JP5272301B2 - 顆粒の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック用の添加剤に好適な顆粒を製造する方法に関する。
式(1)で示されるフェノール系の酸化防止剤は、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンに添加することにより、光や熱によってポリオレフィンの成形体に生じる酸化劣化を著しく低減せしめることが知られている。
Figure 0005272301
(式(1)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方はアルキル基を表す。Qは、単結合、−CHCHCO−、または−CHCHCONH−基を表す。nは、1〜4の整数を表す。Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基または硫黄原子を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。)
該フェノール系酸化防止剤は、通常、融点が100℃程度、メディアン径が5〜70μmの粉末であり、プラスチック製造現場においても、融解することがなく、ホッバーなどから流動性よくポリオレフィンに添加されるが、フェノール系酸化防止剤の粉末から生じる粉塵のためにポリオレフィンへの添加の際には防塵対策が必要であった。
特許文献1には、酸化防止剤(1)の1種であるテトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸}ペンタエリスリチル エステルについて、制酸添加剤と混合したのち、酸化防止剤(1)の融点である114℃を超えた115℃まで加熱して酸化防止剤の一部を溶解させ、押出機で2.5mmのペレット状の顆粒を製造する方法が開示されている。また、該顆粒を用いれば、パラフィンなどのポリオレフィンには望まれない結着剤を使用しなくとも無塵であり、ポリオレフィンへの添加の際に流動性に優れることが開示されている。
また、式(2)で表されるイオウ系の酸化防止剤は、酸化防止剤(1)とともにプラスチックに添加することによりプラスチックの酸化防止性能が向上することが特許文献2に知られている。
(R−Y−S−CH2−CH2−CO2−Z (2)
(式(2)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CH2CH2−CO−基を表し、mは1〜4の数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。)
特開平5−179056号公報(例えば、実施例1) 特開昭60−197747号公報(例えば、実施例1)
本発明者らは、本発明の酸化防止剤(1)に酸化防止剤(2)を混合して特許文献1の方法に準じて、プラスチック用添加剤に好適な顆粒の製造を試みたところ、混合物が液状化したり、押出成形機の中で混合物が詰まって、顆粒が得られなかったり、顆粒の生産性が必ずしも十分ではないという問題が明らかになった。
本発明の目的は、プラスチック用添加剤に好適な顆粒を高い生産性で安定的に製造する方法であり、得られた顆粒は、粉塵が低減されており、プラスチックに添加する際の流動性に優れる顆粒の製造方法を提供する。
本発明は、式(1)で表される酸化防止剤及び式(2)で表される酸化防止剤を必須成分として含有する添加剤組成物を加熱混合して造粒する顆粒の製造方法であって、該添加剤組成物中の最も低い融点を有する成分の含有量が、該添加剤組成物全量の10〜80重量%であり、加熱混合する温度が、最も低い融点を有する成分の(融点−20)℃以上、融点未満の温度範囲である顆粒の製造方法である。
Figure 0005272301
(式(1)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方はアルキル基を表す。Qは、単結合、−CHCHCO−、または−CHCHCONH−基を表す。nは、1〜4の整数を表す。Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基または硫黄原子を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。
(R−Y−S−CH2−CH2−CO2−Z (2)
(式(2)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CH2CH2−CO−基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。)
本発明によれば、高い生産性でプラスチック用添加剤に好適な顆粒を製造することができる。また、該顆粒を製造する際に、混合物が液状化したり、押出造粒機の中で混合物が詰まったりすることなく安定的に製造することができる。さらに、得られた顆粒はパラフィンなどのポリオレフィンには好ましくない結着剤を使用することがなくとも粉塵が著しく低減され、得られた顆粒をポリオレフィンなどのプラスチックへ添加する際の流動性に優れる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用される酸化防止剤(1)は、下式(1)の構造を有するフェノール系の酸化防止剤である。
Figure 0005272301
式(1)中、Rはメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基などの炭素数1〜8のアルキル基を表し、中でも、分岐状の炭素数が3〜8のアルキル基が好ましく、特にt−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基であることが好ましい。
およびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方はアルキル基を表す。RおよびRは、どちらか一方が、水素原子である場合は、他方は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基であることが好ましく、特にメチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基であることが好ましい。RおよびRのどちらも水素原子でない場合は、RおよびRは、メチル基であることが好ましい。
Qは、単結合、−CHCHCO−基、または−CHCHCONH−基を表し、好ましくは、単結合または−CHCHCO−基である。−CHCHCO−基の酸素原子は、通常、Xに結合する。
Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、アルキル基が置換されていてもよい炭素数6〜22のアラルキル基、炭素数1〜18のアルキレン基などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などが挙げられる。
Xとしては、硫黄原子であってもよい。この場合には、n=2であり、Qは、通常、単結合である。
Xとしては、中でも、ヘテロ原子を含む炭素数6〜22のアラルキル基、ヘテロ原子を含み炭素数3〜22の環状構造を有する炭化水素基、炭素数3〜22の環状構造を有する炭化水素基であることが好ましい。
Qが単結合であり、nが1である場合のXとしては下式などが例示される。
Figure 0005272301
Qが−CHCHCO−基であり、nが2又は4である場合は、ヘテロ原子及び/又は環状基を含んでもよい炭素数1〜18のn価のアルコール残基であることが好ましく、具体的には、トリエチレングリコール残基、ペンタエリスリトール残基、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンの残基等が好ましい。ここで、アルコール残基とは、アルコール類から水素原子が脱離した基をいう。
Qが単結合であり、nが2であるXとしては、硫黄原子、メチレン基、エチリデン基、ブチリデン基等が好ましい。
Qが単結合であり、nが3であるXとしては下式などが例示される。
Figure 0005272301
酸化防止剤(1)は、通常、融点が80〜220℃、好ましくは90〜150℃、とりわけ好ましく、100〜130℃の範囲のものである。酸化防止剤(1)の融点が220℃以下であると、ポリオレフィンへの分散性が向上する傾向があり、80℃以上であると、高温下で保存しても顆粒同士の互着が防止される傾向があることから好ましい。
酸化防止剤(1)の具体例としては、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、ビス{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオン酸}トリエチレングリコリル エステル、テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸}ペンタエリスリチル エステル、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニル アクリレート、2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−t−ペンチルフェニル アクリレート、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
酸化防止剤(1)としては、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン又はテトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸} ペンタエリスリチル エステルが好ましく用いられる。
本発明で用いられる酸化防止剤(2)は、式(2)で表されるイオウ系化合物である。
(R−Y−S−CH2−CH2−CO2−Z (2)
式(2)中、Rは、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基などの炭素数12〜18のアルキル基を表す。
Yは単結合又は−CH2CH2−CO−基を表す。ここで、Yの−CH2CH2−CO−基の酸素原子はRに結合している。
mは1〜4の数を表し、Zはドデシルアルコールの残基、テトラデシルアルコールの残基、オクタデシルアルコールの残基又はペンタエリスリトールの残基などの炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。
Yが単結合である場合は、Rがドデシル基であり、mが4であり、Zがペンタエリスリトール残基である化合物が好ましい。また、Yが−CH2CH2−CO−基である場合は、Rがドデシル基、テトラデシル基又はオクタデシル基であり、mが1であり、Zが上記Rに対応する炭素数12〜18のアルコール残基であることが好ましい。
酸化防止剤(2)の具体例としては、例えば、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステル、テトラキス(3−n−ドデシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリチル エステルなどが挙げられる。
