以下、図面に基づき本発明の紙幣入金処理装置及び紙幣入金処理方法の実施例について詳細に説明する。
まず、最初に本実施例の概要を説明するとすれば、その概要は、結束対象の紙幣枚数を未確定の紙幣入金枚数として集計し、所定枚数分の紙幣を結束するタイミングに応じて、結束する紙幣の内、現在取引内の未確定の紙幣入金枚数を仮確定するようにした。
その結果、所定枚数分の紙幣を結束する紙幣結束機能を追加したとしても、結束済み紙幣における取引区分の取扱性を良好にできると共に、例えば、現在取引内の障害復旧に際しても、現在取引及び前回取引の全紙幣を投入部に再投入するのではなく、現在取引内に結束済み紙幣があったとしても、その結束済み紙幣を解体することなく、未確定の紙幣を投入部に再投入するだけで済むことになるため、その作業負担を大幅に改善することができる。
さらに、本実施例では、取引完了操作に応じて、結束する紙幣の内、現在取引及び前回取引の紙幣入金枚数の区分けは勿論のこと、現在取引内の全入金紙幣の紙幣入金枚数を確定することができる。
図1は、本実施例の紙幣入金処理装置の概略構成を示す説明図、図2は、紙幣入金処理装置内部の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す紙幣入金処理装置1は、取引紙幣を連続入金し、これら入金した紙幣を金種毎に分類集積すると共に、その紙幣の入金枚数を金種毎に集計する紙幣処理装置2と、紙幣処理装置2にて分類した特定金種の紙幣を所定枚数単位で結束する紙幣結束装置3とを有し、入金取引の入金紙幣枚数を取引単位で確定するものである。
紙幣処理装置2は、取引紙幣を装置内に投入するホッパ部11と、このホッパ部11に投入した紙幣を一枚単位で繰り出す繰出部12と、この繰出部12にて繰り出した紙幣を搬送する搬送部13と、この搬送部13で搬送した紙幣の金種を識別する金種識別部14と、搬送部13で搬送した紙幣を表面及び裏面の内、何れか一方の特定面に向けるように紙幣を反転する反転部15とを有している。
また、紙幣処理装置2は、搬送部13で搬送した紙幣を分類集積する、例えば、紙幣金種に応じた6個のスタッカ16と、スタッカ16に対応する金種及び紙幣結束装置3に対応する特定金種に該当しない紙幣をリジェクトするリジェクト部17とを有している。尚、紙幣金種とは、例えば、米ドルの場合、1米ドル、2米ドル、5米ドル、10米ドル、20米ドル、50米ドル、100米ドルの7種類である。
また、紙幣処理装置2は、例えば、6個のスタッカ16の内、第1スタッカ16Aを2米ドル、第2スタッカ16Bを5米ドル、第3スタッカ16Cを10米ドル、第4スタッカ16Dを20米ドル、第5スタッカ16Eを50米ドル、第6スタッカ16Fを100米ドルに分類集積するものである。
また、紙幣結束装置3は、紙幣処理装置2内部の搬送部13を通じて特定金種、例えば1米ドルの紙幣を分類集積する2個の結束対象紙幣集積部21と、これら2個の結束対象紙幣集積部21にて分類集積した特定金種の紙幣の紙幣枚数が所定枚数、例えば100枚に到達した場合、その100枚分の紙幣を結束する紙幣結束部22と、結束対象紙幣集積部21に集積中の100枚分の紙幣を結束対象紙幣として紙幣結束部22に搬送する結束紙幣搬送部23とを有している。
結束紙幣搬送部23は、結束対象紙幣集積部21に集積中の1米ドル紙幣が100枚に到達した場合、結束対象紙幣集積部21に集積中の100枚分の1米ドル紙幣を紙幣束抜取部(図示せぬ)で抜取挟持し、その100枚分の1米ドル紙幣を抜取挟持した紙幣束抜取部の昇降動作を通じて、100枚分の1米ドル紙幣を紙幣結束部22に搬送するものである。
紙幣結束部22は、結束紙幣搬送部23を通じて100枚分の1米ドル紙幣が搬送されると、これら100枚分の1米ドル紙幣を結束するものである。尚、結束した100枚分の1米ドル紙幣を結束済み紙幣とする。
また、結束対象紙幣集積部21を2個にしたのは、例えば、一方の結束対象紙幣集積部21が満杯になった場合でも、他方の結束対象紙幣集積部21に特定金種の紙幣を集積可能にしたものである。
また、紙幣結束装置3は、紙幣結束部22にて結束した結束済み紙幣を集積する結束済み紙幣集積部25と、紙幣結束部22にて結束した結束済み紙幣を結束済み紙幣集積部25に搬送する結束済み紙幣搬送部24とを有している。
図2は、紙幣入金処理装置1内部の概略構成を示すブロック図である。
図2に示す紙幣入金処理装置1は、金種識別部14の他に、紙幣処理装置2内部のスタッカ側メカ機構30と、紙幣結束装置3内部の結束側メカ機構40と、様々なコマンドを入力する操作部50と、スタッカ側メカ機構30及び結束側メカ機構40を駆動制御する駆動制御部110と、この紙幣入金処理装置1全体を制御する制御部100とを有している。
スタッカ側メカ機構30は、繰出部12、搬送部13及び反転部15の他に、スタッカ16内部の状態を検出するスタッカ側検出センサ部31を有している。
スタッカ側検出センサ部31は、第1〜第6スタッカ16A〜16F等のスタッカ16毎に配置し、そのスタッカ16内部に集積した紙幣枚数を集計するスタッカ側紙幣集計部31Aと、そのスタッカ16内部の全紙幣の抜取を検出する紙幣抜取検出部31Bとを有している。
結束側メカ機構40は、紙幣結束部22、結束紙幣搬送部23及び結束済み紙幣搬送部24の他に、結束対象紙幣集積部21内部の状態を検出する結束側検出センサ部41を有している。
結束側検出センサ部41は、結束対象紙幣集積部21内部に集積した紙幣枚数を集計する結束側紙幣集計部41Aと、結束側紙幣集計部41Aを通じて結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣枚数が100枚に到達したことを検知する所定枚数検出部41Bとを有している。
操作部50は、入金取引完了を指示する取引完了キー51と、現在取引のキャンセルを指示するキャンセルキー52と、取引中の障害復旧を指示する障害復旧キー53とを有している。
障害復旧キー53は、取引中に紙幣入金処理装置1内部で紙幣詰まり(ジャム)等の障害発生後、現在取引中の直前の仮確定時点又は前回取引直後の紙幣集積状態に戻してから、分類集積を継続する、後述する障害復旧処理(図5参照)を起動するためのキーに相当するものである。
キャンセルキー52は、現在取引をキャンセルし、前回取引直後の紙幣集積状態に戻す、後述する取引キャンセル処理(図7参照)を起動するためのキーに相当するものである。
紙幣入金処理装置1は、スタッカ16内部に集積中の紙幣集積枚数に関わる各種情報を登録するスタッカ側カウンタ部60と、結束対象紙幣集積部21内部に集積中の紙幣集積枚数に関わる各種情報を登録する結束側カウンタ部70と、スタッカ16内部に集積中の紙幣集積枚数に関わる各種情報を表示するスタッカ側表示部80と、結束対象紙幣集積部21内部に集積中の紙幣集積枚数に関わる各種情報を表示する結束側表示部90とを有している。
スタッカ側カウンタ部60は、例えば、第1〜第6スタッカ16A〜16F毎に配置し、スタッカ側未確定カウンタ61、スタッカ側仮確定カウンタ62、スタッカ側確定カウンタ63、スタッカ側累計カウンタ64及びスタッカ側前回端数カウンタ65を有している。
スタッカ側未確定カウンタ61は、現在取引中に、そのスタッカ16内に順次集積する未確定紙幣の枚数、すなわちスタッカ側未確定枚数を順次加算登録するものである。
スタッカ側仮確定カウンタ62は、現在取引中に、所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングに応じて、各スタッカ16内に集積中の未確定紙幣の枚数を現在取引の入金紙幣枚数として仮確定し、その仮確定した紙幣枚数をスタッカ側仮確定枚数として加算登録するものである。尚、所定枚数での紙幣抜取タイミングは、紙幣抜取検出部31Bの検出タイミングに相当し、所定枚数到達タイミングは、スタッカ16毎に所定枚数、例えば100枚を予め設定済みの場合、スタッカ16の紙幣集積枚数が所定枚数に到達したタイミングに相当するものである。
尚、スタッカ側未確定カウンタ61は、スタッカ側仮確定カウンタ62にてスタッカ側仮確定枚数を加算登録した場合、登録中のスタッカ側未確定枚数から加算登録枚数分を減算するものである。
スタッカ側確定カウンタ63は、現在取引が完了すると、各スタッカ16内に集積中の紙幣のスタッカ側仮確定枚数及びスタッカ側未確定枚数の加算結果を現在取引のスタッカ対応金種の入金紙幣枚数として確定し、その確定した紙幣枚数をスタッカ側確定枚数として登録するものである。
