JP5293676B2 - マイクロミラー素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光ディスクに対してデータの記録・再生処理を行う光ディスク装置や複数の光ファイバ間の光路の切り換えを行う光スイッチング装置などの光学装置に組み込まれる素子であって、光の進路方向を変更するのに用いられるマイクロミラー素子に関する。
マイクロミラー素子は、光を反射するためのミラー面を備え、当該ミラー面の揺動により光の反射方向を変化させることができる。ミラー面を揺動するために静電気力を利用する静電駆動型のマイクロミラー素子が、多くの光学装置で採用されている。静電駆動型マイクロミラー素子としては、様々な構造が知られているところ、これらは、その製造方法に基づいて大きく2つに類別することができる。いわゆる表面マイクロマシニング技術によって製造されるマイクロミラー素子と、いわゆるバルクマイクロマシニング技術によって製造されるマイクロミラー素子である。
表面マイクロマシニング技術では、基板上において、各構成部位に対応する材料薄膜を所望のパターンに加工し、このようなパターンを順次積層することにより、支持体、ミラー面および電極部など、素子を構成する各部位や、後に除去される犠牲層を形成する。このような表面マイクロマシニング技術によって製造される静電駆動型マイクロミラー素子は、例えば、特開平7−287177号公報に開示されている。
一方、バルクマイクロマシニング技術では、材料基板自体をエッチングすることにより支持体やミラー形成部などを所望の形状に成形し、必要に応じてミラー面や電極を薄膜形成する。このようなバルクマイクロマシニング技術によって製造される静電駆動型マイクロミラー素子は、例えば、特開平9−146032号公報、特開平9−146034号公報、特開平10−62709号公報、特開2001−13443号公報に開示されている。
マイクロミラー素子に要求される技術的事項の一つとして、光反射を担うミラー面の平面度が高いことを挙げることができる。表面マイクロマシニング技術によると、最終的に形成されるミラー面が薄いため、ミラー面が湾曲し易く、高平面度が保証されるのは、ミラー面のサイズにおいて一辺の長さが数10μmのものに限られる。これに対して、バルクマイクロマシニング技術によると、相対的に分厚い材料基板自体を削り込んでミラー形成部を構成し、このミラー形成部上にミラー面を設けるため、より広面積のミラー面であっても、その剛性を確保でき、その結果、充分に高い光学的平面度を有するミラー面を形成することが可能となる。したがって、特に一辺の長さが数100μm以上のミラー面が必要とされるマイクロミラー素子の製造においては、バルクマイクロマシニング技術が広く採用されている。
図10は、バルクマイクロマシニング技術によって作製された従来の静電駆動型マイクロミラー素子400を表す。マイクロミラー素子400は、ミラー基板410とベース基板420とが積層された構造を有する。ミラー基板410は、図11に示すように、ミラー形成部411と、フレーム414と、これらを連結する一対のトーションバー412とを含む。ミラー形成部411の表面には、ミラー面411aが設けられている。ミラー形成部411の裏面には、一対の電極414a,414bが設けられている。ベース基板420には、図10に示すように、ミラー形成部411の電極414aに対向する電極421a、および、電極414bに対向する電極421bが設けられている。
このような構成によれば、例えばミラー形成部411の電極414a,414bを正に帯電させた状態において、ベース基板420の電極421aを負極にすると、電極414aと電極421aの間には静電引力が発生し、ミラー形成部411は、一対のトーションバー412を捩りながら矢印M3方向に揺動ないし回転する。ミラー形成部411は、電極間の静電引力と各トーションバー412の捩り抵抗力の総和とが釣合う角度まで揺動し、静止する。これに代えて、ミラー形成部411の電極414a,414bを正に帯電させた状態で電極421bを負極にすると、電極414bと電極421bの間に静電引力が発生し、ミラー形成部411は、矢印M3とは反対の方向に揺動し、静止する。このようなミラー形成部411の揺動駆動により、ミラー面411aによって反射される光の反射方向が切り換えられる。
特開平7−287177号公報 特開平9−146032号公報 特開平9−146034号公報 特開平10−62709号公報 特開2001−13443号公報
静電駆動型マイクロミラー素子において、ミラー形成部は、上述のように、電極間の静電力と各トーションバーの捩り抵抗力の総和とが釣合う角度まで揺動し、静止する。したがって、ミラー形成部の揺動角度は、各トーションバーの有する捩り抵抗と発生する静電力の大きさとにより、調節される。一方、マイクロミラー素子は、数100μmもの寸法を有する構造体であるため、トーションバーの捩り抵抗力の総和は、静電力に対して、大きくなってしまう傾向がある。そのため、従来においては、静電力と捩り抵抗力の総和とを適当な揺動角度にて釣合わせるためには、トーションバーの捩り抵抗をできるだけ低く設定しつつ、充分な静電力を発生させる程度にまで電極の面積を広く確保する方策が採られてきた。具体的には、従来のマイクロミラー素子が有するトーションバーに対して低い捩り抵抗を設定するためには、トーションバーは、通常、その幅方向において一様に細くされている。例えば図11に示す従来のトーションバー412では、幅Lが一様に狭く設定されている。
しかしながら、トーションバーを幅方向において一様に細くすると、ミラー形成部に直接的に接合するトーションバー端部の幅が狭くなり、ミラー形成部が、ミラー面の法線まわりに回転し易くなる。例えば図11に示すミラー形成部411は、その法線N3まわりに回転し易くなる。すると、駆動時のミラー形成部において、トーションバーにより規定される回転軸心まわりの適正な回転とともに、ミラー面の法線まわりの回転が併発する傾向にあり、マイクロミラー素子の高精度な制御が阻害される場合がある。
