JP5289720B2 - エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ - Google Patents

エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP5289720B2
JP5289720B2 JP2007085175A JP2007085175A JP5289720B2 JP 5289720 B2 JP5289720 B2 JP 5289720B2 JP 2007085175 A JP2007085175 A JP 2007085175A JP 2007085175 A JP2007085175 A JP 2007085175A JP 5289720 B2 JP5289720 B2 JP 5289720B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter
filter medium
air
air filter
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007085175A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008238109A (ja
Inventor
潤 森田
仁 新沼
貴宏 小原
範一 新舎
慎生 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Muki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Muki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Muki Co Ltd filed Critical Nippon Muki Co Ltd
Priority to JP2007085175A priority Critical patent/JP5289720B2/ja
Publication of JP2008238109A publication Critical patent/JP2008238109A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5289720B2 publication Critical patent/JP5289720B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Description

本発明は、半導体や液晶を製造するクリーンルームの外気処理系施設において使用するエアフィルタや、マンションなどの居室の換気に使用されるレジスターフィルタなどとして使用するのに好適なエアフィルタ及びそのろ材に関する。
従来から、半導体や液晶の製造は、例えば、図1に示すようなクリーンルーム施設1のクリーンルーム12内において行われている。このようなクリーンルーム施設1には、外気処理系施設2として、外調機3と内調機4が接続されている。通常、外調機3には、空気の流入側から、約5μm以上の比較的大きな粒子を除去するプレ(粗塵)フィルタ5と、約1μm以上の粒子を除去するための中性能フィルタ6と、ガス状汚染物質を除去するためのケミカルフィルタ7が設置されている。また、内調機4には、空気の流入側から、ケミカルフィルタ8と、約1μm以下の粒子を除去するためのHEPAフィルタ等の高性能フィルタ9と、クリーンルーム施設1に空気を送風するブロア10が設置されている。クリーンルーム施設1に供給された空気は、クリーンルーム12の天井部12aに設けたケミカルフィルタ13、ファン14、高性能フィルタ15を通過してクリーンルーム12内に供給される。また、クリーンルーム外室11の循環路にもケミカルフィルタ16が設置されている。
近年、このようなクリーンルームに対しては、粒子状汚染物質による汚染に加え、有機物質のガス、酸性・アルカリ性のガス、ボロン・リン等のドーパントのガス、そして金属のガス等のガス状汚染物質による汚染が深刻な問題となっている。例えば、有機物質のガスは、半導体基板に形成される酸化膜厚に異常を与えるため、酸化膜厚が薄膜化する傾向にある現状下では、致命的な汚染物質となっている。
