JP5278821B2 - 熱収縮性ポリエステル系フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルム、およびその製造方法、包装体に関するものであり、詳しくは、ラベル用途に好適な熱収縮性ポリエステル系フィルム、およびその製造方法、ラベルを用いた包装体に関するものである。
近年、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商品の表示を兼ねたラベル包装、キャップシール、集積包装等の用途に、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる延伸フィルム(いわゆる、熱収縮性フィルム)が広範に使用されるようになってきている。そのような熱収縮性フィルムのうち、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となる等の問題がある。また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない上、高温で焼却する必要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒煙が発生するという問題がある。それゆえ、耐熱性が高く、焼却が容易であり、耐溶剤性に優れたポリエステル系の熱収縮性フィルムが、収縮ラベルとして広範に利用されるようになってきており、PET容器の流通量の増大に伴って、使用量が増加している傾向にある。
また、熱収縮性フィルムとしては、ラベル製造時の取扱いの面から、一般的に、幅方向に大きく収縮させるものが利用される。それゆえ、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、加熱時に幅方向への十分な収縮力を発現させるために、幅方向へ高倍率で延伸することによって製造されていた。
ところが、従来の熱収縮性ポリエステルフィルムは、主収縮方向と直交する長手方向については、ほとんど延伸されていないため、機械的強度が低く、ラベルとしてペットボトル等に収縮させて被覆させた場合に、ラベルをミシン目に沿ってうまく引き裂くことができない(すなわち、ミシン目開封性が悪い)、という不具合がある。また、熱収縮性ポリエステルフィルムのミシン目開封性を良好なものとすべく、製造時にフィルムを長手方向に延伸すると、機械的強度が高くなり、ミシン目開封性はある程度向上するものの、長手方向に収縮力が発現してしまうため、ラベルとしてペットボトル等に収縮させて被覆させた場合に、非常に見栄え(収縮仕上がり性)が悪くなる、という不具合が露呈する。
それゆえ、熱収縮性ポリエステルフィルムのミシン目開封性を向上させるべく、熱収縮性ポリエステルフィルムの主原料中に非相溶な熱可塑性樹脂を混合する方法(特許文献1参照)等も提案されている。
特許文献1の方法によれば、熱収縮性ポリエステルフィルムのミシン目開封性がある程度向上するものの、必ずしもミシン目開封性が十分な熱収縮性ポリエステルフィルムが得られているとは言い難い。また、特許文献1の方法を採用した場合でも、製造時には幅方向にしか延伸することができないため、効率良く熱収縮性ポリエステルフィルムを製造することはできない。
また、炭酸飲料に使用されているPETボトルの多くは耐圧ボトルが使用され、それらのラベルの位置はいわゆる寸胴である。このような寸胴タイプのPETボトルには熱収縮率が高くなくともラベルに仕上げることは可能である。しかし、熱収縮率が低いと、一般的に熱収縮応力が低い。熱収縮応力が低いとラベルにする際、熱収縮させる工程内で加熱する時間が短いと充分に熱収縮せずにラベルにタルミやシワが入り好ましくない。
加えて最近では、PETボトルなどの各種容器に用いられるラベルには、これらの容器を補強する作用も期待されつつある。しかし、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られるラベルは、こうした補強作用が満足できるものではなかった。
特開平2002−363312号公報
本発明は、上記従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムが有する問題点を解消するために創案されたものであり、その目的は、熱収縮率が低くても良好な収縮仕上り性があり、ミシン目開封性が非常に良好な上、極めて生産性が高い、収縮被覆した容器を補強し得る機能を有する熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することにある。
本発明の第1の発明は、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、全ポリエステル系樹脂成分中において非晶質成分となりうる1種以上のモノマー成分を13モル%以上含有しているポリエステル系樹脂からなり、かつ下記(1)〜(3)の要件を満たすことを特徴とするものである:
(1)95℃の温水中で10秒間にわたって処理した場合におけるフィルム幅方向及び長手方向の温湯熱収縮率がそれぞれ25%以上40%以下、0%以上15%以下である;
(2)90℃におけるフィルム幅方向の最大熱収縮応力が8MPa以上20MPa以下である;
(3)95℃の温水中でのフィルム幅方向の温湯熱収縮率をX(%)とし、80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後のフィルムの95℃の温水中での幅方向の温湯熱収縮率をX10(%)とするとき、熱収縮率差Δ(=X−X10)(%)が10%以上20%以下である。
本発明の第1の発明の好ましい態様は以下の通りである。
(1)80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後の単位厚み当たりの長手方向の直角引裂強度が170N/mm以上310N/mm以下である。
(2)長手方向の引張破壊強さが90MPa以上300MPa以下である。
(3)全ポリステル樹脂成分中における非晶質成分となりうるモノマーの主成分が、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸のうちのいずれかである。
本発明の第2の発明は、上記第1の発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを連続的に製造するための製造方法であって、下記(a)〜(g)の各工程を含むことを特徴とするものである。
(a)未延伸ポリエステル系フィルムを、Tg以上(Tg+30℃)以下の温度で長手方向に2.2倍以上3.0倍以下の倍率で延伸した後、(Tg+10℃)以上(Tg+40℃)以下の温度で長手方向に1.2倍以上1.5倍以下の倍率で延伸することにより、トータルで2.8倍以上4.5倍以下の倍率となるように縦延伸する縦延伸工程;
(b)縦延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で幅方向に2倍以上3.2倍以下の倍率で延伸する第一横延伸工程;
(c)第一横延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で130℃以上190℃以下の温度で5秒以上30秒以下の時間にわたって熱処理する中間熱処理工程;
(d)中間熱処理後のフィルムを、各工程の加熱ゾーンから遮断されかつ積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンに通過させることによって自然に冷却する自然冷却工程;
(e)自然冷却後のフィルムを、表面温度が80℃以上120℃以下の温度となるまで積極的に冷却する強制冷却工程;
(f)強制冷却後のフィルムを、(Tg+30℃)以上(Tg+55℃)以下の温度で幅方向に1.5倍以上2.0倍以下の倍率で延伸する第二横延伸工程;
(g)第二横延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で80℃以上130℃以下の温度で1.0秒以上9.0秒以下の時間にわたって熱処理する最終熱処理工程。
本発明の第3の発明は、上記第1の発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とし、その基材にミシン目あるいは一対のノッチが設けられたラベルを、包装対象物の少なくとも外周の一部に被覆して熱収縮させて形成されることを特徴とする包装体である。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、主収縮方向である幅方向への収縮性が低いが熱収縮応力が高く、幅方向と直交する長手方向における機械的強度も高い上、ラベルとした際のミシン目開封性が良好であり、開封する際に引き裂き初めから引き裂き完了に至るまでミシン目に沿って綺麗にカットすることができる。また、スティフネス(いわゆる“腰”の強さ)が高く、ラベルとした際の装着適性に優れている。加えて、印刷加工やチュービング加工をする際の加工特性が良好である。したがって、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、ボトル等の容器のラベルとして、特に耐圧ボトルのような寸胴なPETボトルに好適に用いることができる。本発明の包装体は、被覆されたラベルの引き裂き具合が良好であり、被覆されたラベルを適度な力でミシン目に沿って綺麗に引裂くことができ、収縮被覆した容器を補強し得る機能を有する。