スタッカ側累計カウンタ64は、そのスタッカ16内に集積中のスタッカ側確定枚数の累計枚数をスタッカ側累計枚数として登録するものである。
スタッカ側前回端数カウンタ65は、現在取引が完了すると、そのスタッカ16内に集積中の紙幣集積枚数を前回端数とし、その前回端数を登録するものである。
また、スタッカ側表示部80は、例えば、第1〜第6スタッカ16A〜16F毎に配置し、そのスタッカ16に集積した現在取引中の集積枚数を表示するスタッカ側取引中集積枚数表示部81と、そのスタッカ16に現在集積中の紙幣集積枚数を表示するスタッカ側現在集積枚数表示部82と、各種ガイダンスを表示する情報表示部83とを有している。
スタッカ側取引中集積枚数表示部81は、スタッカ側未確定カウンタ61に登録中のスタッカ側未確定枚数とスタッカ側仮確定カウンタ62に登録中のスタッカ側仮確定枚数との加算結果を取引中集積枚数として表示するものである。
また、結束側カウンタ部70は、結束対象紙幣集積部21の結束側未確定カウンタ71、結束側仮確定カウンタ72、結束側確定カウンタ73、結束側累計カウンタ74及び結束側前回端数カウンタ75を有している。
結束側未確定カウンタ71は、現在取引中に、その結束対象紙幣集積部21内に順次集積する未確定紙幣の枚数、すなわち結束側未確定枚数を順次加算登録するものである。
結束側仮確定カウンタ72は、現在取引中に、紙幣結束部22の紙幣結束タイミングに応じて、その結束対象紙幣集積部21内に集積中の未確定紙幣の枚数を現在取引の入金紙幣枚数として仮確定し、その仮確定した紙幣枚数を結束側仮確定枚数として加算登録するものである。尚、結束側未確定カウンタ71は、結束側仮確定カウンタ72にて結束側仮確定枚数を加算登録した場合、登録中のスタッカ側未確定枚数から加算登録枚数分を減算するものである。
結束側確定カウンタ73は、現在取引が完了すると、その結束対象紙幣集積部21内に集積中の紙幣の結束側未確定枚数及び結束側仮確定枚数の加算結果を現在取引内の特定金種の入金紙幣枚数として確定し、その確定した紙幣枚数を結束側確定枚数として登録するものである。
また、結束側前回端数カウンタ75は、現在取引が完了すると、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数を前回端数とし、その前回端数を登録するものである。
結束側累計カウンタ74は、特定金種紙幣の累計枚数を結束側累計枚数として登録するものである。
また、結束側表示部90は、現在取引中の特定金種の紙幣に関わる紙幣枚数を表示する結束側取引中紙幣枚数表示部91と、結束対象紙幣集積部21に現在集積中の紙幣枚数を表示する結束側現在集積枚数表示部92とを有している。
結束側取引中紙幣枚数表示部91は、結束側未確定カウンタ71に登録中の結束側未確定枚数と結束側仮確定カウンタ72に登録中の結束側仮確定枚数との加算結果を取引中紙幣枚数として表示するものである。
結束側現在集積枚数表示部92は、結束対象紙幣集積部21に現在集積中の紙幣集積枚数を表示するものである。
駆動制御部110は、搬送部13にて搬送した紙幣がスタッカ対応金種の場合、その紙幣を紙幣処理装置2内の対応金種のスタッカ16内部に分類集積すべく、搬送部13を駆動制御すると共に、搬送部13にて搬送した紙幣が特定金種の場合、その紙幣を紙幣結束装置3内の結束対象紙幣集積部21内部に分類集積すべく、搬送部13を駆動制御するものである。
また、制御部100は、紙幣結束タイミング又は紙幣抜取タイミング(所定枚数到達タイミング)に応じて、現在取引中に現在取引の入金紙幣枚数を仮確定する仮確定部101と、取引完了操作に応じて、現在取引の入金紙幣枚数を確定する確定部102と、障害復旧に際して現在取引内に直前の仮確定があるか否かを判定する仮確定判定部103とを有している。
仮確定部101は、現在取引中の紙幣結束タイミングに応じて、結束対象紙幣集積部21に集積中の100枚分紙幣の結束側未確定枚数を現在取引中の特定金種の入金紙幣枚数として仮確定すると共に、その結束側未確定枚数を結束側仮確定枚数として結束側仮確定カウンタ72に加算登録するものである。
また、仮確定部101は、現在取引中に紙幣抜取検出部31Bの所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングに応じて、現在取引中の各スタッカ16に集積中の紙幣のスタッカ側未確定紙幣枚数を現在取引中のスタッカ対応金種の入金紙幣枚数として仮確定すると共に、そのスタッカ側未確定紙幣枚数をスタッカ側仮確定枚数としてスタッカ側仮確定カウンタ62に加算登録するものである。
また、確定部102は、現在取引中に取引完了キー51のキー操作、すなわち取引完了操作を検出した場合、現在取引を完了すべく、結束側仮確定カウンタ72に登録中の結束側仮確定枚数及び結束側未確定カウンタ71に登録中の結束側未確定枚数の加算結果を現在取引中の特定金種の入金紙幣枚数として確定すると共に、その加算結果を現在取引の結束側確定枚数として結束側確定カウンタ73に登録するものである。
さらに、確定部102は、結束側確定カウンタ73に現在取引の結束側確定枚数を登録すると、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数を前回端数として結束側前回端数カウンタ75に登録するものである。
また、確定部102は、現在取引中に取引完了操作を検出した場合、スタッカ16毎に、そのスタッカ側仮確定カウンタ62に登録中のスタッカ側仮確定枚数及びスタッカ側未確定カウンタ61に登録中のスタッカ側未確定枚数の加算結果を現在取引中のスタッカ対応金種の入金紙幣枚数として確定すると共に、その加算結果をスタッカ側確定枚数としてスタッカ側確定カウンタ63に登録するものである。
さらに、確定部102は、スタッカ側確定カウンタ63に現在取引のスタッカ側確定枚数を登録すると、スタッカ16に集積中の紙幣集積枚数を前回端数としてスタッカ側前回端数カウンタ65に登録するものである。
確定部102は、結束側確定カウンタ73に登録中の結束側確定枚数及び、各スタッカ側確定枚数に登録中の各スタッカ側確定枚数で現在取引内の金種毎の入金紙幣枚数を出力することになる。
また、確定部102は、結束側確定カウンタ73に登録中の結束側確定枚数を、前回取引までの結束側累計枚数を登録中の結束側累計カウンタ74に加算登録し、結束側累計枚数を更新するものである。
また、確定部102は、スタッカ16毎に、スタッカ側確定カウンタ63に登録中のスタッカ側確定枚数を、スタッカ16に集積中紙幣の前回取引までのスタッカ側累計枚数を登録中のスタッカ側累計カウンタ64に加算登録し、スタッカ側累計枚数を更新するものである。
また、制御部100は、障害復旧処理に関わる処理動作を実行する障害復旧処理部104と、取引キャンセル処理に関わる処理動作を実行する取引キャンセル処理部105とを有している。
また、取引キャンセル処理部105は、現在取引中にキャンセルキー52のキー操作、すなわち取引キャンセル操作を検出した場合、結束側仮確定カウンタ72に登録中の結束側仮確定枚数に基づき、現在取引の紙幣を含む結束済み紙幣が存在するか否かを判定し、結束済み紙幣が存在する場合、現在取引の紙幣を含む結束済み紙幣の束数を情報表示部83にガイダンス表示すると共に、結束済み紙幣が存在しない場合、現在取引の紙幣を含む結束済み紙幣がない旨を情報表示部83にガイダンス表示するものである。
オペレータは、情報表示部83に表示中のガイダンス表示に基づき、例えば、現在取引の紙幣を含む結束済み紙幣の束数を認識し、その束数分の結束済み紙幣を解体した紙幣、結束対象紙幣集積部21に集積中の結束側未確定枚数分の紙幣、全スタッカ16に集積中の全紙幣を回収し、これら回収紙幣をホッパ部11に再投入するものである。
取引キャンセル処理部105は、駆動制御部110を通じて、再投入した回収紙幣の分類集積動作を開始し、その結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数が結束側前回端数カウンタ75に登録中の前回端数に到達、かつ、各スタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数カウンタ65に登録中の前回端数に到達したか否かを監視するものである。
取引キャンセル処理部105は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数が結束側前回端数カウンタ75に登録中の前回端数に到達した場合、その後、全回収紙幣の分類集積動作が終了するまで結束対象紙幣集積部21に対応する特定金種の紙幣を検出したとしても、その紙幣をリジェクト部17にリジェクトするものである。
