JP5293402B2 - 高炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、通常操業時には乾式消火されたコークスを使用している高炉において、使用するコークスを湿式消火されたコークスに変更しても、大幅な設備投資を実施することなく、高炉を安定的に操業できる高炉の操業技術に関する。
高炉とは鉄鉱石から鉄を製造する装置であり、一般的に、炉上部から鉄源であり酸化物である鉄鉱石、鉄鉱石の還元材であるコークスおよび副原料である石灰石等の原料を装入し、炉下部の羽口からは高温の空気または酸素富化された高温の空気を吹き込み、炉底部から溶融状態の銑鉄が得られる。
羽口から吹き込まれた空気は、コークスの燃焼によりさらに高温のCOガスを発生する。この、高温(2000〜2300℃程度)のCOガスは、鉄鉱石を還元および鉄鉱石と熱交換しながら、炉上部へ上昇し、150〜200℃まで温度が低下し、炉外へ排出される。
高炉内では、ガスと固体との反応(還元および熱交換)を安定して行うことが、高炉の安定操業のために重要である。この反応を阻害する要因の一つとして、原料から発生または原料に混在する粉が挙げられる。原料とともに高炉内に持ち込まれる粉が増加し、炉内に形成される原料充填層に含まれる粉が増加すると、原料充填層の通気性が悪化し、吹き抜けと呼ばれる現象を引き起こす可能性がある。吹き抜けとは、通気性が悪化した高炉内において、比較的通気性の良い部分にガスが偏って流通する現象である。吹き抜けが生じると、固体とガスとの熱交換が十分に行われないため、ガスが高温のまま直接炉上部へ行くこととなる。そのため、この粉をいかにして炉内の原料充填層から低減させるかが、高炉の通気性確保、ひいては安定操業の観点から重要である。
鉄鉱石の還元材として用いられるコークスは、石炭をコークス炉で乾留して得られる炭材である。コークス炉から窯出しされた赤熱状態のコークスは、温度が高すぎて搬送設備を損傷させるため、そのままでは搬送できない。そのため、コークス炉とともにコークスの消火設備が設けられており、赤熱コークスは消火してから搬送される。
赤熱コークスの消火方法としては、従来は、消火塔からの散水による消火方法(いわゆる湿式消火;Coke Wet Quenching、以下「CWQ」と表記する)が主に用いられていた。しかし、赤熱コークスの保有する熱量の有効利用による省エネルギーや、消火時に発生する水蒸気の白煙や粉塵による公害の防止の見地等から、CWQに代えて、不活性ガスを冷却媒体として使用する消火方法(いわゆる乾式消火;Coke Dry Quenching、以下「CDQ」と表記する)が採用されている。
消火方法の違いにより、CDQにより消火されたコークス(以下、「CDQコークス」と表記する)は、CWQにより消火されたコークス(以下、「CWQコークス」と表記する)と比較して、水分含有率が低いという特徴がある。水分含有率は、CDQコークスで0〜1%程度、CWQコークスで2〜6%程度である。
コークスの乾式消火設備(以下、「CDQ設備」と表記する)は定期的に大規模な修理を行う必要があり、この修理期間中は使用する消火設備を湿式消火設備(以下、「CWQ設備」と表記する)に切り替えて操業を継続する。この切り替えは、CDQ設備の定期修理時のみならず、CDQ設備にトラブルが発生した場合にも行われる。この消火設備の切り替えにともない、高炉で使用するコークスがCDQコークスからCWQコークスに変更される。
上述のように、原料充填層の通気性の悪化を抑制するため、高炉内に持ち込まれる粉は極力少なくすることが重要である。そのため、原料に混在する粉は、高炉に装入される前に篩いにより除去される。しかし、原料に混在する粉、特に原料に付着した粉は篩いにより分離することが困難であり、原料の水分含有率が高いほど付着粉の量は増加するとともに分離が困難となる。
そのため、CDQコークスからCWQコークスに変更した場合には、高炉内に持ち込まれる粉の量が増加し、高炉内の通気性が悪化する。高炉の炉内通気性が悪化すると、羽口からの送風流量を低下させるアクションや、原料中のコークス比を増加させるアクションを取らざるを得ず、銑鉄生産量の低下や、原料費の増大による銑鉄生産コストの上昇を招来する。これは、CDQ設備の普及にともなって、より顕在化してきた問題といえる。
このような問題に対応するため、特許文献1や特許文献2では、高炉で使用するコークス等の原料を、炉内に装入する前に加熱して乾燥させることにより、水分含有率を低下させ、炉内に持ち込まれる粉を低減する方法が提案されている。また、特許文献3では、搬送時や高炉中において粉が発生しにくい、高強度を有する高品位のコークスを使用することで炉内に持ち込まれる粉を低減する方法が提案されている。
