JP5284020B2 - すべり軸受ユニット及び回転陽極型x線管装置 - Google Patents

すべり軸受ユニット及び回転陽極型x線管装置 Download PDF

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Description

この発明は、すべり軸受ユニット及び回転陽極型X線管装置に関する。
一般に、X線管装置として、回転陽極型X線管装置が使用されている。回転陽極型X線管装置は、X線を放射する回転陽極型X線管と、ステータコイルと、これら回転陽極型X線管及びステータコイルを収容した筐体と、を備えている。回転陽極型X線管は、すべり軸受ユニットと、陽極ターゲットと、陰極と、真空外囲器と、を備えている。すべり軸受ユニットは、回転軸を中心に回転可能な筒状の回転体と、この回転体の内部に嵌合され、回転体を回転可能に支持する円柱状の固定体と、回転体及び固定体の隙間に充填された金属潤滑剤と、を有している。陽極ターゲットは、回転体に固定されている。陰極は、陽極ターゲットに対向配置されている。真空外囲器は、すべり軸受ユニット、陽極ターゲット及び陰極を収容している。
固定体の軸受面に、ヘリンボン・パターンの溝が形成されている。すべり軸受ユニットは、軸受として、動圧式すべり軸受を使っている(例えば、特許文献1、特許文献2及び特許文献3参照)。金属潤滑剤は、Ga(ガリウム)又はGaInSn(ガリウム・インジウム・錫)合金等の材料を用いている。
上記回転陽極型X線管装置の動作状態において、ステータコイルは回転体に与える磁界を発生するため、回転体及び陽極ターゲットは回転する。また、陰極は陽極ターゲットに対して電子ビームを照射する。これにより、陽極ターゲットは、電子と衝突するときにX線を放出する。
また、上記回転体の回転動作中において、回転体の軸受面と、固定体の軸受面とは、20乃至30μm程度の隙間が置かれ、非接触状態に保たれる。このように、軸受面間に金属潤滑剤が薄い膜として介在すれば、軸受面同士の擦れやそれによる傷の発生等は生じない。
その他、回転陽極型X線管装置は、軸受けの温度を検出する温度検出機能と、潤滑剤を解凍する解凍機能とを有し、ステータコイルの駆動を制御する制御部を備えている(例えば、特許文献4参照)。制御部は、軸受けの温度を検出し、潤滑剤が固体状態であるか液体状態であるかを判別し、解凍機能を制御し、ステータコイルの駆動を制御するものである。これにより、軸受けに与えるダメージを低減することができる。
特開昭60−117531号公報 特開平2−227948号公報 特開平5−144396号公報 特開平5−217531号公報
ところで、動圧すべり軸受けは、玉軸受けと異なり、回転動作中に回転体の軸受けが浮上して固定体に非接触状態となる。このため、回転体の回転動作中に動圧すべり軸受けがダメージを受けることはない。しかし、回転体の非動作時、回転体及び固定体は接触状態となる。
このため、回転体の回転動作起動中及び回転動作停止中において、回転体及び固定体の軸受面同士は、接触する。
すなわち、軸受面間に金属潤滑剤が十分に存在しない状態となる恐れがあり、その状態となった場合、軸受面同士が擦れてしまう。
軸受面同士が擦れると、軸受面はそれぞれ削られ、このとき多く発生する微細金属紛のような異物が金属潤滑剤に混入してしまう。さらに、微細金属紛と金属潤滑剤との反応による反応生成物が異物となって金属潤滑剤に混入することも考えられる。
金属潤滑剤に異物が混入すると、異物はすり潰されるまで軸受面間に留まり、軸受面に無数の傷を生じさせる原因となってしまう。さらに、ヘリンボン・パターンの溝の内部に異物の堆積が徐々に進むと、溝の深さが徐々に浅くなり、所要の動圧が発生しなくなり、動圧軸受の機能が低下してしまう。
上記したように、軸受面間に金属潤滑剤が存在しない状態が生じて軸受面同士が接触し、金属潤滑剤に異物が混入すると、軸受面にダメージが生じ、また、トルクの上昇を招いてしまう。このため、軸受面に生じるダメージ及びトルクの上昇をそれぞれ抑制する必要がある。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その目的は、安定した動圧を得ることができ、良好な軸受動作を維持することができるすべり軸受ユニット及び回転陽極型X線管装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の態様に係るすべり軸受ユニットは、
回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
