JP5300734B2 - カテーテル - Google Patents

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Description

本発明は、心臓またはその周辺組織、特に、左・右冠状動脈(以下単に「冠動脈」とも言う)に挿入して用いられるカテーテルに関する。
一般にガイディングカテーテルは、あらゆる病変に対応させるため、内径の比較的大きなカテーテルが求められてきた。これは、石灰化した重篤な病変を治療するには、ローターブレーダーのように外径の大きな治療デバイスが必要となるからである。
逆に軽度の病変でかつ、末梢に近い部分で有れば、血管壁へのダメージを少なくして、血栓の発生を抑えるために、より外径の小さいバルーン、ステントそしてガイドワイヤと外径の比較的小さいガイティングカテーテルで治療した方が、副作用が少ない。また、小口径カテーテルは、大口径カテーテルよりも先端が柔軟であるため、血管壁に対する損傷も小さい。
近年通常PTCAに用いられるガイティングカテーテルは、外径が5Fr〜8Fr(日本では6または7Frが多い、1Frはおよそ0.33mm)のカテーテルを使用する(例えば、特許文献1参照)。このカテーテルを体内に導入する場合、外径の大きいカテーテルを体内を導入するためのシースはその外径も大きくなり、さらにカテーテルイントロデューサシースの穿刺孔も大きくなる。そのためカテーテルによる治療後に、シースを抜き去った後の穿刺孔の止血に時間がかかるしそのための安静時間も長いという欠点がある。
また、上記のような太いカテーテルを血管内に押し込んでいくとカテーテルの血管通過時に、血管壁の損傷が生じ得る。さらに6Fr(外径2.0mm)以上のカテーテルでは、外径が大きいため、病変が冠動脈の末梢にあると、カテーテルを病変近傍まで挿入することができない。そのためガイティングカテーテルの内腔を通過してガイドされた治療デバイス(バルーン、ステント等)は、剥き出しの状態で冠動脈内を通過させることになる。この際、病変の手前(冠動脈の病変の基端側)に、既にステント留置などによる治療痕があると、留置されたステントに、先端の細いバルーンの先端やガイドワイヤが引っかかって、病変まで到達しない場合もある。
外カテーテルと当該外カテーテル内に挿入される内カテーテルとで構成されたカテーテル組立体(組合せカテーテル)のように、標的とする血管の入り口に先端をエンゲージする(引っ掛ける、または係合する)ための外カテーテルの内部に、それよりも外径の小さい内カテーテルを挿入して内カテーテルを標的とする血管末梢の病変治療に用いる方法もある。しかし、外カテーテル挿入に、外径の大きなシースを使用することに変わりはないため、カテーテル導入のための穿刺孔は大きくなる。
5Fr(外径1.7mm)以上のカテーテルを単独で用いて病変を治療しようとすると、先端に標的とする血管の入り口に先端をエンゲージし得る形状を有することが必要である。しかしながら、5Frのカテーテルでは標的とする血管の内径を閉塞してしまう危険がある。また、5Frカテーテルは先端部のエンゲージ形状を維持したまま血管内を進むため、標的とする血管の湾曲箇所でカテーテルの先端部(エンゲージ形状)がつっかかり、大きく血管壁を傷つける可能性がある。
1本の単独のカテーテルで、標的とする血管の入り口にエンゲージし、かつエンゲージ後に血管内にまで進入し、治療デバイスを送り込み得る外径の小さいガイディングカテーテルであって、標的とする血管内の病変近傍まで血管の形状に沿って変形するカテーテルは知られていない。
特開2006−288670号公報
本発明の目的は、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位まで確実に挿入することができるカテーテルを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
血管内に挿入して使用され、バルーンカテーテル、ステント搬送用カテーテルまたは血管拡張用カテーテルのうちのいずれかの処置用カテーテルを導入するためのガイディングカテーテルであるカテーテルであって、
内層と外層とそれらの間に位置する補強材層とを有し、外径が1.4〜1.6mmのカテーテル本体と、該カテーテル本体の先端側に設けられ、前記カテーテル本体よりも柔軟性に富むソフトチップとを備え、
前記カテーテル本体は、その先端部に、湾曲形状をなし、該湾曲形状により、大動脈から分岐した冠動脈の分岐部である冠動脈口に係合し得る湾曲部を有し、前記外層に表面に凹部が多数形成され、
前記カテーテル本体は、その先端側の部分の曲げ剛性が基端側の部分の曲げ剛性よりも低いものであり、前記先端側の部分の曲げ剛性は、前記基端側の部分の曲げ剛性より5〜20gf小さく、前記湾曲部は、前記内層と前記外層と前記補強材層との平均総厚を60〜100μm、かつ、前記外層での前記補強材層の最外周から前記外層の外表面までの距離である最小厚さの平均を8〜30μmとし、これにより、前記湾曲部を前記冠動脈の前記冠動脈口よりも末梢側に押し進めた際に前記冠動脈の前記末梢側の部分における形状に対応して変形するよう構成されており、
前記処置用カテーテルの導入に先立ち、前記大動脈内に単独で挿入し、前記冠動脈口に前記湾曲部を係合させて、その位置で一旦固定してから、前記湾曲部を前記冠動脈の前記冠動脈口よりも末梢側に押し進め、その際に前記湾曲部が前記冠動脈の前記末梢側の部分における形状に対応して変形し、その後、前記湾曲部が変形した状態のまま前記処置用カテーテルを挿入して該処置用カテーテルの導入を行なうよう用いられることを特徴とするカテーテルである。
これにより、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位まで確実に挿入することができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記外層の平均最小厚さをtとし、前記カテーテル本体の外径をφdとしたとき、d/tが50〜250であるのが好ましい。
これにより、湾曲部が血管の分岐部に確実に係合する(エンゲージする)ことができ、そして、この係合状態(エンゲージ状態)からカテーテルを押し進めた際には、湾曲部が血管の湾曲形状に対応して変形し、その操作(押し込み操作)を容易かつ確実に行なうことができる。このように、カテーテルでは、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位まで挿入することができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記カテーテル本体の基端部の曲げ剛性をσ[gf]とし、潰れ強度をσ[gf]としたとき、σ/σが0.04以下を満足するのが好ましい。
これにより、例えば、カテーテル本体を冠動脈内に挿入し、冠動脈内の湾曲部を通過させる際に、カテーテル本体の基端側の部分が不本意に変形するの(キンク(折れ曲がり)、ねじれ、潰れ等)を防止することができる。よって、挿入時の操作性および安全性を十分に確保することができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記各凹部は、その径が前記外層の表面側に向かって漸増しているのが好ましい。
また、本発明のカテーテルでは、前記補強材層は、線状の補強材を平板状に潰し加工し、それをらせん状にしたもので構成されているか、または、複数本の線状の補強材を平板状に潰し加工し、それを互いに交差させたもので構成されており、
前記外層の平均最小厚さは、前記湾曲部の横断面において、その半径方向で前記外層の表面に近い前記補強材の断面の角と当該カテーテルの中心とを結んだ線上の延長線において、前記角と前記外層の表面を通る直線の前記角と前記外層の表面の間の距離の平均であるのが好ましい。
また、本発明のカテーテルでは、前記外層は、前記カテーテル本体の長手方向に沿って異なる2種以上の材料で構成されているのが好ましい。
これにより、カテーテル本体は、先端方向に向かって徐々に剛性が変化し(低下し)、すなわち、柔軟性が変化し(増し)、血管への挿入操作の際に、プッシャビリティや先端側へのトルク伝達性を十分に確保しつつ、血管に対しより安全に挿入することができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記カテーテル本体の内径は、1.2〜1.5mmであるのが好ましい。
これにより、カテーテルをガイディングカテーテルとして十分に用いることができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記各凹部の最大深さの平均は、10μm以下であるのが好ましい。
これにより、たとえ血管壁の一部が凹部内に入り込んだとしても、凹部の内面に接触するのが確実に防止され、血管壁との接触面積の増加を防止することができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記湾曲部は、同一方向にのみ湾曲した形状をなす部位であるのが好ましい。
これにより、血管の分岐部に確実に係合することができ、そして、この係合状態を確実に維持することができる。
前記内層と前記外層と前記補強材層との平均総厚が75〜85μmであるのが好ましい。
これにより、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位までより確実に挿入することができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記冠動脈の内部に配置された、内径が2.2〜3.0mmの管状をなす医療デバイスの内腔を通過可能であるのが好ましい。
これにより、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位までより確実に挿入することができ、よって、医療デバイスによる処置を確実に行なうことができる。
また、本発明のカテーテルでは、前記外層の外表面の少なくとも前記湾曲部が位置する部分には、液体と接触することにより膨潤性を発揮するコーティングが施されているのが好ましい。
これにより、カテーテル本体の先端部が液体に接触したときには、その外径が拡径する。これにより、カテーテル本体の先端部が例えば冠動脈口にその外表面が密着することとなり、よって、冠動脈口に対する係合がより確実に行なわれる。
