JP5272509B2 - プリプレグ、金属箔張積層板及び印刷配線板 - Google Patents

プリプレグ、金属箔張積層板及び印刷配線板 Download PDF

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Description

本発明はプリプレグ、並びにこれを用いた金属箔張積層板及び印刷配線板に関する。
情報端末電子機器の急速な普及に伴って、電子機器の小型化・薄型化が進んでおり、その中に搭載される印刷配線板についても高密度化・薄型化の要求が高まっている。さらに、携帯電話に代表される電子機器の高機能化により、カメラ等をはじめとした様々な高性能モジュールや高密度印刷配線板間の接続が必要となってきた。
一方、電子部品の実装点数も急激に増加しており、印刷配線板の限られたスペースに多数の電子部品を実装するため、従来の剛直な印刷配線板のみならず自由に折り曲げ可能な柔らかい基板が必要となってきた。折り曲げ可能な印刷配線板としては、ポリイミドを中心とした熱可塑性樹脂フィルムと金属箔との積層体が主に使用されている。しかしながら、熱可塑性樹脂フィルムは従来のガラス布やガラス不織布を含む金属箔張積層板に比べて吸水率が高く、金属箔をエッチングした際や回路加工後の寸法安定性が低いという問題を抱えている。
熱可塑性樹脂フィルムの寸法安定性を向上させる手法としては、熱可塑性樹脂にガラス短繊維を配合する方法(特許文献1等参照)や、熱膨張率の異なる複数のポリイミド樹脂層を形成する方法(特許文献2及び3等参照)、金属箔側に低熱膨張率の樹脂層を形成する方法(特許文献4等参照)が知られている。
しかしながら、特許文献1等に記載のガラス短繊維を配合する方法では、熱可塑性樹脂を単独で用いた場合と比べて寸法安定性は高いものの、微細な配線を加工、接続するには未だ寸法安定性が十分でない。また、特許文献2及び3等に記載の熱膨張率の異なる複数のポリイミド樹脂層を形成する方法や、特許文献4等に記載の金属箔側に低熱膨張率の樹脂層を形成する方法でも、吸湿性の低減や寸法安定性の向上には限界があり、今後ますます高密度化する印刷配線板における接続信頼性の低下が懸念されている。
これに対して、吸湿性を小さくするとともに、寸法安定性を高くする方法としては、繊維基材に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを用い、このプリプレグと金属箔との積層体を折り曲げ可能な印刷配線板として用いる方法がある(例えば、特許文献5参照)。
特開昭49−25499号公報 特開平1−245586号公報 特開平8−250860号公報 特開平5−347461号公報 国際公開第2006/001305号パンフレット
しかしながら、上記特許文献5等に記載の従来のプリプレグは、これを用いて印刷配線板を成形した場合における印刷配線板を折り曲げたときの配線の断線の防止について、改善の余地が残されている。
そこで本発明は、印刷配線板を成形した際に優れた耐折性を発現するプリプレグ、並びにこれを用いた金属箔張積層板及び印刷配線板を提供することを目的とする。なお、本明細書中において、「優れた耐折性を発現する」とは、プリプレグを用いて印刷配線板を成形した場合において、印刷配線板を折り曲げたときに、配線の断線が十分に防止されることを示す。
本発明は、繊維基材と、繊維基材に第1の熱硬化性樹脂組成物を含浸してなる第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に設けられ、熱硬化性樹脂組成物から形成された1以上の樹脂層とを備えるプリプレグであって、第1の熱硬化性樹脂組成物と、熱硬化性樹脂組成物から形成された1以上の樹脂層のうちのプリプレグの最表面の樹脂層を形成する第2の熱硬化性樹脂組成物とが、下記式(1)を満たすものであるプリプレグを提供する。
Y[GPa]<X[GPa]≦3[GPa] …(1)
[式中、Xは第1の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率を示し、Yは第2の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率を示す。]
本発明のプリプレグによれば、印刷配線板を形成した際に優れた耐折性を発現する。本発明のプリプレグにより、優れた耐折性を発現するという効果が得られる理由としては、プリプレグの中心に高弾性率の熱硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層を配置し、かつプリプレグの最表面の層に低弾性率の熱硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層を配置することで、繊維基材が保護され、耐クラック性が向上したこと等が挙げられる。
なお、第1の熱硬化性樹脂組成物及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、上記式(1)を満たしていれば、同種の熱硬化性樹脂組成物であっても、異なる種類の熱硬化性樹脂組成物であってもよい。
第1の熱硬化性樹脂組成物及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、グリシジル基を有する樹脂を含むことが好ましい。これにより、プリプレグの耐熱性がより良好なものとなる。
第1の熱硬化性樹脂組成物及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、アクリル樹脂を含むことが好ましい。これにより、プリプレグの耐折性がより向上する。
第1の熱硬化性樹脂組成物及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、アクリル樹脂に代えて、アミド基を有する樹脂を含むことも好ましい。アミド基を有する樹脂は、ポリアミドイミド樹脂を含むことが好まく、ポリアミドイミド樹脂はシロキサン結合を有することが好ましい。これにより、プリプレグの耐熱性が更に良好なものとなる。
