JP5283661B2 - ラッシングレールの断熱パネルへの固着構造 - Google Patents

ラッシングレールの断熱パネルへの固着構造 Download PDF

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Description

本発明は、冷凍車等の箱型荷台の断熱パネルからなる側壁の内面に、貨物緊縛用のラッシングレールを固着する取り付け構造に関するものである。
近年の消費生活の多様化あるいは利便性の追求に伴い、トラック等による貨物輸送の分野では、冷凍品又は生鮮食料品等の輸送の需要が増加している。冷凍品等の貨物の輸送には、断熱パネルにより囲まれた密閉式の箱型荷台を備え、その荷室内の温度を、冷凍装置によって低温に保つ冷凍車等が使用されることから、このような箱型荷台に対する需要も高まっている。荷室内の温度を、積載する冷凍品等の貨物に応じた適正な範囲から外れないよう厳格に管理する、温度管理車と呼ばれる車両も増加している。
冷凍車等の断熱パネルには、箱型荷台の外側の外板と荷室側の内板との間に芯材となる断熱材を配置し、これらを積層したサンドイッチ構造のパネルが使用される。外板及び内板としては、アルミニウム、ステンレス等の金属製の薄板が、断熱材としては、ポリスチレンフォーム等の発泡合成樹脂が用いられることが多い。芯材となる発泡合成樹脂は、断熱性に優れるものの、構造材としての面では、金属と比較して強度及び剛性、表面の硬さが非常に小さく、両側に積層される金属製の薄板が、断熱パネル全体の形状保持、表面保護等の役割を担っている。
ところで、貨物輸送用車両の箱型荷台では、積載した貨物が車両走行中に荷くずれを生じたり、相互に衝突して損傷したりすることがないよう、緊縛用ベルトやロッドにより貨物を固定する。箱型荷台の荷室内の側壁面には、一般的に、緊縛用ベルト等を掛け止めするレールが設置されており、ラッシングレールと呼ばれている。図4に示すように、ラッシングレールLRは、緊縛用ベルト等を掛け止めするための開口部OGが等間隔に多数形成され、箱型荷台の後端部から前端部付近まで延びる長尺の、鋼材又はアルミニウム材の部品である。ラッシングレールLRの断面はハット形であり、ブラインドリベットBR等の固定手段によって荷室の側壁内面に取り付けられる。
このラッシングレールには、車両走行中に、積載した貨物に働く慣性力等に起因して大きな荷重が作用する。冷凍車等の箱型荷台においては、例えば、特許第4294804号公報に示されるように、ラッシングレールが断熱パネルの荷室側の内板に接着、固着具等の手段で固着されることとなるが、内板は、発泡合成樹脂に積層されたアルミニウム等の薄板であってそれ自体では強度及び剛性が小さい。一方、ラッシングレールには車両走行中に大きな荷重が作用するので、ラッシングレールが断熱パネルから剥がされたり、固着した部分の断熱パネルが変形や破壊を起こす虞れがある。
サンドイッチ構造の断熱パネルに物品を固着するとき、固着する個所の強度等を構造的に増加して破壊を防ぐ幾つかの固着方法が知られており、それらを図5に示す。図5においては、断熱パネルの外板をOP、内板をIP、断熱材をINで表している。
図5(a)の固着方法は、ねじを形成した鋼製の比較的厚い補強板RPを、断熱材INを切削して形成した凹所内に埋め込んで接着等で固定し、ボルトBTを用いてラッシングレールLR等の被固着物品を固着するものである。
図5(b)の固着方法は、円筒形の合成樹脂製の保持部材(アンカー)ANに金属製のボルトBTを一体に組み込み、断熱材INを切削して形成した凹所内に保持部材ANを挿入し、周囲を接着して固定するものである。ラッシングレールLR等の物品は、内板IPから突出するボルトBTのねじ部にナットにより固着される。
図5(a)(b)の固着方法では、補強板RPや保持部材ANを断熱材INの凹所内に埋め込んだ後、ボルトの通過する孔を設けた内板IPを積層し接着等で固定することとなる。内板IPの内側に補強用のバックアッププレートBPを重ねる場合もある。