図1は、本発明のカテーテル(第1実施形態)の全体形状を示す平面図である。 図2は、図1に示すカテーテルの先端部の縦断面図である。 図3は、図1に示すカテーテルの先端部の横断面図である。 図4は、図1に示すカテーテルにおける補強材層の平面図である。 図5は、図1に示すカテーテルにおける外層の表面付近の拡大縦断面である。 図6は、本発明のカテーテル(第2実施形態)の先端部の縦断面図である。 図7は、図1に示すカテーテルの血管への導入法を示す説明図である。 図8は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図9は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図10は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図11は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図12は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図13は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図14は、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。 図15は、従来のガイディングカテーテルを冠動脈の深部に挿入したときの状態を模式的に示す図である。 図16は、耐キンク性を調べるための試験方法を示す図である。 図17は、曲げ剛性を調べるための試験方法を示す図である。 図18は、潰れ強度を調べるための試験方法を示す図である。 図19は、湾曲部の形状の復元性を調べるための試験方法を示す図である。 図20は、バックアップ力を調べるための試験方法を示す図である。 図21は、カテーテルの血管追随性(血管追従性)を調べるための試験方法を示す図である。
以下、本発明のカテーテルを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明のカテーテル(第1実施形態)の全体形状を示す平面図、図2は、図1に示すカテーテルの先端部の縦断面図、図3は、図1に示すカテーテルの先端部の横断面図、図4は、図1に示すカテーテルにおける補強材層の平面図、図5は、図1に示すカテーテルにおける外層の表面付近の拡大縦断面図、図7は、図1に示すカテーテルの血管への導入法を示す説明図、図8〜図14は、それぞれ、図1に示すカテーテルの使用方法を模式的に示す説明図である。なお、本明細書では、図1および図2中の右側を「基端」、左側を「先端」とし、基端に近い側を「近位」、遠い側「遠位」として説明する。
図1に示すカテーテル1は、拡張カテーテル(バルーンカテーテル)や、ステント運搬用カテーテル、血管拡張用カテーテルのような処置用(治療用)カテーテルを冠動脈(血管内)の狭窄部のような目的部位(病変部位)まで誘導するためのガイディングカテーテルとして用いられるものである。ここで、「拡張カテーテル」とは、血管内の狭窄部の治療に際し、血管内に挿入し、バルーンを拡張することにより狭窄部を拡張し、狭窄部末梢側における血流の改善を図るカテーテルである。また、「ステント運搬用カテーテル」とは、前記血管内の狭窄部の治療に際し、ステントを縮径状態で狭窄部まで搬送し、狭窄部にて拡径、留置して狭窄部を拡張するカテーテルである。「血管拡張用カテーテル」とは、前記血管の内壁を削ったり、血管内壁に切れ目を入れたりすることにより、血管を拡張するカテーテルであり、ローターブレーダー、カッティングバルーン等が挙げられる。
一般に、ガイディングカテーテルは、その先端部は、冠動脈(例えば左冠状動脈)の入口(冠動脈口)よりも奥(狭窄部付近)へは挿入されない。そのため、ガイディングカテーテルの先端が目的とする血管の分岐部にエンゲージされた後、ガイディングカテーテル内の処置用カテーテルをガイディングカテーテルの先端から突出させ、この処置用カテーテルおよびガイドワイヤを冠動脈の深部(末梢側の部位)に位置する狭窄部まで送り込む。
しかしながら、冠動脈口から狭窄部までの間の冠動脈は、細く、曲がりくねっているため、特に処置用カテーテルのバルーン部分またはステント部分が冠動脈の細く曲がりくねった部分を通過し難い。これらの部分を通って狭窄部まで処置用カテーテルを円滑に進めるには、多大な困難を伴い、患者の負担が大きい。また、このような不具合を解消するために、ガイディングカテーテルを冠動脈の深部に位置する狭窄部付近まで送り込もうとしても、ガイディングカテーテルはある程度の剛性を有しているため、冠動脈の途中でその血管壁にぶつかり、不本意に屈曲してしまう(図15参照)。このため、冠動脈の深部への挿入が不可能(スタック(通過不良))となる。
そこで、ガイディングカテーテルであるカテーテル1は、単独でエンゲージされた後、さらに冠動脈の深部に位置する狭窄部付近まで送り込むことができ、その状態で処置用カテーテルおよびガイドワイヤを狭窄部まで送り込むことができるものである(例えば図10、図11参照)。このため、前記不具合を解消することができる。ここで、「エンゲージ」とは、処置用カテーテルの挿入に先立ち、ガイディングカテーテルを狭窄部(目的部位)のある冠動脈の冠動脈口まで運び、この冠動脈口にガイディングカテーテルの先端部を挿入(係合)し、ガイディングカテーテルをその位置で動かないように固定することを言う。また、「単独」とは、他のガイディングカテーテル(または案内(ガイド)を目的とするサポート用チューブ)とともに使用されないことを言い、ガイディングカテーテルとして単独で使用されることを言う。
カテーテル1は、カテーテル本体3と、カテーテル本体3の先端側に設けられた柔軟性に富むソフトチップ4と、カテーテル本体3の基端側に設けられたハブ5とで構成されている。
カテーテル本体3は、可撓性を有するチューブで構成されており、そのほぼ中心部には、カテーテル本体3の全長にわたって、ルーメン37が形成されている。ルーメン37は、ソフトチップ4の先端に開放している。
なお、カテーテル本体3の外径φdは、1.4〜1.6mmとされ、好ましくは1.4〜1.5mm、より好ましくは1.42〜1.48mm、さらに好ましくは1.43mmとされる(図2、図3参照)。また、カテーテル本体3の内径φdは、1.2〜1.5mmであるのが好ましく、1.24〜1.4mmであるのがより好ましい(図2、図3参照)。カテーテル本体3の外径φdおよび内径φdがそれぞれこのような数値範囲に設定されているにより、カテーテル1をガイディングカテーテルとして十分に用いることができる。
また、このカテーテル本体3の外径φdは、一般的な血管造影カテーテルやマイクロカテーテルとほぼ同じであるが、内径φdは、治療用デバイス(バルーンやステント)を挿入し病変まで送り込んで治療することが可能である点で、前記血管造影カテーテルやマイクロカテーテルと異なる。
ガイディングカテーテルは、その先端が血流の流れで方向付けられない(導かれない)。従って、ガイディングカテーテルの先端は、血流により目的部位に流されない点で、フローカテーテル(bloodflow guided catheter)と異なる。
図2および図3に示すように、カテーテル本体3を構成するチューブは、内層34、外層35およびそれらの間に位置する補強材層36の3層を積層した積層体で構成されている。
外層35は、第1の領域351と、第1の領域351より基端側に位置する第2の領域352と、第2の領域352より基端側に位置する第3の領域353と、第3の領域353より基端側に位置する第4の領域354とを有している。第3の領域353は、第4の領域354より剛性(曲げ剛性(曲げ応力)、捩り剛性)が低い、すなわち、柔軟性に富んでいる。また、第2の領域352は、第3の領域353より剛性が低い。また、第1の領域351は、第2の領域352より剛性が低い。このような構成とすることにより、カテーテル本体3は、先端方向に向かって徐々に剛性が低下し、すなわち、柔軟性が増し、血管への挿入操作の際に、プッシャビリティや先端側へのトルク伝達性を十分に確保しつつ、血管に対しより安全に挿入することができる。なお、カテーテル本体3は、先端方向に向かって徐々に剛性が低下したものであるが、剛性が長手方向に沿って実質的に変化しない(同じ)ものであってもよい。
なお、カテーテル本体3の基端側の部分(近位部31)の曲げ剛性をσとしたとき、曲げ剛性σは、特に限定されないが、例えば、5〜25gfであるのが好ましく、10〜20gfであるのがより好ましい。本明細書で「曲げ剛性」とは、カテーテル本体3の基端部側を37℃の温水中に30分以上浸けてから、37℃の温水中で、カテーテル本体3を高さ5mmの支点が支点間距離45mmで配置されたステンレス製治具の上に乗せ、中央部を半径5mmの押子を用いて5mm/分の速度で3mm押込んだ時の応力(オートグラフにて測定可能)のことである(図17参照)。
また、カテーテル本体3の先端側の部分(湾曲部33)の曲げ剛性をσとしたとき、曲げ剛性σは、曲げ剛性σより5〜20gf小さいのが好ましく、7〜15gf小さいのが好ましい。曲げ剛性σと曲げ剛性σとの差がこのような数値範囲内にあることにより、カテーテル本体3が、その先端側の部分と基端側の部分とで曲げ剛性にあまり(比較的)差が生じていないものとなる。これにより、カテーテル本体3がその全体に渡って適正な剛性(柔軟性)が得られ、カテーテル本体3を冠動脈口まで容易かつ円滑に挿入し、冠動脈口に係合する操作が容易となり、また、冠状動脈内でカテーテル本体3の湾曲部33を目的部位(狭窄部)へ向けて進める際に、血管への安全性が確保される。
カテーテル本体3の基端側の部分の潰れ強度をσ[gf]としたとき、比σ/σは、特に限定されないが、例えば、0.04以下を満足するのが好ましく、0.01〜0.03を満足するのがより好ましい。本明細書で「潰れ強度」とは、カテーテル本体3を37℃の温水中に30分以上浸けてから、37℃の温水中で、先端が直角の押子で潰した時の押し込み力(強度)(オートグラフにて測定可能)のことである(図18参照)。
σ/σがこのような数値範囲であることにより、例えば、カテーテル本体3を冠動脈内に挿入し、冠動脈内の湾曲部を通過させる際に、カテーテル本体3の基端側の部分が不本意に変形するの(キンク(折れ曲がり)、ねじれ、潰れ等)を防止することができる。よって、挿入時の操作性および安全性を十分に確保することができる。
