JP5280314B2 - スケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムにかかり、特に、工程ごとにスケジューリング手段が設けられており、各スケジューリング手段の間で情報交換することにより生産スケジュールを作成する技術に関する。
従来、複数の工程からなる生産ラインにおいて、少なくとも1の工程での製造条件が互いに相異なる複数種類の製品を生産する場合に、各工程における製品の処理順序並びに処理の開始予定時間及び終了予定時間からなる工程別生産スケジュールは、生産ライン全体をモデル化して1つの計画問題として捉え、1つのスケジューラ(生産スケジュールを生成するコンピュータ等からなる装置)で一括して処理(すなわち、生成または決定)されていた。
例えば、工程ごとに製品の処理順序の順に製品の識別情報(例えば、製品番号)が格納されたマトリックス(行列)として生産ライン全体の生産スケジュールを表現し、マトリックス中の製品番号を入れ替える操作を「組合せ最適化法」を用いて行う方法がある。しかし、このような方法を用いる場合には、処理する製品の個数や生産ライン内の工程数が増加すると、処理に要する計算量が飛躍的に増大し、実用性が損なわれる原因となっていた。
そこで、近年、各工程の生産スケジュールをそれぞれ1つのスケジューラが生成し、各スケジューラ間で情報を交換することによって生産ライン全体の生産スケジュールを調整する「分散型スケジューリング」が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この方法は、以下の特徴を有する。
(1)各工程の生産スケジュールをそれぞれ1つのスケジューラが生成する。
(2)各スケジューラは、自工程の生産スケジュールとして、各製品の処理順序、並びに処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を求める。
(3)各スケジューラは、互いに直前、直後の工程のスケジューラとの間で情報を交換し、各製品の「直前工程の終了予定時刻」と、「直後工程の開始予定時刻」とを取得する。
(4)各スケジューラは、SA(SimulatedAnnealing)法を用いて、以下の評価項目の重み付き加算である評価関数を最適化するように製品の処理順序を入れ替える。
a)異なる種類の製品を続けて処理する場合に発生する段取り作業(例えば、鉄鋼製造ラインにおける圧延工程でのロール交換作業等)の回数:最小とすることで、生産効率が向上する。
b)各製品の終了予定時刻の工程納期(出荷納期と工程間との平均的なリードタイムとから計算した仮想的な納期であり、各工程で出荷納期を考慮した生産スケジュールを生成する目的で導入されている)からの遅れ:最小とすることで、納期管理の点で良好な生産スケジュールとなる。
c)各製品の開始予定時刻の直前工程での終了予定時刻に対する早まり:0以下とする。
d)各製品の終了予定時刻の直後工程での開始予定時刻からの遅れ:0以下とする。
なお、本来は、直前工程での処理の終了予定時刻に対する早まりが有ると工程間の生産スケジュールに不整合があることになる(すなわち、実行不可能な生産スケジュールとなる)。また、直後工程での開始予定時刻からの遅れが有ると工程間の生産スケジュールに不整合があることになる。しかし、ここでは、「生産スケジュールを更新する過程で制約を満たす(すなわち、実行可能な)生産スケジュールを得る」方法を採用している。そのため、これらc)、d)を生産スケジュールの制約条件とはせずに、評価項目として評価関数に含めている。
(5)(3)及び(4)を繰り返すことにより、評価関数が最適化される。つまり、段取り作業の回数が少なく(生産効率が良好で)、工程納期からの遅れが少なく(納期が確保され)、実行可能な生産スケジュールが得られる。
上述の分散型スケジューリングを用いる場合には、工程ごとのスケジューラの処理を並列して実行させることが可能となるため、処理の高速化を図ることができる。また、各スケジューラは互いに独立であるため、各工程に固有の条件を付加することが可能であり、その変更も容易である。さらに、生産ライン内の工程が削除された場合や工程の追加が発生した場合にも、対応するスケジューラを削除または追加することができるため、生産ラインの変更に柔軟に対応できる。
しかしながら、上記従来の分散型スケジューリング方法では、各スケジューラは、直前の工程の終了予定時刻、及び直後の工程の開始予定時刻だけを取得し、それに基づいて生産スケジュールを調整するので、工程数が多い場合、生産ライン全体のスケジュールの改善効率が悪い。したがって、多大な計算時間を要する場合がある。
特開平11−53006号公報
本発明が解決しようとする課題は、適切な生産スケジュールを効率的に作成するスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムを提供することである。
本発明にかかるスケジューリングシステムは、N個(N:2以上の自然数)の工程ごとに設けられた複数のスケジューリング手段と、複数の前記スケジューリング手段の間で情報を交換する通信手段とを有しており、N個の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリングシステムである。i番目(i:N以下の自然数)の工程である工程iにおける生産スケジュールを作成する前記スケジューリング手段が、工程iにおける複数の製品の処理順序を記憶する処理順記憶部と、工程i−1における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する直前工程終了時刻記憶部と、工程iより後の工程Nまでの各工程における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する後工程開始可能時刻記憶部と、前記処理順記憶部及び前記直前工程終了時刻記憶部の記憶内容に基づいて、工程iにおける各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する予定時刻算出部と、前記後工程開始可能時刻記憶部の記憶内容に基づいて、工程iにおいて各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を、工程iより後の工程Nまでの各工程に対して算出する後工程基準納期算出部と、前記予定時刻算出部の算出結果による生産スケジュールを評価する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶部と、前記重みパラメータ記憶部に記憶される重みパラメータを設定するパラメータ設定部と、少なくとも生産効率を評価する評価指標及び前記後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含み且つ前記重みパラメータ記憶部に記憶された重みパラメータが適用された評価関数であって、重みパラメータの値が大きいほど評価値が大きくなる評価関数により、前記予定時刻算出部の算出結果による生産スケジュールの評価値を算出する評価値算出部と、前記評価値算出部で算出される評価値に基づいて、この評価値が最小となるように最適化されるように前記処理順記憶部の記憶内容を変更する処理順変更部と、各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいてその製品の開始可能時刻を出力する開始可能時刻出力部と、各製品について工程iでの終了予定時刻を出力する終了時刻出力部とを備えている。前記パラメータ設定部は、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定すると共に、工程iにおける工程iより後の工程Nまでの各工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータを個別に設定し、工程iより後の工程Nまでの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータほど大きく設定する。そして、前記開始可能時刻出力部によって出力された開始可能時刻を、工程iより前の工程1までの各工程での前記後工程開始可能時刻とすると共に、前記終了時刻出力部によって出力された終了予定時刻を、工程i+1での前記直前工程終了時刻とし各スケジューリング手段で並列的に処理を行い、各工程における生産スケジュールが所定条件を満たすまで生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とする。