また、同様に、取引キャンセル処理部105は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、各スタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数カウンタ65に登録中の前回端数に到達した場合、その後、全回収紙幣の分類集積動作が終了するまで同スタッカ16に対応する金種の紙幣を検出したとしても、その紙幣をリジェクト部17にリジェクトするものである。
その結果、取引キャンセル処理部105は、再投入した回収紙幣の分類集積動作に応じて、現在取引中の全入金紙幣をリジェクト部17から回収し、現在取引開始直前の紙幣の集積状態に戻すことができるものである。
また、オペレータは、現在取引中にジャム等の障害が発生した場合、その障害解消後、結束済み紙幣及びスタッカ16からの抜取済み紙幣を除く、結束対象紙幣集積部21に集積中の未確定紙幣及び、全スタッカ16に集積中の全紙幣を回収し、これら回収紙幣をホッパ部11に再投入するものである。
障害復旧処理部104は、ホッパ部11に対して回収紙幣の再投入後、障害復旧キー53のキー操作、すなわち障害復旧操作を検出した場合、仮確定判定部103にて現在取引内に仮確定が存在するか否かを判定するものである。
障害復旧処理部104は、仮確定判定部103にて現在取引内に仮確定が存在し、その仮確定が紙幣結束タイミングによる仮確定の場合、再投入した回収紙幣の分類集積動作を開始し、仮確定のないスタッカ16の集積枚数がスタッカ側前回端数カウンタ65に登録中の前回端数に到達したか否かを監視するものである。
尚、制御部100は、再投入した回収紙幣の分類集積動作を開始する際、前回取引のスタッカ側端数枚数をスタッカ側現在集積枚数表示部82にマイナス表示するものである。例えば、その前回端数が70枚の場合、スタッカ側現在集積枚数表示部82は「−70」をマイナス表示することになる。そして、スタッカ側現在集積枚数表示部82は、対応するスタッカ16に回収紙幣が集積される度に、「−70」→「−69」→「−68」→…→「−1」にマイナス表示を切替え、その後、スタッカ側現在集積枚数表示部82は、スタッカ16の集積枚数が前回端数に到達した時点でマイナス表示から通常表示、すなわちスタッカ16に現在集積中の集積枚数表示「70」に切替えることになる。その結果、オペレータは、そのスタッカ側現在集積枚数表示部82の表示を目視することで直前仮確定時点の紙幣集積状態に戻るまでの不足の紙幣枚数を認識することができるものである。
障害復旧処理部104は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、仮確定のないスタッカ16に集積中の紙幣集積枚数が前回取引のスタッカ側端数枚数に到達した場合、現在取引内の直前仮確定時点の紙幣集積状態に戻すことができるものである。
また、障害復旧処理部104は、仮確定判定部103にて現在取引内に仮確定が存在し、その仮確定が所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングによる仮確定の場合、再投入した回収紙幣の分類集積動作を開始し、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数が結束側前回端数枚数カウンタ75に登録中の前回端数に到達及び、現在取引内で仮確定のないスタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数枚数カウンタ65に登録中の前回端数に到達したか否かを監視するものである。
尚、制御部100は、再投入した回収紙幣の分類集積動作を開始する際、スタッカ側現在集積枚数表示部82のマイナス表示について説明したが、結束対象紙幣集積部21側の結束側現在集積枚数表示部92についても同様であって、例えば、結束側前回端数枚数が70枚の場合、結束側現在集積枚数表示部92は「−70」をマイナス表示することになる。そして、結束側現在集積枚数表示部92は、結束対象紙幣集積部21に回収紙幣が集積される度に、「−70」→「−69」→「−68」→…→「−1」にマイナス表示を切替え、その後、結束対象紙幣集積部21の集積枚数が結束側前回端数に到達した時点でマイナス表示から通常表示、すなわち結束対象紙幣集積部21に現在集積中の集積枚数表示「70」に切替えることになる。
障害復旧処理部104は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数が結束側前回端数カウンタ75に登録中の前回端数に達した場合、直前仮確定時点の結束対象紙幣集積部21の紙幣集積状況に戻ったことになる。
また、障害復旧処理部104は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、仮確定のないスタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数枚数カウンタ65に登録中の前回端数に到達した場合、直前仮確定時点のスタッカ側仮確定枚数及び前回取引のスタッカ側累計枚数の加算結果に到達した場合、直前仮確定時点の各スタッカ16の紙幣集積状況に戻ったことになる。
また、障害復旧処理部104は、仮確定判定部103にて現在取引内に仮確定が存在しない場合、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数が結束側前回端数カウンタ75に登録中の前回端数に到達及び、仮確定のないスタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数枚数カウンタ65に登録中の前回端数に到達するか否かを監視するものである。
障害復旧処理部104は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数が前回端数に到達した場合、現在取引開始時点の結束対象紙幣集積部21の紙幣集積状態に戻ったことになる。
また、障害復旧処理部104は、再投入した回収紙幣の分類集積動作中に、仮確定のないスタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数枚数カウンタ65に登録中の前回端数に到達した場合、現在取引開始時点の各スタッカ16の紙幣集積状態に戻ったことになる。
尚、本願請求項記載の紙幣入金処理装置は紙幣入金処理装置1、投入部はホッパ部11、搬送部は搬送部13及び結束紙幣搬送部23、結束対象紙幣集積部は結束対象紙幣集積部21、結束対象紙幣集計部は結束側紙幣集計部41A、紙幣結束部は紙幣結束部22、仮確定部は仮確定部101、所定枚数検出部41B及び紙幣抜取検出部31B、確定部は確定部102、仮確定判定部は仮確定判定部103、制御部は駆動制御部110、障害復旧処理部104及び取引キャンセル処理部105、表示部は情報表示部83、分類紙幣集積部はスタッカ16、分類紙幣集計部はスタッカ側紙幣集計部31Aに対応するものである。
次に、本実施例の紙幣入金処理装置1の動作について説明する。図3は、紙幣入金処理装置1の入金紙幣分類集積処理に関わる制御部100の処理動作を示すフローチャートである。
図3に示す入金紙幣分類集積処理は、取引単位で入金紙幣の枚数を金種毎に集計する処理である。
オペレータは、現在取引の入金紙幣をホッパ部11に投入した後、取引開始操作を実行する。
紙幣入金処理装置1内部の制御部100は、ホッパ部11に投入した紙幣を金種毎に順次分類し、金種に応じて紙幣を結束対象紙幣集積部21又はスタッカ16に順次集積する。
制御部100は、取引完了キー51を通じて、現在取引内の取引完了操作を検出したか否かを判定する(ステップS11)。
制御部100は、現在取引内の取引完了操作を検出しなかった場合(ステップS11否定)、搬送路上の金種識別部14を通じて紙幣を検出したか否かを判定する(ステップS12)。
制御部100は、紙幣を検出した場合(ステップS12肯定)、その紙幣が特定金種であるか否かを判定する(ステップS13)。
制御部100は、紙幣が特定金種の場合(ステップS13肯定)、この紙幣を結束対象紙幣と判断し、その紙幣を結束対象紙幣集積部21に集積すべく、搬送部13を駆動制御する(ステップS14)。
