JP5266874B2 - セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性樹脂の外部電極を有したセラミック電子部品の製造方法に関するものである。
セラミック電子部品の代表的なものの1つに積層セラミックコンデンサがあり、積層セラミックコンデンサは、内部導体とセラミック層とを交互に積層したセラミック素体を備え、セラミック素体の両端部に露出した内部導体と導通するように外部電極が配設されたものである。
このような構造を有するセラミック電子部品の外部電極は、耐たわみ性や耐落下衝撃性等の機械的強度の向上を図るため導電性樹脂層を備えるものがある。
この導電性樹脂層は、銀等の金属粉末とエポキシ樹脂のような耐熱性樹脂とを混合した導電性ペーストをセラミック素体に直接塗布し、大気中で高温の熱処理を行い硬化して形成されている。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1に示すものが知られている。
特開平6−267784号公報
しかしながら、このような従来のセラミック電子部品の製造方法は、導電性ペーストを硬化する熱処理時に導電性樹脂層が劣化し、高温高湿度環境において外部電極を通じて外部から湿気が侵入しセラミック素体の絶縁抵抗が著しく低下する課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決し、セラミック電子部品の絶縁抵抗が良好で、かつ湿気の侵入によるセラミック電子部品の絶縁抵抗の劣化を低減し、信頼性の高いセラミック電子部品の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、内部導体を有するセラミック素体に外部電極を設けたセラミック電子部品の製造方法であって、前記外部電極は導電性樹脂層を有し、前記導電性樹脂層を形成する工程は金属粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性ペーストを塗布した後、前記導電性ペーストを熱処理により硬化するものであって、前記熱処理における少なくとも最高温度のとき酸素濃度は10-4ppm以上から2.5×102ppm以下であるセラミック電子部品の製造方法である。
以上のように本発明のセラミック電子部品の製造方法によれば、導電性ペーストを硬化する熱処理における少なくとも最高温度のとき酸素濃度が10-4ppm以上から2.5×102ppm以下であることにより、導電性樹脂層の熱硬化性樹脂と金属粉末との密着性を損なうことがなく緻密な導電性樹脂層を形成できる。
これによって、セラミック電子部品の絶縁抵抗が優れ、かつ高温高湿環境において湿気が外部電極を通じてセラミック素体へ侵入することを防止しセラミック電子部品の絶縁抵抗の劣化を低減でき、セラミック電子部品の信頼性を向上することができる。
(実施の形態)
本発明の実施の形態のセラミック電子部品として、具体的に積層セラミックコンデンサについて説明する。
図1は本発明の実施の形態における積層セラミックコンデンサの断面図である。
図1に示すように、積層セラミックコンデンサは内部導体2を有する矩形状のセラミック素体3に外部電極4を設けたものである。
セラミック素体3は、セラミック層1と内部導体2とが交互に積層されたものであり、セラミック層1はチタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム等を主成分とする誘電体材料のセラミック粒子から構成され、内部導体2はニッケル、パラジウム、白金などの金属を主成分として含有している。
保護層8は、交互に積層されたセラミック層1と内部導体2の上下側のセラミック素体3に設けられ、セラミック粒子からなり絶縁性を有している。
外部電極4は、セラミック素体3の両端部に露出した内部導体2と導通してセラミック素体3の両端部に配設され、外部電極4はセラミック素体3の表面に設けた下地電極6と、この下地電極6の表面に形成された金属層7を備えている。
下地電極6は、導電性の金属粉末と熱硬化性樹脂とを含有する導電性樹脂層5であり、導電性樹脂層5の厚みは2μm〜80μmとすることが好ましい。
金属層7は、めっき処理により形成されたニッケル、銅、錫等のめっき層である。
また、下地電極6は、セラミック素体3の表面に設けた導電性焼成層(図示せず)の上に導電性樹脂層5を形成したものでもよく、導電性焼成層は銀、銅、ニッケル等の金属粉末とガラスフリットとを有機ビヒクルとともに混合して得られた導電性ペーストをセラミック素体3上に塗布し600℃〜800℃の温度で焼成したものである。