図5(c)の固着方法は、サンドイッチ構造の断熱パネル全体を貫通する金属製の長ボルトを使用し、先端のねじ部を内板IPから突出させて、ナットによりラッシングレールLR等を固着するものである。外気に晒される長ボルトLBTの頭部は合成樹脂製のキャップで覆われており、外気の熱が、長ボルトLBTを通して冷却された荷室内に伝達されるのを防止する。
また、図5(d)には、特許第3940516号公報に開示された物品の取り付け構造を示す。この取り付け構造は、箱型荷台のリア側に置かれた観音開き式ドアの断熱パネルの外板に、開閉用のヒンジ金具HGを固着するものであり、合成樹脂製の円筒形のカラーPCを内板IPと断熱材INに形成した孔に挿入する。カラーPCには、内板IPに係合する鍔部LDと内部孔IHとが設けられるとともに、内部孔IHの外板OP側には、カラーPCと外板OPとを貫通するボルトBTが取り付けられており、ヒンジ金具HGは、ナットNTによりボルトBTに固着される。
図5(c)(d)の固着方法では、断熱パネルの厚さ方向の全体で荷重を支持するよう構成されているため、物品を固着する個所の強度等が格段と高まる。そして、図5(d)の取り付け構造では、断熱性能の向上を図るため、合成樹脂製の円筒形のカラーPCを使用し、かつ、内部孔IHの端部をキャップSLで塞いで、金属製のボルトBTと荷室内の冷気との接触を遮断している。
特許第4294804号公報 特許第3940516号公報
サンドイッチ構造の断熱パネルに固着具を用いてラッシングレールを固着するときは、ラッシングレールに働く大きな荷重に対抗できるよう、固着個所の強度等を十分に増大する必要がある。ラッシングレールに作用する荷重は、ラッシングレールの中間位置においては固着部の両側の部分で分散して支持できるが、ラッシングレールの端部(図4参照)では固着部の片側で支持せざるを得ない。そのため、ラッシングレール端部の断熱パネルには、端部に位置する固着具を介して中間位置よりも大きな荷重が作用し、ラッシングレール端部近傍の断熱パネルがより破壊され易い傾向にある。
さらに、固着具によりラッシングレールを断熱パネルに固着する際には、固着具自体を介して熱が伝達しないように配慮し、また、固着作業の容易化を図ることが必要である。前述したように、断熱パネルに物品を固着するには図5に示すような各種の方法があるものの、ラッシングレールの固着に適用した場合、これらの固着方法には次のような点に問題が存在する。
補強板や保持部材を断熱材の凹所内に埋め込む図5(a)(b)の固着方法では、断熱パネルの内板を断熱材に積層し固定する前の作業工程で、補強板等の嵌め込まれる凹所を正確な位置及び寸法に加工しなければならない。しかし、車両用の箱型荷台の断熱パネルは大物の部品であり、ラッシングレールは長尺の部品であるから、ラッシングレールの取り付け孔の位置に正確に一致させて、断熱材に予め補強板等を設置するのは非常に困難となる。固着個所の強度を、ラッシングレールに作用する荷重を支持可能な程度に高めるには補強板等の面積が大きくなり、狭い個所では採用できない。
断熱パネルを貫通する金属製の長ボルトを用いて固着する図5(c)の方法では、断熱パネルの全体で荷重を支持しており、ラッシングレールを固着する個所の強度等を高めることができるとともに、断熱パネルを完成した後に、ラッシングレールの取り付け孔等の位置に合わせ、長ボルトを通す貫通孔を正確に加工することができる。しかし、金属製の長ボルトが断熱パネルを貫通しているので、長ボルトを介して断熱パネルの内側と外側の間に熱伝達が生じる。長ボルトの頭部は合成樹脂製のキャップで覆われているものの、荷室内の冷気により冷やされて結露が生じ、外観を損ねたり頭部付近の金属が腐食したりする場合がある。
図5(d)の固着方法では、断熱性を向上するため、熱伝導率の小さい合成樹脂製のカラーを使用し、かつ、キャップにより金属製のボルトと荷室内の冷気との直接接触を遮断している。しかし、この固着方法では、複雑な形状のカラーを使用するのでコストが増大する。また、断熱パネルの別々の部材に、カラーが挿入される大径の孔とボルトが貫通する小径の穴とを同心状に形成する作業、これらに部品を設置しながら断熱パネルにラッシングレールを固着する作業は、容易なものではない。