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、上述の従来の問題点を解消ないし軽減することを課題とし、トーションバーの捩り抵抗が低く設定されつつ、ミラー面の法線まわりの回転などのミラー形成部の不適切な動作が抑制された、マイクロミラー素子を提供することを目的とする。
本発明の第1の側面により提供されるマイクロミラー素子は、フレームと、ミラー平面を有するミラー形成部と、フレームおよびミラー形成部を連結するように延びるとともに、ミラー形成部をフレームに対して回転させるための回転軸心を規定し、さらにミラー平面に対して平行で回転軸心に対して横切方向に幅を有する捩れ連結部と、を備え、捩れ連結部の幅は、ミラー形成部に接続される部分では相対的に広く、フレームに至るまでの少なくとも途中までは、ミラー形成部から遠ざかるにつれて徐々に狭くなることを特徴とする。
このような構成によると、マイクロミラー素子の捩れ連結部ないしトーションバーの捩り抵抗を低く設定しつつ、ミラー形成部の不適切な動作を抑制することができる。具体的には、捩れ連結部は、ミラー形成部から離れた相対的に幅狭な部位を有しており、当該幅狭部位、又は、形成されている場合には更に幅狭な部位の存在により、捩れ連結部において、所望の低い捩り抵抗が達成される。同時に、捩れ連結部は、幅狭部からミラー形成部に至るまで徐々に幅が広げ、ミラー形成部に接続した相対的に幅広な部位を有しており、当該幅広部位は、ミラー形成部がミラー面の法線まわりに回転するのを抑制する機能を呈する。
好ましくは、更に、追加フレームと、追加捩れ連結部を備え、当該追加捩れ連結部は、追加フレームおよびフレームを連結するように延びるとともに、フレームおよびミラー形成部を追加フレームに対して回転させるための追加回転軸心を規定する。このような構成により、ミラー形成部の不適切な動作が抑制された2軸型マイクロミラー素子が得られる。
好ましくは、追加捩れ連結部は、ミラー平面に対して平行で追加回転軸心に対して横切方向に幅を有し、追加捩れ連結部の幅は、フレームに接続される部分では相対的に広く、追加フレームに至るまでの少なくとも途中までは、フレームから遠ざかるにつれて徐々に狭くなる。このような構成によると、2軸型マイクロミラー素子において、上述したのと同様の構造上の作用により、フレームと追加フレームとを連結する追加捩れ連結部ないしトーションバーの捩り抵抗を低く設定しつつ、フレームの不適切な動作を抑制できるとともに、ミラー形成部の不適切な動作を更に抑制することができる。
本発明の第2の側面により提供されるマイクロミラー素子は、内側フレームおよび外側フレームと、ミラー平面を有するミラー形成部と、内側フレームおよびミラー形成部を連結するように延びる内側捩れ連結部と、内側フレームおよび外側フレームを連結するように延びるとともに、内側フレームおよびミラー形成部を外側フレームに対して回転させるための回転軸心を規定し、さらにミラー平面に対して平行で回転軸心に対して横切方向に幅を有する外側捩れ連結部と、を備え、外側捩れ連結部の幅は、内側フレームに接続される部分では相対的に広く、外側フレームに至るまでの少なくとも途中までは、内側フレームから遠ざかるにつれて徐々に狭くなることを特徴とする。
このような構成によると、2軸型マイクロミラー素子において、第1の側面に関して上述したのと同様の構造上の作用により、内側フレームと外側フレームとを連結する外側捩れ連結部ないしトーションバーの捩り抵抗を低く設定しつつ、内側フレームおよびミラー形成部の不適切な動作を抑制することができる。
本発明の第1の側面および第2の側面において、捩れ連結部、追加捩れ連結部、内側捩れ連結部、および外側捩れ連結部は、一本のトーションバーにより構成することもできるし、複数本のトーションバーにより構成することもできる。
捩れ連結部、追加捩れ連結部、内側捩れ連結部、または外側捩れ連結部が複数本のトーションバーからなる場合であっても、上述と同様の作用により、これらの捩り抵抗を低く設定しつつ、ミラー形成面の不適切な動作を抑制することができる。ただし、この場合、各捩れ連結部の幅は、ミラー平面に対して平行で各捩れ連結部が規定する回転軸心の横切方向において最も端に存在する2つのトーションバーにより規定される。そして、この場合、各捩れ連結部には、最も端に存在する2つのトーションバーの間に介在する空隙部および存在する場合には更なるトーションバーも含まれる。
各捩れ連結部が複数本のトーションバーを含む場合には、これらトーションバーは、好ましくは、異なる2種類以上の電位伝達経路に分離されている。このような構成により、ミラー形成部駆動回路の配線の自由度を高くすることができる。
本発明において、好ましくは、捩れ連結部、追加捩れ連結部、内側捩れ連結部、または外側捩れ連結部の幅は、対応する各フレーム、即ち、フレーム、追加フレーム、内側フレーム、または外側フレームに至るまで漸減し続ける。このような構成では、各捩れ連結部、即ち、一本のトーションバーまたは複数本のトーションバーにわたって占められる領域において、ミラー形成部から最も遠い箇所が最も幅狭となっており、ミラー形成部と最も近い箇所がが最も幅広となっている。これによって、各捩れ連結部において低い捩り抵抗を達成しつつ、ミラー形成面の不適切な動作を良好に抑制することが可能となる。本発明では、これに代えて、各捩れ連結部の幅を、途中まで漸減した以降は、対応する各フレームに至るまで漸増させてもよい。
好ましい実施の形態において、捩れ連結部、追加捩れ連結部、内側捩れ連結部、または外側捩れ連結部、或いは、これらに含まれる複数本のトーションバーの各々は、矩形、円、楕円からなる群より選択される断面外郭形状を有する。各捩れ連結部またはトーションバーは、中空構造を有していてもよい。また、各捩れ連結部またはトーションバーは、分枝構造を有していてもよい。これらの構成を採用することによって、各捩れ連結部について、捩り剛性や曲げ剛性などを調節することができる。
好ましい実施の形態において、捩れ連結部、追加捩れ連結部、内側捩れ連結部、または外側捩れ連結部、或いは、これらに含まれる複数本のトーションバーの各々は、曲率を有して広がる第1の基端部および/または第2の基端部を有する。このような構成によると、各捩れ連結部またはトーションバーにおいて、ミラー形成部または各フレームに対する支持強度を向上することができる。
