出射してしまう。そのため、凹面部13の周縁部では、車体2の外方を視認することができない。すなわち、凹レンズ110では、凹面部13の周縁部を有効に利用することができず、ある程度凹面部13の径方向内側に入った位置でないと車体2の外方を視認することができない。そして、凹面部13の中心部に近いほど、入射光の径方向外側への屈折角度が小さくなるので、凹レンズ110全体としての視野角が狭くなる。
On the other hand, in a normal
具体的には、前記の寸法で形成された凹レンズ10では、図6に示すように、凹レンズ10の凹面部13側の表面(平面部14の表面)から1500mm離間した位置から、凹レンズ10を見ると、凹レンズ10の車体2の外方面から2000mm離間した位置において、半径3200mmの範囲を視認することができる。これに対して、凹レンズ10と同形状の凹面部13を有する通常の凹レンズ110では、前記した同じ条件で、凹レンズ10の車体2の外方面から2000mm離間した位置において視認できるのは、半径1200mmの範囲だけである。このように、本実施形態の凹レンズ10では、凹面部13の周囲に平面部14を形成するだけで、従来の凹レンズ110の2倍以上の範囲を視認することができる。
Specifically, in the
次に、凹レンズ10のディオプター値やレンズの直径等の各種設定値の範囲について、図7のグラフを参照しながら説明する。
Next, the range of various set values such as the diopter value of the
レンズのディオプター値はレンズの表面と裏面のディオプター値の和であるが、本実施形態の凹レンズ10は、車体2の外方面がフラットであるのでこの面のディオプター値は0となり、凹レンズ10のディオプター値は凹面部13のディオプター値となる。
The diopter value of the lens is the sum of the diopter values of the front surface and the back surface of the lens. However, in the
一般に、サイドミラーの下部に設けられる補助ミラー等、車両周辺確認用のミラーの曲率半径は100〜800mmである。ここで、本実施形態に係る凹レンズ10においても、車両周辺確認用のミラーと同程度の焦点距離を得られるように、ディオプター値を設定することとした。曲率半径が100〜800mmのミラーは、焦点距離が−400〜−50mmであるので、凹レンズ10のディオプター値は、−2.5〜−20Dとなる。
In general, the radius of curvature of a mirror for confirming the periphery of the vehicle, such as an auxiliary mirror provided below the side mirror, is 100 to 800 mm. Here, also in the
このディオプター値(−2.5〜−20D)の範囲で、画角(視認角度)60度の範囲が見えるレンズ直径(凹面部13の直径)を計算すると、図7の細線L1よりも上側に示す範囲となる。この細線L1を設定可能なレンズ直径の下限値とする。レンズ直径の上限値は、サイドウィンドウ43の外側に設置可能な大きさとして、360mmとした。すなわち、図7のハッチングH1で示す部分が、有効な数値範囲となる。
When the lens diameter (diameter of the concave surface portion 13) in which the range of the angle of view (viewing angle) is 60 degrees is calculated in the range of this diopter value (−2.5 to −20D), it is higher than the thin line L1 in FIG. This is the range shown. The thin line L1 is set as a lower limit value of the settable lens diameter. The upper limit of the lens diameter was set to 360 mm as a size that can be installed outside the
さらに、望ましい数値として、ディオプター値(−2.5〜−20D)の範囲で、画角120度の範囲が見える(直左保安基準を満たす)レンズ直径を計算すると、図7の太線L2よりも上側に示す範囲となる。レンズ直径の上限値は、サイドウィンドウ43の外側に設置可能であるとともに、デザイン等も考慮して、300mmとした。すなわち、図7のハッチングH2で示す部分が、さらに有効な数値範囲となる。
Further, as a desirable numerical value, when the lens diameter in which the angle of view of 120 degrees can be seen in the range of the diopter value (−2.5 to −20D) (satisfying the left-left safety standard) is calculated, it is more than the thick line L2 in FIG. The range shown on the upper side. The upper limit of the lens diameter can be set outside the
以上の説明と図7のグラフを参照して、好ましいディオプター値とレンズ直径を、本実施形態では以下のように数値限定することができる。
(1)ディオプター値が−20Dのときは、レンズ直径(凹面部13の直径)は50〜360mm、望ましくは100〜300mmとする。
(2)ディオプター値が−15Dのときは、レンズ直径(凹面部13の直径)は60〜360mm、望ましくは100〜300mmとする。
(3)ディオプター値が−10Dのときは、レンズ直径(凹面部13の直径)は100〜360mm、望ましくは150〜300mmとする。
(4)ディオプター値が−5Dのときは、レンズ直径(凹面部13の直径)は240〜360mm、望ましくは300mmとする。
(5)ディオプター値が−2.5Dのときは、レンズ直径(凹面部13の直径)は360とする。
With reference to the above description and the graph of FIG. 7, a preferable diopter value and a lens diameter can be numerically limited as follows in this embodiment.