加えて、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、縦横の二軸に延伸して製造されるものであるので、非常に効率良く生産することができる。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、溶剤によって表裏(あるいは同面同士)を接着させた際の接着力が極めて高い。したがって、PETボトル等のラベルを始めとする各種被覆ラベル等に好適に用いることができる。
直角引裂強度の測定における試験片の形状を示す説明図である(なお、図中における試験片の各部分の長さの単位はmmである)。
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムに用いるポリエステルは、エチレンテレフタレートを主たる構成成分とするものである。すなわち、エチレンテレフタレートを50モル%以上、好ましくは60モル%以上含有するものである。本発明のポリエステルを構成する他のジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、オルトフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、および脂環式ジカルボン酸等を挙げることができる。
脂肪族ジカルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸等)をポリエステルに含有させる場合、含有率は3モル%未満であることが好ましい。これらの脂肪族ジカルボン酸を3モル%以上含有するポリエステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、高速装着時のフィルム腰が不十分である。
また、3価以上の多価カルボン酸(例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸およびこれらの無水物等)をポリエステルに含有させないことが好ましい。これらの多価カルボン酸を含有するポリエステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成しにくくなる。
ポリエステルを構成するジオール成分としては、エチレングリコール、1−3プロパンジオール、1−4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環式ジオール、ビスフェノールA等の芳香族系ジオール等を挙げることができる。
ポリエステルは、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の環状ジオールや、炭素数3〜6個を有するジオール(例えば、1−3プロパンジオール、1−4ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール等)のうちの1種以上を含有させて、ガラス転移点(Tg)を60〜80℃に調整したポリエステルが好ましい。
また、ポリエステルは、全ポリステル樹脂中における多価アルコール成分100モル%中あるいは多価カルボン酸成分100モル%中の非晶質成分となりうる1種以上のモノマー成分の合計が13モル%以上、好ましくは15モル%以上、より好ましくは17モル%以上、特に好ましくは20モル%以上である。ここで、非晶質成分となりうるモノマーとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,2−ジエチル1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル2−エチル1,3−プロパンジオール、2,2−イソプロピル1,3−プロパンジオール、2,2−ジn−ブチル1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサンジオールを挙げることができる。その中でも、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、またはイソフタル酸を用いるのが好ましい。
ポリエステルには、炭素数8個以上のジオール(例えばオクタンジオール等)、または3価以上の多価アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ジグリセリン等)を含有させないことが好ましい。これらのジオール、または多価アルコールを含有するポリエステルを使用して得た熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、必要な高収縮率を達成しにくくなる。
また、ポリエステルには、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールをできるだけ含有させないことが好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを形成する樹脂の中には、必要に応じて各種の添加剤、例えば、ワックス類、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、減粘剤、熱安定剤、着色用顔料、着色防止剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを形成する樹脂の中には、滑剤としてフィルムの作業性(滑り性)を良好なものにする微粒子を添加するのが好ましい。微粒子としては、任意のものを選択することができるが、例えば、無機系微粒子としては、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、炭酸カルシウム、カオリン、硫酸バリウム等、有機系微粒子としては、例えば、アクリル系樹脂粒子、メラミン樹脂粒子、シリコーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン粒子等を挙げることができる。微粒子の平均粒径は、0.05〜3.0μmの範囲内(コールターカウンタにて測定した場合)で、必要に応じて適宜選択することができる。
熱収縮性ポリエステル系フィルムを形成する樹脂の中に上記粒子を配合する方法としては、例えば、ポリエステル系樹脂を製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めるのが好ましい。また、ベント付き混練押出し機を用いてエチレングリコールまたは水等に分散させた粒子のスラリーとポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法、または混練押出し機を用いて、乾燥させた粒子とポリエステル系樹脂原料とをブレンドする方法等によって行うのも好ましい。
さらに、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムには、フィルム表面の接着性を良好にするためにコロナ処理、コーティング処理や火炎処理等を施したりすることも可能である。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、95℃の温水中で無荷重状態で10秒間にわたって処理したときに、収縮前後の長さから、下記式により算出したフィルムの熱収縮率(即ち、95℃の温湯熱収縮率)が、幅方向において25%以上40%以下、長手方向において0%以上15%以下である。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
95℃における幅方向の温湯熱収縮率が25%を下回ると、収縮量が小さいために、熱収縮した後のラベルにシワやタルミ(いわゆる収縮不足による収縮ムラ)が生じてしまうので好ましくなく、反対に、95℃における幅方向の温湯熱収縮率が40%を上回ると、温湯熱収縮率が低くても充分な収縮仕上りが可能な、例えば寸胴タイプのPETボトルでは、温湯熱収縮率が高すぎて熱収縮時に歪みが生じ易くなったり、いわゆる“飛び上がり”が発生してしまうことがあるので好ましくない。なお、95℃における幅方向の温湯熱収縮率の下限値は、26%以上であると好ましく、28%以上であるとより好ましく、30%以上であると特に好ましい。また、95℃における幅方向の温湯熱収縮率の上限値は、38%以下であると好ましく、36%以下であるとより好ましく、35%以下であると特に好ましい。
