JP5272301B2 - 顆粒の製造方法 - Google Patents
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(式(1)中、R1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2およびR3の少なくとも一方はアルキル基を表す。Qは、単結合、−CH2CH2CO2−、または−CH2CH2CONH−基を表す。nは、1〜4の整数を表す。Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基または硫黄原子を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。)
特許文献1には、酸化防止剤(1)の1種であるテトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸}ペンタエリスリチル エステルについて、制酸添加剤と混合したのち、酸化防止剤(1)の融点である114℃を超えた115℃まで加熱して酸化防止剤の一部を溶解させ、押出機で2.5mmのペレット状の顆粒を製造する方法が開示されている。また、該顆粒を用いれば、パラフィンなどのポリオレフィンには望まれない結着剤を使用しなくとも無塵であり、ポリオレフィンへの添加の際に流動性に優れることが開示されている。
(R4−Y−S−CH2−CH2−CO2)m−Z (2)
(式(2)中、R4は炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CH2CH2−CO2−基を表し、mは1〜4の数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。)
本発明の目的は、プラスチック用添加剤に好適な顆粒を高い生産性で安定的に製造する方法であり、得られた顆粒は、粉塵が低減されており、プラスチックに添加する際の流動性に優れる顆粒の製造方法を提供する。
(式(2)中、R4は炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CH2CH2−CO2−基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。)
R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2およびR3の少なくとも一方はアルキル基を表す。R2およびR3は、どちらか一方が、水素原子である場合は、他方は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−オクチル基であることが好ましく、特にメチル基、t−ブチル基、t−ペンチル基であることが好ましい。R2およびR3のどちらも水素原子でない場合は、R2およびR3は、メチル基であることが好ましい。
Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。炭化水素基としては、炭素数1〜18のアルキル基、アルキル基が置換されていてもよい炭素数6〜22のアラルキル基、炭素数1〜18のアルキレン基などが挙げられる。ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子などが挙げられる。
Xとしては、硫黄原子であってもよい。この場合には、n=2であり、Qは、通常、単結合である。
Xとしては、中でも、ヘテロ原子を含む炭素数6〜22のアラルキル基、ヘテロ原子を含み炭素数3〜22の環状構造を有する炭化水素基、炭素数3〜22の環状構造を有する炭化水素基であることが好ましい。
酸化防止剤(1)としては、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン又はテトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸} ペンタエリスリチル エステルが好ましく用いられる。
(R4−Y−S−CH2−CH2−CO2)m−Z (2)
式(2)中、R4は、ドデシル基、テトラデシル基、オクタデシル基などの炭素数12〜18のアルキル基を表す。
Yは単結合又は−CH2CH2−CO2−基を表す。ここで、Yの−CH2CH2−CO2−基の酸素原子はR4に結合している。
mは1〜4の数を表し、Zはドデシルアルコールの残基、テトラデシルアルコールの残基、オクタデシルアルコールの残基又はペンタエリスリトールの残基などの炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。
Yが単結合である場合は、R4がドデシル基であり、mが4であり、Zがペンタエリスリトール残基である化合物が好ましい。また、Yが−CH2CH2−CO2−基である場合は、R4がドデシル基、テトラデシル基又はオクタデシル基であり、mが1であり、Zが上記R4に対応する炭素数12〜18のアルコール残基であることが好ましい。
[添加剤群:中和剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、造核剤及び充填剤]
合成ハイドロタルサイト、天然ハイドロタルサイト、水酸化カルシウム等の中和剤
安息香酸ナトリウム、リン酸2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)ナトリウム、ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトールなどの造核剤;
通常は、酸化防止剤(2)が最も低い融点を有する成分である。
添加剤組成物の構成成分には、低融点ポリエチレンワックス、パラフィン、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルなどのポリオレフィンには望まれない結着剤を混合物に対して、通常、5重量%以下、好ましくは、1重量%以下、とりわけ好ましくは、上記結着剤を実質的に含有せず、得られた顆粒には、粉塵がほとんど含有しない。
具体的には、最も低い融点を有する成分の融点が50℃であれば、30℃以上50℃未満、好ましくは、30℃以上49℃以下、より好ましくは30℃以上48℃以下で加熱混合することにより造粒する。加熱混合温度(造粒温度)が最も低い融点を有する成分の(融点−20)℃以上であると、生産性が向上する傾向があることから好ましく、最も低い融点を有する成分の融点未満であれば、顆粒の液状化や詰まりを防止し、製造の安定性が向上する傾向があることから好ましい。
本発明は、最も低い融点を有する成分の融点よりも低い温度で、酸化防止剤(1)と酸化防止剤(2)を含む混合物を加熱混合して造粒することを特徴とする従来技術と全く異なる技術であり、これにより顆粒の生産性を向上せしめることを可能としたものである。
