JP5293042B2 - 欠陥画素判定方法、欠陥画素判定プログラム、放射線画像検出器を用いた画像生成方法、放射線画像検出器、及び放射線画像生成システム - Google Patents

欠陥画素判定方法、欠陥画素判定プログラム、放射線画像検出器を用いた画像生成方法、放射線画像検出器、及び放射線画像生成システム Download PDF

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Description

本発明は、欠陥画素判定方法、欠陥画素判定プログラム、放射線画像検出器を用いた画像生成方法、放射線画像検出器、及び放射線画像生成システムに関するものである。
通称フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:FPD)と呼ばれる固体撮像素子を2次元的に配置した放射線画像検出器には、検出素子として、a−Se(アモルファスセレン)のような光導電物質を用いて放射線エネルギーを直接電荷に変換し、この電荷を2次元的に配置されたTFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等の信号読み出し用のスイッチ素子によって画素単位に電気信号として読み出す直接方式や、放射線エネルギーをシンチレータ等で光に変換し、この光を2次元的に配置されたフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換してTFT等によって電気信号として読み出す間接方式等が良く知られている。
そして、いずれの方式においても、被写体を透過してきた放射線を放射線画像検出器で検出して得られた実写画像データに対してゲイン補正やオフセット補正等を行い、実写画像データを補正する必要があることが知られている。
一般的に、実写画像データの補正では、下記(1)式に示されるとおり、放射線画像検出器の各放射線検出素子(センサパネル部における座標は(x,y))から出力された実写画像データF(x,y)からオフセット補正値O(x,y)を差し引き、その差分にゲイン補正値G(x,y)を乗算することにより、最終的な画像データF(x,y)を得るようにして補正が行われる。なお、放射線画像検出器の1つの放射線検出素子から出力される実写画像データF(x,y)に基づいて生成される画像データF(x,y)は、撮影画像(すなわち放射線画像)における1画素分の画像データに相当するため、以下、放射線検出素子のことを画素と呼ぶ場合がある。
(x,y)=(F(x,y)−O(x,y))×G(x,y) …(1)
このように、実写画像データの補正では、オフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)を得ることが必要となるため、放射線画像検出器に対してキャリブレーションを定期的に行い、経時的に特性が変動し得るオフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)を更新するのが一般的である。
しかしながら、この方法では、キャリブレーションを行った時の放射線画像検出器内の各素子の温度と、放射線画像撮影を実施した時の放射線画像検出器内の各素子の温度が一致していることが前提となるため、キャリブレーションを行った時の放射線画像検出器内の各素子の温度と、放射線画像撮影を実施した時の放射線画像検出器内の各素子の温度が異なる場合は、特に温度依存性の高いオフセット補正値O(x,y)が適正な値からずれてしまい、最終的な画像データF(x,y)のSN比を劣化させてしまうという問題がある。
この問題を解決するために、放射線画像撮影ごとに、撮影の直前や直後に放射線を照射しない状態で各放射線検出素子からの出力値(以下、ダーク読取値D(x,y)という。また、ダーク読取値をダーク画像と呼ぶ場合がある。)を検出して、当該放射線画像撮影におけるオフセット補正値O(x,y)が算出される場合もある。
これは、放射線画像撮影で実写画像データF(x,y)が得られた時点における放射線検出素子の温度特性とできるだけ同じ温度条件下でオフセット補正値O(x,y)を得るための処理である。
しかし、実写画像データF(x,y)を取得する場合と同様に、ダーク読取値D(x,y)を取得する際にも、各種電気ノイズ、すなわち、フォトダイオードの暗電流ノイズ、TFT過渡ノイズ、TFTサーマルノイズ、TFTリークノイズ、TFTから電荷を読み出すデータラインの寄生容量によって生じるサーマルノイズ、読み出し回路内部のアンプノイズ、A/D変換によって生じる量子化ノイズなどが影響するため、仮に同一の温度条件下でダーク読取値D(x,y)を読み取ったとしても、ダーク読取値D(x,y)には、これら電気ノイズに起因する信号値のゆらぎ(ばらつき)が生じる。
そのため、放射線画像撮影の直前や直後にダーク読取値D(x,y)を読み取るとしても、読み取られたダーク読取値D(x,y)の値がすなわちその温度条件等の撮影条件におけるオフセット補正値O(x,y)の真値であるとは必ずしも言えない。そこで、放射線画像撮影の直前や直後にダーク読取を複数回行って各ダーク読取値D(x,y)の平均値を算出し、その平均値をオフセット補正値O(x,y)として採用することがしばしば行われる(例えば特許文献1〜3等参照)。
これは、放射線画像撮影の直前や直後に、放射線画像撮影における放射線検出素子等の温度特性と同じ温度条件下で複数回読み出されたダーク読取値D(x,y)の平均値を算出すれば、ダーク読取値D(x,y)のゆらぎが緩和、若しくは相殺されるため、その平均値は、その撮影条件下におけるオフセット補正値O(x,y)の真値に等しく、或いは少なくともそれに近い値となるという考えに基づくものである。そして、その平均値であるオフセット補正値O(x,y)を用いて実写画像データF(x,y)を補正すれば、補正後の最終的な画像データF(x,y)のSN比を良好なものとすることができる。
一方、このようなオフセット補正をはじめとする補正処理等の画像処理は、従来から、放射線画像検出器等の撮影装置とは異なる画像処理プロセッサやコンソール等の処理装置で行われることも多い(例えば、特許文献4等参照)。また、近年、バッテリを内蔵し、ケーブルを介さずに無線方式により外部の処理装置等との間で実写画像データF(x,y)等の送受信を行うポータブルの放射線画像検出器が開発されている(例えば、特許文献5等参照)。
また、放射線画像検出器では、製造過程において、正常な画素値を出力できない欠陥画素が発生することがある。例えば、欠陥画素の例としては、定常的に大きな画素値を出力する画素(例えば、信号値が常に飽和レベルまで達している画素)や、もしくは定常的に小さな画素値しか出力しない画素(例えば、常に信号値がゼロレベルの値しか出力しない画素)、また、常に一定の信号値しか出力しない画素(放射線を照射しても出力する画素値が変化しない画素)などがある。
これら欠陥画素は、TFT製造過程で発生する場合もあるし、TFT上に光電変換素子を形成する際に発生する場合もある。放射線画像検出器では、照射した放射線量に比例して画素値が適正に変化することが求められるが、これら欠陥画素では、照射した放射線量に応じた正常な画素値の変化は期待できない。
診断画像に対してこのような欠陥画素が発生すると、誤診の原因になったり、診断行為の妨げになるため、欠陥画素が存在する場合は、この欠陥画素を周囲の画素値を用いて補間処理により補正を行い、最終的な画像データF(x,y)中に欠陥画素が視認できないように処理することが求められる。
このような補正処理を行うためには、予め欠陥画素の画素位置が分かっていなければならない。このような欠陥画素は、製造後の出荷検査や、定期的なキャリブレーション時に放射線照射を伴う検査を実施することで検出され、検出された欠陥画素の画素位置が欠陥画素マップに登録される(例えば、特許文献6参照)。この欠陥画素マップは放射線画像検出器毎に構築され、以後、個々の放射線画像検出器と対応付けて運用、管理される。
前述したオフセット補正、ゲイン補正を行う際にも、この欠陥画素マップが参照され、欠陥画素の画素値をオフセット補正やゲイン補正に誤って使用しないように管理される。
米国特許第5452338号明細書 米国特許第6222901号明細書 米国特許第7041955号明細書 特開平11−113889号公報 特開平7−140255号公報 特開2001−8198号公報
欠陥画素の例として、定常的に大きな画素値を出力する画素(例えば、信号値が常に飽和レベルまで達している画素)や、もしくは定常的に小さな画素値しか出力しない画素(例えば、常に信号値がゼロレベルの値しか出力しない画素)、また、常に一定の信号値しか出力しない画素(放射線を照射しても出力する画素値が変化しない画素)を上げたが、これらの欠陥画素は非常に容易に検出することができる。
また、これまでの欠陥画素判別方法では、欠陥画素を判別する際、放射線の照射を行った画像情報を用いて欠陥画素を検出していたため、画像生成のために使用される時間の関係で、欠陥画素を判別するために使用する画像数が数枚からせいぜい十数枚に限定されてしまうという問題があった。
また、このような欠陥画素は、経時的に増加する傾向にある、そのため、工場出荷時に欠陥画素を登録しておけば安全ということではなく、ユーザー環境に設置後も、定期的にキャリブレーションを行い、新たな欠陥画素や異常画素が発見された場合には、その画素位置を欠陥画素マップに登録したり、欠陥画素として適切に処理することが好ましい。しかしながら、ユーザー先に設置後に行うキャリブレーション作業においても、定期的にユーザーに複数回の放射線照射を義務づけることになり、ユーザーの作業負荷が増大するという課題があった。
また、キャリブレーション処理により欠陥画素を判別する際に、放射線画像検出器内の各素子の温度変動を考慮した欠陥画素を判別する方法が提案されていないため、温度変化の影響を受けずに精度良く欠陥画素を判定することが困難であった。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、放射線画像検出器の放射線検出素子が欠陥画素か否かを的確に判定することが可能な欠陥画素判定方法、欠陥画素判定プログラム、放射線画像検出器を用いた画像生成方法、放射線画像検出器、及び放射線画像生成システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の欠陥画素判定方法は、
被写体を透過した放射線を放射線画像検出器の2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して実写画像データを生成し、生成された前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する放射線画像検出器における欠陥画素判定方法であって、
キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の前記放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値の前記複数回分の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定するものであり、
前記一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において、各回のダーク読取ごとに、当該一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値と、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の統計値との差分であることを特徴とする。
また、本発明の欠陥画素判定プログラムは、
被写体を透過した放射線を放射線画像検出器の2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して実写画像データを生成し、生成された前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する放射線画像検出器内に設けられたコンピュータに、
キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の前記放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値の前記複数回分の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定する欠陥画素判定機能を実現させるための欠陥画素判定プログラムであって、
前記一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において、各回のダーク読取ごとに、当該一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値と、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の統計値との差分であることを特徴とする。
さらに、本発明の放射線画像検出器を用いた画像生成方法は、
被写体を透過した放射線を放射線画像検出器の2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して実写画像データを生成し、生成された前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する放射線画像検出器を用いた画像生成方法であって、
キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の前記放射線検出素子から出力されたダーク読取値の前記複数回分の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定し、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であると判定した場合に登録する欠陥画素判定ステップと、
被写体を透過した放射線を前記複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して前記実写画像データを生成する実写画像データ取得ステップと、
前記実写画像データ取得ステップの前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行うダーク読取ステップと、
一の前記放射線検出素子について、当該一の放射線検出素子と同様に温度変動し、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値に基づき、今回の前記ダーク読取における第1の空間的統計値を算出し、その算出処理を前記2次元状に配置された前記複数の放射線検出素子について行って、それぞれ前記第1の空間的統計値を算出する第一統計値算出ステップと、
過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数個のダーク読取値の第1の時間的統計値、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた前記複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の第2の空間的統計値の、前記複数回行われたダーク読取についての第2の時間的統計値を算出する第二統計値算出ステップと、
前記第一統計値算出ステップ及び前記第二統計値算出ステップで当該一の放射線検出素子に関して算出された前記第1の空間的統計値と、前記第1の時間的統計値と、前記第2の時間的統計値とに基づいて、当該一の放射線検出素子に対するオフセット補正値を算出し、その算出処理を前記複数の放射線検出素子に対して行ってそれぞれ前記オフセット補正値を算出するオフセット補正値算出ステップと、
を有し、
前記統計値算出ステップにおける前記空間的統計値の算出、及び前記オフセット補正値算出ステップでキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の前記各空間的統計値の算出においては、前記欠陥画素判定ステップで前記欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子がある場合には、当該放射線検出素子について置換処理又は補間処理を行って各算出を行うことを特徴とする。
また、本発明の放射線画像検出器は、
2次元状に配置された複数の放射線検出素子と、判定手段と、画像データ取得手段と、生成された実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する補正手段と、を備え、
前記判定手段は、
キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値の前記複数回の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定し、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であると判定した場合に登録し、
前記画像データ取得手段は、
キャリブレーション時には、ダーク読取を複数回行って、各放射線検出素子から前記複数回分のダーク読取値を出力し、
放射線画像撮影において、被写体を透過した放射線を前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して前記実写画像データを生成し、
前記放射線画像撮影の前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行い、
前記補正手段は、
一の前記放射線検出素子について、当該一の放射線検出素子と同様に温度変動し、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値に基づき、今回の前記ダーク読取における第1の空間的統計値を算出し、その算出処理を前記2次元状に配置された前記複数の放射線検出素子について行って、それぞれ前記第1の空間的統計値を算出し、
過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数個のダーク読取値の第1の時間的統計値、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた前記複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の第2の空間的統計値の、前記複数回行われたダーク読取についての第2の時間的統計値を算出し、
前記第一統計値算出ステップ及び前記第二統計値算出ステップで当該一の放射線検出素子に関して算出された前記第1の空間的統計値と、前記第1の時間的統計値と、前記第2の時間的統計値とに基づいて、当該一の放射線検出素子に対するオフセット補正値を算出し、その算出処理を前記複数の放射線検出素子に対して行ってそれぞれ前記オフセット補正値を算出し、
前記画像データ取得手段で生成された前記実写画像データから、各画素ごとに、前記各オフセット補正値をそれぞれ差し引いて、前記実写画像データを補正して最終的な画像データを生成するとともに、
放射線画像撮影の前又は後に少なくとも1回行われたダーク読取で前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の空間的統計値の算出、及びキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の前記各空間的統計値の算出においては、前記判定手段により欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子がある場合には、当該放射線検出素子について置換処理又は補間処理を行って各算出を行うことを特徴とする放射線画像検出器。
することを特徴とする。
また、本発明の放射線画像生成システムは、
2次元状に配置された複数の放射線検出素子と、画像データ取得手段と、実写画像データ及びダーク読取値を送信する通信手段とを備える放射線画像検出器と、
前記放射線画像検出器から前記実写画像データ及び前記ダーク読取値を取得して、取得した前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成するコンソールと、
を備え、
前記放射線画像検出器の前記画像データ取得手段は、
キャリブレーション時には、ダーク読取を複数回行って、各放射線検出素子から前記複数回分のダーク読取値を出力し、
放射線画像撮影において、被写体を透過した放射線を前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して前記実写画像データを生成し、
前記放射線画像撮影の前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行って前記ダーク読取値を出力し、
前記コンソールは、
前記通信手段を介して前記放射線画像検出器から前記実写画像データ及び前記ダーク読取値を取得し、
当該放射線画像検出器におけるキャリブレーション時のダーク読取で各放射線検出素子から出力されたダーク読取値を取得し、キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取で各放射線検出素子から出力された前記複数回分のダーク読取値から算出した時間的統計値と予め設定された閾値とを比較して、各放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定し、欠陥画素であると判定した放射線検出素子がある場合には登録し、
前記放射線画像検出器の一の前記放射線検出素子について、当該一の放射線検出素子と同様に温度変動し、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値に基づき、今回の前記ダーク読取における第1の空間的統計値を算出し、その算出処理を前記2次元状に配置された前記複数の放射線検出素子について行って、それぞれ前記第1の空間的統計値を算出し、
過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数個のダーク読取値の第1の時間的統計値、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた前記複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の第2の空間的統計値の、前記複数回行われたダーク読取についての第2の時間的統計値を算出し、