また、95℃における長手方向の温湯熱収縮率が0%未満であると(即ち、熱処理により伸長すると)、ボトルのラベルとして使用する際に良好な収縮外観を得ることができないので好ましくなく、反対に、95℃における長手方向の温湯熱収縮率が15%を超えると、ラベルとして用いた場合に熱収縮時に収縮に歪みが生じ易くなるので好ましくない。95℃における長手方向の温湯熱収縮率は、1%以上13%以下であることが好ましく、更に好ましくは2%以上10%以下であり、より好ましくは3%以上8%以下である。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、以下の方法で測定した90℃におけるフィルム幅方向の最大熱収縮応力が8MPa以上20MPaである。
[最大熱収縮応力の測定方法]
(1)熱収縮性ポリエステル系フィルムから、最大収縮方向の長さが200mm、幅20mmの試験片を切り出す。
(2)熱風式加熱炉を備えた引張試験機(例えば、東洋精機製「テンシロン」)の加熱炉内を90℃に加熱する。
(3)送風を止め、加熱炉内に試験片をセットする。チャック間距離は100mm(一定)とし、試験片のチャック間長さと、チャック間距離が、1:1となるように、試験片をセットする。
(4)加熱炉の扉を速やかに閉めて、送風(温度90℃、吹き出し速度5m/秒の熱風)を再開する。試験片の熱収縮応力を検出・測定する。
(5)チャートから最大値を読み取り、これを最大熱収縮応力値(MPa)とする。
90℃におけるフィルム幅方向の最大熱収縮応力が8MPaを下回ると、熱収縮する際の熱収縮速度が遅くなり、収縮させてPETボトルのラベルにする際に3秒以下の短時間で加熱する場合、ラベルにシワやタルミが生じてしまうので好ましくない。反対に、20MPaを上回ると、ラベルとして用いた場合に熱収縮時に収縮に歪みが生じ易くなるので好ましくない。なお、90℃におけるフィルム幅方向の最大熱収縮応力の下限値は、9MPa以上であると好ましく、10MPa以上であるとより好ましく、11MPa以上であると特に好ましい。また、90℃におけるフィルム幅方向の最大熱収縮応力の上限値は、19MPa以下であると好ましく、18MPa以下であるとより好ましく、17MPa以下であると特に好ましい。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、熱収縮前のフィルムについて上記と同じ方法で95℃の条件で測定した幅方向の熱収縮率をX(%)とし、熱収縮前のフィルムを一旦80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後に、上記と同じ方法で95℃の条件で測定した幅方向の熱収縮率をX10(%)としたとき、熱収縮率差Δ(=X−X10)(%)が10%以上20%以下である。熱収縮率差Δが上記範囲内となる熱収縮性ポリエステル系フィルムであれば、被覆容器の補強効果を有する熱収縮性ラベルを得ることができる。
上記熱収縮率差Δが上記範囲を下回る熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られる熱収縮性ラベルでは、被覆収縮後の容器の補強効果が不十分となる。本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムにおいて、好ましい熱収縮率差Δは14%以下である。なお、熱収縮率差Δの下限は、上記熱収縮率X10が、10%熱収縮させたフィルムを用いて測定される値であるため、10%を下回ることはない。
ちなみに、通常の熱収縮性ポリエステル系フィルムでは、一旦10%熱収縮させた後、再び熱収縮をさせた場合の最終的な熱収縮率(最初の熱収縮率10%と2回目の熱収縮率との合計)は、熱収縮前のフィルムを同じ熱収縮条件で完全に収縮させてしまった場合の熱収縮率よりも、大きく低下する(すなわち、上記熱収縮率差Δが上記範囲を超えてしまう)。本発明のフィルムでは、後述するように、フィルムに用いられるポリエステルの組成を好適なものとすると共に、フィルムの延伸条件を制御して、上記範囲内の熱収縮率差Δを確保することとしている。
また、熱収縮率差Δの算出に用いられる上記熱収縮率X10は、以下のようにして測定する。まず、最大収縮方向に10%熱収縮させたフィルムを作製する。矩形のフィルムの対向する一組の端部のみを把持し得るように、2つのチャックを対向して有する型を用意する。熱収縮性ポリエステル系フィルムを、幅方向に平行に、正方形または長方形に裁断する。裁断後のフィルムを上記型で固定する。固定は、該フィルムの、幅方向に直交する両端部をチャックで把持し、且つチャック間のフィルム長さと、型のチャック間距離の比が、1:0.9となるようにフィルムを弛ませて行う。その後、型に固定したフィルムを、80℃の温水中に無荷重状態で5秒間浸漬して熱収縮させた後、直ちに25℃の水中に無荷重状態で10秒間浸漬し、引き上げる。このフィルムを型からはずし、付着水を除去して、最大収縮方向に10%熱収縮させたフィルムを得る。
得られたフィルムから10cm×10cmの試料を裁断し、この試料を用いて上記熱収縮率Xと同じ方法で熱収縮率X10を測定し、X−X10を計算することにより熱収縮率差Δを算出する。
なお、最大収縮方向に10%熱収縮させたフィルムの作製工程から試料裁断工程に入るまでの時間、および試料裁断工程から熱収縮工程に入るまでの時間は、いずれもできるだけ短時間とすることが望ましい。また、最大収縮方向に10%熱収縮させたフィルムを試料裁断工程まで保管する場合、裁断した試料を熱収縮工程まで保管する場合は、無緊張状態で、空気中、25℃以下の環境下に置き、不要な熱収縮が生じないようにする。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後に、以下の方法で単位厚み当たりの長手方向の直角引裂強度を求めたときに、その長手方向の直角引裂強度が170N/mm以上310N/mm以下であることが好ましい。
[直角引裂強度の測定方法]
所定の長さを有する短形状の枠にフィルムを予め弛ませた状態で装着する(すなわち、フィルム両端を枠によって把持する)。そして、弛んだフィルムが枠内で緊張状態となるまで(弛みがなくなるまで)、約5秒間にわたって80℃の温水に浸漬させることによって、フィルムを幅方向に10%収縮させる。その後、JIS−K−7128に準じて図1に示す形状にサンプリングすることによって試験片を作成する(なお、サンプリングにおいては、試験片の引裂く方向を長手方向とする)。その後、万能引張試験機で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件で、フィルムの長手方向における引張破壊時の強度の測定を行う。そして、下記式を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出する。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み
80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後の直角引裂強度が170N/mmを下回ると、ラベルとして使用した場合に運搬中の落下等の衝撃によって簡単に破れてしまう事態が生ずる可能性があるので好ましくなく、反対に、直角引裂強度が310N/mmを上回ると、ラベルを引き裂く際の初期段階におけるカット性(引き裂き易さ)が不良となるため好ましくない。なお、直角引裂強度の下限値は、175N/mm以上であるとなお好ましく、180N/mm以上であるとより好ましく、190N/mm以上であるとさらに好ましく、200N/mm以上であると特に好ましい。また、直角引裂強度の上限値は、300N/mm以下であると好ましく、290N/mm以下であるとより好ましい。樹脂中の添加剤量を増やすなどしてフィルム中に空洞を作ると直角引裂強度を低く調節することができる。
また、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、以下の方法で長手方向の引張破壊強さを求めたときに、その引張破壊強さが90MPa以上300MPa以下であることが好ましい。
[引張破壊強さの測定方法]
JIS−K7113に準拠し、所定の大きさの短冊状の試験片を作製し、万能引張試験機でその試験片の両端を把持して、引張速度200mm/分の条件にて引張試験を行い、フィルムの長手方向の引張破壊時の強度(応力)を引張破壊強さとして算出する。
長手方向の引張破壊強さが90MPaを下回ると、ラベルにしてボトル等に装着する際の“腰”(スティフネス)が弱くなるので好ましくなく、反対に、引張破壊強さが300MPaを上回ると、ラベルを引き裂く際の初期段階におけるカット性(引き裂き易さ)が不良となるので好ましくない。なお、引張破壊強さの下限値は、110MPa以上であると好ましく、130MPa以上であるとより好ましく、150MPa以上であると特に好ましい。また、直角引裂強度の上限値は、280MPa以下であると好ましく、260MPa以下であるとより好ましく、240MPa以下であると特に好ましい。