酸化防止剤(2)は、通常、融点が35〜70℃程度であり、好ましくは、45〜55℃程度である。融点が35℃以上であると、45℃に保存した際に互着を抑制する傾向があることから好ましく、融点が70℃以下であると、製造時間が短縮されたり、加熱温度が低減される傾向があることから好ましい。
本発明は酸化防止剤(2)を必須成分として含有するように混合物を調製することにより、顆粒の製造が容易であり、生産性が向上する傾向がある。好ましくは、顆粒全量に対して酸化防止剤(2)が10〜80重量%、好ましくは10〜50重量%に含有するように混合物を調製する。
本発明の顆粒は、得られる顆粒の特性に影響を与えない範囲で、さらに、次の添加剤群に記載された添加剤が含有されていてもよい。なお、下記の添加剤群から選ばれる添加剤であれば、無機系添加物又は融点70℃を越える有機系添加物が、ポリオレフィンへの添加の際の流動性などプラスチック添加剤としての特性に影響を与えない傾向があることから好ましい。
[添加剤群:中和剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、造核剤及び充填剤]
上記の添加剤としては、以下の添加剤が例示される。
合成ハイドロタルサイト、天然ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム等の中和剤
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−クミルフェニル)ペンタエリスリトール ジホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン ジホスフォナイト、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン等のリン系酸化防止剤;
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ[{6−(1,1,3,3、−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}−1,6−ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]等のヒンダードアミン系光安定剤;
2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等の紫外線吸収剤;
ステアリン酸のLi塩、ステアリン酸のNa塩、ステアリン酸のMg塩、ステアリン酸のK塩、ステアリン酸のCa塩、ステアリン酸のBa塩、ステアリン酸のAl塩、ステアリン酸のZn塩、ステアリン酸のFe塩、パルチミン酸のLi塩、パルチミン酸のNa塩、パルチミン酸のMg塩、パルチミン酸のK塩、パルチミン酸のCa塩、パルチミン酸のBa塩、パルチミン酸のAl塩、パルチミン酸のZn塩、パルチミン酸のFe塩、ラウリン酸のCa塩、ラウリン酸のBa塩、ラウリン酸のZn塩、ベヘニン酸のCa塩、ベヘニン酸のZn塩、12−ヒドロキシステアリン酸のCa塩、12−ヒドロキシステアリン酸のMg塩、12−ヒドロキシステアリン酸のZn塩等の金属石鹸;
アルミニウムシリケート、合成シリカ、天然シリカ、ゼオライト、カオリンや珪藻土等の無機アンチブロッキング剤又はポリメチルメタアクリル酸架橋物等の有機アンチブロッキング剤;
カーボンブラック、酸化チタン、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリレン又はペリニン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ジスアゾ縮合系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料等の顔料;
デカブロモビフェニル、三酸化アンチモン、リン系難燃剤、水酸化アルミニウム等の難燃剤;
安息香酸ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどの造核剤;
炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、カーボンブラック、カーボンファイバー、ゼオライト、金属粉、金属酸化物等の充填剤;
本発明の製造方法において、酸化防止剤(1)及び酸化防止剤(2)を必須成分として含有する添加剤組成物(以下、添加剤混合物又は混合物という場合がある)の中で最も低い融点を有する成分が混合物全量に対して10〜80重量%、好ましくは10〜50重量%に含有するように混合物を調製する。最も低い融点を有する成分を10〜80重量%で混合すると、顆粒の製造が容易であり、生産性が向上する傾向があることから好ましい。
通常は、酸化防止剤(2)が最も低い融点を有する成分である。
本発明は、プラスチック用添加剤の顆粒を製造する方法であり、得られる混合物全量に対して、酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び前記添加剤群は、通常、90重量%以上、好ましくは95重量%以上含有する。
添加剤組成物の構成成分には、低融点ポリエチレンワックス、パラフィン、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルなどのポリオレフィンには望まれない結着剤を混合物に対して、通常、5重量%以下、好ましくは、1重量%以下、とりわけ好ましくは、上記結着剤を実質的に含有せず、得られた顆粒には、粉塵がほとんど含有しない。
本発明の製造方法は、混合物の中で最も低い融点を有する成分の(融点−20)℃から融点未満の温度範囲、好ましくは、(融点−20)℃以上(融点−1)℃以下の温度範囲、より好ましくは、(融点−20)℃以上(融点−2)℃以下の温度範囲で混合物を加熱混合して造粒する。