前記回転体を回転させる第1機能と、前記回転体に振動を与える第2機能と、を有している回転駆動機構と、を備え、
前記回転駆動機構が前記第2機能を発揮するために発生する振動数は、前記回転駆動機構が前記第1機能を発揮するために発生する回転駆動周波数と異なる。
また、本発明の他の態様に係る回転陽極型X線管装置は、
電子を放出する陰極と、
前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陽極ターゲットを固定し、回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、
前記回転体を回転させる第1機能と、前記回転体に振動を与える第2機能と、を有している回転駆動機構と、を備え、
前記回転駆動機構が前記第2機能を発揮するために発生する振動数は、前記回転駆動機構が前記第1機能を発揮するために発生する回転駆動周波数と異なる。
この発明によれば、安定した動圧を得ることができ、良好な軸受動作を維持することができるすべり軸受ユニット及び回転陽極型X線管装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態に係るすべり軸受ユニット及びこのすべり軸受ユニットを備えた回転陽極型X線管装置について詳細に説明する。
図1に示すように、回転陽極型X線管装置は、回転陽極型X線管1と、回転駆動機構として磁界を発生させるステータコイル(電磁コイル)6と、回転陽極型X線管及びステータコイルを収容した筐体2と、筐体内に充填された冷却液としての絶縁油3と、制御機構7と、加振器8と、振動検出器9と、冷却部30とを備えている。
図1、図2及び図3に示すように、回転陽極型X線管1は、回転体12と、固定体15と、潤滑剤としての金属潤滑剤19と、陽極ターゲット11と、陰極18aと、真空外囲器17とを備え、すべり軸受を使っている。なお、図2及び図3において、固定体15は断面を示してはおらず、ここでは正面図である。
回転体12は、筒状に形成され、一端部が閉塞されている。回転体12は、この回転体の回転動作の中心軸となる回転軸aに沿って延出している。回転体12は、回転軸aを中心に回転可能である。回転体12は、Fe(鉄)やMo(モリブデン)等の材料で形成されている。回転体12は、この回転体の内面に軸受面12Sを有している。
固定体15は柱状に形成されている。固定体15の直径は回転体12の内径より小さい。固定体15は、回転体12と同軸的に設けられ、回転軸aに沿って延出している。固定体15は、この固定体の外面に軸受面12Sと対向した他の軸受面15Sを有している。固定体15は、FeやMo等の材料で形成されている。固定体15の一端部は回転体12の閉塞された一端部側に位置し、固定体15の他端部は回転体12の外側に突出し露出されている。
回転体12及び固定体15は、軸受面12S及び他の軸受面15Sの対向した領域を含む全対向領域で、互いに20乃至30μm程度の隙間を置いて設けられている。固定体15は、回転体12を回転可能に支持している。
金属潤滑剤19は、回転体12及び固定体15間の隙間に充填されている。この実施の形態において、金属潤滑剤19は、ガリウム・インジウム・錫合金(GaInSn)である。軸受面12S、他の軸受面15S及び金属潤滑剤19は、すべり軸受けを形成している。
回転体12の開口した他端部にシール部16が設けられている。シール部16は、回転体12の他端部に固定ねじで固着されている。シール部16は、円環状に形成され、固定体15の側面全周に亘って隙間を置いて設けられている。シール部16は、回転体12及び固定体15の回転軸aに沿った方向への相対的なズレを規制するものである。
シール部16及び固定体15間の隙間(クリアランス)は、回転体12の回転を維持するとともに金属潤滑剤19の漏洩を抑制できる値に設定されている。上記したことから、隙間はわずかである。このため、シール部16は、ラビリンスシールリング(labyrinth seal ring)として機能する。また、回転軸aに沿った方向において、回転体12、固定体15、シール部16及び金属潤滑剤19は、スラスト軸受けを形成している。
陽極ターゲット11は、回転軸aに沿った方向に、固定体15の一端部に対向配置されている。陽極ターゲット11は、この陽極ターゲットの外面に位置したターゲット層11aを有している。陽極ターゲット11は、回転体12の閉塞された一端部にナット14で固定されている。陽極ターゲット11は、形状が円環状であり、重金属等の材料で形成されている。陽極ターゲット11は、回転体12及び固定体15と同軸的に設けられている。陽極ターゲット11は、回転軸aを中心に回転可能である。陽極ターゲット11は、陰極18aから放出される電子が衝突されることによりX線を放出するものである。