次に、外部電極4の導電性樹脂層5の製造方法について説明する。
導電性樹脂層5の製造方法は、セラミック素体3の端部に導電性ペーストを浸漬塗布、印刷、転写等により塗布した後、この導電性ペーストを熱処理により硬化させて導電性樹脂層5を形成するものである。
導電性樹脂層5の形成に用いる導電性ペーストは、金属粉末、バインダ樹脂、硬化促進剤、溶剤等を混合したものである。
前記導電性ペーストの金属粉末は、銀、パラジウム等の貴金属の導電性粉末、又はニッケル、銅等の卑金属の導電性粉末、これらの金属の合金の導電性粉末から選択することができる。
また、前記金属粉末は、低融点金属を含有することが好ましく、低融点金属の融点は130℃以上かつ導電性ペーストの熱処理の最高温度Tm以下であり、低融点金属は錫、又は錫に銀、銅、亜鉛、ビスマス等を添加した錫合金等の金属を用いることができる。
導電性ペーストに低融点金属を含有することによって、導電性樹脂層5を形成する熱処理の際に、低融点金属と内部導体2に含有する金属との拡散反応が生じ易くなるため、導電性樹脂層5と内部導体2との電気的接合性を良化することができる。
前記導電性ペーストのバインダ樹脂は、熱硬化性樹脂を主成分として含むものであり、熱硬化性樹脂はビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型のエポキシ樹脂、又はレゾール型、ノボラック型のフェノール樹脂、シリコーン変性樹脂等から選択され、積層セラミックコンデンサの使用条件から熱硬化性樹脂は炭化開始する温度が300℃以上であることが好ましい。
導電性ペーストの溶剤は、導電性ペーストの金属粉末、樹脂の種類と含有量、塗布方法等により選択される。
ここで、熱硬化性樹脂が炭化開始する温度は、熱硬化性樹脂の骨格を構成する炭素同士、又はその骨格に付いた官能基が切れる状態が開始する温度である。
炭化開始する温度は、熱重量測定による場合は以下のように行う。
まず、導電性ペーストを温度150℃の大気雰囲気中で60分間乾燥させ、導電性ペーストに含有する溶剤を揮発させ固形化した導電性ペーストを得る。
次に、固形化した導電性ペーストを、後述する熱処理の最高温度Tmで設定される酸素濃度雰囲気のガスを流入させて室温から毎分10±1℃の温度で上昇させて加熱し、固形化した導電性ペーストの質量変化率を温度の関数として測定し、TG曲線を描く。
図3は本発明の実施の形態における導電性ペーストの熱重量測定のTG曲線である。
図3に示すように縦軸は固形化した導電性ペーストの室温を基準とした質量変化率、横軸は温度を示す。
TG曲線の屈曲点の温度は、接線の勾配が極大値を有する接線Aの接点を接点a、極小値を有する接線Bの接点を接点bとし、隣接する接点aと接点b間にあり、接線Aと接線Bとの交点に対応する温度である。
続いて、TG曲線から炭化開始する温度を算出する。
炭化開始する温度は、温度が250℃以上の屈曲点の温度であり、屈曲点の低温側の接線Aと高温側の接線Bとが交わる交点に対応する温度Tcである。さらに炭化開始する温度の接線の勾配は、−0.010wt%/℃以下の値である。この条件を満たす屈曲点が複数ある場合、最も低い温度が炭化開始する温度である。
図2は本発明の実施の形態における導電性ペーストを硬化する熱処理の時間と温度、酸素濃度を示す図である。
図2に示すように、導電性ペーストを硬化する熱処理における温度パターンは、常温から最高温度Tmまでは時間当たり所定の上昇温度を有して昇温させ、最高温度Tmに達したときに最高温度Tmに一定時間保持し、導電性ペーストの硬化を行うものである。
その後、最高温度Tmから常温まで時間当たり所定の下降温度を有して降温させ冷却するものである。
昇温の温度勾配は、導電性ペーストの硬化反応の進行を制御するため適宜調整する。
導電性ペーストの熱処理における酸素濃度パターンは、昇温に従ってアルゴン、窒素等の不活性ガス中で酸素濃度を小さくしていき、少なくとも最高温度Tmにおける酸素濃度が10-4ppm以上から2.5×102ppm以下の範囲に入るようにする。また降温に従って酸素濃度を大きくするものである。
最高温度Tmにおける酸素濃度が2.5×102ppmより高いと、熱硬化性樹脂が酸化劣化して導電性樹脂層5に含有する金属粉末と熱硬化性樹脂間の密着性が悪くなり、導電性樹脂層5の緻密性が低下し、高温高湿環境において湿気が外部電極を通じてセラミック素体3へ侵入し易くなり積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗が低下する。
最高温度Tmにおける酸素濃度が10-4ppmより小さいと、セラミック層1の還元反応が生じ、積層セラミックコンデンサの初期の絶縁抵抗が低下してしまう。