(1) When the diopter value is −20D, the lens diameter (diameter of the concave surface portion 13) is 50 to 360 mm, preferably 100 to 300 mm.
(2) When the diopter value is −15D, the lens diameter (diameter of the concave surface portion 13) is 60 to 360 mm, preferably 100 to 300 mm.
(3) When the diopter value is −10D, the lens diameter (the diameter of the concave surface portion 13) is 100 to 360 mm, preferably 150 to 300 mm.
(4) When the diopter value is −5D, the lens diameter (diameter of the concave surface portion 13) is 240 to 360 mm, preferably 300 mm.
(5) When the diopter value is −2.5D, the lens diameter (diameter of the concave surface portion 13) is set to 360.
図2に示すように、凹レンズ10の凹面部13側の片面には、凹面部13を部分的に覆うマスク11が設けられている。本実施形態では、マスク11は、凹レンズ10を車体2に設置した状態での凹面部13の上部と下部を覆っている。マスク11は、例えば、黒いフィルムによって形成されており、開口部11aが形成されている。開口部11aは、直線状の上辺および下辺と、これら上辺と下辺の端部同士を繋ぐ一対の側辺とからなる周縁部を備えている。上辺および下辺は、互いに平行に形成されており、凹レンズ10を車体2に設置した状態で水平になるように配置される。側辺は、凹面部13の開口部分平面の円と同じ曲率半径を有しており、開口部分平面の円の円周に沿うように形成されている。マスク11は、凹レンズ10と一緒にレンズ支持部51の筒部52内に収容されて、押え部材53で押えられて、凹レンズ10の車体2側表面に固定される。そして、マスク11は、上空が写る凹面部13の上部と、フロントサイドドア3本体が写る凹面部13の下部を塞いでいる。なお、マスク11は、凹レンズ10の平面部14に接着して固定してもよい。また、マスク11と押え部材53を兼用するようにしてもよい。また、マスク11の材質は、フィルムに限定されるのもではない。
As shown in FIG. 2, a
凹面部13には、反射防止加工が施されている。反射防止加工は、凹面部13の表面に二酸化ケイ素などの微細なガラス粉末を吹き付けて細かい凹凸を形成したり、凹面部13の表面にフッ化マグネシウム(MgF2)などの蒸着等による薄膜からなる反射防止膜を形成したりする等の方法で施される。反射防止加工を施すことによって、日光や街灯等の反射を防止できるので、視界が良好になる。
The
レンズ本体12の全面に、透明電導膜が形成されている。この透明電導膜に通電することで、ヒーターの機能を備えることができるので、霜を溶かしたり、結露を防止することができる。
A transparent conductive film is formed on the entire surface of the
凹レンズ10の、凹面部13および平面部14の裏側の面(車体2の外方面)には、親水コートまたは撥水コートが施されている。親水コートは、二酸化ケイ素や光触媒作用を有する酸化チタンを含む材料などの薄膜からなる親水層が蒸着等で形成されており、レンズ表面に水滴ができるのを防止し、水の膜が一面に広がるので、視界が良好になる。また、撥水コートは、レンズ表面にシリコーン系やフッ素系の撥水コート剤を塗布して撥水層が形成されており、レンズ表面で水滴を滑らせるので、水滴が溜まらず、視界が良好になる。
A hydrophilic coat or a water-repellent coat is applied to the surface of the
以上のような構成の視野拡大構造1によれば、凹レンズ10を運転者Pの眼球位置Aより前方下部に設けたことによって、運転者Pの姿勢を崩すことなく、凹レンズ10を見ることができる。また、凹レンズ10は、凹面部13の周囲に平面部14が形成されているので、周縁部を含む凹面部13の全体に亘って車体2外部の状態を写すことができる。従って、広い画角(本実施形態では120度)を得ることができ、図8に示すように、広い範囲のスペースSを視認することができる。具体的には、フロントサイドドア3による死角領域S1、Aピラーによる死角領域S2および車体2の側部による死角領域S3の殆んどを視認することができる。また、鏡ではなく凹レンズ10を用いているので、車体2外部を正像で視認することができ、障害物の相対的な位置関係を把握しやすい。
According to the field-of-