また、本発明にかかるスケジューリング方法は、N個(N:2以上の自然数)の工程ごとに設けられた複数のスケジューリング手段と、複数の前記スケジューリング手段の間で情報を交換する通信手段とを有するスケジューリングシステムにおいて、N個の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリング方法である。i番目(i:N以下の自然数)の工程である工程iにおける生産スケジュールを作成する前記スケジューリング手段において実行される処理が、工程iにおける複数の製品の処理順序を記憶する処理順記憶ステップと、工程i−1における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する直前工程終了時刻記憶ステップと、工程iより後の工程Nまでの各工程における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する後工程開始可能時刻記憶ステップと、前記処理順記憶ステップ及び前記直前工程終了時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおける各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する予定時刻算出ステップと、前記後工程開始可能時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおいて各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を、工程iより後の工程Nまでの各工程に対して算出する後工程基準納期算出ステップと、前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールを評価する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶ステップと、前記重みパラメータ記憶ステップで記憶される重みパラメータを設定するパラメータ設定ステップと、少なくとも生産効率を評価する評価指標及び前記後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含み且つ前記重みパラメータ記憶ステップで記憶された重みパラメータが適用された評価関数であって、重みパラメータの値が大きいほど評価値が大きくなる評価関数により、前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールの評価値を算出する評価値算出ステップと、前記評価値算出ステップで算出される評価値に基づいて、この評価値が最小となるように最適化されるように前記処理順記憶ステップの記憶内容を変更する処理順変更ステップと、各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいてその製品の開始可能時刻を出力する開始可能時刻出力ステップと、各製品について工程iでの終了予定時刻を出力する終了時刻出力ステップとを備えている。前記パラメータ設定ステップでは、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定すると共に、工程iにおける工程iより後の工程Nまでの各工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータを個別に設定し、工程iより後の工程Nまでの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータほど大きく設定する。そして、前記開始可能時刻出力ステップで出力された開始可能時刻を、工程iより前の工程1までの各工程での前記後工程開始可能時刻とすると共に、前記終了時刻出力ステップで出力された終了予定時刻を、工程i+1での前記直前工程終了時刻とし、各スケジューリング手段で並列的に処理を行い、各工程における生産スケジュールが所定条件を満たすまで生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とする。
さらに、本発明にかかるスケジューリングプログラムは、N個(N:2以上の自然数)の工程ごとに設けられた複数のスケジューリング手段と、複数の前記スケジューリング手段の間で情報を交換する通信手段とを有するスケジューリングシステムにおいて、N個の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリングプログラムある。i番目(i:N以下の自然数)の工程である工程iにおける生産スケジュールを作成する前記スケジューリング手段に、工程iにおける複数の製品の処理順序を記憶する処理順記憶ステップと、工程i−1における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する直前工程終了時刻記憶ステップと、工程iより後の工程Nまでの各工程における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する後工程開始可能時刻記憶ステップと、前記処理順記憶ステップ及び前記直前工程終了時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおける各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する予定時刻算出ステップと、前記後工程開始可能時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおいて各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を、工程iより後の工程Nまでの各工程に対して算出する後工程基準納期算出ステップと、前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールを評価する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶ステップと、前記重みパラメータ記憶ステップで記憶される重みパラメータを設定するパラメータ設定ステップと、少なくとも生産効率を評価する評価指標及び前記後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含み且つ前記重みパラメータ記憶ステップで記憶された重みパラメータが適用された評価関数であって、重みパラメータの値が大きいほど評価値が大きくなる評価関数により、前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールの評価値を算出する評価値算出ステップと、前記評価値算出ステップで算出される評価値に基づいて、この評価値が最小となるように最適化されるように前記処理順記憶ステップでの記憶内容を変更する処理順変更ステップと、各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいてその製品の開始可能時刻を出力する開始可能時刻出力ステップと、各製品について工程iでの終了予定時刻を出力する終了時刻出力ステップとを実行させる。前記パラメータ設定ステップでは、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定すると共に、工程iにおける工程iより後の工程Nまでの各工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータを個別に設定し、工程iより後の工程Nまでの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータほど大きく設定する。そして、前記開始可能時刻出力ステップで出力された開始可能時刻を、工程iより前の工程1までの各工程での前記後工程開始可能時刻とすると共に、前記終了時刻出力ステップで出力された終了予定時刻を、工程i+1での前記直前工程終了時刻とし、各スケジューリング手段で並列的に処理を行い、各工程における生産スケジュールが所定条件を満たすまで生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とする。
これらの構成によると、直前の工程における製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻、及び自工程よりも後の全ての工程における製品の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を取得し、それらに基づいて生産スケジュールを変更するので、効率的に全体の生産スケジュールを決定することができる。また、評価値の算出に用いられる評価関数が、自工程の生産性を評価する評価指標に加えて、自工程での各製品の終了予定時刻の後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含んでいるので、評価関数を最適化することで、後工程に対する遅れを修正しつつ、生産性を改善することが可能である。
また、工程ごとに設けられたスケジュール手段が有する重みパラメータ記憶部に記憶される生産性に関する重みパラメータを個別に設定することができる。よって、生産性に関する重みパラメータの大きさを調整することで、工程により生産性の重視の度合いを調整することができる。例えば、負荷の高いネック工程や、負荷は高くないが段取り替えに高い費用を要する工程では重みパラメータを大きく、一方、生産能力に余裕があり段取り替えの費用が少ない工程では、重みパラメータを小さく設定することで、生産性や段取りコストを重視する工程に同期するように他の工程の生産スケジュールが調整され、全体として、生産性を向上させ且つ段取り替えコストを低下させる生産スケジュールの作成が可能となる。