第1の領域351、第2の領域352、第3の領域353および第4の領域354を構成する材料としては、それぞれ、例えば、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を用いることができる。そして、これらの構成材料を例えば適宜選択することにより、カテーテル本体3を、先端方向に向かって徐々に剛性が低下したものや、剛性が長手方向に沿って実質的に変化しない(同じ)ものとすることができる。
また、この熱可塑性エラストマーの好ましい例としては、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリウレタンエラストマーが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組合せたもの(ポリマーアロイ、ポリマーブレンド、積層体等)を用いることができる。このような材料を用いることにより、柔軟性や耐キンク性、すなわち、適度な剛性を兼ね備えたカテーテル本体3とすることができる。
図5に示すように、外層35の表面(外表面)355には、凹部356が多数形成されている。これにより、カテーテル本体3を血管内に挿入した際に、その血管壁に対するカテーテル本体3の外層35の表面355の接触面積が比較的小さくなる。これにより、血管壁とカテーテル本体3の外層35の表面355との間に生じる摺動抵抗(摩擦)を低減することができ、すなわち、摺動性が向上する。よって、湾曲部33を血管内の目的部位まで確実に挿入することができる(図10〜図14参照)。
また、各凹部356は、それぞれ、その幅(図5中の左右方向の長さ)が表面355側に向かって漸増している、すなわち、すり鉢状をなしている。
各凹部356の深さp(最大深さ:表面粗さRy(JIS B 0601−1994に規定された最大高さRyである))の平均は、特に限定されないが、例えば、10μm以下であるのが好ましく、3〜8μmであるのがより好ましい。このような凹部356は、樹脂層(外層35)において、補強材361(または補強材361の交差部)同士の間に存在する。
血管壁は柔軟性を有しているため、血管壁の一部が凹部356内に入り込む場合がある。平均深さがこのような数値範囲内であると、たとえ血管壁の一部が凹部356内に入り込んだとしても、凹部356の内面に接触するのが確実に防止され、血管壁との接触面積の増加を防止することができる。また、凹部356が外層35を貫通して、当該凹部356が補強材層36や内層34にまで及ぶのを防止することができる。これにより、各層の機能がそれぞれ十分に発揮される。
また、カテーテル本体3の湾曲部33(先端部)の外層35の表面355には、その少なくとも一部に、膨潤性コーティングが施されているのが好ましい。このコーティングは、血液(液体)と接触することにより膨潤性を発揮するものである。コーティングを行なう際には、外層35の表面355に、例えば、PVA等ごく一般的に用いられるゲルや、無水マレイン性ポリマー、アクリル系ポリマー等を塗布することにより、それを行なうことができる。
このように外層35の表面355に膨潤性コーティングが施されている場合には、湾曲部33が血液に接触したときには、その外径が拡径する。これにより、湾曲部33が例えば冠動脈口に表面355が密着することとなり、よって、冠動脈口に対するエンゲージがより確実に行なわれる。
内層34の構成材料は、特に限定されないが、ルーメン37内(カテーテル本体3内)にガイドワイヤ13やバルーンカテーテル15のような医療用長尺体を挿入する際に、少なくとも当該医療用長尺体と接する部分が低摩擦材料で構成されているのが好ましい。これにより、カテーテル本体3に対し前記医療用長尺体をより小さい摺動抵抗で長手方向に移動または回転することができ、操作性の向上に寄与する。
この低摩擦材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエステルポリアミド、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリウレタン、軟質ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、AS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂等の各種樹脂材料が挙げられる。
補強材層36は、カテーテル本体3を補強する補強材361を有している。この補強材361としては、例えば、線状体で構成されたもの、網状体で構成されたものが挙げられる。
線状体で構成されたものとしては、らせん状にしたもの等が挙げられる。線状体は、各種金属または硬質樹脂等で構成されている。具体例を挙げると、カテーテル本体3の径方向の肉厚が薄くなるように、ステンレス鋼の線を平板状に潰し加工し、それをらせん状にしたものや、編んだ(互いに交差させた)もの(編組体)等が挙げられる。また、線状体が編組体である場合、補強材361のカテーテル本体3の中心軸に対する角度θは、65〜75度であるのが好ましく、69〜72度であるのがより好ましい(図4参照)。
このような補強材層36を有することにより、カテーテル本体3の壁厚を増大することなく、すなわち内径(ルーメン37の径)を比較的大きくとりつつ、十分な剛性と強度を確保することができる。その結果、比較的大きい外径の内カテーテルが挿通可能であり、かつ、プッシャビリティおよびトルク伝達性に優れ、不本意にキンクや潰れが生じ難いカテーテル1が得られる。
なお、カテーテル本体3を構成する層の数や各層の構成材料、補強材361の有無等は、カテーテル本体3の長手方向に沿って異なっていてもよい。例えば、カテーテル本体3の先端側の部分(例えば湾曲部33)は、より柔軟性を持たせるために、層の数を減らしたり、より柔軟な材料を用いたりすることができる。
カテーテル1の体内への挿入は、X線透視下でその位置を確認しつつ行われるため、外層35の構成材料中には、X線不透過材料(X線造影剤)が配合されているのが好ましい。X線不透過材料としては、例えば、硫酸バリウム、酸化ビスマス、タングステン等が使用可能である。さらに、X線不透過材料を当該外層35の構成材料に配合する割合としては、30〜80wt%が好ましい。
また、このようなX線不透過材料は、カテーテル本体3の全長にわたって存在している場合に限らず、カテーテル本体3の一部、例えば、湾曲部33のみや、ソフトチップ4のみに存在していてもよい。
また、内層34は、前述したように、前記医療用長尺体と接する部分が低摩擦材料で構成されていることに限定せず、内層34全体が低摩擦材料で構成されていてもよい。
このようなカテーテル本体3は、長手方向には、基端側から、ほぼ直線状に延びる近位部31および中間部32と、該中間部32からさらに先端の方へ伸びており、所望の湾曲形状をなしている湾曲部(先端部)33とに分けることができる。湾曲部33は、左冠動脈、右冠動脈等のカテーテル本体3の湾曲部33を挿入する部位に適した所望の形状に湾曲している。特に、湾曲部33は、冠動脈口(血管の分岐部)に係合させる操作(エンゲージの操作)がし易いような形状、あるいは冠動脈口に係合した状態(エンゲージ)をより確実に維持し得るような形状をなしている。このような形状としては、特に限定されないが、例えば、図1に示すように、同一方向にのみ湾曲した形状(フック状(J字状))が挙げられる。また、このような形状は、湾曲部33のソフトチップ4側の部分が中間部32から遠ざかるように当該湾曲部33が展開する(変形する)のにも寄与する。これにより、湾曲部33がエンゲージ状態(図9に示す状態)から直線状態(図10に示す状態)へ容易に変形することができる。
図1に示すように、湾曲部33は、先端に向かって曲率が増大する2つの曲率増大部311と、曲率が減少する曲率減少部312とに分けることができる。2つの曲率増大部311と曲率減少部312とは、カテーテル本体3の長手方向に沿って交互に配置されている。このような構成の湾曲部33は、エンゲージし易いものとなり、また、エンゲージ状態から直線状態へより容易に変形することができる。
前述した第1の領域351、第2の領域352、第3の領域353および第4の領域354のうちの少なくとも第1の領域351は、湾曲部33に形成されているのが好ましい。また、湾曲部33は、カテーテル1の先端から300mmの範囲内に形成されているのが好ましい。
このような構成のカテーテル本体3では、湾曲部33は、内層34と外層35と補強材層36との平均総厚tが60〜100μmとされ、好ましくは65〜95μmとされ、より好ましくは70〜90μm、さらに好ましくは75〜85μmとされている。また、湾曲部33は、外層35の平均最小厚さtが8〜30μmとされ、好ましくは8〜25μmとされ、より好ましくは、8〜20μmとされている。ここで、「外層35の最小厚さ」とは、外層35の補強材層36が埋設されている部分(図2、図3中に示す厚さ最小部357)の厚さ、すなわち、補強材層36の最外周362から外層35の表面355までの距離のことである。
さらに詳しく述べれば、「最小厚さ」とは、樹脂で構成された外層35の厚さの最も小さい部分のことである。具体的には、図3で示されるカテーテルの横断面において、半径方向で外層35の表面355に近い補強材361の断面のエッジ(外層35の表面355に近い断面の角)とカテーテルの中心とを結んだ線上の延長線において、エッジと外層35の表面355を通る直線のエッジと外層35の表面355の間の距離である。カテーテル1が例えば16本の補強材361からなる編み組み体を有しているとき、半径方向で外層35の表面355側の8本の組の補強材361の断面の各々2箇所のエッジと外層35の表面355を結んだ距離(前述の最小厚さ)の平均をとったものが平均最小厚さtである。
なお、平均総厚や最小厚さ等の断面上の厚さを測定するには、通常用いられる方法を使用することができる。例えば、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂で測定対象のカテーテルの外部を固め、所望の断面が得られるように切断する。例えば、カテーテルの長軸に対して垂直な方向で切断し得られた断面を実体顕微鏡やCCDイメージセンサ等で観察し、所望の厚さを測定することができる。