本発明は、上述のプリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、基板の少なくとも一方面上に設けられた、厚みが0.01〜30μmである金属箔とを備える金属箔張積層板、及び当該金属箔張積層板に回路加工して得られる印刷配線板を提供する。本発明の金属箔張積層板及び印刷配線板は、上記本発明のプリプレグを用いているので、耐折性に優れる。
本発明によれば、印刷配線板を成形した際に優れた耐折性及び耐クラック性を発現するプリプレグ、並びにこれを用いた金属箔張積層板及び印刷配線板を提供することができる。さらに、本発明の印刷配線板は耐折性に優れるので、本発明の印刷配線板を折り曲げて搭載する筐体に高密度に収納することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本発明のプリプレグは、繊維基材と、繊維基材に第1の熱硬化性樹脂組成物を含浸してなる第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に設けられ、熱硬化性樹脂組成物から形成された1以上の樹脂層とを備える。
さらに、本発明のプリプレグにおいては、第1の熱硬化性樹脂組成物と、熱硬化性樹脂組成物から形成された1以上の樹脂層のうちのプリプレグの最表面の樹脂層を形成する第2の熱硬化性樹脂組成物とが、下記式(1)を満たす。
Y[GPa]<X[GPa]≦3[GPa] …(1)
[式中、Xは前記第1の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率を示し、Yは前記第2の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率を示す。]
なお、弾性率を測定するための上記樹脂フィルムとしては、例えば、次の方法により作製されるものを用いることができる。すなわち、厚みが18μmの銅箔の上に、第1又は第2の熱硬化性樹脂組成物を乾燥後の樹脂の厚みが50μmになるように塗布し、100〜140℃の乾燥路で滞留時間5分にて加熱乾燥し樹脂付き銅箔を得る。その後、樹脂付き銅箔の樹脂面に厚みが18μmの銅箔の粗化面を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後に、両面銅張積層板の外側の銅箔を両面エッチングしたものを上記樹脂フィルムとして用いることができる。
また、上記樹脂フィルムの弾性率は、例えば、次の方法により測定することができる。すなわち、オートグラフ(島津製作所製、型番AG−100C)を用い、上記樹脂フィルムを80mm×10mmに切断した試験片について弾性率を測定することができる。なお、測定条件は、測定長さ60mm、引張速度5mm/minとすることができる。
ここで、Xは2.5GPa以下であることが好ましい。これにより、プリプレグの耐折性が更に向上する。また、Yは低ければ低いほどよいが、実用上0.01GPa以上であることが好ましい。
図1は、本発明によるプリプレグの好適な一実施形態を示す概略断面図である。なお、図1のプリプレグは、第1の樹脂層上に設けられた、熱硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層が1層である場合に相当するものであるが、第1の樹脂層上に設けられた、熱硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層は2層以上であってもよい。
図1に示すプリプレグ100は、繊維基材10と、繊維基材10に第1の熱硬化性樹脂組成物を含浸してなる第1の樹脂層11と、第1の樹脂層11上に設けられ、第2の熱硬化性樹脂組成物から形成された第2の樹脂層12とからなる。なお、プリプレグ100においては、第1の樹脂層11の全面が第2の樹脂層12により覆われているが、第2の樹脂層12は、第1の樹脂層11の一部のみを覆っていてもよい。
繊維基材10は、金属箔張積層板や多層印刷配線板を製造する際に用いられるものであれば特に制限されないが、通常織布や不織布等が用いられ、織布を用いることが好ましい。繊維基材10の材質としては、例えば、ガラス、アルミナ、アスベスト、ボロン、シリカアルミナガラス、シリカガラス、チラノ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア等の無機繊維やアラミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、カーボン、セルロース等の有機繊維及びこれらの混抄系があり、特にガラス繊維が好ましく用いられる。また、基材の厚さも特に限定されないが、15〜50μmであると耐折性が更に向上する。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリアジン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、及びこれら樹脂の変性体等の熱硬化性樹脂を含有するものが挙げられる。熱硬化性樹脂としては、グリシジル基を有する樹脂が好ましく、エポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールと、エピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。上述の熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、更にアクリル樹脂、又はアミド基を有する樹脂を含有することが好ましい。
アクリル樹脂としては、アクリル酸モノマ、メタクリル酸モノマ、アクリロニトリル、グリシジル基を有するアクリルモノマ等を単独もしくはこれらを複数共重合した共重合物からなる樹脂を使用することが可能である。分子量は特に規定されるものではないが、カラムGMHXL(東ソー株式会社製)を3本直結して使用し、THFを溶離液として用いて測定したときに、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量で30万〜120万、好ましくは40万〜100万のものが用いられる。アクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物における、アクリル樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して15〜70質量部であることが好ましく、20〜60質量部であることがより好ましい。