陰極18aは、陽極ターゲット11のターゲット層11aに間隔を置いて対向配置されている。陰極18aは、陰極構体18に取付けられている。陰極18aは電子を放出するものである。
真空外囲器17は、円筒状に形成されている。真空外囲器17は金属およびガラスで形成されている。
真空外囲器17において、陽極ターゲット11と対向した個所の径は、回転体12と対向した個所の径より大きい。真空外囲器17は、真空外囲器17の気密状態を維持するよう、固定体15の他端部及び陰極構体18と接合されている。真空外囲器17は、陰極18aと対向したターゲット層11a付近にX線を出射させるX線放射窓17aを有している。真空外囲器17は、密閉され、回転体12、固定体15、金属潤滑剤19、陽極ターゲット11及び陰極18a等を収容している。真空外囲器17の内部は真空状態に維持されている。
ステータコイル6は、回転体12の側面に対向して真空外囲器17の外側を囲むように設けられている。ステータコイル6は回転体12を回転させるものである。ステータコイル6に所定の電流が供給されることで回転体12が所定の速度で回転され、陽極ターゲット11が所定の速度で回転される。
筐体2は、陰極18aと対向したターゲット層11a付近にX線を出射させるX線放射窓2aを有している。筐体2の内部には、回転陽極型X線管1及びステータコイル6が収容されている他、絶縁油3が充填されている。
冷却部30は、冷却器(熱交換器)31及びポンプ(絶縁油循環ポンプ)32を有している。筐体2内に供給される絶縁油3は、冷却器31により冷却される。ポンプ32は、絶縁油3を、冷却器31を循環させるとともに、筐体2に設けられた入り口及び出口を介し、筐体2内に形成された循環路を循環させる。これにより、回転陽極型X線管1において発生する熱が、絶縁油3を媒介として、筐体2の外部へ放出される。
加振器8は、筐体2の外面に直接固定されている。加振器8は、回転陽極型X線管1のすべり軸受けに振動を加えるものである。加振器8の発生する振動数は、ステータコイル6が回転体12を回転させるための回転駆動周波数と異なっている。
振動検出器9は、筐体2の外面に直接固定されている。振動検出器9は振動信号を出力するものである。振動検出器9は、回転体12の回転に伴って生じる回転体12の振動数を検出するものである。
制御機構(ステータコイル駆動電源制御機構)7は、主制御部38、加振器制御部37、ステータコイル6に回転駆動電力を供給して回転体12及び陽極ターゲット11の回転を制御するステータコイル駆動電源部35、及び回転状態検出部36を備えている。
主制御部38は、図示しないX線発生用X線管制御電源及び回転状態検出部36からの信号を得て、ステータコイル駆動電源部35及び加振器制御部37を制御するものである。回転状態検出部36は、振動検出器9に結線され振動検出器から出力される振動信号を振動周波数データーに変換し主制御部38に送るものである。加振器制御部37は、加振器8と結線され、加振器を制御加振する。
上記したように、回転陽極型X線管装置が構成されている。少なくとも、回転体12、固定体15、金属潤滑剤19、ステータコイル6及び加振器8は、すべり軸受ユニットを形成している。
ここで、すべり軸受ユニットについて詳細に説明する。
固定体15は、回転軸aに沿った方向に並んだ複数の掻き込み部15a、15b、15c、15dを有している。掻き込み部15a、15b、15c、15dは、他の軸受面15Sに形成され、かつ、回転体12の回転方向に沿って並べられているとともに回転方向に対して斜線状に延出して配列されている複数のパターン部Pをそれぞれ有している。この実施の形態において、パターン部Pは、数十μmの深さを有した溝で形成されている。
隣合う一対の掻き込み部15a、15bは、ヘリンボン・パターンを形作っている。隣合う一対の掻き込み部15c、15dは、ヘリンボン・パターンを形作っている。このため、2組のヘリンボン・パターンが固定体15に形作られている。
次に、上記回転陽極型X線管装置の稼動方法について説明する。