また、本実施形態の凹レンズ10によれば、上下方向にも広い画角を得ることができるが、ドアミラー30を凹レンズ10と運転者Pの眼球位置Aとを結ぶ直線L上から上方にオフセットして設けているので、認識したい車体2外部の像にドアミラー30が写り込むことがなく、障害物を認識しやすくなる。さらに、ドアミラー30の設置位置が上方に上がったことによって、ドアミラー30本体による死角をなくすことができるとともに、ドアミラー30に設けたターンランプ32の点滅を周囲から認識しやすくなる。
Further, according to the
また、凹面部13の上下を覆うマスク11を設けたことによって、上空とフロントサイドドア3本体が見えなくなる。これによって、余計な部分を除いた車体2外部の像が集中的に写ることとなり、障害物を認識しやすくなる。
Further, by providing the
さらに、凹レンズ10は厚さが小さく、断面積が小さい上に、サイドウィンドウ43と略平行に設けられているので、車体2を正面から見たときの突出量および面積が小さい。したがって、車体走行時の空気抵抗の増加を低減することができる。
Furthermore, since the
凹レンズ10は、ドアミラー30を固定するためのミラーベース40に一体的に形成されたレンズ支持部51に固定されているので、車体2への取付け構造が簡素化されるとともに、ミラーベース40を車体2に取り付けるだけで、凹レンズ10を車体2に容易に固定することができる。また、凹レンズ10は、筒部52内に挿入して押え部材53で押えるだけで固定されているので、レンズ支持部51への着脱、固定が容易である。したがって、凹レンズ10のメンテナンスや交換を容易に行うことができる。
Since the
なお、前記実施形態では、凹レンズ10の凹面部13(図4参照)は、球体の表面と同径状に形成されているが、図9に示すように、凹レンズ10’をフレネルレンズ(図示せず)にて構成するようにしてもよい。凹レンズ10’の凹面部13’には、正面から見て同芯円状の段差部が形成されて、曲面が分割されている。凹面部13’の各曲面の曲率半径は、凹レンズ10の凹面部13と同じである。凹面部13’の周囲には、前記実施形態と同様の平面部14が形成される。このような構成によれば、所定の方向から凹レンズ10’を見た場合に広い視野角度を得られるとともに、凹レンズ10’の厚さT’を薄くすることができ、車体走行時の空気抵抗の増加をより一層低減することができる。
In the above embodiment, the concave surface portion 13 (see FIG. 4) of the
次に、図10を参照しながら、本発明の実施形態に係る視野拡大構造1のマスクの他の形態について説明する。
Next, another form of the mask of the visual
前記実施形態のマスク11が、直線状の上辺、下辺と、円弧状の一対の側辺とを備えた開口部11aを備えているのに対して、図10に示すように、本実施形態に係るマスク15は、正方形の開口部15aを備えている。開口部15aの正方形形状は、凹面部13の開口部分の平面円が正方形の外接円となるようになっている。
The
このような構成のマスク15によれば、凹面部13の上部と下部のみならず、側部も覆うことで、視認したい領域のみを凹面部13内に見ることができる。したがって、余分な像が写らないので、障害物を認識しやすくなる。
According to the
なお、開口部15aの形状は、前記のような正方形に限定されるものではなく、視認したい領域に応じて、横長あるいは縦長の長方形、楕円形、台形等、種々の形状に適宜決定することが可能である。
The shape of the
次に、図11を参照しながら、本発明の実施形態に係る視野拡大構造1の凹レンズのさらに他の形態について説明する。
Next, still another embodiment of the concave lens of the
前記実施形態の凹面部13の開口部分が円形であったのに対して、図11の(a)に示す凹レンズ20は、レンズ本体21に形成される凹面部22が、開口部分の平面形状が円の上部を直線状に切り欠いてなる弓形状になっている。凹面部22の周囲には、凹面部22を囲む平面部23が環状に形成されている。レンズ本体21は、円盤形状を呈している。なお、凹面部22の曲率半径は凹面部13と同等である。円の上部の直線状の切り欠き位置は、視認したい領域に応じて決定される。凹面部22の周囲にはこれを囲むように平面部23が形成されている。
Whereas the opening portion of the
このような構成の凹レンズ20によれば、マスク11,15を設けなくても、視認したい領域のみを凹面部22内に見ることができ、余分な像が写らないので、障害物を認識しやすくなる。
According to the
なお、本実施形態では、凹面部22の開口部分の平面形状は弓形となっているが、これに限定されるものではなく、視認したい領域に応じて、弓形の下部も直線状に切り欠いてなる形状(直線状の上辺、下辺と円弧状の一対の側辺で囲まれた形状)、正方形、横長あるいは縦長の長方形、楕円形、台形等、適宜決定することが可能である。
In the present embodiment, the planar shape of the opening portion of the