前記第一統計値算出ステップ及び前記第二統計値算出ステップで当該一の放射線検出素子に関して算出された前記第1の空間的統計値と、前記第1の時間的統計値と、前記第2の時間的統計値とに基づいて、当該一の放射線検出素子に対するオフセット補正値を算出し、その算出処理を前記複数の放射線検出素子に対して行ってそれぞれ前記オフセット補正値を算出し、
前記画像データ取得手段で生成された前記実写画像データから、各画素ごとに、前記各オフセット補正値をそれぞれ差し引いて、前記実写画像データを補正して最終的な画像データを生成し、
放射線画像撮影の前又は後に少なくとも1回行われたダーク読取で前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の空間的統計値の算出、及びキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の前記各空間的統計値の算出においては、前記欠陥画素であると判定して登録されている放射線検出素子がある場合には、当該放射線検出素子について置換処理又は補間処理を行って各算出を行うことを特徴とする。
本発明のような方式の欠陥画素判定方法、欠陥画素判定プログラム、放射線画像検出器を用いた画像生成方法、放射線画像検出器、及び放射線画像生成システムによれば、ダーク読取値のゆらぎの分布において、例えば標準偏差が格段に大きかったり、ゆらぎの分布における平均値が異常な値となるような放射線検出素子を的確に見出して、その放射線検出素子を的確に欠陥画素であると判定して登録することが可能となる。
そのため、そのような欠陥画素を予め登録しておくことで、オフセット補正値を算出したり、実写画像データを補正して最終的な画像データを生成する際に、そのような欠陥画素の悪影響を的確に排除することが可能となり、最終的な画像データのSN比を良好なものとすることが可能となる。また、欠陥画素を予め登録しておくことで、その他の要因で欠陥画素として登録された欠陥画素群と同様に、例えば欠陥画素マップの形で一括して統一的に登録、管理することが可能となる。
更に、放射線画像撮影の前又は後の1回(又は2回程度)のダーク読取を行うだけで、特性変動により正常から異常へと変化した画素を的確に見分けることができる。
また、上記の本発明の欠陥画素判定方法を用いて欠陥画素判定が行われるため、放射線検出素子が欠陥画素であるか否かが的確に判定され、欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子に対して置換や補間等の適切な処理が行われて、実写画像データやオフセット補正値が算出される。そのため、有効なオフセット補正値を的確に取得することが可能となるとともに、最終的に得られる画像データのSN比を良好なものとすることが可能となる。
また、使用開始後に、各放射線検出素子の特性変動により異常を示しはじめた画素についても、1回(又は2回程度)のダーク読取を行うだけで、特性変動により正常から異常(欠陥)へと変化した画素を的確に見分けることができるので、放射線画像検出器1がバッテリ内蔵型であり、読取値を無線通信するような場合でも、読取及び送信が1回(又は2回程度)で済むため、送信に要する電力消費が低減されて内蔵バッテリの消耗を防止することが可能となる。
以下、本発明に係る欠陥画素判定方法、欠陥画素判定プログラム、放射線画像検出器を用いた画像生成方法、放射線画像検出器、及び放射線画像生成システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
[放射線画像検出器の基本的な構成]
まず、以下の欠陥画素判定方法や放射線画像検出器を用いた画像生成方法等の説明の前提となる放射線画像検出器の基本的な構成について説明する。
放射線画像検出器(フラットパネルディテクタ)1は、図1に示すように、内部を保護する筐体2を備えており、筐体2の放射線入射面Xの内側には、照射された放射線を光に変換する図示しないシンチレータ層が形成されている。シンチレータ層は、例えばCsI:TlやGdS:Tb、ZnS:Ag等の母体内に発光中心物質が付活された蛍光体を用いて形成されたものを用いることができる。
シンチレータ層の放射線が入射する側の面とは反対側の面側には、図2の等価回路図に示すように、放射線検出素子として、シンチレータ層から出力された光を電気信号に変換する複数のフォトダイオード14が2次元状に配置されたセンサパネル部4が設けられている。1つのフォトダイオード14から出力される電荷(信号値)は1つの画素を形成する。また、後で詳しく説明するように、各フォトダイオード14にはそれぞれ信号読み出し用のスイッチ素子であるTFT15が接続されている。
なお、以下では、上記のようにシンチレータ層で放射線を光に変換してフォトダイオード等の光電変換素子で検出する、いわゆる間接方式の放射線画像検出器1を用いる場合について説明するが、放射線画像検出器は、この他にも、前述したシンチレータ層を介さず検出素子で入射した放射線を直接電気信号に変換する、いわゆる直接方式の放射線画像検出器を用いることも可能であり、その場合にも本発明を適用することが可能である。
また、以下、これらの各方式の放射線画像検出器に用いられる検出素子を、あわせて放射線検出素子という。すなわち、放射線検出素子は、例えば本実施形態のような間接方式の放射線画像検出器1では1個のフォトダイオード14、それに接続されたTFT15及びシンチレータ層の当該フォトダイオード14に対応する部分で構成され、例えば直接方式の放射線画像検出器では検出素子とそれに接続されたTFT等のスイッチ素子とで構成される。
放射線画像検出器1には、バッテリ21(図2参照)が内蔵されている。また、図1に示すように、本実施形態では、放射線画像検出器1の筐体2の側面部分に設けられたバッテリ交換用の蓋部材10には、無線通信手段であるアンテナ装置3が埋め込まれて設けられている。さらに、筐体2の側面部分には、放射線画像検出器1の電源スイッチ11や各種の操作状況等を表示するインジケータ12等が設けられている。
図2に示すように、センサパネル部4の近傍には、センサパネル部4の各放射線検出素子の出力値を読み取る読取部5が設けられている。読取部5は、マイクロコンピュータ等からなる制御手段6や、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等からなる記憶手段7、走査駆動回路8、読み出し回路9等で構成されている。
センサパネル部4に2次元状に配置された複数の放射線検出素子には、図3に示すように、それぞれセンサパネル部4における放射線検出素子の行方向の位置xと列方向の位置yとを各成分とする座標(x,y)が当該放射線検出素子の番号(x,y)として予め割り当てられている。以下、個々の放射線検出素子を特定する場合には、放射線検出素子(x,y)という。
なお、図3では、8×16個の放射線検出素子(x,y)が記載されているが、これは簡略化して表現したものであり、実際にはさらに多くの放射線検出素子(x,y)が2次元状に配置されていてそれぞれ番号が割り当てられている。また、座標(x,y)(すなわち放射線検出素子の番号(x,y))を画素の番号(x,y)もしくは画素位置(x.y)と標記する場合もある。
センサパネル部4及び読取部5の構成についてさらに説明すると、図2の等価回路図に示すように、センサパネル部4の各放射線検出素子(x,y)の一方の電極にはそれぞれ信号読み出し用のスイッチ素子であるTFT15のソース電極が接続されている。また、各放射線検出素子(x,y)の他方の電極にはバイアス線Lbが接続されており、バイアス線Lbはバイアス電源16に接続されていて、バイアス電源16から各放射線検出素子(x,y)にバイアス電圧が印加されるようになっている。
各TFT15のゲート電極はそれぞれ走査駆動回路8から延びる走査線Llに接続されており、各TFT15のドレイン電極はそれぞれ信号線Lrに接続されている。各信号線Lrは、それぞれ読み出し回路9内の増幅回路17に接続されており、各増幅回路17の出力線はそれぞれサンプルホールド回路18を経てアナログマルチプレクサ19に接続されている。また、アナログマルチプレクサ19にはA/D変換器20が接続されており、読み出し回路9はA/D変換器20を介して制御手段6に接続されている。制御手段6には、記憶手段7が接続されている。
放射線画像検出器1では、図示しない被写体を撮影する放射線画像撮影において、被写体を透過した放射線がシンチレータ層に入射すると、シンチレータ層からセンサパネル部4に光が照射され、光の照射を受けた量に応じて、放射線検出素子(x,y)内に電荷が蓄積される。
そして、放射線画像撮影を終了し、放射線画像検出器1から実写画像データを電気信号として読み出す際には、走査線LlからTFT15のゲート電極に読み出し電圧を印加して各TFT15のゲートを開き、放射線検出素子(x,y)からTFT15を介して蓄積された電荷を電気信号として信号線Lrに取り出す。そして、電気信号を増幅回路17で増幅する等して、アナログマルチプレクサ19から順次A/D変換器20を介して制御手段6に出力する。
制御手段6は、放射線検出素子(x,y)から出力され増幅された電気信号を、前述した放射線検出素子(すなわち画素)の番号(x,y)と対応付け、実写画像データF(x,y)として記憶手段7に保存するようになっている。
TFT15に読み出し電圧を印加する走査線Llを順次走査して上記の読み出し処理を走査線Llごとに行うことで、センサパネル部4の全放射線検出素子(x,y)から電気信号をそれぞれ読み出し、各電気信号にそれぞれ画素の番号(x,y)を対応付け、各実写画像データF(x,y)として記憶手段7に保存するようになっている。
このように、放射線画像検出器1では、複数の放射線検出素子(x,y)が2次元状に配置されたセンサパネル部4や、制御手段6や走査駆動回路8、読み出し回路9等で構成された読取部5等で、実写画像データF(x,y)を取得する画像データ取得手段が形成されている。
また、放射線画像検出器1の画像データ取得手段では、上記のような実写画像データF(x,y)の取得のみならず、ダーク読取も行われるようになっている。
ダーク読取では、放射線画像検出器1の複数の放射線検出素子(x,y)をリセットして電荷を放出させた後、各TFT15のゲートを閉じて、放射線画像検出器1を放射線が照射されない状態に保つ。そして、所定時間経過後(通常は、放射線照射時の放射線検出素子(x,y)への電荷蓄積時間と同じ時間経過後)、走査線LlからTFT15のゲート電極に読み出し電圧を印加して各TFT15のゲートを開き、各放射線検出素子(x,y)に溜まった電荷(暗電荷)を信号線Lrに取り出し、上記と同様に、出力値を増幅回路17で増幅する等してアナログマルチプレクサ19から順次A/D変換器20を介して制御手段6に出力する。
このようにして、放射線が曝射されない各放射線検出素子(x,y)から出力される電気信号がダーク読取値である。制御手段6は、各放射線検出素子(x,y)から出力された各電気信号を各画素の番号(x,y)と対応付けてダーク読取値D(x,y)として記憶手段7に保存するようになっている。なお、TFT15に読み出し電圧を印加する走査線Llを順次走査して、全放射線検出素子(x,y)からダーク読取値D(x,y)が読み出される。
なお、前述したように、放射線画像検出器1では、各放射線検出素子(x,y)からの出力値特性変動把握のために各放射線検出素子(x,y)のキャリブレーションが行われる。通常の場合、キャリブレーションでは、被写体が介在しない状態で放射線画像検出器1に放射線を照射し、各放射線検出素子(x,y)から出力された実写画像データF(x,y)に基づいて各放射線検出素子(x,y)ごとにゲイン補正値が算出される。
また、キャリブレーションでは複数回ダーク読取も行われ、ダーク読取では、放射線画像検出器1に放射線を照射せずに各放射線検出素子(x,y)からダーク読取値D(x,y)が出力され、出力されたダーク読取値D(x,y)に基づいて各放射線検出素子(x,y)ごとにオフセット補正値が算出される。
さらに、放射線画像撮影で実写画像データF(x,y)が得られた時点における放射線検出素子(x,y)の温度特性等の撮影条件と同じ撮影条件下でオフセット補正値を得るために、放射線画像撮影ごとに、撮影の直前又は直後に放射線を照射しない状態で各放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)を複数回検出して、その平均値を当該放射線画像撮影におけるオフセット補正値として算出する場合もあることは前述した通りである。
[放射線画像検出器の各放射線検出素子のオフセット補正値取得の原理]
さて、本発明に係る欠陥画素判定方法の説明の前に、本発明に係る放射線画像検出器を用いた画像生成方法等における放射線画像検出器の各放射線検出素子(各画素)のオフセット補正値取得の原理について説明する。
各放射線検出素子(x,y)から出力された実写画像データF(x,y)を上記(1)式に従って補正するために、オフセット補正値(以下、O(x,y)と表す。)の真値が必要となる。しかし、前述したように、ダーク読取を行って実際に得られるデータは、前述した電気ノイズ等の影響のためにゆらぐ(変動する、もしくは誤差を持つ)ダーク読取値D(x,y)であり、オフセット補正値O(x,y)の真値を直接的には得ることはできない。
そこで、従来は、前述したように、放射線画像撮影の直前や直後に、時間的に連続して複数回のダーク読取を行って一の放射線検出素子(x,y)から出力される複数のダーク読取値D(x,y)の平均値を算出してゆらぎを緩和、若しくは、相殺し、その平均値をオフセット補正値O(x,y)とする手法を採用した。
具体的には、ダーク読取をK回行うとし、図4に示すように、k回目(k=1〜K)のダーク読取で当該放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値をD(x,y)とすると、例えば図5に示すように、各ダーク読取で当該放射線検出素子(x,y)から出力される各ダーク読取値D(x,y)は平均値Dkave(x,y)、標準偏差σDk(x,y)の正規分布を形成するようにゆらぐことが知られている。これは、当該一の放射線検出素子(x,y)に対して繰り返しダーク読取を行うと、取得されるダーク読取値の値が、同じ画素位置であるにも関わらず読取り毎にゆらぐ(変動する、もしくは誤差を持つ)ことから、このゆらぎを「時間的ゆらぎ」と定義する。ゆらぎの大きさを表す統計的指標には、通常、ゆらぎの分布の標準偏差(ダーク読取値D(x,y)の場合は標準偏差σDk(x,y))が使用される。
また、平均値Dkave(x,y)は各ダーク読取値D(x,y)の時間軸上の平均値であるから、この平均値を「時間的平均値」と定義する。この平均値Dkave(x,y)をこの放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)として使用すれば、各ダーク読取値D(x,y)が持つ値の時間的ゆらぎを緩和、若しくは相殺することができるので、一般的には、各ダーク読取値D(x,y)の時間的平均値をオフセット補正値O(x,y)として使用する場合が多い。オフセット補正値O(x,y)を下記(2)式に示す。
Figure 0005293042
ダーク読取値D(x,y)は、標準偏差σDk(x,y)でゆらぐが、これをK回で平均化すると、ゆらぎの大きさは、一般に1/√Kになる。すなわち、オフセット補正値O(x,y)は標準偏差 {1/√K・σDk(x,y)} のゆらぎを持つ分布となる。従って、上記(2)式は、ダーク読取値D(x,y)そのものをオフセット補正値として使用するよりも、ゆらぎの大きさが1/√Kの値をオフセット補正値として使用することを示している。
しかしながら、このようにしてオフセット補正値O(x,y)を算出すると、ダーク読取やダーク読取値の送信を複数回行わなければならないため、電力を消費してしまう等の問題があることは前述した通りである。
また、この問題を回避するために、キャリブレーション時に複数のダーク読取を行っておき、上記(2)式を用いてあらかじめ算出されたオフセット補正値O(x,y)を使用すると、キャリブレーションを行った時の放射線画像検出器内の各素子の温度と、放射線画像撮影を実施した時の放射線画像検出器内の各素子の温度が異なる場合は、オフセット補正値O(x,y)が適正な値からずれてしまうという問題があることも前述した通りである。
そこで、オフセット補正方法の実施例を通して、キャリブレーションの手法や温度補償の手法を交えて説明する。
この説明の中で取り上げられるキャリブレーションの手法や温度補償の手法は、本発明である欠陥画素判定方法でも使用するため、その基本的考え方については、以下の説明の中で論ずるものとする。また、オフセット補正方法の説明には、放射線画像撮影の直前又は直後に行うダーク読取を少なくとも1回だけ行って、たとえダーク読み取りが1回だけであっても、精度の良いオフセット補正値O(x,y)を算出する手法を用いる。ただし、本発明に係る欠陥画素判定方法は、以下に説明するオフセット補正方法に限定されるものではない。
本手法(放射線画像撮影の直前又は直後に行うダーク読取を少なくとも1回だけ行って、たとえダーク読み取りが1回だけであっても、精度の良いオフセット補正値O(x,y)を算出する手法)の基本的な考え方は以下の通りである。
まず、キャリブレーション時に、各放射線検出素子(x,y)に対応する各画素位置(x,y)に対して、温度変化のない所定の温度条件下で複数のダーク画像d(x,y)(以下、上記のように放射線画像撮影の直前や直後に行われる1回のダーク読取で得られるダーク読取値D(x,y)と区別するためにダーク読取値d(x,y)と表す。)を取得し、取得された複数のダーク画像d(x,y)を用いて、オフセット補正値δ(x,y)(以下、最終的に得られるオフセット補正値O(x,y)と区別するためにオフセット補正値δ(x,y)と表す。)を求めておく。なお、ダーク画像d(x,y)を取得している間は、各画素位置(x,y)の温度特性は同一であると仮定する。
この時、そのオフセット補正値δ(x,y)を求めた時の各画素位置(x,y)の信号値の温度変化に伴う変化量を代弁する温度補償変数を定義し、これを各画素位置(x,y)毎に計算して記憶しておく。
ここで、温度補償変数の位置づけについて説明する。温度補償変数は、各画素位置(x,y)における放射線検出素子(x,y)の温度そのものを測定することを目的としていない。知りたいのは、各放射線検出素子(x,y)の温度そのものではなく、放射線検出素子(x,y)や電気回路などの各素子の温度変化によって、各画素位置(x,y)における信号値がどのように変化したかであるため(例えば、各放射線検出素子(x,y)の温度そのものが変化しても、その放射線検出素子(x,y)に対応する画素の信号値が変化していなければ、その放射線検出素子(x,y)の温度変化はなかったものと見なしても問題ない。)、放射線検出素子(x,y)や電気回路などの各素子の温度変化によって、各画素位置(x,y)における信号値がどのように変化したか、その変化量を定量的に示唆する変数であることが望ましい。
次に、放射線画像撮影の直前や直後に、ダーク読取を1回だけ行って、ダーク読取値D(x,y)を取得する。この時、ダーク読取値D(x,y)に対しても、上述と同様の温度補償変数を各画素位置(x,y)毎に計算して記憶する。
次に、オフセット補正値δ(x,y)を求めた時の各画素位置(x,y)における温度補償変数とダーク読取値D(x,y)の各画素位置(x,y)における温度補償変数を比較し、その結果に基づいて、あらかじめ求めてあったオフセット補正値δ(x,y)を実際に放射線撮影された時の温度環境下におけるオフセット補正値O(x,y)に変換して、最終的な画像データF(x,y)を求める演算に使用する。
通常は、過去のキャリブレーション時に取得したオフセット補正値O(x,y)を使用すると、温度変動の影響を受けるため、放射線画像撮影の直前や直後に取得したダーク読取値D(x,y)そのものをオフセット補正値O(x,y)として使用することが多い(すなわち、O(x,y)=D(x,y)とする)。一方、本手法では、放射線画像撮影毎に取得したダーク読取値D(x,y)はオフセット補正値そのものとして直接的に使用せず、放射線撮影された時の温度環境下における各画素位置の温度補償変数の算出に使用する点が従来手法と異なっている。そして、あらかじめ複数のダーク画像を用いて算出されたオフセット補正値δ(x,y)をそのまま使用するのではなく、上述の温度補償変数を用いて、実際に放射線画像撮影が実施された時点への温度補正を実施した後にオフセット補正値O(x,y)として使用するという点が、従来手法にはない点である。
この方法の利点は以下の通りである。
まず第1に、最終的な画像データF(x,y)を求めるのに使用されるオフセット補正値O(x,y)を算出するための基準となるオフセット補正値δ(x,y)が、温度変化がないと見なせる所定の温度条件下の複数のダーク画像d(x,y)から算出されているため、電気ノイズ等の誤差成分(信号値の時間的なゆらぎ)が相殺された、真のオフセット補正値に近い値になっていることである。従って、放射線画像撮影時に取得された1回のダーク読取値D(x,y)そのものをオフセット補正値として使用する場合に比べて、補正誤差が少なく、SN比が良好な最終的な画像データF(x,y)を求めることができる。
第2に、各画素位置(x,y)毎に温度補償変数を計算することで、温度変化による画素値の変動を各画素位置(x,y)毎に個別に補正しているため、各画素位置(x,y)の信号値がどのように温度変化の影響を受けても、これを補正し、良好なSN比の最終的な画像データF(x,y)が得られることである。そして、この画素単位の温度補正が、たった1回のダーク画像の取得で行えることである。
ここで重要になるのが、各画素位置(x,y)毎の温度補償変数に何を使用するかである。各画素位置(x,y)にあらかじめ温度センサを内蔵できれば良いが、この方法は現実的ではない。また、現実的な個数の温度センサを放射線画像検出器1に内蔵しておくことも考えられるが、これでは、各画素位置(x,y)毎に正確な温度補正を実現することができない。また、求めたいのは、放射線検出素子(x,y)の温度そのものではなく、放射線検出素子(x,y)や電気回路などの各素子の温度変化によって、各画素位置(x,y)における信号値がどのように変化したかである。