本発明の課題は、断熱パネルの破壊及び変形を防止しながらラッシングレールの強固な固着を実現し、しかも、簡単な作業で正確な固着が可能な、断熱性に優れた固着構造を提供して、上述の問題点を解消することにある。
上記の課題に鑑み、本発明は、ラッシングレールの端部には箱型荷台のコーナー部に置かれた柱体(コーナーポスト)が存在することに着目し、金属より大幅に熱伝導率の小さい合成樹脂製の棒状本体部を有する固着具本体を、断熱パネルとともにコーナー部の柱体に貫通させ、棒状本体部の端部に一体的に固定した金属製のねじ棒に、締め付けナットを用いてラッシングレールの端部を固着するものである。すなわち、本発明は、
「断熱材が配置され、車両の箱型荷台の壁面を構成する断熱パネルに、貨物緊縛のためのラッシングレールを固着する固着構造であって、
前記断熱パネルの端部は、前記箱型荷台のコーナー部に置かれた柱体に取り付けられるとともに、前記ラッシングレールの端部は、前記柱体と重なる位置に置かれ、かつ、前記断熱パネルに前記ラッシングレールの端部を固着する固着具が設けられており、さらに、
前記固着具は、固着具本体と金属製の締め付けナットとを備え、
前記固着具本体が、均一横断面の合成樹脂製の棒状本体部と、前記棒状本体部の一端に一体的に固定された拡大頭部と、前記棒状本体部の他端に一体的に固定された金属製のねじ棒とを備えており、
前記固着具本体を、前記断熱パネル、前記ラッシングレール及び前記柱体を貫通するように設置し、前記締め付けナットを前記ねじ棒の先端部分にねじ結合して、前記ラッシングレールの端部を前記断熱パネルに固着する」
ことを特徴とする固着構造となっている。
請求項2に記載のように、前記断熱パネルは、発泡合成樹脂製の断熱材の両側に、金属製の薄板が積層されたサンドイッチ構造を有するものであることが好ましい。また、請求項3に記載のように、前記固着具本体は、前記棒状本体部が円形横断面の繊維強化合成樹脂製であることが好ましい。
請求項4に記載のように、前記拡大頭部には、回転防止用の工具挿入孔を形成することができる。また、請求項5に記載のように、前記拡大頭部と前記柱体との間には、シール部材を介在させることができる。そして、前記拡大頭部は、請求項6に記載のように、前記棒状本体部と同一の合成樹脂により一体的に成形されるものでもよく、請求項7に記載のように、金属製のものを前記棒状本体部の一端に接着又は鋳ぐるみにより一体的に固定してもよい。前記ねじ棒は金属製であって、請求項8に記載のように、前記棒状本体部の他端に接着又は鋳ぐるみにより一体的に固定するのが好ましい。
貨物緊縛用のラッシングレールには、車両走行中の加減速等に伴い貨物に働く慣性力に起因して大きな荷重が作用し、前述したように、ラッシングレールの端部を固着する断熱パネルは、特に変形や破壊を受けやすい。断熱パネルにラッシングレールの端部を固着する本発明の固着構造では、合成樹脂製の棒状本体部を有する固着具本体を、断熱パネル及びラッシングレールを貫通し、さらに、ラッシングレール端部の位置に存在する柱体(コーナーポスト)を貫通するように設置する。このコーナーポストは、箱型荷台の後部を支えながら観音開き式の後部ドア等を支持する強度及び剛性の大きい柱状部材であり、ラッシングレールの端部に作用する荷重は、断熱パネル全体で支持されるとともに強度等の大きいコーナーポストによっても支持される。したがって、断熱パネルの表面部分が強度の小さい薄板等であっても、その変形や破壊を確実に防止することができる。
本発明の固着具本体は、棒状本体部の一端に拡大頭部を一体的に固定し、他端には金属製のねじ棒を一体的に固定したもので、ねじ棒に締め付けナットによりラッシングレールを締結する。この固着方法は、いわば通常のボルト・ナットによる固着方法と同等な形態となるため、断熱パネルに予め補強板等を設置する等の作業は必要ない。箱型荷台の断熱パネルが大物物品であり、ラッシングレールが長尺の部品であっても、完成した断熱パネルにラッシングレール端部の位置に合わせて、固着具本体を通す貫通孔をドリル等により正確に加工し、固着を行うことができる。固着具本体には、金属よりも大幅に熱伝導率が小さい合成樹脂製の棒状本体部が介在されているので、固着具本体が断熱パネル及びコーナーポストを貫通していても、これを介して荷室の内側と外側との間に熱移動が生じることはない。
