JP5275322B2 - 骨プレート - Google Patents

Description

本発明は、特許請求の範囲第１項の前文に記載の骨プレートに関する。

かかる骨プレートは、全骨格における適応に適している。しかし特に有意義であるのは、外科的骨折治療の適応の従来の大骨折および小骨折である。
特許文献１により一般的な骨プレートが周知である。骨プレートに対する骨ネジの傾斜角およびその角度安定固定は、この周知の装置の場合、ネジ頭とプレート穴との間に配置されたリングによって影響される。この構造における不利点は、一方では、追加の構造部品（リング）による費用がかかる製造、きわめて小さなリングがプレート穴から落下、または押し出され、これが装置を使用不能にしてしまう危険性、他方では、リングがネジの挿入前に軸に対応して配置される必要があるため、手間がかかる手術手技である。

ドイツ特許第Ａ−１９８３２５１３号明細書

この点で本発明は改善を提供する。本発明の課題は、従来のヘッドロックネジを追加の構造部品なしに角度および軸に関して安定するように受入れ可能である骨プレートを提供することである。

本発明は、請求項１の特徴を有する骨プレートで上記課題を解決する。

本発明によって達成される利点は、本発明による骨プレートにより、骨ネジが所定の（通常はプレート平面上に直交に位置する）穴軸から偏向する角度でも挿入され、かつこの位置でロックされうるが、それによって周知の装置の場合のように安定性を大きく失うことがない点に実質的に確認される。
プレート穴の内側カバー面（内側表面領域）における少なくとも３個の凹みによって、骨ネジが傾斜状態でもネジ頭のためのセンタリング支持が生じ、これにより均一の負荷配分がもたらされる。ヘッドネジを有する骨ネジおよび雌ネジを有するプレート穴において、ヘッドネジは―ネジが傾斜状態では―プレート穴における凹みよって中断されるネジ山を「飛び越える」が、それに交わることはない。
本発明による骨プレートの別の利点は、プレート穴における少なくとも３個の凹みがドリルまたはガイドブッシュのガイドに使用される可能性であり、これらによって骨ネジは挿入に際してガイドされうる。この場合、ドリルまたはガイドブッシュは―従来技術の場合のように―プレート穴へネジ込まれる必要はなく、凹みにより、プレート穴へただ挿入することができ、これにより簡単な方法で穴軸の中心と方向が生じる。さらに、挿入されるドリルまたはガイドブッシュはその先端でプレート穴の形状の負の形を有するだけでよく、何らかのネジ、またはその他の同様に作用する構造物を必要としない。必要に応じて、スナップ機構も結合されうる。

本発明の別の有利な実施形態は従属クレームに特徴づけられている。
特定の実施形態においては、プレート穴の内側カバー面には三次元構造が備えられている。これは対応する構造化ヘッドネジのガイドに役立つ。三次元構造は巨視的であり、かつ好ましくは、部分的または完全なネジ山、リブ、または***から成る。内側カバー面は、多条ネジも支えうる。
Ｎ個の凹みによって形成されるＮ個の「穴リブ」の上面形状は、この場合、挿入される骨ネジとの適合性が促進されるように形成されることが好ましい。これは従来のらせん形のネジの形、***の有無によるネジ状の形、または一定数の溝もしくはリブでありうるし、または***の有無による準ネジでもありうる。溝またはリブの数は、好ましくは、つねに奇数である（例えば、３、５、７、または９）。
内側カバー面は、凹面、好ましくは、球形、円錐形、または楕円形に構成されうる。この形は、骨ネジの内側カバー面との最初の接触に際して、従来技術による装置において部分的に該当するように、あらかじめ骨プレートを介して骨へ圧縮力をかけることなく骨ネジが自動的にプレート穴へ引き込まれることによって骨ネジの進入に有利である。