ところで、ガイディングカテーテルでは、エンゲージを容易かつ確実に行えるように、その先端部(湾曲部33)は、ある程度の剛性が必要となる。ガイディングカテーテルの剛性は、プッシャビリティや、先端部へのトルク伝達性の向上のためにも必要である。また、その一方で、ガイディングカテーテルの挿入操作に際し、血管の分岐を選択しつつ、血管の湾曲に追従してガイディングカテーテルを円滑に、かつ血管を損傷することなく安全に進めるために、ガイディングカテーテルの先端部は、柔軟性を有している必要がある。このように、ガイディングカテーテルには、相反する特性が要求されている。
そこで、カテーテル1(カテーテル本体3)では、湾曲部33において、前述したような数値範囲を規定して、前記相反する特性を満たすよう構成されている。
平均総厚tおよび平均最小厚さtがこのような数値範囲の下限値未満であると、カテーテル本体3の壁部(管壁)の全体としての厚さが薄くなり、カテーテル本体3の柔軟性のみを確保することができるが、その反面、剛性が著しく低下する。一方、平均総厚tおよび平均最小厚さtがこのような数値範囲の上限値を超えると、カテーテル本体3の壁部(管壁)の全体としての厚さが厚くなり、カテーテル本体3の剛性のみを確保することができるが、その反面、柔軟性が劣ることとなり、また、内径φdが小さくなり、挿入する処置用カテーテルの外径に制約を受けるというデメリットも生じる。
カテーテル1では、湾曲部33において、平均総厚tおよび平均最小厚さtが前述したような数値範囲に規定されていることにより、適度な剛性と柔軟性とを有する、すなわち、理想的なガイディングカテーテルとなっている。これにより、湾曲部33でエンゲージを確実に行なうことができ、そして、エンゲージ状態からカテーテル1を押し進めた際には、湾曲部33が血管の湾曲形状に対応して変形し、その操作(押し込み操作)を容易かつ確実に行なうことができる。このように、カテーテル1では、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位(狭窄部)まで挿入することができる。
また、湾曲部33において、外層35の平均最小厚さtとカテーテル本体3の外径φdとの比d/tは、特に限定されないが、例えば、50〜250であるのが好ましく、70〜200であるのがより好ましい。比d/tがこの範囲内であれば、外径φdが1.4〜1.5mmのカテーテル1では、カテーテル本体3の剛性と冠状動脈内での変形性とが両立されることが示された。同様に、外径φdが1.6〜1.75mmのカテーテル1、および外径φdが1.95mm以上のカテーテル1でも同じ結果を得ることができる。
なお、湾曲部33における以上のような条件は、カテーテル本体3では、湾曲部33が満足しているのに限定されず、例えば、中間部32および近位部31も満足しているのが好ましい。
図1および図2に示すように、湾曲部33(カテーテル本体3)の先端には、さらにソフトチップ4が連結されている。このソフトチップ4は、カテーテル本体3よりも柔軟性に富む部位であり、その先端が好ましくは丸みを帯びた形状(組織に対する損傷を確実に防止することができる形状)をなしている(図2参照)。このようなソフトチップ4を設けることにより、湾曲、屈曲、分岐した血管内でも、円滑かつ安全に走行させることができる。
ソフトチップ4の構成材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマーが挙げられる。
また、ソフトチップ4の構成材料中には、前述したようなX線不透過材料(X線造影剤)が配合されていてもよい。
また、湾曲部33の長さは、ソフトチップ4の長さに対して、3〜50倍であるのが好ましく、5〜20倍であるのがより好ましい。具体的には、ソフトチップ4の長さは、0.5〜3mm程度が好ましいとされ、1〜2mm程度がより好ましとされる。
カテーテル本体3の基端には、ハブ5が装着(固定)されている。このハブ5には、ルーメン37と連通する内腔が形成されている。この内腔は、ルーメン37の内径とほぼ等しい内径を有し、ルーメン37の基端部内面に対し、段差等を生じることなく連続している。
このようなハブ5からは、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル類(例えば、PTCA用のバルーンカテーテル、ステント搬送用カテーテル、血管拡張用カテーテル)、内視鏡、超音波プローブ、温度センサ等の長尺物(線状体)を挿入または抜去したりすることができる。また、ハブ5は、例えば、血圧測定等の際に他の器具と接続することもできる。
また、カテーテル本体3とハブ5とを連結している部分には、弾性材料による被覆部材(耐キンクプロテクタ)51が設けられている。これにより、当該部分の付近での折れ曲がり(キンク)を防止することができる。
次に、カテーテル1の使用方法の一例について詳細に説明する。
図7に示すように、セルジンガー法によりカテーテルイントロデューサ11を例えば右大腿動脈、右上腕動脈または右橈骨動脈のような動脈(導入部位)14に穿刺し、該カテーテルイントロデューサ11のシース12内に、カテーテル本体3(カテーテル1)を挿入する。このとき、カテーテル本体3のルーメン37内には、予めガイドワイヤ13を挿入しておく。そして、このガイドワイヤ13を先行させ、カテーテル本体3の先端をシース12の先端開口121から動脈14内へ挿入する。
次に、カテーテル本体3を図7中矢印方向にガイドワイヤ13を先行させつつ徐々に送り、該カテーテル本体3の湾曲部33を挿入・留置する部位(例えば、右冠状動脈、左冠状動脈等)に向けて進めて行く。この際、湾曲部33が血管の湾曲部(屈曲部)を円滑に通過するため、または血管の分岐を適正に選択するために、カテーテル1に対するガイドワイヤ13の出し入れ、カテーテル1の前進・後退および回転を適宜組み合わせた操作を行う。
以下、カテーテル1を左冠状動脈101へ挿入する際の操作(手技)について説明する。なお、これらの操作は、いずれも、X線透視下でカテーテル本体3の位置や姿勢を確認しながら行われる。
大腿動脈にカテーテルイントロデューサ11を穿刺し、ガイドワイヤ13をカテーテル1のルーメン37内に挿入した状態で、カテーテル1をカテーテルイントロデューサ11に挿入する。なお、ガイドワイヤ13をカテーテル本体3の先端(先端開口41)から突出させた状態では、ガイドワイヤ13の剛性により、カテーテル1の湾曲部33は、ほぼ直線状となる。
このようにしてカテーテル1がカテーテルイントロデューサ11から大腿動脈に挿入された後は、ガイドワイヤ13を先行させて、腹部大動脈103から上行大動脈100までカテーテル本体3の湾曲部33を進める。ソフトチップ4が大動脈弓109を経た後、左冠状動脈101の左冠状動脈口106より約10cm上方に位置した時点で、カテーテル1の進行を止め、ガイドワイヤ13を抜去して、湾曲部33の形状を元の湾曲形状(自然状態)にする。
次に、カテーテル1の先端位置(ソフトチップ4の位置)を確認しながら、ゆっくりと該カテーテル1を押し進めると、その湾曲部33は、上行大動脈100の左内壁104に接触しつつ下方に移動し、左冠状動脈口106(分岐部)に挿入される(図8参照)。このときの湾曲部33の形状は、エンゲージし易い形状となっている。
なお、カテーテル1の湾曲部33が左冠状動脈口106と反対方向を向いている場合は、カテーテル1を反時計方向にわずかに回転させて湾曲部33を左冠状動脈口106の方向へ向け、そのままゆっくりと押し進める。これにより、湾曲部33は容易に左冠状動脈口106内に挿入され、その状態でエンゲージされる(図8参照)。
以上のような操作により、湾曲部33(ソフトチップ4)が左冠状動脈口106に挿入され、係合したら、ハブ5に図示しない造影剤注入器具のコネクタを接続し、造影剤を注入する。注入された造影剤は、ハブ5を経て、ルーメン37内を通り、ソフトチップ4の先端開口41から左冠状動脈101内に噴出される。これにより、左冠状動脈101にある狭窄部(病患部)110の造影がなされ、その位置が特定される。
次に、エンゲージ状態のまま、前記造影剤注入器具のコネクタをハブ5から取り除く。その後、カテーテル1(湾曲部33)を左冠状動脈口106からさらに先端方向(末梢側)に押し進め(図9参照)、ソフトチップ4が、目的部位である狭窄部110の手前付近に到達したら、カテーテル1の進行を一旦止める(図10参照)。この際、ソフトチップ4が左冠状動脈101の湾曲部、屈曲部を円滑に通過し、あるいは左冠状動脈の分岐を適正に選択するために、カテーテル1の前進・後退および回転を適宜組み合わせた操作を行う。湾曲部33は、前述したように適度な柔軟性を有しているため、左冠状動脈口106よりも末梢側の部分(左冠状動脈101)における形状に対応して変形することができる。これにより、前記押し込み操作を確実に行なうことができる。
次に、ハブ5よりカテーテル本体3のルーメン37内にガイドワイヤ13’を再度挿入し、ガイドワイヤ13’の先端をソフトチップ4の先端開口41から突出させる。
次いで、ハブ5よりカテーテル1のルーメン37内にPTCA用のバルーンカテーテル15等の処置用カテーテルを挿入し、該PTCA用のバルーンカテーテル15の先端部151を先端開口41から突出させる。このとき、PTCA用のバルーンカテーテル15のルーメン内は、ガイドワイヤ13’を挿通させた状態となっており、ガイドワイヤ13’の先端をバルーンカテーテル15の先端から突出させる。
バルーンカテーテル15は、カテーテル本体3のルーメン37を経由して挿入されるので、バルーンカテーテル15を左冠状動脈口106から直接左冠状動脈101内に挿入し進める場合に比べ、バルーンカテーテル15のバルーン152等が細く曲がりくねった左冠状動脈101内でスタック(通過不良)を生じることなく、バルーンカテーテル15の先端部を円滑かつ安全に目的部位まで誘導することができ、また、かかる操作もより短時間で行えるため、患者の負担が軽減される。
さらに、ガイドワイヤ13’を先行させつつ、バルーンカテーテル15のバルーン部分を狭窄部110まで押し進め、バルーン152を拡張して狭窄部110の拡張治療を行う(図11参照)。
図12に示すように、右冠状動脈102に狭窄部110があり、これを拡張治療する場合も、それに応じた前記と同様の手技を行うことができる(図12参照)。
図13に示すように、腕頭動脈107を経由してカテーテル1を心臓内(図13に示す状態では右冠状動脈102)へ挿入することもでき、これらの場合にも前記と同様の手技を行うことができる(左冠状動脈101についても同様)。また、腕頭動脈107の他、左総頸動脈108または左鎖骨下動脈105を経由する場合も同様である。