図11の(b)に示す凹レンズ25は、レンズ本体26が、円盤形状の上部と下部が直線状に切除された形状に形成されている。レンズ本体26の上面と下面は、互いに平行に形成されており、上面と下面との距離は、図2に示したマスク11の上辺と下辺との離間距離と同じ長さである。凹面部27は、レンズ本体26の上下部の切除に応じて、平面視で、直線状の上辺、下辺と円弧状の一対の側辺で囲まれた形状となる。そして、側辺の外側に、平面部28がそれぞれ形成されている。平面部28は、それぞれ所定の幅を有する円弧の帯状に形成されている。
In the
このような構成によれば、マスク11,15を設けなくても、視認したい領域のみを凹面部22内に見ることができ、余分な像が写らないので、障害物を認識しやすくなる。さらに、凹レンズ25自体の大きさを小さくすることができるので、凹レンズ25の設置スペースを小さくすることができる。
According to such a configuration, even if the
なお、凹レンズ25の形状は前記の形状に限定されるものではなく、例えば、円盤形状の上部のみが直線状に切除された弓形形状としてもよい。
Note that the shape of the
次に、図12を参照しながら、本発明の実施形態に係る視野拡大構造の凹レンズのさらに他の形態について説明する。 Next, still another embodiment of a concave lens having a field-of-view expansion structure according to an embodiment of the present invention will be described with reference to FIG.
前記実施形態では、凹面部13の周囲に平面部14が形成されていたのに対して、図12に示す凹レンズ70は、レンズ本体71が円錐台状に形成されており、平面部14が切除された形状となっている。レンズ本体71の接眼側片面71aには、その全面に亘って凹面部13が形成されている。レンズ本体71の接眼側片面71aの反対側の面となる対物側片面71bの表面は、凹面部13の投影面13aを全て含むとともに投影面13aよりも大きい面積になるように形成されている。
In the above embodiment, the
レンズ本体71は、例えば、アクリル樹脂等の屈曲率1.49の材質によって形成されている。この場合、図12の(a)に示すように、レンズの対物側片面71bの直径D1を98.4mm、レンズの厚さTを28.0mm、凹面部13の表面と同じ曲率の球体の半径D2を30.7mm、前記球体の中心と平面部14の表面との間の距離Xを7.7mmとするのが好ましい。このようにすれば、凹レンズ10から運転者P側に62.5mmの位置に焦点があり、ディオプター値が−16D相当のレンズとなる。なお、図示しないが、レンズ本体12の外周面には、レンズ支持部51に固定するための、ネジ穴、爪部や溝部等が形成されている。前記の数値は図4に示したレンズ本体12と同等である。
The lens
対物側片面71bの直径D1は、凹面部13の周縁部で入射した光の屈折角度と、凹レンズ70の厚さTに応じて決定されるものであって、凹面部13の周縁部で入射した光(図12の(a)に破線にて示す)が、対物側片面71bに到達できる(レンズ本体12の側面から出射しない)寸法となる。ここで、対物側片面71bの表面の投影面13aを除いた周囲の部分は、図4の平面部14と同等の形状となっている。
The diameter D1 of the objective-side
このような構成の凹レンズ70によれば、視野角が広くなり、前記実施形態と同様の作用効果が得られる他に、レンズ本体71の体積が、図4に示したレンズ本体12と比較して小さくなり、凹レンズ70の軽量化が図れる。また、凹レンズ70を成形によって作製する場合、駄肉がなく、成形時間を短縮することもできる。
According to the
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更が可能である。例えば、前記実施の形態では、凹レンズ10を助手席側のフロントサイドドア3側に設置しているが、凹レンズ(車両用視野拡大レンズ)10単体としては、死角が発生する場所の近傍である後方ウィンドウ部分やフェンダー部分等に設けるようにしてもよいのは勿論である。
As mentioned above, although the form for implementing this invention was demonstrated, this invention is not limited to the said embodiment, In the range which does not deviate from the meaning of this invention, a design change is possible suitably. For example, in the above-described embodiment, the
1 視野拡大構造
10 凹レンズ(車両用視野拡大レンズ)
11 マスク
12 レンズ本体
13 凹面部
14 平面部
30 ドアミラー
40 ミラーベース
P 運転者
A 眼球位置
10’ 凹レンズ
12’ レンズ本体
13’ 凹面部
15 マスク
20 凹レンズ
21 レンズ本体
22 凹面部
23 平面部
25 凹レンズ
26 レンズ本体
27 凹面部
28 平面部
1 Field of