さらに、工程iにおける工程iより後のどの工程に全体のスケジュールを合わせるかを調整することができる。
加えて、負荷の高いネック工程よりも前の工程では、ネック工程に間に合うように生産スケジュールが調整され、ネック工程では自工程の都合優先で生産スケジュールが調整される。その結果、ネック工程では生産性を重視した生産スケジュールとなり、他の工程ではネック工程での処理に間に合う範囲内で、生産性が向上した生産スケジュールが作成される。すなわち、ネック工程の生産スケジュールに同期するように全体のスケジュールが調整され、全体として生産性の高い生産スケジュールとすることができる。
さらに、本発明にかかるスケジューリングシステムでは、各工程における複数の製品の処理時間の総和に基づいて、工程間の相対的な負荷の大小を判断する負荷山積み部をさらに備えており、前記パラメータ設定部が、前記負荷山積み部での判断結果に基づいて、前記重みパラメータ記憶部に記憶される重みパラメータを設定してもよい。
この構成によると、例えば、生産ラインで生産される製品の種類が変更され、ネック工程となる工程が変わった場合でも、システムに変更を加える必要がない。
また、本発明にかかるスケジューリングシステムでは、前記処理順記憶部の記憶内容及び予定時刻算出部での算出結果が、前記処理順変更部による前記処理順記憶部の記憶内容の変更前後で変化しなくなるまで、生産スケジュールの変更を繰り返してもよい。
さらに、本発明にかかるスケジューリングシステムでは、生産スケジュールの変更が所定回数行われるまで、生産スケジュールの変更を繰り返してもよい。
加えて、本発明にかかるスケジューリングシステムでは、前記通信手段を介して各スケジューリング手段の実行状況を監視し、各スケジューリング手段に処理の実行を指示する全体制御部をさらに備えており、各スケジューリング手段は、前記通信手段を介して互いに情報を交換しつつ、前記全体制御部の指示に従って生産スケジュールの作成を行ってもよい。
また、本発明にかかるスケジューリングシステムでは、前記通信手段を介して各スケジューリング手段と接続されており、各スケジューリング手段から出力された情報及び各スケジューリング手段の実行状況を記憶する共有記憶部をさらに備えており、各スケジューリング手段間での情報の交換は前記共有記憶部を介して行われてもよい。
本発明のスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムは、直前の工程における製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻、及び自工程よりも後の全ての工程における製品の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を取得し、それらに基づいて生産スケジュールを変更するので、効率的に全体の生産スケジュールを決定することができる。また、評価値の算出に用いられる評価関数が、自工程の生産性を評価する評価指標に加えて、自工程での各製品の終了予定時刻の後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含んでいるので、評価関数を最適化することで、後工程に対する遅れを修正しつつ、生産性を改善することが可能である。
本発明を適用する生産スケジューリング対象の概要を示す図である。 本発明にかかるスケジューリングシステムの構成図の一例である。 図2に示すスケジューラの機能構成図の一例である。 図3に示す負荷山積み部で行われる負荷の大小判断を説明する図である。 図3に示す後工程基準納期算出部で行われる後工程基準納期の算出を説明する図である。 図2に示す制御装置で行われる処理の概要を表すフローチャートの一例である。 図2に示すスケジューラで行われる処理の概要を表すフローチャートの一例である。 図7に示すのフローチャートのステップS14において作成される初期生産スケジュールを表す図表の一例である。 図8に示すスケジュールの工程1における製品6に関する情報交換処理について説明する図である。 図8に示すスケジュールの工程2における製品4に関する情報交換処理について説明する図である。 図8に示すスケジュールが1回変更された際に得られる生産スケジュールを表す図表の一例である。 図8に示すスケジュールに対してスケジュール変更処理が施され最終的に得られた生産スケジュールを表す図表の一例である。 本実施形態のスケジューリングシステムの一変形例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態にかかるスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムについて説明する。
まず、図1に基づいて、本実施形態にかかるスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムを適用する生産スケジューリングの対象について説明する。なお、以下に説明するものは、説明するために例示したものにすぎず、本発明にかかるスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムの適用限界を示すものではない。
本実施形態のスケジューリングシステム及びスケジューリング方法、並びにスケジューリングプログラムは、図1に示すように、4つの工程(工程1〜工程4)からなる生産ラインにおける生産スケジュールを作成するものである。より詳細には、かかる生産ラインにおいては、工程1、工程2、工程3、工程4の順で処理が行われ、4つの工程の内少なくとも1の工程での製造条件の互いに相異なる6種類の製品が製造される。また、以下に示す表1に示すように、製品別に工程ごとの処理時間が事前に与えられている。
Figure 0005280314
また、かかる生産ラインにおいては、以下に示す表2に示すように、工程ごとに製品の処理順序に依存して段取り替えが発生する。すなわち、例えば表2の(a)に示すように、工程1において、製品1を処理した後に製品2の処理を行う場合には段取り替えは必要ないが、製品1を処理した後に製品4の処理を行う場合には段取り替えが必要となる。なお、段取り替えに要する時間は一律10分とする。さらに、各工程の間での製品の搬送時間等、前工程終了から次工程開始までに必要な時間(工程間リードタイム)は、一律10分とする。
Figure 0005280314
また、かかる生産ラインで生産される6種類の製品の出荷納期は事前に与えられている。したがって、出荷納期までに製品を完成させるために各工程で処理を完了させておくべき最遅時刻である工程納期も事前に定まる。すなわち、例えば、工程2での製品4の工程納期は、工程2の後の工程4までの最短リードタイム、すなわち、各工程3、4での製品4の処理時間(各60分、30分:表1参照)と工程間リードタイム(各10分)との合計タイム(110分)、を出荷納期から遡った時刻となる。
本実施形態では、上述のような生産ラインの各工程における製品の処理順序、並びに各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻で定まる生産ケジュールを決定する。
次に、図2を参照しつつ、本発明にかかるスケジューリングシステムの構成について説明する。図2に示すように、スケジューリングシステム1は、4つの工程ごとに6つの製品の処理順序を決定する4つのスケジューラ4a〜4dと、スケジューリングシステム1全体の処理の制御を司る制御装置2とを備えている。また、各スケジューラ4a〜4d間、及び各スケジューラ4a〜4dと制御装置2と間は、LAN3で通信可能に接続されている。
スケジューラ4a〜4dは、LAN3を介して自工程の直前及び自工程よりも後の全ての工程のスケジューラ4a〜4dから取得した情報を用いて自工程の生産スケジュールを生成し、生成した生産スケジュールを後述する評価関数E1〜E4を用いて評価し、評価結果に基づいて生産スケジュールを変更するものである。制御装置2は、LAN3を介して各スケジューラ4a〜4dの実行状況の監視及び各スケジューラ4a〜4dに対する処理の実行指示を行う。