図1乃至図6に示すように、回転陽極型X線管装置の稼動を開始すると、時点t1において、まず、制御機構7は、加振器8をONにし、ステータコイル6の電源をOFFにする。すなわち、制御機構7は、加振器8を稼動させ、すべり軸受けに振動を加える。なお、時点t1において、制御機構7は、ステータコイル6の稼動を開始しておらず、回転体12は停止状態である。
続いて、時点t2において、制御機構7は、加振器8をONに維持し、ステータコイル6の電源をONに切替える。すなわち、制御機構7は、新たにステータコイル6の稼動を開始する。すると、ステータコイル6は回転体12に与える磁界を発生するため、回転体12及び陽極ターゲット11は回転する。
時点t2を過ぎると、制御機構7は、振動検出器9が検出した振動数が、回転体12が固定体15に非接触状態となる非接触振動数以上かどうか判断する。すなわち、制御機構7は、回転体12の回転数が所定回転数に到達したかどうか判断する。制御機構7は、検出した振動数(回転数)が非接触振動数(所定回転数)未満の場合に加振器8を継続して稼動させ、検出した振動数(回転数)が非接触振動数(所定回転数)以上の場合に加振器8の稼動を停止させる。
次いで、時点t3において、振動数(回転数)が非接触振動数(所定回転数)に到達すると、制御機構7は、ステータコイル6の電源をONに維持し、加振器8をOFFに切替える。
時点t2から時点t3までの回転体12の回転動作起動中、すべり軸受けに振動を加え、軸受面12S及び他の軸受面15Sが振動を受けることで、軸受面間に起こる摩擦抵抗は分散される。軸受面間に金属潤滑剤19が十分に存在する状態にすることにより、軸受面間を非接触状態にできるため、軸受面同士が擦れ、削られることを抑制することができる。
なお、振動数(回転数)が非接触振動数(所定回転数)に到達すると、既に、軸受面間は非接触状態(回転体12は浮上状態)になっているため、すべり軸受けへの加振は不要となる。従って、時点t3において、制御機構7は、加振器8をOFFに切替えている。
また、金属潤滑剤19は、軸受面12S及び他の軸受面15S間の隙間に与えられる。そして、金属潤滑剤19は、掻き込み部15a、15b、15c、15dにより、軸受面12S、他の軸受面15S、掻き込み部15a及び掻き込み部15b間、並びに軸受面12S、他の軸受面15S、掻き込み部15c及び掻き込み部15d間にそれぞれ掻き集められ、動圧が発生する。軸受面12S及び他の軸受面15Sは、隙間が置かれ、非接触状態に保たれる。
時点t3を過ぎると、回転体12の回転数は到達回転数に達する。そして、陰極18aは、陽極ターゲット11のターゲット層11aに対して電子ビームを照射する。これにより、ターゲット層11aは、電子と衝突するときにX線を放出し、放出されたX線はX線放射窓17a及びX線放射窓2aを介して筐体2外部に放出される。
その後、X線の放出が終了すると、時点t4において、制御機構7は、ステータコイル6の電源をOFFに切替え、加振器8をONに切替える。すると、回転体12の回転も徐々に低下し、時点t5において、回転体12は停止状態となる。また、時点t5において、制御機構7は、加振器8をOFFに切替えることで、回転陽極型X線管装置の稼動は終了する。制御機構7は、自動制御により、加振器8をON又はOFFに切替えるよう構成されていても良い。
なお、時点t4から時点t5までの回転体12の回転動作停止中、すべり軸受けに振動が加えられる。回転動作停止中も軸受面間を非接触状態にできるため、軸受面同士が擦れ、削られることを抑制することができる。
以上のように構成されたすべり軸受ユニットを備えた回転陽極型X線管装置によれば、回転陽極型X線管装置は、回転体12、固定体15、金属潤滑剤19、ステータコイル6及び加振器8を備えている。加振器8はすべり軸受けに振動を加えることができる。このため、回転体12の回転動作起動中及び回転動作停止中に、軸受面12S及び他の軸受面15S間を非接触状態に保つことができる。
これにより、軸受面12S及び他の軸受面15S同士の接触を抑制することができる。さらに、軸受面12S及び他の軸受面15Sの少なくとも一方が削られてなる異物の発生自体を抑制することができるため、異物の金属潤滑剤19への混入を抑制することができ、軸受面12S及び他の軸受面15Sに与えるダメージを抑制することができる。
上記したことから、安定した動圧を得ることができ、良好な軸受動作を維持することができるすべり軸受ユニット及び回転陽極型X線管装置を得ることができる。
なお、この発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
