JP5301913B2 - 超音波肉厚算出方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、配管等の肉厚を測定する超音波肉厚算出方法及びその装置に関するものである。
一般に配管等の肉厚を測定する方法には様々なものがあり、その一例としては、超音波を用いて検出データから配管の肉厚を測定するものがある。
この場合には、超音波を発振する探触子と、探触子からのデータを処理する処理装置とを用いており、測定の際には、配管の外周面に探触子を配置して配管に超音波を発振し、配管の内周底面で反射した底面反射エコーを取得し、種々の解析を行って配管の肉厚を測定するようにしている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平7−198362号公報 特開2004−163250号公報
しかしながら、超音波を用いて配管等の計測対象物から多重反射エコーを取得した際には、信号強度のピークが徐々に減衰すると共にノイズ等の影響によりS/N比が低い状態になり、信号強度のピーク値を明確に特定することができないため、2つのピークの時間差を正確に読み取ることができず、配管の肉厚を好適に測定することができないという問題があった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、信号強度のピーク値を適切に特定し、配管の肉厚を好適に測定し得る超音波肉厚算出方法及びその装置を提供することを目的とする。
本発明は、超音波探触子により計測対象物に超音波を発振し、計測対象物からの多重底面反射エコーを用いて計測対象物の肉厚を測定する超音波肉厚算出方法であって、
多重底面反射エコーのうちN回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを取得し、N回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを時間ゲート(t0−t1)の間に位置させるように第1設定値(t0)と第2設定値(t1)を配置し、更にN回目と(N+1)回目の底面反射エコーの間に分割設定値(tx)を配置し、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む第1設定値(t0)から分割設定値(tx)までの第1信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む分割設定値(tx)から第2設定値(t1)までの第2信号とに分離し、第1信号と第2信号の一方に補正値を追加して第1信号の第1データ長(ΔN1)と第2信号の第2データ長(ΔN2)とを一致させ、データ長を一致させた第1データ長(ΔN)及び第2データ長(ΔN)を相互相関演算で処理してピーク値(Nk)の位置を求め、
D=v(tx−Nk/fs+t0)/2
により、分割設定値(tx)、第一設定値(t0)、ピーク値(Nk)、既知の計測対象物の音速(v)、超音波探触子によるサンプリング周波数(fs)とを用いて計測対象物の肉厚(D)を算出することを特徴とする超音波肉厚算出方法、にかかるものである。
本発明の超音波肉厚算出方法において、多重底面反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出することが好ましい。
本発明の超音波肉厚算出方法において、多重底面反射エコーから取得する底面反射エコーを、第1回目及び第2回目の底面反射エコーとすることが好ましい。
本発明は、計測対象物に対して超音波を発信して多重底面反射エコーを受ける超音波探触子と、超音波探触子からの信号を処理する信号解析部と、信号解析部からのデータを処理する肉厚算出部とを備える超音波肉厚算出装置であって、
前記信号解析部は、多重底面反射エコーの信号のうちN回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを取得し、N回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを時間ゲート(t0−t1)の間に位置させるように第1設定値(t0)と第2設定値(t1)を配置し、更にN回目と(N+1)回目の底面反射エコーの間に分割設定値(tx)を配置し、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む第1設定値(t0)から分割設定値(tx)までの第1信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む分割設定値(tx)から第2設定値(t1)までの第2信号とに分離し、第1信号と第2信号の一方に補正値を追加して第1信号の第1データ長(ΔN1)と第2信号の第2データ長(ΔN2)とを一致させ、データ長を一致させた第1データ長(ΔN)及び第2データ長(ΔN)を相互相関演算で処理してピーク値(Nk)の位置を求め、