続いて、スケジューラ4a〜4dの構成について説明する。スケジューラ4a〜4dは、いずれも同様の構成を有しているので、ここでは、図3を参照しつつ、工程i(i=1、2、3、4)での生産スケジュールを作成するスケジューラ4iの構成について説明する。スケジューラ4iは、主に記憶部10及び演算部20から構成されて、計算機上に実装される。ここで、図3に示されているスケジューラ4iの記憶部10及び演算部20は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等の計算機によって構成されている。かかる計算機には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、CD−ROMの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、プログラム(このプログラムは、リムーバブル型記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種のソフトウェアが記録されている。そして、これらのハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、上述の記憶部10及び演算部20が構築されている。
記憶部10は、処理時間記憶部11、工程納期記憶部12、処理順記憶部13、直前工程終了時刻記憶部14、後工程開始可能時刻記憶部15、後工程基準納期記憶部16、スケジュール記憶部17、及び重みパラメータ記憶部18から構成される。
処理時間記憶部11は、上述の表1に示すような製品別の工程ごとの処理時間を記憶する。工程納期記憶部12は、自工程(工程i)での各製品の工程納期を記憶する。なお、処理時間記憶部11及び工程納期記憶部12の記憶内容は、キーボード等の入力装置から入力されたり、リムーバブル型記憶媒体に記録されて与えられたり、有線又は無線の電気通信手段によってインターネットなどの通信ネットワークを介して与えられたりする。
処理順記憶部13は、自工程(工程i)における6個の製品の処理順序を記憶するものであり、処理順候補記憶部13a及び暫定処理順記憶部13bから構成される。処理順候補記憶部13aは、後で詳述する処理順生成部22によって生成された処理順を処理順候補として記憶する。暫定処理順記憶部13bは、繰り返し計算の途中において一時的に定められる暫定処理順を記憶する。暫定処理順記憶部13bは、初期状態では処理順候補記憶部13aに記憶されているものと同じ処理順を記憶する。その後、処理順候補記憶部13aの処理順が処理順生成部22によって新たに生成された処理順に変更された際に、後で詳述する処理順変更部23が変更する必要があると判断した場合に、暫定処理順記憶部13bに記憶されている処理順が、処理順候補記憶部13aに記憶されている処理順に書き換えられる。
直前工程終了時刻記憶部14は、直前の工程(工程i−1)における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を記憶する。直前工程終了時刻記憶部14の記憶内容は、直前の工程のスケジューラ(スケジューラ4(i−1)からLAN3を介して与えられる。
後工程開始可能時刻記憶部15は、自工程よりも後の工程4までの各工程(後工程)における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を記憶する。ここで、開始可能時刻とは、上工程から十分早く製品が到着したと仮定して、最も早く処理を開始することができる時刻である。すなわち、開始可能時刻は、
i)その工程で直前に処理される製品があり且つ直前に処理される製品からの段取り替えが必要な場合:直前に処理される製品の終了予定時刻+段取り替え時間
ii)その工程で直前に処理される製品があり且つ直前に処理される製品からの段取り替えが必要ない場合:直前に処理される製品の終了予定時刻
iii)その工程で直前に処理される製品がない、すなわちその工程において最初に処理される製品である場合:その工程までの最短のリードタイム(各工程での処理時間と各工程間リードタイムとの合計タイム)
となる。
後工程開始可能時刻記憶部15の記憶内容は、後工程の各スケジューラからLAN3を介して与えられる。後工程基準納期記憶部16は、後で詳述する後工程基準納期算出部25によって算出された、自工程において各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を記憶する。
スケジュール記憶部17は、後で詳述する予定時刻算出部24によって算出された、処理順候補記憶部13aに記憶されている処理順での各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を記憶する。
重みパラメータ記憶部18は、後で詳述するように、評価値算出部26がスケジュール記憶部17に記憶されている生産スケジュールの評価値を算出する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する。
一方、演算部20は、負荷山積み部21、処理順生成部22、処理順変更部23、予定時刻算出部24、後工程基準納期算出部25、評価値算出部26、パラメータ設定部27、開始可能時刻出力部28、及び終了時刻出力部29から構成される。
負荷山積み部21は、処理時間記憶部11の記憶内容に基づいて、図4に示すように、各工程における複数の製品の処理時間の総和を算出し、工程間の相対的な負荷の大小を判断する。図4に示すように、本実施形態では、工程3での処理時間の総和が最も長い。すなわち、工程3は負荷が最も高いネック工程であることがわかる。
処理順生成部22は、制御装置2からの処理実行指示を受け付けた際に、自工程における複数の製品の処理順序をランダムに生成する。
処理順変更部23は、詳述する評価値算出部26において算出される評価関数の値を最小化するように、暫定処理順記憶部13bに記憶されている処理順を処理順候補記憶部13aに記憶されている処理順に変更する。すなわち、処理順変更部23は、処理順候補での生産スケジュールの評価関数の値と、暫定処理順での生産スケジュールの評価関数の値とを比較し、処理順候補を受け入れるかどうかを判断する。そして、処理順候補を受け入れると判断した場合には、暫定処理順記憶部13bに記憶されている暫定処理順を処理順候補に書き換える。
なお、評価関数の値を最適化する手法としては、SA(Simulated Annealing)法、GA(Genetic Algolithm)、局所探索法等の最適化法を用いることができる。ここでは、SA法を用いるものとする。すなわち、処理順変更部23は、処理順候補での生産スケジュールの評価関数の値と、暫定処理順での生産スケジュールの評価関数の値とを比較し、処理順候補での評価値が暫定処理順での評価値に対して改善されている場合は、処理順候補を必ず受け入れる。一方、処理順候補での評価値が改善されていない場合であっても、所定の確率でこれを受け入れる。かかる確率は、繰り返し計算の初期では比較的高く、繰り返しが進むにつれて次第に低くなるように制御される。これにより、局所解(繰り返し計算を行っても評価値が改善されない状態)に陥るのを抑制することができる。
予定時刻算出部24は、処理順候補記憶部13a及び直前工程終了時刻記憶部14の記憶内容に基づいて、自工程における各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する。具体的には、製品ごとに、直前工程終了時刻に工程間リードタイム(10分)を加えたものと、自工程で直前に処理される製品の終了予定時刻に段取り替えの時間を加えたものとを比較し、大きい方をその製品の開始予定時刻とする。なお、工程1では、直前工程終了時刻に代えて、事前に与えられる原材料が到着する時刻や部品が揃う時刻などを用いる。また、各工程で最初に処理される製品については、直前に処理される製品の終了予定時刻は「0」とする。予定時刻算出部24での算出結果により定まった生産スケジュールは、スケジュール記憶部17に記憶される。
後工程基準納期算出部25は、後工程開始可能時刻記憶部15に記憶されている後工程開始可能時刻に基づいて、自工程において各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を算出する。ここで、図5を参照しつつ、後工程基準納期の具体的な算出方法について説明する。図5において、横軸は時間Tであり、縦方向に工程i及び工程i+の生産スケジュールの一部を並べて示している。各製品の処理時間は、白抜きの四角で表し、白抜きの四角内の数字は製品番号を表している。時刻TFは工程iにおける製品jの終了予定時刻である。また、時刻TSi+pは、工程i+pにおける製品jの開始可能時刻である。工程iでの製品jの工程i+pに対する後工程基準納期T1は、時刻TSi+pから、工程iの後の工程i+pまでの各工程での最短リードタイムLj(i,i+p)、すなわち、各工程での製品jの処理時間と各工程間リードタイムとの合計タイム、を遡った時刻となる。なお、図5に示す例では、工程iでの製品jの終了予定時刻TFは、工程i+pに対する後工程基準納期T1からBj(i,i+p)だけ遅れている。工程iにおける製品jの後工程基準納期は、工程iより後の工程4までの各工程の数だけ存在する。
評価値算出部26は、重みパラメータ記憶部18に記憶された重みパラメータが適用された評価関数により、スケジュール記憶部17に記憶されている生産スケジュールの評価値を算出する。具体的には、評価値算出部26は、以下の(1)式で定義される評価関数Eiの値を算出する。
Figure 0005280314