本発明において、ミラー形成部を揺動するためには、静電力や電磁力を利用することができる。好ましい実施の形態では、ミラー形成部は第1櫛歯電極部を有し、フレームまたは内側フレームは、第1櫛歯電極部との間に静電力を生じさせることによりミラー形成部を変位させるための第2櫛歯電極部を有する。また、2軸型では、フレームまたは内側フレームは第3櫛歯電極部を有し、追加フレームまたは外側フレームは、第3櫛歯電極部との間に静電力を生じさせることによってフレームまたは内側フレームとミラー形成部とを変位させるための第4櫛歯電極部を有するのが好ましい。このように、本発明に係るマイクロミラー素子は櫛歯電極型に構成することができる。
これに代えて、ミラー形成部に対面するベース部を更に備えて、当該ベース部に、ミラー形成部に対面する第1平板電極を設け、ミラー形成部には、第1平板電極に対面する第2平板電極を設けることによって、本発明のマイクロミラー素子を平板電極型として構成してもよい。ただし、ミラー形成部の少なくとも一部自体が導電性材料により構成されている場合には、必ずしも第2平板電極を設けなくともよい。
これに代えて、ミラー形成部に第1電磁コイルを設け、ベース部に第2電磁コイルまたは永久磁石を設けるか、或いは、ミラー形成部に永久磁石を設け、ベース部に電磁コイルを設けることによって、本発明のマイクロミラー素子を電磁駆動型として構成してもよい。
好ましい実施の形態では、フレーム、追加フレーム、内側フレーム、または外側フレームの少なくとも一部は、複数の導体層と、当該導体層間の絶縁層とからなる多層構造を有している。このような構成により、導体層によるミラー形成部駆動回路において、導体層による配線の自由度を高くすることができる。また、好ましくは、各フレームは、絶縁膜または空隙により相互に絶縁された複数の区画を有することにより、マイクロミラー素子の構造において適切に絶縁設定されている。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロミラー素子の分解斜視図である。 図1に示すマイクロミラー素子の組立て状態における、線II−IIに沿った断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るマイクロミラー素子の上面図および下面図である。 図3に示すマイクロミラー素子の断面図である。 図3に示すマイクロミラー素子の製造方法の一部を、図3の線E−Eに沿った断面図で表したものである。 図3に示すマイクロミラー素子の製造方法の一部を、図3の線E−Eに沿った断面図で表したものである。 図5に示す製造工程で使用されるマスクパターン形成用マスクの平面図である。 図6に示す製造工程で使用されるマスクパターン形成用マスクの平面図である。 本発明に係る他の捩れ連結部の平面図および断面図である。 従来のマイクロミラー素子の断面図である。 図10に示すマイクロミラー素子の有するミラー基板の斜視図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロミラー素子100の分解斜視図であり、図2は、図1に示すマイクロミラー素子100の組立て状態における、線II−IIに沿った断面図である。本実施形態のマイクロミラー素子100は、ミラー基板110とベース基板120とが積層した構造を有する。
ミラー基板110は、図1に示すように、ミラー形成部111と、このミラー形成部111を囲むフレーム113と、当該フレーム113およびミラー形成部111とを繋ぐ一対の捩れ連結部112とを有する。ミラー基板110は、例えば、PやAsなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープすることによって導電性を付与されたシリコン製の基板から、バルクマシニング技術によって成形されたものである。具体的には、板状の導電性シリコン基板に対して、ミラー形成部111、フレーム113、および一対の捩れ連結部112に対応する箇所を覆うエッチングマスクを用いて、Deep RIE法によるSiエッチングや、KOHなどのウエットSiエッチングなどの手段により、複数の空隙部110aを設ける。その結果、複数の空隙部110aによって、ミラー形成部111、フレーム113、および一対の捩れ連結部112がかたち取られることとなる。本実施形態では、ミラー形成部111とフレーム113との間の各空隙部110aの幅は、例えば10〜200μmであり、ミラー形成部111およびフレーム113の厚みは、例えば10〜200μmである。
図2によく表れているように、ミラー形成部111の表面にはミラー面114が設けられ、且つ、その裏面には一対の電極115a,115bが設けられている。これらミラー面114および電極115a,115bは、金属膜を蒸着するなどして形成されている。ただし、不純物のドープによってミラー基板110の導電性を充分に高く構成した場合には、電極115a,115bは、設けなくともよい。
図1によく表れているように、各捩れ連結部112は、ミラー形成部111の長手方向に延びる側面の中央付近と、フレーム113の長手方向に延びる内側面の中央付近とに一体的に接続している。これによって、本実施形態のマイクロミラー素子100は、一対の捩れ連結部112により回転軸心X1が規定された1軸型として構成されている。本実施形態では、各捩れ連結部112は、2本のトーションバー112aからなり、当該2本のトーションバー112aは、捩れ連結部112の幅、即ち図中Y方向の長さを規定する。捩れ連結部112の幅は、例えば、ミラー形成部111に接続する箇所で30〜300μmであり、ミラー形成部111からフレーム113にかけて徐々に狭くなっており、フレーム113に接続する箇所では1〜30μmである。
マイクロミラー素子100は、組立て状態においては、図2に示されるように、ミラー形成部111のフレーム113の下面がベース基板120の凸状段部121の上面に接合される。ベース基板120は、ミラー形成部111の一対の電極115a,115bに対して適当な間隔を隔てて対向する一対の電極122a,122bを具備している。すなわち、本実施形態に係るマイクロミラー素子100は、いわゆる平板電極型として構成されている。