上記より、温度補償変数の要件は、以下の4項目であると考えられる。
要件1)各画素単位(もしくは、画素に近い小領域単位毎に)に求められる変数であること。
要件2)温度変化に伴う信号値の変化を把握できる変数であること。
要件3)ダーク画像D(x,y)から求められる変数であること。
要件4)時間的なゆらぎが少ない変数であること。
この4項目の要件を満足する温度補償変数として、本件発明者は、ダーク読取値D(x,y)の注目画素(x,y)に対する周辺画素の画素値の平均値(もしくはメディアン値等)に注目した。
放射線検出素子(x,y)や電気回路などの各素子が温度変化の影響を受けた結果は、ダーク読取値D(x,y)に反映される。我々が知りたいのは、放射線検出素子(x,y)や電気回路などの各素子の温度変化によって各画素の信号値がどのように変化したかであるので、温度補償変数にダーク読取値D(x,y)を用いるのは理にかなっており、かつ、要件1〜3を満足している。
次に選択した温度補償変数が要件4を満足するか否かについて、図6を用いて説明する。
図6に示すように、例えば複数の放射線検出素子(x,y)として当該一の放射線検出素子(x,y)すなわち、画素位置(x,y)を中心とする5×5の正方領域内に存在する複数の画素位置(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)の信号値を温度補償変数算出に使用する。なお、当該一の放射線検出素子(x,y)以外の放射線検出素子(x,y)の選択の仕方等については後で考察する。
しかし、当該一の放射線検出素子(x,y)を含む25個の各放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)から出力されるダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)の信号値の時間的なゆらぎの分布は、全てが図5に示したような分布であるとは限らず、実際には、例えば図7に示すように、平均値μや標準偏差σが異なる分布となるのが一般的である。
本手法では、下記(3)式に示すように、当該1回のダーク読取でそれらの放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)から出力された全ダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)の平均値W(x,y)を算出して、これを温度補償変数として採用する。なお、この場合の平均値(温度補償変数)W(x,y)はダーク読取値D(x,y)の画素位置(x,y)に対する空間的平均値である。(3)式中のNは、この場合25(=5×5)である。
Figure 0005293042
ここで、この温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)が要件4)を満足するか否かについて考察する。
ダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)は、それぞれが独立変数であり、かつそのゆらぎは時間的にも空間的にもランダムであるから、ダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの時間的平均値をμ(x,y)、時間的ゆらぎの分布の標準偏差をσ(x,y)と表し、温度補償変数W(x,y)の時間的ゆらぎの時間的平均値をμ(x,y)、時間的ゆらぎの分布の標準偏差をσ(x,y)と表すと、
Figure 0005293042
Figure 0005293042
となる(図8参照)。
ここで、σ(x,y)の中に極めて大きな値(異常値)を持つ欠陥画素や多くの異常な画素が含まれていなければ、通常、
σ(x,y)<σ(x,y)
の関係式が成立する。例えば、σ(x−2,y−2)〜σ(x+2,y+2)のそれぞれの値は異なるが、平均を取るとσ(x,y)にほぼ等しいと仮定すると、上記(5)式より、
Figure 0005293042
となり、σ(x,y)は、σ(x,y)の値の1/√Nとなる。N=25の場合は、1/√N=1/5であるから、温度補償変数W(x,y)は、時間的ゆらぎの分布の広がり(標準偏差)が、ダーク読取値D(x,y)にくらべて1/5の分布となる。すなわち、図8に示すように、広がりが狭い(標準偏差が小さい)分布となり、要件4)を満足する。
極端な例として、画素位置(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)の内、注目画素である(x,y)以外の(N−1)の画素位置におけるダーク読取値時間的ゆらぎの標準偏差値が、注目画素位置におけるダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの標準偏差値σ(x,y)に対して、N倍の大きさを持ったと仮定しても、N>2であれば、
Figure 0005293042
となり、
σ(x,y)<σ(x,y)
が成立する。
N=25の場合、
SQRT[{1+(N−1)・N}/N
=SQRT{(1+24×25)/(25×25)}
≒0.981
となるから、
σ(x,y)≒0.981・σ(x,y)<σ(x,y)
通常、σ(x−2,y−2)〜σ(x+2,y+2)のそれぞれの値は異なるが、平均を取るとσ(x,y)にほぼ等しい値を取ることから、上記方法は要件4)を満足すると言って良い。
温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の分布は、当該一の放射線検出素子(x,y)を中心とする正方領域内の複数の放射線検出素子14(以下、所定の領域Rに属する放射線検出素子14という意味で放射線検出素子14と表記する。)の数が多くなればなるほど、すなわちNの値が大きい程、温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の時間的ゆらぎの標準偏差σ(x,y)が小さくなる。これは、すなわち、σ(x,y)が十分に小さい値を取るとき、
W(x,y)≒μ(x,y) …(6)
と近似できることを意味している。
すなわち、放射線画像撮影の直前又は直後に行われる1回のダーク読取で放射線検出素子14から出力されるダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)(以下、所定の領域Rに属する放射線検出素子14から出力されるダーク読取値という意味でダーク読取値Dと表記する。)は、図7に例示したように各時間的ゆらぎの分布内でその時間的ゆらぎの平均値μ(x−2,y−2)〜μ(x+2,y+2)を中心としてゆらぐが、上記(3)式に従って算出される空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)は、空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)の分布の時間的平均値μ(x,y)にほぼ等しい値が算出される。
従って、当該一の放射線検出素子(x,y)を含む各放射線検出素子14から出力されるダーク読取値Dの時間的ゆらぎの分布の平均値μや標準偏差σが異なるとしても(図7参照)、それらの空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)を算出すれば、各放射線検出素子14から出力された各ダーク読取値Dの時間的ゆらぎが有効に相殺されて数値の変動が非常に小さくなり、時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)にほぼ等しい空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)を算出することができる。
言い換えれば、複数のダーク読取を実施しなければ求められない時間的ゆらぎの平均値を、1回のダーク読取で得られたダーク読取値D(x,y)の空間的平均値W(x,y)で、少ない誤差をもって代用できるということである。
ここで、一の放射線検出素子(x,y)について温度補償変数W(x,y)を算出する際の当該一の放射線検出素子(x,y)以外の放射線検出素子(x´,y´)の選択の仕方について説明する。
放射線検出素子(x,y)では、通常、放射線検出素子(x,y)や、この信号値を読み出すための読み出し回路の素子の温度が低いと当該放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)は小さな値となり、放射線検出素子(x,y)の温度Tが上昇するにつれて、出力されるダーク読取値D(x,y)の値も大きくなっていくことが知られている。そのため、例えば、図7に示したような各放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)も、温度が高くなると、同図のグラフ上で右方向にシフトしていく。
また、例えば放射線画像検出器1の電源がONされるとセンサパネル部4の温度が次第に上昇していくが、センサパネル部4上の各放射線検出素子(x,y)や読み出し回路の素子の温度変動は一様ではなく、例えば、周囲に多数の放射線検出素子(x´,y´)が存在するセンサパネル部4の中央部分の放射線検出素子(x,y)と、センサパネル部4の周縁部分の放射線検出素子(x,y)とでは、温度の変動の仕方が異なるし、読み出し回路を構成する読み出しICが異なれば、温度の変動の仕方が異なる。また、同じ読み出しIC内であっても、増幅回路17が異なれば、温度の変動の仕方が異なる。
このような状況において、一の放射線検出素子(x,y)について空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)を算出する際の当該一の放射線検出素子(x,y)以外の放射線検出素子(x´,y´)として、例えばセンサパネル部4上で当該一の放射線検出素子(x,y)から遠く離れた放射線検出素子(x´,y´)を選ぶと、その温度変動が当該一の放射線検出素子(x,y)の温度変動と異なることが予測される。
そのため、例えば、図7に示したような各放射線検出素子(x´,y´)から出力されるダーク読取値D(x´,y´)の時間的ゆらぎの分布の温度による左右方向へのシフトの度合が、当該一の放射線検出素子(x,y)のダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの分布のシフトの度合と異なるものとなり、グラフ上の相対的な位置がそれぞれの画素位置の温度に依存して変動する。
このように、温度によって放射線検出素子(x,y)のダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの分布と他の放射線検出素子(x´,y´)の時間的ゆらぎの分布とのグラフ上の位置が、それぞれの画素位置の温度に依存して相対的にずれてしまうと、図9に示すように、それらの空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)の分布はブロードになり、図8に示したような標準偏差σ(x,y)が小さい分布が得られなくなる。そのため、上記(3)式に従って算出される空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)が、空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)の時間的平均値μ(x,y)にほぼ等しい値となるという有益な効果を活用することができなくなってしまう。
そこで、本手法では、放射線画像撮影の直前又は直後に行われる1回のダーク読取の結果から一の放射線検出素子(x,y)について空間的平均値(温度補償変数)W(x,y)を算出するための当該一の放射線検出素子(x,y)以外の放射線検出素子(x´,y´)として、当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動する放射線検出素子(x´,y´)が予め選択されて、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けるようになっている。
その際、センサパネル部4上の全ての放射線検出素子(x,y)について同じ選択の仕方とされる必要はなく、放射線検出素子ごとに選択の仕方が異なってもよい。また、選択の仕方としては、例えば上記のように当該一の放射線検出素子(x,y)を中心とするn×nの正方領域内に存在する複数の放射線検出素子(x,y)を用いることが可能であるが、後述する図16(A)〜(C)や図19(C)、(D)に示すように、正方領域は必ずしも当該一の放射線検出素子(x,y)が中心に存在するように設定されなくてもよい。
また、正方領域のサイズは、本実施例では5×5や7×7の例を用いたが(7×7の例は後述する図24〜図26の説明文を参照)、このサイズに限定するものではない。1×1よりも大きいサイズであれば、2×2や3×3であっても良いし、9×9もしくはそれ以上のサイズであっても良い。また、正方領域の代わりに長方形状の領域を設定したり、不定形状の領域とすることも可能である。
さらに、当該一の放射線検出素子(x,y)以外の放射線検出素子(x´,y´)は当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動する放射線検出素子であればよく、上記のような当該一の放射線検出素子(x,y)を含む空間的に連続する領域内に存在する放射線検出素子(x,y)でなく、センサパネル部4上に点在する放射線検出素子(x,y)であってもよい。なお、これらの同一の温度特性を示す検出素子群は、工場検査等において、予め把握することができる。また、施設設置後にも再設定することが可能である。
次に、上記の温度補償変数として使用する空間的平均値W(x,y)と当該一の放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)の真値との関係について説明する。
放射線画像撮影の直前又は直後に1回だけ行われるダーク読取では、図10に示したように、一の放射線検出素子(x,y)からは、時間的なゆらぎを含む1個のダーク読取値D(x,y)しか得られず、オフセット補正値O(x,y)の真値は分からない。また、当該一の放射線検出素子(x,y)に対応付けられた放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)から出力される1個ずつの各ダーク読取値D(x−2,y−2)〜D(x+2,y+2)も時間的なゆらぎを含むものであり、それらに基づいて直接的に当該一の放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)の真値を得ることはできない。
そこで、本手法では、以下で詳しく説明するように、過去の(当回の被写体の放射線画像撮影以前に行われた)キャリブレーション時にダーク読取を複数回行って当該一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)を得ておき、まず、一の放射線検出素子(x,y)から出力された複数回分のダーク読取値d(x,y)の時間的平均値δ(x,y)を算出する。
また、温度補償変数として、過去のキャリブレーション時の各回のダーク読取で、当該一の放射線検出素子(x,y)を中心とする前記正方領域内の複数の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値dの空間的平均値(以下、上記の放射線画像撮影の直前や直後に行われる1回のダーク読取で得られる温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)と区別するためにキャリブレーション時に得られる温度補償変数としての空間的平均値をw(x,y)と表す。)を算出し、さらに各回の温度補償変数としての空間的平均値w(x,y)の複数回分の時間的平均値ω(x,y)を算出する。
そして、上記の当該一の放射線検出素子(x,y)自身のダーク読取値d(x,y)の時間的平均値δ(x,y)と、温度補償変数としての空間的平均値w(x,y)の時間的平均値ω(x,y)と、今回の放射線画像撮影の直前又は直後に行われた1回のダーク読取で得られる、温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)とを用いて、当該一の放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)を算出するようになっている。
なお、本発明でキャリブレーションという場合、前述したような定期的に(例えば毎月)行われるゲイン補正値及びオフセット補正値の両方を更新するためのキャリブレーションだけでなく、ゲイン補正値に比べ、比較的温度変動が大きいオフセット補正値のみを対象とし、必要に応じて実行されるオフセットキャリブレーションも含まれる。
すなわち、本発明では、キャリブレーションとは、放射線画像検出器1の工場出荷時、施設への導入時、或いは放射線が曝射されていない待機時に、必要に応じて、ダーク読取値D(x,y)を含む実写画像データF(x,y)を補正するためのデータの全部又は一部を予め取得して作成するための作業をいい、上記のように定期的に行われるキャリブレーションよりも広い概念である。
従って、施設への導入後のキャリブレーションも、定期的なキャリブレーションよりも短い周期で(例えば毎日)行われる場合もある。また、1回のキャリブレーションやオフセットキャリブレーションでは、通常、複数回のダーク読取が行われる。
なお、あまりに古いデータを用いて時間的平均値δ(x,y)や温度補償変数としての空間的平均値w(x,y)、その時間的平均値ω(x,y)を算出するとそれらの値の信頼性が低下するため、それらの値の算出の元となるダーク読取値d(x,y)は、現在から所定回数前までのダーク読取で得られた値や、最新の(すなわち前回の)キャリブレーションやオフセットキャリブレーションで行われた複数回のダーク読取で得られた値を用いることが好ましい。
また、ダーク読取値d(x,y)から時間的平均値δ(x,y)等を算出する処理は、放射線画像検出器1で行ってもよく、或いは放射線画像検出器1からコンソール31(図28参照)等の外部の装置にダーク読取値d(x,y)を送信して外部装置で行うように構成することも可能である。
さて、上記の過去の複数回のダーク読取で得られた当該一の放射線検出素子(x,y)自身の各ダーク読取値d(x,y)の時間的平均値δ(x,y)は、下記(7)式に従って算出される。なお、下記(7)式で、Mは時間的平均値δ(x,y)等の算出に用いられるダーク読取値d(x,y)の数、すなわち前記所定回数を表す。
Figure 0005293042
図11に示すように、m回目(m=1〜M)のダーク読取で当該一の放射線検出素子(x,y)からダーク読取値d(x,y)が出力され、それらの値をヒストグラムにまとめて表すと、図12に示すように、時間的平均値δ(x,y)を中心とし標準偏差σ(x,y)とする正規分布状に分布する。この分布は、ダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎを表している。
また、過去のキャリブレーション時のm回目(m=1〜M)のダーク読取で、当該一の放射線検出素子(x,y)を中心とする前記正方領域内の複数の放射線検出素子(x,y)から出力される各ダーク読取値d(x,y)の空間的平均値w(x,y)は、上記(3)式と同様の下記(8)式に従って算出される。なお、この場合、(8)式中のNも25(=5×5)である。
Figure 0005293042
そして、各回の空間的平均値w(x,y)のM回分の時間的平均値ω(x,y)は、下記(9)式に従って算出される。
Figure 0005293042
図11に示すように、m回目(m=1〜M)のダーク読取でそれぞれ空間的平均値w(x,y)が算出され、それらの値をヒストグラムにまとめて表すと、図12に示すように、時間的平均値ω(x,y)を中心とし、標準偏差σ(x,y)の正規分布状に分布する。
なお、上記(9)式に(8)式と(7)式を代入して変形すると、
Figure 0005293042
となることから分かるように、過去のキャリブレーション時のM回のダーク読取での各放射線検出素子(x,y)についての時間的平均値δ(x,y)が算出されれば、各回ごとにそれぞれ空間的平均値w(x,y)を算出しなくても、各放射線検出素子(x,y)ごとの時間的平均値δ(x,y)を用いてダーク読取値d(x,y)の空間的平均値w(x,y)のM回分の時間的平均値ω(x,y)を算出することができる。
ここで、過去のキャリブレーション時の複数回のダーク読取で当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的平均値δ(x,y)と、温度補償変数としての空間的平均値w(x,y)の時間的平均値ω(x,y)と、今回の放射線画像撮影の直前又は直後に行われた1回のダーク読取で得られる温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)と、当該一の放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)の真値との関係について考察する。
キャリブレーションは、一般的に、患者撮影を行わない始業準備中、又は、終業準備中に行われることが多く、キャリブレーション時のダーク読取は、通常、予め設定された同一の温度Tの条件下で行われると見做すことができる。従って、過去のキャリブレーション時のダーク読取で得られる当該一の放射線検出素子(x,y)に関する時間的平均値δ(x,y)及び温度補償変数としての空間的平均値w(x,y)の時間的平均値ω(x,y)は、上記温度Tにおける値である。
一方、放射線画像撮影が行われる際の放射線検出素子(x,y)やセンサパネル部4上の当該放射線検出素子(x,y)の近傍の温度Tは、図13に示すように、必ずしもキャリブレーション時の温度Tではない。
特に、放射線画像検出器1では、電源ONの状態でも、放射線画像撮影に使用されない場合には、電力の消費を抑えるために自動的又は手動の操作で電源消費状態がスリープモードとされるようになっているものも多く、図13に示すように、撮影可能モードでは放射線検出素子(x,y)等の温度Tが上昇し、スリープモード(図中のSの部分参照)ではセンサパネル部4への通電がされなくなるため、放射線検出素子(x,y)等の温度Tが低下する。