評価関数Eiは、工程i(i=1〜4)に対応するものである。(1)式の重みパラメータαi、βi、γi、FPは、重みパラメータ記憶部18に記憶されている。ここで、αiは、工程iでの後工程との整合性に関する重みパラメータであり、βiは、工程iでの工程納期に関する重みパラメータであり、γiは、工程iでの生産性に関する重みパラメータであり、FPは、工程pに対する後工程基準納期からの遅れに関する重みパラメータである。なお、上述の工程納期からの遅れ、及び後工程基準納期からの遅れは、遅れが生じた場合のみ評価する。すなわち、遅れ時間が「0」未満である場合には、「0」として取り扱う。
上述のように、処理順変更部23は、(1)式の評価関数Eiの値が最小化するように、暫定処理順記憶部13bに記憶されている処理順を変更する。すなわち、暫定処理順が、段取り替えの回数が最小となり、工程納期からの遅れが最小となり、且つ各後工程に対する後工程基準納期からの遅れが最小となる処理順となるように、変更する。
パラメータ設定部27は、負荷山積み部21で行われる各工程間での負荷の大小関係の判断結果に基づいて、重みパラメータ記憶部18に記憶される重みパラメータを設定する。具体的には、上述のように重みパラメータ記憶部18に記憶される重みパラメータαi、βi、γi、FPのうち、工程iにおける製品jの終了予定時刻の工程pに対する後工程基準納期からの遅れを評価するための評価指標の重みパラメータであるFPを、工程iより後の工程4までの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程ほど大きく設定する。また、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータであるγiを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定する。
開始可能時刻出力部28は、スケジュール記憶部17の記憶内容、具体的には、各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいて、自工程における各製品の開始可能時刻を出力する。なお、開始可能時刻出力部28が出力する開始可能時刻は、自工程よりも前の工程1までの各工程での後工程開始可能時刻となる。
終了時刻出力部29は、スケジュール記憶部17の記憶内容に基づいて、自工程での各製品の終了予定時刻を出力する。なお、終了時刻出力部29が出力する終了予定時刻は、自工程の直後の工程(工程i+1)での直前工程終了時刻となる。
次に、制御装置2について説明する。各スケジューラ4a〜4dはそれぞれ独立に、且つ、並行して処理を行うので、制御装置2は、各スケジューラ4a〜4dの処理の実行タイミングの調整を行うと共に、スケジューラ4a〜4dの評価関数Ei(i=1〜4)の値を用いて終了判定を行う。具体的には、制御装置2は、各スケジューラ4a〜4dに対して、初期生産スケジュールの作成を指示する指示情報、及び作成された生産スケジュールの修正を指示する指示情報、及び処理の終了を指示する指示情報を出力する。また、制御装置2は、各スケジューラ4a〜4d間のデータの授受を制御する。
制御装置2は、例えば汎用のパーソナルコンピュータ等の計算機によって構成されている。かかる計算機には、CPU、ROM、RAM、ハードディスク、CD−ROMの駆動装置などのハードウェアが収納されており、ハードディスクには、プログラム(このプログラムは、リムーバブル型記憶媒体に記録しておくことにより、様々なコンピュータにインストールすることが可能である)を含む各種のソフトウェアが記録されている。そして、これらのハードウェアおよびソフトウェアが組み合わされることによって、上述のような制御装置2の機能が実現されている。
次に、図6、図7を参照しつつ、本実施形態のスケジューリングシステムにおいて生産スケジュールを作成する際の手順の一例について説明する。
まず、図6を参照しつつ、生産スケジュールを作成する際に制御装置2で行われる処理について説明する。最初に、各スケジューラ4a〜4dに対して初期生産スケジュールの作成を指示する(ステップS1)。具体的には、各スケジューラ4a〜4dに対して、初期生産スケジュールを作成する旨の指示情報を順番に出力する。より詳細には、まずスケジューラ4aに対して指示情報を出力し、スケジューラ4aでの初期生産スケジュールの作成が終了してから、スケジューラ4bに対して指示情報を出力する。以下、同様にスケジューラ4dまで、順番に指示情報を出力する。このとき、各スケジューラ4a〜4dでは、ステップS1において出力された指示情報を受けて、初期生産スケジュールの作成が行われる。
また、このとき、各スケジューラ4a〜4d間で初期生産スケジュールに関する情報交換が行われるように、各スケジューラ4a〜4dでのデータの授受を制御する。より詳細には、スケジューラ4a〜4dのうち、初期生産スケジュールの作成を終えたものに対して、各製品の終了予定時刻及び開始可能時刻を出力するよう指示し、これから初期生産スケジュールを作成するものに対して、直前工程終了時刻を取得するように指示する。
その後、各スケジューラ4a〜4dに対して、生産スケジュールの修正を行う旨の指示情報を一斉に出力する(ステップS2)。このとき、各スケジューラ4a〜4dでは、ステップS1で出力された指示情報により交換された情報をもとに、生産スケジュールの修正が行われる。なお、各スケジューラ4a〜4dでの生産スケジュールの修正処理は並列的に行われる。次に、各スケジューラ4a〜4d間で修正された生産スケジュールに関する情報交換が行われるように、各スケジューラ4a〜4dでのデータの授受を制御する(ステップS3)。
さらに、ステップS2において出力された指示情報を受けて、各スケジューラ4a〜4dで行われる生産スケジュールの修正の結果に基づいて、終了判定処理を行う(ステップS4)。終了判定処理とは、例えば、修正前後の生産スケジュールが変化していない場合に、処理を終了するものと判定するものである。また、例えば、所定の回数だけ生産スケジュールの変更が繰り返された場合に、処理を終了するものと判定してもよい。なお、処理を終了するものと判定した場合に、処理を終了する旨の指示情報を各スケジューラ4a〜4dに出力する。
ステップS4において処理を終了すると判定された場合には、処理が終了される。一方、ステップS4において処理を終了しないと判定された場合には、ステップS2に戻り、ステップS2からステップS4の処理が繰り返し実行される。
続いて、図7を参照しつつ、スケジューラ4a〜4dで生産スケジュールの作成を行う際の処理の一例について説明する。なお、以下に述べる処理が行われる前に、各スケジューラ4a〜4dでは、事前に与えられ、処理時間記憶部11に記憶されている製品別の工程ごとの処理時間の記憶内容に基づき、山積み部21が工程間の相対的な負荷の大小を判断している。そして、パラメータ設定部27が、負荷山積み部21での判断結果に基づいて、重みパラメータ記憶部18に記憶される重みパラメータを設定している。また、事前に与えられた各製品の出荷納期から定まる各工程での工程納期が工程納期記憶部12に記憶されている。以降の説明においては、便宜上、スケジューラ4bでの処理について説明する。
まず、制御装置2からの初期生産スケジュールを作成する旨の指示情報を受信したか否かの判断が行われる(ステップS11)。ステップS11での判断は指示情報を受信したと判断されるまで繰り返し行われる。そして、指示情報を受信したと判断された場合には(ステップS11:YES)、処理順生成部22によってランダムに生成された処理順が処理順候補記憶部13a及び暫定処理順記憶部13bにそれぞれ記憶され、処理順候補及び暫定処理順が初期化される(ステップS12)。
次に、直前の工程(工程1)における各製品の終了予定時刻(直前工程終了時刻)を取得し、直前工程終了時刻記憶部14に記憶する(ステップS13)。そして、処理順候補記憶部13aに記憶された処理順と、直前工程終了時刻記憶部14に記憶された直前工程終了時刻に基づいて、予定時刻算出部24が、自工程(工程2)における各製品の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する(ステップS14)。算出された開始予定時刻及び終了予定時刻は、スケジュール記憶部17に記憶される。上述のステップS1までの処理により、初期生産スケジュールが定まる。その後、開始可能時刻出力部28及び終了時刻出力部29が、スケジュール記憶部17記憶内容に基づいて開始可能時刻及び終了予定時刻を出力する(ステップS15)。
続いて、制御装置2からの生産スケジュールを修正する旨の指示情報を受信したか否かの判断が行われる(ステップS16)。ステップS16において、生産スケジュールの修正に関する指示情報を受信していないと判断された場合には(ステップS16:NO)、制御装置2からの処理を終了する旨の指示情報を受信したか否かの判断が行われる(ステップS17)。ステップS17において処理の終了に関する指示情報を受信していないと判断された場合には(ステップS17:NO)、上述のステップS16での判断が再度行われる。また、ステップS17において処理の終了に関する指示情報を受信したと判断された場合には(ステップS17:YES)、スケジューラ4bでの処理が終了する。