例えば、図7に示すように、加振器8は、回転軸aに沿った方向にすべり軸受けに並んで位置していても良い。ここでは、加振器8は筐体2の外面に直接固定されている。なお、加振器8は筐体2の内部に設けられていても良く、すべり軸受けに振動を加えることができるように設けられていれば良い。
図8に示すように、冷却部30(ポンプ32)は筐体2に直接固定されていても良い。そして、冷却部30(ポンプ32)の振動を利用し、上記加振器8の機能を冷却部30(ポンプ32)に持たせても良い。但し、ポンプ駆動が商用周波数となる可能性が高いため、陽極起動周波数はインバータ電源を使用し60Hzよりも高くすることが望ましい。
その他、上記加振器8の機能をステータコイル6に持たせても良い。この場合、ステータコイル駆動電源部35に切り替えスイッチを設け、回転のできない周波数帯で回転体12に振動を与えても良い。
加振器8の発生する振動数は、ステータコイル6が回転体12を回転させるための回転駆動周波数と異なっていれば良い。加振器8の発生する振動数が回転駆動周波数と等しい場合、回転体12がステータコイル6から受ける電磁振幅と加振振動が共振し、異常に大きな増幅共振が発生し、軸受面にダメージを与えてしまう恐れがある。加振器8の発生する振動数は、回転駆動周波数より高くても低くても良い。加振器8の発生する振動数は、数キロHzの高周波でも良い。
固定体15の他の軸受面15Sにらせん溝やその他の溝が形成されていても上述した効果を得ることができる。また、固定体15が掻き込み部15a、15b、15c、15d等を設けずに形成されていても、すなわち、他の軸受面15Sが平滑な面であっても、上記した効果を得ることができる。
すべり軸受ユニットは、回転陽極型X線管装置に限らず、各種装置に適用することができる
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
前記回転体を回転させる回転駆動機構と、
前記すべり軸受けに振動を加える加振器と、を備えたすべり軸受ユニット。
[2]電子を放出する陰極と、
前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
前記陽極ターゲットを固定し、回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、
前記回転体を回転させる回転駆動機構と、
前記すべり軸受けに振動を加える加振器と、を備えた回転陽極型X線管装置。
[3]前記加振器の発生する振動数は、前記回転駆動機構が前記回転体を回転させるための回転駆動周波数と異なる[2]に記載の回転陽極型X線管装置。
[4]前記加振器を稼動させ前記すべり軸受けに振動を加えた後、前記回転駆動機構を稼動させ前記回転体を回転させる制御機構をさらに備えた[2]に記載の回転陽極型X線管装置。
[5]前記回転体の回転に伴って生じる前記回転体の振動数を検出する振動検出器をさらに備え、
前記制御機構は、前記振動検出器が検出した振動数が、前記回転体が前記固定体に非接触状態となる非接触振動数以上かどうか判断し、前記検出した振動数が前記非接触振動数未満の場合に前記加振器を継続して稼動させ、前記検出した振動数が前記非接触振動数以上の場合に前記加振器の稼動を停止させる[4]に記載の回転陽極型X線管装置。
[6]前記回転駆動機構を稼動させ前記回転体を回転させた後、前記回転駆動機構の稼動を停止させ、前記回転駆動機構の稼動を停止してから前記回転体の回転が停止するまでの間に前記加振器を稼動させる制御機構をさらに備えた[2]に記載の回転陽極型X線管装置。
この発明の実施の形態に係る回転陽極型X線管装置を示す断面図。 図1に示した回転陽極型X線管を示す断面図。 図2に示した回転陽極型X線管の一部を示す拡大断面図であり、特に、固定体、回転体及び金属潤滑剤を示す図。 上記回転陽極型X線管装置の稼動方法において、加振器のON/OFFを切替える状態を示すタイミングチャート。 上記回転陽極型X線管装置の稼動方法において、ステータコイルの電源のON/OFFを切替える状態を示すタイミングチャート。 上記回転陽極型X線管装置の稼動方法において、回転体の回転状態を示すタイミングチャート。 上記回転陽極型X線管装置の変形例を示す図。 上記回転陽極型X線管装置の他の変形例を示す図。
符号の説明
1…回転陽極型X線管、2…筐体、3…絶縁油、6…ステータコイル、7…制御機構、8…加振器、9…振動検出器、11…陽極ターゲット、11a…ターゲット層、12…回転体、12S…軸受面、15…固定体、15S…他の軸受面、16…シール部、17…真空外囲器、18a…陰極、19…金属潤滑剤、30…冷却部、31…冷却器、32…ポンプ、35…ステータコイル駆動電源部、36…回転状態検出部、37…加振器制御部、38…主制御部、a…回転軸。