請求項2の発明は、発泡合成樹脂製の断熱材の両側に、金属製の薄板が積層されたサンドイッチ構造を有する断熱パネルに、本発明の固着構造を適用してラッシングレールの端部を固定するものであり、強度の小さい発泡合成樹脂又は薄板であっても、強固な固着が可能となる。請求項3の発明は、固着具本体の棒状本体部に、円形横断面の繊維強化合成樹脂製の棒、つまり、FRP製の丸棒を採用するものである。丸棒であると棒状本体部や断熱パネルの貫通孔の加工が容易であり、FRPは引張強度等が大きいので、棒状本体部を小径化し固着具をコンパクトとすることが可能である。
請求項4の発明は、拡大頭部に回転防止用の工具挿入孔を形成するものであり、これにより、締め付けナットを回転させてラッシングレールを締結するとき、固着具本体の共回りを防ぐことができる。また、請求項5の発明は、拡大頭部とコーナーポストとの間にシール部材を介在させるものであり、これにより、例えば、雨水が断熱パネルと固着具本体との間隙を通過して侵入するのを防止できる。シール部材は、ゴム製のワッシャのような平面状のものでも、Oリングのような円形断面形状のものでもよい。
請求項6の発明のように、拡大頭部を棒状本体部と同一の合成樹脂により一体的に成形したときは、固着具本体の製造加工が容易となる。請求項7の発明のように、金属製の拡大頭部を合成樹脂製の棒状本体部に接着又は鋳ぐるみにより一体的に固定したときは、それぞれの部分の機能に応じた材料で、固着具本体を成形することが可能となる。また、接着又は埋め込みにより結合しているので、ラッシングレールを固着する締め付けナットの締め付けトルクが結合部分に全体的に分散して作用し、強度や表面の硬さの点では鋼材等の金属に劣る合成樹脂であっても、結合部分に破損が生じない。この効果は、金属製のねじ棒を合成樹脂製の棒状本体部に接着又は鋳ぐるみにより結合する請求項8の発明でも同様である。
本発明の固着構造により、ラッシングレールの端部を断熱パネルに固着する実施例を示す図である。 図1のB−B断面拡大図である。 本発明の固着構造で用いられる固着具を示す図である。 ラッシングレールが固着された車両用の箱型荷台を示す斜視図である。 断熱パネルに被固着物品を固着する従来の各種固着手段を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の固着構造について説明する。図1、図2は、本発明の固着構造により、車両の箱型荷台の断熱パネルにラッシングレールの端部を固着する実施例を示すものであり、この例の断熱パネルは、図5のものと同様に、発泡合成樹脂製の断熱材INの両側に、アルミニウム製の薄板からなる外板OPと内板IPとが積層されたサンドイッチ構造を有している。
図1は、車両の箱型荷台の右側壁をなす断熱パネルの、ラッシングレールLRの端部が装着された後方端部付近を荷室内から見た図である。ラッシングレールLRは、図4のものと同様な、緊縛用ベルト等を掛け止め用の開口部OGが等間隔に多数形成された、断面ハット形の鋼材等の部品であり、取付図(A−A断面)に示すように、ブラインドリベットBR等の固定具によって断熱パネルの内板IPに取り付けられる。ラッシングレールLRを接着して取り付けてもよく、また、補強用のバックアッププレートを介在させて取り付けてもよい。
図1のB−B断面拡大図である図2に示されるとおり、断熱パネルの後方端部は、箱型荷台の後方のコーナーに設置された柱体であるコーナーポストCPに連結される。コーナーポストCPは、箱型荷台の後部を支えるとともに、観音開き式の後部ドア(図示せず)を支持する。そのため、コーナーポストCPは、比較的厚い鋼鈑を折り曲げて断面が角形形状をなすように成形した、強度及び剛性の大きい柱状部材であり、断熱パネルの後方端部の外板OPが密着して連結される外板部分CPOを備えている。断熱パネルの内板IPとコーナーポストCPとの連結部は、薄板のカバーで覆われている。