ガス状汚染物質は、例えば、活性炭、活性炭繊維、ゼオライト、イオン交換樹脂、その他化学吸着材等を利用したケミカルフィルタで除去することができる。しかしながら、クリーンルーム施設に設置するフィルタ自体がガス状汚染物質を発生しないことが望まれている。例えば、空気の最終処理フィルタとなる高性能エアフィルタは、早い段階から発ガス量の少ないフィルタの開発が進められてきた。また、プレフィルタや中性能フィルタについても、発ガス量の少ないフィルタが望まれている。
しかしながら、これまでのところ、有機物質の発ガス量が十分に低減されている中性能フィルタ用ろ材を、工程を複雑にすることなく、かつろ材の性能を低下させることなく製造する手段はなかった。
ろ材からの有機物質の発ガス量を低くするためには、例えば、融点以下の温度で加熱処理を行うことにより、強制的に脱ガスさせる方法が考えられる。しかしながら、ろ材を融点以下の温度で加熱処理する場合、従来の低発ガス中性能フィルタは、有機物質のガス量は低減されているものの、以下のような問題があった。
低発ガスな材料を選定するという制約から、ろ材の剛性が低くパックそのものの強度が低くなる傾向があった。このため、ホットメルトリボンを塗布する対策が考えられるが、それによりフィルタユニットの質量が増加したり、廃棄物量が増加するといった弊害が生じることになる。一方、ホットメルトリボンを使用せず、従来のような剛性の高いろ材とするためには、補強材をケミカルボンドとして剛性を上げる対策が考えられるが、従来のように汎用的なメラミン系バインダを使用すると、シックハウス症候群の原因物質の一つであるホルムアルデヒドが発生する。また、メラミン系以外のバインダを使用した場合には、ろ材の剛性が充分に上がらないという課題がある。
製造工程が複雑になるのに加え、熱変形・熱収縮して、ろ材の性能が低下する恐れがある。
特開平10―272328号公報 特開2001―137630号公報
本発明の目的は、上記の従来技術の課題を解決し、工程を複雑化せず、かつろ材の捕集効率を低下させることなく、ろ材から発生する有機物質の発ガス量を著しく低下させ、それに加えてシックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドの発生も抑制したエアフィルタ用ろ材とそれを用いたエアフィルタを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のエアフィルタ用ろ材は、請求項1記載の通り、ポリブチレンテレフタレート繊維からなるメルトブローン不織布からなるろ材層と、ポリエチレンテレフタレートからなる熱接着繊維からなるサーマルボンド不織布からなる補強層とを融点100〜120℃のポリエチレンからなるホットメルトパウダーで貼り合わされてなるエアフィルタ用ろ材であって、JISA1901に基づくホルムアルデヒド放散速度(μg/m2h)が5.0未満であることを特徴とする。
また、本発明のエアフィルタは、請求項2記載の通り、前記請求項1に記載のエアフィルタ用ろ材をフィルタ枠に収容したことを特徴とする。
また、請求項3記載のエアフィルタは、請求項2記載のエアフィルタにおいて、基板表面吸着・加熱脱着法により測定したシリコンウェーハの単位面積当たりに吸着された総有機物質量が1.0ng/cm2以下であることを特徴とする。
また、請求項4記載のエアフィルタは、請求項2記載のエアフィルタにおいて、前記エアフィルタはレジスターフィルタであることを特徴とする
本発明のエアフィルタ用ろ材は、ろ材層としてポリブチレンテレフタレートからなるメルトブローン不織布を使用しているため、エアフィルタの捕集効率を低下させることなく維持でき、また、使用時におけるエアフィルタ用ろ材からの有機物質の発ガス量を著しく低減することができる。
また、本発明のエアフィルタ用ろ材は、補強層としてポリエチレンテレフタレートからなる熱接着繊維からなるサーマルボンド不織布を使用しているため、使用時におけるエアフィルタ用ろ材からの有機物質の発ガス量を著しく低減することができる。
また、本発明のエアフィルタ用ろ材は、前記補強層としてバインダを含まないサーマルボンド不織布を用いた場合、従来のメラミン樹脂を用いたろ材において問題となっていたホルムアルデヒドの発生がなく、人体への影響の問題もない。
また、本発明のエアフィルタは、前記エアフィルタ用ろ材をフィルタ枠に収容したため、エアフィルタから発生する有機物を著しく低減することができる。
また、前記エアフィルタを、基板表面吸着・加熱脱離法により評価した場合、シリコンウェーハの単位面積当たりに吸着された総有機物質量が1.0ng/cm2以下とすることができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、メルトブローン不織布からなるろ材層と、熱融着繊維のサーマルボンド不織布からなる補強層を貼り合わせたものである。