このような構成によれば、例えばミラー形成部111の電極115a,115bを正極に帯電させた状態において、ベース基板120の電極122aを負極にすると、これらの間には静電力が発生し、ミラー形成部111は、一対の捩れ連結部112を捩りながら矢印M1方向に揺動する。また、これに代えて、電極122bを負極にすると、ミラー形成部111は上記とは反対方向に揺動することとなる。このように、ミラー形成部111を揺動させることによって、ミラー面114に向かって進行して当該ミラー面114で反射される光の反射方向を所定の方向に切り換えることができる。このようなミラー形成部111の揺動時において、捩れ連結部112が相対的に幅狭な部位を有しているため、捩れ連結部112の捩り抵抗は、低減されている。同時に、捩れ連結部112が相対的に幅広な部位でミラー形成部114に接続しているため、ミラー形成部111がその法線N1まわりに回転してしまうのを良好に抑制することができる。
ミラー形成部111の電極115a,115bへの電位付与は、導電材料で構成されたフレーム113、捩れ連結部112、及び、ミラー形成部111を介して行い。ベース基板120の電極122a、122bへの電位付与は、絶縁材料で構成されたベース基板120に適当に設けられた配線(図示略)を介して行う。本実施形態のマイクロミラー素子100のミラー基板110では、ミラー形成部111、捩れ連結部112、フレーム113が導電性材料により一体的に構成されており、捩れ連結部112を介してミラー形成部111の電極115a,115bに対して適切に電位を付与することができるため、従来のマイクロミラー素子とは異なり、ミラー基板110の電極115a,115bに電位を付与するための配線を、捩れ連結部112上に別途形成する必要はない。
マイクロミラー素子100のミラー形成部111を駆動するためには、平板電極に代えて櫛歯電極を設けてもよい。また、平板電極や櫛歯電極などによる静電力に代えて、電磁コイルや永久磁石などによる電磁力を利用することもできる。具体的には、ミラー形成部111の電極115a,115bを電磁コイルに置き換え、ベース基板の電極122a,122bを電磁コイルまたは永久磁石に置き換える。或いは、ミラー形成部111の電極115a,115bを永久磁石に置き換え、ベース基板の電極122a,122bを電磁コイルに置きかえる。これらの構成では、電磁コイルへの通電状態を調節することによって、ミラー形成部111を駆動することができる。
図3および図4は、本発明の第2の実施形態に係るマイクロミラー素子200を表す。図3(a)はマイクロミラー素子200の上面図であり、図3(b)は下面図である。図4(a)〜(c)は、各々、図3の線A−A、線B−B、線C−Cに沿った断面図である。
図3に示すように、本実施形態におけるマイクロミラー素子200は、ミラー形成部210、これを囲む内フレーム220、内フレーム220を囲む外フレーム230、ミラー形成部210と内フレーム220とを連結する一対の捩れ連結部240、内フレーム220と外フレーム230とを連結する一対の捩れ連結部250とを備える。一対の捩れ連結部240は、内フレーム220に対するミラー形成部210の回転運動の回転軸心X2を規定する。一対の捩れ連結部250は、外フレーム230に対する内フレーム220の回転運動の回転軸心X3を規定する。本実施形態では、回転軸心X2と回転軸心X3は、直交している。マイクロミラー素子200は、後述するミラー面211および絶縁層260を除いて導電性材料により一体的に構成されている。導電性材料としては、Si等の半導体にPやAsなどのn型不純物やBなどのp型不純物をドープしたものを用いる。ただし、これに代えて、W等の金属を用いてもよい。
ミラー形成部210は、図3(a)に示すように、その上面にミラー面211が薄膜形成されている。また、ミラー形成部210の相対向する2つの側面には、第1櫛歯電極210a,210bが延出成形されている。
内フレーム220は、図3(b)および図4によく表れているように、内フレーム主部221と、一対の電極基台222と、これらの間の絶縁層260とからなる積層構造を有し、内フレーム主部221と電極基台222は電気的に分断されている。一対の電極基台222には、内方に延出する第2櫛歯電極222a、222bが一体的に成形されており、内フレーム主部221には、外方に延出する第3櫛歯電極221a、221bが一体的に成形されている。第2櫛歯電極222a,222bは、図4(a)に示すように、ミラー形成部210の第1櫛歯電極210a,210bの下方に位置しているが、ミラー形成部210の揺動動作時において、第1櫛歯電極210a,210bの歯と第2櫛歯電極222a,222bの歯とが当接しないように、図4(c)によく表れているように互いの歯が位置ずれするように配されている。
一対の捩れ連結部240は、図3に示されているように、各々、2本のトーションバー241を含む。2本のトーションバー241によって規定される捩れ連結部240の幅は、ミラー形成部210に接続する箇所で30〜300μmであり、ミラー形成部210から内フレーム220にかけて徐々に狭くなり、内フレーム220に接続する箇所では1〜30μmである。トーションバー241は、図4(b)に示すように、ミラー形成部210および内フレーム220よりも薄肉であり、ミラー形成部210と内フレーム220の内フレーム主部221とを架橋している。
外フレーム230は、図4(a)によく表れているように、第1外フレーム部231と、第2外フレーム部232と、これらの間の絶縁層260とからなる積層構造を有し、第1外フレーム部231と第2外フレーム部232は電気的に分断されている。第2外フレーム部232には、図3(b)によく表れているように、空隙を介して第1アイランド233、第2アイランド234、第3アイランド235、及び、第4アイランド236が設けられている。図4(b)および図4(c)によく表れているように、第1アイランド233および第3アイランド235には、各々、内方に延出する第4櫛歯電極232a、232bが一体的に成形されている。第4櫛歯電極232a,232bは、各々、内フレーム主部221の第3櫛歯電極221a,221bの下方に位置しているが、内フレーム220の揺動動作時において、第3櫛歯電極221a,221bの歯と第4櫛歯電極222a,222bの歯とが当接しないように、互いの歯が位置ずれするように配されている。