特開昭58−144404号公報 特開2008−303433号公報 特開平8−134517号公報
特許文献1および特許文献2に記載の技術を用いることにより、CWQコークスを高炉内に装入する前に加熱して乾燥させ、コークスの水分含有率を低下させることができる。しかし、この技術は、乾燥設備を設置するために多額の設備投資が必要であり、CDQ設備の大規模な修理やトラブル対応といった、短期的、突発的な事象への対応としては現実的ではない。
特許文献3に記載の技術を用いれば、コークスの水分含有率を低減させることはできないものの、コークス自体の強度を向上させることにより、高炉への搬送時および高炉の内部におけるコークスからの粉の発生を抑制でき、高炉内の通気性を改善できる。しかし、このような高品位のコークスを製造するには高品位の石炭を原料炭としてする必要があるため、昨今の原料炭の品位の低下および需給逼迫という状況下においてこのようなコークスを製造する場合には、原料炭の配合コストが大幅に上昇すると考えられる。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常操業時にはCDQコークスを使用している高炉において、使用するコークスをCWQコークスに変更しても、大幅な設備投資を実施することなく高炉内の通気性を確保し、高炉を安定的に操業できる高炉の操業技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために調査、研究を行い、高炉の炉頂ガスによる粉の排出能力(ダスト排出能力)に着目した。そして、コークスの水分含有率が増加すると、それにともなって、(1)コークスに付着する粉が増加する、(2)水分の気化熱による炉頂ガス温度の低下幅が増大するとともに炉口ガス流速の低下幅も増大し、高炉のダスト排出能力が低下する、(3)(1)および(2)の要因から高炉内の原料充填層での粉が増加する、という知見を得た。
すなわち、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに切り替えた場合には、コークスの水分含有率が増加して、炉口ガス流速が低下し、高炉のダスト排出能力が低下することが、炉内通気性を悪化させる要因の一つとなるという知見を得た。
本発明者らは、この知見に基づいて、使用コークスをCWQコークスに切り替えた場合でも、炉口ガス流速を増加させることにより、使用コークスの切り替えによる高炉のダスト排出能力の低下を抑制し、好ましくは高炉に持ち込まれる粉のうち付着粉として増加した分も排出できるようにダスト排出能力を向上させれば、大幅な設備投資を実施することなく高炉内の原料充填層における粉の増加を抑制し、高炉内の通気性および高炉の操業状況の悪化を抑制できることに想到した。
そして、炉口ガス流速を増加させる方法として、炉口温度の低下の原因となる原料の使用量を低減させる方法、および炉頂圧力を低減させる方法が適用できることを知見した。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、下記(1)〜(4)の、高炉の操業方法を要旨としている。
(1)高炉内に装入する原料として鉱石、石灰石およびコークスを使用し、操業途中で前記コークスを、乾式消火されたコークスから湿式消火されたコークスに変更する高炉の操業方法において、前記湿式消火されたコークスの使用時の炉口ガス流速を、前記乾式消火されたコークスの使用時の炉口ガス流速以上とすることを特徴とする高炉の操業方法。
(2)前記湿式消火されたコークスの使用時において、前記鉱石に占める結晶水含有鉱石の割合または前記高炉内に装入する原料に占める前記石灰石の割合のうち、少なくとも一方を、前記乾式消火されたコークスの使用時よりも低減することを特徴とする(1)に記載の高炉の操業方法。結晶水含有鉱石および石灰石は、高炉内において吸熱反応を生じる物質である。そのため、これらの割合を低減することにより、炉口ガスの温度の低下を抑制し、炉口ガス流速を上昇させることができる。
(3)前記湿式消火されたコークスの使用時において、前記鉱石に占める、焼結後に野積みされた焼結鉱の割合を、前記乾式消火されたコークスの使用時よりも低減することを特徴とする(1)および(2)に記載の高炉の操業方法。野積みされた焼結鉱は、他の鉱石と比較して水分含有率が高く、高炉内に水分が装入されるとその蒸発熱によって炉口ガスの温度が低下する。そのため、野積みされた焼結鉱の割合を低減することにより、炉口ガスの温度の低下を抑制し、炉口ガス流速を上昇させることができる。