ろ材層のメルトブローン不織布として、ポリプロピレン系、ポリエチレン系などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂などの繊維形成性重合体から形成された繊維が使用されるが、捕集効率を重視するのであれば、細い繊維が得やすいポリプロピレン系樹脂から形成された繊維が特に好ましい。
また、低発ガス性の観点を考慮すれば、ポリエステル系繊維のメルトブローン不織布を用いることができる。具体的にはポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネイト等から適宜選択できる。これらポリエステル類のうち、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネイトはエアフィルタ用ろ材として最も汎用的なポリプロピレンに比べて発ガス量が少ない。ただし、特開平5-279947号公報には、ポリカーボネイト繊維を用いた、繊維同士が実質的に相互に融着していない極細繊維不織布が開示されている。ところが、このポリカーボネイト不織布は、エアフィルタとしての重要な基本性能である捕集効率を高めるために、エレクトレット加工処理を施していた。このため、例えば長時間高温下に暴露されると電荷の中和により捕集効率が低下するという問題があった。
また、特許第3650505号公報では、上記捕集効率低下の課題を解決するために、ポリカーボネイトメルトブローン不織布に、ポリブチレンテレフタレートを1〜20質量%含有させたエレクトレット化した不織布とすることで、捕集効率の低下を防ぐ技術が公開されている。ところが、このような方法では、複数の樹脂原料を必要とするのに加えて、エレクトレット加工処理も必要であり、工程が複雑化する問題があった。
このため、低発ガス性と工程を複雑化せず、かつろ材の捕集効率を低下させないこと考えれば、ポリブチレンテレフタレートを主原料としたメルトブローン不織布を用いることが最も好ましい。
補強層の前記熱接着繊維としては、例えば、芯鞘型やサイドバイサイド型の複合繊維を用いることができる。
前記ろ材層と前記補強層を貼り合わせる手法としては、ホットメルトパウダー用い、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の中から、加熱接着温度を考慮して適宜選択使用する。
補強層のサーマルボンド不織布は、バインダを含まないサーマルボンド不織布であることが望ましい。バインダを含まないサーマルボンド不織布を用いることによって、従来のバインダの代表例であるメラミン樹脂を用いたケミカルボンド不織布より発ガス量を低減することができるのに加えて、最近問題となっているホルムアルデヒドの発生がないろ材を提供することができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、例えば、中性能フィルタ用ろ材及びレジスターフィルタ用ろ材として用いることが好ましい。特に図示しないが、一般には、中性能フィルタ用ろ材の場合は、矩形に形成したろ材を矩形のフィルタ枠に、また、レジスターフィルタ用ろ材の場合は、円形に形成したろ材を円形のフィルタ枠内に収容してフィルタとする。
中性能フィルタ用ろ材及びレジスターフィルタ用ろ材としては、例えば、JIS B 9908に準拠した試験方法による粒子捕集平均効率が50〜99%、圧力損失が風量56m/minにおいて150Pa以下であるものが好ましい。また、本発明のエアフィルタ用ろ材を中性能フィルタ用ろ材及びレジスターフィルタ用ろ材として用いる場合は、ろ材層となるメルトブローン不織布は、平均繊維径が0.1〜50マイクロメートルであるものが好ましい。また、補強層となるサーマルボンド不織布は、平均繊維径が1〜100マイクロメートルであるものが好ましい。
中性能フィタル用ろ材及びレジスターフィルタ用ろ材は、面密度が65〜200g/m(ろ材層が15〜100g/m、補強層が50〜100g/m)であるものが好ましい。
また、中性能フィタル用ろ材及びレジスターフィルタ用ろ材の厚さ(ろ材層と補強層の合計厚さ)は、0.3〜2.0mmであることが好ましく、0.5〜1.2mmであることがさらに好ましい。中性能フィルタ用ろ材の厚さが0.3mm未満である場合は、塵埃の保持容量が少なくなり、寿命が短くなるという問題があり、2.0mmを超えると、圧力損失が高くなりすぎるため、やはり寿命が短くなるという問題があるからである。