アミド基を有する樹脂としては、ポリアミドイミド樹脂が好ましく、シロキサン構造を含む構造を有するシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂がより好ましい。このシロキサン変性ポリアミドイミド樹脂は、芳香族環を2個以上有するジアミン及びシロキサンジアミンの混合物と無水トリメリット酸とを反応させて得られるジイミドジカルボン酸を含む混合物と、芳香族ジイソシアネートとを反応させて得られたものであると特に好ましい。アミド基を有する樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物における、アミド基を有する樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して50〜90質量部であることが好ましく、60〜80質量部であることがより好ましい。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、更に硬化剤及び/又は硬化促進剤を含有することが好ましい。特に、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含む場合には、硬化剤として、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等を、硬化促進剤として、イミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等を好適に用いることができる。硬化剤及び/又は硬化促進剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物における硬化剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して3〜50質量部であることが好ましく、硬化促進剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.001〜5質量部であることが好ましい。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、更に難燃剤、流動調整剤、カップリング剤等を含有していてもよい。
難燃剤としては、例えば水酸化アルミニウム、リン含有フィラー、臭素系化合物、リン系化合物、窒素系化合物、水和金属化合物が挙げられる。
流動調整剤としては、例えばシリコン系化合物、アクリル系化合物が挙げられる。
カップリング剤としては、例えばビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、メルカプト系シランカップリング剤が挙げられる。
なお、第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて各種溶剤の溶液としてもよい。溶剤としては、アルコール系、エーテル系、ケトン系、アミド系、芳香族炭化水素系、エステル系、ニトリル系等、上述の成分との反応性が十分に小さいものであればよく、数種類を併用した混合溶剤を用いることもできる。
第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物における溶剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の固形分及び繊維基材の総量に対して、30〜80質量%とすることが好ましい。
第1の樹脂層11は、第1の熱硬化性樹脂組成物が半硬化(Bステージ化)された状態にあるものであり、第2の樹脂層12は、第2の熱硬化性樹脂組成物が半硬化(Bステージ化)された状態にあるものである。
第1の樹脂層11の厚さは、繊維基材10の厚さと同じ厚さ、又はそれ以上の厚さであればよいが、繊維基材10の厚さよりも0〜10μm程度厚いことが好ましい。第1の樹脂層11の厚さと繊維基材10との厚さの差が10μmを超えると、耐折性が低下するおそれがある。
プリプレグ100の厚さは200μm以下であることが望ましい。この厚さが200μmを超えると耐折性が低下するおそれがある。さらに、繊維基材について、両側の樹脂層の厚さに違いがないほうが耐折性が向上する。
なお、本発明に係るプリプレグにおいて、第1の樹脂層上に、熱硬化性樹脂組成物から形成された樹脂層が2層以上形成された場合であっても、第1の樹脂層と、プリプレグの最表面の樹脂層との間に配置される中間樹脂層については特に限定されず、上記式(1)を満たしていればよい。中間樹脂層は、上述した第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物と同様の材料から形成することができる。
中間樹脂層を形成する熱硬化性組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率は、第1の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率と同等又はそれよりも小さいことが好ましく、第2の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率よりも大きいことが好ましい。中間樹脂層が複数ある場合には、第1の樹脂層から、プリプレグの最表面の樹脂層に向かって、上記樹脂フィルムの弾性率が段階的に小さくなることが好ましい。
プリプレグ100は、上述の第1及び第2の熱硬化性樹脂組成物を用いて、次のようにして製造することができる。