また、処置用カテーテルとしてPTCA用のバルーンカテーテル15を用いる場合について説明したが、処置用カテーテルはこれに限らず、図13に示すように、例えばステント(管状をなす医療デバイス)16を搬送し、右冠状動脈102内の狭窄部110にてリリースするステント搬送用カテーテル17を用いる場合でも、その手技はほぼ同様である(左冠状動脈101についても同様)。この場合、ステント16は、その内径が2.2〜3.0mmであるのが好ましく、2.6〜2.8mmであるのがより好ましい。
また、図14に示すように、血管内に既に留置されているステントがある場合でも、当該ステントを超えて、その先にある狭窄部110の拡張治療を行なうことができる。
<第2実施形態>
図6は、本発明のカテーテル(第2実施形態)の先端部の縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明のカテーテルの第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、ソフトチップの構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図6に示すカテーテル1Aでは、ソフトチップ4は、外層35と同一材料で構成されている。これにより、ソフトチップ4を外層35と一体的に形成することができる。また、造影性向上とソフトチップ4の補強の目的で、カテーテル本体3の先端部分(先端開口41から2〜3mmまでの部分)の外径φdを太くすることができる。この場合、カテーテル本体3の内径φdは、変わらない。
前述のように、カテーテル1(カテーテル1Aについても同様)の先端(先端開口41)を冠状動脈口(左冠状動脈口106)の内部にエンゲージした後、ガイドワイヤ13’を挿入し、さらに先行しているガイドワイヤ13’に沿わせてカテーテル1の先端を冠状動脈(左冠状動脈101)の内部に進行させ、カテーテル1の先端を冠状動脈の末梢側に誘導させる。
カテーテル1の先端は、すでに処置された部位(ステント16が留置された部位)を通ってさらに末梢へ進む。すなわち、カテーテル1の先端は、冠状動脈に留置されたステント16の内部を通過してステント16の末梢側に位置づけられるように進行する。そして、カテーテル1の先端から処置用カテーテル(バルーンカテーテル、ステント運搬用カテーテルまたは血管拡張カテーテル)を突出させて、目的とする部位に誘導し、位置付けることができる。処置用カテーテルは、すでに留置されたステント16に引っかかることなく、円滑かつ安全に目的部位まで誘導することができる。かかる操作もより短時間で行えるため、患者の負担が軽減される。すでに留置されたステント16の内部を通過したカテーテル1の先端から突出された処置用カテーテルを目的とする部位まで押し進め、すでに留置されたステント16の末梢側にある狭窄部位(狭窄部110)の拡張治療を行う(図14参照)。
カテーテル本体3の壁部は、内層34、外層35および補強材層36を含むものであるため、全体としてソフトチップ4よりも剛性が高いものとなる、すなわち、ソフトチップ4は、カテーテル本体3よりも柔軟性に富む部位となる。
また、カテーテル1Aでは、ソフトチップ4とカテーテル本体3(外層35)との境界部が滑らかに変形するため、血管内を走行する際、当該血管の湾曲形状に対応してより好適に変形することができる。これにより、簡単な操作で、湾曲部33を血管内の目的部位まで確実に挿入することができる。
以上、本発明のカテーテルを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、カテーテルを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明のカテーテルの用途は、特に限定されず、上述したカテーテルの他に、例えば、アテレクトミーカテーテル、超音波カテーテル等を導入するためのガイディングカテーテルにも適用することができる。また生体に挿入する部位も、冠状動脈に限られないことは、言うまでもない。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
直径1.27mmの銅線上に厚さ10μmのPTFE層を形成させた線材に、幅80μm、厚さ25μmのステンレス平板補強線(16本組)を0.1mm間隔で編組して巻きつける。
補強線の両端を切断して、線材上および銅線上に、先端側から、最先端にショアD硬度(米国材料試験協会規格ASTM−D2240)44、X線造影剤としてタングステンを60質量%、顔料を1質量%含むポリエステルエラストマー樹脂からなる長さ1mmの短いチューブ、次いで硬度が徐々に高くなるように硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の同じ長さの短いチューブを4段階被挿させて行き、最後に基端側残部約1000mmにショアD硬度68のポリエステルエラストマー樹脂チューブを被挿させて各チューブの端部を付き当て、さらにその全体を熱収縮チューブで覆って加熱することにより熱融着させる。その後、熱収縮チューブを剥いで銅線を抜き取り、貫通したルーメンを有する外径φd1.43mm、内径φd1.27mm、内外径比1.13、長さ1070mmのチューブを得た。
上記で得られたチューブに対し、補強線および内層がない部分であるソフトチップを金型内で加熱して丸みをつけ、カテーテル本体とした。
カテーテルの先端から150mmまでの部分に親水性樹脂をコートした。
完成したカテーテル本体に湾曲形状を有する芯金をいれてオーブンで加熱して変形させ、先端をジャドキンスレフト4.0(数字はカーブサイズを表す)形状にした。最後に、カテーテル本体の基端側にハブと耐キンクプロテクタを取り付け、4Frサイズのガイディングカテーテルを得た。
このカテーテルの肉厚(平均総厚t)は80μm、外層(樹脂層)の平均最小厚さtは8μm、先端部の曲げ剛性σは8gf、基端部の曲げ剛性σは17gf、基端部と先端部の曲げ剛性の差は9gfであった。潰れ強度σは530gf、σ/σ=0.031、外層の表面粗さの最大高さ(Ry=4.0μm(接触式表面粗さ計ミツトヨSJ−400(JIS B 0601−1994)であった。
(実施例2)
直径1.27mmの銅線上に厚さ10μmのPTFE層を形成させた線材に、幅80μm、厚さ25μmのステンレス平板補強線(16本組)を0.1mm間隔で編組して巻きつける。
補強線の両端を切断して、線材上および銅線上に、先端側から、最先端にショアD硬度(米国材料試験協会規格ASTM−D2240)44、X線造影剤としてタングステンを60質量%、顔料を1質量%含むポリエステルエラストマー樹脂からなる長さ1mmの短いソフトチップ、次いで硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の3mmの短いチューブを3段階被挿させて行き、長さの異なるショアD硬度57、ショアD硬度68ならびにショアD硬度78のポリエステルエラストマー樹脂チューブを被挿させて各チューブの端部を付き当て、さらにその全体を熱収縮チューブで覆って加熱することにより熱融着させる。その後、熱収縮チューブを剥いで銅線を抜き取り、貫通したルーメンを有する外径φd1.43mm、内径φd1.27mm、内外径比1.13、長さ1070mmのチューブを得た。
上記で得られたチューブに対し、補強線および内層がない部分であるソフトチップを金型内で加熱して丸みをつけ、カテーテル本体とした。カテーテルの先端から150mmまでの部分に親水性樹脂をコートした。
完成したカテーテル本体に湾曲形状を有する芯金をいれてオーブンで加熱して変形させ、先端をジャドキンスレフト4.0(数字はカーブサイズを表す)形状にした。最後に、カテーテル本体の基端側にハブと耐キンクプロテクタを取り付け、4Frサイズのガイディングカテーテルを得た。
このカテーテルの肉厚(平均総厚t)は80μm、外層(樹脂層)の平均最小厚さtは8μm、先端部の曲げ剛性σは8gf、ショアD硬度57部は曲げ剛性12gf、潰れ強度は450gf、ショアD硬度68部は曲げ剛性17gfを有し、潰れ強度は530gf、ショアD硬度78基端部の曲げ剛性σは21gf、潰れ強度は600gf、基端部と先端部の曲げ剛性の差は13gfであった。外層の表面粗さの最大高さ(Ry=4.0μm(接触式表面粗さ計ミツトヨSJ−400(JIS B 0601−1994)であった。
(実施例3)
直径1.25mmの銅線上を使用する以外は実施例1と同様の方法でカテーテルを作成した。内外径比は6Frガイディングカテーテルと同じである。
このカテーテルの肉厚(平均総厚t1)は90μm、外層(樹脂層)の平均最小厚さtは19μm、先端部の曲げ剛性σは9gf、基端部の曲げ剛性σは18gf、基端部と先端部の曲げ剛性の差は11gfであった。潰れ強度σは480gf、σ/σ=0.038、外層の表面粗さの最大高さ(Ry=3.4μm(接触式表面粗さ計ミツトヨSJ−400(JIS B 0601−1994)であった。
実施例3のカテーテルの内部を通る処置用デバイス(バルーンカテーテル等)は、図21の左冠動脈モデルの約5mmの直線部およびR15の湾曲部(湾曲半径が15mmの湾曲部)までは容易に通過した。しかし、実施例3のカテーテルの先端がR7.5の湾曲部にあり、そして、カテーテルの内部を通る処置用デバイスがR10の湾曲部にあるとき、実施例1および2のカテーテルに比べると、実施例3のカテーテルを押し引きすると手元でやや重い感じがした。
(比較例1)
得られた外径φdが1.41mmである以外は実施例1と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。このガイディングカテーテルの基端部の曲げ剛性は10gf、潰れ強度σは450gf、耐キンク強度は15mm、平均最小厚さtは4μmであった。
(比較例2)
得られた外径φdが1.49mmである以外は実施例1と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。このガイディングカテーテルの基端部の曲げ剛性σは19.6gf、潰れ強度σは650gf、耐キンク強度は7mm、平均最小厚さtは48μmであった。この表面粗さの最大高さ(Ry=2.8μm(接触式表面粗さ計ミツトヨSJ−400(JIS1994)であった。
(比較例3)