一方、ステップS16において生産スケジュールの修正に関する指示情報を受信したと判断された場合には(ステップS16:YES)、後工程開始可能時刻が取得され、後工程開始可能時刻記憶部15に記憶される(ステップS18)。続いて、後工程基準納期算出部25が、後工程開始可能時刻記憶部15に記憶された後工程開始可能時刻に基づいて後工程基準納期を算出する(ステップS19)。このとき、算出された後工程基準納期は、後工程基準納期記憶部16に記憶される。
その後、評価値算出部26が、工程納期記憶部12、後工程基準納期記憶部16、スケジュール記憶部17、及び重みパラメータ記憶部18の記憶内容に基づいて、上述の(1)式で表される評価関数E2の値を算出する(ステップS20)。これにより、処理順候補での生産スケジュールを評価する評価関数の値が算出される。さらに、処理順変更部23が、処理順候補での生産スケジュールの評価関数の値と、暫定処理順での生産スケジュールの評価関数の値とを比較し、処理順候補を受け入れるか否かを判断する(ステップS21)。
ステップS21において、処理順候補を受け入れないと判断された場合には(ステップS21:NO)、後述するステップS22を省略してステップS23に進む。一方、処理順候補を受け入れると判断された場合には(ステップS21:YES)、暫定処理順記憶部13bに記憶されている暫定処理順が処理順候補に変更される(ステップS22)。その後、処理順候補記憶部13aに記憶されている処理順候補が、処理順生成部22によって新たに生成された処理順に更新される(ステップS23)。ステップS23の後は、上述のステップS13に戻り、以下同様の処理が繰り返し行われる。
ここで、スケジューリングシステム1によって生成される生産スケジュールの一例を説明する。
まず、図8を参照しつつ、図7のフローチャートにおけるステップS14において作成される初期生産スケジュールの一例について説明する。図8において、横軸は工程1における製品(ここでは製品1)の処理を開始した時点を原点とする経過時間であり、縦方向には工程1〜工程4の生産スケジュールをこの順に記載している。ここで、各製品の処理時間は、白抜きの四角で表し、白抜きの四角内の数字は製品番号を表している。また、斜線付きの四角は段取り替えを表している。また、最下部の▲印は、製品1〜製品6の出荷納期T1〜T6のタイミングを表している。
図8に示す初期生産スケジュールでは、長い待ち時間発生しており間延びしたスケジュールとなっている。すなわち、例えば、工程4では、製品6の終了予定時刻から製品5の処理開始前の段取り替えが行われるまでの間に80分の待ち時間が発生している。また、段取り替えが工程1〜工程3では3回ずつ、工程4では2回発生しており、非常に多い。さらに、最終工程である工程4での製品1、2、3、5の終了予定時刻が出荷納期を過ぎており、納期遅れが多発している。
次に、図7のフローチャートのステップS13、S18において行われる情報交換処理について説明する。まず、第1の例として、図9を参照しつつ、図8に示すスケジュールの工程1における製品6に関する情報交換処理について説明する。図9の横軸は工程1における製品(ここでは製品1)の処理を開始した時点を原点とする経過時間であり、縦方向には工程1〜工程4の生産スケジュールをこの順に記載している。
ステップS13において取得する直前工程終了時刻については、工程1は最初の工程であるので「0」である。工程1における製品6に関してステップS18において取得する後工程開始可能時刻については、工程2、3、4に対する製品6の後工程開始可能時刻の3つである。
図9において、工程2の製品6の処理の直前に製品5の処理が予定されており、製品5の終了予時刻が80分であり、且つ製品5から製品6へは段取り替えの必要がないので、工程2に対する製品6の後工程開始可能時刻は80分である。さらに、工程1における製品6の処理終了から工程2における製品6の処理開始までの最短リードタイムは、工程間リードタイム(10分)であるので、工程2に対する後工程基準納期は、70分(=80分―10分)である。
工程3において製品6は最初に処理されるので、工程3に対する製品6の後工程開始可能時刻は、工程3までの最短リードタイムである100分である。また、工程1における製品6の処理終了から工程3における製品6の処理開始までの最短リードタイムは、工程間リードタイム(10分+10分)と工程2での製品6の処理時間(50分)とを加えた70分であるので、工程3に対する後工程基準納期は、30分(=100分―70分)である。
同様に考えて、工程4に対する製品6の後工程開始可能時刻は370分であり、工程4に対する後工程基準納期は250分である。
なお、生産スケジュールを修正する際に、各後工程(工程2〜工程4)に対する後工程基準納期のいずれが重視されるかは、評価関数E1の重みパラメータにより変化する。すなわち、各後工程に対する後工程基準納期からの遅れに関する評価指標の重みパラメータFの設定によって結果が異なる。本実施例においては、上述のように、工程3が負荷の最も高いネック工程であるので、工程3に対する後工程基準納期からの遅れの重みパラメータFが大きく設定されている。よって、工程3に間に合う範囲内で、極力段取り替えが少なくなるように生産スケジュールが修正される。
次に、情報交換処理の第2の例として、図10を参照しつつ、図8に示すスケジュールの工程2における製品4に関する情報交換処理について説明する。
図10に示すように、ステップS13において取得する直前工程終了時刻(工程1での製品4の終了予定時刻)は、80分である。工程2における製品4に関してステップS18において取得する後工程開始可能時刻については、工程3、4に対する製品6の後工程開始可能時刻の2つである。
図10において、工程3における製品4の処理の直前に製品6の処理が予定されており、製品6の終了予定時刻が220分であり、且つ製品6から製品4へは段取り替えが必要であるので、工程3に対する製品4の後工程開始可能時刻は230分(=220分+10分)である。さらに、工程2における製品4の処理終了から工程3における製品4の処理開始までの最短リードタイムは、工程間リードタイム(10分)であるので、工程3に対する後工程基準納期は、220分(=230分―10分)である。
工程4において製品4は最初に処理されるので、工程4に対する製品4の後工程開始可能時刻は、工程4までの最短リードタイムである130分である。また、工程2における製品4の処理終了から工程4における製品4の処理開始までの最短リードタイムは、工程間リードタイム(10分+10分)と工程3での製品4の処理時間(60分)とを加えた80分であるので、工程4に対する後工程基準納期は、50分(=130分―80分)である。
なお、上述のように、本実施形態では、工程3に対する後工程基準納期からの遅れの重みパラメータFが大きく設定されており、工程3に対して間に合う範囲内で極力段取り替えが少なくなるように生産スケジュールが修正される。
続いて、図11を参照しつつ、初期生産スケジュールが1回変更された際に得られる生産スケジュールの一例について説明する。図11の横軸は工程1における製品(ここでは製品1)の処理を開始した時点を原点とする経過時間であり、縦方向には工程1〜工程4の生産スケジュールをこの順に記載している。ここで、各製品の処理時間は、白抜きの四角で表し、白抜きの四角内の数字は製品番号を表している。また、斜線付きの四角は段取り替えを表している。また、最下部の▲印は、製品1〜製品6の出荷納期T1〜T6のタイミングを表している。
例えば、図9を用いて説明した工程1の製品6については、初期生産スケジュールと比べて早い時期に処理が行われるように変更されている。また、図10を用いて説明した工程2の製品4についても、初期生産スケジュールと比べて早い時期に処理が行われるように変更されている。さらに、段取り替えの回数も、工程1、3、4でそれぞれ1回、工程2で2回と、初期生産スケジュールと比べて減少し、生産効率が向上されている。なお、製品4の工程1から工程2等、複数の箇所で、後の工程の開始予定時刻が、前の工程の終了予定時刻よりも早くなる、時間の逆行が発生している。これは、後工程との工程間リードタイムが制約でなく評価関数として扱われているためであり、変更を繰り返す過程で解消される。
次に、図12を参照しつつ、初期生産スケジュールに対してスケジュール変更処理が施され最終的に得られた生産スケジュールの一例について説明する。図12の横軸は工程1における製品(ここでは製品1)の処理を開始した時点を原点とする経過時間であり、縦方向には工程1〜工程4の生産スケジュールをこの順に記載している。ここで、各製品の処理時間は、白抜きの四角で表し、白抜きの四角内の数字は製品番号を表している。また、斜線付きの四角は段取り替えを表している。また、最下部の▲印は、製品1〜製品6の工程4における出荷納期T1〜T6のタイミングを表している。