Claims (6)

  1. 回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
    前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
    前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
    前記回転体を回転させる第1機能と、前記回転体に振動を与える第2機能と、を有している回転駆動機構と、を備え、
    前記回転駆動機構が前記第2機能を発揮するために発生する振動数は、前記回転駆動機構が前記第1機能を発揮するために発生する回転駆動周波数と異なるすべり軸受ユニット。
  2. 電子を放出する陰極と、
    前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットを固定し、回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
    前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
    前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
    前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、
    前記回転体を回転させる第1機能と、前記回転体に振動を与える第2機能と、を有している回転駆動機構と、を備え、
    前記回転駆動機構が前記第2機能を発揮するために発生する振動数は、前記回転駆動機構が前記第1機能を発揮するために発生する回転駆動周波数と異なる回転陽極型X線管装置。
  3. 前記回転駆動機構に前記第2機能を発揮させた後、前記回転駆動機構に前記第1機能を発揮させる制御機構をさらに備えた請求項2に記載の回転陽極型X線管装置。
  4. 前記回転体の回転に伴って生じる前記回転体の振動数を検出する振動検出器をさらに備え、
    前記制御機構は、前記振動検出器が検出した振動数が、前記回転体が前記固定体に非接触状態となる非接触振動数以上かどうか判断し、前記検出した振動数が前記非接触振動数未満の場合に前記回転駆動機構に前記第2機能の発揮を継続させ、前記検出した振動数が前記非接触振動数以上の場合に前記回転駆動機構に前記第2機能の発揮を停止させる請求項3に記載の回転陽極型X線管装置。
  5. 前記回転駆動機構に前記第1機能を発揮させ前記回転体を回転させた後、前記回転駆動機構に前記第1機能の発揮を停止させ、前記回転駆動機構に前記第1機能の発揮を停止させてから前記回転体の回転が停止するまでの間に前記回転駆動機構に前記第2機能を発揮させる制御機構をさらに備えた請求項2に記載の回転陽極型X線管装置。
  6. 電子を放出する陰極と、
    前記陰極から放出される電子が衝突されることによりX線を放出する陽極ターゲットと、
    前記陽極ターゲットを固定し、回転軸に沿って延出して筒状に形成され、内面に軸受面を含み、前記回転軸を中心に回転可能な回転体と、
    前記回転軸に沿って延出して前記回転体の内部に嵌合され、外面に前記軸受面と対向した他の軸受面を含み、前記回転体を回転可能に支持する固定体と、
    前記軸受面及び他の軸受面間の隙間に充填され、前記軸受面及び他の軸受面とともにすべり軸受けを形成する潤滑剤と、
    前記陰極及び陽極ターゲットを収容した真空外囲器と、
    前記回転体を回転させる回転駆動機構と、
    前記すべり軸受けに振動を加える加振器と、
    前記加振器を稼動させ前記すべり軸受けに振動を加えた後、前記回転駆動機構を稼動させ前記回転体を回転させる制御機構と、
    前記回転体の回転に伴って生じる前記回転体の振動数を検出する振動検出器と、を備え、
    前記制御機構は、前記振動検出器が検出した振動数が、前記回転体が前記固定体に非接触状態となる非接触振動数以上かどうか判断し、前記検出した振動数が前記非接触振動数未満の場合に前記加振器を継続して稼動させ、前記検出した振動数が前記非接触振動数以上の場合に前記加振器の稼動を停止させる、回転陽極型X線管装置。
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