基端部の樹脂のショアD硬度が57である以外は実施例1と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。この得られたガイディングカテーテルは、外径φdが1.43mmであり、基端部の曲げ剛性σは11gf、潰れ強度σは450gf、平均最小厚さtは10μmであった。
(比較例4)
基端部の樹脂のショアD硬度が78である以外は実施例1と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。この得られたガイディングカテーテルは、外径φdが1.43mmであり、基端部の曲げ剛性σは21gf、潰れ強度σは600gf、平均最小厚さtは9μmであった。
(比較例5)
ショアD硬度60のポリエステルエラストマーと、線径50μmのステレンス線とを用いて先端形状がジャドキンスレフトJL4.0形状であり、外径φdが1.41mm、内径φdが0.97mmのショアD硬度60の造影カテーテルを作成した。肉厚(平均総厚t)は220μm、基端部の曲げ剛性σは18gf、潰れ強度σは935gf、平均最小厚さtは120μmであった。
(比較例6)
ショアD硬度60のポリエステルエラストマーと、線径50μmのステレンス線とを用いて先端部が真直ぐ(湾曲形状なし)であり、外径φdが1.41mm、内径φdが0.97mmのショアD硬度60の造影カテーテルを作成した。肉厚(平均総厚t)は220μm、曲げ剛性σは18gf、潰れ強度σは925gf、平均最小厚さtは120μmであった。
(比較例7)
直径1.50mmの銅線上に厚さ10μmのPTFE層を形成させた線材に、幅135μm、厚さ30μmのステンレス平板補強線(16本組)を0.15mm間隔で編組して巻きつける。
補強線の両端を切断して、線材上および銅線上に、先端側から、最先端にショアD硬度(米国材料試験協会規格ASTM−D2240)35、X線造影剤としてタングステンを68質量%、顔料を2質量%含むポリエステルエラストマー樹脂からなる長さ1mmの短いソフトチップ、次いで硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の3mmの短いチューブを4段階被挿させて行き、最後に基端側残部約300mmにショアD硬度68のポリエステルエラストマー樹脂チューブを最後に基端側残部約700mmにショアD硬度78のポリエステルエラストマー樹脂チューブを被挿させて各チューブの端部を付き当て、さらにその全体を熱収縮チューブで覆って加熱することにより熱融着させる。その後、熱収縮チューブを剥いで銅線を抜き取り、貫通したルーメンを有する外径φdが1.73mm、内径φdが1.50mm、長さが1020mmのチューブを得た。
上記で得られたチューブに対し、補強線および内層がない部分の先端ソフトチップ部を金型内で加熱して丸みをつけ、カテーテル本体とした。
カテーテル本体に湾曲形状を有する芯金をいれてオーブンで加熱して変形させ、先端をジャドキンスレフト4.0(数字はカーブサイズを表す)形状にした。最後に、カテーテル本体の基端側にハブと耐キンクプロテクタを取り付け、4Frサイズのガイディングカテーテルを得た。
このカテーテルの肉厚(平均総厚t)は115μm、外層(樹脂層)の平均最小厚さtは39μm、先端部の曲げ剛性σは8gf、基端部の曲げ剛性σ1は45gf、基端部と先端部の曲げ剛性の差は37gfであった。潰れ強度は880gf、σ/σ=0.051であった。このカテーテルは先端が硬くて、左冠動脈を模した湾曲した内径3mmのシリコーンチューブに挿入したところ、チューブに沿って変形しなかった。また、拡張したステントに挿入したが、先端から10mmのカテーテル屈曲部が接触してステントを変形させ、カテーテル先端に引っかかった。
(比較例8)
直径1.50mmの銅線上に厚さ10μmのPTFE層を形成させた線材に、幅127μm、厚さ25μmのステンレス平板補強線(16本組)を0.15mm間隔で編組して巻きつける。
補強線の両端を切断して、線材上および銅線上に、先端側から、最先端にショアD硬度(米国材料試験協会規格ASTM−D2240)38、X線造影剤としてタングステンを60質量%、顔料を1質量%含むポリエステルエラストマー樹脂からなる長さ1mmの短いソフトチップ、次いでショアD44のX線造影剤としてタングステンを30質量%硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の120mm、ショアD44のX線造影剤としてタングステンを30質量%硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の30mm、ショアD52のX線造影剤としてタングステンを30質量%硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の45mm、ショアD52のX線造影剤としてタングステンを30質量%硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の120mm短いチューブ、ショアD硬度68のポリエステルエラストマー樹脂チューブの150mmのチューブ、最後に基端側残部約700mmにショアD硬度78のポリエステルエラストマー樹脂チューブを被挿させて各チューブの端部を付き当て、さらにその全体を熱収縮チューブで覆って加熱することにより熱融着させる。その後、熱収縮チューブを剥いで銅線を抜き取り、貫通したルーメンを有する外径φdが1.68mm、内径φdが1.50mm、長さが1250mmのチューブを得た。
上記で得られたチューブに対し、補強線および内層がない部分の先端ソフトチップ部を金型内で加熱して丸みをつけ、カテーテル本体とした。
カテーテル本体に湾曲形状を有する芯金をいれてオーブンで加熱したが、先端はほとんど変形しなかった。最後に、カテーテル本体の基端側にハブと耐キンクプロテクタを取り付け、5Frサイズのガイディングカテーテルを得た。
このカテーテルの肉厚(平均総厚t)は115μm、外層(樹脂層)の平均最小厚さtは28μm、先端部の曲げ剛性σは7gf、基端部の曲げ剛性σは40gf、基端部と先端部の曲げ剛性の差は33gfであった。潰れ強度は640gf、σ/σ=0.063であった。このカテーテルは先端が柔軟で、左冠動脈を模した湾曲した内径3mmのシリコーンチューブに挿入したところ、チューブに沿って変形した。また、拡張したステントに挿入したところ、ステント内をスムーズに(円滑に)通過した。このカテーテルは、単体では冠動脈の分岐部に係合することができなかった。そのため、6Frのサイズのガイディングカテーテルをまず挿入して冠動脈の分岐部に係合し、次いで、6Frガイディングカテーテル内に、このカテーテルを通過させてから冠動脈内に挿入した。
(比較例9)
直径1.80mmの銅線上に厚さ10μmのPTFE層を形成させた線材に、幅110μm、厚さ35μmのステンレス平板補強線(16本組)を0.15mm間隔で編組して巻きつける。
補強線の両端を切断して、線材上および銅線上に、先端側から、最先端にショアD硬度(米国材料試験協会規格ASTM−D2240)29、X線造影剤としてタングステンを68質量%、顔料を4質量%含むポリエステルエラストマー樹脂からなる長さ1mmの短いソフトチップ、次いで硬度の異なるポリエステルエラストマー樹脂の3mmの短いチューブを4段階被挿させて行き、最後に基端側残部約1000mmにショアD硬度78のポリエステルエラストマー樹脂チューブを被挿させて各チューブの端部を付き当て、さらにその全体を熱収縮チューブで覆って加熱することにより熱融着させる。その後、熱収縮チューブを剥いで銅線を抜き取り、貫通したルーメンを有する外径φdが2.06mm、内径φdが1.80mm、長さが1020mmのチューブを得た。
上記で得られたチューブに対し、補強線および内層がない部分の先端ソフトチップ部を金型内で加熱して丸みをつけ、カテーテル本体とした。
カテーテル本体に湾曲形状を有する芯金をいれてオーブンで加熱したが、先端はほとんど変形しなかった。最後に、カテーテル本体の基端側にハブと耐キンクプロテクタを取り付け、5Frサイズのガイディングカテーテルを得た。
このカテーテルの肉厚(平均総厚t)は130μm、外層(樹脂層)の平均最小厚さtは28μm、先端部の曲げ剛性σは15gf、基端部の曲げ剛性σは70gf、基端部と先端部の曲げ剛性の差は55gfであった。潰れ強度は1078gf、σ/σ=0.065であった。このカテーテルは先端が硬くて、左冠動脈を模した湾曲した内径3mmのシリコーンチューブに挿入を試みたが、外径が大きいため挿入が困難であり、チューブに沿って変形しなかった。また、拡張したステントに挿入したが、先端から10mmのカテーテル屈曲部が接触してステントを変形させ、カテーテル先端に引っかかった。
(比較例10)
直径1.17mmの銅線上を使用する以外は、実施例1と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。このガイディングカテーテルの先端部の曲げ剛性は8gf、基端部の曲げ剛性は18gf、潰れ強度σは580gf、平均最小厚さtは55μmであった。
(比較例11)
直径1.20mmの銅線上を使用する以外は、実施例1と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。このガイディングカテーテルの先端部の曲げ剛性は9gf、基端部の曲げ剛性は19gf、潰れ強度σは550gf、平均最小厚さtは43μmであった。
(比較例12)
得られた外径φd1が1.66mmである以外は、比較例5と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。このガイディングカテーテルの先端部の曲げ剛性は8gf、基端部の曲げ剛性は27gf、潰れ強度σは700gf、平均最小厚さtは4μmであった。
(比較例13)
直径1.88mmの銅線上を使用する以外は、比較例5と同じ方法で、ガイディングカテーテルを作成した。このガイディングカテーテルの先端部の曲げ剛性は8gf、基端部の曲げ剛性は40gf、潰れ強度σは700gf、平均最小厚さtは4μm、カテーテルの肉厚は90μmであった。先端部と基端部の曲げ剛性の差は32gf、基端部の曲げ剛性と潰れ強度の比は0.073であった。
下記に得られたカテーテルの概要を示す。
Figure 0005300734
実施例1〜3と比較例1〜13のカテーテルについて、下記の試験方法で評価した。その結果を表2、表3に示す。