制御部100は、紙幣を結束対象紙幣集積部21に集積すると、その都度、現在取引内の結束側未確定枚数を結束側未確定カウンタ71に加算登録する(ステップS15)。尚、結束側紙幣集計部41Aは、結束対象紙幣集積部21に紙幣を集積する度に、結束側未確定枚数として結束側未確定カウンタを+1インクリメントするものである。
制御部100は、現在取引内の結束側未確定枚数を結束側未確定カウンタ71に加算登録すると、所定枚数検出部41Bを通じて結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が所定枚数に到達したか否かを判定する(ステップS16)。
制御部100は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が所定枚数に到達した場合(ステップS16肯定)、所定枚数分の紙幣を紙幣結束部22に結束紙幣搬送部23を通じて搬送し、所定枚数分の紙幣を結束する(ステップS17)。
制御部100は、紙幣結束部22にて結束した所定枚数分の紙幣を結束済み紙幣とし、この結束済み紙幣を、結束済み紙幣搬送部24を通じて結束済み紙幣集積部25に搬送し、この結束済み紙幣を結束済み紙幣集積部25に集積する(ステップS18)。
また、制御部100内部の仮確定部101は、ステップS17にて紙幣結束部22の紙幣結束タイミング時点の現在取引内の結束側未確定カウンタ71に登録中の結束側未確定枚数の当該所定枚数分を特定金種の紙幣入金枚数として仮確定し、その結束側未確定枚数を結束側仮確定枚数として結束側仮確定カウンタ72に加算登録し(ステップS19)、現在取引の取引完了操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS11に移行する。尚、制御部100は、結束側未確定枚数を結束側仮確定枚数として結束側仮確定カウンタ72に加算登録した場合、結束側未確定カウンタ71に登録中の結束側未確定枚数から加算登録枚数分を減じることになる。
また、制御部100は、ステップS13にて紙幣が特定金種でない場合(ステップS13否定)、紙幣がスタッカ対応の金種であるか否かを判定する(ステップS20)。制御部100は、紙幣がスタッカ対応の金種の場合(ステップS20肯定)、搬送部13を通じて紙幣金種に応じたスタッカ16に同紙幣を集積する(ステップS21)。
制御部100は、紙幣金種に応じたスタッカ16に紙幣を集積すると、現在取引内のスタッカ側未確定枚数をスタッカ側未確定カウンタ61に加算登録する(ステップS22)。尚、スタッカ側紙幣集計部31Aは、スタッカ16に紙幣を集積する度に、スタッカ側未確定枚数としてスタッカ側未確定カウンタ61に+1インクリメントするものである。
制御部100は、現在取引内のスタッカ側未確定確定枚数をスタッカ側未確定カウンタ61に加算登録すると、紙幣抜取検出部31Bを通じて紙幣抜取を検出したか否かを判定する(ステップS23)。
仮確定部101は、紙幣抜取を検出した場合(ステップS23肯定)、紙幣抜取のスタッカ16の紙幣集積枚数が所定枚数に到達したか否かを判定する(ステップS23A)。仮確定部101は、紙幣抜取のスタッカ16の紙幣集積枚数が所定枚数に到達した場合(ステップS23A肯定)、現在取引内の紙幣抜取タイミング時点又は所定枚数到達タイミング時点の各スタッカ側未確定カウンタ61に登録中のスタッカ側未確定枚数をスタッカ対応金種の紙幣入金枚数として仮確定し、そのスタッカ側未確定枚数をスタッカ側仮確定枚数としてスタッカ側仮確定カウンタ62に加算登録し(ステップS24)、現在取引の取引完了操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS11に移行する。尚、制御部100は、スタッカ側未確定枚数をスタッカ側仮確定枚数としてスタッカ側仮確定カウンタ62に加算登録した場合、そのスタッカ側未確定カウンタ61に登録中のスタッカ側未確定枚数から加算登録枚数分を減じることになる。
また、制御部100内部の確定部102は、現在取引の取引完了操作を検出した場合(ステップS11肯定)、現在取引内の結束側仮確定カウンタ72に登録中の結束側仮確定枚数及び結束側未確定カウンタ71に登録中の結束側未確定枚数の加算結果を特定金種の紙幣入金枚数として確定し、その加算結果を現在取引内の結束側確定枚数として結束側確定カウンタ73に登録する(ステップS26)。
さらに、確定部102は、現在取引内の結束側確定枚数を結束側累計枚数として結束側累計カウンタ74に加算登録する(ステップS27)。
さらに、確定部102は、現在取引内の各スタッカ16のスタッカ側仮確定カウンタ62に登録中のスタッカ側仮確定枚数及びスタッカ側未確定カウンタ61に登録中のスタッカ側未確定枚数の加算結果をスタッカ対応金種の紙幣入金枚数として確定し、その加算結果を現在取引内のスタッカ側確定枚数としてスタッカ側確定カウンタ63に登録する(ステップS28)。
さらに、確定部102は、現在取引内のスタッカ側確定枚数をスタッカ側累計枚数としてスタッカ側累計カウンタ64に加算登録する(ステップS29)。
確定部102は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数を前回端数として結束側前回端数カウンタ75に登録すると共に、スタッカ側の紙幣集積枚数を前回端数としてスタッカ側前回端数カウンタ65に登録する(ステップS30)。
確定部102は、結束側仮確定カウンタ72の結束側仮確定枚数、結束側未確定カウンタ71の結束側未確定枚数、スタッカ側仮確定カウンタ62のスタッカ側仮確定枚数及びスタッカ側未確定カウンタ61のスタッカ側未確定枚数をクリアし(ステップS31)、この現在取引を完了し、図3に示す処理動作を終了する。
また、制御部100は、ステップS12にて紙幣を検出しなかった場合(ステップS12否定)、取引完了操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS11に移行する。
また、制御部100は、ステップS16にて結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が所定枚数に到達しなかった場合(ステップS16否定)、取引完了操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS11に移行する。
また、制御部100は、ステップS23にて紙幣抜取を検出しなかった場合(ステップS23否定)、取引完了操作を検出したか否かを判定すべく、ステップS11に移行する。
また、制御部100は、ステップS20にて紙幣がスタッカ対応の金種でない場合(ステップS20否定)、その紙幣をリジェクト部17に搬送し(ステップS32)、ステップS11に移行する。
また、制御部100は、ステップS23Aにて紙幣抜取のスタッカ16の紙幣集積枚数が所定枚数に到達しなかった場合(ステップS23A否定)、抜取時の当該スタッカ16の未確定枚数をクリアし(ステップS33)、ステップS11に移行する。
図3に示す入金紙幣分類集積処理では、紙幣結束部22の紙幣結束タイミング時点の現在取引内の結束側未確定カウンタ71に登録中の結束側未確定枚数を特定金種の紙幣入金枚数として仮確定し、その結束側未確定枚数を結束側仮確定枚数として結束側仮確定カウンタ72に加算登録する。つまり、紙幣結束タイミング時点の現在取引内の特定金種の紙幣入金を仮確定することで、その後の作業負担を軽減することができる。
入金紙幣分類集積処理では、スタッカ16内の紙幣抜取を検出した場合又は紙幣抜取スタッカ16内の紙幣集積枚数が所定枚数に到達した場合、現在取引内の紙幣抜取タイミング時点又は所定枚数到達タイミング時点の各スタッカ側未確定カウンタ61に登録中のスタッカ側未確定枚数をスタッカ対応金種の紙幣入金枚数として仮確定し、そのスタッカ側未確定枚数をスタッカ側仮確定枚数としてスタッカ側仮確定カウンタ62に加算登録する。つまり、紙幣抜取タイミング時点又は所定枚数到達タイミング時点の現在取引内のスタッカ対応金種の紙幣入金を仮確定することで、その後の作業負担を軽減することができる。
入金紙幣分類集積処理では、取引完了操作を検出した場合、現在取引内の仮確定の紙幣入金枚数及び未確定の紙幣入金枚数を現在取引の全紙幣入金枚数として確定すると共に、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数を前回端数として登録管理すると共に、スタッカ16に集積中の紙幣集積枚数を前回端数として登録管理するようにしたので、取引完了操作に応じて、結束する紙幣の内、現在取引及び前回取引の紙幣入金枚数の区分けは勿論のこと、現在取引内の全入金紙幣の紙幣入金枚数を確定することができる。
