JP5271749B2 - タイヤ用インナーライナー - Google Patents

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Description

本発明は、空気バリア性、柔軟性、靱性、および接着性に優れたイソブチレン系ブロック共重合体と組成物に関する。さらにはカーカスへの接着性に優れたタイヤ用インナーライナーに関する。
従来、空気バリア性、柔軟性、および靱性に優れる共重合体としてイソブチレンとスチレンのブロック共重合体が知られている(例えば特許文献1)。しかし、その機械強度と接着性のバランスが十分とはいえず、その用途には限界があった。
また従来、耐気体透過性材料としてブチルゴムは種々の分野で利用されている。例えば、薬栓やタイヤインナーライナー用材料として使用されている。しかし、タイヤインナーライナー用材料として使用する場合には、加硫操作を必要とするため操作性に劣るという問題点があった。
特許文献2には芳香族ビニル化合物とイソブチレンとのブロック共重合体とカーボンブラックとを含有するタイヤインナーライナー用ゴム組成物が開示されている。これは加硫工程を必要とせず、ガスバリア性には優れているものの未だカーカス層を構成するゴムとの接着は不十分であった。
特開平08−301955 特開平06−107896
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、空気バリア性、柔軟性、靱性、および接着性に優れたイソブチレン系ブロック共重合体と組成物を提供することにある。さらに加硫工程を必要としない空気入りタイヤのインナーライナー層として空気バリア性、柔軟性、靱性とカーカスへの接着性のバランスに優れたインナーライナーを提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)、およびβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)からなることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、さらに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)を含有することを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、前記イソブチレン系ブロック共重合体のブロック構造が、(c)−(a)−(b)のトリブロック体であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、前記イソブチレン系ブロック共重合体のブロック構造が、(c)−(b)−(a)−(b)−(c)、または(b)−(c)−(a)−(c)−(b)のペンタブロック体であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、重量平均分子量が30,000〜300,000であり、かつ分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.3以下であることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)を60〜99.5重量%、およびβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)を0.5〜40重量%含むことを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)を50.5〜90重量%、β−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)を0.5〜40重量%、および芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)を9.5〜49重量%含むことを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
好ましい実施態様としては、前記芳香族ビニル系化合物がスチレンであることを特徴とするイソブチレン系ブロック共重合体に関する。
さらには、上記イソブチレン系ブロック共重合体を含むことを特徴とする組成物に関する。
さらには、上記イソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対してエチレン−ビニルアルコール共重合体を1〜400重量部を含有することを特徴とする組成物に関する。
さらには、上記組成物によって作られることを特徴とするタイヤ用インナーライナーに関する。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体は、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)と芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)とからなる従来のイソブチレン系ブロック共重合体の特徴である空気バリア性、柔軟性、および靱性に加え、接着性に優れる。特に、本発明のタイヤ用インナーライナーは、加硫工程を必要とせず、空気バリア性、柔軟性、靱性とカーカスへの接着性のバランスに優れており、タイヤの組み立て容易化、あるいはガス圧の保持力の向上に好適である。
本発明は、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)、およびβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)からなるイソブチレン系ブロック共重合体を含む。
イソブチレンを主成分とする重合体ブロック(a)は、イソブチレンに由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
いずれの重合体ブロックも、共重合成分として、相互の単量体を使用することができるほか、その他のカチオン重合可能な単量体成分を使用することができる。このような単量体成分としては、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
β−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)は、β−ピネンに由来するユニットが60重量%以上、好ましくは80重量%以上から構成される重合体ブロックである。
いずれの重合体ブロックも、共重合成分として、相互の単量体を使用することができるほか、その他のカチオン重合可能な単量体成分を使用することができる。このような単量体成分としては、脂肪族オレフィン類、ジエン類、ビニルエーテル類、シラン類、ビニルカルバゾール、アセナフチレン等の単量体が例示できる。これらはそれぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