また、前述したように、放射線検出素子(x,y)では、通常、放射線検出素子(x,y)等の温度Tが低いと出力されるダーク読取値D(x,y)は小さな値となり、放射線検出素子(x,y)等の温度Tが上昇するにつれて出力されるダーク読取値D(x,y)の値も大きくなる。
そのため、図14に示すように、今回の放射線画像撮影の直前又は直後に行われた1回のダーク読取で一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)について推定される時間的ゆらぎの分布の中心値(平均値)や、当該一の放射線検出素子(x,y)に対応付けられた放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値Dの平均値である温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)について推定される時間的ゆらぎの分布も、温度Tによって大きくなったり小さくなったりする。
すなわち、図14中のダーク読取値D(x,y)の分布や、温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の分布が、温度Tによって、図14中の横軸上を左右に変動する。一般には、温度Tが上昇すると、分布は横軸上を右側にシフトする傾向にあり、温度Tが下降すると、分布は横軸上を左側にシフトする傾向にある。なお、今回の放射線画像撮影の直前や直後に行われた1回のダーク読取で一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)等のゆらぎの分布はあくまで推定されるものであるため、図14では、破線で表示されている。
しかし、前述したように、その場合でも、当該一の放射線検出素子(x,y)を含む放射線検出素子(x´,y´)は同じように温度変動する。そのため、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)について推定されるゆらぎの分布の図14のグラフ上の位置と、当該一の放射線検出素子(x,y)に対応付けられた放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値Dの平均値である温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)について推定される時間的ゆらぎの分布のグラフ上の位置との相対的な位置関係(すなわち、それぞれの分布の平均値の距離)は温度が変動しても変わらないはずである。
ところで、もし今回の放射線画像撮影が温度Tの環境下で行われた場合、図14に示したダーク読取値D(x,y)について推定される時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)や、温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)について推定される時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)は、図12に示した過去のキャリブレーション時の複数回のダーク読取で得られた複数のダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値δ(x,y)や、当該一の放射線検出素子(x,y)を含む放射線検出素子14から出力される各ダーク読取値d(x,y)の空間的平均値w(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値ω(x,y)にほぼ等しくなる。
また、上記のダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)と温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)との相対的な位置関係は上記のように、温度Tが変化しても変わらないため、各分布の平均値の差分、すなわちダーク読取値D(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)と温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)との差分も、温度Tが変化しても変わらない。
そのため、今回の放射線画像撮影の直前又は直後に行われた1回のダーク読取で得られる当該一の放射線検出素子(x,y)のダーク読取値D(x,y)の分布の時間的平均値μ(x,y)と、温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の分布の時間的平均値μ(x,y)との差分をε(x,y)と置くと(図14参照)、
ε(x,y)=μ(x,y)−μ(x,y) …(11)
は、温度Tにかかわらず、図12に示した過去のキャリブレーション時の複数回のダーク読取で得られた複数のダーク読取値d(x,y)の分布の時間的平均値δ(x,y)と、当該一の放射線検出素子(x,y)を含む放射線検出素子14から出力される各ダーク読取値d(x,y)の空間的平均値w(x,y)の分布の時間的平均値ω(x,y)との差分、
δ(x,y)−ω(x,y)
に等しくなる。
すなわち、
ε(x,y)=μ(x,y)−μ(x,y)
=δ(x,y)−ω(x,y) …(12)
が成立する。
(12)式は、
μ(x,y)=ε(x,y)+μ(x,y) …(13)
これは、キャリブレーション時にあらかじめ算出できる変数、すなわち、ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y)の値が分かっていれば、後は、μ(x,y)さえ分かれば、μ(x,y)を推定することができることを表している。
ここで、前述したように、(6)式から
W(x,y)≒μ(x,y) …(6)
これを(13)式に代入すると、
μ(x,y)≒ε(x,y)+W(x,y) …(14)
の関係が得られる。
これは、キャリブレーション時にあらかじめ算出できる変数、すなわち、ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y)の値が分かっていれば、後は、放射線画像撮影時に取得される1つのダーク画像から算出される温度補償変数W(x,y)さえ計算できれば、μ(x,y)を推定することができることを表している。
そして、前述した従来の場合と同様に、ダーク読取値D(x,y)について推定される時間的ゆらぎの分布の平均値μ(x,y)は、まさに当該放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)の真値とみなすことができるから、結局、上記(14)式は、
O(x,y)≒ε(x,y)+W(x,y) …(15)
と書き換えることができる。
これは、キャリブレーション時にあらかじめ算出できる変数、すなわち、ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y)の値が分かっていれば、後は、放射線画像撮影時に取得される1つのダーク画像から算出される温度補償変数W(x,y)さえ計算できれば、O(x,y)、すなわちオフセット補正値の真値を推定することができることを表している。言い換えれば、キャリブレーション時にあらかじめ算出できる変数、すなわち、ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y)の値が分かっていれば、放射線画像撮影時の放射線検出素子や電気回路などの各素子がその後どのように温度変化していても、たった1回のダーク画像における各画素位置毎の温度補償変数W(x,y)を計算すれば、放射線画像撮影時の放射線検出素子や電気回路などの各素子の温度状態における理想的なオフセット補正値O(x,y)が求められることを表している。
そこで、本手法では、
O(x,y)=ε(x,y)+W(x,y) …(16)
(ただし、ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y))
に従って放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)を算出するようになっている。
これにより、前述した課題を解決するための骨格となる手法が提案できた。
ところで、これまでの説明では、キャリブレーションを行った時の放射線画像検出器1内の各素子の温度は一定と見なして来たが、キヤリブレーション実施時、ダーク画像の取得数(上述のMの値)が大きくなると、キャリブレーション中にも放射線画像検出器1内の各素子の温度が変動してしまう。
上記(7)式〜(10)式からも明白なように、Mの値が大きいほど、d(x,y)、w(x,y)の時間的なゆらぎが相殺され、(16)式の精度を左右する、ω(x,y)やδ(x,y)の精度が向上するが、Mの値が大きいほど、ω(x,y)やδ(x,y)の値は温度変動の影響を受けやすくなることを意味している。
そこで、この問題に対しても、これまで説明してきた温度補正の考え方を適応する。
(12)式に(7)式、(9)式を代入すると、
Figure 0005293042
ここで、
λ(x,y)=d(x,y)−w(x,y) …(18)
とおくと、
Figure 0005293042
ここで、λ(x,y)は、キャリブレーション時のダーク読取値d(x,y)の温度変化を温度補償変数w(x,y)によって温度補正された、温度補正済みダーク読取値λ(x,y)と考えることができる。
キャリブレーション時に放射線画像検出器1内の各素子の温度が変動してしまうと図15に示すように、d(x,y)の分布は非常にブロードな分布となり、従って、上記(7)式で求められるd(x,y)の時間的平均値δ(x,y)は、正しい値を示せなくなる。
そこで、一般的にキャリブレーション時にダーク読取を複数回実施し、その平均値を求める場合(従来は、この方法でオフセット補正値を直接求めることは前述した通りである)、直接d(x,y)の平均値を計算するのではなく、上述のように、温度補正済みダーク読取値λ(x,y)の平均値(時間的平均値)であるε(x,y)を求めるようにすれば、温度変動が補正された正確なダーク読取の時間的平均値を求めることができるはずである。すなわち、ε(x,y)は温度補正済みダーク読取の時間的平均値と呼ぶことが可能である。
温度補正済みダーク読取値λ(x,y)や、温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)は、キャリブレーション時、さらには、放射線画像撮影時においても、ダーク読取を複数回実施し、その平均(時間的平均)を取る作業全てに適応することができる。また、時間的平均回数であるMの値が大きくとも、温度変動の影響を受けにくくすることができる。
また、キャリブレーション時にゲイン補正値G(x,y)を求める際にも、同様な温度補償を適応することが可能である。ゲイン補正値G(x,y)を求める際にも、あらかじめ定めておいた所定の放射線量で、被写体を置かない状態での放射線画像データを取得し、これにオフセット補正を施してゲイン補正値G(x,y)を計算するため、この際に取得する放射線画像データを、本手法の実写画像データF(x,y)と見なせば、本手法と同様の温度補正のかかったゲイン補正データG(x,y)を得ることができる。また、ゲイン補正値G(x,y)を求める際に使用されるオフセット補正値に対しても、同様に前述の温度補正を行うことが好ましい。これにより、精度の高いゲイン補正値G(x,y)を求めることができ、結果として、SN比の高い良好な画像データを得ることが可能となる。
本手法において、キャリブレーション時のM回のダーク読取で放射線検出素子(x,y)から出力された各ダーク読取値d(x,y)の分布(図12参照)においては、時間的平均値δ(x,y)が算出されるが、さらに、分布の標準偏差σd(x,y)を算出し、
(x,y)−δ(x,y) …(20)
(x,y)/σd(x,y) …(21)
或いは、
(d(x,y)−δ(x,y))/σd(x,y) …(22)
等の演算を行って各ダーク読取値d(x,y)を正規化し、正規化された各ダーク読取値に基づいて上記の処理を構成することも可能である。
[放射線検出素子に予め対応付ける他の放射線検出素子の選択方法の例]
前述したように、一の放射線検出素子(x,y)について温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)を算出するために当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付ける他の放射線検出素子(x´,y´)については、当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動するものであればよく、それらの選択の仕方としては、上記のように種々の手法があり得る。ここでは、放射線画像検出器1の実際的な構成に即した選択の仕方の一例について説明する。
例えば、図6では、放射線画像検出器1のセンサパネル部4上で一の放射線検出素子(x,y)の周囲の行方向や列方向に十分な数の他の放射線検出素子(x´,y´)がある場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)を中心として例えば5×5の正方領域内に存在する他の放射線検出素子(x−2,y−2)〜(x+2,y+2)を選択する場合を示した。しかし、当該一の放射線検出素子(x,y)がセンサパネル部4の周縁部分にある場合には、このように例えば5×5の正方領域の中心に当該一の放射線検出素子(x,y)を位置させることができない場合もある。
従って、そのような場合には、例えば図16(A)〜(C)に示すように、図中で濃く着色されて表される当該一の放射線検出素子(x,y)の位置などを選択すれば良い。
なお、この場合、キャリブレーション時のダーク読取における空間的平均値w(x,y)の算出やそれらの時間的平均値ω(x,y)の算出においても、当該放射線検出素子(x,y)についての領域Rは同じ要領で設定される。また、図16(A)〜(C)において、格子状に表される各放射線検出素子の上方及び左方に記載されている数字は、それぞれ各放射線検出素子(x,y)の行方向及び列方向の位置を表す数字であり、左方の座標(x,y)は当該放射線検出素子(x,y)の座標を表すものである。
一方、各放射線検出素子(x,y)から電気信号を読み出し増幅するための読み出し回路9(図2参照)は、図17に示すように、通常、行方向に128画素や256画素ずつの放射線検出素子(x,y)ごとに1個ずつの読み出しIC91、92、…が接続されており、それが必要な数だけ並設されて構成されている。そして、読み出し回路9側の読み出しIC91、92、…ごとの温度特性やノイズ特性等が必ずしも同一ではないため、各放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)が読み出しIC91、92、…ごとに異なる場合がある。
そのため、図18に示すように、放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)を算出するために設定される領域Rに属する各放射線検出素子から電気信号を読み出す読み出しICが、隣接する読み出しIC91、92で別々に読み出される場合、その領域Rに属する各放射線検出素子(x,y)については温度補償変数W(x,y)やω(x,y)の値が誤差を持ってしまい、オフセット補正値O(x,y)を良好に算出できない場合がある。
そこで、このような場合には、例えば図19(C)、(D)に示すように、読み出しIC91に接続されている放射線検出素子(x,y)と読み出しIC92に接続されている放射線検出素子(x,y)とを分けて考える。そして、読み出しIC91、92の境界Lの近傍に存在する放射線検出素子(x,y)を、上記のセンサパネル部4の周縁部分にある場合と同様に扱うことで、一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられる複数の放射線検出素子を同一の読み出しIC91に接続される放射線検出素子の中から選択するように構成することが可能となる。
なお、図19(A)、(B)には、図6等に示した通常の仕方で一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられる複数の放射線検出素子が選択される場合が示されている。
[欠陥画素判定方法及び欠陥画素判定プログラムの特徴]
以下、本発明に係る欠陥画素判定方法及び欠陥画素判定プログラムの特徴について説明する。
まず、欠陥画素は、製造後の出荷検査や、定期的なキャリブレーション時に放射線照射を伴う検査を実施することで検出され、検出された欠陥画素の画素位置が欠陥画素マップに登録し、個々の放射線画像検出器と対応付けて運用、管理されることは前述した通りである。
欠陥画素の例として、定常的に大きな画素値を出力する画素(例えば、信号値が常に飽和レベルまで達している画素)や、もしくは定常的に小さな画素値しか出力しない画素(例えば、常に信号値がゼロレベルの値しか出力しない画素)、また、常に一定の信号値しか出力しない画素(放射線を照射しても出力する画素値が変化しない画素)については、容易に判別することが可能であるため、このような欠陥画素については、既に判別されて欠陥画素マップに登録されているものとする。
ここで解決しようとしているのは、突発的に、或いは、経時的な特性変動で異常な信号値を出力する欠陥画素についてであり、これらの欠陥画素を放射線を照射せずとも精度良く検出し、欠陥画素であるか否かを判定する方法、もしくは、欠陥画素を欠陥画素マップに登録する方法についてである。
そのため、本発明の主たる方法では、キャリブレーション時や放射線画像撮影の前後に取得するダーク読取値(放射線照射を必要としない読取信号)を使用する。また、欠陥画素を判別する際に、放射線画像検出器内の各素子の温度変動を考慮した欠陥画素を判別方法についても説明を行う。
まず、本発明で解決したい欠陥画素についての説明を行う。(1)式に示したように、最終的な画像データF(x,y)を得るには、実写画像データF(x,y)からオフセット補正値O(x,y)を差し引き、その差分にゲイン補正値G(x,y)を乗算する。
(x,y)=(F(x,y)−O(x,y))×G(x,y) …(1)
従って、実写画像データF(x,y)が正常な画素値を有していても、オフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)に異常があれば、その演算結果である最終的な画像データF(x,y)は被写体情報を正しく表しておらず(異常値を示していることになる)、これは異常な画素(本来補正すべき画素)ということになる。
また、オフセット補正値O(x,y)やゲイン補正値G(x,y)が正常であっても、実写画像データF(x,y)の値が異常であれば、その演算結果である最終的な画像データF(x,y)は異常値を示すため、これも異常な画素(本来補正すべき画素)ということになる。
オフセット補正値O(x,y)、ゲイン補正値G(x,y)、実写画像データF(x,y)で異常画素値を出力する画素位置(x,y)は、常に正常画素ではありえないという観点から、欠陥画素として欠陥画素マップに登録を行う。
ここで、ゲイン補正値G(x,y)については、キャリブレーション時に放射線を照射して算出するものであるが、オフセット補正値O(x,y)については、放射線を照射せずに算出できるパラメータである。
[欠陥画素判定方法及び欠陥画素判定プログラム]
以下、本発明に係る欠陥画素判定方法及び欠陥画素判定プログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、本発明は以下の図示例のものに限定されるものではない。
前述した図5等に示したように、同じ温度Tの環境下にあったとしても、放射線画像検出器1の一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値D(x,y)にはゆらぎ(ばらつき)が生じ、ゆらぎの分布は平均値μ(x,y)を中心に標準偏差σ(x,y)を有する正規分布状の分布となる。
しかし、放射線検出素子(x,y)によっては、分布の平均値μ(x,y)が他の放射線検出素子(x´,y´)から出力されるダーク読取値D(x´,y´)の分布の平均値μ(x´,y´)から大きくかけ離れていたり、或いはゆらぎが非常に大きい場合、すなわち分布の標準偏差σ(x,y)が他の放射線検出素子(x´,y´)から出力されるダーク読取値D(x´,y´)の分布の標準偏差σ(x´,y´)に比べて非常に大きいような場合がある。
そのため、そのような放射線検出素子(x,y)では、最終的に得られる画像データF(x,y)の安定性も悪くなり、欠陥画素と見なすことができる程の異常な値となってしまう場合がある。以下、このように、欠陥画素と見なすことができる放射線検出素子(x,y)を欠陥画素(xs,ys)と表す。
そこで、本発明に係る欠陥画素判定方法及び欠陥画素判定プログラムでは、放射線検出素子(x,y)が欠陥画素(xs,ys)か否かを判定するようになっている。特に、本発明に係る欠陥画素判定プログラムでは、前述した放射線画像検出器1のコンピュータである制御手段6に、この欠陥画素判定機能、すなわち以下に詳しく説明する欠陥画素判定機能を実現させるようになっているが、その一部の処理、もしくは全ての処理を放射線画像検出器1の中で実施するようにしても良いことは言うまでもない。
前述したように、本発明では、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)の複数回分(M回分)のデータが、各放射線検出素子(x,y)ごとに蓄積される。そして、それらのダーク読取値d(x,y)をヒストグラムにまとめて表すと、図12に示したように、各放射線検出素子(x,y)ごとにダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布の時間的平均値δ(x,y)と標準偏差σd(x,y)等の時間的統計値を算出することができる。
そこで、本発明では、このように、過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の値そのもの、もしくはダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)や標準偏差σd(x,y)等の時間的統計値に基づいて、下記の各判定手法に従って、当該一の放射線検出素子(x,y)が欠陥画素か否かを判定するようになっている。
[判定手法1]