ラッシングレールLRの端部には、本発明の固着構造で使用される固着具1が設けられており、この部分を断熱パネルに固着している。図1、図2の実施例に示す固着具1は、その単品図である図3(a)に示されるとおり、固着具本体2と金属製の締め付けナット3とを備えるものである。固着具本体2は、両端にねじ孔が形成された均一横断面の合成樹脂からなる棒状本体部21を有する。棒状本体部21の一端のねじ孔には、棒状本体部21よりも拡大した頭部を有する金属製の拡大頭部22が、ねじ結合されるとともに接着剤で接着されて固定される。また、他端のねじ孔には、棒状本体部の他端より突出する金属製のねじ棒23が、やはりねじ結合されると同時に接着剤で接着され、植え込みボルトのように、植え込まれて固定される。つまり、固着具本体2は、合成樹脂製の棒状本体部21、その一端に一体的に固定された金属製の拡大頭部22及び他端に一体的に固定された金属製のねじ棒23により構成される。
この実施例では、棒状本体部21は、横断面形状が円形の丸棒であり、その材料に、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維強化材と、ポリエステル樹脂やエポキシ樹脂等の合成樹脂との複合材である繊維強化プラスチック(FRP)が用いられる。拡大頭部22、ねじ棒23及び締め付けナット3の材料としては、通常のボルト・ナットと同様な鋼材が使用される。繊維強化プラスチックの採用により、棒状本体部21が小径であっても十分な引張強度を確保でき、また、拡大頭部22とねじ棒23とが鋼材であってもその間の熱伝達が遮断される。
ラッシングレールLRの端部を固着するには、図2に示すとおり、固着具本体2を、断熱パネルの断熱材IN、内板IP及び外板OPを貫通させ、さらに、コーナーポストCPの外板部分CPOを貫通させて設置し、締め付けナット3によって、ねじ棒23の先端部にラッシングレールLRを締め付ける。このように、固着具本体2は、断熱パネルとコーナーポストの外板部分CPOとを貫通してラッシングレールLRの端部を固定しており、ラッシングレールLRに作用する荷重Fが、断熱パネル全体とコーナーポストCPにより支持される。したがって、この部分に作用する荷重Fが大きなものであったとしても、十分強固な支持が可能であり、断熱パネルの変形や破壊が起こることはない。
本発明の固着具では、棒状となった固着具本体2の先端のねじ棒23に、締め付けナット3によりラッシングレールLR端部を固定しており、固着方法がいわば通常のボルト・ナットによる固着方法と同等な形態となるため、固着作業が非常に容易である。そして、図2(及び図3(a))の実施例の固着具本体2は、棒状本体部21の長さを調整することにより、厚さの異なる断熱パネルに対応する固着具を得ることが可能で、その場合、拡大頭部22とねじ棒23には共通の部品を使用できる。合成樹脂製棒状本体部21と金属製のねじ棒23とは、ねじ結合されるとともに接着剤で接着されて固定されるので、締め付けナット3の締め付けトルクがねじ孔部分全体に分散して作用し、ねじ孔部分が合成樹脂であっても、ねじ孔の破損が生じることはない。
また、この実施例では、拡大頭部22の頭部とコーナーポストの外板部分CPOとの間には、シール部材であるゴム製の平坦なワッシャ4が配置してあり、雨水等が断熱パネルと固着具本体2との間隙を通過して侵入するのを防止している。ワッシャ4の代わりに、図5(d)に示されるような合成樹脂製キャップで頭部付きボルト22の頭部を覆い、シールを行うこともできる。
図3(b)、(c)には、本発明の固着構造において使用される固着具本体2の別実施例を示す。
図3(b)の実施例では、拡大頭部22が棒状本体部21と同一の合成樹脂により一体的に成形される。これにより、拡大頭部22を棒状本体部21と同時に成形加工することが可能となる。そして、金属製のねじ棒23の部分は、6角形の頭部を有する通常のボルトを、鋳ぐるみ(インサート成形)により合成樹脂製の棒状本体部21に固定し一体化したものである。ボルトの頭部は、ねじ棒23の抜け止め及び回り止めとして機能する。