前記肉厚算出部は、
D=v(tx−Nk/fs+t0)/2
により、分割設定値(tx)、第一設定値(t0)、ピーク値(Nk)、既知の計測対象物の音速(v)、超音波探触子によるサンプリング周波数(fs)とを用いて計測対象物の肉厚(D)を算出するように構成されたことを特徴とする超音波肉厚算出装置、にかかるものである。
本発明の超音波肉厚算出装置において、前記信号解析部は、多重底面反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出するように構成されることが好ましい。
本発明の超音波肉厚算出装置において、超音波探触子からの多重底面反射エコーを波形として受信する探傷器と、該探傷器からの波形を信号に変換する信号採取部とを備えることが好ましい。
本発明の超音波肉厚算出方法及びその装置によれば、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む信号とに分離し、N回目の底面反射エコーの信号を含む第1データ長(ΔN1)と、(N+1)回目の底面反射エコーの信号を含む第2データ長(ΔN2)と補正値により一致させ、第1データ長(ΔN)と第2データ長(ΔN)を相互相関演算で処理してピーク値(Nk)の位置を求め、これにより所望のピーク値(Nk)を適切に特定し、ピーク値(Nk)と既知の測定部材の音速(v)とを用いて計測対象物の肉厚を好適に測定することができる。また多重反射エコーによりデータの処理量(処理点数)が多い場合であっても、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む信号とに分離して相互相関演算で処理してまとめるので、データの処理量を低減し、D=v(tx−Nk/fs+t0)/2により、分割設定値(tx)、第一設定値(t0)、ピーク値(Nk)、既知の計測対象物の音速(v)、超音波探触子によるサンプリング周波数(fs)とを用いて容易且つ適切に配管の肉厚を算出することができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の超音波肉厚算出方法及びその装置を実施する形態例を図1〜図4を参照して説明する。
本発明の形態例の超音波肉厚算出装置は、配管等の計測対象物1に配置される超音波探触子2と、超音波探触子2に接続される探傷器3と、探傷器3に接続される信号採取部4と、信号採取部4に接続されて信号を処理する信号解析部5と、信号解析部5に接続されてデータを処理する肉厚算出部6と、肉厚算出部6に接続されてデータ等の信号を保存する信号保存部7とを備えている。ここで探傷器3、信号採取部4、信号解析部5、肉厚算出部6、信号保存部7は、PC等の処理手段により一体的に構成されても良いし、夫々、別個に構成されても良いし、種々の部分でまとめて構成されても良い。また超音波肉厚算出装置は、各データを表示する表示部を備えても良い。
超音波探触子2は、配管等の計測対象物1の外周に当接するように前面板を有する接触部(図示せず)を配し、接触部はフィン付き配管のフィンの間に挿入可能な数mmの大きさを備え、前面板が配管の外周に当接し得るようになっている。また接触部は、ばね等により上下動可能な弾性機構を備え、配管の外周面に減肉部や凹凸部があっても上下動して前面板が配管の外周に対応し得るようになっている。更に接触部の側部等には、永久磁石等の磁性手段を備え、フィンに接触して安定的に探傷、走査するようになっている。
また超音波探触子2は、直径数mmの振動子(図示せず)を分割して送信部(図示せず)と受信部(図示せず)とを構成し、配管等の計測対象物1に対して超音波を発振して配管等の内周底面から多重底面反射エコーを受けるように構成されている。ここで適用し得る周波数は1MHzから数十MHzまでが可能であり、本実施例では10MHzの周波数を用いて時間分解能を上げるようにしている。
探傷器3は、超音波探触子2からの多重底面反射エコーを波形として受信するように構成されており、また信号採取部4は、探傷器3からの波形をデジタル信号に変換するようになっている。
信号解析部5は、信号採取部4からの信号に対して信号の抽出、ウェーブレット解析、相互相関演算等を為しえるように、図2に示すフローの処理(ステップS1〜S10)を行う信号抽出処理手段及び関数処理手段を備えている。
肉厚算出部6は、配管等の計測対象物1の音速(v)が予め入力されると共に信号解析部5からの信号を受け、所定の関数に基づいて配管等の計測対象物1の肉厚を算出するようにしている。ここで計測対象物1の音速(v)は計測対象物1の材質によって夫々異なっており、測定時ごとに計測対象物1の材質に基づいて音速(v)を入力しても良いし、材質の音速(v)のデータ集から適宜選択しても良い。