Figure 0005300734
表2は、各試験結果におけるそれぞれの物性評価を示す。なお、表2中の、「+++」は非常に優れていることを表し、「++」は優れていることを表し、「+」は劣っていることを表し、「−」は非常に劣っていることを表す。
耐キンク強度は、比較例3、9が最も優れており、比較例1、12、13が最も劣っていた。実施例1〜3、比較例4〜8、10、11は中程度であった。
また、曲げ剛性は、比較例1、3、8が低く(軟らかく)、比較例2、4は高かった(硬かった)。実施例1、2、比較例5、6は中程度である。
潰れ強度は、比較例2、5、6、7および9が最も高く、比較例1、3は低かった。実施例1および2は中程度であった。
先端形状復元性は、実施例2、3、比較例3、9が高く、実施例1、比較例2、5、7、10、11が中程度であり、比較例1、4、6、8、12、13は低かった。
バックアップ力は、比較例2、4〜7、9が高く、比較例1、3、8が低かった。実施例1、3、10、11は中程度であった。
これらの評価の内、曲げ剛性は変形性を示し、バックアップ力は形状保持性を示す。
これらの評価より、変形性と形状保持性は相反するが、実施例1〜3は、それぞれ、両者のバランスが取れていることが示された。
<耐キンク性能評価試験(ループ法)>
図16に示すように、厚さ10mmの板501に中心間距離が10mmとなるような間隔で設けられた直径2.8mmの2つの孔502、503にカテーテルを通してループをつくり、カテーテルの一端を引きループを縮め、ループ部にキンクが生じた点でループの折り返し端と板501との距離Lを測定した。なお、本試験は37℃温水中に30分以上浸した後、37℃温水中で測定した。
<曲げ剛性評価試験>
カテーテル本体の基端側を37℃温水中に30分以上浸けてから、37℃温水中で、図17に示すように、カテーテルを高さ5mmの支点が支点間距離45mmで配置されたステンレス製治具の上に乗せ、中央部を半径5mmの押子(押圧部材)を用いて5mm/分の速度で3mm押込んだ時の押し込み力(剛性)を測定した。
<潰れ強度評価試験>
カテーテル本体を37℃温水中に30分以上浸けてから、37℃温水中で、図18に示すように、先端の角度が50°で、先端刃の幅が0.2mmの押子で潰した時の押し込み力(強度)を測定した。
<先端形状復元性評価試験>
上記実施例および各比較例で得られたすべてのカテーテルの先端部を図19に示すようなジャドキンスレフト(JL)4.0形状に統一加工し、湾曲部の角度αを求めた後、当該カテーテルを直線状にしてシース内に挿入後、直ちに抜去し1分後に角度βを測定し、式「(β/α)×100」で復元率(%)を求めた。
<バックアップ力評価試験>
JL4.0の形状部分を切り出し、37℃の温水中に30分浸漬した後、その温水中でガイディングカテーテルの基端部を固定し、図20に示すように、先端部に糸を付けて基端側の湾曲部が90度に開くように張力をかけたときの荷重をオートグラフ AG−IS(島津製作所社製)にて測定した。
<動物実験1>
腸骨動脈に蛇行が見られる豚に対し、左冠動脈内に凝血塊を挿入して、人工的に心筋梗塞を起こさせた。常法により4Frイントロデューサーシース(テルモ社製)を用いて、大腿部から実施例のガイディングカテーテルを挿入したところ、ガイディングカテーテルの先端は、蛇行部をスムーズに通過して、左冠動脈に係った。先端からガイドワイヤ(テルモ社製ランスルーNSハイパーコート)を冠動脈内に挿入する。
続いて、ガイドワイヤに沿わせて、各実施例のガイディングカテーテルを挿入した。湾曲部の形状は、左冠動脈内の屈曲部に沿って変形し、大きな抵抗や引っかかりも無く、病変部置手前先端までガイディングカテーテルを進めた。ガイディングカテーテルの先端開口からバルーンカテーテル(テルモ社製)を挿入して、病変部を拡張した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらに薬剤放出型ステントを挿入して病変部で拡張し、留置した。
デバイスの操作性も良好で、ハブでトルクをかけても先端は回転し、ねじれやキンクは発生しなかった。
また、操作時に虚血や血管壁の乖離は認められなかった。拡張作業が終わったバルーンカテーテル等の処置用カテーテルおよびガイディングカテーテルは容易に抜去された。
これと同様の試験を各比較例のカテーテルに対して行った。その結果、比較例1のカテーテルは、血管内に挿入する段階で湾曲部が折れ曲がった。また、比較例2のカテーテルは、湾曲部を大腿動脈から挿入することができたが、当該湾曲部が血管壁に張り付いて冠動脈内まで進めるのが困難であった。さらに挿入を試みたが、湾曲部が血管に沿って変形しなかった。また、比較例3のカテーテルは、湾曲部をスムーズに冠動脈まで挿入できたが、冠動脈口に係合すると容易に外れて、処置用カテーテルを挿入することができなかった。また、比較例4のカテーテルは、湾曲部がスムーズに冠動脈口に係合したが、冠動脈内では血管に沿って変形せず、当該湾曲部を病変部まで進めることができなかった(図15参照)。
<動物実験2>
右冠動脈内に凝血塊を挿入する以外は動物実験1と同じ方法を用いた。
JR3.5形状の各実施例のカテーテルを右冠動脈に係合させた。凝結塊よりも手前で薬剤放出型ステントを挿入して病変部で拡張し、留置した。
続いて、ガイドワイヤ(テルモ社製)を冠動脈内に挿入したところ、ステントにひっかかった。そこでガイドワイヤをカテーテル内に戻し、カテーテルをステント内に挿入した。カテーテルはステントに引っかからず、病変部手前に到達した。
カテーテルの先端開口部(先端開口41)からバルーンカテーテル(テルモ社製)を挿入して、病変部を拡張した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらに薬剤放出型ステントを挿入して病変部で拡張し、留置した。
デバイスの操作性も良好で、ハブでトルクをかけても先端は回転し、ねじれやキンクは発生しなかった。
また、操作時に虚血や血管壁の乖離は認められなかった。拡張作業が終わったバルーンカテーテル等の処置用カテーテルおよびカテーテルは、血管、および、始めに留置したステントに引っかからずに容易に抜去された。
これと同様の試験を各比較例のカテーテルに対して行った。その結果、比較例1のカテーテルは、血管内に挿入する段階で湾曲部が折れ曲がった。また、比較例2のカテーテルは、湾曲部を大腿動脈から挿入することができたが、当該湾曲部が血管壁に張り付いて冠動脈内まで進めるのが困難であった。さらに挿入を試みたが、湾曲部が血管に沿って変形しなかった。また、比較例3のカテーテルは、湾曲部をスムーズに冠動脈まで挿入できたが、冠動脈口に係合すると容易に外れて、デバイスを挿入することができなかった。また、比較例4のカテーテルは、湾曲部がスムーズに冠動脈口に係合したが、冠動脈内では血管に沿って変形せず、当該湾曲部を病変部まで進めることができなかった。
各実施例のカテーテルでは、このような一連の操作を確実に行なうことができた(表2参照)。特に、比較例5のカテーテルは、豚の冠状動脈にエンゲージできたが、冠動脈内で形状が変形せず、冠状動脈末梢まで進めることができなかった。比較例6のカテーテルは、豚の冠状動脈口に係合できなかった(表2参照)。
<左冠動脈モデルを使用した試験>
図21に示すように、左冠動脈を模したモデルを使用して、各実施例のガイディングカテーテルをモデルに挿入したときに、当該カテーテルが不本意に撓んだり、湾曲したりせずに、血管に沿って挿入することができるか否かを評価した。
大動脈から左冠動脈入り口(分岐部)までカテーテルを進めた。左冠動脈入り口(分岐部)にカテーテルの先端部を係合し、そして、この先端部を左冠動脈の内部の末梢側に向けて挿入した。カテーテルを末梢側に進めるに従い、カテーテルの先端部は、左冠動脈の各湾曲部(R15(湾曲半径15mm)の湾曲部、R10の湾曲部、R7.5の湾曲部およびR4の湾曲部)に沿って変形した。大きな抵抗や引っ掛かりもなく、カテーテルを進めることができた。各実施例のカテーテルの先端部は、R4の湾曲部を通過して、その末梢側の直線部に到達した。その結果を、表2中の「血管追随性(変形性)」に示す。
<臨床試験1>
先ず、通常の手順で、カテーテルの先端を大動脈の起部まで進ませる。具体的には、例えば、セルジンガー法により、カテーテルイントロデューサを大腿動脈に穿刺し、このカテーテルイントロデューサのシース内に、所定位置にガイドワイヤを挿通した状態のカテーテルを挿入し、ガイドワイヤを先行させ、カテーテルの先端をシースの先端孔から大腿動脈内に導入させる。次に、カテーテルを徐々に送り、大腿動脈に挿入していく。この時、カテーテルの先端が血管の屈曲部を通過するため、または、血管の分岐を選択するために、ガイドワイヤの出し入れ、カテーテルの進退および回転を適宜組み合わせた操作を行う。
次に、カテーテルの先端が大動脈起部まで進んだら、ガイドワイヤを抜去し、カテーテルの先端が、左冠動脈洞に到達するように操作する。
次いで、左冠動脈口の位置を確認するため、試験造影を行う。左冠動脈口の位置が確認できたら、カテーテルを移動させ、先端を左冠動脈へゆっくりと挿入する。
次に、患者に深呼吸させながらカテーテル1を少し進めて先端を左主幹部に挿入する。
先端からガイドワイヤ(直径“0014、テルモ社製)を冠動脈内に挿入し、病変部まで到達させる(AHA分類 #6)。
続いて、ガイドワイヤに沿わせて、カテーテル1を挿入した。先端形状は、左冠動脈内の屈曲部に沿って変形し、大きな抵抗や引っかかりも無く、病変部置手前先端までカテーテル1を進めた。カテーテル1の先端開口部からバルーンカテーテル(テルモ社製)を挿入して、病変部を拡張した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらにベアメタルステントを挿入して病変部で拡張し、留置した。
デバイスの操作性も良好で、ハブでトルクをかけても先端は回転し、ねじれやキンクは発生しなかった。
また、操作時に虚血や血管壁の乖離は認められなかった。拡張作業が終わったバルーンカテーテル等の処置用カテーテルおよびカテーテル1は容易に抜去された。
<臨床試験2>
JR3.5形状のカテーテル1を右冠動脈に係合させる以外は臨床試験1と同じ方法を用いた。次に、カテーテル1を少し進めて先端開口41を右冠動脈内に挿入する。
先端からガイドワイヤ(直径“0014、テルモ社製)を冠動脈内に挿入し、病変部まで到達させる(AHA分類 #3)。