図3(c)の実施例は、図3(b)の実施例と同じく、金属製のねじ棒23の部分は通常のボルトを鋳ぐるみにより固定して製作し、さらに、拡大頭部22も金属製の部材を鋳ぐるみにより固定したものとなっている。拡大頭部22の、棒状本体部21に埋め込まれる部分の先端には、抜け止め及び回り止め用の6角形の頭部が形成してある。6角形の頭部の代わりに、軸の表面にローレット加工等を施して凹凸を形成してもよい。また、拡大頭部22の材質としては、例えば、外観性の良好なステンレス鋼を用いることができる。
図3(b)、(c)の固着具本体2には、外方となる先端部分に6角形の孔(b)又は十字形の孔(c)が設けられている。これらの孔は回転防止用の工具挿入孔であって、締め付けナット3を回転させてラッシングレールLR端部を固着するときに、この孔にドライバー等の工具を挿入し、固着具本体2の共回りを阻止する。
以上詳述したように、本発明は、貨物緊縛用のラッシングレールの端部を断熱パネルに固着する固着構造であって、断熱性に優れた合成樹脂製の棒状本体部を有する固着具本体を、断熱パネルに貫通させるとともにコーナー部の柱体にも貫通させ、断熱パネルの破壊を防止しながら、簡単な作業でラッシングレールを固着するものである。上記の実施例では、固着具本体の棒状本体部を丸棒としたものについて述べているが、断面形状を多角形としてもよい。また、棒状本体部にねじ孔を加工する代わりに丸孔を加工し、ねじ棒等の結合部に十分強力な接着を施して固定するなど、実施例に対して各種の変形が可能であることは明らかである。
1 固着具
2 固着具本体
21 棒状本体部(合成樹脂製)
22 拡大頭部
23 ねじ棒(金属製)
3 締め付けナット
4 ゴム製ワッシャ(シール部材)
IN 断熱材
IP 内板
OP 外板
CP コーナーポスト(柱体)

Claims (8)

  1. 断熱材が配置され、車両の箱型荷台の壁面を構成する断熱パネルに、貨物緊縛のためのラッシングレールを固着する固着構造であって、
    前記断熱パネルの端部は、前記箱型荷台のコーナー部に置かれた柱体に取り付けられるとともに、前記ラッシングレールの端部は、前記柱体と重なる位置に置かれ、かつ、前記断熱パネルに前記ラッシングレールの端部を固着する固着具が設けられており、さらに、
    前記固着具は、固着具本体と金属製の締め付けナットとを備え、
    前記固着具本体が、均一横断面の合成樹脂製の棒状本体部と、前記棒状本体部の一端に一体的に固定された拡大頭部と、前記棒状本体部の他端に一体的に固定された金属製のねじ棒とを備えており、
    前記固着具本体を、前記断熱パネル、前記ラッシングレール及び前記柱体を貫通するように設置し、前記締め付けナットを前記ねじ棒の先端部分にねじ結合して、前記ラッシングレールの端部を前記断熱パネルに固着することを特徴とする固着構造。
  2. 前記断熱パネルは、発泡合成樹脂製の断熱材の両側に、金属製の薄板が積層されたサンドイッチ構造を有する請求項1に記載の固着構造。
  3. 前記固着具本体は、円形横断面の繊維強化合成樹脂製の前記棒状本体部を備える請求項1又は請求項2に記載の固着構造。
  4. 前記拡大頭部には、回転防止用の工具挿入孔が形成されている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の固着構造。
  5. 前記拡大頭部と前記柱体との間には、シール部材が介在される請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の固着具。
  6. 前記拡大頭部が、前記棒状本体部と同一の合成樹脂により一体的に成形される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の固着構造。
  7. 前記拡大頭部が金属製であり、前記棒状本体部の一端に接着又は鋳ぐるみにより一体的に固定される請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の固着構造。
  8. 前記ねじ棒が、前記棒状本体部の他端に接着又は鋳ぐるみにより一体的に固定される請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の固着構造。
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