図4は、取引正常時に関わる結束対象紙幣集積部21、結束側カウンタ部70及び結束側表示部90の状態遷移を端的に示す説明図である。
まず、第1回目の取引を開始する際、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“0”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“0”、結束側前回端数カウンタ75は“0”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“0”を表示することになる(ステータス1)。
次に、100枚分の特定金種を結束対象紙幣集積部21内に集積した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“100”のため、結束側未確定カウンタ71は“100”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“0”、結束側前回端数カウンタ75は“0”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“100”、結束側現在集積枚数表示部92は“100”を表示することになる(ステータス2)。
次に、結束対象紙幣集積部21に集積中の100枚分の特定金種を紙幣結束部22に搬送して100枚分紙幣を結束した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“0”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側累計カウンタ74は“0”、結束側前回端数カウンタ75は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“100”、 結束側現在集積枚数表示部92は“0”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“100”を表示することになる(ステータス3)。
次に、70枚分の特定金種を結束対象紙幣集積部21内に集積した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“70”のため、結束側未確定カウンタ71は“70”、結束側仮確定カウンタ72は“100”、結束側累計カウンタ74は“0”、結束側前回端数カウンタ75は“0”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“170”、結束側現在集積枚数表示部92は“70”を表示することになる(ステータス4)。
次に、取引完了操作を検出した場合、現在取引完了のため、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“70”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“70”を表示することになる(ステータス5)。
次に、次取引を開始する際、前回取引のステータス5の状態を継続する(ステータス6)。
次に、30枚分の特定金種を結束対象紙幣集積部21内に集積した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“100”のため、結束側未確定カウンタ71は“30”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“30”、結束側現在集積枚数表示部92は“100”を表示することになる(ステータス7)。
次に、結束対象紙幣集積部21に集積中の100枚分の特定金種を紙幣結束部22に搬送して100枚分紙幣を結束する場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“0”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“30”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“30”、結束側現在集積枚数表示部92は“0”を表示することになる(ステータス8)。
次に、60枚分の特定金種を結束対象紙幣集積部21内に集積した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“60”のため、結束側未確定カウンタ71は“60”、結束側仮確定カウンタ72は“30”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“90”、結束側現在集積枚数表示部92は“60”を表示することになる(ステータス9)。
次に、取引完了操作を検出した場合、現在取引完了のため、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“60”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“260”、結束側前回端数カウンタ75は“60”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“60”を表示することになる(ステータス10)。このように取引正常時においては、取引単位毎に順次ステータスを遷移することになる。
図5は、紙幣入金処理装置1の障害復旧処理に関わる制御部100の処理動作を示すフローチャートである。
図5に示す障害復旧処理は、紙幣入金処理装置1内部のジャム等の障害が発生した場合、その障害解消後、現在取引内の結束済み紙幣を解体することなく、現在取引内の直前の仮確定時点若しくは現在取引開始時点の紙幣集積状態に戻す処理である。
オペレータは、紙幣入金処理装置1内のジャム等の障害が発生した場合、その障害解消作業後、紙幣入金処理装置1内の結束済み紙幣を除く、全紙幣を回収した後、これら回収紙幣をホッパ部11に再投入する。
図2に示す制御部100は、回収紙幣をホッパ部11に再投入後、障害復旧キー53のキー操作を検出したか否かを判定する(ステップS41)。
制御部100内部の障害復旧処理部104は、障害復旧キー53のキー操作を検出した場合(ステップS41肯定)、仮確定判定部103にて現在取引内に仮確定が存在するか否かを判定する(ステップS42)。
障害復旧処理部104は、現在取引内に仮確定が存在する場合(ステップS42肯定)、その仮確定は紙幣結束タイミングによる仮確定であるか否かを判定する(ステップS43)。
障害復旧処理部104は、その仮確定は紙幣結束タイミングによる仮確定の場合(ステップS43肯定)、結束側未確定カウンタ71の結束側未確定枚数及びスタッカ側未確定カウンタ61のスタッカ側未確定枚数をクリアし(ステップS44)、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始する(ステップS45)。
その結果、制御部100は、回収紙幣の集積分類動作の開始に応じて、回収紙幣を順次金種識別し、この紙幣金種に応じて結束対象紙幣集積部21、スタッカ16又はリジェクト部17に搬送することになる。
障害復旧処理部104は、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達したか否かを判定する(ステップS46)。
障害復旧処理部104は、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達した場合(ステップS46肯定)、図5に示す処理動作を終了する。
また、障害復旧処理部104は、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達していない場合(ステップS46否定)、その集積枚数が加算結果に到達するまでステップS46の監視処理を継続する。
その結果、結束対象紙幣集積部21及び各スタッカ16では、紙幣結束タイミングによる直前仮確定時点での紙幣の集積状態に戻すことができる。
また、障害復旧処理部104は、その仮確定は紙幣結束タイミングによる仮確定でない場合(ステップS43否定)、その仮確定は所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングによる仮確定と判断し(ステップS47)、結束側未確定カウンタ71の結束側未確定枚数及びスタッカ側未確定カウンタ61のスタッカ側未確定枚数をクリアし(ステップS48)、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始する(ステップS49)。