(4)前記湿式消火されたコークスの使用時において、前記高炉の炉頂圧力を、前記乾式消火されたコークスの使用時よりも低減することを特徴とする(1)〜(3)に記載の高炉の操業方法。
本発明の高炉の操業方法によれば、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに変更しても、大幅な設備投資を実施することなく、高炉のダスト排出能力を維持または向上させることができ、高炉内の原料充填層における粉の増加を抑制して高炉内の通気性を確保し、高炉の安定操業を継続することができる。
炉口ガス流速と排出ダスト量との関係を示すグラフである。
本発明の高炉の操業方法は、高炉内に装入する原料として鉱石、石灰石およびコークスを使用し、操業途中で前記コークスを、乾式消火されたコークス(CDQコークス)から湿式消火されたコークス(CWQコークス)に変更する高炉の操業方法において、前記CWQコークスの使用時の炉口ガス流速を、前記CDQコークスの使用時の炉口ガス流速以上とすることを特徴とする高炉の操業方法である。以下に、この方法について詳細に説明する。
図1は、炉口ガス流速と排出ダスト量との関係を示すグラフである。図1に示すグラフは本発明者らの調査結果であり、このグラフから、炉口ガス流速(高炉炉頂部でのガス流速)の低下にともなって炉口から排出される粉の量、すなわち排出ダスト量が減少することがわかる。
そして、本発明者らはさらに調査を進め、上述のように、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに切り替えた場合には、高炉に装入される付着粉が増加するとともに、炉口ガス流速の低下により高炉のダスト排出能力が低下し、これらの要因から高炉内の原料充填層での粉が増加するという知見を得た。
また、炉口ガス流速R[m/s]は、下記(1)式により算出できる。
R=(V0/S)×T/T0×P0/P …(1)
ここで、上記(1)式中の各記号は下記の諸量を意味する。
0:標準状態での炉頂ガス流量[Nm3/s]
T:炉頂ガス温度[℃]
0:標準状態温度[℃]
P:炉頂圧力[Pa]
0:標準状態圧力[Pa]
S:炉口部断面積[m2
CWQコークスはCDQコークスよりも水分含有率が高いため、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに切り替えた場合には、高炉内における含有水分の蒸発熱が増加し、炉頂ガス温度Tが低下する。(1)式から、炉頂ガス温度Tが低下すると、炉口ガス流速Rが低下することがわかる。炉口ガス流速Rの低下は、高炉のダスト排出能力の低下を引き起こすため、高炉内の通気性が悪化する要因の一つとなる。
そのため、本発明では、CWQコークスを使用時の炉口ガス流速を、CDQコークスの使用時の炉口ガス流速以上となるように増加させることとした。これにより、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに切り替えた場合において、高炉内の原料充填層における粉の増加を抑制して高炉内の通気性を確保し、高炉の操業状況の悪化を抑制でき、安定した銑鉄の製造を継続することができる。
炉口ガス流速を増加させる方法について説明する。上記(1)式によると、炉頂ガス温度Tを上昇させることにより、炉口ガス流速Rを増加させることができる。
本発明者らは、炉頂ガス温度Tを上昇させる手段として、装入する原料に着目した。高炉に直接装入される原料のうち、鉱石には結晶水が含まれるものがあり、高結晶水と呼ばれる鉱石では、4〜7質量%程度の結晶水が含まれている。鉱石に含まれる結晶水は、高炉炉頂部において熱分解(Fe23・nH2O→Fe23+nH2O)し、その際に吸熱が生じるため、炉頂ガス温度Tを低下させる要因となる。また、スラグ成分の調整に用いられる副原料である石灰石も、高炉内で分解(CaCO3→CaO+CO2)する際に吸熱を生じる。
このような、高炉内で吸熱反応を起こす原料の配合割合を減少させること、好ましくは配合しないことにより、炉頂ガス温度Tを上昇させることができる。参考として、表1に、水および水蒸気の比熱、水の蒸発熱ならびに結晶水の分解熱および石灰石の分解熱を示す。
Figure 0005293402