上述した本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、上記したポリエステル原料を押出機により溶融押し出しして未延伸フィルムを形成し、その未延伸フィルムを以下に示す所定の方法により二軸延伸して熱処理することによって得ることができる。
原料樹脂を溶融押し出しする際には、ポリエステル原料をホッパードライヤー、パドルドライヤー等の乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥するのが好ましい。そのようにポリエステル原料を乾燥させた後に、押出機を利用して、200〜300℃の温度で溶融しフィルム状に押し出す。かかる押し出しに際しては、Tダイ法、チューブラー法等、既存の任意の方法を採用することができる。
そして、押し出し後のシート状の溶融樹脂を急冷することによって未延伸フィルムを得ることができる。なお、溶融樹脂を急冷する方法としては、溶融樹脂を口金より回転ドラム上にキャストして急冷固化することにより実質的に未配向の樹脂シートを得る方法を採用することができる。
さらに、得られた未延伸フィルムを、後述するように、所定の条件で長手方向に延伸し、その縦延伸後のフィルムを急冷した後に、所定の条件で幅方向に延伸し、熱処理した後に所定の条件で再度幅方向に延伸して、再度熱処理することによって本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得ることが可能となる。以下、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムを得るための好ましい製膜方法について、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製膜方法との差異を考慮しつつ詳細に説明する。
[本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製膜方法]
上述したように、熱収縮性ポリエステル系フィルムは、通常、未延伸フィルムを収縮させたい方向(すなわち、主収縮方向、通常は幅方向)のみに延伸することによって製造される。本発明者らが従来の製造方法について検討した結果、従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造においては、以下のような問題点があることが判明した。
・単純に幅方向に延伸するだけであると、上述の如く、長手方向の機械的強度が小さくなり、ラベルとした場合のミシン目開封性が悪くなる。その上、製膜装置のライン速度を上げることが困難である。
・幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する方法を採用すると、どのような延伸条件を採用しても、幅方向の収縮力を十分に発現させることができない。さらに、長手方向の収縮力が同時に発現してしまい、ラベルとした際に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
・長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する方法を採用すると、幅方向の収縮力は発現させることができるものの、長手方向の収縮力が同時に発現してしまい、ラベルとした際に収縮装着後の仕上がりが悪くなる。
さらに、上記従来の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造における問題点に基づいて、本発明者らが、ミシン目開封性が良好で生産性の高い熱収縮性ポリエステル系フィルムを得ることについてさらなる考察を進めた結果、次のような知見を得るに至った。
・ラベルとした際のミシン目開封性を良好なものとするためには、長手方向へ配向した分子をある程度残しておく必要があると考えられる。
・ラベルとした際の収縮装着後の仕上がりを良好なものとするためには、長手方向への収縮力を発現させないことが不可欠であり、そのためには長手方向へ配向した分子の緊張状態を解消する必要があると考えられる。
そして、本発明者らは、上記知見から、良好なミシン目開封性と収縮仕上がり性を同時に満たすためには、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム中に存在させる必要がある、と考えるに至った。そして、どのような延伸を施せば“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム中に存在させることができるかに注目して試行錯誤した。その結果、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する、いわゆる縦−横延伸法によるフィルム製造の際に、縦延伸後のフィルムに中間熱処理および自然冷却等を施した後に横延伸することにより、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム中に存在させることを実現し、良好なミシン目開封性と収縮仕上がり性を同時に満たす熱収縮性ポリエステル系フィルムが得られることが判明した。
ところが、縦−横延伸法によるフィルム製造の際に、縦延伸後のフィルムに高温で中間熱処理を施して横延伸すると、フィルム幅方向の熱収縮率が高いフィルムとなった。このフィルム幅方向の熱収縮率を低下させるため、横延伸後の最終熱処理温度を上げると、95℃のフィルム幅方向の熱収縮率は目標に合わせることは可能になったが、フィルム幅方向の90℃最大熱収縮応力が小さくなり、満足するフィルムを得ることができなかった。
それゆえ、本発明者らは、縦−中間熱処理−横延伸法によるフィルム製造において、幅方向の95℃・10秒の温湯熱収縮率を小さくし、かつ最大熱収縮応力を大きくするための方策についてさらに試行錯誤した。また、縦延伸後のフィルムに中間熱処理を施すのではなく、縦延伸後のフィルムに横延伸を施した後に中間熱処理を施し、しかる後に、再度、所定の倍率となるように横延伸を施すことにより、中間熱処理における縦方向の収縮を低減し、所定の熱収縮率と最大熱収縮応力を満たすことができ、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造においては、以下の手段を講じることが必要である。
(1)縦延伸条件の制御
(2)縦延伸後における横延伸(一段目の横延伸)
(3)一段目の横延伸後における中間熱処理
(4)中間熱処理と横延伸(二段目の横延伸)との間における自然冷却(加熱の遮断)
(5)自然冷却後のフィルムの強制冷却
(6)二段目の横延伸条件の制御
以下、上記した各手段について順次説明する。
(1)縦延伸条件の制御
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、本発明のフィルムロールを得るためには、縦延伸を二段で行うことが必要である。すなわち、実質的に未配向(未延伸)のフィルムを、まずTg以上(Tg+30℃)以下の温度で2.2倍以上3.0倍以下の倍率となるように縦延伸し(一段目の延伸)、次にTg以下に冷却することなく、(Tg+10)以上(Tg+40℃)以下の温度で1.2倍以上1.5倍以下の倍率となるように縦延伸する(二段目の延伸)ことにより、トータルの縦延伸倍率(すなわち、一段目の縦延伸倍率×二段目の縦延伸倍率)が2.8倍以上4.5倍以下となるように縦延伸することが必要である。トータルの縦延伸倍率は3.0倍以上4.3倍以下となるように縦延伸するとより好ましい。
また、上記の如く二段で縦延伸する際には、縦延伸後のフィルムの長手方向の屈折率が1.600〜1.630の範囲内となり、縦延伸後のフィルムの長手方向の熱収縮応力が10MPa以下となるように、縦延伸の条件を調整するのが好ましい。そのような所定の条件の縦延伸を施すことにより、後述する中間熱処理、横延伸、最終熱処理時にフィルムの長手方向・幅方向への配向度合い、分子の緊張度合いをコントロールすることが可能となり、ひいては、最終的なフィルムのミシン目開封性を良好なものとすることが可能となる。
上記の如く縦方向に延伸する際に、トータルの縦延伸倍率が高くなると、長手方向の収縮率が高くなってしまう傾向にあるが、上記の如く縦方向に二段で延伸することにより、長手方向の延伸応力を小さくすることが可能となり、長手方向の収縮率を低く抑えることが可能となる。また、トータルの縦延伸倍率が高くなると、幅方向の延伸時の応力が高くなってしまい、最終的な横方向の収縮率のコントロールが難しくなる傾向にあるが、二段で延伸することにより、横方向の延伸応力も小さくすることができ、横方向の収縮率のコントロールが容易なものとなる。