障害復旧処理部104は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達したか否かを判定する(ステップS50)。
障害復旧処理部104は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達した場合(ステップS50肯定)、図5に示す処理動作を終了する。その結果、結束対象紙幣集積部21及び各スタッカ16では、所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングによる直前仮確定時点の紙幣の集積状態に戻すことができる。
また、障害復旧処理部104は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達していない、又は、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達していない場合(ステップS50否定)、その集積枚数が特定枚数に到達するまでステップS50の監視処理を継続する。
また、障害復旧処理部104は、現在取引内に仮確定が存在しない場合(ステップS42否定)、結束側未確定カウンタ71の結束側未確定枚数及びスタッカ側未確定カウンタ61のスタッカ側未確定枚数をクリアし(ステップS51)、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始する(ステップS52)。
障害復旧処理部104は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達したか否かを判定する(ステップS53)。
障害復旧処理部104は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達した場合(ステップS53肯定)、図5に示す処理動作を終了する。その結果、結束対象紙幣集積部21及び各スタッカ16では、現在取引開始時点の紙幣の集積状態に戻ったことになる。
また、障害復旧処理部104は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達していない、又は、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達していない場合(ステップS53否定)、その集積枚数が特定枚数に到達するまでステップS53の監視処理を継続する。
また、制御部100は、ステップS41にて障害復旧キー53の操作を検出しなかった場合(ステップS41否定)、図5に示す処理動作を終了する。
図5に示す障害復旧処理では、障害が発生した場合、その障害解消後、現在取引内の直前の仮確定が紙幣結束タイミングの仮確定の場合、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始し、仮確定のないスタッカ16に集積中の紙幣集積枚数がスタッカ側前回端数枚数カウンタ65に登録中の前回端数に到達した場合、現在取引内で結束済み紙幣が存在するとしても、この結束済み紙幣を解体することなく、結束済み紙幣を除く、本装置内の全紙幣をホッパ部11に再投入するだけで、現在取引内の直前の仮確定時点の紙幣集積状態に戻すことができる。
障害復旧処理では、障害が発生した場合、その障害解消後、現在取引内の直前の仮確定が所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングの仮確定の場合、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始し、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、現在取引内で仮確定のないスタッカ16の集積枚数が前回端数に到達した場合、現在取引内で結束済み紙幣が存在するとしても、この結束済み紙幣を解体することなく、結束済み紙幣及びスタッカ16からの抜取済み紙幣を除く、本装置内の全紙幣をホッパ部11に再投入するだけで、現在取引内の直前の仮確定時点の紙幣集積状態に戻すことができる。
障害復旧処理では、障害が発生した場合、その障害解消後、現在取引内の仮確定が存在しない場合、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始し、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達した場合、本装置内の全紙幣をホッパ部11に再投入するだけで、現在取引開始時点の紙幣の集積状態に戻すことができる。
図6は、障害復旧時に関わる結束対象紙幣集積部21、結束側カウンタ部70及び結束側表示部90の状態遷移を端的に示す説明図である。
図6において次取引を開始する際、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“70”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“70”を表示することになる(ステータス11)。
次に、10枚分の特定金種を結束対象紙幣集積部21内に集積した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“80”のため、結束側未確定カウンタ71は“10”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“10”、結束側現在集積枚数表示部92は“80”を表示することになる(ステータス12)。
次に、ステータス12の状態で障害が発生した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“80”であるものの、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“10”、結束側現在集積枚数表示部92は“――――”を表示することになる(ステータス13)。尚、障害解消及び紙幣回収待ちの状態である。
次に、障害解消及び紙幣回収後、これら回収紙幣をホッパ部11に再投入後、障害復旧操作を検出した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“0”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“−70”を表示することになる(ステータス14)。そして、ホッパ部11に投入した回収紙幣に対する分類集積動作を開始することになる。
次に、回収紙幣に対する分類集積動作開始後、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“1”になると、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“−69”を表示することになる(ステータス15)。尚、回収紙幣に対する分類集積動作を順次継続する。
次に、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“69”になると、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“−1”を表示することになる(ステータス16)。
次に、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“70”になると、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“70”を表示することになる(ステータス17)。尚、前回取引直後の紙幣集積状態に戻ったことになる。
次に、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“71”になると、結束側未確定カウンタ71は“1”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“1”、結束側現在集積枚数表示部92は“71”を表示することになる(ステータス18)。
次に、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“80”になると、結束側未確定カウンタ71は“10”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“10”、結束側現在集積枚数表示部92は“80”を表示することになる(ステータス19)。