一対の捩れ連結部250は、図3(a)および図3(b)に示されているように、各々、1本のトーションバー251と2本のトーションバー252を含む。両端に配設された2本のトーションバー252によって規定される捩れ連結部250の幅は、内フレーム220に接続する箇所で30〜300μmであり、内フレーム220から外フレーム230にかけて徐々に狭くなり、外フレーム230に接続する箇所では1〜30μmである。トーションバー251,252は、図4(a)に示すように、内フレーム220および外フレーム230よりも薄肉である。トーションバー251は、内フレーム220の内フレーム主部221と外フレーム230の第1外フレーム部231とを架橋している。トーションバー252は、内フレーム220の電極基台222と外フレーム230の第2外フレーム部232とを架橋している。
本実施形態では、第1外フレーム部231に電位を付与すると、図3(a)を参照するとよく理解できるように、第1外フレーム部231と同一の導電材料により一体的に成形されている、2本のトーションバー251、内フレーム主部221、一対の捩れ連結部240ないし計4本のトーションバー241、およびミラー形成部210を介して、第1櫛歯電極210a、210bと第3櫛歯電極221a、221bとが同電位となる。この状態において、第2櫛歯電極222aまたは第2櫛歯電極222bに所望の電位を付与し、第1櫛歯電極210aと第2櫛歯電極222aとの間、または、第1櫛歯電極210bと第2櫛歯電極222bとの間に静電力を発生させることによって、ミラー形成部210を、回転軸心X2まわりに揺動させることができる。また、第4櫛歯電極232aまたは第4櫛歯電極232bに所望の電位を付与し、第3櫛歯電極221aと第4櫛歯電極232aとの間、または、第3櫛歯電極221bと第4櫛歯電極232bとの間に静電力を発生させることによって、内フレーム220およびミラー形成部210を、回転軸心X3まわりに揺動させることができる。
第2櫛歯電極222aへの電位付与は、図4(a)を参照するとよく理解できるように、同一の導電材料で一体的に成形されている第2外フレーム部232の第4アイランド236、これに接続するトーションバー252、およびこれに接続する電極基台222を介して行う。同様に、第2櫛歯電極222bへの電位付与は、第2アイランド234、これに接続するトーションバー252、およびこれに接続する電極基台222を介して行う。一方、第4櫛歯電極232aへの電位付与は、図4(b)を参照するとよく理解できるように、第2外フレーム部232の第1アイランド233を介して行い、第4櫛歯電極232bへの電位付与は、第3アイランド235を介して行う。第2外フレーム部232における4つのアイランド233,234,235,236が電気的に独立しているので、第2櫛歯電極222a,222bおよび第4櫛歯電極への電位付与は、選択的に行うことができる。その結果、ミラー形成部210を所望の方向へ傾斜させることが可能となる。このようなミラー形成部210の揺動時において、捩れ連結部240,250が相対的に幅狭な部位を有しているため、捩れ連結部240,250の捩り抵抗は、低減されている。同時に、捩れ連結部240が相対的に幅広な部位でミラー形成部210に接続し、且つ、捩れ連結部250が相対的に幅広な部位で内フレーム220に接続しているため、ミラー形成部210がその法線(図示せず)まわりに回転してしまうのを良好に抑制することができる。
次に図5および図6を参照して、上記構成のマイクロミラー素子200の製造方法を説明する。図5は、図3に示すマイクロミラー素子200の製造方法の一部の工程を、図3の線E−Eの実線箇所に沿った断面図で表したものである。図6は、図5に続く工程を、同じく図3の線E−Eの実線箇所に沿った断面図で表したものである。
図5(a)に示すように、マイクロミラー素子200の製造においては、まず、Asなどのn型の不純物をドープをすることによって導電性を付与したシリコンウエハ200'を2枚用意し、各ウエハ200'上に、熱酸化法により、表面に500nmの二酸化ケイ素膜260を成長させる。ウエハの抵抗率は0.01〜0.1Ω・cmの範囲とするのが望ましい。また、ウエハの導電性の付与に際しては、Bなどのp型の不純物を用いてもよい。
次いで、図5(b)に示すように、二酸化ケイ素膜260同士を合わせて、1100℃程度の窒素アニール処理を行うことによって、2枚のウエハ200'を積層する。その後、ウエハ表面を研磨して、ウエハ200'の厚みを各々100μmに調整する。すると、Si/SiO2/Siの構成で、100μm/1μm/100μmの厚み構造を有するSOI(Silicon on Insulator)ウエハ201'が得られる。
次いで、図5(c)に示すように、SOIウエハ201'の上面に、エッチングマスクとしての二酸化ケイ素膜30'を成膜する。膜厚は、100〜1000nmの範囲とする。このとき、下面にも二酸化ケイ素膜を成膜してもよい。ただし、エッチングマスクの成膜においては、後に行うDeep RIE法によるSiエッチングの際に、マスク材として機能できる成膜材料、即ち、Siよりもエッチング速度が遅い成膜材料であれば、SiO2に限らず、他の材料を使用してもよい。成膜手段としては、熱酸化法を採用してもよいし、CVD法を採用してもよい。
次いで、図5(d)に示すように、二酸化ケイ素膜30'をエッチングして、第1のマスクパターン30を形成する。このエッチングには、図7(a)に示す構成の第1のマスク40を用いる。第1のマスク40は、マイクロミラー素子200におけるミラー形成部210、一対の第1櫛歯電極210a,210b、内フレーム主部221、一対の第3櫛歯電極221a,221b、および第1外フレーム部231の平面視形状に相当する。したがって、第1のマスクパターン30は、SOIウエハ201'上において、第1のマスク40と同一の形状で形成される。また、このエッチングは、HFを含む溶液によるウェットエッチング法で行ってもよいし、CHF3やC48等のガスによるドライエッチング法で行ってもよい。