まず、第1の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材10に含浸し、次いで、第2の熱硬化性樹脂組成物を、第1の熱硬化性樹脂組成物から形成された第1の樹脂層上に塗布し、70〜150℃で、5〜20分加熱することにより、第2の樹脂層を形成し、プリプレグ100が得られる。なお、第1の樹脂層及び第2の樹脂層は、2回の加熱のうちのいずれかで半硬化される。
第1の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材10に含浸する方法としては、例えば、塗工機により塗布する方法等が挙げられる。
なお、上述の製造方法において、溶剤を用いた場合には、溶剤が揮発可能な温度以上で乾燥し、使用した溶剤が80質量%以上揮発していることが好ましい。
なお、第1の樹脂層と、プリプレグの最表面の樹脂層との間に配置される中間樹脂層が複数存在するプリプレグは、適宜上述の塗布及び加熱を繰り返すことにより製造することができる。
図2は、本発明による金属箔張積層板の好適な一実施形態を示す部分断面図である。金属箔張積層板200は、複数枚のプリプレグ100を積層した積層体を加熱及び加圧して得られるシート状の基板30と、基板30の両面に密着して設けられた2枚の金属箔20とで構成される。
基板30は、複数のプリプレグ100に由来する複数の繊維強化樹脂層3が積層された積層体からなる。金属箔張積層板及び印刷配線板の柔軟性を高めるため、基板30の厚みは10〜200μmであることが好ましい。
金属箔張積層板200は、所定枚数(好ましくは6枚以下、より好ましくは2枚以下、特に好ましくは1枚)のプリプレグ100を積層した積層体の両面に金属箔を重ね、これを加熱及び加圧することにより、得られる。このとき、加熱する温度及び圧力は特に限定されないが、加熱する温度は通常80〜250℃(好ましくは130〜230℃)で、圧力は通常0.5〜8.0MPa(好ましくは1.5〜5.0MPa)の範囲である。また、加熱及び加圧には、真空プレスが好適に用いられる。
金属箔20としては、例えば、金箔、銅箔、アルミニウム箔が挙げられるが、銅箔が好ましい。金属箔20としては、金属箔張積層板及び印刷配線板の耐折性を向上させるために、厚さ0.01〜30μmのものを使用することが好ましく、厚さ5〜20μmのものを使用することがより好ましい。
金属箔張積層板の実施形態は、上記のような態様に限定されない。例えば、1枚のプリプレグ100を用いて、基板を1層の繊維強化樹脂層からなるものとしてもよいし、基板の片側のみに金属箔を設けてもよい。また、金属箔張積層板の金属箔をフォトリソグラフィーや、エッチング等によりパターン化し、回路加工することにより、本発明に係る印刷配線板を得ることもできる。
図3は、本発明による印刷配線板の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図3に示される印刷配線板300は多層印刷配線板であり、貫通孔311に導電体312が充填された絶縁基板310の両側に内層回路313a、bをそれぞれ配してなる内層回路基板315と、その内層回路基板315の両側に設けられた、貫通孔321a、bに導電体322a、bがそれぞれ充填された絶縁基板320a、bと、それら絶縁基板320a、bの外側に形成された回路323a、bと、を備える。
印刷配線板300は、例えば以下のようにして形成される。まず内層回路基板315の両側に、本発明によるプリプレグ100を積層し、加熱及び加圧により硬化して絶縁基板320a、bを形成する。次いで、絶縁基板320a、bに貫通孔321a、bを設け、そこに導電体322a、bを充填する。そして、絶縁基板320a、bの外側にパターン化された回路323a、bを形成して印刷配線板300を完成する。
あるいは、内層回路基板315の両側に、本発明に係るプリプレグ100を積層し、貫通孔321a、bを設け、そこに導電体322a、bを充填する。更に、プリプレグ100の外側に金属箔を積層して、加熱及び加圧を施した後に、金属箔をエッチング等によりパターン化して回路323a、bを形成し、印刷配線板300を完成する。
金属箔張積層板200及び印刷配線板300は、上記本発明のプリプレグを用いているので、耐折性に優れる。
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂Aの合成)
環流冷却器を連結したコック付き50mlの水分定量受器、温度計、撹拌器を備えた5リットルのセパラブルフラスコに、芳香族ジアミンとしてBAPP(2,2−ビス[4−(4’−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン)(和歌山精化株式会社製)197.0g(0.24mol)とDDS(ジアミノジフェニルスルフォン)(和歌山精化株式会社製)119.2g(0.24mol)、シロキサンジアミンとして反応性シリコ−ンオイルKF8010(信越化学工業株式会社製、アミン当量430)26.4g(0.12mol)、TMA(無水トリメリット酸)(三菱瓦斯化学株式会社製)484.1g(1.26mol)、非プロトン性極性溶媒としてNMP(N−メチルピロリドン)3190gを仕込み、80℃で30分間撹拌した。
その後、水と共沸可能な芳香族炭化水素としてトルエン500mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約21.6ml以上たまっていること、水の留出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている留出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、芳香族ジイソシアネートとしてMDI(4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート)(日本ポリウレタン株式会社製)360.4g(0.72mol)を投入し、190℃で2時間反応させた。反応終了後、シロキサン変性ポリアミドイミド樹脂AのNMP溶液(樹脂固形分31.2%)を得た。
[配合例1]