さらに、トータルの縦延伸倍率が高くなると、直角引裂強度が低くなり、長手方向の引張強さが高くなる。また、トータルの縦延伸倍率を横延伸倍率に近づけることによって、エルメンドルフ比を1.0に近づけることが可能となり、ラベルとした際のミシン目開封性を良好なものとすることができる。さらに、縦方向に二段で延伸することにより、横方向の延伸応力を低下できることに起因して、長手方向の配向を高くすることが可能となり、直角引裂強度が一層低くなり、長手方向の引張強さがより大きなものとなる。したがって、縦方向に二段で延伸し、トータルの縦延伸倍率を高くすることによって、非常にミシン目引裂性の良好なラベルを得ることが可能となる。
一方、トータルの縦延伸倍率が4.5倍を上回ると、長手方向の配向が高くなって溶剤接着強度が低くなってしまうが、トータルの縦延伸倍率を4.5倍以下にコントロールすることによって、長手方向への配向を抑えて、溶剤接着強度を高く保持することが可能となる。また、トータルの縦延伸倍率が4.5倍を上回ると、表層の粗さが少なくなるため、動摩擦係数が高くなってしまうが、トータルの縦延伸倍率を4.5倍以下にコントロールすることによって、表層の粗さの減少を抑えて、動摩擦係数を低く保持することが可能となる。
また、縦方向に二段で延伸することにより、長手方向の延伸応力が小さくなるため、長手方向の厚み斑および幅方向の厚み斑が大きくなる傾向にあるが、トータルの縦延伸倍率を高くすることにより、長手方向の厚み斑を小さくすることができ、それに伴ってヘイズも低減することができる。加えて、トータルの縦延伸倍率を高くすることによって、横延伸時の応力が高くなるため、幅方向の厚み斑も低減することができる。
加えて、トータルの縦延伸倍率を高くすることにより、長手方向への配向を高くすることができ、二軸延伸後のフィルムを最終的にロールに巻き取る際のスリット性を向上させることができる。
(2)縦延伸後における横延伸(一段目の横延伸)
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、縦延伸後のフィルムに小倍率となるように横延伸する必要がある。すなわち、横延伸は、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、好ましくは70℃(Tg+5℃)以上135℃(Tg+70℃)以下の温度で、2倍以上3.2倍以下の倍率となるように行う必要がある。
上記したように、縦延伸後の中間熱処理前に、上記した所定の条件の倍率で横延伸を加えることによって、縦延伸により長手方向に配向した分子を横方向に配向させることが可能となり、その結果、二段目の横延伸倍率が小さくなり幅方向の95℃・10秒の温湯熱収縮率を小さくすることができた。また、後述するように、一度幅方向に配向させてテンター内で中間熱処理を施すと、二段目の横延伸時の横延伸応力が高くなり、フィルム幅方向の最大熱収縮応力が高くなることが分かった。
なお、一段目の横延伸の温度の下限は、75℃以上であると好ましく、80℃以上であるとより好ましい。また、一段目の横延伸の温度の上限は、130℃以下であると好ましく、125℃以下であるとより好ましい。一方、一段目の横延伸の倍率の下限は、2.0倍以上であり、2.2倍以上であるとより好ましい。また、一段目の横延伸の倍率の上限は、3.2倍以下であり、3.0倍以下であるとより好ましい。
上記の如く一段目の横方向に延伸する際に延伸温度が70℃より低いと、破断が生じ、生産性を悪化する。延伸温度が135℃より高いと、幅方向の厚みムラが大きくなり、次工程の熱処理ゾーンで幅方向で厚みが高い箇所と薄い箇所で収縮ムラが生じ、厚みの薄い箇所が白っぽくなり外観が悪くなる。また横方向の厚みも悪くなる。また、一段目の横延伸倍率が2倍より低いと、幅方向の配向が不十分であり、中間熱処理後の二段目の横延伸での延伸応力が小さくなり、所定の最大熱収縮応力を得ることができない。一段目の横倍率が3.2倍より高いと、幅方向の配向が大きくなりすぎ、中間熱処理後の二段目の横延伸で破断が多くなる。
(3)一段目の横延伸後における中間熱処理
上述の如く、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させるためには、長手方向に配向した分子を熱緩和させることが好ましいが、従来、フィルムの二軸延伸において、一軸目の延伸と二軸目の延伸との間において、高温の熱処理をフィルムに施すと、熱処理後のフィルムが結晶化してしまうため、それ以上延伸することができない、というのが業界での技術常識であった。しかしながら、本発明者らが試行錯誤した結果、縦−横延伸法において、ある一定の条件で縦延伸を行い、その縦延伸後のフィルムの状態に合わせて中間熱処理を所定の条件で行い、さらに、その中間熱処理後のフィルムの状態に合わせて所定の条件で横延伸を施すことによって、横延伸時に破断を起こさせることなく、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させ得る、という驚くべき事実が判明した。
すなわち、本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、未延伸フィルムを縦延伸し横延伸した後に、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、130℃以上190℃以下の温度で5秒以上30秒以下の時間にわたって熱処理(以下、中間熱処理という)することが必要である。かかる中間熱処理を行うことによって、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させることが可能となり、ひいては、ラベルとした場合にミシン目開封性が良好で収縮斑が生じないフィルムを得ることが可能となる。なお、どのような縦延伸を行った場合でも、“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させることが可能となるわけではなく、前述した所定の縦延伸を実施することによって、中間熱処理後に、初めて“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”をフィルム内に存在させることが可能となる。そして、後述する所定の自然冷却、強制冷却、横延伸(二段目の横延伸)を施すことによって、フィルム内に形成された“長手方向に配向しつつ収縮力に寄与しない分子”を保持したまま、幅方向へ分子を配向させて幅方向への収縮力を発現させることが可能となる。
なお、中間熱処理の温度の下限は、135℃以上であると好ましく、140℃以上であるとより好ましい。また、中間熱処理の温度の上限は、180℃以下であると好ましく、170℃以下であるとより好ましい。一方、中間熱処理の時間は、5秒以上30秒以下の範囲内で原料組成に応じて適宜調整する必要があり、10秒以上25秒以下の範囲内で調整するのが好ましい。
上記の如く中間熱処理する際に、処理温度を130℃以上に保つことにより、長手方向へ収縮する応力を低減することが可能となり、長手方向の収縮率を極めて低くすることが可能となる。また、中間熱処理の温度を190℃以下にコントロールすることによって、横方向の収縮率のバラツキを低減することが可能となる。
また、中間熱処理の温度を190℃以下にコントロールすることによって、フィルム収縮斑の発生に起因するフィルムの破断を抑えて、良好なスリット性を保つことが可能となる。加えて、中間熱処理の温度を190℃以下にコントロールすることによって、フィルムが結晶化することに起因して高くなるフィルムのヘイズを低く抑えることが可能となる。
(4)中間熱処理と横延伸(二段目の横延伸)との間における自然冷却(加熱の遮断)
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、上記の如く、縦延伸後に中間熱処理を施す必要があるが、その中間熱処理と横延伸との間において、0.5秒以上3.0秒以下の時間にわたって、積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンを通過させる必要がある。すなわち、横延伸用のテンターの横延伸ゾーンの前方に中間ゾーンを設けておき、縦延伸後のフィルムをテンターに導き、所定時間をかけて当該中間ゾーンを通過させた後に、横延伸を実施するのが好ましい。加えて、その中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、フィルムの流れに伴う随伴流および冷却ゾーンからの熱風を遮断するのが好ましい。なお、中間ゾーンを通過させる時間が0.5秒を下回ると、横延伸が高温延伸となり、横方向の収縮率を十分に高くすることができなくなるので好ましくない。反対に中間ゾーンを通過させる時間は3.0秒もあれば十分であり、それ以上の長さに設定しても、設備のムダとなるので好ましくない。なお、中間ゾーンを通過させる時間の下限は、0.7秒以上であると好ましく、0.9秒以上であるとより好ましい。また、中間ゾーンを通過させる時間の上限は、2.8秒以下であると好ましく、2.6秒以下であるとより好ましい。