脂肪族オレフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキサン、オクテン、ノルボルネン等が挙げられる。
ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、ジビニルベンゼン、エチリデンノルボルネン等が挙げられる。
ビニルエーテル系単量体としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、(n−、イソ)プロピルビニルエーテル、(n−、sec−、tert−、イソ)ブチルビニルエーテル、メチルプロペニルエーテル、エチルプロペニルエーテル等が挙げられる。
シラン化合物としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体はさらに芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)を含有していてもよい。
芳香族ビニル系化合物としては、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、2,6−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチル−o−メチルスチレン、α−メチル−m−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレン、β−メチル−o−メチルスチレン、β−メチル−m−メチルスチレン、β−メチル−p−メチルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、α−メチル−2,6−ジメチルスチレン、α−メチル−2,4−ジメチルスチレン、β−メチル−2,6−ジメチルスチレン、β−メチル−2,4−ジメチルスチレン、o−、m−又はp−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、α−クロロ−o−クロロスチレン、α−クロロ−m−クロロスチレン、α−クロロ−p−クロロスチレン、β−クロロ−o−クロロスチレン、β−クロロ−m−クロロスチレン、β−クロロ−p−クロロスチレン、2,4,6−トリクロロスチレン、α−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、α−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,6−ジクロロスチレン、β−クロロ−2,4−ジクロロスチレン、o−、m−又はp−t−ブチルスチレン、o−、m−又はp−メトキシスチレン、o−、m−又はp−クロロメチルスチレン、o−、m−又はp−ブロモメチルスチレン、シリル基で置換されたスチレン誘導体、インデン、ビニルナフタレン等が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手性やガラス転移温度の点から、スチレン、α−メチルスチレン、および、これらの混合物が好ましく、特にスチレンが好ましい。
本発明のイソブチレン系ブロック共重合体はイソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)とβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)、もしくは芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)から構成されている限り、その構造には特に制限はなく、例えば、直鎖状、分岐状、星状等の構造を有するブロック共重合体、トリブロック共重合体、マルチブロック共重合体等のいずれも選択可能である。好ましい構造としては、物性バランス及び成形加工性の点から、(a)−(b)で構成されるジブロック共重合体、(b)−(a)−(b)、(a)−(b)−(c)、(a)−(c)−(b)、あるいは(c)−(a)−(b)で構成されるトリブロック共重合体、(c)−(b)−(a)−(b)−(c)、あるいは(b)−(c)−(a)−(c)−(b)で構成されるペンタブロック共重合体が挙げられる。これらは所望の物性・成形加工性を得る為に、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。機械強度、耐熱性の観点から、特に(c)−(a)−(b)のトリブロック体、および(c)−(b)−(a)−(b)−(c)と(b)−(c)−(a)−(c)−(b)のペンタブロック体が好ましい。
イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)とβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)の割合に関しては、特に制限はないが、柔軟性およびゴム弾性の点から、イソブチレン系ブロック共重合体におけるイソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)の含有量が50〜99.5重量%であることが好ましく、60〜99.5重量%であることがさらに好ましい。また、接着性の観点からβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)の含有量は0.5〜50重量%であることが好ましく、0.5〜40重量%がさらに好ましい。機械強度の点から芳香族ビニル系重合体ブロック(c)が含まれることが好ましく、各ブロック体の割合としては、イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)を50.5〜90重量%、β−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)を0.5〜40重量%、および芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)を9.5〜49重量%含むことが好ましい。
またイソブチレン系ブロック共重合体の分子量にも特に制限はないが、流動性、成形加工性、ゴム弾性等の面から、GPC測定による重量平均分子量で30,000〜300,000であることが好ましく、30,000〜150,000であることが特に好ましい。重量平均分子量が30,000よりも低い場合には機械的な物性が十分に発現されない傾向があり、一方300,000を超える場合には流動性、加工性が悪化する傾向がある。さらには加工安定性の観点からイソブチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量/数平均分子量が1.3以下であることが好ましい。