まず、時間的統計値として、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における標準偏差σd(x,y)に着目し、標準偏差σd(x,y)が予め設定された閾値σdthよりも大きい場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)を欠陥画素(xs,ys)として判定し、登録するように構成することが可能である。
ダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における標準偏差σd(x,y)が大きいということは、ダーク読取値d(x,y)がある確率で異常な値を出力する可能性が大きいことを示しているので、予め設定された閾値σdthよりも大きい場合に欠陥画素(xs,ys)として判定し、欠陥画素マップに登録することで本発明が課題として認識している問題を解決することができる。
すなわち、過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)のゆらぎの分布における標準偏差σd(x,y)が閾値σdth以下、すなわち、
σd(x,y)≦σdth …(23)
であれば、当該一の放射線検出素子(x,y)のダーク読取値d(x,y)のゆらぎ(ばらつき)は許容範囲内であり、正常画素であると判定される。この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素としては登録されない。
しかし、図20の右側の正規分布に示すように、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における標準偏差σd(x,y)が、図20の左側の正規分布に示す通常の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における平均的な標準偏差σd(x,y)よりも大きく、かつ閾値σdthを越える場合、すなわち、
σd(x,y)>σdth …(24)
が成り立つ場合には、当該一の放射線検出素子(x,y)のダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎ(ばらつき)は許容範囲を越えるものであり、欠陥画素であると判定される。そして、この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素(xs,ys)として欠陥画素マップに登録される。
上記の閾値σdthは、例えば、放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における平均的な標準偏差σd(x,y)の3倍〜10倍程度の値に設定されることが好ましいが、この値には限定されない。
なお、標準偏差σd(x,y)の代わりに分散σd(x,y)を用い、分散σd(x,y)に閾値を設定して、上記と同様に処理するように構成することも可能である。
[判定手法2]
また、時間的統計値として、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)に着目し、時間的平均値δ(x,y)が予め設定された閾値δth1(以下、第1閾値δth1という。)よりも大きいか、或いは前記閾値δth1よりも小さい値に設定された別の閾値δth2(以下、第2閾値δth2という。)よりも小さい場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)は何からの欠陥を有しているとのと見なせるため、これを欠陥画素(xs,ys)として判定し、登録するように構成することが可能である。
ダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)が大きすぎる場合、もしくは小さすぎる場合は、ダーク読取値d(x,y)が今後もある確率で異常な値を出力する可能性が大きいことを示しているので、予め設定された第1閾値δth1よりも大きいか、或いは第2閾値δthよりも小さい場合に欠陥画素(xs,ys)として判定し、欠陥画素マップに登録することで本発明が課題として認識している問題を解決することができる。
すなわち、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)が、他の放射線検出素子(x,y)と同様に、第2閾値δth2以上第1閾値δth1以下、すなわち、
δth2≦δ(x,y)≦δth1 …(25)
であれば、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとさほど大きくは変わらず許容範囲内であり、正常画素であると判定される。この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素としては登録されない。
しかし、図21に示すように一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)が大きく、閾値δth1より大きい場合、すなわち、
δ(x,y)>δth1 …(26)
が成り立つ場合、或いは、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)が小さく、閾値δth2より小さい場合、すなわち、
δ(x,y)<δth2 …(27)
が成り立つ場合には、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとの違いが大きく許容範囲を越えるものであり、欠陥画素であると判定される。そして、この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素(xs,ys)として欠陥画素マップに登録される。
[判定手法3]
また、時間的統計値として、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の値の大きさそのものに着目し、ダーク読取値d(x,y)の値が予め設定された閾値dthよりも大きい場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)は何からの欠陥を有しているとのと見なせるため、これを欠陥画素(xs,ys)として判定し、登録するように構成することが可能である。
ダーク読取値d(x,y)そのものの値が大きすぎるということは、今後もある確率でダーク読取値d(x,y)が異常な値を出力する可能性が大きいことを示しているので、予め設定された閾値dthよりも大きい場合に欠陥画素(xs,ys)として判定し、欠陥画素マップに登録することで本発明が課題として認識している問題を解決することができる。
すなわち、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の値が、他の放射線検出素子(x,y)と同様に、閾値dth以下、すなわち、
(x,y)≦dth …(28)
であれば、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとさほど大きくは変わらず許容範囲内であり、正常画素であると判定される。この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素としては登録されない。
しかし、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)の値が閾値dthより大きい場合、すなわち、
(x,y)>dth …(29)
が成り立つ場合には、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとの違いが大きく許容範囲を越えるものであり、欠陥画素であると判定される。そして、この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素(xs,ys)として欠陥画素マップに登録される。
さて、上記[判定手法1]〜[判定手法3]では、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)のみを用いて、その時間的統計値から当該一の放射線検出素子(x,y)が欠陥画素か否かを判定するように構成する場合を説明した。すなわち、複数回(M回)行われたダーク読取期間中、放射線検出素子(x,y)から出力される信号値は温度変化の影響を受けていない、もしくは、信号値の温度変化による影響は無視できるほど小さいと見なされた。
しかしながら、複数回(M回)のダーク読取期間中に、放射線検出素子(x,y)から出力される信号値は温度変化の影響を受けている場合、この温度変化を補償する方が、精度の良い判定を行うことができる。
そこで、前述した放射線画像検出器の各放射線検出素子のオフセット補正値手法におけるキャリブレーション時の温度補償の考え方を用いて、一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されるダーク読取値d(x,y)や、当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動し、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線画像検出素子(x´,y´)から出力される各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)等を用いて、当該一の放射線検出素子(x,y)が欠陥画素か否かを判定し、登録するように構成する方法について[判定手法4]〜[判定手法6]で説明する。
この温度補償の考え方を取り入れることによって、欠陥画素の判定を行う際に、温度起因の誤差を除去することができるので、欠陥画素の判定を温度の影響を受けることなく精度良く実施することが可能となる。
[判定手法4]
ここで説明を行う判定手法は、上記[判定手法1]に温度補償の考え方を取り入れた手法である。まず、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において、各回のダーク読取ごとに、一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)と、当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動し当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)との、下記(30)式で表される差分e(x,y)を新たに定義する。すなわち、空間的平均値w(x,y)をダーク読取値d(x,y)の温度補償変数として使用する。
(x,y)=d(x,y)−w(x,y) …(30)
なお、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)は、当該一の放射線検出素子(x,y)が欠陥画素か否かを判定するために当該一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されるダーク読取値d(x,y)と対比して用いられるものであるから、空間的平均値w(x,y)を算出する対象である複数の放射線検出素子(x´,y´)からの各ダーク読取値d(x´,y´)の中に、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)は含めない方が好ましいという考え方と、空間的平均値w(x,y)を算出する対象である複数の放射線検出素子(x´,y´)からの各ダーク読取値d(x´,y´)の中に、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)を含めても良いという考え方がある。
本発明では、このいずれも許容するものであり、いずれか一方に限定するものではない。この考え方については、前述のオフセット補正値取得手法についても同様である。
また、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられ、当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動する他の複数の放射線検出素子(x´,y´)の選択の仕方は、前述した通りである。
さて、このようにして、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取の各回のダーク読取ごとに算出される差分e(x,y)の値をヒストグラムにまとめて表すと、当該一の放射線検出素子(x,y)が正常画素であれば、例えば図22に示すように、差分e(x,y)の時間的ゆらぎ(ばらつき)の分布は、平均的な標準偏差σe(x,y)を有する正規分布状の分布となる。
しかし、当該一の放射線検出素子(x,y)が欠陥画素(xs,ys)であれば、当該一の放射線検出素子(xs,ys)から出力されるダーク読取値d(xs,ys)自体が正常画素の場合よりも格段に大きくゆらぐため、差分e(xs,ys)の時間的ゆらぎ(ばらつき)の分布は、例えば図23に示すように、大きな標準偏差σe(xs,ys)を有する正規分布状の分布となる。
そこで、上記の差分e(x,y)の時間的ゆらぎの分布における標準偏差σe(x,y)に着目し、標準偏差σe(x,y)が予め設定された閾値σethよりも大きい場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)を欠陥画素(xs,ys)として判定し、登録するように構成することが可能である。
すなわち、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において、各回のダーク読取ごとに、一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)と、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)との差分e(x,y)を算出して、差分e(x,y)の時間的ゆらぎの分布における標準偏差σe(x,y)を時間的統計値として算出し、標準偏差σe(x,y)が予め設定された閾値σethよりも大きい場合、すなわち、
σe(x,y)>σeth …(31)
が成り立つ場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)は欠陥画素であると判定される。そして、この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素(xs,ys)として欠陥画素マップに登録される。
上記の閾値σethは、前述した閾値σdthの場合と同様に、例えば、差分e(x,y)の時間的ゆらぎの分布における平均的な標準偏差σe(x,y)の3倍〜10倍程度の値に設定されることが好ましいが、この値には限定されない。また、標準偏差σe(x,y)の代わりに分散σe(x,y)を用い、分散σe(x,y)に閾値を設定して、上記と同様に処理するように構成することも可能である。
なお、差分e(x,y)は、(30)式に示したように、ダーク読取値d(x,y)に対してw(x,y)で温度補償を行った変数であるため、ダーク読取値d(x,y)の温度変化による誤差が相殺されている。従って、差分e(x,y)の時間的ゆらぎの標準偏差σe(x,y)は、ダーク読取値d(x,y)の時間的ゆらぎの標準偏差σd(x,y)に対して、
σe(x,y)≦σd(x,y) …(32)
なる関係が成立している。すなわち、差分e(x,y)のヒストグラムの分布の広がりは、ダーク読取値d(x,y)のヒストグラムの分布の広がりに比べて同等以下になっている。これより、[判定手法4]は[判定手法1]に比べて、温度変化に対する誤差が少ない手法と言える。
[判定手法5]
ここで説明を行う判定手法は、上記[判定手法2]に温度補償の考え方を取り入れた手法である。
時間的統計値として、上記の差分ε(x,y)の時間的ゆらぎの分布における時間的平均値に着目する。なお、上記の図22及び図23に示したいずれの場合も差分e(x,y)の時間的ゆらぎの分布の時間的平均値は、前述の(12)式
ε(x,y)=δ(x,y)−ω(x,y) …(12)
で算出される温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)に計算上等しくなる。
そのため、この場合、温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)が、予め設定された閾値εth1(以下、第1閾値εth1という。)よりも大きいか、或いは前記閾値εth1よりも小さい値に設定された別の閾値εth2(以下、第2閾値εth2という。)よりも小さい場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)を欠陥画素(xs,ys)として判定し、欠陥画素マップに登録するように構成する。
すなわち、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において得られた差分ε(x,y)が、第2閾値εth2以上第1閾値εth1以下、すなわち、
εth2≦ε(x,y)≦εth1 …(33)
であれば、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとさほど大きくは変わらず、許容範囲内であり正常画素であると判定される。この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素としては登録されない。
しかし、温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)が閾値εth1より大きい場合、すなわち、
ε(x,y)>εth1 …(34)
又は、温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)が閾値εth2より小さい場合、すなわち、
ε(x,y)<εth2 …(35)
が成り立つ場合には、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとの違いが大きく許容範囲を越えるものであり、欠陥画素であると判定される。そして、この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素(xs,ys)として欠陥画素マップに登録される。
なお、温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)は、(12)式に示すように、ダーク読取値d(x,y)の時間的平均値δ(x,y)に対してω(x,y)で温度補償を行った変数であるため、ダーク読取値d(x,y)の温度変化による誤差が相殺されている。これより、[判定手法5]は[判定手法2]に比べて、温度変化に対する誤差が少ない手法と言える。
[判定手法6]
ここで説明を行う判定手法は、上記[判定手法3]に温度補償の考え方を取り入れた手法である。すなわち、判定に用いる時間的統計値として、各ダーク読取値d(x,y)の変わりに、(30)式で定義された、差分e(x,y)の絶対値である|e(x,y)|を使用する。
差分e(x,y)の絶対値|e(x,y)|の値が予め設定された閾値ethよりも大きい場合に、当該一の放射線検出素子(x,y)は何からの欠陥を有しているとのと見なせるため、これを欠陥画素(xs,ys)として判定し、登録するように構成することが可能である。
すなわち、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)と空間的平均値w(x,y)の差分e(x,y)の絶対値が、他の放射線検出素子(x,y)と同様に、閾値eth以下、すなわち、
|e(x,y)|≦eth …(36)
であれば、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとさほど大きくは変わらず許容範囲内であり、正常画素であると判定される。この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素としては登録されない。
しかし、一の放射線検出素子(x,y)について計算される差分e(x,y)の絶対値が閾値ethより大きい場合、すなわち、
|e(x,y)|>eth …(37)
が成り立つ場合には、当該一の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさは、他の放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の大きさとの違いが大きく許容範囲を越えるものであり、欠陥画素であると判定される。そして、この場合、当該一の放射線検出素子(x,y)は、欠陥画素(xs,ys)として欠陥画素マップに登録される。
なお、差分e(x,y)は、(30)式に示したように、ダーク読取値d(x,y)に対してw(x,y)で温度補償を行った変数であるため、ダーク読取値d(x,y)の温度変化による誤差が相殺されている。これより、[判定手法6]は[判定手法1]に比べて、温度変化に対する誤差が少ない手法と言える。
また、上記[判定手法1]〜[判定手法6]においては、予め定められた閾値を越えた画素を直ちに欠陥画素として登録するのではなく、例えば、その回数(頻度)によって、欠陥画素として登録するか否かを決定するようにしても良い。さらに、所定の間隔で閾値を複数設定しておき、その間隔ごとのヒストグラム(所定の区間に入る異常画素の個数)を算出して、その区間位置と、その区間での異常画素の発生頻度に応じて欠陥画素をとして登録するか否かを決定するようにしても良い。
以上のように、本実施形態に係る欠陥画素判定方法及び欠陥画素判定プログラムによれば、ダーク読取値d(x,y)のゆらぎの分布において、例えば、標準偏差σd(x,y)が格段に大きかったり、ゆらぎの分布における時間的平均値δ(x,y)が異常な値であったり、ダーク読取値d(x,y)そのものが異常な値となるような放射線検出素子(x,y)を的確に見出して、その放射線検出素子(x,y)を的確に欠陥画素であると判定して欠陥画素マップに登録することが可能となる。
そのため、そのような欠陥画素を予め登録しておくことで、オフセット補正値O(x,y)を算出したり、実写画像データF(x、y)を補正して最終的な画像データF(x、y)を生成する際に、そのような欠陥画素の悪影響を的確に排除することが可能となり、最終的な画像データF(x,y)のSN比を良好なものとすることが可能となる。