(5)自然冷却後のフィルムの強制冷却
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、上記の如く自然冷却したフィルムをそのまま横延伸するのではなく、フィルムの温度が80℃以上120℃以下となるように積極的に冷却することが必要である。かかる強制冷却処理を施すことによって、二段目の横延伸における延伸応力が高くなり、フィルムの熱収縮応力が高くなると共に、ラベルとした際の補強効果を上げることが可能となる。なお、強制冷却後のフィルムの温度の下限は、85℃以上であると好ましく、90℃以上であるとより好ましい。また、強制冷却後のフィルムの温度の上限は、115℃以下であると好ましく、110℃以下であるとより好ましい。
上記の如くフィルムを強制冷却する際に、強制冷却後のフィルムの温度が120℃を上回ったままであると、フィルムの幅方向の収縮応力が低くなってしまい、ラベルとする際の収縮速度が不十分となってしまうが、冷却後のフィルムの温度が120℃以下となるようにコントロールすることによって、フィルムの幅方向の収縮応力を高くすることが可能となる。
また、フィルムを強制冷却する際に、強制冷却後のフィルムの温度が120℃を上回ったままであると、冷却後に行う横延伸の応力が小さくなり、幅方向の厚み斑が大きくなり易い傾向にあるが、冷却後のフィルムの温度が120℃以下となるような強制冷却を施すことによって、冷却後に行う横延伸の応力を高めて、幅方向の厚み斑を小さくすることが可能となる。
さらに、フィルムを強制冷却する際に、強制冷却後のフィルムの温度が80℃を下回ったままであると、フィルムの破断が生じ易くなってしまうが、冷却後のフィルムの温度が80℃以上となるような強制冷却を施すことによって、フィルムの破断を抑えることが可能となる。
(6)二段目の横延伸条件の制御
本発明の縦−横延伸法によるフィルムの製造においては、縦延伸、一段目の横延伸、中間熱処理、自然冷却、強制冷却後のフィルムを所定の条件で横延伸(二段目の横延伸)して最終的な熱処理を行う必要がある。すなわち、横延伸は、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で、(Tg+30℃)以上(Tg+55℃)以下、例えば95℃以上120℃以下の温度で1.5倍以上2.0倍以下の倍率となるように行う必要がある。かかる所定条件で二段目の横延伸を施すことによって、幅方向に良好な熱収縮率と熱収縮応力を満たすフィルムを得ることが可能となる。なお、二段目の横延伸の温度の下限は、98℃以上であると好ましく、101℃以上であるとより好ましい。また、二段目の横延伸の温度の上限は、117℃以下であると好ましく、114℃以下であるとより好ましい。一方、二段目の横延伸の倍率の下限は、1.6倍以上であると好ましく、1.7倍以上であるとより好ましい。また、二段目の横延伸の倍率の上限は、1.9倍以下であると好ましく、1.8倍以下であるとより好ましい。
また、延伸温度が120℃を上回ると、延伸応力が小さくなり最大熱収縮応力が小さくなる。延伸温度を120℃以下にコントロールすることによって、幅方向の収縮応力を高く保持することが可能となる。
また、延伸温度が120℃を上回ると、幅方向の厚み斑が大きくなり易い傾向にあるが、延伸温度を120℃以下にコントロールすることによって、幅方向の厚み斑を小さくすることができる。
一方、延伸温度が95℃を下回ると、幅方向への配向が高くなりすぎて、二段目の横延伸時に破断し易くなったり、二軸延伸後のフィルムを最終的にロールに巻き取る際のスリット性が悪くなったりするが、延伸温度を95℃以上にコントロールすることによって、二段目の横延伸時における破断を低減し、巻き取り時のスリット性を改善することが可能となる。
また、二段目の横延伸倍率が2倍を上回ると、フィルム幅方向の収縮率が高くなる。95℃・10秒のフィルム熱収縮率が50%を超えると、所定の収縮率にする為にテンター内での最終熱処理温度を高くする必要がある。そのようにすると幅方向の収縮応力が小さくなり好ましくない。従って、延伸倍率によって所定の収縮率に近似させることが好ましい。
一方、二段目の横延伸倍率が1.5倍を下回ると、所定の収縮率に未達になり好ましくない。
横延伸後のフィルムは、テンター内で幅方向の両端際をグリップで把持した状態で、80℃以上130℃以下の温度で1.0秒以上9.0秒以下の時間にわたって最終的に熱処理されることが必要である。温度が130℃より高いと、幅方向の収縮率や収縮応力が低下して好ましくない。また80℃より低いと、幅方向へ充分に弛緩できず、最終的な製品を常温下で保管した時に、経時で幅方向の収縮(いわゆる自然収縮)が大きくなり好ましくない。また熱処理時間が1.0秒未満であると、熱処理が不十分になるおそれがあり好ましくない。また、9.0秒を超えると、設備が巨大化するので好ましくない。
[製造工程の相互作用がフィルム特性に与える影響]
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムの製造に当たっては、縦延伸工程、一段目の横延伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制冷却工程、二段目の横延伸工程のうちのいずれかの工程のみが、単独でフィルムの特性を良好なものとすることができるものではなく、縦延伸工程、一段目の横延伸工程、中間熱処理工程、自然冷却工程、強制冷却工程、二段目の横延伸工程のすべてを所定の条件にて行うことにより、非常に効率的にフィルムの特性を良好なものとすることが可能となる。また、フィルムの特性の中でも、熱収縮率、収縮応力、長手方向の直角引裂強度、長手方向の引張破壊強さといった重要な特性は、特定の複数の工程同士の相互作用によって大きく数値が変動する。
したがって、熱収縮性ポリエステル系フィルムの熱収縮率、熱収縮応力、熱収縮率と10%熱収縮させたフィルムの熱収縮率差、長手方向の直角引裂強度、引張破壊強さを本発明の範囲内に調整するためには、上記した工程同士の相互作用を考慮しつつ、上記(1)〜(6)のようなデリケートな条件調整が必要となる。
本発明の包装体は、上述の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とし、その基材にミシン目あるいは一対のノッチが設けられたラベルを、包装対象物の少なくとも外周の一部に被覆して熱収縮させて形成されるものである。包装対象物としては、飲料用のペットボトルをはじめ、各種の瓶、缶、菓子や弁当等のプラスチック容器、紙製の箱等を挙げることができる。なお、通常、それらの包装対象物に、熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とするラベルを熱収縮させて被覆させる場合には、当該ラベルを約2〜10%程度熱収縮させて包装体に密着させる。なお、包装対象物に被覆されるラベルには、印刷が施されていても良いし、印刷が施されていなくても良い。
ラベルを作成する方法としては、長方形状のフィルムの片面の端部から少し内側に有機溶剤を塗布し、直ちにフィルムを丸めて端部を重ね合わせて接着してラベル状にするか、あるいは、ロール状に巻き取ったフィルムの片面の端部から少し内側に有機溶剤を塗布し、直ちにフィルムを丸めて端部を重ね合わせて接着して、チューブ状体としたものをカットしてラベル状とする。接着用の有機溶剤としては、1,3−ジオキソランあるいはテトラヒドロフラン等の環状エーテル類が好ましい。この他、ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素やフェノール等のフェノール類あるいはこれらの混合物が使用できる。
次に、実施例及び比較例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明は、かかる実施例の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。なお、フィルムの評価方法を以下に示す。
[熱収縮率(温湯熱収縮率)]
フィルムを10cm×10cmの正方形に裁断し、所定温度±0.5℃の温水中において、無荷重状態で10秒間処理して熱収縮させた後、フィルムの縦および横方向の寸法を測定し、下記式にしたがって、それぞれ熱収縮率を求めた。当該熱収縮率の大きい方向を主収縮方向とした。
熱収縮率={(収縮前の長さ−収縮後の長さ)/収縮前の長さ}×100(%)
[最大熱収縮応力]
(1)熱収縮性ポリエステル系フィルムから、最大収縮方向の長さが200mm、幅20mmの試験片を切り出す。
(2)熱風式加熱炉を備えた引張試験機(例えば、東洋精機製「テンシロン」)の加熱炉内を90℃に加熱する。
(3)送風を止め、加熱炉内に試験片をセットする。チャック間距離は100mm(一定)とし、試験片のチャック間長さと、チャック間距離が、1:1となるように、試験片をセットする。