また、高炉に装入される鉱石のうち、焼結機で焼結された後、ヤードと呼ばれる露天の原料在庫置き場に野積みされた焼結鉱(以下、「ヤード焼結鉱」とも表記する)は、水分含有率が約3.5%と比較的高い。そのため、CDQコークスの使用時にヤード焼結鉱を使用している場合には、使用コークスをCWQコークスに切り替える際にその使用を中止し、代替として焼結機から直接搬送されてくる、水分含有量が約0%と低い焼結鉱を使用することが、炉頂ガス温度Tを上昇させるために望ましい。
また、上記(1)式によると、炉頂圧力Pを低下させることによっても、炉口ガス流速Rを増加させることができ、実際に有効な手段である。これは、炉頂圧力Pを低下させることにより、炉口ガスの実ガスボリュームが増加するからである。
以上のようなアクションを取り、炉口ガス流速Rを増加させることにより、大幅な設備投資を実施しなくても、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに切り替えた際に、高炉のダスト排出能力を維持または向上させることができ、高炉内の通気性の悪化等の操業状況の悪化を引き起こすことなく、高炉の安定操業を継続することができる。
炉口ガス流速Rを増加させる方法としては、以上の方法の他に、羽口から吹き込むガスの流量を増加させることも考えられる。しかし、実際には、高炉内の通気性が悪化している状態では、羽口から吹き込むガスの流量を増加させても、通気性が比較的良好な部分において吹き抜けを生じさせるだけであり、高炉の操業状況を改善することはできない。
以下、本発明の効果を確認するために行った、高炉の操業試験について説明する。
1.試験方法
内容積2700m3、出銑比2.1t/m3/24h、炉頂圧力0.176MPaの高炉において、送風量3750Nm3/min、酸素富化率3.70%、使用コークスを全量CDQコークスとして操業していた途中で、使用コークスを全量CWQコークスに切り替えた。コークス比と微粉炭比の合計である還元材比は、いずれの実施例とも501kg/tで一定とした。コークス比は、可能な限り後述の試験番号1の結果と同等とすることとした。ただし、炉内の通気性を向上させるためにコークス比を上昇させた場合には、微粉炭比を低下させて、還元材比を調整した。また、実施例のうち本発明例では、使用コークスの切り替え時に表2に示すアクションを併せて実施した。
Figure 0005293402
表2に記載の実施例のうち、試験番号1は参考例であり、使用コークスを切り替えず、CDQコークスを継続して使用した。
試験番号2は、比較例であり、使用コークスを全量CWQコークスに切り替えた。使用コークス切り替え後の操業条件は、試験番号1と同様の、従来の操業条件とした。
試験番号3は、本発明例であり、使用コークスを全量CWQコークスに切り替えるとともに、アクション(1)として炉頂圧力の低減、およびアクション(2)として鉱石に占める結晶水含有鉱石の割合の低減を行った。
試験番号4は、本発明例であり、使用コークスを全量CWQコークスに切り替えるとともに、試験番号3のアクション(1)および(2)に加えて、アクション(3)としてヤード焼結鉱の一部の焼結機直送の焼結鉱への置換、およびアクション(4)として装入する石灰石の低減を行った。
試験番号3および試験番号4の実施例において、アクション(1)では、炉頂圧力を使用コークスの切り替え前の0.176MPaから0.0098MPa低減し、アクション(2)では、原料中の装入結晶水を使用コークスの切り替え前よりも10t/24h低減した。装入結晶水の低減は、結晶水を約6%含有する鉱石の、原料中の全鉱石に占める割合を、使用コークスの切り替え前と比較して3質量%低減することにより行った。
試験番号4の実施例において、アクション(3)では、使用コークスの切り替え前に使用した鉱石中のヤード焼結鉱のうち5質量%を焼結機から直送した焼結鉱に置換し、アクション(4)では、石灰石の使用量を使用コークスの切り替え前よりも10t/24h低減した。
2.試験結果
表2には、試験条件とともに試験結果を示す。評価項目は出銑量およびコークス比とした。評価欄では、これらの項目について試験番号1の結果を基準として総合的に対比した評価結果を記号(◎、○および×)で表示する。表2には、参考値として、微粉炭比、送風圧力、炉口ガス流速および排出ダスト量を示す。
評価欄において、◎は、出銑量、コークス比ともに試験番号1と同等であり、良好であったことを示す。○は、出銑量は試験番号1と同等であるものの、コークス比が試験番号1よりも上昇しており、可であったことを示す。×は、出銑量は試験番号1よりも少なく、かつコークス比は試験番号1よりも上昇しており、不可であったことを示す。