以下に示す樹脂組成物をメチルイソブチルケトンに溶解し、樹脂固形分が30wt%になるように調整して、配合例1のワニス(熱硬化性樹脂組成物)を得た。
ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC−3000H):44質量部
アミノトリアジンノボラックエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名LA−3018):11質量部
2−フェニルイミダゾール(JSR株式会社製、商品名G−8009L):0.2質量部
アクリル樹脂(ナガセケムテックス株式会社製):30質量部
[配合例2]
以下に示す樹脂組成物をメチルイソブチルケトンに溶解し、樹脂固形分が30wt%になるように調整して、配合例2のワニスを得た。
ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC−3000H):37質量部
アミノトリアジンノボラックエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名LA−3018):9質量部
2−フェニルイミダゾール(JSR株式会社製、商品名G−8009L):0.2質量部
アクリル樹脂(ナガセケムテックス株式会社製):40質量部
[配合例3]
以下に示す樹脂組成物をメチルイソブチルケトンに溶解し、樹脂固形分が30wt%になるように調整して、配合例3のワニスを得た。
ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC−3000H):33質量部
アミノトリアジンノボラックエポキシ樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名LA−3018):8質量部
2−フェニルイミダゾール(JSR株式会社製、商品名G−8009L):0.2質量部
アクリル樹脂(ナガセケムテックス株式会社製):45質量部
[配合例4]
ポリアミドイミド樹脂(日立化成コーテットサンド株式会社製、商品名CSD40)24.87kg(樹脂固形分28.1質量%)に、サリチルアルデヒド−ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EPPN502H)2.0kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、2官能ナフタレン系エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名HP4032D)3.0kg、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC3000)1.0kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、及び1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール8.0gを配合し、さらにリン含有フィラー(クラリアント社製、商品名OP930)1.0kg、及び水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名HP360)1.5kgを加えて樹脂が均一になるまで約3時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温で静置して、配合例4のワニスを得た。
[配合例5]
ポリアミドイミド樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名KS7003)23.18kg(樹脂固形分30.2質量%)に、サリチルアルデヒド−ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EPPN502H)2.0kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、2官能ナフタレン系エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名HP4032D)3.0kg、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC3000)1.0kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、及び1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール8.0gを配合し、さらにリン含有フィラー(クラリアント社製、商品名OP930)1.0kg、及び水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名HP360)1.5kgを加えて樹脂が均一になるまで約3時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温で静置して、配合例5のワニスを得た。
[配合例6]
ポリアミドイミド樹脂(日立化成工業株式会社製、商品名KS9900B)22.44kg(樹脂固形分31.2質量%)に、サリチルアルデヒド−ノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名EPPN502H)2.0kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、2官能ナフタレン系エポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名HP4032D)3.0kg、ビフェニルアラルキルエポキシ樹脂(日本化薬株式会社製、商品名NC3000)1.0kg(樹脂固形分50質量%のメチルエチルケトン溶液)、及び1−シアノエチル−2−エチル−1−メチルイミダゾール8.0gを配合し、さらにリン含有フィラー(クラリアント社製、商品名OP930)1.0kg、水酸化アルミニウム(昭和電工株式会社製、商品名HP360)1.5kgを加えて樹脂が均一になるまで約3時間撹拌した。その後、脱泡のため24時間、室温で静置して、配合例6のワニスを得た。