イソブチレン系ブロック共重合体の製造方法については特に制限はないが、例えば、下記一般式(I)で表される化合物の存在下に、単量体成分を重合させることにより得られる。
(CR12X)nR3 (I)
[式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアシロキシ基から選ばれる置換基、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基でR1、R2は同一であっても異なっていても良く、R3は一価若しくは多価芳香族炭化水素基または一価若しくは多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。]
上記一般式(I)で表わされる化合物は開始剤となるものでルイス酸等の存在下炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。本発明で用いられる一般式(I)の化合物の例としては、次のような化合物等が挙げられる。
(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C65C(CH32Cl]、1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,4−Cl(CH32CC64C(CH32Cl]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3−Cl(CH32CC64C(CH32Cl]、1,3,5−トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[1,3,5−(ClC(CH32363]、1,3−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)−5−(tert−ブチル)ベンゼン[1,3−(C(CH32Cl)2-5−(C(CH33)C63
これらの中でも特に好ましいのはビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C64(C(CH32Cl)2]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH32363]である。[なおビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、ビス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはジクミルクロライドとも呼ばれ、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼンは、トリス(α−クロロイソプロピル)ベンゼン、トリス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンあるいはトリクミルクロライドとも呼ばれる]。
イソブチレン系ブロック共重合体を製造する際には、さらにルイス酸触媒を共存させることもできる。このようなルイス酸としてはカチオン重合に使用できるものであれば良く、TiCl4、TiBr4、BCl3、BF3、BF3・OEt2、SnCl4、SbCl5、SbF5、WCl6、TaCl5、VCl5、FeCl3、ZnBr2、AlCl3、AlBr3等の金属ハロゲン化物;Et2AlCl、EtAlCl2等の有機金属ハロゲン化物を好適に使用することができる。中でも触媒としての能力、工業的な入手の容易さを考えた場合、TiCl4、BCl3、SnCl4が好ましい。ルイス酸の使用量は、特に限定されないが、使用する単量体の重合特性あるいは重合濃度等を鑑みて設定することができる。通常は一般式(I)で表される化合物に対して0.1〜100モル当量使用することができ、好ましくは1〜50モル当量の範囲である。
イソブチレン系ブロック共重合体の製造に際しては、さらに必要に応じて電子供与体成分を共存させることもできる。この電子供与体成分は、カチオン重合に際して、成長炭素カチオンを安定化させる効果があるものと考えられており、電子供与体の添加によって、分子量分布の狭い、構造が制御された重合体を生成することができる。使用可能な電子供与体成分としては特に限定されないが、例えば、ピリジン類、アミン類、アミド類、スルホキシド類、エステル類、または金属原子に結合した酸素原子を有する金属化合物等を挙げることができる。
イソブチレン系ブロック共重合体の重合は必要に応じて有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としてはカチオン重合を本質的に阻害しなければ、特に制約なく使用することができる。具体的には、塩化メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、塩化エチル、ジクロロエタン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン等のアルキルベンゼン類;エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖式脂肪族炭化水素類;2−メチルプロパン、2−メチルブタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,2,5−トリメチルヘキサン等の分岐式脂肪族炭化水素類;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類;石油留分を水添精製したパラフィン油等を挙げることができる。
これらの溶媒は、イソブチレン系ブロック共重合体を構成する単量体の重合特性及び生成する重合体の溶解性等のバランスを考慮して、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50wt%、好ましくは5〜35wt%となるように決定される。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃である。
本発明の組成物は、本発明のイソブチレン系ブロック共重合体を含む組成物であり、インナーライナー用組成物、特に空気入りタイヤ用インナーライナー用組成物として好適に使用できる。