導電性ペーストの熱処理の最高温度Tmは、熱硬化性樹脂のガラス転移温度Tg以上であり、かつ熱硬化性樹脂が炭化開始する温度近傍以下である。
導電性ペーストの熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂と硬化剤のフェノール樹脂とを混合したものを主成分とする場合は、熱硬化性樹脂のガラス転移温度は150℃〜250℃であり、炭化開始の温度は300℃〜450℃を有している。
熱処理の最高温度Tmをガラス転移温度以上とすることにより、導電性樹脂層5の熱硬化性樹脂の構造を安定にさせることができ導電性樹脂層5と内部導体2との密着強度が向上し、プリント基板へ実装する際のリフロー温度等の高温環境において導電性樹脂層5と内部導体2との電気的接続を確実にすることができる。
また、熱処理の最高温度Tmは、導電性樹脂層5の熱硬化性樹脂が炭化開始する温度近傍であることが好ましく、これによって導電性樹脂層5の緻密性を保ちながら、導電性樹脂層5の金属粉末と内部導体2の金属との金属拡散が生じ易くなり導電性樹脂層5と内部導体2の電気的接続を確実にすることができ、高温高湿環境における絶縁抵抗の劣化を低減しかつ静電容量のバラツキを小さくすることができる。
熱硬化性樹脂が炭化開始する温度近傍は、具体的には炭化開始する温度より30℃低い温度から20℃高い温度の範囲である。
また、酸素濃度が10-4ppm以上、2.5×102ppm以下である温度が、少なくとも導電性樹脂層5の熱硬化性樹脂のガラス転移温度以下の温度から最高温度Tmであることが好ましく、これによって、熱処理において熱硬化性樹脂の酸化劣化がより生じ難くなり、高温高湿環境で湿気がセラミック素体3に侵入することを防止する効果が大きくなり、より長時間の高温高湿環境においても積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗劣化を低減でき、信頼性を向上させることができる。
また、導電性ペーストの熱処理の降温においても最高温度Tmから少なくとも熱硬化性樹脂のガラス転移温度まで本発明の実施の形態の酸素濃度にすることがより好ましい。
以下、具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1の積層セラミックコンデンサは、セラミック素体はチタン酸バリウムを主成分とするセラミック層とニッケルを主成分とする内部導体を交互に積層したものであり、外部電極はセラミック素体の両端部に形成され導電性樹脂層と金属層からなるものである。
まず、セラミックスラリーとニッケル金属ペーストを用意する。
セラミックスラリーは、ポリビニルブチラールを主成分とする有機ビヒクルにセラミック粉末を分散させたものであり、セラミック粉末は平均粒径が0.1〜1.0μmの主成分となるチタン酸バリウムの誘電体粉末にマンガン化合物、シリカ、希土類元素の酸化物等の微量添加物を0.1〜5wt%を加えたものである。
ニッケル金属ペーストは、ニッケルを主成分とする金属粉末、アクリルの有機バインダ、溶剤、可塑剤等を混合したものであり、金属粉末は平均粒径が0.01〜2μmでありニッケル金属ペーストに20〜70wt%含有される。
次に、セラミックスラリーを基体上に塗布、乾燥して厚み1〜3μmのグリーンシートを形成した。
さらに、このグリーンシート上にスクリーン印刷によりニッケル金属ペーストを印刷し厚み1〜2μmの内部導体を形成し内部導体を設けたグリーンシートを形成した。
続いて、前記グリーンシートからなる保護層シートを複数枚積層し圧着し、この上に前記内部導体を設けたグリーンシートを160枚、積層圧着させ、さらにこのシート上に前記保護層シートを複数枚積層し圧着させて積層体を形成した。
次に、この積層体を切断し個片とした後、1100〜1300℃の還元雰囲気中で焼成しセラミック素体を得た。
さらに、セラミック素体の表面に外部電極の導電性樹脂層を形成する。
導電性樹脂層の形成は、まず導電性樹脂層用の導電性ペーストを基板に塗布しブレードでかき取り、一定の厚みの導電性ペーストの薄膜を形成する。次に前記薄膜にセラミック素体の端部を浸漬して、セラミック素体の両端部に導電性ペーストを塗布した。さらに導電性ペーストを熱処理により硬化し導電性樹脂層を形成した。
導電性樹脂層用の導電性ペーストは、金属粉末と熱硬化性樹脂を含有したものである。
導電性ペーストの金属粉末は平均粒径1〜10μmの銀粉末と平均粒径1〜10μmの錫粉末を混合したものであり、金属粉末は導電性ペーストに60wt%〜90wt%含有している。