次いで、SOIウエハ201'上に膜厚0.5〜50μmの範囲で第2のエッチングマスクとしてのフォトレジスト膜を成膜する。ただし、第2のエッチングマスクとしては、フォトレジスト膜に代えて、Si34膜を成膜してもよい。成膜手段としては、熱酸化法を採用してもよいし、CVD法を採用してもよい。そして、これをエッチングして、図5(e)に示すように第2のマスクパターン50を形成する。このエッチングには、図7(b)に示す構成の第2のマスク60を用いる。第2のマスク60は、マイクロミラー素子200における一対の捩れ連結部240ないし計4本のトーションバー241、一対のトーションバー251、及び、支持梁270の平面視形状に相当する。したがって、第2のマスクパターン50も、第2のマスク60と同一の形状となる。ここで支持梁とは、マイクロミラー素子の製造工程中の機械的ストレスを捩れ連結部に集中することを防止するために設けられ、後の工程において切断除去される一時的な連結部である。本実施形態においては、内フレーム220とミラー形成部210とを連結する4本の支持梁270、及び、外フレーム230と内フレーム220を連結する4本の支持梁270が設けられる。また、このエッチングは、フォトエッチングに代えて、可能であれば、HFを含む溶液によるウェットエッチング法で行ってもよいし、CHF3やC48等のガスによるドライエッチング法で行ってもよいが、第1のマスクパターン30をエッチングしない条件で行う。
次いで、図5(f)に示すように、第1のマスクパターン30および第2のマスクパターン50をマスクとして、ウエハ201'に対して第1のエッチング処理を行う。このエッチングは、SF6ガス及びC48ガスを用いたDeep RIE法により、所望の深さ、5μmまで行う。ただし、Deep RIE法に代えて、KOH溶液などによるウェットエッチング法を採用してもよい。
次いで、図5(g)に示すように、第2のマスクパターン50のみを、有機溶剤あるいは酸素プラズマにさらして除去する。このときの有機溶剤としては、第2のマスクパターン50の構成材料に応じて、例えば、トリプロピレングリコールメチルエーテル、アミノエチルエタノールアミン、リン酸水溶液、及び、モノエタノールアミンとジメチルスルホキシドの混合液などを使用することができる。ただし、第1のマスクパターン30を有意に除去しない溶剤を選択する必要がある。例えば、SiO2により第1のマスクパターン30を構成し、Si34により第2のマスクパターン50を構成した場合には、リン酸水溶液によって、第1のマスクパターン30を残しつつ、第2のマスクパターン50のみを選択的に除去することができる。
次いで、図5(h)に示すように、第1のマスクパターン30のみをマスクとして第2のエッチング処理を行う。第2のエッチング処理は、SF6ガス及びC48ガスを用いたDeep RIE法により、ウエハを構成する材料の表面から95μmの深さまで行う。必要であれば、製造プロセス誤差を吸収するために、更に深さ1μmのオーバーエッチングを行う。
以上の工程により、絶縁層260の上位に、マイクロミラー素子200におけるミラー形成部210、一対の第1櫛歯電極210a,210b、内フレーム主部221、一対の第3櫛歯電極221a,221b、第1外フレーム部231、一対の捩れ連結部240ないし計4本のトーションバー241、一対のトーションバー251、及び、計8本の支持梁270が形成される。また、本実施形態のように第2のエッチング処理をDeep RIE法により行うと、図5(h)に示すように、トーションバー241およびトーションバー251の付け根ないし基端部は、厚が一様でなく、曲率を有する形状となる。
次いで、以降の工程において絶縁層260の上位の構造が破損することを防止すべく、液状ガラスを塗布し、これをアニールすることによって、図6(a)に示すように犠牲膜70を形成する。ただし、このような保護手段に代えて、AZやTSCRなどのレジスト材料を塗布形成してもよいし、紫外線硬化型接着フィルムシートなどのような接着力を制御できるフィルムを張りつけることによって保護してもよい。
犠牲膜70を形成した後、図5を参照して説明したのと略同様の方法により、絶縁層260の下位を加工する。まず、ウエハ201'の下面に対して、第3のエッチングマスクとしての二酸化ケイ素膜を、100〜1000nmの範囲の膜厚で成膜し、これをエッチングして、図6(b)に示すように、第3のマスクパターン31を成膜する。このエッチングには、図8(a)に示す構成の第3のマスク41を用いる。第3のマスク41は、マイクロミラー素子200における一対の電極基台222、第2櫛歯電極222a,222b、第1〜4アイランド233,234,235,236を含む第2外フレーム部232、および、第4櫛歯電極232a,232bの平面視形態に相当する。したがって、第3のマスクパターン31も、第3のマスク41と同一の形状となる。
次いで、ウエハ201'上に膜厚0.5〜50μmの範囲で第4のエッチングマスクとしてのフォトレジスト膜を成膜し、第3のマスクパターン31を除去しない条件で、これをエッチングして、同じく図6(b)に示すように、第4のマスクパターン51を形成する。このエッチングには、図8(b)に示す構成の第4のマスク61を用いる。第4のマスク61は、計4本のトーションバー252の平面視形状に相当する。したがって、第4のマスクパターン51も、第4のマスク61と同一の形状となる。
次いで、図6(c)に示すように、第3のマスクパターン31および第4のマスクパターン51をマスクとして、ウエハ201'に対して第1のエッチング処理を行う。このエッチングは、SF6ガス及びC48ガスを用いたDeep RIE法により、所望の深さ、5μmまで行う。ただし、Deep RIE法に代えて、KOH溶液などによるウェットエッチング法を採用してもよい。
次いで、第4のマスクパターン51のみを、有機溶剤あるいは酸素プラズマにさらして除去した後、図6(d)に示すように、第3のマスクパターン31のみをマスクとして第2のエッチング処理を行う。第2のエッチング処理は、SF6ガス及びC48ガスを用いたDeep RIE法により、ウエハを構成する材料の表面から95μmの深さまで行う。必要であれば、製造プロセス誤差を吸収するために、更に深さ1μmのオーバーエッチングを行う。