別の実施形態においては、プレート穴の少なくとも１つは長穴として構成されている。
Ｎ個の凹みは、それぞれ中心軸から見て３６０°／Ｎの間隔で配置されている。凹みは、好ましくは、少なくとも１°、最高でも１１９°の周辺の拡張部を有する。この場合、凹みは、内側カバー面をＮ個のカバー面部分へ分ける。
特定の実施形態においては、凹みは内側カバー面の範囲のみにある。他の実施形態においては、凹みは半径方向に穴軸から内側カバー面の範囲にわたって延在する。
凹みは、上面から下面まで円筒形または円錐形に延在しうる。それによって、凹みがキルシュナーワイヤの予備穴あけまたは挿入のためのドリルブッシュの固定に使用されうる利点が生じる。したがって、ドリルブッシュはプレート穴へネジ込まれる必要なく、挿入されるだけでよく、この場合にネジ支持部を損傷することがない。

凹みは、骨プレートの全高にわたって上面から下面まで延在しうる。
骨プレートは、銅もしくはチタンまたはプラスチックからも成りうる。プラスチックプレートの場合、かかる骨プレートは、４０−７０％の破断伸びおよび３０００−６０００Ｎ／ｍｍ２の弾性モジュールを有するポリアクリルエーテルケトン（ＰＥＡＫ）またはポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）製であることが好ましい。しかし、８０−１２０％の破断伸びおよび２０００−３５００Ｎ／ｍｍ２の弾性モジュールを有するポリスルホンが使用されうる。さらに、１．５−２．５％の破断伸びおよび５０００−２０’０００Ｎ／ｍｍ２の弾性モジュールを有する液晶ポリマー（ＬＣＰ）も適している。最後に、１０−５０％の破断伸びおよび２０００−３’５００Ｎ／ｍｍ２の弾性モジュールを有するポリオキシメチレン（ＰＯＭ）、かつ０．２−１．０％の破断伸びおよび１２０００−２０’０００Ｎ／ｍｍ２の弾性モジュールを有するポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）も使用されうる。

骨プレートとともにさまざまな種類の骨ネジが使用されうる。例えば、かかる骨ネジは凸面、好ましくは、球形、または円錐形を有する。骨ネジの頭部は三次元構造も有しうる。特殊な実施形態においては、骨ネジの頭部は骨プレートの内側カバー面よりも硬い材料で製造されている。好ましくは、骨プレートの内側カバー面および骨ネジの頭部は互いに位置合わせしたネジを有する。
プラスチックプレートにおいては、プレート穴は金属のネジインサートとしても構成されうる。反対に、金属の骨プレートにおいては、プレート穴はポリマーのネジインサートとして構成されうる。

円錐形のプレート穴を有する骨プレートを示す縦断面図である。 球状のプレート穴を有する骨プレートを示す縦断面図である。 プレート穴の内側カバー面における３個の凹みを有する骨プレートを示す図である。 プレート穴の内側カバー面におけるより強い凹みを有する図３による骨プレートの変型である。 内側カバー面において楕円系に構成されたプレート穴の４つの凹みを有するネジインサートを有する骨プレートを示す図である。 挿入された骨ネジを有する上から見た図１による骨プレートを示す斜視図である。 挿入された骨ネジを有する下から見た図１による骨プレートを示す斜視図である。 傾斜なしに挿入された骨ネジを有する骨プレートを示す縦断面図である。 傾斜して挿入された骨ネジを有する骨プレートを示す縦断面図である。

図１および３に示されている骨プレート１は、骨側下面２と、上面８と、中央穴軸５を有する下面２を上面８と結合させる複数のプレート穴３とを有する。プレート穴３は、下面２に向かって円錐状に先細になる内側カバー面４を有する。さらに、内側カバー面４は、穴軸５から半径方向に延在する３個の凹み６を通常１２０°の間隔で有する。その周辺拡張部は約４０°であり、これらは内側カバー面４の範囲のみにある。凹み６は、骨プレート１の全高にわたって上面８から下面２まで円錐状に延在する。さらに、内側カバー面４にはネジの形で三次元構造７が備えられている。

図４においては、図３による実施例の変型が示されており、ここでは凹みが穴軸から半径方向に内側カバー面の範囲にわたって延在する。
図２および５においては、さらに別の実施形態が示されており、ここではプレート穴３が長穴として構成されている。骨プレートは、主にプラスチック（ＰＥＥＫ）から成り、その中に挿入されるチタン製の金属のネジインサート９を有し、これらがプレート穴３を形成する。プレート穴３は、この実施形態では４個の凹みを有し、これらは半径方向に穴軸５から内側カバー面４の範囲にわたって延在する。内側カバー面４は、４つのカバー面部分に分けられる。凹みは骨プレート１の全高にわたって上面８から下面２まで円錐状に延在する。さらに、内側カバー面４には多条ネジの形で三次元構造７が備えられている。この実施形態は、骨プレートが主に金属（チタン）から成り、その中に挿入されるプラスチック（ＰＥＥＫ）製のネジインサート９を有し、これらがプレート穴３を形成することによって材料的に逆転されうる。