導電性ペーストの熱硬化性樹脂はビスフェノールA型のエポキシ樹脂と硬化剤のレゾール型のフェノール樹脂を混合したものであり、熱硬化性樹脂は導電性ペーストに5wt%〜40wt%含有している。
この導電性ペーストは、酸素濃度が8.0×10-1ppmの窒素ガスを流入させ熱重量測定により測定したときの熱硬化性樹脂の炭化開始する温度は330℃、ガラス転移温度は210℃である。
熱処理の温度パターンは、最高温度は炭化開始する温度の330℃であり、常温から毎分7℃〜60℃の温度勾配で最高温度まで昇温した後、最高温度を10分〜60分保持し、毎分7℃〜60℃の温度勾配で常温まで降温し冷却したものである。
熱処理の酸素濃度は、常温からの昇温及び降温中に窒素ガスと酸素ガスの注入量を調整して制御した。
熱処理の昇温時の酸素濃度パターンは、常温の大気雰囲気から指数的に小さくしていき、210℃で酸素濃度が1.0×104ppm、270℃で2.5×102ppm、330℃で8.0×10-1ppmとなるようにしたものである。
熱処理の降温時の酸素濃度パターンは、熱処理の温度に対する酸素濃度が昇温時と同じであるようにした。
次に、ニッケル、錫の電解めっきを順次行い導電性樹脂層の上に金属層を形成し外部電極を設け、6.3V1μFの積層セラミックコンデンサを作製した。
(実施例2〜実施例5)
実施例2〜実施例5は、導電性ペーストの熱処理の酸素濃度パターンが実施例1と異なる以外は、実施例1と同様に作製した。
熱処理の最高温度は実施例1と同じ330℃である。
実施例2〜実施例5は、酸素濃度パターンは温度270℃の昇温まで実施例1と同じであり、温度270℃より高い温度では夫々異なるようにした。
実施例2の酸素濃度は、270℃より高い温度において2.5×102ppmの一定に保った。
実施例3は、270℃より高い温度では緩やかに酸素濃度を小さくしていき、330℃において1.0×102ppmとした。実施例4、実施例5は、330℃において夫々2.1×10-3ppm、1.0×10-4ppmとした。
(実施例6、実施例7)
実施例6、実施例7は、導電性ペーストの熱処理の温度パターン、酸素濃度パターンが実施例1と異なる以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例6、実施例7の熱処理の温度パターンは、最高温度は実施例1より低い270℃であり、常温から毎分3℃〜60℃の温度勾配で最高温度まで昇温した後、最高温度を60分〜180分保持し、毎分3℃〜60℃の温度勾配で常温まで降温し冷却したものである。
酸素濃度パターンは、実施例6は、常温の大気雰囲気から指数的に小さくしていき210℃で2.5×102ppm、270℃で1.0×10-4ppmになるようにした。実施例7は、210℃で1.0×104ppm、270℃で2.5×102ppmになるようにした。
(比較例1〜比較例5)
比較例1、比較例2は、実施例6と導電性ペーストの熱処理における酸素濃度パターンが異なる以外は実施例6と同様に作製した。
比較例1、比較例2の酸素濃度パターンは、常温から210℃まで実施例6と同じであり210℃で2.5×102ppmとして、さらに比較例1は270℃で4×10-6ppm、比較例2は3.0×10-5ppmとなるようにした。
比較例3〜比較例5は、実施例7と導電性ペーストの熱処理における酸素濃度パターンが異なる以外は実施例7と同様に作製した。
比較例3、比較例4の酸素濃度パターンは、常温から210℃まで実施例7と同じであり、210℃で1.0×104ppmとして、さらに比較例3は270℃で5.0×102ppm、比較例4は1.0×103ppmとなるようにした。比較例5は大気雰囲気で熱処理をした。
次に、実施例1〜実施例7及び比較例1〜比較例5の積層セラミックコンデンサについて、夫々300個の試料を測定し、初期の絶縁抵抗値の平均値を算出した。
さらに、初期の絶縁抵抗値が1.0×108Ω以上となるものを選別し、夫々500個の試料について温度85℃湿度85%、定格電圧6.3V印加の高温高湿負荷試験を1000時間行い、試験後の絶縁抵抗値が5.0×106Ωより小さいものを異常とし絶縁抵抗値の不具合率を算出した。
その結果を表1に示す。
Figure 0005266874
この表1に示されるように、実施例1〜実施例7は、初期の絶縁抵抗値は1.8×109Ω〜2.2×109Ωであり、高温高湿負荷試験の不具合率は0.0%であり、良好なものであった。
一方、比較例1、比較例2は、初期の絶縁抵抗値は夫々6.4×107Ω、7.9×108Ωであり実施例1〜実施例7に比べると低くなっている。このように導電性ペーストを硬化する熱処理における最高温度のときに酸素濃度が1.0×10-4ppmより小さくなると、積層セラミックコンデンサの初期の絶縁抵抗の劣化が生じ、酸素濃度が小さいほど絶縁抵抗の劣化が大きくなっている。