次に、取引完了操作を検出した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“80”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“180”、結束側前回端数カウンタ75は“80”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“80”を表示することになる(ステータス20)。
図7は、紙幣入金処理装置1の取引キャンセル処理に関わる制御部100の処理動作を示すフローチャートである。
図7に示す取引キャンセル処理は、現在取引をキャンセルして、現在取引中の全入金紙幣を返却するための処理である。
制御部100は、キャンセルキー52の取引キャンセル操作を検出したか否かを判定する(ステップS61)。
制御部100内部の取引キャンセル処理部105は、キャンセルキー52の取引キャンセル操作を検出した場合(ステップS61肯定)、現在取引内の結束側仮確定カウンタ72の結束側仮確定枚数に基づき、現在取引分の紙幣を含む結束済み紙幣があるか否かを判定する(ステップS62)。
取引キャンセル処理部105は、現在取引分の紙幣を含む結束済み紙幣がある場合(ステップS62肯定)、結束側仮確定枚数に基づき、現在取引に関わる解体すべき結束済み紙幣の束数を情報表示部83にガイダンス表示する(ステップS63)。尚、オペレータは、情報表示部83に表示中の束数に基づき、その束数分の結束済み紙幣を結束済み紙幣集積部25から回収し、その束数分の結束済み紙幣を解体するものである。
また、取引キャンセル処理部105は、現在取引分の紙幣を含む結束済み紙幣がない場合(ステップS62否定)、現在取引内の解体すべき結束済み紙幣の束数なしを情報表示部83にガイダンス表示する(ステップS64)。
取引キャンセル処理部105は、ステップS63又はステップS64にて情報表示部83にガイダンス表示した後、結束側未確定カウンタ71の結束側未確定枚数、結束側仮確定カウンタ72の結束側仮確定枚数、スタッカ側未確定カウンタ61のスタッカ側未確定枚数及びスタッカ側仮確定カウンタ62のスタッカ側仮確定枚数をクリアする(ステップS65)。
オペレータは、ステップS63のガイダンス表示に基づき解体した全紙幣、結束対象紙幣集積部21に集積中の未確定枚数分の全紙幣、各スタッカ16に集積中の全紙幣を回収し、これら回収紙幣をホッパ部11に再投入することになる。
取引キャンセル処理部105は、ホッパ部11に対する回収紙幣の再投入を検出すると(ステップS66)、ホッパ部11に投入した回収紙幣の分類集積動作を開始する(ステップS67)。
取引キャンセル処理部105は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が結束側前回端数カウンタ75に登録中の前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達したか否かを判定する(ステップS68)。
取引キャンセル処理部105は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達した場合(ステップS68肯定)、図7に示す処理動作を終了する。その結果、結束対象紙幣集積部21及び各スタッカ16では、現在取引開始直前の紙幣の集積状態に戻ったことになる。
また、取引キャンセル処理部105は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達していない、又は、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達していない場合(ステップS68否定)、その集積枚数が特定枚数に到達するまでステップS68の監視処理を継続する。
取引キャンセル処理部105は、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達するまで、全回収紙幣を順次分類集積することになるが、既に結束側未確定枚数に到達した結束対象紙幣集積部21に分類する特定金種紙幣や、既に前回取引のスタッカ側累計枚数に到達したスタッカ16に分類する金種紙幣を検出したとしても、その結束対象紙幣集積部21やスタッカ16への紙幣の分類集積を実行することなく、その紙幣をリジェクト部17にリジェクトすることになる。
その結果、結束対象紙幣集積部21及び各スタッカ16では、現在取引開始直前の紙幣の集積状態に戻すと共に、現在取引開始後の投入紙幣をリジェクト部17から回収することができる。
図7に示す取引キャンセル処理では、取引キャンセル操作を検出した場合、現在取引内の結束側仮確定カウンタ72の結束側仮確定枚数に基づき、現在取引分の紙幣を含む結束済み紙幣がある場合、現在取引に関わる解体すべき結束済み紙幣の束数を情報表示部83にガイダンス表示するようにしたので、オペレータは、情報表示部83に表示中の束数に基づき、その束数分の結束済み紙幣を結束済み紙幣集積部25から回収し、その束数分の結束済み紙幣を解体することができる。
取引キャンセル処理では、回収紙幣をホッパ部11に投入後、その回収紙幣に対する分類集積動作を開始し、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達及び、各スタッカ16に集積中の紙幣の集積枚数が前回端数に到達するまで、全回収紙幣を順次分類集積することになるが、既に結束側前回端数に到達した結束対象紙幣集積部21に分類する特定金種紙幣や、既にスタッカ側前回端数に到達したスタッカ16に分類する金種紙幣を検出した場合、その結束対象紙幣集積部21やスタッカ16への紙幣の分類集積を実行することなく、その紙幣をリジェクト部17にリジェクトするようにした。その結果、結束対象紙幣集積部21及び各スタッカ16では、現在取引開始直前の紙幣の集積状態に戻すことができると共に、現在取引の投入紙幣をリジェクト部17から回収することができる。
図8は、取引キャンセル時に関わる結束対象紙幣集積部21、結束側カウンタ部70及び結束側表示部90の状態遷移を端的に示す説明図である。
図8において次取引を開始する際、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“70”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“70”を表示することになる(ステータス31)。
次に、30枚分の特定金種を結束対象紙幣集積部21内に集積した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“100”のため、結束側未確定カウンタ71は“30”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“30”、結束側現在集積枚数表示部92は“100”を表示することになる(ステータス32)。
次に、結束対象紙幣集積部21に集積中の100枚分の特定金種を紙幣結束部22に搬送して100枚分紙幣を結束する場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“0”のため、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“30”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“30”、結束側現在集積枚数表示部92は“0”を表示することになる(ステータス32A)。
次に、ステータス32Aの状態で取引キャンセル処理が実行した場合、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“0”、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“−70”を表示することになる(ステータス33)。尚、オペレータは、表示ガイダンスに基づき、結束対象紙幣集積部21に集積中の全紙幣を回収し、これら回収紙幣をホッパ部11に投入し、回収紙幣に対する分類集積動作を開始することになる。
次に、回収紙幣に対する分類集積動作開始後、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“1”になると、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“−69”を表示することになる(ステータス34)。尚、回収紙幣に対する分類集積動作を順次継続する。