以上の工程により、絶縁層260の下位において、マイクロミラー素子200における一対の電極基台222、第2櫛歯電極222a,222b、第2外フレーム部232、第4櫛歯電極232a,232b、および4本のトーションバー252が形成される。また、本実施形態のように第2のエッチング処理をDeep RIE法により行うと、トーションバー252の基端部は、厚が一様でなく、曲率を有する形状となる
次いで、図6(e)に示すように、ウエハ201'表面の第1のマスクパターン30および第3のマスクパターン31、並びに所定箇所の絶縁層260をウェットエッチング法などにより除去した後、ウエハからチップに切り出すことにより、支持梁270を伴ったマイクロミラー素子200を完成させる。支持梁270は、この後の適切な段階で除去される。除去に際しては、支持梁270に対して、レーザによって溶断・ブローしてもよいし、電流を流してジュール熱により溶断してもよい。
ミラー形成部210のミラー面211は、以上の一連の工程の前に、ミラー形成部210が形成される箇所において、所定形状で形成する。ただし、本実施形態に関しては、ミラー面211の形成工程は図示しない。ミラー面210の形成においては、ミラー形成部210ないしその形成予定箇所に、例えば、チタンを50nm成膜した後、その上に金を500nm成膜し、これらをエッチングする。こような構成によると、ミラー面211は、光学反射膜として機能するだけでなく、ウエハ材料との導通をとることが可能となり、必要な場合には、ボンディングワイヤ接続することができることとなる。
以上の実施形態では、基板材料に対して架橋部を残しつつ空隙部を形成する手段として、第1および第2のマスクパターンをマスクとする第1のエッチング処理により、最終的に成形される架橋部の厚みに略相当する深さまで基板構成材料を除去し、その後、第1のマスクパターンのみをマスクとする第2のエッチング処理により、2つの部材が架橋部のみにより連結されるように基板構成材料を除去することによって、架橋部と空隙部とを同時に完成させる方法を採用している。ただし、本発明では、これに代えて、第1のエッチング処理により、基板において第1および第2のマスクパターンがマスクしていない箇所の基板構成材料を全て除去することによって、まず空隙部を形成し、第2のエッチング処理により、前記架橋部が成形されるまで基板構成材料を除去することによって、架橋部を完成させる方法を採用してもよい。
図9(a)〜(i)は、本発明に係る他の捩れ連結部の平面図(左)および断面図(右)である。各捩れ連結部は、第1の実施形態において捩れ連結部112の代わりに設けられる場合には、それらの平面図において、その左端でミラー形成部111と接続し、その右端でフレーム113と接続する。一方、第2の実施形態において捩れ連結部240の代わりに設けられる場合には、その左端でミラー形成部210と接続し、その右端で内フレーム220と接続する。また、第2の実施形態において捩れ連結部250の代わりに設けられる場合には、その左端で内フレーム220と接続し、その右端で外フレーム230と接続する。
図9(a)に示す捩れ連結部310は、1本のトーションバーからなり、その幅は、左端から右端にかけて徐々に狭くなっている。左端の最広部の幅は30〜300μmであり、右端の最狭部の幅は1〜30μmである。
図9(b)に示す捩れ連結部320は、1本のトーションバーからなり、左端から遠ざかるにつれて徐々に幅狭となる部位と、左端から遠ざかるにつれて徐々に幅広となる部位とを有する。左端および右端の最広部の幅は30〜300μmであり、中央の最狭部の幅は1〜30μmである。
図9(c)に示す捩れ連結部330は、2本のトーションバー331,332からなる。2本のトーションバー331,332によって規定される捩れ連結部330の幅は、左端から右端にかけて徐々に狭くなっている。左端の最広部の幅は30〜300μmであり、右端の最狭部の幅は1〜30μmである。トーションバー331,332は、マイクロミラー素子の厚み方向において位置ずれしている。例えば、上述の第2の実施形態のマイクロミラー素子200において、捩れ連結部250に代えて捩れ連結部330を設ける場合には、トーションバー331は、内フレーム主部221と第1外フレーム部231とを連結し、トーションバー332は、電極基台222と第2外フレーム部232とを連結する。
図9(d)に示す捩れ連結部340は、X字状の分枝構造を有する1本のトーションバーからなり、左端から遠ざかるにつれて徐々に幅狭となる部位と、左端から遠ざかるにつれて徐々に幅広となる部位とを有する。左端および右端の最広部の幅は30〜300μmであり、中央の最狭部の幅は1〜30μmである。
図9(e)に示す捩れ連結部350は、3本のトーションバー351,352,353からなる。両端に位置するトーションバー351,353によって規定される捩れ連結部350の幅は、左端から右端にかけて徐々に狭くなっている。左端の最広部の幅は30〜300μmであり、右端の最狭部の幅は1〜30μmである。
図9(f)に示す捩れ連結部360は、2本のトーションバー361,362からなる。2本のトーションバー361,362によって規定される捩れ連結部360の幅は、左端から右端にかけて徐々に狭くなっている。トーションバー361,362の両基端部は、曲率を有して幅方向に広がっている。
図9(g)に示す捩れ連結部370は、2本のトーションバー371,372からなる。2本のトーションバー371,372によって規定される捩れ連結部370の幅は、左端から右端にかけて徐々に狭くなっている。左端の最広部の幅は30〜300μmであり、右端の最狭部の幅は1〜30μmである。トーションバー371,372は、中空構造を有する。
図9(h)に示す捩れ連結部380は、2本のトーションバー381,382からなる。2本のトーションバー381,382によって規定される捩れ連結部380の幅は、左端から右端にかけて徐々に狭くなっている。左端の最広部の幅は30〜300μmであり、右端の最狭部の幅は1〜30μmである。トーションバー381,382は、一様な楕円断面を有する。
図9(i)に示す捩れ連結部390は、Y字状の分枝構造を有する1本のトーションバーからなり、左端から遠ざかるにつれて徐々に幅狭となる部位と、一様な幅を有する部位とを有する。左端の最広部の幅は30〜300μmであり、一様な幅を有する部位の幅は1〜30μmである。