信号保存部7は、肉厚算出部6で用いたデータを全て保管するようになっている。ここで保管するデータは、所望のデータのみを保管するようにしても良いし、夫々の処理のデータ値を保管するようにしても良い。
以下、本発明の超音波肉厚算出方法及びその装置を実施する形態例の作用を説明する。
通常の配管やフィン付き配管等の計測対象物1を測定する際には、配管等の外周に超音波探触子2の接触部の前面板を配し、前面板から超音波を発振して配管等の内周底面から少なくともN回目及び(N+1)回目を含む多重底面反射エコーを受信する。次に超音波探触子2からの多重底面反射エコーを探傷器3により波形として受信し、信号採取部4を介してデジタル信号に変換し、サンプリング周波数fsとして信号解析部5に送信する。
信号解析部5は、サンプリング周波数fsに対して図2のフローの示す如くN回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを時間ゲート(t0−t1)の間に位置させるように第1設定値(t0)と第2設定値(t1)を任意に配置する(ステップS1)。ここで時間ゲート(t0−t1)を設定するN回目の底面反射エコー及び(N+1)回目の底面反射エコーは、底面反射エコーのピーク強度を認識できるものならば特定の底面反射エコーに制限されるものではないが、図3のサンプリング周波数fsの処理の如く第1回目及び第2回目の底面反射エコーを用いることが特に好ましい。また第3回目以上の底面反射エコーを用いる場合には、少なくとも(N−1)回目の底面反射エコーを含まないように条件設定する必要がある。
次にN回目と(N+1)回目の底面反射エコーの間に分割設定値(tx)を任意に配置する(ステップS2)。ここで図3に示すサンプリング周波数fsでは、分割設定値(tx)の位置を第1回目の底面反射エコー及び第2回目の底面反射エコーの間に配置している。
続いて時間ゲート(t0−t1)の間の信号を抽出して連続ウェーブレット変換のウェーブレット解析を行い(ステップS3)、解析後の信号から特定周波数帯域信号(特定周波数成分)の抽出を行う(ステップS4)。その後、抽出した信号を、N回目の底面反射エコーを含む第1設定値(t0)から分割設定値(tx)までの第1信号(tx−t0)と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む分割設定値(tx)から第2設定値(t1)までの第2信号(t1−tx)とに分離する(ステップS5)。ここでウェーブレット解析は、ウェーブレット関数により、広い周波数領域において時間領域の情報を失うことなく、特定周波数成分を求めるものであり、本実施例では、超音波探触子2の共振周波数成分(10MHz)に対応して特定周波数成分(10MHz)を抽出するようにしている。
またウェーブレット解析(ステップS3)から第1信号と第2信号との分離(ステップS5)までの手順は、図3のサンプリング周波数fsの処理の如く、N回目の底面反射エコーを含む第1信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む第2信号とに分離した(ステップS5)後に、ウェーブレット解析を行い(ステップS3)、解析後の信号から特定周波数帯域信号の抽出を行う(ステップS4)ように順序を変更しても良い。
次に、特定周波数領域信号の抽出及び分離処理を行った第1信号(tx−t0)をデータ長(1+(tx−t0)・fs=ΔN1)に変換すると共に、第2信号(t1−tx)をデータ長(1+(t1−tx)・fs=ΔN2)に変換し、第1信号のデータ長(ΔN1)と第2信号のデータ長(ΔN2)とを比較する(ステップS6)。なお図2では、第1信号のデータ長(ΔN1)をtx−t0と記載し、第2信号のデータ長(ΔN2)をt1−txと記載している。
第1信号のデータ長(ΔN1)と第2信号のデータ長(ΔN2)とを比較して第1信号のデータ長(図2ではtx−t0)が大きい場合(ステップS6のYES)には、第2信号のデータ長(ΔN2、図2ではt1−tx間の信号)に強度信号ゼロの補正値(補正データ個数)を追加し、第1信号のデータ長(ΔN1)と第2信号のデータ長(ΔN2)とを共通のデータ長(ΔN)として一致させる(ステップS7)。
一方、第1信号のデータ長(ΔN1)と第2信号のデータ長(ΔN2)とを比較して第2信号のデータ長(図2ではt1−tx)が大きい場合(ステップS6のNO)には、第1信号のデータ長(ΔN1、図2ではtx−t0間の信号)に強度信号ゼロの補正値(補正データ個数)を追加し、第1信号のデータ長(ΔN1)と第2信号のデータ長(ΔN2)とを共通のデータ長(ΔN)として一致させる(ステップS8)。