各工程1〜4での生産スケジュールが適正化され、全ての製品1〜6について出荷納期T1〜T6に対する遅延が解消されている。また、生産効率を重視する工程である工程3では、段取り替えの回数が「0」となり、生産効率の高い生産スケジュールとなっている。
以上のように、本実施形態では、各スケジューラ4a〜4dにおいて、直前の工程における製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻、及び自工程よりも後の全ての工程における製品の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を取得し、それらに基づいて生産スケジュールの変更が行われるので、効率的に全体の生産スケジュールを決定することができる。また、評価値の算出に用いられる評価関数Eiが、自工程の生産性を評価する評価指標に加えて、自工程での各製品の終了予定時刻の後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含んでいるので、評価値を最適化することで、後工程に対する遅れを修正しつつ、生産性を改善することが可能である。
また、パラメータ設定部が、工程iにおける製品jの終了予定時刻の工程pに対する後工程基準納期からの遅れを評価するための評価指標の重みパラメータであるFPを、工程iより後の工程4までの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程ほど大きく設定する。さらに、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータであるγiを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定する。したがって、生産性を特に重視すべきネック工程とネック工程に同期させて稼動させる非ネック工程とで、スケジューリングの指向を変えることができる。
さらに、パラメータ設定部27は、負荷山積み部21で行われる各工程間での負荷の大小関係の判断結果に基づいて、重みパラメータ記憶部18に記憶される重みパラメータを設定する。したがって、例えば、生産ラインで生産される製品の種類が変更され、ネック工程となる工程が変わった場合でも、システムに変更を加える必要がない。
以上、本発明の好適な一実施形態について説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいてさまざまな変更が可能なものである。
上述の実施形態では、各スケジューラ4a〜4dにおける処理の実行状況を監視し、スケジューラ4a〜4dに対して、スケジューラ4a〜4d間におけるデータの授受及び処理の実行を指示する制御装置2を備えている場合について説明したが、制御装置2に代えて、図13に示すような共有記憶装置120を設けてもよい。この場合、各スケジューラ4a〜4dは、各製品の終了予定時刻及び開始可能時刻を共有記憶装置120に出力する。さらに、各スケジューラ4a〜4dは、直前の工程での各製品の終了予定時刻(前工程終了時刻)、及び後工程での各製品の開始可能時刻(後工程開始可能時刻)を共有記憶装置120から取得する。加えて、各スケジューラ4a〜4dは、自身の実行状態(実行中・実行完了)を共有記憶装置120に出力する。これにより、全体の同期を取ることができる。
また、上述の実施形態においては、生産ラインが4つの工程からなり、6種類の製品が製造される場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、複数の工程からなる生産ラインで複数の製品を製造する場合に適用することができる。
1 スケジューリングシステム
2 制御装置(全体制御部)
3 LAN(通信手段)
4a〜4d スケジューラ(スケジューリング手段)
13 処理順記憶部
14 直前工程終了時刻記憶部
16 後工程基準納期記憶部
18 重みパラメータ記憶部
21 負荷山積み部
23 処理順変更部
24 予定時刻算出部
25 後工程基準納期算出部
26 評価値算出部
27 パラメータ設定部
28 開始可能時刻出力部
29 終了時刻出力
20 共有記憶装置(共有記憶部)

Claims (8)

  1. N個(N:2以上の自然数)の工程ごとに設けられた複数のスケジューリング手段と、複数の前記スケジューリング手段の間で情報を交換する通信手段とを有しており、N個の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリングシステムであって、
    i番目(i:N以下の自然数)の工程である工程iにおける生産スケジュールを作成する前記スケジューリング手段が、
    工程iにおける複数の製品の処理順序を記憶する処理順記憶部と、
    工程i−1における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する直前工程終了時刻記憶部と、
    工程iより後の工程Nまでの各工程における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する後工程開始可能時刻記憶部と、
    前記処理順記憶部及び前記直前工程終了時刻記憶部の記憶内容に基づいて、工程iにおける各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する予定時刻算出部と、
    前記後工程開始可能時刻記憶部の記憶内容に基づいて、工程iにおいて各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を、工程iより後の工程Nまでの各工程に対して算出する後工程基準納期算出部と、
    前記予定時刻算出部の算出結果による生産スケジュールを評価する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶部と、
    前記重みパラメータ記憶部に記憶される重みパラメータを設定するパラメータ設定部と、
    少なくとも生産効率を評価する評価指標及び前記後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含み且つ前記重みパラメータ記憶部に記憶された重みパラメータが適用された評価関数であって、重みパラメータの値が大きいほど評価値が大きくなる評価関数により、前記予定時刻算出部の算出結果による生産スケジュールの評価値を算出する評価値算出部と、
    前記評価値算出部で算出される評価値に基づいて、この評価値が最小となるように最適化されるように前記処理順記憶部の記憶内容を変更する処理順変更部と、
    各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいてその製品の開始可能時刻を出力する開始可能時刻出力部と、
    各製品について工程iでの終了予定時刻を出力する終了時刻出力部とを備えており、
    前記パラメータ設定部は、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定すると共に、工程iにおける工程iより後の工程Nまでの各工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータを個別に設定し、工程iより後の工程Nまでの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータほど大きく設定し、
    前記開始可能時刻出力部によって出力された開始可能時刻を、工程iより前の工程1までの各工程での前記後工程開始可能時刻とすると共に、前記終了時刻出力部によって出力された終了予定時刻を、工程i+1での前記直前工程終了時刻とし、各スケジューリング手段で並列的に処理を行い、各工程における生産スケジュールが所定条件を満たすまで生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とするスケジューリングシステム。
  2. 各工程における複数の製品の処理時間の総和に基づいて、工程間の相対的な負荷の大小を判断する負荷山積み部をさらに備えており、
    前記パラメータ設定部が、前記負荷山積み部での判断結果に基づいて、前記重みパラメータ記憶部に記憶される重みパラメータを設定することを特徴とする請求項1に記載のスケジューリングシステム。
  3. 前記処理順記憶部の記憶内容及び予定時刻算出部での算出結果が、前記処理順変更部による前記処理順記憶部の記憶内容の変更前後で変化しなくなるまで、生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載のスケジューリングシステム。
  4. 生産スケジュールの変更が所定回数行われるまで、生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とする請求項1又は2に記載のスケジューリングシステム。