[配合例7]
以下に示す樹脂組成物をプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し、樹脂固形分が70wt%になるように調整して、配合例7のワニスを得た。
臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:530):100質量部
ジシアンジアミド:4質量部
イミダゾール(四国化成株式会社製、商品名2E4MZ):0.5質量部
[配合例8]
上記シロキサン変性ポリミドイミド樹脂AのNMP溶液2564g(固形分800g)、エポキシ樹脂としてEPPN−502H(日本化薬株式会社製商品名)の50%MEK溶液400g(固形分200g)、2−エチル−4−メチルイミダゾール5%MEK溶液40g(固形分2g)を配合し、樹脂が均一になるまで約1時間撹拌した後、脱泡のため24時間、室温で静置し配合例8のワニスを得た。
(樹脂付き銅箔の作製)
[作製例1]
厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)の上に、配合例1のワニスを乾燥後の樹脂の厚みが50μmになるように横型塗工機で塗布した。これを、100〜140℃の乾燥炉で滞留時間5分にて加熱乾燥して作製例1の樹脂付き銅箔を作製した。
[作製例2〜7]
配合例1のワニスに代えて、配合例2〜7のワニスをそれぞれ用いた他は作製例1と同様にして、作製例2〜7の樹脂付き銅箔を作製した。
(プリプレグの作製)
[実施例1]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例1のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例2のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例2の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例2]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例1のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例3]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例1のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが30μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例4]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例1のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが40μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例5]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例2のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板のライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例6]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例6のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例7]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例4のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例5のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例5の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例8]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例6のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例5のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板のライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例5の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[実施例9]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例8のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板のライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[比較例1]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例1のワニスを乾燥後のプリプレグ(第1の樹脂層)の厚みが50μmになるように縦型塗工機で塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例1の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[比較例2]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例7のワニスを乾燥後のプリプレグ(第1の樹脂層)の厚みが50μmになるように縦型塗工機で塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例7の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[比較例3]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例7のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例3のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例3の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