尚、中性能フィルタ及びレジスタ用フィルタは、以下の通り製作するが、製作方法はこれに限定されるものではない。
中性能フィルタは、プリーツ加工したろ材をフィルタ枠に仮固定し、ウレタンシール剤を上下面にそれぞれ注入し、硬化させる。ろ材の間隔保持のためにホットメルトリボンを用いると有機物質の発ガスの恐れがあるため、ホットメルトリボンを使用しないことが好ましい。また、フィルタ枠の材質は、有機物質の発ガスが少なく腐食されにくいアルミニウム又はステンレスであることが好ましい。レジスタ用フィルタは、プリーツ加工したろ材にホットメルトリボンを塗布して間隔を保持し、円形、或いは、方形に切り抜いたものを樹脂製の枠に挿入する。その後、周囲の隙間をホットメルトでコーキングし、外周にウレタンフォームを接着する。
次に、本発明の実施例を、比較例とともに説明する。尚、本発明のエアフィルタ用ろ材は、以下の例に限定して解釈されるものではない。
(実施例1)
ろ材層:融点225℃のポリブチレンテレフタレートからなる、平均繊維径2.0マイクロメートル、面密度40g/mのメルトブローン不織布をろ材層とした。
補強層:非熱接着成分(芯成分):融点255℃のポリエチレンテレフタレート/熱接着成分(鞘成分):融点110℃のポリエチレンテレフタレートからなる、平均繊維径30マイクロメートル、繊維長76mmの芯鞘型の熱接着繊維100質量%を不織布の繊維原料とし、これを開繊した後、カード機にかけて面密度95g/m、厚さ0.4mmの不織布を形成し、補強層とした。
ホットメルトパウダー:融点100〜120℃のポリエチレンからなるホットメルトパウダーを使用した。
次に、補強層の上にホットメルトパウダーを面密度10g/m積層して、140℃の乾燥機で3分間加熱し、次いで、ろ材層と補強層を接着し、その後、空冷して面密度145g/m、厚さ0.7mmの中性能フィルタ用ろ材を作製した。
(比較例1)
補強層の繊維に、融点255℃のポリエチレンテレフタレートからなる、平均繊維径20マイクロメートル、繊維長76mmの非熱接着繊維を、また補強層のバインダにメラミン樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度145g/m、厚さ1.0mmの中性能フィルタ用ろ材を作製した。
比較例2)
ろ材層の材質を、融点160℃のポリプロピレンとしたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度135g/m2、厚さ0.7mmの中性能フィルタ用ろ材を作製した。
(従来例)
ろ材層の材質を、融点160℃のポリプロピレンとし、補強層の繊維に融点255℃のポリエチレンテレフタレートからなる、平均繊維径20マイクロメートル、繊維長76mmの非熱接着繊維を、また補強層のバインダにメラミン樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、面密度135g/m、厚さ1.0mmの中性能フィルタ用ろ材を作製した。
次に、本発明の実施例、比較例、従来例について、以下のようにしてフィルタから発生する総有機物質量、ろ材から発生するホルムアルデヒド量を測定し、総合評価を行った。結果を表1に示す。
総有機物質量:
エアフィルタから発生する総有機物質量として、クリーンルームの構成材料から発生する汚染物質の測定方法として、一般的に使用されている基板表面吸着・加熱脱着法により測定されるシリコンウェーハの単位面積当たりに吸着された総有機物質量を示した。総有機物質量が従来例の1/3未満のものを○、1/3以上1/2未満のものを△、1/2以上のものを×とした。
図2を参照して、基板表面吸着・加熱脱着法によるエアフィルタから発生する総有機物質量の測定方法について説明する。図2(a)は、エアフィルタから発生する有機物質等のガス状汚染物質をシリコンウェーハに吸着させるために用いる試験用ダクト30を示す図である。図2(a)に示すように、ステンレス製の試験用ダクト30は、空気が、ファン32によりケミカルフィルタ33と高性能フィルタ34を通過することで清浄化され、上流側サンプリング室35に流入し、上流側サンプリング室35から試験用エアフィルタ用ろ材を用いたフィルタユニット31を通じて、下流側サンプリング室36を流通し、流出口37から外部に流出するようになっている。試験用エアフィルタユニット31は、縦610mm×横610mm×奥行290mmのものを用いた。下流側サンプリング室36には、室温空気が風速0.35m/sで通風するようにした。