本発明の組成物にはガスバリア性の向上の観点からさらにエチレン−ビニルアルコール共重合体を含有しても良い。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン含有量は20〜70モル%であることが好ましい。エチレン含有量が20モル%を下回ると水分バリア性と柔軟性に劣り耐屈曲性に劣る恐れがある上熱成形性に劣る恐れがある。また、70モル%を上回るとガスバリア性が不足する恐れがある。エチレン−ビニルアルコール共重合体の配合量はイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して好ましくは1〜400重量部、さらに好ましくは10〜400重量部含有することが好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体の配合量が400重量部を超えると柔軟性が失われ長期での屈曲疲労特性に劣る可能性がある。
本発明の組成物にはさらに架橋剤と架橋助剤を添加しても良い。架橋剤は単体硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、4,4−ジチオビスモルホリン、有機過酸化物、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ハロメチルフェノールが例示される。これらの中でも好ましいのは単体硫黄、テトラメチルチウラムジスルフィド、4,4−ジチオビスモルホリンである。架橋助剤は例えば、スルフェンアミド、ベンゾチアゾール、グアニジン、ジチオカルバミン酸、酸化亜鉛などの金属酸化物、ステアリン酸などの脂肪酸、含窒素化合物、トリアリルイソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパンメタクリレートが挙げられる。これらの中でも好ましいのはスルフェンアミド、ベンゾチアゾール、グアニジン、ジチオカルバミン酸、酸化亜鉛などの金属酸化物、ステアリン酸などの脂肪酸である。架橋剤と架橋助剤の配合量としてそれぞれ好ましくはイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して0.5〜5重量部である。
本発明の組成物にはカーカスゴムへの密着性の点から、さらに粘着付与剤を含有していても良い。粘着付与剤には天然のロジン、テルペン、合成のクマロンインデン樹脂、石油樹脂、アルキルフェノール樹脂などが挙げられる。粘着付与剤の配合量はイソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対して好ましくは1〜80重量部である。
本発明の組成物にはさらに目的に応じて充填剤、老化防止剤、軟化剤、加工助剤を添加しても良い。例えば充填剤には、カーボンブラック、湿式シリカ、乾式シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー等が挙げられ、老化防止剤には酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤が挙げられ、軟化剤にはパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイル、ナタネ油、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートなどが挙げられ、加工助剤には高級脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩、脂肪酸アミド、パラフィンワックス、脂肪アルコール、フッ素・シリコーン系樹脂、高分子量ポリエチレンが挙げられる。
本発明の組成物からなる配合物を得るには、公知の溶融混練の方法が適用できる。例えばイソブチレン系ブロック共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、さらに所定の物性を得るために配合される他の成分を、加熱混練機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサー等を用いて溶融混練することで製造することができる。溶融混練の温度は、100〜240℃が好ましい。100℃よりも低い温度ではイソブチレン系ブロック共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体の溶融が不十分となり、混練が不均一となる傾向がある。240℃よりも高い温度では、イソブチレン系ブロック共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体の熱分解、熱架橋が起こる傾向がある。得られた組成物を次に押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをフィルム化する通常の方法によってフィルム化すれば良い。
本発明の組成物は、インナーライナー、特にタイヤ用インナーライナーに好適に使用できる。
本発明のインナーライナーの厚みは合計20μm〜1500μmの範囲に有ることが好ましい。厚みが20μmを下回るとインナーライナーの耐屈曲性が低下しタイヤ転動時の屈曲変形による破断や亀裂が生じる恐れがある。一方厚みが1500μmを超えるとタイヤ重量低減のメリットが少なくなる。
以下、実施例にて本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例によって本発明は何ら限定されるものではない。
尚、実施例に先立ち各種測定法、評価法、実施例について説明する。
(引張弾性率)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は100mm/分とした。弾性率は歪みが0.5%〜5%の応力を基に算出した。
(引張強度)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は100mm/分とした。
(引張伸び)
JIS K 6251に準拠し、試験片としてシートをダンベルで7号型に打抜いたものを用意し、これを測定に使用した。引張速度は100mm/分とした。
(ガスバリア性)
ガスバリア性は気体透過性を評価し、酸素の透過度を評価した。酸素の透過度は、得られたシートから100mm×100mmの試験片を切り出し、JISK7126に準拠して、23℃、0%RH、1atmの差圧法にて測定した。
(接着性)
イソプレンゴムとの接着性を評価した。(製造例1)のイソプレンゴムの2mm厚未加硫シートと貼り合わせ、150℃、50MPaで40分加熱加圧加硫を行った後、幅2cm×6cmに切り出した後、180°剥離試験を行った際の応力を測定した。試験速度は200mm/minで行い、剥離開始後3cm〜5cmの応力の平均値を採用した。
(実施例等記載成分の内容)
成分(A)−1(イソブチレン系ブロック共重合体):β−ピネン−スチレン−イソブチレン−スチレン−β−ピネンブロック共重合体 β−ピネン含量9.7重量% 数平均分子量10,5000 (製造例2)