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記助手席側の車体側部であって運転者の眼球位置より前方下部に、視野を拡大する凹レンズが設けられ、
前記凹レンズの凹面部がサイドウィンドウ面に沿っており、
前記助手席側のドアミラーが、前記凹レンズと前記運転者の眼球位置とを結ぶ直線上から上方にオフセットし、且つ前記凹レンズよりも前方に設けられており、
前記凹レンズは、前記ドアミラーを支持するためのミラーベースに設けられたレンズ支持部に支持されており、
前記レンズ支持部は、前記ミラーベースの基部から後方に延出したものである
ことを特徴とする視野拡大構造。 In the field of view expansion structure to expand the field of view outside the car body on the passenger side,
A concave lens that enlarges the field of view is provided in the lower part of the front side of the driver's eyeball position on the side of the vehicle body on the passenger seat side,
The concave surface portion of the concave lens is along the side window surface;
The door mirror on the passenger seat side is offset upward from a straight line connecting the concave lens and the eyeball position of the driver, and is provided in front of the concave lens,
The concave lens is supported by a lens support provided in a mirror base for supporting the door mirror ,
The field-of-view enlargement structure , wherein the lens support portion extends rearward from a base portion of the mirror base .
前記助手席側の車体側部であってサイドウィンドウの下端部に、視野を拡大する凹レンズが設けられ、
前記凹レンズの凹面部がサイドウィンドウ面に沿っており、
前記助手席側のドアミラーが、前記凹レンズと前記運転者の眼球位置とを結ぶ直線上から上方にオフセットし、且つ前記凹レンズよりも前方に設けられており、
前記凹レンズは、前記ドアミラーを支持するためのミラーベースに設けられたレンズ支持部に支持されており、
前記レンズ支持部は、前記ミラーベースの基部から後方に延出したものである
ことを特徴とする視野拡大構造。 In the field of view expansion structure to expand the field of view outside the car body on the passenger side,
A concave lens that enlarges the field of view is provided at the vehicle body side of the passenger seat side and at the lower end of the side window,
The concave surface portion of the concave lens is along the side window surface;
The door mirror on the passenger seat side is offset upward from a straight line connecting the concave lens and the eyeball position of the driver, and is provided in front of the concave lens,
The concave lens is supported by a lens support provided in a mirror base for supporting the door mirror ,
The field-of-view enlargement structure , wherein the lens support portion extends rearward from a base portion of the mirror base .
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の視野拡大構造。 The field-of-view enlargement structure according to claim 1 , wherein the concave lens is configured by a Fresnel lens.
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