試験用ダクト30に予め空気を24時間通風し、通風を開始してから24時間後に、試験用ダクト30を開放して、上流側サンプリング室35にサンプル用シリコンウェーハ38を設置するとともに、下流側サンプリング室36にサンプル用シリコンウェーハ39を設置した。尚、シリコンウェーハ38,39の支持には、加熱により清浄化した石英製の支持部材を用いた。その後、通風を再開し、シリコンウェーハ38,39をサンプリング室35,36にて24時間暴露し、通風を開始してから48時間経過後に取り出して分析用のサンプルとした。
次に、サンプル用シリコンウェーハに吸着された汚染物質を、以下のようにして、シリコンウェーハアナライザ(GLサイエンス(株)社製SWA256)と、ガスクロマトグラフ質量分析計(Agilent Technology(株)社製 HP−5973)を用いて測定した。
図2(b)に示すように、シリコンウェーハアナライザの石英チャンバ40内に分析用サンプル41(サンプル用シリコンウェーハ)を設置し、石英チャンバ40内にヘリウムガスを供給しながら、初期温度(40℃以下)から設定温度400℃まで毎分20℃から30℃の昇温速度で加熱し、設定温度400℃で15分間保持した。これにより、分析用サンプル41のシリコンウェーハ表面に吸着されていた汚染物質を、ウェーハ表面から加熱により脱離させて、捕集管に送り込み、捕集管に吸着させた。この捕集管に吸着された汚染物質をガスクロマトグラフ質量分析計に導き、分析用サンプル41に吸着されていた総有機物質量を測定した。尚、総有機物質量を測定するための検量線は、イコサン(C2042)から導いたものを用いた。また、上流側サンプリング室35に設置した分析用サンプルであるシリコンウェーハ38から測定した値をブランクとし、下流側サンプリング室36に設置した分析用サンプルであるシリコンウェーハ39から測定した値から、ブランクを引いた値を総有機物質量とした。
ろ材からのホルムアルデヒド放散量:
JIS A1901:2003(小形チャンバー法)に準拠して放散速度を測定し、開始1日目の結果を採用した。ホルムアルデヒドの放散速度が従来例と比較して1/100未満または定量下限値以下の場合は○、1/100以上1/10未満の場合を△、1/10以上の場合を×とした。
総合評価:
総合評価は、フィルタからの総有機物質量とろ材からのホルムアルデヒド放散量がいずれも○であるものを◎とし、総有機物質量が△でホルムアルデヒド放散量が○のものを○とし、ホルムアルデヒド放散量が○で総有機物質量が×の場合は△、ホルムアルデヒド放散量が×の場合は×とした。結果を表1に示す。
Figure 0005289720
表1に示すとおり、実施例1は、従来例と比べて、フィルタからの総有機物質量及びろ材からのホルムアルデヒドの放散速度が著しく低減されていることが確認できた。
これに対し、比較例2のように、ろ材層の材質がポリプロピレンの場合は、比較例1と比べてろ材からのホルムアルデヒド発生量は約1/25に低減されているものの、フィルタから発生する総有機物質量は低減されていなかった。
これに対し、比較例1のように、補強層がメラミン樹脂を含むケミカルボンド不織布である場合は、従来例と比較して、フィルタからの総有機物質量は比較的低減してはいるものの、ろ材からのホルムアルデヒド放散速度は何ら低減してはいなかった。
また、比較例2のように、ろ材層の材質がポリプロピレンの場合は、従来例と比べてろ材からのホルムアルデヒド放散速度は著しく低減されているものの、フィルタから発生する総有機物質量は十分低減されているとはいえない。但し、レンジスターフィルタ用ろ材として充分使用できる。
本発明は、半導体や液晶を製造するクリーンルームの外気処理系施設において使用するエアフィルタに関し、フィルタから発生する有機物質の発ガス量及びろ材からのホルムアルデヒド放散速度を著しく低減させたエアフィルタ用ろ材及びエアフィルタを提供することができる点において、産業上の利用可能性を有する。
また、ホルムアルデヒド放散速度を著しく低減できることだけを考慮すればレジスターフィルタ用ろ材及びレジスターフィルタを提供することができる点において、産業上の利用可能性を有する。
クリーンルーム施設と外気処理系施設の概略説明図 基板表面吸着・加熱脱着法によるエアフィルタ用ろ材から発生する総有機物
符号の説明
30 試験用ダクト
31 フィルタユニット
32 ファン
33 ケミカルフィルタ
34 高性能フィルタ
35 上流側サンプリング室
36 下流側サンプリング室
37 流出口
38 サンプル用シリコンウェーハ
39 サンプル用シリコンウェーハ
40 石英チャンバ
41 分析用サンプル