図６においては、上部から挿入された、その頭部１１が球形に構成されている骨ネジ１０を有する図１による骨プレートが示されている。図７は、下部から見た同一の骨プレート１を示す。
図８においては、その中に傾斜なしに挿入された骨ネジ１０を有する骨プレート１が示されている。骨プレート１のプレート穴の内側カバー面４および骨ネジ１０の頭部１１は、互いに位置合わせしたネジ山１３を有する。
図９においては、図８と同様の変型が示されているが、ここでは骨ネジ１０は傾斜している。

１ 骨プレート ２ 骨側下面 ３ プレート穴
４ 内側カバー面 ５ 穴軸 ６ 凹み
７ 三次元構造 ８ 上面 ９ ネジインサート
１０ 骨ネジ １１ 頭部 １３ ネジ山

Claims (11)

1. 骨側の下面（２）と、上面（８）と、前記下面（２）と前記上面（８）を接続する複数のプレート穴（３）と、を有し、
   前記プレート穴（３）は、それぞれ中央穴軸（５）と、前記下面（２）に向かって狭くなる内側表面領域（４）と、ネジ山と、を有し、
   ここにおいて前記内側表面領域（４）が、前記ネジ山を中断する、前記穴軸（５）から半径方向外側に延在する、３つ以上の凹み（６）を有する、
   骨プレート（１）において、
   前記ネジ山は前記プレート穴（３）に設けられ、そして前記凹み（６）はそれぞれ前記ネジ山を中断し、
   挿入されたヘッドロックネジの頭部のネジ山は、前記ヘッドロックネジの斜めの姿勢によって、前記凹み（６）により中断される前記プレート穴（３）のネジ山を、前記プレート穴（３）のネジ山に重なることなく飛び越える、
   ことを特徴とする骨プレート（１）。
2. 前記内側表面領域（４）が凹面、球状、円錐形、または楕円形に構成される、ことを特徴とする請求項１に記載の骨プレート（１）。
3. Ｎ個の前記凹み（６）がそれぞれ前記中央穴軸（５）から見て３６０°／Ｎの間隔で配置されていることを特徴とする請求項１または２に記載の骨プレート（１）。
4. 前記凹み（６）が前記内側表面領域（４）の内部のみにある、ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の骨プレート（１）。
5. 前記凹み（６）が前記内側表面領域（４）の範囲を越えて、前記中央穴軸（５）から半径方向外側に延在する、ことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１つに記載の骨プレート（１）。
6. 前記凹み（６）が前記上面（８）から前記下面（２）に向かって円筒形または円錐形に延在することを特徴とする請求項１〜５のいずれか１つに記載の骨プレート（１）。
7. 前記凹み（６）が前記骨プレート（１）の全高にわたって前記上面（８）から前記下面（２）まで延在する、ことを特徴とする請求項１〜６のいずれか１つに記載の骨プレート（１）。
8. 少なくとも１つの前記プレート穴（３）への角度の安定した固定に適した先細の頭部（１１）と、骨における固定を意図されたネジ山部（１２）と、を有する、少なくとも１つの前記ヘッドロックネジを、骨ネジ（１０）として有する、ことを特徴とする請求項１〜７のいずれか１つに記載の骨プレート（１）。
9. 前記頭部（１１）が凸面、球形、または円錐形に構成されていることを特徴とする請求項８に記載の骨プレート（１）。
10. 前記内側表面領域（４）および前記ヘッドロックネジ（１０）の前記頭部（５）が互いに整合したネジを有する、ことを特徴とする請求項８または９のいずれかに記載の骨プレート（１）。
11. 前記凹み（６）の円周拡がり角度はそれぞれ約４０°である、ことを特徴とする請求項１〜１０のいずれか１つに記載の骨プレート（１）。
    

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