成分(A)―2(イソブチレン系ブロック共重合体):スチレン−β−ピネン−イソブチレン−β−ピネン−スチレンブロック共重合体 β−ピネン含量5.3重量% 数平均分子量10,2000(製造例3)
成分(A)―3(イソブチレン系ブロック共重合体):スチレン−イソブチレン−β−ピネンブロック共重合体 β−ピネン含量5.3重量% 数平均分子量10,7000(製造例4)
成分(B)(エチレン−ビニルアルコール共重合体):エチレン含量44mol%エチレン−ビニルアルコール共重合体(株式会社クラレ社製 商品名「EVAL E105B」)
架橋剤:硫黄(関東化学社製)
架橋助剤1:ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド
架橋助剤2:酸化亜鉛
架橋助剤3:ステアリン酸
粘着付与剤:脂環族飽和炭化水素樹脂(荒川化学社製「アルコンP−70」)。
老化防止剤:株式会社アデカ社製「AO−50」
SIBS:スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(製造例5)
(製造例1)イソプレンゴムシートの作製
イソプレンゴム(株式会社JSR社製 商品名「IR2200」)を400g、カーボンブラック(旭カーボン旭♯50)200gを40℃に設定した1Lニーダー(株式会社モリヤマ社製)に投入し50rpmで5分間混練した後、硫黄6g、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾルスルフェンアミド8g、酸化亜鉛8g、ステアリン酸8gを投入し2分間混練した後排出し、80℃で加熱プレス(神藤金属社製)にて2mm厚のシート状に成形した。
(製造例2)[β−ピネン−スチレン−イソブチレン−スチレン−β−ピネンブロック共重合体(成分(A)−1)]の製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)31.0mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)を重合容器内に添加した。スチレンを添加してから45分後にβ−ピネン6.8g(49.7mmol)を重合容器内に添加した。β−ピネン添加45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。Mnが105,000、Mw/Mnが1.23であるブロック共重合体が得られた。
(製造例3)[スチレン−β−ピネン−イソブチレン−β−ピネン−スチレンブロック共重合体(成分(A)−2)]の製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)31.0mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたβ−ピネン3.6g(26.3mmol)を重合容器内に添加した。β−ピネン添加45分後にスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)を重合容器内に添加した。スチレンを添加してから45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。Mnが102,000、Mw/Mnが1.25であるブロック共重合体が得られた。
(製造例4)[スチレン−イソブチレン−β−ピネンブロック共重合体(成分(A)−3)]の製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)31.0mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、β−ピネン3.6g(26.3mmol)。クミルクロライド0.186g(1.2mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から45分後、あらかじめ−70℃に冷却しておいたイソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。イソブチレン添加1.5時間後にスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)を重合容器内に添加した。スチレンを添加してから45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。Mnが102,000、Mw/Mnが1.21であるブロック共重合体が得られた。
(製造例5)[スチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体(SIBS)]の製造]
2Lのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換した後、注射器を用いて、n−ヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)31.0mL及び塩化ブチル(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)294.6mLを加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した後、イソブチレンモノマー88.9mL(941.6mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にテフロン(登録商標)製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。p−ジクミルクロライド0.148g(0.6mmol)及びα−ピコリン0.07g(0.8mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン0.87mL(7.9mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から1.5時間同じ温度で撹拌を行った後、重合溶液からサンプリング用として重合溶液約1mLを抜き取った。続いて、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー10.4g(99.4mmol)を重合容器内に添加した。スチレンを添加45分後に約40mLのメタノールを加えて反応を終了させた。反応溶液から溶剤等を留去した後、トルエンに溶解し2回水洗を行った。さらにトルエン溶液を多量のメタノールに加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することにより目的のブロック共重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により得られた重合体の分子量を測定した。Mnが101,000、Mw/Mnが1.23であるブロック共重合体が得られた。