本発明によると、捩れ連結部が、ミラー形成部または内フレームに接続する相対的に幅広な部位と、当該幅広部位から徐々に狭くなる部位を有することによって、捩れ連結部において所望の低い捩り抵抗を設定するとともに、ミラー形成部がミラー面の法線まわりに回転するのを抑制できる。その結果、マイクロミラー素子を良好に制御することが可能となる。
100,200,400 マイクロミラー素子
110,410 ミラー基板
111,411 ミラー形成部
112 捩れ連結部
112a トーションバー
412 トーションバー
113,413 フレーム
120,420 ベース基板
210 ミラー形成部
210a,210b 第1櫛歯電極
220 内フレーム
221 内フレーム主部
221a,221b 第3櫛歯電極
222 電極基台
222a,222b 第2櫛歯電極
230 外フレーム
231 第1外フレーム部
232 第2外フレーム部
232a,232b 第4櫛歯電極
240,250 捩れ連結部
241,251,252 トーションバー
260 絶縁層
270 支持梁

Claims (9)

  1. フレームと、
    ミラー平面を有するミラー形成部と、
    前記フレームおよび前記ミラー形成部を連結するように延びるとともに、前記ミラー形成部を前記フレームに対して回転させるための回転軸心を規定し、さらに前記ミラー平面に対して平行する捩れ連結部と、を備え、
    前記捩れ連結部は、前記フレームと前記ミラー形成部との間において互いに独立して直線状に延びる2本のトーションバーからなり、当該2本のトーションバーは、前記捩れ連結部の幅を規定し、前記幅は、前記ミラー形成部に接続される部分では相対的に広く、前記フレームに至るまでは、前記ミラー形成部から遠ざかるにつれて徐々に狭くなり、
    前記ミラー形成部は第1櫛歯電極部を有し、
    前記フレームは、前記第1櫛歯電極部との間に静電力を生じさせることにより前記ミラー形成部を変位させるための第2櫛歯電極部を有し、
    前記第1櫛歯電極の歯と前記第2櫛歯電極の歯とは位置ずれするように配されていることを特徴とする、マイクロミラー素子。
  2. 前記2本のトーションバーのそれぞれは、前記2本のトーションバーの配列方向の幅寸法よりも前記配列方向に直交する方向の厚み寸法のほうが大である、
    請求項1に記載のマイクロミラー素子。
  3. 更に、追加フレームと、
    前記追加フレームおよび前記フレームを連結するように延びるとともに、前記フレームおよび前記ミラー形成部を前記追加フレームに対して回転させるための追加回転軸心を規定する追加捩れ連結部と、を備える、請求項2に記載のマイクロミラー素子。
  4. 前記追加捩れ連結部は、前記ミラー平面に対して平行であり、且つ前記追加フレームと前記フレームとの間において互いに独立して直線状に延びる2本のトーションバーからなり、当該2本のトーションバーは、前記追加捩れ連結部の第2の幅を規定し、前記第2の幅は、前記フレームに接続される部分では相対的に広く、前記追加フレームに至るまでは、前記フレームから遠ざかるにつれて徐々に狭くなる、請求項3に記載のマイクロミラー素子。
  5. 前記追加捩れ連結部における前記2本のトーションバーのそれぞれは、前記2本のトーションバーの配列方向の幅寸法よりも前記配列方向に直交する方向の厚み寸法のほうが大である、請求項4に記載のマイクロミラー素子。
  6. 内側フレームおよび外側フレームと、
    ミラー平面を有するミラー形成部と、
    前記内側フレームおよび前記ミラー形成部を連結するように延びるとともに、前記ミラー形成部を前記内側フレームに対して回転させるための第1回転軸心を規定する内側捩れ連結部と、
    前記内側フレームおよび前記外側フレームを連結するように延びるとともに、前記内側フレームおよび前記ミラー形成部を前記外側フレームに対して回転させるための第2回転軸心を規定する外側捩れ連結部と、を備え、
    前記外側捩れ連結部は、前記ミラー平面に対して平行であり、且つ前記外側フレームと前記内側フレームとの間において互いに独立して直線状に延びる2本のトーションバーからなり、当該2本のトーションバーは、前記外側捩れ連結部の幅を規定し、前記幅は、前記内側フレームに接続される部分では相対的に広く、前記外側フレームに至るまでは、前記内側フレームから遠ざかるにつれて徐々に狭くなり、
    前記ミラー形成部は第1櫛歯電極部を有し、
    前記内側フレームは、前記第1櫛歯電極部との間に静電力を生じさせることにより前記ミラー形成部を変位させるための第2櫛歯電極部を有し、
    前記第1櫛歯電極の歯と前記第2櫛歯電極の歯とは位置ずれするように配されていることを特徴とする、マイクロミラー素子。
  7. 前記2本のトーションバーのそれぞれは、前記2本のトーションバーの配列方向の幅寸法よりも前記配列方向に直交する方向の厚み寸法のほうが大である、請求項6に記載のマイクロミラー素子。
  8. 前記外側フレームは、第1外フレーム部と、当該第1外フレーム部に絶縁層を介して積層された第2外フレーム部とを有し、
    前記内側フレームは、内フレーム主部と、当該内フレーム主部に絶縁層を介して積層された電極基台とを有し、
    前記外側捩れ連結部はさらに第3のトーションバーを含み、
    前記第3のトーションバーは、前記内側フレームの前記内フレーム主部と前記外側フレームの前記第1外フレーム部とを架橋し、前記2本のトーションバーは、前記内側フレームの前記電極基台と前記外側フレームの前記第2外フレーム部とを架橋している、請求項6または7に記載のマイクロミラー素子。
  9. 前記フレームまたは前記内側フレームは第3櫛歯電極部を有し、前記追加フレームまたは前記外側フレームは、前記第3櫛歯電極部との間に静電力を生じさせることによって前記フレームまたは前記内側フレームと前記ミラー形成部とを変位させるための第4櫛歯電極部を有する、請求項3からのいずれか1つに記載のマイクロミラー素子。
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