また、欠陥画素を予め登録しておくことで、その他の要因で欠陥画素として登録された欠陥画素群と同様に、例えば欠陥画素マップの形で一括して統一的に登録、管理することが可能となる。
さらに、前述したように、放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)は温度変動によりその値が上下する。しかし、上記の[判定手法4]、[判定手法5]、[判定手法6]によれば、過去のキャリブレーション時の各回のダーク読取ごとに、一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)と、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)との差分ε(x,y)を算出し、それに基づいて当該一の放射線検出素子(x,y)が欠陥画素か否かを判定する。
そのため、差分ε(x,y)に着目することで、ダーク読取値d(x,y)の温度変動による値の変動の影響が除去された状態で、放射線検出素子(x,y)が欠陥画素か否かを判定することが可能となり、温度に影響されない状態で、欠陥画素をより安定的に見出すことが可能となる。
なお、[判定手法1]〜[判定手法3]もしくは[判定手法4]〜[判定手法6]については、それぞれ単独で使用して欠陥画素を登録することができるが、[判定手法1]〜[判定手法3]もしくは[判定手法4]〜[判定手法6]の手法の組み合わせ、例えば、[判定手法1]と[判定手法3]もしくは[判定手法4]と[判定手法6]の組み合わせや、[判定手法1]、[判定手法2]、[判定手法3]もしくは[判定手法4]、[判定手法5]、[判定手法6]の組み合わせを用いることにより、さらに精度良く欠陥画素の登録を行うことができる。
また、放射線画像撮影ごとに、撮影の直前や直後のダーク読取値D(x,y)(ダーク読取値が複数ある場合は複数のダーク読取値D(x,y)の平均値)をオフセット補正値O(x,y)として使用する場合においては、放射線画像撮影の直前や直後のダーク読取値D(x,y)、もしくはダーク読取値D(x,y)、もしくはダーク読取値D(x,y)の平均値に対して、本発明の[判定手法3]もしくは[判定手法6]を使用して、ダーク読取値D(x,y)、もしくはダーク読取値D(x,y)、もしくはダーク読取値D(x,y)の平均値が異常値であるか否かを判定して、欠陥画素の判定、登録を行うことができる。
さらに、上述の手法は、何れもダーク読取値を使用する。すなわち、放射線の照射を伴わずに欠陥画素を判定、登録することができるため、人を介さず、自動的に実施することができる。例えば、出荷検査時に本手法を使用すれば、検査コストを削減することが出来る。また、ユーザー施設に設置後のキャリブレーションに本手法を使用すれば、ユーザーがいちいち放射線を照射することなく、新たに発生した欠陥画素を自動で欠陥画素マップに登録することができる。
また、例えば、ユーザー指示によって、自動的に本手法のプログラムが動作し、新たに発生した欠陥画素を自動で欠陥画素マップに登録するようにしておけば、非常に簡単に欠陥画素マップを更新することができる。また、定期的に本手法のプログラムが動作し、新たに発生した欠陥画素を自動で欠陥画素マップに登録するようにしておけば、いちいちユーザーが指示せずとも、定期的に、かつ自動で、欠陥画素マップを更新することができる。
[欠陥画素がある場合の空間的平均値の算出手法]
次に、一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付ける他の放射線検出素子の中に、欠陥を有する放射線検出素子(以下、欠陥画素という。)が含まれる場合の当該一の放射線検出素子(x,y)の温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)の算出手法について説明する。
以下の説明を分かり易くするために、ここでは、図24に示すように、温度補償変数としての空間的平均値W(x,y)を算出する当該一の放射線検出素子(注目画素)が放射線検出素子(4,4)であり、放射線検出素子(4,4)にそれを中心とする7×7個の放射線検出素子(1,1)〜(7,7)が対応付けられており、放射線検出素子(6,6)が欠陥画素である場合について説明する。
[算出手法1]
最も単純な算出手法としては、欠陥画素(6,6)を含めて、当該一の放射線検出素子(4,4)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(1,1)〜(7,7)から出力されるダーク読取値D(1,1)〜D(7,7)を用いて、
Figure 0005293042
により放射線検出素子(4,4)の空間的平均値W(4,4)を算出することが考えられる。しかし、この算出手法では、W(4,4)が欠陥画素(6,6)のダーク読取値D(6,6)の影響を受けてしまう可能性が残る。
[算出手法2]
当該一の放射線検出素子(4,4)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(1,1)〜(7,7)のうち、欠陥画素(6,6)を除く放射線検出素子から出力されたダーク読取値D(1,1)〜D(7,7)(ただしD(6,6)を除く。)のみを用いて、
Figure 0005293042
により放射線検出素子(4,4)の空間的平均値W(4,4)を算出することが可能である。
[算出手法3]
欠陥画素(6,6)から出力されたダーク読取値D(6,6)の値を、欠陥画素(6,6)の近傍の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に置き換えて空間的平均値W(4,4)の算出を行うように構成することも可能である。
例えば、欠陥画素(6,6)から出力されたダーク読取値D(6,6)の値を、欠陥画素(6,6)の近傍の放射線検出素子(5,6)から出力されたダーク読取値D(5,6)を用いて、
D(6,6)←D(5,6) …(40)
と置き換える。そして、上記(38)式に従って放射線検出素子(4,4)の空間的平均値W(4,4)を算出する。
なお、この場合、欠陥画素(6,6)から出力されるダーク読取値D(6,6)を、領域Rの内部で欠陥画素(6,6)に近接する放射線検出素子(5,6)等から出力されるダーク読取値Dで置換する代わりに、例えば図25に示す放射線検出素子(8,6)のように、領域R外の位置に存在する放射線検出素子であって欠陥画素(6,6)に近接する放射線検出素子から出力されるダーク読取値Dで欠陥画素(6,6)から出力されるダーク読取値D(6,6)を置換するように構成することも可能である。
[算出手法4]
欠陥画素(6,6)から出力されたダーク読取値D(6,6)を、欠陥画素(6,6)の近傍の複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値Dで補間して空間的平均値W(4,4)の算出を行うように構成することも可能である。
例えば、欠陥画素(6,6)から出力されたダーク読取値D(6,6)の値を、欠陥画素(6,6)の近傍の放射線検出素子(5,5)、(6,5)、(7,5)、(5,6)、(7,6)、(5,7)、(6,7)、(7,7)から出力された各ダーク読取値D(5,5)、D(6,5)、D(7,5)、D(5,6)、D(7,6)、D(5,7)、D(6,7)、D(7,7)を用いて、例えばそれらの値の平均値を算出してD(6,6)の値をその平均値で補間する。そして、上記(38)式に従って放射線検出素子(4,4)の空間的平均値W(4,4)を算出する。
なお、この場合、例えば欠陥画素が図26に示すように、領域Rの端部に存在する放射線検出素子(7,6)であるような場合には、欠陥画素(7,6)から出力されたダーク読取値D(7,6)の値を、欠陥画素(7,6)の近傍の放射線検出素子(5,5)、(6,5)、(7,5)、(5,6)、(6,6)、(5,7)、(6,7)、(7,7)から出力された各ダーク読取値D(5,5)、D(6,5)、D(7,5)、D(5,6)、D(6,6)、D(5,7)、D(6,7)、D(7,7)を用いて補間するように構成することが可能である。
また、図26に示すように、領域R外の位置に存在する放射線検出素子であって欠陥画素(7,6)に近接する放射線検出素子(8,5)、(8,6)、(8,7)から出力されるダーク読取値D(8,5)、D(8,6)、D(8,7)をも用いて、欠陥画素(7,6)から出力されたダーク読取値D(7,6)の値を、放射線検出素子(6,5)、(7,5)、(8,5)、(6,6)、(8,6)、(6,7)、(7,7)、(8,7)から出力された各ダーク読取値D(6,5)、D(7,5)、D(8,5)、D(6,6)、D(8,6)、D(6,7)、D(7,7)、D(8,7)を用いて補間するように構成することも可能である。
なお、上記の各算出手法では、領域R内に1つの欠陥画素、すなわち1つの点欠陥がある場合について説明したが、複数の点欠陥が存在する場合にも同様の算出手法を用いることができる。また、欠陥画素が線状に存在する線欠陥がある場合においても、同様の算出手法を用いることができる。
[放射線画像検出器を用いた画像生成方法]
以下、本発明に係る放射線画像検出器を用いた画像生成方法の実施の形態について説明する。本発明では、前述したように、撮影された画像データのオフセット補正に用いるオフセット補正値を得るためのダーク読取は、当該放射線画像撮影の前又は後に少なくとも1回行われるようになっており、そのダーク読取によって取得されたダーク読取値に基づいて各放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)を算出するようになっている。
なお、以下では、放射線画像撮影の後にダーク読取を1回だけ行う場合について説明するが、ダーク読取は当該放射線画像撮影の前に行ってもよく、また、ダーク読取を2回程度行うように構成することも可能である。なお、ダーク読取を2回以上行っても、消費電力量は増加するが、本発明のその他の効果が得られることは言うまでもない。
放射線画像検出器1を用いた画像生成は、図27に示すフローチャートに従って行われるようになっている。放射線画像検出器を用いた画像生成方法は、欠陥画素判定ステップ(ステップS1)と、実写画像データ取得ステップ(ステップS2)と、ダーク読取ステップ(ステップS3)と、第一統計値算出ステップ(ステップS4)と、第二統計値算出ステップ(ステップS5)と、オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)と、画像補正ステップ(ステップS7)とを有している。なお、本実施形態で、統計値とは前述した空間的平均値や時間的平均値等のことである。しかし、他の統計値のとり方を採用することも可能であり、この点については後で述べる。
欠陥画素判定ステップ(ステップS1)では、前述した欠陥画素判定方法に基づいて、過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取の結果から、放射線画像検出器1のセンサパネル部4の2次元状に配置された複数の放射線検出素子(x,y)の全てについて欠陥画素であるか否かが判定され、欠陥画素であると判定された放射線検出素子の番号(x,y)等の情報が放射線画像検出器1の記憶手段7に保存されて登録される。
なお、欠陥画素判定ステップ(ステップS1)をコンソール32等の外部装置で行う場合には、有線方式や無線方式によって、キャリブレーション時のダーク読取で各放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)が外部装置に送信される。そして、欠陥画素であると判定された放射線検出素子の番号(x,y)等の情報がコンソール32の図示しない記憶手段やサーバ手段33の記憶手段39(図28参照)に保存されて登録される。
また、欠陥画素判定ステップ(ステップS1)を、実写画像データ取得ステップ(ステップS2)やダーク読取ステップ(ステップS3)等の後に行うように構成することも可能である。
実写画像データ取得ステップ(ステップS2)では、放射線画像検出器1の放射線入射面X(図1参照)側に図示しない患者の手や胸等の被写体部位を載置又は接近させた状態で、図示しない放射線発生装置から放射線を照射する通常の放射線照射が行われるようになっている。
前述したように、放射線画像検出器1には、検出手段にa−Seのような光導電物質を用いて放射線エネルギーを直接電荷に変換し、この電荷を2次元的に配置されたTFT等の信号読み出し用のスイッチ素子によって画素単位に電気信号として読み出す直接方式や、放射線エネルギーをシンチレータ等で光に変換し、この光を2次元的に配置されたフォトダイオード等の光電変換素子で電荷に変換してTFT等によって電気信号として読み出す間接方式などが良く知られている。
その際、放射線画像検出器1が間接方式であれば、被写体を透過した放射線がシンチレータ層3で光に変換されて、画素単位に配置された複数の放射線検出素子(x,y)に入射し、放射線検出素子(x,y)で光電変換された後に、画素単位の電気信号として読み出され、実写画像データF(x,y)が生成される。放射線画像検出器1が直接方式であれば、被写体を透過した放射線がa−Se等の光導電物質によって直接電荷に変換されて、複数の放射線検出素子14によって画素単位に電気信号として読み出され、実写画像データF(x,y)が生成される。
そして、信号読み取り操作により、各放射線検出素子(x,y)(各画素)から出力値として実写画像データF(x、y)が順次読み取られ、放射線画像検出器1の制御手段6により各放射線検出素子の番号(x,y)と各実写画像データF(x、y)とがそれぞれ対応付けられて記憶手段7に保存される。
ダーク読取ステップ(ステップS3)では、続いて、放射線画像撮影の後に少なくとも1回ダーク読取が行われる。すなわち、放射線を照射しない状態で、放射線画像検出器1の各走査線Llに順次読み出し電圧を印加して各放射線検出素子(x,y)内に溜まった電荷をダーク読取値D(x,y)として取り出し、上記と同様に、放射線画像検出器1の制御手段6により各ダーク読取値D(x,y)がそれぞれ各放射線検出素子の番号(x,y)と対応付けられて記憶手段7に保存される。
後述する第一統計値算出ステップ(ステップS4)や第二統計値算出ステップ(ステップS5)、オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)、画像補正ステップ(ステップS7)をコンソール31等の外部装置で行う場合には、有線方式や無線方式によって、各放射線検出素子の番号(x,y)と対応付けられた各実写画像データF(x,y)や各ダーク読取値D(x,y)がそれぞれ放射線画像検出器1から外部装置に送信される。
第一統計値算出ステップ(ステップS4)では、センサパネル部4上の一の放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値D(x,y)と、当該一の放射線検出素子(x,y)と同じように温度変動し当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値D(x´,y´)とを用いて、上記(3)式に従って、今回の放射線画像撮影時に取得されたダーク読取における当該一の放射線検出素子(x,y)に関する空間的平均値である温度補償変数W(x,y)を算出する。空間的平均値である温度補償変数W(x,y)は、本発明における第1の空間的統計値(空間的平均値)に相当する。
そして、この温度補償変数W(x,y)の算出を、センサパネル部4上に2次元状に配置された全ての放射線検出素子(x,y)についてそれぞれ行うようになっている。
第二統計値算出ステップ(ステップS5)では、過去のキャリブレーション時に複数回(M回)行われたダーク読取において得られた一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)のM回分の時間的平均値δ(x,y)が、上記(7)式に従って算出される。時間的平均値δ(x,y)は、本発明における第1の時間的統計値(時間的平均値)に相当する。
また、第二統計値算出ステップ(ステップS5)では、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)のM回分の時間的平均値ω(x,y)が、上記(9)式或いは(10)式に従って算出される。空間的平均値w(x,y)及び時間的平均値ω(x,y)は、それぞれ本発明における第2の空間的統計値(空間的平均値)及び第2の時間的統計値(時間的平均値)に相当する。
なお、この第二統計値算出ステップ(ステップS5)は、必ずしも第一統計値算出ステップ(ステップS4)の後や、実写画像データ取得ステップ(ステップS2)、ダーク読取ステップ(ステップS3)の後に行われる必要はなく、適宜のタイミングで事前に行っておくように構成することも可能である。
オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)では、第二統計値算出ステップ(ステップS5)で算出された時間的平均値δ(x,y)(第1の時間的統計値)と、時間的平均値ω(x,y)(第2の時間的統計値)とから、それらの差分、すなわち温度補正済みダーク読取の時間的平均値ε(x,y)(=δ(x,y)−ω(x,y))を算出する。
そして、算出したε(x,y)と、第一統計値算出ステップ(ステップS4)で算出した当該一の放射線検出素子(x,y)に関する温度補償変数W(x,y)(第1の空間的統計値)とを加算して、当該一の放射線検出素子(x,y)に対するオフセット補正値O(x,y)を算出するようになっている。また、このオフセット補正値O(x,y)の算出を、センサパネル部4上に2次元状に配置された全ての放射線検出素子(x,y)についてそれぞれ行うようになっている。
画像補正ステップ(ステップS7)では、前述した実写画像データ取得ステップ(ステップS2)で各放射線検出素子(x,y)から読み取られた実写画像データF(x,y)から、上記のオフセット補正値算出ステップ(ステップS6)で各放射線検出素子(x,y)について算出された各オフセット補正値O(x,y)をそれぞれ差し引いて実写画像データF(x,y)が補正されるようになっている。
そして、実写画像データF(x,y)と、オフセット補正値O(x,y)と、各放射線検出素子(x,y)について予め算出されているゲイン補正値G(x,y)とを上記(1)式に代入して、各放射線検出素子(x,y)について最終的な画像データF(x,y)が生成されるようになっている。
このようにして、実写画像データ取得ステップ(ステップS2)で生成された実写画像データF(x、y)に対して画素(放射線検出素子(x,y))ごとの特性ばらつきが補正されて最終的な画像データF(x,y)が生成される。
なお、オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)で処理される、過去のキャリブレーション時のダーク読取で得られた一の放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)や、画像補正ステップ(ステップS7)で処理される実写画像データF(x,y)等についても、欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子から出力されたデータである場合には、上記の欠陥画素がある場合の空間的平均値の算出手法と同様にして欠陥画素から出力されたデータに対して置換や補間等の処理がなされるように構成することも可能であり、適宜行われる。
以上のように、本実施形態に係る放射線画像検出器を用いた画像生成方法によれば、前述した放射線画像検出器1の各放射線検出素子(x,y)のオフセット補正値O(x,y)取得の原理に従って、放射線画像撮影の前又は後にダーク読取を少なくとも1回行うだけで、放射線画像検出器1の各放射線検出素子(x,y)についてそれぞれ真値に近似する有効なオフセット補正値O(x,y)を取得することが可能となる。
そのため、被写体の撮影に際し、ダーク読取の回数を少なくとも1回におさえることができ、さらに、放射線画像検出器(FPD)1からダーク読取値D(x,y)を送信する場合においては、ダーク読取値D(x,y)の送信が少なくとも1回で済むため、ダーク読取値D(x,y)の読取や送信に要する電力消費を低減させることが可能となる。また、全てのダーク読取値D(x,y)を送信し終わるまでの送信時間の短縮を図ることが可能となる。
特に、放射線画像検出器1がバッテリ内蔵型であり、ダーク読取値D(x,y)を無線通信するような場合でも、ダーク読取及び送信が少なくとも1回で済むため、電力消費が低減されて内蔵バッテリ21の消耗を防止することが可能となる。また、各放射線検出素子(x,y)について従来方式と同等の有効なオフセット補正値O(x,y)がそれぞれ取得され、良好な画像データF(x,y)を得ることが可能となる。
また、欠陥画素判定ステップ(ステップS1)において上記の本実施形態に係る欠陥画素判定方法を用いることで、放射線検出素子が欠陥画素であるか否かが的確に判定され、欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子に対して置換や補間等の適切な処理が行われてオフセット補正値O(x,y)が算出されるため、有効なオフセット補正値O(x,y)を的確に取得することが可能となる。そのため、最終的に得られる画像データF(x,y)のSN比を良好なものとすることが可能となる。
なお、本実施形態の放射線画像検出器を用いた画像生成や、その前提となる上記の原理では、放射線画像撮影の前又は後のダーク読取で放射線検出素子(x,y)に対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力されるダーク読取値D(x´,y´)の空間的平均値である温度補償変数W(x,y)として空間的統計値を算出する場合について説明した。また、過去のキャリブレーション時の複数回のダーク読取で放射線検出素子(x,y)から出力されるダーク読取値d(x,y)の時間的平均値δ(x,y)、及び当該放射線検出素子(x,y)に対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力されるダーク読取値d(x´,y´)の空間的平均値w(x,y)の時間的平均値ω(x,y)として、それぞれ時間的統計値を算出する場合について説明した。
しかし、空間的統計値や時間的統計値のとり方を、このように単純平均をとる算出法以外にも、種々のとり方を採用することが可能である。