(4)加熱炉の扉を速やかに閉めて、送風(温度90℃、吹き出し速度5m/秒の熱風)を再開する。試験片の熱収縮応力を検出・測定する。
(5)チャートから最大値を読み取り、これを最大熱収縮応力値(MPa)とする。
[熱収縮率差]
熱収縮前のフィルムについて上記と同じ方法で95℃の条件で測定した幅方向の熱収縮率をX(%)とし、熱収縮前のフィルムを一旦80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後に、上記と同じ方法で95℃の条件で測定した幅方向の熱収縮率をX10(%)としたとき、熱収縮率差Δ(%)をΔ=X−X10(%)の式より計算する。
[直角引裂強度]
所定の長さを有する短形状の枠にフィルムを予め弛ませた状態で装着する(すなわち、フィルム両端を枠によって把持する)。そして、弛んだフィルムが枠内で緊張状態となるまで(弛みがなくなるまで)、約5秒間にわたって80℃の温水に浸漬させることによって、フィルムを幅方向に10%収縮させる。その後、JIS−K−7128に準じて図1に示す形状にサンプリングすることによって試験片を作成する(なお、サンプリングにおいては、試験片の引裂く方向を長手方向とする)。その後、万能引張試験機で試験片の両端を掴み、引張速度200mm/分の条件で、フィルムの長手方向における引張破壊時の強度の測定を行う。そして、下記式を用いて単位厚み当たりの直角引裂強度を算出する。
直角引裂強度=引張破壊時の強度÷厚み
[Tg(ガラス転移点)]
セイコー電子工業株式会社製の示差走査熱量計(型式:DSC220)を用いて、未延伸フィルム5mgを、−40℃から120℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、得られた吸熱曲線より求めた。吸熱曲線の変曲点の前後に接線を引き、その交点をTg(ガラス転移点)とした。
[屈折率]
アタゴ社製の「アッベ屈折計4T型」を用いて、各試料フィルムを23℃、65%RHの雰囲気中で2時間以上放置した後に測定した。
[ラベルでの収縮歪み]
熱収縮性フィルムに、両端部をジオキソランで接着することにより、円筒状のラベル(熱収縮性フィルムの主収縮方向を周方向としたラベル)を作成した。しかる後、Fuji Astec Inc製スチームトンネル(型式;SH−1500−L)を用い、通過時間2秒、ゾーン温度80℃で、500mlのPETボトル(胴直径62mm、胴巻部のみに装着)に4%熱収縮させることにより、ラベルを装着した。なお、収縮後の仕上がり性の評価として、装着されたラベル上部の360度方向の歪みをゲージを使用して測定を行い、歪みの最大値を求めた。その時、以下の基準に従って評価した。
○:最大歪み 2.5mm未満
×:最大歪み 2.5mm以上
[ラベルシワ]
上記した収縮仕上り性の測定条件と同一の条件でラベルを装着した。そして、装着したラベルのシワの数と大きさで評価を行った。
〇:シワの数が2つ以下かつ5mmより大きいシワが無し
×:シワの数が3つ以上又は5mmより大きいシワが1つ以上
[ミシン目開封性]
予め主収縮方向とは直向する方向にミシン目を入れておいたラベルを、上記した収縮仕上り性の測定条件と同一の条件でPETボトルに装着した。ただし、ミシン目は、長さ1mmの孔を1mm間隔で入れることによって形成し、ラベルの縦方向(高さ方向)に幅22mm、長さ120mmにわたって2本設けた。その後、このボトルに水を500ml充填し、5℃に冷蔵し、冷蔵庫から取り出した直後のボトルのラベルのミシン目を指先で引裂き、縦方向にミシン目に沿って綺麗に裂け、ラベルをボトルから外すことができた本数を数え、全サンプル50本から前記の本数を差し引いて、ミシン目開封不良率(%)を算出した。
[ボトル径変化率]
ラベル被覆ボトルの側面中央部に、東洋精機社製「ストログラフV10−C」を用いて圧縮モードで15kgの荷重を掛けたときのボトル中央部の径(W)を測定し、下記式に従ってボトル径変化率(%)を求める。
ボトル径変化率(%)=100×(W−W)/W
ここで、Wは、荷重を掛ける前のボトル中央部の径である。
以下の基準で評価した。
〇:ボトル径変化率7%未満
×:ボトル径変化率7%以上
次に、実施例、比較例で使用したポリエステル原料の組成、実施例、比較例におけるフィルムの樹脂組成と製造条件(延伸・熱処理条件等)を、それぞれ表1、表2に示す。
Figure 0005278821
Figure 0005278821
<ポリエステル原料の調製>
撹拌機、温度計及び部分環流式冷却器を備えたステンレススチール製オートクレーブに、二塩基酸成分としてジメチルテレフタレート(DMT)100モル%と、グリコール成分としてエチレングリコール(EG)100モル%とを、グリコールがモル比でメチルエステルの2.2倍になるように仕込み、エステル交換触媒として酢酸亜鉛を0.05モル%(酸成分に対して)用いて、生成するメタノールを系外へ留去しながらエステル交換反応を行った。その後、重縮合触媒として三酸化アンチモン0.025モル%(酸成分に対して)を添加し、280℃で26.6Pa(0.2トール)の減圧条件下、重縮合反応を行い、固有粘度0.70dl/gのポリエステル(A)を得た。このポリエステルはポリエチレンテレフタレートである。なお、上記ポリエステル(A)の製造の際には、滑剤としてSiO(富士シリシア社製サイリシア266)をポリエステルに対して8,000ppmの割合で添加した。また、上記と同様な方法により、表1に示すポリエステル(A2,B,C,D)を合成した。なお、表中、NPGはネオペンチルグリコール、CHDMは1,4−シクロヘキサンジメタノール、BDは1,4−ブタンジオールである。ポリエステルA2,B,C,Dの固有粘度は、それぞれ、0.70dl/g、0.72dl/g、0.80dl/g、1.15dl/gであった。なお、各ポリエステルは、適宜チップ状にした。
[実施例1]
上記したポリエステルAとポリエステルA2とポリエステルBとポリエステルDとを重量比10:20:60:10で混合して押出機に投入した。しかる後、その混合樹脂を280℃で溶融させてTダイから押出し、表面温度30℃に冷却された回転する金属ロールに巻き付けて急冷することにより、厚さが433μmの未延伸フィルムを得た。このときの未延伸フィルムの引取速度(金属ロールの回転速度)は、約20m/minであった。また、未延伸フィルムのTgは67℃であった。
そして、上記の如く得られた未延伸フィルムを、複数のロール群を連続的に配置した縦延伸機へ導き、ロールの回転速度差を利用して、縦方向に二段階で延伸した。すなわち、未延伸フィルムを、予熱ロール上でフィルム温度が78℃になるまで予備加熱した後に、表面温度78℃に設定された低速回転ロールと表面温度78℃に設定された中速回転ロールとの間で回転速度差を利用して2.6倍に延伸した(1段目の縦延伸)。さらに、その縦延伸したフィルムを、表面温度95℃に設定された中速回転ロールと表面温度30℃に設定された高速回転ロールとの間で回転速度差を利用して1.4倍に縦延伸した(2段目の縦延伸)(したがって、トータルの縦延伸倍率は、3.64倍であった)。
上記の如く縦延伸直後のフィルムを、表面温度30℃に設定された冷却ロール(二段目の縦延伸ロールの直後に位置した高速ロール)によって、40℃/秒の冷却速度で強制的に冷却した後に、冷却後のフィルムをテンターに導き、予熱ゾーン、第一横延伸ゾーン、中間熱処理ゾーン、中間ゾーン(自然冷却ゾーン)、冷却ゾーン(強制冷却ゾーン)、第二横延伸ゾーン、最終熱処理ゾーンを連続的に通過させた。なお、中間ゾーンにおいては、フィルムを通過させていない状態で短冊状の紙片を垂らしたときに、その紙片がほぼ完全に鉛直方向に垂れ下がるように、中間熱処理ゾーンからの熱風、冷却ゾーンからの冷却風および横延伸ゾーンからの熱風を遮断した。
そして、テンターに導かれた縦延伸フィルムを、まず、予熱ゾーンにおいて、100℃の温度で10秒間にわたって熱処理した後に、80℃の温度で冷却しながら2.2倍延伸した。その後、中間熱処理ゾーンで145℃に加熱しながら15秒で通過させた。しかる後に、自然冷却後のフィルムを冷却ゾーンに導き、フィルムの表面温度が100℃になるまで強制冷却した。該フィルムを第二横延伸ゾーンで105℃の温度で幅方向(横方向)に1.8倍に延伸した。(したがって、トータルの横延伸倍率は、3.96倍であった)
しかる後、その横延伸後のフィルムを幅方向の両端際をクリップによって把持した状態でテンター内の最終熱処理ゾーンに導き、当該最終熱処理ゾーンにおいて、100℃の温度で5秒間にわたって熱処理した後に冷却し、両縁部を裁断除去して幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、好ましい熱収縮特性、好ましいカット性と容器補強効果で総合的に大変好ましいものであった。
[実施例2]
実施例1で原料Bを原料Cに入れ替えた。未延伸フィルムのTgは67℃であった。それ以外は、実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、好ましい熱収縮特性、好ましいカット性と容器補強効果で総合的に大変好ましいものであった。