試験番号2の比較例では、試験番号1の参考例と比較して、出銑量が低下するとともにコークス比が上昇しており、評価は×であった。出銑量の低下は、CWQコークスに付着して高炉内に持ち込まれる粉が増加して炉内の通気性が悪化し、炉口ガス流速が低下したことによる。送風条件を試験番号1と同一としているにもかかわらず送風圧力が試験番号1よりも高いのは、炉内の通気性が悪化したことによる。また、コークス比の上昇は、炉内の通気性を向上させるために作為的に行ったものである。
試験番号3の本発明例では、試験番号1の参考例と比較して、出銑量は同等であり、コークス比は上昇しており、評価は○であった。出銑量が試験番号1と同等であったのは、炉頂圧力を低下させるとともに、炉頂ガス温度の低下の原因となる装入結晶水を減少させたため、炉口ガス流速が試験番号1と同等にまで上昇し、試験番号2と比べて高炉のダスト排出能力が向上したことによる。ダスト排出能力の向上は、試験番号3では排出ダスト量が78.0t/24hであり、CWQコークスを使用した試験番号2では62.7t/24hであったことからもわかる。
試験番号3におけるコークス比の上昇は、炉内の通気性を向上させるために作為的に行ったものである。送風圧力が試験番号1よりも低かったことから、炉内の通気性は試験番号1よりも向上していたことがわかる。
試験番号4の本発明例では、試験番号1の参考例と比較して、出銑量およびコークス比はともに同等であり、評価は◎であった。出銑量が試験番号1と同等であったのは、炉頂圧力を低下させるとともに、炉頂ガス温度の低下の原因となる装入結晶水、石灰石およびヤード焼結鉱を減少させたため、炉口ガス流速が試験番号1以上にまで上昇し、試験番号2と比べて高炉のダスト排出能力が向上したことによる。ダスト排出能力の向上は、試験番号3では排出ダスト量が119.1t/24hであったことからもわかる。
試験番号4では、ダスト排出能力の向上によって、炉内に持ち込まれる粉が減少した。そのため、コークス比を増加させず、試験番号1と同等としたにもかかわらず、炉内の通気性が試験番号1よりも向上した。
表3に、参考として本実施例におけるアクション(1)〜(4)およびCWQコークスとCDQコークスとの水分含有率の差の、炉口ガス流速への影響を示す。表3におけるアクション(3)の「−10%」とは、ヤード焼結鉱のうち10質量%を焼結機から直送の焼結鉱に置換したことを表す。
Figure 0005293402
表3から、いずれのアクションとも炉口ガス流速を上昇させる効果を有することがわかる。また、CDQコークスからCWQコークスに切り替えることにより、炉口ガス流速が低下することがわかる。
本発明の高炉の操業方法によれば、使用コークスをCDQコークスからCWQコークスに変更しても、大幅な設備投資を実施することなく、高炉のダスト排出能力を維持または向上させることができ、高炉の安定操業を継続することができる。したがって、本発明の方法は、CDQコークスを使用する高炉の操業において、CDQ設備の大規模な修理やトラブルに対応する方法として、広範に適用できる実用的価値の高い技術である。

Claims (4)

  1. 高炉内に装入する原料として鉱石、石灰石およびコークスを使用し、操業途中で前記コークスを、乾式消火されたコークスから湿式消火されたコークスに変更する高炉の操業方法において、
    前記湿式消火されたコークスの使用時の炉口ガス流速を、前記乾式消火されたコークスの使用時の炉口ガス流速以上とすることを特徴とする高炉の操業方法。
  2. 前記湿式消火されたコークスの使用時において、前記鉱石に占める結晶水含有鉱石の割合または前記高炉内に装入する原料に占める前記石灰石の割合のうち、少なくとも一方を、前記乾式消火されたコークスの使用時よりも低減することを特徴とする請求項1に記載の高炉の操業方法。
  3. 前記湿式消火されたコークスの使用時において、前記鉱石に占める、焼結後に野積みされた焼結鉱の割合を、前記乾式消火されたコークスの使用時よりも低減することを特徴とする請求項1または2に記載の高炉の操業方法。
  4. 前記湿式消火されたコークスの使用時において、前記高炉の炉頂圧力を、前記乾式消火されたコークスの使用時よりも低減することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉の操業方法。
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