すなわち、空間的統計値のとり方としては、例えば、一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)のうち、当該一の放射線検出素子(x,y)に位置的に近い放射線検出素子(x´,y´)ほど出力された各ダーク読取値(x´,y´)に対する重みが大きくなるように重み付けして、その重み付け平均値を空間的統計値として算出するように構成することが可能である。
また、例えば、一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値(x´,y´)の中央値(メディアン値)を空間的統計値として算出するように構成することも可能である。
また、時間的統計値のとり方としては、例えば、過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において、一の放射線検出素子(x,y)自身から出力された複数個のダーク読取値d(x,y)や、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の複数個の空間的統計値である温度補償変数w(x´,y´)のうち、時間的に現在に近いデータほどダーク読取値d(x,y)や空間的統計値w(x´,y´)に対する重みが大きくなるように重み付けして、その重み付け平均値を時間的統計値として算出するように構成することが可能である。
また、例えば、一の放射線検出素子(x,y)自身から出力された複数個のダーク読取値d(x,y)や、当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の複数個の空間的統計値w(x´,y´)の中央値を時間的統計値として算出するように構成することも可能である。
なお、上記の欠陥画素判定方法において使用される空間的平均値w(x,y)や空間的平均値W(x,y)の代わりに重み付け平均値や中央値を用いるように構成することが可能である。
[放射線画像生成システム]
以下に、本発明の画像生成方法を実施するための実施形態の一例を示す。本実施形態では、放射線画像生成システム30は、図28に示すように、放射線画像検出器1(図1等参照)と、コンソール31と、サーバ手段39とを備えている放射線画像生成システムである。
放射線画像検出器1は、撮影室R1に設けられたブッキー装置33の保持部33aに装填されて用いられるようになっている。ブッキー装置33には、携帯情報端末様の小型の操作部33bが設けられている。
また、本実施形態では、放射線発生装置34の1つの放射線源34aが、各ブッキー装置33に共有されて用いられるようになっており、放射線画像検出器1をブッキー装置33に装填して用いる場合には、対応する放射線源34aから放射線が照射される際に、放射線発生装置34の放射線発生のタイミング制御が放射線画像検出器1の制御手段6と連動する仕組みになっており、放射線発生装置34の放射線発生のタイミングに基づいて、放射線画像検出器1の各種制御が行われる。なお、各ブッキー装置33に、それぞれ放射線発生装置34の各放射線源34aを対応付けて設けるように構成することも可能である。
放射線画像検出器1は、ブッキー装置33に装填されずに、単独でフリーの状態で用いることもできるようになっている。その場合、例えばベッドタイプのブッキー装置33の上に放射線画像検出器1を乗せた状態で使用したり、患者が放射線画像検出器1を手で抱えた状態で使用したりすることができる。
放射線画像検出器1には、ダーク読取値D(x,y)等を無線方式で送信するための通信手段であるアンテナ装置3(図1参照)が設けられている。また、放射線画像検出器1には、放射線画像検出器1がブッキー装置33の保持部33aに装填された際に保持部33aに設けられた図示しない電極と接続してダーク読取値D(x,y)等を有線方式で送信するための通信手段及び放射線画像検出器1への電源供給手段である端子13(図2参照)が、放射線画像検出器1のアンテナ装置3や電源スイッチ11の存在する筐体2の側面部分とは反対側(対面)の側面部分に設けられている。また、端子13と同一側面部分には、バッテリ21を充電するための電源供給手段である端子22が設けられている。
このように、放射線画像検出器1は、ブッキー装置33に装填された際には端子13と保持部33aの電極とが接続されてダーク読取値D(x,y)等がケーブル32を介して有線方式で中継端末35に送られ、中継端末35を介してコンソール31に送信されるようになっている。また、放射線画像検出器1は、ブッキー装置33に装填された際には、ケーブル32、端末13を介して中継端末35から放射線画像検出器1へ電力が供給されるように構成されている。
また、ブッキー装置33に装填されずに放射線画像検出器1が単独で用いられる場合には、アンテナ装置3を介してダーク読取値D(x,y)等を無線方式で送信するようになっている。撮影室R1には、放射線画像検出器1が無線方式でコンソール31にダーク読取値D(x,y)等を通信する際に中継する無線アンテナ36を備える中継端末35が設けられている。そして、放射線画像検出器1のアンテナ装置3から無線方式で送信されたダーク読取値D(x,y)等の情報は、無線アンテナ36で受信され、中継端末35を介してコンソール31に送信されるようになっている。
また、放射線画像検出器1は、ブッキー装置33に装填された際にはケーブル32、端子13を介して中継端末35から電力の供給を受けるが、単独で用いられる場合には、内蔵のバッテリ21の電力により動作するようになっている。なお、中継端末35にはバッテリ充電用の図示しない電力供給手段である端子が設けてあり、放射線画像検出器1の端子22を中継端末35上の端子に接触させると、中継端末35から図示しない端子、端子22を介して放射線画像検出器1のバッテリ21に電力が供給され、バッテリ21が充電されるようになっている。しかし、この形態には限定されない。
また、放射線画像検出器1内には、図示しないタグが内蔵されている。この場合、タグとして、いわゆるRFID(Radio Frequency IDentification)タグが用いられており、タグには、タグの各部を制御する制御回路や放射線画像検出器1のID等の固有情報を記憶する記憶部がコンパクトに内蔵されている。
前室R2の入口の近傍には、放射線画像検出器1のRFIDタグを読み取るタグリーダ37が設置されている。タグリーダ37は、内蔵する図示しないアンテナを介して電波等に所定の指示情報を乗せて発信し、前室R2に入室し或いは退室する放射線画像検出器1を検出して、放射線画像検出器1のID等をコンソール31に送信するようになっている。
なお、放射線画像検出器1内にRFIDタグを内蔵させる場合の例を示したが、放射線画像検出器1内にRFIDタグを内蔵させる代わりに、放射線画像検出器1の筐体外側表面に放射線画像検出器1のID等を書き込んだバーコードを添付しておき、これをバーコードリーダーで読み取るようにしても良い。この場合、タグリーダ37が、バーコードリーダーとなり、前室R2に入室し或いは退室する放射線画像検出器1のバーコードを読み取って、放射線画像検出器1のID等をコンソール31に送信する。
なお、タグリーダ37やバーコードリーダーは前室R2の入口の近傍の代わりに、撮影室R1の入口近傍に設置し、撮影室R1への放射線画像検出器1の入退室を管理するようにしても良い。
このように、RFIDやバーコードを使って、前室R2や撮影室R1への放射線画像検出器1の入室或いは退室をコンソール31に通知することで、放射線画像検出器1をどの放射線発生装置(本例の場合は放射線発生装置34)と連動されれば良いかを、コンソール31や放射線発生装置34に自動的に知らせることができる。このようなRFIDやバーコードを使った放射線画像検出器1の撮影室等への入室或いは退室の管理は、撮影室や放射線発生装置が複数存在する施設で有効に機能する。なお、RFIDやバーコードを使用しない場合は、放射線画像検出器1の撮影室等への入室或いは退室の情報を、使用者が直接コンソール31へ入力するようにしても良い。
前室R2には、放射線画像生成システム30全体の制御を行うコンソール31が設けられており、コンソール31には、前述した中継端末35やタグリーダ37、放射線発生装置34の本体部34b等が接続されており、また、中継端末35を介してブッキー装置33等が接続されている。
コンソール31は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM、RAM、ハードディスク等の記憶手段、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピュータで構成されており、ROMやハードディスク等の記憶手段に格納されている各種処理の実行に必要なプログラムを読み出してRAMの作業領域に展開して、プログラムに従って処理を実行するようになっている。
また、ROMやハードディスク等の記憶手段には、前述した放射線画像検出器を用いた画像生成方法の実写画像データ取得ステップ(図27のステップS2)と、ダーク読取ステップ(ステップS3)と、第一統計値算出ステップ(ステップS4)と、第二統計値算出ステップ(ステップS5)と、オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)と、画像補正ステップ(ステップS7)とを実現するための画像生成プログラムが格納されており、コンソール31は、この画像生成プログラムを読み出してRAMの作業領域に展開して、この画像生成プログラムに従って必要な処理を実行し、また、装置各部を制御するようになっている。
また、コンソール31には、ネットワークNWを介してコンピュータからなるサーバ手段39が接続されている。また、サーバ手段39は、ハードディスク等からなる記憶手段38が接続されている。
記憶手段38及びコンソール31自身の図示しない記憶手段には、放射線画像生成システム30で使用可能な各放射線画像検出器1について、空間的統計値(空間的平均値)を算出するために、各放射線検出素子(x,y)にどの放射線検出素子(x´,y´)を対応付けるかの情報が放射線画像検出器1のIDに対応付けられて予めそれぞれ記憶されている。
また、放射線画像検出器1からは、キャリブレーション時に行われたダーク読取で各放射線検出素子(x,y)から出力されたダーク読取値d(x,y)がコンソール31を介してサーバ手段39に送信されるようになっている。
サーバ手段39は、放射線画像検出器1からダーク読取値d(x,y)が送信されてくると、記憶手段38にダーク読取値d(x,y)を保存するとともに、当該放射線検出器1の各放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的統計値(時間的平均値)δ(x,y)や、各放射線検出素子(x,y)に対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的統計値(空間的平均値)w(x´,y´)の時間的統計値(時間的平均値)ω(x,y)を算出して記憶手段38にダーク読取値d(x,y)を保存するようになっている。
なお、このダーク読取値d(x,y)の保存及び時間的統計値(時間的平均値)δ(x,y)、空間的統計値(空間的平均値)w(x´,y´)の時間的統計値(時間的平均値)ω(x,y)の算出、保存を、コンソール31やコンソール31の記憶手段で行うように構成することも可能である。
また、コンソール31は、放射線画像検出器1からダーク読取値d(x,y)が送信されてくると、上記のように、サーバ手段39に送信するとともに、過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取で当該放射線画像検出器1の各放射線検出素子(x,y)から出力された複数回分のダーク読取値d(x,y)を用い、前述した欠陥画素判定方法に基づき、放射線画像検出器を用いた画像生成方法の欠陥画素判定ステップ(図27のステップS1)を行って、各放射線検出素子(x,y)について欠陥画素か否かの判定を行うようになっている。
そして、欠陥画素であると判定した放射線検出素子(x,y)があれば、その放射線検出素子の番号(x,y)等の情報を、当該放射線画像検出器1のID等と対応付けて、自らの記憶手段に保存したり、サーバ手段39に送信して記憶手段38に保存させて登録するようになっている。
コンソール31は、放射線技師や医師等から放射線画像撮影の指示を受けると、撮影条件(管電流、管電圧等)や照射開始を制御する放射線発生装置34を駆動する等して実写画像データ取得ステップ(図27のステップS2)を実行する。また、放射線画像撮影の前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行うように放射線画像検出器1に指示信号を送信して、ダーク読取ステップ(ステップS3)を実行する。
放射線画像検出器1は、自らのIDと、各放射線検出素子(x,y)について実写画像データ取得ステップ(ステップS2)で取得した放射線画像の実写画像データF(x,y)とダーク読取ステップ(ステップS3)で取得したダーク読取値D(x,y)とを有線方式又は無線方式でコンソール31に送信する。コンソール31は、放射線画像検出器1から実写画像データF(x,y)とダーク読取値D(x,y)とが送信されてくると、それらを自らの記憶手段に保存する。
コンソール31は、続いて、第一統計値算出ステップ(ステップS4)を実行する。コンソール31は、放射線画像検出器1のIDを参照して、記憶手段から各放射線検出素子(x,y)に対応付ける複数の放射線検出素子(x´,y´)の情報を読み出し、それらから出力された各ダーク読取値D(x´,y´)を用いて、上記(3)式に従って各放射線検出素子(x,y)についてそれぞれ温度補償変数W(x,y)(第1の空間的統計値)を算出する。
また、本実施形態では、コンソール31やサーバ手段39は、予め過去のキャリブレーション時に得られたデータに基づいて第二統計値算出ステップ(ステップS5)を実行するようになっており、時間的平均値δ(x,y)(第1の時間的統計値)、空間的平均値w(x,y)(第2の空間的統計値)、及び時間的平均値ω(x,y)(第2の時間的統計値)を算出して、記憶手段38に保存するようになっている。
コンソール31は、続いて、オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)を実行する。その際、コンソール31は、タグリーダ37を介して送信されてきた放射線画像検出器1のIDをネットワークNWを介してサーバ手段39に送信する。
サーバ手段39は、放射線画像検出器1のIDに基づいて、当該放射線画像検出器1について前記第二統計値算出ステップ(ステップS5)で算出した各放射線検出素子(x,y)自身から出力されたダーク読取値d(x,y)の時間的統計値(時間的平均値)δ(x,y)、及び各放射線検出素子(x,y)に対応付けられた複数の放射線検出素子(x´,y´)から出力された各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的統計値(空間的平均値)w(x´,y´)の時間的統計値(時間的平均値)ω(x,y)を記憶手段38から読み出して、コンソール31に送信する。
コンソール31は、当該放射線画像検出器1の各放射線検出素子(x,y)について、サーバ手段39から入手したダーク読取値d(x,y)の時間的統計値(時間的平均値)δ(x,y)と、各ダーク読取値d(x´,y´)の空間的統計値(空間的平均値)w(x´,y´)の時間的統計値(時間的平均値)ω(x,y)とから、それらの差分ε(x,y)(=δ(x,y)−ω(x,y))を算出する。
そして、算出したε(x,y)と、第一統計値算出ステップ(ステップS4)で算出した当該放射線画像検出器1の各放射線検出素子(x,y)についての各温度補償変数W(x,y)とを加算して、各放射線検出素子(x,y)に対するオフセット補正値O(x,y)を算出する。
コンソール31は、続いて、画像補正ステップ(ステップS7)を実行し、実写画像データ取得ステップ(ステップS2)で各放射線検出素子(x,y)から取得した各実写画像データF(x,y)から、オフセット補正値算出ステップ(ステップS6)で各放射線検出素子(x,y)について算出した各オフセット補正値O(x,y)をそれぞれ差し引き、その差分に各放射線検出素子(x,y)について予め算出されているゲイン補正値G(x,y)を乗算して、各放射線検出素子(x,y)について最終的な画像データF(x,y)を生成する。
このように放射線画像生成システム30を構成することで、上記の放射線画像検出器を用いた画像生成方法の効果が有効に発揮され、各放射線検出素子(x,y)についてそれぞれ有効なオフセット補正値O(x,y)が取得され、実写画像データ取得ステップ(ステップS2)で生成された実写画像データF(x、y)に対して画素(放射線検出素子14)ごとの特性ばらつきが補正されて最終的な画像データF(x,y)が生成される。
また、それとともに、放射線画像撮影の前又は後にダーク読取を少なくとも1回行うだけで済み、放射線画像の実写画像データF(x,y)と少なくとも1回分のダーク読取値D(x,y)を放射線画像検出器1から送信するだけで済むため、放射線画像撮影に要する電力消費を低減させることが可能となる。
特に、放射線画像検出器1がバッテリ内蔵型である場合には、ダーク読取が少なくとも1回で済み、ダーク読取値D(x,y)の送信が少なくとも1回分だけで済むため、放射線画像撮影やダーク読取値D(x,y)の読取及び送信に要する電力消費が低減され、内蔵バッテリ21の消耗を防止することが可能となる。また、放射線画像検出器1を有線方式で使用する場合であっても、ダーク読取回数やダーク読取値D(x,y)の送信回数が低減できるため、消費電力を抑えることができる。
また、上記の本実施形態に係る欠陥画素判定方法を用いて欠陥画素判定を行うことで、放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを的確に判定し、欠陥画素であると判定して登録している放射線検出素子に対して置換や補間等の適切な処理を行ってオフセット補正値O(x,y)を算出することが可能となり、有効なオフセット補正値O(x,y)を的確に取得することが可能となる。そのため、最終的に得られる画像データF(x,y)のSN比を良好なものとすることが可能となる。
なお、本実施例では、放射線画像撮影の前又は後にダーク読取を1回行う場合に特に有効な手法として説明を行ったが、ダーク読取を2回以上行う場合であっても同様な効果を得ることができる。すなわち、キャリブレーション時に実施したダーク読取り回数をM回、放射線画像撮影の前又は後に行うダーク読取り回数をK回とした場合に、M>Kの関係が成立すれば、本発明で説明したのと同様の効果が得られることは言うまでもない。
すなわち、K>2の場合は、ダーク読取値をDk(x,y)(k=1〜K、K>2)とおき、
Figure 0005293042
を本発明の実施例のD(x,y)にあてはめて考えれば良い。すなわち、
D(x,y)=Dkave(x,y) …(42)
として考えれば良い。
また、当該放射線画像検出器1の放射線検出素子(x,y)中に欠陥画素がある場合でも、上記の空間的統計値(空間的平均値)の算出手法を用いることで、欠陥画素から出力されるダーク読取値Dが適切に置換され或いは補間されて、有効な空間的統計値(空間的平均値)である温度補償変数W(x,y)やw(x´,y´)を算出することが可能となる。また、それにより、オフセット補正値O(x,y)を的確に算出することが可能となる。
なお、本発明が上記の実施の形態に限定されず、適宜変更可能であることはいうまでもない。本発明の概念は、一の放射線検出素子と同じように温度変動する放射線検出素子(x´,y´)を予め選択して当該一の放射線検出素子(x,y)に予め対応付けるものである。そのため、放射線検出素子自体は、上記の実施形態のように放射線検出素子タイプである必要はなく、他の構造を有するものを2次元的に配置したセンサパネル部を備える放射線画像検出器にも適用可能であることはいうまでもない。
また、本発明では、放射線検出素子の画素単位での温度変動を取り上げて説明を行ったが、温度変動以外の因子であっても、ある画素値が近傍の画素値と類似の変化をもたらす様な変動であれば、同様の手法を適応することで同様の効果を得られることは言うまでもない。
さらに、本実施形態では、データ処理をコンソール31で行う場合について説明したが、実写画像データF(x,y)から各画素ごとに各オフセット補正値O(x,y)をそれぞれ差し引き、実写画像データF(x、y)を補正して最終的な画像データF(x,y)を生成するまでの全てのデータ処理を放射線画像検出器1で行うように構成することも可能である。
さらに、例えば、上記の実施形態においては、放射線画像撮影時とは別に行われるキャリブレーション時にダーク読取を行うこととしたが、放射線画像撮影の前又は後に行うダーク読取値を保存しておき、それを用いるように構成してもよい。この場合には、例えば連続して行われた放射線画像撮影の複数回分のダーク読取値を正規化する等して保存しておき、当該複数回分のダーク読取値を用いて上記の実施形態と同様に時間的統計値(時間的平均値)δ(x,y)やω(x,y)を算出するようにしてもよい。
また、本実施例では、オフセット補正を例に取り、説明を行ったが、ゲイン補正値G(x,y)を求める際にも、フラットパネルディタクタに対して所定の条件で一様な放射線を照射し、この読取値(本実施例の中の実写画像データF(x,y)に相当)に対してもオフセット補正が適応される。このため、本実施例では、実写画像データF(x,y)に対してオフセット補正を行う場合を例に取り説明を行ったが、前記理由によりゲイン補正値O(x,y)を求める際にも同様な処置が実施可能であり、かつ同様の効果があることは言うまでもない。