[実施例3]
実施例1と同じ樹脂組成で、厚み460μmの未延伸フィルムを得た。それを横延伸工程の1段目の延伸倍率を2.8倍と実施例1より高く、2段目の延伸倍率を1.5倍と実施例1より低くしてTotalの横延伸倍率を4.20倍と実施例1より高くした以外は、実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、好ましい熱収縮特性、好ましいカット性と容器補強効果で総合的に大変好ましいものであった。
[実施例4]
実施例1と同じ樹脂組成で、厚み480μmの未延伸フィルムを得た。それを横延伸工程の2段目の延伸倍率を2.0倍と実施例1より高くしてTotalの横延伸倍率を4.40倍と実施例1より高くし、横延伸工程の2段目の延伸温度を115℃と実施例1より高くした以外は、実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、好ましい熱収縮特性、好ましいカット性と容器補強効果で総合的に大変好ましいものであった。
[実施例5]
実施例1と同じ樹脂組成で、厚み464μmの未延伸フィルムを得た。それを縦延伸工程の1段目の延伸倍率を3.0倍と実施例1より高く、2段目の延伸倍率を1.3倍と実施例1の延伸倍率より低くし、Totalの縦延伸倍率を3.90倍と実施例1より高くし、横延伸横工程の中間熱処理温度を155℃、2段目延伸温度を115℃と実施例1より高くした以外は、実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、好ましい熱収縮特性、好ましいカット性と容器補強効果で総合的に大変好ましいものであった。
[比較例1]
ポリエステルAとポリエステルA2とポリエステルBとポリエステルDとを重量比10:50:30:10で混合した。未延伸フィルムのTgは67℃であった。横延伸工程での2段目の延伸温度を125℃と実施例1より高くした以外は、実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、幅方向の熱収率や熱収縮応力が低く、PETボトルにラベルとして装着させる際にたるんでしまい、ラベルとして不適切なフィルムであった。
[比較例2]
実施例1と同じ原料組成で、厚み120μmの未延伸フィルムを得た。縦延伸しないで横方向に75℃で4倍延伸し、130℃の温度で5秒間にわたって熱処理した後に冷却し、両縁部を裁断除去して幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた一軸延伸フィルムは、幅方向の収縮応力が低く、熱収縮率差が高くてボトル径変化率が大きいものであった。また、直角引裂強度も高く、ミシン目開封率が悪い結果となった。
[比較例3]
ポリエステルAとポリエステルA2とポリエステルBとポリエステルDとを重量比10:10:70:10で混合した。未延伸フィルムのTgは67℃で、厚みは426μmであった。横延伸工程での1段目の延伸倍率を1.5倍と実施例1より低く、2段目の延伸倍率を2.6倍と実施例1より高くし、Totalの延伸倍率3.90倍と実施例1より低くし、横延伸工程での2段目の延伸温度を100℃と実施例1より低くした以外は、実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、幅方向の収縮応力が低く、熱収縮率差が高くてボトル径変化率が大きいものであった。
[比較例4]
ポリエステルAとポリエステルA2とポリエステルBとポリエステルDとを重量比10:10:70:10で混合した。未延伸フィルムのTgは67℃で、厚みは426μmであった。横延伸工程での1段目の延伸倍率を1.5倍と実施例1より低く、2段目の延伸倍率を2.6倍と実施例1より高くし、Totalの延伸倍率3.90倍と実施例1より低くし、横延伸工程での2段目の延伸温度を100℃と実施例1より低く、最終熱処理温度を135℃とした以外は 実施例1と同様な条件で製膜し、幅400mmでロール状に巻き取ることによって、約30μmの二軸延伸フィルムを所定の長さにわたって連続的に製造した。そして、得られたフィルムの特性を上記した方法によって評価した。評価結果を表3に示す。得られた二軸延伸フィルムは、幅方向の収縮応力が低く、熱収縮率差が高くてボトル径変化率が大きいものであった。
実施例、比較例の評価結果を表3に示す。
Figure 0005278821
本発明の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、上記の如く優れた加工特性を有しているので、ボトル等のラベル用途に好適に用いることができる。特に高い収縮率を要しない包装体に対して、美麗な外観を有するものである。

Claims (6)

  1. エチレンテレフタレートを50モル%以上含有し、全ポリエステル系樹脂成分中において非晶質成分となりうる1種以上のモノマー成分を13モル%以上含有しているポリエステル系樹脂からなり、かつ下記(1)〜(3)の要件を満たすことを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム:
    (1)95℃の温水中で10秒間にわたって処理した場合におけるフィルム幅方向及び長手方向の温湯熱収縮率がそれぞれ25%以上40%以下、0%以上15%以下である;
    (2)90℃におけるフィルム幅方向の最大熱収縮応力が8MPa以上20MPa以下である;
    (3)95℃の温水中でのフィルム幅方向の温湯熱収縮率をX(%)とし、80℃の温水中での幅方向の温湯熱収縮率10%と、80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後に生成するフィルムの95℃の温水中での幅方向の温湯熱収縮率との合計の温湯熱収縮率をX10(%)とするとき、熱収縮率差Δ(=X−X10)(%)が10%以上20%以下である。
  2. 80℃の温水中で幅方向に10%収縮させた後の単位厚み当たりの長手方向の直角引裂強度が170N/mm以上310N/mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  3. 長手方向の引張破壊強さが90MPa以上300MPa以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  4. 全ポリステル樹脂成分中における非晶質成分となりうるモノマーの主成分が、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソフタル酸のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを連続的に製造するための製造方法であって、下記(a)〜(g)の各工程を含むことを特徴とする製造方法:
    (a)未延伸ポリエステル系フィルムを、Tg以上(Tg+30℃)以下の温度で長手方向に2.2倍以上3.0倍以下の倍率で延伸した後、(Tg+10℃)以上(Tg+40℃)以下の温度で長手方向に1.2倍以上1.5倍以下の倍率で延伸することにより、トータルで2.8倍以上4.5倍以下の倍率となるように縦延伸する縦延伸工程;
    (b)縦延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で幅方向に2倍以上3.2倍以下の倍率で延伸する第一横延伸工程;
    (c)第一横延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で130℃以上190℃以下の温度で5秒以上30秒以下の時間にわたって熱処理する中間熱処理工程;
    (d)中間熱処理後のフィルムを、各工程の加熱ゾーンから遮断されかつ積極的な加熱操作を実行しない中間ゾーンに通過させることによって自然に冷却する自然冷却工程;
    (e)自然冷却後のフィルムを、表面温度が80℃以上120℃以下の温度となるまで積極的に冷却する強制冷却工程;
    (f)強制冷却後のフィルムを、(Tg+30℃)以上(Tg+55℃)以下の温度で幅方向に1.5倍以上2.0倍以下の倍率で延伸する第二横延伸工程;
    (g)第二横延伸後のフィルムを、テンター内で幅方向の両端際をクリップによって把持した状態で80℃以上130℃以下の温度で1.0秒以上9.0秒以下の時間にわたって熱処理する最終熱処理工程。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムを基材とし、その基材にミシン目あるいは一対のノッチが設けられたラベルを、包装対象物の少なくとも外周の一部に被覆して熱収縮させて形成されることを特徴とする包装体。
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