Claims (4)

  1. ポリブチレンテレフタレート繊維からなるメルトブローン不織布からなるろ材層と、ポリエチレンテレフタレートからなる熱接着繊維からなるサーマルボンド不織布からなる補強層とを融点100〜120℃のポリエチレンからなるホットメルトパウダーで貼り合わされてなるエアフィルタ用ろ材であって、JISA1901に基づくホルムアルデヒド放散速度(μg/m2h)が5.0未満であることを特徴とするエアフィルタ用ろ材。
  2. 前記請求項1に記載のエアフィルタ用ろ材をフィルタ枠に収容したことを特徴とするエアフィルタ。
  3. 基板表面吸着・加熱脱着法により測定したシリコンウェーハの単位面積当たりに吸着された総有機物質量が1.0ng/cm2以下であることを特徴とする請求項2に記載のエアフィルタ。
  4. 前記エアフィルタはレジスターフィルタであることを特徴とする請求項2記載のエアフィルタ。
JP2007085175A 2007-03-28 2007-03-28 エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ Active JP5289720B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007085175A JP5289720B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007085175A JP5289720B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008238109A JP2008238109A (ja) 2008-10-09
JP5289720B2 true JP5289720B2 (ja) 2013-09-11

Family

ID=39910080

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007085175A Active JP5289720B2 (ja) 2007-03-28 2007-03-28 エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5289720B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103961938B (zh) * 2014-05-22 2015-08-26 广州励洁空气净化科技有限公司 一种能过滤pm2.5的多层结构抗菌汽车空调滤清器
JP7299316B2 (ja) * 2019-06-04 2023-06-27 三井化学株式会社 メルトブロー不織布、フィルター、及びメルトブロー不織布の製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10213343A (ja) * 1997-01-30 1998-08-11 Sekisui Chem Co Ltd 給気レジスタ
JP2000000195A (ja) * 1998-06-17 2000-01-07 Kuraray Co Ltd 電気掃除機用集塵袋
JP2001179028A (ja) * 1999-12-27 2001-07-03 Tokyo Electric Power Co Inc:The 洗浄再生形ガスタービン用エアフィルタ
EP1136112A1 (en) * 2000-03-23 2001-09-26 3M Innovative Properties Company Method of making a generally cylindrical pleated filter element
JP2003093816A (ja) * 2001-09-25 2003-04-02 Japan Vilene Co Ltd エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体
JP2003126625A (ja) * 2001-10-30 2003-05-07 Toray Ind Inc 平行流型エアフィルタ
JP4351109B2 (ja) * 2004-04-12 2009-10-28 旭ファイバーグラス株式会社 無機繊維マット
JP2005319347A (ja) * 2004-05-06 2005-11-17 Kuraray Co Ltd フィルター用濾材及びフィルター
JP4486562B2 (ja) * 2005-08-08 2010-06-23 東洋紡績株式会社 内燃機関エアクリーナ用濾材およびエアクリーナエレメント

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008238109A (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI515035B (zh) 可再生皺褶式過濾器媒介
JPH10286415A (ja) エアフィルターユニットおよびその製造方法
WO2011088185A2 (en) Air filter with sorbent particles
WO1998006477A1 (fr) Milieu filtrant et filtre a air
JP5289720B2 (ja) エアフィルタ用ろ材及びエアフィルタ
JP2022184905A (ja) 不織布層とメルトブローン層を有する濾材
KR100986797B1 (ko) 부직포 필터
JP4132906B2 (ja) 自動巻取り型フィルタ装置
JP4781826B2 (ja) エアフィルタ用ろ材及びその製造方法
JP4965027B2 (ja) エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体
JP4454952B2 (ja) エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体
WO2018020932A1 (ja) フィルタろ材とそれを用いた空気清浄装置
TWI826776B (zh) 可再生空氣過濾器以及將其再生之方法
JP4932564B2 (ja) ガス除去用濾材及びその製造方法、並びにガス除去用濾材を用いたガス除去エレメント
JP3831281B2 (ja) エアフィルタ用濾材およびエアフィルタユニットの製造方法
JP4910479B2 (ja) ケミカルフィルタ
JP4944304B2 (ja) エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体
JP5531736B2 (ja) 複合濾材およびそれをプリーツしてなるフィルター
JP2008212828A (ja) 機能性繊維シートおよびその製造方法
Zuo et al. VOC outgassing from baked and unbaked ventilation filters
JP2022095188A (ja) エアフィルタ及びエアフィルタの製造方法
JP2007319750A (ja) ガス除去フィルタ
JP2003093816A (ja) エアフィルタ用濾材、エアフィルタユニット、及びその製造方法、並びにその包装体
JP2008126160A (ja) ケミカルフィルタ
JP2008055247A (ja) ガス除去フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110601

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120327

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120627

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120706

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20120914

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130426

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130605

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5289720

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250