尚、本発明の融点は、JIS K 0064(化学製品の融点及び溶融範囲測定方法)に従って測定される融解開始温度をいう。
押出造粒法とは、スクリュー、回転ロール、回転羽根などを備えた押出造粒機に酸化防止剤(1)、酸化防止剤(2)及び前記添加剤群を主成分とする混合物を投入し、最も低い融点を有する成分の融点の−20℃から融点未満の温度範囲で攪拌しながら混合物を部分的に溶融した状態、すなわち湿った状態とし、ダイス、金網などから押出して造粒する。
また、投入口より徐々に設定温度を高くなるように設定し、加熱混合部よりアダプター部およびダイス部が同じ温度か、若干高めに設定すると、生産安定性が向上することから好ましい。
本発明において、加熱混合される混合物の最高温度は、通常、混合物を構成する成分の中で最も低い融点を有する成分の融点未満であり、押出造粒機であれば、加熱混合部の出口であるアダプター部において、加熱混合される際の混合物の最高温度を測定することができ、該温度を混合物を構成する成分の中で最も低い融点を有する成分の融点未満となるように調整すればよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)、ポリスチレン系樹脂(GP−PS、HI−PS、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン三元共重合体等)、ポリアミド系樹脂(6ナイロン、12ナイロン等)、環状ポリオレフィン、塩素含有ポリマー(ポリ塩化ビニル、塩素化ゴム等)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、ポリウレタン、エンジニアリングプラスチックス(ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、液晶ポリエステル等)等が挙げられる。
熱可塑性樹脂の中でもポリオレフィンが好ましい。
本発明で得られた顆粒をプラスチックに配合する方法としては、例えば、顆粒とプラスチックとを混合後、押出成形機により溶融混練りする方法、例えば、プラスチックを重合した後の溶液に顆粒を予め溶剤に溶解又は懸濁させた液をフィードし、その後、蒸発留去等の方法で溶剤を除く方法等が挙げられる。このようにして安定化されたプラスチックは、公知の方法により、例えばフィルム、成形材料やパイプ等製品に加工される。
ヘンシェルミキサーに、1000gの酸化防止剤(1−1)及び1000gの酸化防止剤(2−1)を投入し、攪拌羽根の回転数950rpmで30秒間混合して混合物を得た。2軸押出造粒機(ナカタニ機械(株)製、NAS型30mmφ 二軸ベント式押し出し機、L/D:28)のホッパーよりに該混合物を投入して押出造粒し、ストランド状の造粒物を得た後、カッターで切断してペレット状の顆粒を製造した。運転条件は、加熱混合部(C1:35℃、C2:40℃、C3:40℃、C4:40℃)、ダイス部(D:47℃)、スクリュー回転数40rpmで運転したところ、5.1kg/hrの生産速度で直径4mm、長さ約5mmの円柱状顆粒を製造することができた。製造時における混合物の最高温度(A部の温度)は、48℃であった。
下表4に記載した酸化防止剤、必要に応じてさらに他の添加剤を用い、押出造粒機の運転条件を表5に記載の条件1〜4のうち、表4に記載の条件を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行って、顆粒を製造した。結果を実施例1の結果とともに表4に示した。
C1.〜C4. 加熱混合部の設定温度位置
D. ダイス部の設定温度位置
Claims (5)
- 式(1)で表される酸化防止剤及び式(2)で表される酸化防止剤を必須成分として含有する添加剤組成物を加熱混合して造粒する顆粒の製造方法であって、該添加剤組成物中の最も低い融点を有する成分の含有量が、該添加剤組成物全量の10〜80重量%であり、加熱混合する温度が、最も低い融点を有する成分の(融点−20)℃以上、融点未満の温度範囲である顆粒の製造方法。
(式(1)中、R1は炭素数1〜8のアルキル基を表す。R2およびR3は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜8のアルキル基を表し、R2およびR3の少なくとも一方はアルキル基を表す。Qは、単結合、−CH2CH2CO2−、または−CH2CH2CONH−基を表す。nは、1〜4の整数を表す。Xは、炭素数1〜22のn価の炭化水素基または硫黄原子を表す。該炭化水素基は、ヘテロ原子を含んでいてもよく、nが2以上の場合、環状構造であってもよい。
(R4−Y−S−CH2−CH2−CO2)m−Z (2)
(式(2)中、R4は炭素数12〜18のアルキル基を表し、Yは単結合又は−CH2CH2−CO2−基を表し、mは1〜4の整数を表し、Zは炭素数5〜18のm価のアルコール残基を表す。) - 押出造粒機で造粒する請求項1に記載の製造方法。
- 式(1)で表される酸化防止剤が、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン、及びテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸] ペンタエリスリチル エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤である請求項1又は2に記載の製造方法。
- 式(2)で表される酸化防止剤が、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−ドデシル エステル、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−テトラデシル エステル、3,3’−チオジプロピオン酸 ジ−n−オクタデシル エステル、及びテトラキス(3−n−ドデシルチオプロピオン酸)ペンタエリスリチル エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の酸化防止剤である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
- 顆粒全量に対して、中和剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、アンチブロッキング剤、顔料、難燃剤、造核剤及び充填剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の添加剤、酸化防止剤(1)並びに酸化防止剤(2)の各成分の合計が90重量%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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