ここで図4では、第1信号のデータ長が第2信号のデータ長より大きく、第2信号のデータ長に強度信号ゼロの補正値(補正データ個数)を追加してデータ長をそろえたものを示している。また、ステップS6、S7でデータ長をそろえる場合には、他の処理方法を用いても良いが、短いデータ長に補正値を追加して長いデータ長に合わせることが好ましい。
続いて第1信号のデータ長(ΔN1)と第2信号のデータ長(ΔN2)とを共通のデータ長(ΔN)として一致させた後には、相互相関演算する(ステップS9)。
Figure 0005301913
ここで相互相関演算は同じデータ長で同じ周波数成分同士を畳み込み演算し、第1信号のデータ長(ΔN)に含まれるN回目の底面反射エコーのピークと、第2信号のデータ長(ΔN)に含まれる(N+1)回目の底面反射エコーのピークとをまとめ、信号強度のピーク値(Nk)を顕著に示す。
同時に相互相関演算は、サンプリング周波数fsを分割した第1信号及び第2信号を畳み込み処理し、通常の相互相関演算する場合に比べてデータの処理(相互相関演算)量を半分にしている。ここでデータの処理(相互相関演算)量が半分になる理由は、t0−t1間の設定がN回目、(N+1)回目の底面反射エコーを含むように十分に広く設定されており、2つの信号に分離した場合には、N回目の底面反射エコーはt0−tx間の右寄り(tx寄り)に位置し、(N+1)回目の底面反射エコーはtx−t1間の左寄り(tx寄り)に位置し、また通常の相互相関演算の最初の半分は、2つのピーク部分同士が演算されないため不要になり、結果的にデータの処理(相互相関演算)量が半分になるからである。
更に1回目の底面反射エコーのピークと2回目の底面反射エコーのピークついて相互相関演算した場合には、図4に示す如く最大のピーク値(Nk)を示すようになる。
その後、相互相関演算の結果から信号強度のピーク値(Nk)の位置を求め、肉厚算出部6に予め入力された配管等の計測対象物1の材質の音速(v)を用いて配管等の計測対象物1の肉厚Dを算出する(ステップS10)。
Figure 0005301913
ここでピーク値(Nk)は、図3のサンプリング周波数fsにおけるN回目、(N+1)回目の底面反射エコーのピークに比べてピーク強度が顕著であるため、他のノイズ成分等の影響を受けることなく、容易にピーク値(Nk)の位置を決定し得るものとなる。また肉厚の算出では、分割設定値(tx)及びピーク値(Nk)のパラメータを用いて、分割設定値(tx)で分割したデータを補足するようにしている。
このように、形態例の超音波肉厚算出方法及びその装置によれば、サンプリング周波数fsを、N回目の底面反射エコーを含む信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む信号とに分離し、N回目の底面反射エコーの信号を含む第1データ長(ΔN1)と、(N+1)回目の底面反射エコーの信号を含む第2データ長(ΔN2)と補正値により一致させ、第1データ長(ΔN)と第2データ長(ΔN)を相互相関演算で処理してピーク値(Nk)の位置を求め、これにより所望のピーク値(Nk)を適切に特定し、ピーク値(Nk)と既知の測定部材の音速(v)とを用いて計測対象物1の肉厚を好適に測定することができる。また多重反射エコーによりデータの処理量(処理点数)が多い場合であっても、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む信号とに分離して相互相関演算で処理してまとめるので、データの処理量(処理点数)を半分に低減して容易且つ適切に配管の肉厚を算出することができる。
形態例の超音波肉厚算出方法及びその装置において、多重底面反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出すると、超音波探触子2の共振周波数成分を抽出してS/N比を高め、信号強度のピーク値(Nk)を一層適切に特定し、ピーク値(Nk)と既知の測定部材の音速(v)とを用いて計測対象物1の肉厚を最適に測定することができる。
形態例の超音波肉厚算出方法及びその装置において多重底面反射エコーから取得する底面反射エコーを、第1回目及び第2回目の底面反射エコーとすると、(N−1)回目の底面反射エコーを削除する処理を不要にして第1データ長(ΔN1)と第2データ長(ΔN2)を容易に設定すると共に、ピーク値(Nk)が最大になるので、計測対象物1の肉厚を最適に測定することができる。ここで多重底面反射エコーは、計測対象物1の材料の減衰率により、底面反射エコーの回数に伴って減衰するため、(N−1)回目の底面反射エコーは、N回目の底面反射エコーよりピーク強度が強く、相互相関演算した場合に不要な最大ピーク値が発生し、所望のピーク値(Nk)の認定が若干困難になるという問題がある。