  5. 前記通信手段を介して各スケジューリング手段の実行状況を監視し、各スケジューリング手段に処理の実行を指示する全体制御部をさらに備えており、
    各スケジューリング手段は、前記通信手段を介して互いに情報を交換しつつ、前記全体制御部の指示に従って生産スケジュールの作成を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスケジューリングシステム。
  6. 前記通信手段を介して各スケジューリング手段と接続されており、各スケジューリング手段から出力された情報及び各スケジューリング手段の実行状況を記憶する共有記憶部をさらに備えており、
    各スケジューリング手段間での情報の交換は前記共有記憶部を介して行われることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスケジューリングシステム。
  7. N個(N:2以上の自然数)の工程ごとに設けられた複数のスケジューリング手段と、複数の前記スケジューリング手段の間で情報を交換する通信手段とを有するスケジューリングシステムにおいて、N個の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリング方法であって、
    i番目(i:N以下の自然数)の工程である工程iにおける生産スケジュールを作成する前記スケジューリング手段において実行される処理が、
    工程iにおける複数の製品の処理順序を記憶する処理順記憶ステップと、
    工程i−1における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する直前工程終了時刻記憶ステップと、
    工程iより後の工程Nまでの各工程における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する後工程開始可能時刻記憶ステップと、
    前記処理順記憶ステップ及び前記直前工程終了時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおける各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する予定時刻算出ステップと、
    前記後工程開始可能時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおいて各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を、工程iより後の工程Nまでの各工程に対して算出する後工程基準納期算出ステップと、
    前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールを評価する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶ステップと、
    前記重みパラメータ記憶ステップで記憶される重みパラメータを設定するパラメータ設定ステップと、
    少なくとも生産効率を評価する評価指標及び前記後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含み且つ前記重みパラメータ記憶ステップで記憶された重みパラメータが適用された評価関数であって、重みパラメータの値が大きいほど評価値が大きくなる評価関数により、前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールの評価値を算出する評価値算出ステップと、
    前記評価値算出ステップで算出される評価値に基づいて、この評価値が最小となるように最適化されるように前記処理順記憶ステップでの記憶内容を変更する処理順変更ステップと、
    各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいてその製品の開始可能時刻を出力する開始可能時刻出力ステップと、
    各製品について工程iでの終了予定時刻を出力する終了時刻出力ステップとを備えており、
    前記パラメータ設定ステップでは、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定すると共に、工程iにおける工程iより後の工程Nまでの各工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータを個別に設定し、工程iより後の工程Nまでの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータほど大きく設定し、
    前記開始可能時刻出力ステップで出力された開始可能時刻を、工程iより前の工程1までの各工程での前記後工程開始可能時刻とすると共に、前記終了時刻出力ステップで出力された終了予定時刻を、工程i+1での前記直前工程終了時刻とし、各スケジューリング手段で並列的に処理を行い、各工程における生産スケジュールが所定条件を満たすまで生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とするスケジューリング方法。
  8. N個(N:2以上の自然数)の工程ごとに設けられた複数のスケジューリング手段と、複数の前記スケジューリング手段の間で情報を交換する通信手段とを有するスケジューリングシステムにおいて、N個の工程からなる生産ラインで複数種類の製品を生産する生産スケジュールを作成するスケジューリングプログラムあって、
    i番目(i:N以下の自然数)の工程である工程iにおける生産スケジュールを作成する前記スケジューリング手段に、
    工程iにおける複数の製品の処理順序を記憶する処理順記憶ステップと、
    工程i−1における各製品の処理の終了予定時刻である直前工程終了時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する直前工程終了時刻記憶ステップと、
    工程iより後の工程Nまでの各工程における各製品の処理の開始可能時刻である後工程開始可能時刻を前記通信手段を介して取得し記憶する後工程開始可能時刻記憶ステップと、
    前記処理順記憶ステップ及び前記直前工程終了時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおける各製品の処理の開始予定時刻及び終了予定時刻を算出する予定時刻算出ステップと、
    前記後工程開始可能時刻記憶ステップでの記憶内容に基づいて、工程iにおいて各製品の処理を完了すべき時刻である後工程基準納期を、工程iより後の工程Nまでの各工程に対して算出する後工程基準納期算出ステップと、
    前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールを評価する際に用いられる評価指標の重みパラメータを記憶する重みパラメータ記憶ステップと、
    前記重みパラメータ記憶ステップで記憶される重みパラメータを設定するパラメータ設定ステップと、
    少なくとも生産効率を評価する評価指標及び前記後工程基準納期からの遅れを評価する評価指標を含み且つ前記重みパラメータ記憶ステップで記憶された重みパラメータが適用された評価関数であって、重みパラメータの値が大きいほど評価値が大きくなる評価関数により、前記予定時刻算出ステップでの算出結果による生産スケジュールの評価値を算出する評価値算出ステップと、
    前記評価値算出ステップで算出される評価値に基づいて、この評価値が最小となるように最適化されるように前記処理順記憶ステップでの記憶内容を変更する処理順変更ステップと、
    各製品について直前に処理される製品の終了予定時刻に基づいてその製品の開始可能時刻を出力する開始可能時刻出力ステップと、
    各製品について工程iでの終了予定時刻を出力する終了時刻出力ステップとを実行させ、
    前記パラメータ設定ステップでは、工程iにおける生産効率の評価指標の重みパラメータを、工程iにおける処理能力の負荷に応じて、負荷の高いほど大きく設定すると共に、工程iにおける工程iより後の工程Nまでの各工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータを個別に設定し、工程iより後の工程Nまでの各工程における処理能力の負荷に応じて、負荷の高い工程に対する前記後工程基準納期からの遅れの評価指標の重みパラメータほど大きく設定し、
    前記開始可能時刻出力ステップで出力された開始可能時刻を、工程iより前の工程1までの各工程での前記後工程開始可能時刻とすると共に、前記終了時刻出力ステップで出力された終了予定時刻を、工程i+1での前記直前工程終了時刻とし、各スケジューリング手段で並列的に処理を行い、各工程における生産スケジュールが所定条件を満たすまで生産スケジュールの変更を繰り返すことを特徴とするスケジューリングプログラム。
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