本実施形態に係る放射線画像検出器を用いた画像生成方法に用いられる放射線画像検出器の外観構成を示す図である。 放射線画像検出器のセンサパネル部及び読取部の構成に示す等価回路図である。 放射線検出素子に割り当てられた番号を説明する図である。 複数回のダーク読取ごとに放射線検出素子から出力されるダーク読取値を説明する図である。 複数回のダーク読取で放射線検出素子から出力される複数のダーク読取値の時間的ゆらぎの分布を説明するグラフである。 放射線検出素子に対応付ける複数の放射線検出素子のとり方の一例を示す図である。 放射線検出素子が異なるとダーク読取値の時間的ゆらぎの分布は平均値や標準偏差が異なることを説明するグラフである。 空間的平均値W(x,y)の分布の標準偏差が小さい分布となることを説明するグラフである。 D(x,y)時間的ゆらぎの分布とD(x’,y’)の時間的ゆらぎの分布の温度変化によるシフト度合いが異なるとブロードとなる温度補償変数Wの分布を示すグラフである。 1回のダーク読取では放射線検出素子からオフセット補正値の真値を推定することが難しいことを説明するグラフである。 複数回のダーク読取ごとに放射線検出素子から出力されるダーク読取値及び空間的平均値を説明する図である。 複数回のダーク読取ごとに出力されるダーク読取値や空間的平均値が正規分布状に分布することを説明するグラフである。 放射線検出素子の温度が時間的に変動することを説明するグラフである。 放射線画像撮影の前又は後に行われる1回のダーク読取で放射線検出素子から出力されるダーク読取値や空間的平均値について推定される時間的ゆらぎの分布を説明するグラフである。 複数回のダーク読取中に温度変動が起こるとダーク読取値dの分布はブロードになるが、ε(x,y)の分布はブロードにならない様子を示すグラフである。 (A)〜(C)は一の放射線検出素子が正方領域の中心ではない位置に位置するように設定された領域の例を示す図である。 所定個数の放射線検出素子ごとに1個ずつ接続される読み出しICを説明する図である。 領域に属する各放射線検出素子からの電気信号が隣接する2つの読み出しICで別々に読み出される場合を説明する図である。 (A)、(B)は通常の仕方で複数の放射線検出素子が選択される場合、(C)、(D)は隣接する読み出しICの境界の近傍をセンサパネル部の周縁部分と同様に扱う場合を説明する図である。 放射線検出素子からのダーク読取値のゆらぎの分布の標準偏差が平均的な分布とそれよりも格段に大きい分布を表すグラフである。 放射線検出素子からのダーク読取値のゆらぎの分布の平均値が閾値よりも大きい場合を表すグラフである。 差分のゆらぎの分布の標準偏差が平均的な分布を表すグラフである。 差分のゆらぎの分布の標準偏差が図22に示した場合よりも大きい分布を表すグラフである。 注目画素が放射線検出素子(4,4)であり、それに対応付けられた7×7個の放射線検出素子うち放射線検出素子(6,6)が欠陥画素である場合の例を説明する図である。 図24の例で領域外の位置に存在する放射線検出素子で欠陥画素を置換する例を示す図である。 図24の例で放射線検出素子(7,6)が欠陥画素の場合に領域外の位置に存在する放射線検出素子で欠陥画素を補間する例を説明する図である。 本実施形態に係る放射線画像検出器を用いた画像生成方法の処理手順を示すフローチャートである。 本実施形態に係る放射線画像生成システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 放射線画像検出器
3 アンテナ装置(通信手段)
4、5、6 画像データ取得手段
6 制御手段(判定手段、補正手段)
13 通信手段(端子)
21 バッテリ
30 放射線画像生成システム
31 コンソール
38 記憶手段
91、92 読み出しIC
D(x,y) ダーク読取値
(x,y) キャリブレーション時に得られたダーク読取値
F(x,y) 実写画像データ
(x,y) 画像データ
O(x,y) オフセット補正値
R 領域
W(x,y) 温度補償変数としての空間的平均値(第1の空間的統計値)
(x,y) キャリブレーション時に得られた空間的統計値(温度補償変数としての空間的平均値)(第2の空間的統計値)
(x,y) 放射線検出素子
(xs,ys) 欠陥画素
δ(x,y) d(x,y)の時間的統計値(時間的平均値)(第1の時間的統計値)
δth1 第1閾値(閾値)
δth2 第2閾値(別の閾値)
ε(x,y) 差分
εth1 第1閾値(閾値)
εth2 第2閾値(別の閾値)
σd(x,y) 標準偏差
σd(x,y) 分散
σdth 閾値
σε(x,y) 標準偏差
σεth 閾値
ω(x,y) w(x,y)の時間的統計値(時間的平均値)(第2の時間的統計値)

Claims (17)

  1. 被写体を透過した放射線を放射線画像検出器の2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して実写画像データを生成し、生成された前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する放射線画像検出器における欠陥画素判定方法であって、
    キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の前記放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値の前記複数回分の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定するものであり、
    前記一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において、各回のダーク読取ごとに、当該一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値と、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の統計値との差分であることを特徴とする欠陥画素判定方法。
  2. 前記時間的統計値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値の前記複数回分の分布の標準偏差又は分散であり、
    前記分布の標準偏差又は分散が、予め設定された前記閾値よりも大きい場合に、当該一の放射線検出素子を欠陥画素として判定することを特徴とする請求項1に記載の欠陥画素判定方法。
  3. 前記時間的統計値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値の前記複数回分の分布の時間的平均値、重み付け平均値、又は中央値であり、
    前記分布の時間的平均値、重み付け平均値、又は中央値が、予め設定された前記閾値よりも大きい場合、又は予め前記閾値よりも小さい値に設定された別の閾値よりも小さい場合に、当該一の放射線検出素子を欠陥画素として判定することを特徴とする請求項1に記載の欠陥画素判定方法。
  4. 前記時間的統計値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数のダーク読取値に関連する値の最大値もしくは最小値であり、
    前記最大値が、予め設定された前記閾値よりも大きい場合、もしくは、前記最小値が、予め設定された前記閾値よりも小さい場合に、当該一の放射線検出素子を欠陥画素として判定することを特徴とする請求項1に記載の欠陥画素判定方法。
  5. 前記時間的統計値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数のダーク読取値に関連する値が予め設定された第1の閾値を超えた回数であり、前記回数が予め設定された第2の閾値よりも大きい場合に、当該一の放射線検出素子を欠陥画素として判定することを特徴とする請求項1に記載の欠陥画素判定方法。
  6. 前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子は、前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子における当該一の放射線検出素子を含む領域内に存在する複数の放射線検出素子であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の欠陥画素判定方法。
  7. 前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子は、前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子における当該一の放射線検出素子を含む正方領域内もしくは長方領域に存在する複数の放射線検出素子であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の欠陥画素判定方法。
  8. 前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子は、前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子における当該一の放射線検出素子を中心とする正方領域内もしくは長方領域に存在する複数の放射線検出素子であることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の欠陥画素判定方法。
  9. 前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子は、それぞれ信号線を介して同一の読み出しICに接続される放射線検出素子の中から予め選択されて当該一の放射線検出素子に対応付けられることを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の欠陥画素判定方法。
  10. 前記欠陥画素であると判定した放射線検出素子を欠陥画素マップに登録することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の欠陥画素判定方法。
  11. 被写体を透過した放射線を放射線画像検出器の2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して実写画像データを生成し、生成された前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する放射線画像検出器内に設けられたコンピュータに、
    キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の前記放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値の前記複数回分の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定する欠陥画素判定機能を実現させるための欠陥画素判定プログラムであって、
    前記一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値に関連する値は、前記キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において、各回のダーク読取ごとに、当該一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値と、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の統計値との差分であることを特徴とする欠陥画素判定プログラム
  12. 被写体を透過した放射線を放射線画像検出器の2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して実写画像データを生成し、生成された前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する放射線画像検出器を用いた画像生成方法であって、
    キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の前記放射線検出素子から出力されたダーク読取値の前記複数回分の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定し、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であると判定した場合に登録する欠陥画素判定ステップと、
    被写体を透過した放射線を前記複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して前記実写画像データを生成する実写画像データ取得ステップと、
    前記実写画像データ取得ステップの前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行うダーク読取ステップと、
    一の前記放射線検出素子について、当該一の放射線検出素子と同様に温度変動し、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値に基づき、今回の前記ダーク読取における第1の空間的統計値を算出し、その算出処理を前記2次元状に配置された前記複数の放射線検出素子について行って、それぞれ前記第1の空間的統計値を算出する第一統計値算出ステップと、
    過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数個のダーク読取値の第1の時間的統計値、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた前記複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の第2の空間的統計値の、前記複数回行われたダーク読取についての第2の時間的統計値を算出する第二統計値算出ステップと、
    前記第一統計値算出ステップ及び前記第二統計値算出ステップで当該一の放射線検出素子に関して算出された前記第1の空間的統計値と、前記第1の時間的統計値と、前記第2の時間的統計値とに基づいて、当該一の放射線検出素子に対するオフセット補正値を算出し、その算出処理を前記複数の放射線検出素子に対して行ってそれぞれ前記オフセット補正値を算出するオフセット補正値算出ステップと、
    を有し、
    前記統計値算出ステップにおける前記空間的統計値の算出、及び前記オフセット補正値算出ステップでキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の前記各空間的統計値の算出においては、前記欠陥画素判定ステップで前記欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子がある場合には、当該放射線検出素子について置換処理又は補間処理を行って各算出を行うことを特徴とする放射線画像検出器を用いた画像生成方法。
  13. 2次元状に配置された複数の放射線検出素子と、判定手段と、画像データ取得手段と、生成された実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成する補正手段と、を備え、
    前記判定手段は、
    キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、一の放射線検出素子から出力されたダーク読取値の前記複数回の時間的統計値について予め設定された閾値に基づいて、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定し、当該一の放射線検出素子が欠陥画素であると判定した場合に登録し、
    前記画像データ取得手段は、
    キャリブレーション時には、ダーク読取を複数回行って、各放射線検出素子から前記複数回分のダーク読取値を出力し、
    放射線画像撮影において、被写体を透過した放射線を前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して前記実写画像データを生成し、
    前記放射線画像撮影の前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行い、
    前記補正手段は、
    一の前記放射線検出素子について、当該一の放射線検出素子と同様に温度変動し、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値に基づき、今回の前記ダーク読取における第1の空間的統計値を算出し、その算出処理を前記2次元状に配置された前記複数の放射線検出素子について行って、それぞれ前記第1の空間的統計値を算出し、
    過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数個のダーク読取値の第1の時間的統計値、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた前記複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の第2の空間的統計値の、前記複数回行われたダーク読取についての第2の時間的統計値を算出し、
    前記第一統計値算出ステップ及び前記第二統計値算出ステップで当該一の放射線検出素子に関して算出された前記第1の空間的統計値と、前記第1の時間的統計値と、前記第2の時間的統計値とに基づいて、当該一の放射線検出素子に対するオフセット補正値を算出し、その算出処理を前記複数の放射線検出素子に対して行ってそれぞれ前記オフセット補正値を算出し、
    前記画像データ取得手段で生成された前記実写画像データから、各画素ごとに、前記各オフセット補正値をそれぞれ差し引いて、前記実写画像データを補正して最終的な画像データを生成するとともに、
    放射線画像撮影の前又は後に少なくとも1回行われたダーク読取で前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の空間的統計値の算出、及びキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の前記各空間的統計値の算出においては、前記判定手段により欠陥画素であると判定されて登録されている放射線検出素子がある場合には、当該放射線検出素子について置換処理又は補間処理を行って各算出を行うことを特徴とする放射線画像検出器
  14. バッテリが内蔵されており、前記バッテリから各部材に給電されることを特徴とする請求項13に記載の放射線画像検出器。
  15. 2次元状に配置された複数の放射線検出素子と、画像データ取得手段と、実写画像データ及びダーク読取値を送信する通信手段とを備える放射線画像検出器と、
    前記放射線画像検出器から前記実写画像データ及び前記ダーク読取値を取得して、取得した前記実写画像データに対して画素ごとの特性ばらつきを補正して最終的な画像データを生成するコンソールと、
    を備え、
    前記放射線画像検出器の前記画像データ取得手段は、
    キャリブレーション時には、ダーク読取を複数回行って、各放射線検出素子から前記複数回分のダーク読取値を出力し、
    放射線画像撮影において、被写体を透過した放射線を前記2次元状に配置された複数の放射線検出素子で画素単位の電気信号に変換して前記実写画像データを生成し、
    前記放射線画像撮影の前又は後に、少なくとも1回のダーク読取を行って前記ダーク読取値を出力し、
    前記コンソールは、
    前記通信手段を介して前記放射線画像検出器から前記実写画像データ及び前記ダーク読取値を取得し、
    当該放射線画像検出器におけるキャリブレーション時のダーク読取で各放射線検出素子から出力されたダーク読取値を取得し、キャリブレーション時に複数回行われたダーク読取で各放射線検出素子から出力された前記複数回分のダーク読取値から算出した時間的統計値と予め設定された閾値とを比較して、各放射線検出素子が欠陥画素であるか否かを判定し、欠陥画素であると判定した放射線検出素子がある場合には登録し、
    前記放射線画像検出器の一の前記放射線検出素子について、当該一の放射線検出素子と同様に温度変動し、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値に基づき、今回の前記ダーク読取における第1の空間的統計値を算出し、その算出処理を前記2次元状に配置された前記複数の放射線検出素子について行って、それぞれ前記第1の空間的統計値を算出し、
    過去のキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において得られた、前記一の放射線検出素子から出力された複数個のダーク読取値の第1の時間的統計値、当該一の放射線検出素子に予め対応付けられた前記複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の第2の空間的統計値の、前記複数回行われたダーク読取についての第2の時間的統計値を算出し、
    前記第一統計値算出ステップ及び前記第二統計値算出ステップで当該一の放射線検出素子に関して算出された前記第1の空間的統計値と、前記第1の時間的統計値と、前記第2の時間的統計値とに基づいて、当該一の放射線検出素子に対するオフセット補正値を算出し、その算出処理を前記複数の放射線検出素子に対して行ってそれぞれ前記オフセット補正値を算出し、
    前記画像データ取得手段で生成された前記実写画像データから、各画素ごとに、前記各オフセット補正値をそれぞれ差し引いて、前記実写画像データを補正して最終的な画像データを生成し、
    放射線画像撮影の前又は後に少なくとも1回行われたダーク読取で前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の空間的統計値の算出、及びキャリブレーション時に複数回行われたダーク読取において前記予め対応付けられた複数の放射線検出素子から出力された各ダーク読取値の前記各空間的統計値の算出においては、前記欠陥画素であると判定して登録されている放射線検出素子がある場合には、当該放射線検出素子について置換処理又は補間処理を行って各算出を行うことを特徴とする放射線画像生成システム。
  16. 前記放射線画像検出器には、バッテリが内蔵されており、
    前記放射線画像検出器の前記通信手段は、無線方式の通信手段であることを特徴とする請求項15に記載の放射線画像生成システム。
  17. 前記放射線画像検出器は、キャリブレーション時にダーク読取を行うように構成されており、
    前記放射線画像検出器から前記キャリブレーション時に行われるダーク読取により取得された前記ダーク読取値が送信されると、前記コンソール側の記憶手段に当該ダーク読取値が保存されることを特徴とする請求項15又は請求項16に記載の放射線画像生成システム。
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