なお、本発明の超音波肉厚算出方法及びその装置は、本発明の作用効果を為しえるならば超音波肉厚算出方法の手順を変更したり、他の処理を追加しても良いこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の形態例を示す概念図である。 本発明の形態例を示すフローである。 本発明の形態例においてサンプリング周波数から特定周波数成分を抽出するまでの処理を示す概念図である。 本発明の形態例において第1信号と第2信号とをそろえて計測対象物の肉厚を算出するまでの処理を示す概念図である。
符号の説明
1 計測対象物
2 超音波探触子
3 探傷器
4 信号採取部
5 信号解析部
6 肉厚算出部
Nk ピーク値
t0−t1 時間ゲート
t0 第1設定値
t1 第2設定値
tx 分割設定値
ΔN1 第1データ長
ΔN2 第2データ長
ΔN 共通のデータ長
v 音速

Claims (6)

  1. 超音波探触子により計測対象物に超音波を発振し、計測対象物からの多重底面反射エコーを用いて計測対象物の肉厚を測定する超音波肉厚算出方法であって、
    多重底面反射エコーのうちN回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを取得し、N回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを時間ゲート(t0−t1)の間に位置させるように第1設定値(t0)と第2設定値(t1)を配置し、更にN回目と(N+1)回目の底面反射エコーの間に分割設定値(tx)を配置し、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む第1設定値(t0)から分割設定値(tx)までの第1信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む分割設定値(tx)から第2設定値(t1)までの第2信号とに分離し、第1信号と第2信号の一方に補正値を追加して第1信号の第1データ長(ΔN1)と第2信号の第2データ長(ΔN2)とを一致させ、データ長を一致させた第1データ長(ΔN)及び第2データ長(ΔN)を相互相関演算で処理してピーク値(Nk)の位置を求め、
    D=v(tx−Nk/fs+t0)/2
    により、分割設定値(tx)、第一設定値(t0)、ピーク値(Nk)、既知の計測対象物の音速(v)、超音波探触子によるサンプリング周波数(fs)とを用いて計測対象物の肉厚(D)を算出することを特徴とする超音波肉厚算出方法。
  2. 多重底面反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出することを特徴とする請求項1に記載の超音波肉厚算出方法。
  3. 多重底面反射エコーから取得する底面反射エコーを、第1回目及び第2回目の底面反射エコーとすることを特徴とする請求項1に記載の超音波肉厚算出方法。
  4. 計測対象物に対して超音波を発信して多重底面反射エコーを受ける超音波探触子と、超音波探触子からの信号を処理する信号解析部と、信号解析部からのデータを処理する肉厚算出部とを備える超音波肉厚算出装置であって、
    前記信号解析部は、多重底面反射エコーの信号のうちN回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを取得し、N回目及び(N+1)回目の底面反射エコーを時間ゲート(t0−t1)の間に位置させるように第1設定値(t0)と第2設定値(t1)を配置し、更にN回目と(N+1)回目の底面反射エコーの間に分割設定値(tx)を配置し、多重底面反射エコーの信号を、N回目の底面反射エコーを含む第1設定値(t0)から分割設定値(tx)までの第1信号と、(N+1)回目の底面反射エコーを含む分割設定値(tx)から第2設定値(t1)までの第2信号とに分離し、第1信号と第2信号の一方に補正値を追加して第1信号の第1データ長(ΔN1)と第2信号の第2データ長(ΔN2)とを一致させ、データ長を一致させた第1データ長(ΔN)及び第2データ長(ΔN)を相互相関演算で処理してピーク値(Nk)の位置を求め、
    前記肉厚算出部は、
    D=v(tx−Nk/fs+t0)/2
    により、分割設定値(tx)、第一設定値(t0)、ピーク値(Nk)、既知の計測対象物の音速(v)、超音波探触子によるサンプリング周波数(fs)とを用いて計測対象物の肉厚(D)を算出するように構成されたことを特徴とする超音波肉厚算出装置。
  5. 前記信号解析部は、多重底面反射エコーの信号をウェーブレット解析して特定周波数成分を抽出するように構成されたことを特徴とする請求項4に記載の超音波肉厚算出装置。
  6. 超音波探触子からの多重底面反射エコーを波形として受信する探傷器と、該探傷器からの波形を信号に変換する信号採取部とを備えることを特徴とする請求項4に記載の超音波肉厚算出装置。
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