具体的には、最も低い融点を有する成分の融点が50℃であれば、30℃以上50℃未満、好ましくは、30℃以上49℃以下、より好ましくは30℃以上48℃以下で加熱混合することにより造粒する。加熱混合温度(造粒温度)が最も低い融点を有する成分の(融点−20)℃以上であると、生産性が向上する傾向があることから好ましく、最も低い融点を有する成分の融点未満であれば、顆粒の液状化や詰まりを防止し、製造の安定性が向上する傾向があることから好ましい。
本発明は、最も低い融点を有する成分の融点よりも低い温度で、酸化防止剤(1)と酸化防止剤(2)を含む混合物を加熱混合して造粒することを特徴とする従来技術と全く異なる技術であり、これにより顆粒の生産性を向上せしめることを可能としたものである。
尚、本発明の融点は、JIS K 0064(化学製品の融点及び溶融範囲測定方法)に従って測定される融解開始温度をいう。
造粒方法としては、例えば、ハイスピードミキサー法、ローラーコンパクター法、ペレットミル法、ディスクペレッター法、押出し法などの混合攪拌造粒法、圧縮造粒法、押出造粒法などが挙げられる。以下、押出造粒法について、さらに詳しく説明する。
押出造粒法とは、スクリュー、回転ロール、回転羽根などを備えた押出造粒機に酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び前記添加剤群を主成分とする混合物を投入し、最も低い融点を有する成分の融点の−20℃から融点未満の温度範囲で攪拌しながら混合物を部分的に溶融した状態、すなわち湿った状態とし、ダイス、金網などから押出して造粒する。
押出機としては、ディスクペレッターやペレットミル、押出造粒機が好ましく用いられる。中でも、2軸などの多軸又は単軸のスクリューを備えた押出造粒機が温度制御が容易であり好ましい。特に、多軸押出造粒機の方が、顆粒中の酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び前記添加剤群の分散にも優れる傾向があることから好ましい。押出造粒機の場合、スクリューを備えた部分等の加熱混合部において、設定温度を融点の−20℃以上から融点未満の温度範囲に設定することにより顆粒を製造できる。
また、投入口より徐々に設定温度を高くなるように設定し、加熱混合部よりアダプター部およびダイス部が同じ温度か、若干高めに設定すると、生産安定性が向上することから好ましい。
本発明において、加熱混合される混合物の最高温度は、通常、混合物を構成する成分の中で最も低い融点を有する成分の融点未満であり、押出造粒機であれば、加熱混合部の出口であるアダプター部において、加熱混合される際の混合物の最高温度を測定することができ、該温度を混合物を構成する成分の中で最も低い融点を有する成分の融点未満となるように調整すればよい。
押出造粒機への酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び必要に応じて添加剤群等の投入方法としては、例えば、酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び必要に応じて添加剤群を一括して押出造粒機のホッバーに投入する方法(i)、例えば、酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び必要に応じて添加剤群を事前にヘンシェルミキサーやタンブラーミキサーなどで混合した後、一括して押出造粒機のホッバーに投入する方法(ii)、例えば、押出造粒機の別々のホッバーから酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び必要に応じて添加剤群をそれぞれ投入する方法(iii)などが挙げられる。中でも、方法(ii)が顆粒中の酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び前記添加剤群の分散に優れる傾向があることから好ましい。
本発明の製造方法によって得られた顆粒は、熱や光により劣化を受けやすい熱可塑性樹脂などのプラスチックの添加剤として好適である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、ポリスチレン系樹脂(GP−PS、HI−PS、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体等)、ポリアミド系樹脂(6ナイロン、12ナイロン等)、環状ポリオレフィン、塩素含有ポリマー(ポリ塩化ビニル、塩素化ゴム等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリウレタン、エンジニアリングプラスチックス(ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、液晶ポリエステル等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の中でもポリオレフィンが好ましい。
プラスチックへの顆粒の添加量は、通常、プラスチック100重量部当り0.005〜5重量部の範囲であり、さらに好ましくは、0.01〜1重量部の範囲である。0.005以上であると、酸化防止能が向上する傾向があることから好ましく、5重量部以下であると、プラスチックが有する性能を十分に発揮させる傾向があることから好ましい。
本発明で得られた顆粒をプラスチックに配合する方法としては、例えば、顆粒とプラスチックとを混合後、押出成形機により溶融混練りする方法、例えば、プラスチックを重合した後の溶液に顆粒を予め溶剤に溶解又は懸濁させた液をフィードし、その後、蒸発留去等の方法で溶剤を除く方法等が挙げられる。このようにして安定化されたプラスチックは、公知の方法により、例えばフィルム、成形材料やパイプ等製品に加工される。