続いて、ガイドワイヤに沿わせて、カテーテル1を挿入した。先端形状は、右冠動脈内の屈曲部に沿って変形し、大きな抵抗や引っかかりも無く、病変部置手前先端までカテーテル1を進めた。カテーテル1の先端開口部からバルーンカテーテル(テルモ社製)を挿入して、病変部を拡張した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらにベアメタルステント(テルモ社製)を挿入して病変部で拡張し、留置した。
留置後は狭窄がなくなり、血流が回復したことを確認した。
<臨床試験3>
撓骨動脈に4Frイントロデューサーシース(テルモ社製)を穿刺し大腿動脈に、このカテーテルイントロデューサのシース内に、JR3.5形状のカテーテル1を右冠動脈に係合させる以外は臨床試験1と同じ方法を用いた。
カテーテル1を少し進めて先端開口41を右冠動脈内に挿入する。
先端からガイドワイヤ(直径“0014、テルモ社製)を冠動脈内に挿入し、病変部まで到達させる(AHA分類 #3)。
続いて、ガイドワイヤに沿わせて、カテーテル1を挿入した。先端形状は、右冠動脈内の屈曲部に沿って変形し、大きな抵抗や引っかかりも無く、病変部置手前先端までカテーテル1を進めた。カテーテル1の先端開口部からベアメタルステントを挿入して、病変部を拡張し留置した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらにベアメタルステントを挿入して病変部で拡張し、留置した。
留置後は狭窄がなくなり、血流が回復したことを確認した。
<臨床試験4>
JL4.0形状のカテーテル1を左冠動脈に係合させる以外は臨床試験3と同じ方法を用いた。すでにベアメタルステント(テルモ社製)が留置されているので(AHA分類 #6)ガイドワイヤ(直径“0014、テルモ社製)をカテーテル1に戻し、カテーテル1を左冠動脈内に挿入すると、左冠動脈内の屈曲部に沿って変形し、大きな抵抗や引っかかりも無く、すでに留置されたベアメタルステントの中を通過して、病変部手前(AHA分類 #8)までカテーテル1を進めた。
カテーテル1先端開口部から、血管内にガイドワイヤおよびバルーンカテーテル(テルモ社製)を挿入して、病変部を拡張した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらにベアメタルステントを挿入して病変部で拡張し、留置した。留置後は狭窄がなくなり、血流が回復したことを確認した。
<臨床試験5>
JR3.5形状の実施例2のサイズのカテーテル1を右冠動脈に係合させる以外は臨床試験2と同じ方法を用いた。次に、カテーテル1を少し進めて先端開口41を右冠動脈内に挿入する。
先端からガイドワイヤ(直径“0014、テルモ社製)を冠動脈内に挿入し、病変部まで到達させる(AHA分類 #2)。
続いて、ガイドワイヤに沿わせて、カテーテル1を挿入した。先端形状は、右冠動脈内の屈曲部に沿って変形し、大きな抵抗や引っかかりも無く、病変部置手前先端までカテーテル1を進めた。カテーテル1の先端開口部からバルーンカテーテル(テルモ社製)を挿入して、病変部を拡張した。
病変部は的確に拡張し、狭窄が無くなったことを確認した。バルーンカテーテルを抜去後、さらにベアメタルステント(テルモ社製)を挿入して病変部で拡張し、留置した。
留置後は狭窄がなくなり、血流が回復したことを確認した。
<ステント内通過性試験>
Figure 0005300734
表3は、血管(冠動脈)を模した模型に留置したステント内に対するカテーテルの通過性試験(例えば図14に示す状態)の結果を示す。
表3中の試験Aは、まず、内径が3mmのアクリル樹脂製チューブ内で、ステント(テルモ社製 TUNAMI GOLD(4.0))を拡張させ、そのステント内部にガイドワイヤ(テルモ社製 RunthrouNS Floppy)を挿通する。次いで、実施例1〜3、比較例7、8のカテーテル(ジャドキンスレフト(JL)4.0)をガイドワイヤに沿って20回往復摺動させる。このときの各カテーテルのソフトチップの状態を観察した。その結果、実施例1〜3、比較例8では、ソフトチップの変形や引っ掛かりが無く、カテーテルがステントを通過することができた。一方、比較例7では、ソフトチップの変形や引っ掛かりが生じ、カテーテルがステントを通過することができなかった。比較例1〜6、9〜13についても、比較例7と同様の結果を得た。
表3中の試験Bは、ステントストラッドに強制的に(無理やり)カテーテルのソフトチップを引っ掛けた状態で、フォーフゲージを用いてカテーテルを押し込む。このときのフォーフゲージが示す抵抗値(測定値)を記録した。その結果、実施例1〜3では、抵抗値が、カテーテルがステント内を円滑に通過するのに十分な程度の、許容範囲(80〜150gf)内に収まった。一方、比較例7、8では、抵抗値が許容範囲外となるまたは抵抗値の測定が不可能であった。比較例1〜6、9〜13についても、比較例7または8と同様の結果を得た。
以上の試験AおよびBの結果から、実施例1〜3は、カテーテルがステントを円滑に(迅速に)通過することができるものであることが分かる。
本発明のカテーテルは、血管内に挿入して使用されるカテーテルであって、内層と外層とそれらの間に位置する補強材層とを有するカテーテル本体と、該カテーテル本体の先端側に設けられ、前記カテーテル本体よりも柔軟性に富むソフトチップとを備え、前記カテーテル本体は、その先端部に、湾曲形状をなし、該湾曲形状により前記血管の分岐部に係合し得る湾曲部を有し、前記湾曲部は、前記内層と前記外層と前記補強材層との総厚を60〜100μm、かつ、前記外層の最小厚さを8〜30μmとし、これにより、前記湾曲部を前記分岐部より末梢側に押し進めた際に前記血管の前記末梢側の部分における形状に対応して変形するよう構成されている。そのため、比較的硬いが、薄い外層を有することで、標的とする血管の分岐部(入り口)にエンゲージするに必要な形状を保持し(形状保持性を有する)、さらに血管の分岐部よりも末梢側(例えば冠動脈内)に湾曲部を挿入すると当該湾曲部は血管に沿って変形する(つぶれることなく変形し得る性質を有する)。これにより、簡単な操作で安全かつ確実に血管内の目的部位まで確実に挿入することができる。従って、本発明のカテーテルは、産業上の利用可能性を有する。

Claims (12)

  1. 血管内に挿入して使用され、バルーンカテーテル、ステント搬送用カテーテルまたは血管拡張用カテーテルのうちのいずれかの処置用カテーテルを導入するためのガイディングカテーテルであるカテーテルであって、
    内層と外層とそれらの間に位置する補強材層とを有し、外径が1.4〜1.6mmのカテーテル本体と、該カテーテル本体の先端側に設けられ、前記カテーテル本体よりも柔軟性に富むソフトチップとを備え、
    前記カテーテル本体は、その先端部に、湾曲形状をなし、該湾曲形状により、大動脈から分岐した冠動脈の分岐部である冠動脈口に係合し得る湾曲部を有し、前記外層に表面に凹部が多数形成され、
    前記カテーテル本体は、その先端側の部分の曲げ剛性が基端側の部分の曲げ剛性よりも低いものであり、前記先端側の部分の曲げ剛性は、前記基端側の部分の曲げ剛性より5〜20gf小さく、前記湾曲部は、前記内層と前記外層と前記補強材層との平均総厚を60〜100μm、かつ、前記外層での前記補強材層の最外周から前記外層の外表面までの距離である最小厚さの平均を8〜30μmとし、これにより、前記湾曲部を前記冠動脈の前記冠動脈口よりも末梢側に押し進めた際に前記冠動脈の前記末梢側の部分における形状に対応して変形するよう構成されており、
    前記処置用カテーテルの導入に先立ち、前記大動脈内に単独で挿入し、前記冠動脈口に前記湾曲部を係合させて、その位置で一旦固定してから、前記湾曲部を前記冠動脈の前記冠動脈口よりも末梢側に押し進め、その際に前記湾曲部が前記冠動脈の前記末梢側の部分における形状に対応して変形し、その後、前記湾曲部が変形した状態のまま前記処置用カテーテルを挿入して該処置用カテーテルの導入を行なうよう用いられることを特徴とするカテーテル。
  2. 前記外層の外表面の少なくとも前記湾曲部が位置する部分には、液体と接触することにより膨潤性を発揮するコーティングが施されている請求項1に記載のカテーテル。
  3. 前記冠動脈の内部に配置された、内径が2.2〜3.0mmの管状をなす医療デバイスの内腔を通過可能である請求項1また2に記載のカテーテル。
  4. 前記カテーテル本体の内径は、1.2〜1.5mmである請求項1ないし3のいずれか1項に記載のカテーテル。
  5. 前記内層と前記外層と前記補強材層との平均総厚が75〜85μmである請求項1ないし4のいずれか1項に記載のカテーテル。
  6. 前記各凹部の最大深さの平均は、10μm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載のカテーテル。
  7. 前記外層の平均最小厚さをtとし、前記カテーテル本体の外径をφdとしたとき、d/tが50〜250である請求項1ないし6のいずれか1項に記載のカテーテル。
  8. 前記カテーテル本体の基端部の曲げ剛性をσ[gf]とし、潰れ強度をσ[gf]としたとき、σ/σが0.04以下を満足する請求項1ないし7のいずれか1項に記載のカテーテル。
  9. 前記各凹部は、その径が前記外層の表面側に向かって漸増している請求項1ないし8のいずれか1項に記載のカテーテル。
  10. 前記外層は、前記カテーテル本体の長手方向に沿って異なる2種以上の材料で構成されている請求項1ないし9のいずれか1項に記載のカテーテル。
  11. 前記補強材層は、線状の補強材を平板状に潰し加工し、それをらせん状にしたもので構成されているか、または、複数本の線状の補強材を平板状に潰し加工し、それを互いに交差させたもので構成されており、
    前記外層の平均最小厚さは、前記湾曲部の横断面において、その半径方向で前記外層の表面に近い前記補強材の断面の角と当該カテーテルの中心とを結んだ線上の延長線において、前記角と前記外層の表面を通る直線の前記角と前記外層の表面の間の距離の平均である請求項1ないし10のいずれか1項に記載のカテーテル。
  12. 前記湾曲部は、同一方向にのみ湾曲した形状をなす部位である請求項1ないし11のいずれか1項に記載のカテーテル。
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