次に、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“69”になると、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“−1”を表示することになる(ステータス35)。
次に、結束対象紙幣集積部21内の紙幣集積枚数が“70”になると、結束側未確定カウンタ71は“0”、結束側仮確定カウンタ72は“0”、結束側累計カウンタ74は“170”、結束側前回端数カウンタ75は“70”、結束側取引中紙幣枚数表示部91は“0”、結束側現在集積枚数表示部92は“70”を表示することになる(ステータス36)。尚、前回取引直後の紙幣集積状態に戻ったことになる。
本実施例では、結束対象の紙幣枚数を未確定の紙幣入金枚数として集計し、100枚分の紙幣の結束タイミングに応じて、結束する紙幣の内、現在取引内の未確定の紙幣入金枚数を仮確定するようにしたので、100枚分の紙幣を結束する紙幣結束機能を追加したとしても、結束済み紙幣における取引区分の取扱性を良好にできると共に、例えば、現在取引内の障害復旧に際しても、現在取引及び前回取引の全紙幣をホッパ部11に再投入するのではなく、現在取引内に結束済み紙幣があったとしても、その結束済み紙幣を解体することなく、未確定の紙幣をホッパ部11に再投入するだけで済むことになるため、その作業負担を大幅に改善することができる。
本実施例では、取引完了操作を検出すると、現在取引内の仮確定の紙幣入金枚数及び未確定の紙幣入金枚数を現在取引の全紙幣入金枚数として確定すると共に、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数を前回端数として登録管理するようにしたので、紙幣結束機能を追加したとしても、取引完了操作に応じて、結束する紙幣の内、現在取引及び前回取引の紙幣入金枚数の区分けは勿論のこと、現在取引内の全入金紙幣の紙幣入金枚数を確定することができる。
本実施例では、スタッカ16に分類集積した紙幣の抜取を検出した場合、所定枚数での紙幣抜取タイミング又は所定枚数到達タイミングで現在取引内のスタッカ16の未確定の紙幣入金枚数及び結束対象紙幣集積部21の未確定の紙幣入金枚数を仮確定するようにしたので、スタッカ16と連動したとしても、結束済み紙幣における取引区分の取扱性を良好にできると共に、例えば、現在取引内の障害復旧に際しても、現在取引及び前回取引の全紙幣をホッパ部11に再投入するのではなく、スタッカ16に集積中の全紙幣の他に、現在取引の結束対象紙幣集積部21の未確定の紙幣をホッパ部11に再投入するだけで済むことになるため、その作業負担を大幅に改善することができる。
本実施例では、取引完了操作を検出すると、現在取引内の結束対象紙幣集積部21の仮確定の紙幣入金枚数及び未確定の紙幣入金枚数を現在取引内の結束対象紙幣集積部21の全紙幣入金枚数として確定すると共に、現在取引内のスタッカ16の仮確定の紙幣入金枚数及び未確定の紙幣入金枚数を現在取引内のスタッカ16の全紙幣入金枚数として確定すると共に、結束対象紙幣集積部21に集積中の紙幣集積枚数を結束対象紙幣集積部21の前回端数として登録管理するようにしたので、スタッカ16と連動したとしても、取引完了操作に応じて、結束する紙幣の内、現在取引及び前回取引の紙幣入金枚数の区分けは勿論のこと、現在取引内の全紙幣の紙幣入金枚数を確定することができる。
本実施例では、現在取引内で障害復旧操作を検出し、現在取引内に仮確定が存在した場合、現在取引内の結束対象紙幣集積部21及びスタッカ16の未確定の紙幣入金枚数をクリアすると共に、結束済み紙幣を除く、本装置内の紙幣をホッパ部11に再投入した後、このホッパ部11に再投入した紙幣を再搬送するようにしたので、スタッカ16と連動したとしても、現在取引内で結束済み紙幣が存在する場合、この結束済み紙幣を解体することなく、結束済み紙幣を除く、本装置内の全紙幣をホッパ部11に再投入するだけで、現在取引内の直前の仮確定時点の紙幣集積状態に戻すことができる。
本実施例では、現在取引内に障害復旧操作を検出し、現在取引内に仮確定が存在しない場合、現在取引内の結束対象紙幣集積部21及びスタッカ16の未確定の紙幣入金枚数をクリアすると共に、本装置内の全紙幣をホッパ部11に再投入した後、登録管理中の現在取引直前の前回端数分の紙幣を結束対象紙幣集積部21に残すべく、このホッパ部11に再投入した紙幣を再搬送するようにしたので、スタッカ16と連動したとしても、現在取引内で結束済み紙幣が存在しない場合、本装置内の全紙幣をホッパ部11に再投入するだけで、現在取引開始直前の紙幣集積状態に戻すことができる。
本実施例では、現在取引のキャンセル操作を検出した場合、現在取引内の結束対象紙幣集積部21及びスタッカ16の仮確定の紙幣入金枚数及び未確定の紙幣入金枚数をクリアすると共に、スタッカ16に集積中の全紙幣の他に、現在取引内の紙幣を含む結束済み紙幣及び/又は未確定の紙幣入金枚数分の紙幣をホッパ部11に再投入した後、現在取引内の結束対象紙幣集積部21及びスタッカ16の仮確定及び未確定の紙幣を本装置からリジェクトしながら、確定部102にて登録管理中の現在取引直前の前回端数分の紙幣を結束対象紙幣集積部21に残すべく、このホッパ部11に再投入した紙幣を再搬送するようにしたので、スタッカ16と連動したとしても、現在取引中の全ての紙幣入金取引をキャンセルすることができる。
本実施例では、現在取引のキャンセル操作を検出した場合、現在取引内の全ての結束済み紙幣の束数をガイダンス表示するようにしたので、オペレータは、そのガイダンス表示を目視することで、現在取引キャンセルに伴う解体すべき、現在取引の全結束済み紙幣の束数を認識することができる。
尚、本実施例では、制御部100を紙幣入金処理装置1内部に設けるようにしたが、紙幣入金処理装置1内の紙幣処理装置2内部又は紙幣結束装置3内部の何れに設けるようにしても良い。
本実施例では、紙幣結束部22にて所定枚数分の紙幣を結束した紙幣結束タイミングに応じて、結束する紙幣の内、現在取引内の未確定の紙幣入金枚数を仮確定するようにしたが、結束対象紙幣集積部21の紙幣集積枚数が所定枚数に到達したタイミングに応じて現在取引内の未確定の紙幣入金枚数を仮確定するようにしても良い。
また、本実施例では、結束対象紙幣集積部21から紙幣束抜取部を通じて紙幣束を挟持したタイミングで現在取引内の未確定の紙幣入金枚数を仮確定するようにしても良い。
また、本実施例では、取引完了操作を検出すると、所定の設定により、確定部102が、結束対象紙幣集積部21に集積した紙幣の抜取りを促し、前回端数をゼロとして登録管理するようにしても良く、この場合、所定の設定に応じて、取引毎に端数を抜き取ることができる。
以上、本実施例について説明したが、本実施例によって本発明の技術的思想の範囲が限定されるものではなく、請求の範囲に記載した技術的思想の範囲を逸脱しない限り、各種様々な実施の形態が実施可能であることは言うまでもない。また、本実施例に記載した効果は、これに限定されるものではない。
また、本実施例で説明した各種処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動で行うことも可能であることは勿論のこと、その逆に、手動で行われるものとして説明した処理の全部又は一部を自動で行うことも可能であることは言うまでもない。また、本実施例で説明した処理手順、制御手順、具体的名称、各種データやパラメータを含む情報についても、特記した場合を除き、適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的に記載したものであって、必ずしも物理的に図示のように構成されるものではなく、その各装置の具体的な態様は図示のものに限縮されるものでは到底ないことは言うまでもない。
さらに、各装置で行われる各種処理機能は、CPU(Central Processing Unit)(又はMPU(Micro Processing Unit)、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上、又は同CPU(又はMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行するプログラム上、又はワイヤードロジックによるハードウェア上で、その全部又は任意の一部を実行するようにしても良いことは言うまでもない。