以下、実施例等により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
以下、下記の実施例および比較例で使用した原料を下表1〜3に示す。
Figure 0005272301
Figure 0005272301
Figure 0005272301
(実施例1)
ヘンシェルミキサーに、1000gの酸化防止剤(1−1)及び1000gの酸化防止剤(2−1)を投入し、攪拌羽根の回転数950rpmで30秒間混合して混合物を得た。2軸押出造粒機(ナカタニ機械(株)製、NAS型30mmφ 二軸ベント式押し出し機、L/D:28)のホッパーよりに該混合物を投入して押出造粒し、ストランド状の造粒物を得た後、カッターで切断してペレット状の顆粒を製造した。運転条件は、加熱混合部(C1:35℃、C2:40℃、C3:40℃、C4:40℃)、ダイス部(D:47℃)、スクリュー回転数40rpmで運転したところ、5.1kg/hrの生産速度で直径4mm、長さ約5mmの円柱状顆粒を製造することができた。製造時における混合物の最高温度(A部の温度)は、48℃であった。
(実施例2〜3および比較例1〜6)
下表4に記載した酸化防止剤、必要に応じてさらに他の添加剤を用い、押出造粒機の運転条件を表5に記載の条件1〜4のうち、表4に記載の条件を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行って、顆粒を製造した。結果を実施例1の結果とともに表4に示した。
Figure 0005272301
Figure 0005272301
C1〜C4は図1で示された押出し機の加熱混合部の設定加熱温度を表す。
Dは図1で示された押出し機のダイス部の設定加熱温度を表す。
本発明の製造方法により得られた顆粒は、例えばポリオレフィン等のプラスチックと混合することにより、該プラスチックの成形体が光や熱によって生じる酸化劣化を著しく低減せしめることができるので、得られる成形体は、バンパーなどの自動車用部品、テレビ、パソコン、冷蔵庫などの筐体等の電気部品、レジ袋、包装などの生活用品などに好適に用いられる。
実施例で用いた押出機の概略図
符号の説明
A. アダプター部の混合物最高温度測定位置
C1.〜C4. 加熱混合部の設定温度位置
D. ダイス部の設定温度位置

Claims (5)

  1. 式(1)で表される酸化防止剤及び式(2)で表される酸化防止剤を必須成分として含有する添加剤組成物を加熱混合して造粒する顆粒の製造方法であって、該添加剤組成物中の最も低い融点を有する成分の含有量が、該添加剤組成物全量の10〜80重量%であり、加熱混合する温度が、最も低い融点を有する成分の(融点−20)℃以上、融点未満の温度範囲である顆粒の製造方法。
    Figure 0005272301
    (式(1)中、Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、RおよびRの少なくとも一方はアルキル基を表す。Qは、単結合、−CHCHCO−、または−CHCHCONH−基を表す。nは、1〜4の整数を表す。Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基または硫黄原子を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。
    (R−Y−S−CH2−CH2−CO2−Z (2)
    (式(2)中、Rは炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CH2CH2−CO−基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。)
  2. 押出造粒機で造粒する請求項1に記載の製造方法。
  3. 式(1)で表される酸化防止剤が、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、及びテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸] ペンタエリスリチル エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤である請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 式(2)で表される酸化防止剤が、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステル、及びテトラキス(3−n−ドデシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリチル エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 顆粒全量に対して、中和剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、造核剤及び充填剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤、酸化防止剤(1)並びに酸化防止剤(2)の各成分の合計が90重量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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