[比較例4]
ガラスクロスWEX−1027(旭シュエーベル株式会社製、厚み19μm)に、配合例3のワニスを乾燥後の第1の樹脂層の厚みが20μmになるように縦型塗工機で塗布し、70℃〜150℃の乾燥炉で滞留時間1〜5分にて加熱した。その後、配合例1のワニスを乾燥後のプリプレグの厚みが50μmとなるように両面に塗布し、120〜150℃、10分で加熱乾燥し、プリプレグを得た。
このプリプレグの両側の面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。この両面銅箔張積層板の片側の面にライン幅75μm、ライン間スペース75μmの導通パターン回路を作製し、反対側の面は全面をエッチングした。その後、この積層板の両側の面に作製例1の樹脂付き銅箔の樹脂側の面を合わせて積層し、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した後、銅箔をエッチングしたものを評価基板とした。
(伸び特性(弾性率)測定サンプルの作製)
厚みが18μmの銅箔の上に、配合例1〜7のワニスを乾燥後の樹脂の厚みが50μmになるように横型塗工機で塗布し、100〜140℃の乾燥炉で滞留時間5分にて加熱乾燥して樹脂付き銅箔を得た。その後、樹脂付き銅箔の樹脂面に厚みが18μmの銅箔(日本電解社製、商品名HLA18)の粗化面を重ね、170℃、90分、4.0MPaのプレス条件で両面銅張積層板を作製した。両面銅張積層板の外側の銅箔は両面エッチングした。
(伸び特性(弾性率)の測定)
弾性率はオートグラフ(島津製作所製、型番AG−100C)を用いて測定した。両面銅張積層板の銅箔を両面エッチングした樹脂板を80mm×10mmに切断し、試験片とした。測定条件は、25℃で測定長さ60mm、引張速度5mm/minとした。
(折り曲げ性(耐折性)の評価(MIT試験))
MIT試験機(東洋精機社製、型番2121011−00)を使用し実施例1〜9及び比較例1〜4の評価基板の折り曲げ性を評価した。曲げの半径は0.38mmに対して加重500g、折り曲げ角度135度、速度175cpm(cycles per minute)の条件で、断線するまでの折り曲げ回数を、それぞれの評価基板について5回評価した。表1では、断線が観察されるまでの折り曲げ回数が最小であった場合の折り曲げ回数、及び最大であった場合の折り曲げ回数をそれぞれ示す。
上述の測定及び評価の結果を表1に示す。表1より、実施例1〜9のプリプレグは、比較例1〜4のプリプレグと比較して、いずれの場合も断線するまでの折り曲げ回数が多く、良好な耐折性を有することは明らかである。
Figure 0005272509
図1は、本発明によるプリプレグの好適な一実施形態を示す概略断面図である。 図2は、本発明による金属箔張積層板の好適な一実施形態を示す部分断面図である。 図3は、本発明による印刷配線板の好適な一実施形態を示す模式断面図である。
符号の説明
3…繊維強化樹脂層、10…繊維基材、11…第1の樹脂層、12…第2の樹脂層、20…金属箔、30…基板、100…プリプレグ、200…金属箔張積層板、300…印刷回路板、313a、313b、323a、323b…回路、315…内層回路基板、311、321a、321b…貫通孔、312、322a、322b…導電体、310、320a、320b…絶縁基板。

Claims (8)

  1. 繊維基材と、
    前記繊維基材に第1の熱硬化性樹脂組成物を含浸してなる第1の樹脂層と、
    前記第1の樹脂層の全面を覆うようにして設けられ、熱硬化性樹脂組成物から形成された1以上の樹脂層と、を備えるプリプレグであって、
    前記第1の熱硬化性樹脂組成物と、前記熱硬化性樹脂組成物から形成された1以上の樹脂層のうちの前記プリプレグの最表面の樹脂層を形成する第2の熱硬化性樹脂組成物とが、下記式(1)を満たすものであるプリプレグ。
    Y[GPa]<X[GPa]≦3[GPa] …(1)
    [式中、Xは前記第1の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率を示し、Yは前記第2の熱硬化性樹脂組成物から形成される樹脂フィルムの弾性率を示す。]
  2. 前記第1の熱硬化性樹脂組成物及び前記第2の熱硬化性樹脂組成物が、グリシジル基を有する樹脂を含む、請求項1記載のプリプレグ。
  3. 前記第1の熱硬化性樹脂組成物及び前記第2の熱硬化性樹脂組成物が、アクリル樹脂を含む、請求項1又は2記載のプリプレグ。
  4. 前記第1の熱硬化性樹脂組成物及び前記第2の熱硬化性樹脂組成物が、アミド基を有する樹脂を含む、請求項1又は2記載のプリプレグ。
  5. 前記アミド基を有する樹脂がポリアミドイミド樹脂を含む、請求項4記載のプリプレグ。
  6. 前記ポリアミドイミド樹脂がシロキサン結合を有する、請求項5記載のプリプレグ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のプリプレグを所定枚数積層した積層体を加熱及び加圧して得られる基板と、
    前記基板の少なくとも一方面上に設けられた、厚みが0.01〜30μmである金属箔と、を備える金属箔張積層板。
  8. 請求項7に記載の金属箔張積層板に回路加工して得られる印刷配線板。
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