(実施例1)
成分(A)−1、老化防止剤を表1の割合で配合し、2軸押出機を用いて170℃で混練しペレットを得た。得られたペレットはTダイ(ダイリップ径2000μm、幅200mm)を取り付け、ダイ温度180℃に設定した単軸押出機に投入され出てきたフィルムをロールにて引き取り1000μmの厚みのフィルムを得た。得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(実施例2)
成分(A)−1を成分(A)−2に変更した以外は実施例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(実施例3)
成分(A)−1を成分(A)−3に変更した以外は実施例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(実施例4)
成分(A)−1、成分(B)、老化防止剤を表1の割合で配合し実施例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(実施例5)
成分(B)の配合量を表1に従って変更した以外は実施例4と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(実施例6)
成分(A)−2、架橋助剤1〜3と老化防止剤を表1の割合で配合し実施例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(実施例7)
成分(A)−1、粘着付与剤と老化防止剤を表1の割合で配合し実施例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(比較例1)
SIBSと老化防止剤を表1の割合で配合し2軸押出機を用いて170℃で混練しペレットを得た。得られたペレットをTダイ(ダイリップ径2000μm、幅200mm)を取り付け、ダイ温度180℃に設定した単軸押出機に投入し出てきたフィルムをロールにて引き取り1000μmの厚みのフィルムを得た。得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(比較例2)
SIBS、架橋助剤1〜3と老化防止剤を表1の割合で配合し比較例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(比較例3)
SIBS、成分(B)、老化防止剤を表1の割合で配合し比較例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(比較例4)
SIBS、粘着付与剤と老化防止剤を表1の割合で配合し比較例1と同様にして、フィルムを得て、得たフィルムの引張試験、ガスバリア性、接着性の測定を行った。
(比較例5)
ブチルゴム(株式会社JSR社製 商品名「ブチル268」)を400g、カーボンブラック(旭カーボン旭♯50)120gを40℃に設定した1Lニーダー(株式会社モリヤマ社製)に投入し50rpmで5分間混練した後、硫黄8g、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド8g、酸化亜鉛12g、ステアリン酸8g、プロセスオイル(株式会社出光興産社製 商品名「PW380」)80gを投入し2分間混練した後排出し、80℃で加熱プレス(神藤金属にて1000μm厚のシート状に成形した。一部はシートを150℃20分間加熱プレスした後、引張試験、ガスバリア性の測定を行った。残りのシートを用いて比較例1と同様にして接着性の評価を行った。
実施例1〜7は剥離強度が75N/20mm以上であるのに対し、ポリβ−ピネンブロックを有さない重合体を用いた比較例1〜4は3〜8N/20mmと低い接着強度である。また、実施例1〜7は通常のプラスチック用の押出機を用いて成形されており比較例5の従来の加硫ゴムのプロセスと比較して生産性に優れている。また、成分(B)を用いた実施例4,5はガスバリア性に非常に優れておりインナーライナーの薄肉化、軽量化に貢献できる。
これらの事から本発明のインナーライナー組成物はカーカスゴムへの接着とインナーライナーの生産性に優れていることが分かる。
Figure 0005271749
Figure 0005271749

Claims (7)

  1. イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)を60〜99.5重量%、およびβ−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)を0.5〜40重量%含有するイソブチレン系ブロック共重合体を含む組成物によって作られることを特徴とするタイヤ用インナーライナー。
  2. イソブチレンを主体とする重合体ブロック(a)を50.5〜90重量%、β−ピネンを主体とする重合体ブロック(b)を0.5〜40重量%、および芳香族ビニル系化合物を主体とする重合体ブロック(c)を9.5〜49重量%含有するイソブチレン系ブロック共重合体を含む組成物によって作られることを特徴とするタイヤ用インナーライナー。
  3. 前記イソブチレン系ブロック共重合体のブロック構造が、(c)−(a)−(b)のトリブロック体であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ用インナーライナー。
  4. 前記イソブチレン系ブロック共重合体のブロック構造が、(c)−(b)−(a)−(b)−(c)、または(b)−(c)−(a)−(c)−(b)のペンタブロック体であることを特徴とする請求項2に記載のタイヤ用インナーライナー。
  5. 前記イソブチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量が30,000〜300,000であり、かつ分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が1.3以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用インナーライナー。
  6. 前記芳香族ビニル系化合物がスチレンであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のタイヤ用インナーライナー。
  7. 前記組成物が、イソブチレン系ブロック共重合体100重量部に対してエチレン−ビニルアルコール共重合体を1〜400重量部を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のタイヤ用インナーライナー。
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