また、比較例3〜比較例5は、高温高湿負荷試験の不具合率が夫々3.0%、8.4%、25.0%であり実施例1〜実施例7に比べると大きくなっている。このように導電性ペーストを硬化する熱処理における最高温度のときに酸素濃度が2.5×102ppmより大きくなると、高温高湿負荷試験の不具合率が高くなり、酸素濃度が大きくなるほど不具合率が悪化している。
以上のように、導電性ペーストを硬化する熱処理における最高温度のとき酸素濃度が10-4ppm以上から2.5×102ppm以下であることにより、積層セラミックコンデンサの初期の絶縁抵抗が高く、かつ高温高湿負荷試験での絶縁抵抗の不具合発生を低減することができる。
(実施例8)
実施例8は、導電性ペーストの熱処理の酸素濃度パターンが実施例1と異なる以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例8の熱処理の温度パターンは、実施例1と同じであり最高温度は330℃である。
熱処理の昇温時の酸素濃度パターンは、常温の大気雰囲気から指数的に小さくしていき210℃で8.0×10-1ppmになるようにし、これより高い温度では酸素濃度を8.0×10-1ppmの一定にした。
次に、実施例8について実施例1と同様に温度85℃、湿度85%、定格電圧6.3V印加の高温高湿負荷試験を1000時間行った。さらに実施例1、実施例8について高温高湿負荷試験の試験時間を2000時間行い絶縁抵抗値の不具合率を算出した。
その結果を表2に示す。
Figure 0005266874
表2に示されるように、実施例1と実施例8は、高温高湿負荷試験を2000時間行った後の不具合率は夫々0.3%、0.0%であった。
実施例1と実施例8は、熱処理の最高温度での酸素濃度は8.0×10-1ppmで同じであるが、実施例8は、酸素濃度が8.0×10-1ppmである温度をガラス転移温度から最高温度の範囲にしたものであり、これによって高温高湿負荷試験における絶縁抵抗劣化が長時間において生じ難くできている。
(実施例9〜実施例12)
実施例9〜実施例12は、導電性ペーストの熱処理の温度パターンと酸素濃度パターンが実施例1と異なる以外は、実施例1と同様に作製した。
実施例9〜実施例12の最高温度は夫々300℃、330℃、350℃、270℃であり、最高温度における酸素濃度は実施例1と同じ8.0×10-1ppmである。
熱処理の温度パターンは、常温から毎分7℃〜60℃の温度勾配で最高温度まで昇温した後、最高温度を10分〜60分保持し、毎分7℃〜60℃の温度勾配で常温まで降温し冷却したものである。
酸素濃度パターンは、実施例9〜実施例11は、常温で大気雰囲気から210℃で1.0×104ppm、270℃で2.5×102ppm、300℃で8.0×10-1ppmになるようにし、300℃以上で8.0×10-1ppmに一定に保った。
実施例12は、210℃で2.5×102ppmにして270℃で8.0×10-1ppmとした。
実施例9〜実施例12はいずれも、初期の絶縁抵抗値の平均値は1.9×109Ω以上であり、また温度85℃、湿度85%、定格電圧6.3V印加の高温高湿負荷試験を1000時間の不具合率は0.0%で良好であった。
次に、実施例9〜実施例12、比較例6の夫々500個の試料について、初期の静電容量を測定し静電容量のバラツキを算出した。静電容量のバラツキは静電容量の標準偏差値σを静電容量の平均値で割ったものである。
その結果を表3に示す。
Figure 0005266874
表3に示されるように、実施例9〜実施例12、比較例6の静電容量のバラツキは夫々0.019、0.012、0.011、0.055、0.056であった。
熱処理の最高温度は、実施例12、比較例6は270℃であることに対し、実施例9〜実施例11は炭化開始する温度の近傍の温度300℃〜350℃であり、このように熱処理の最高温度を炭化開始する温度の近傍に設けることにより、高温高湿負荷試験における絶縁抵抗劣化を低減しながら、内部導体の各層と導電性樹脂層との電気的接合を向上でき静電容量のバラツキを小さくできる。
本発明にかかるセラミック電子部品の製造方法によれば、導電性ペーストを硬化する熱処理の際に、導電性樹脂層の熱硬化性樹脂と金属粉末との密着性を損なうことがないので、セラミック電子部品として絶縁抵抗が優れ、高い信頼性を得ることができるので、各種電子機器や電気回路において、極めて有用なものである。
本発明の実施の形態における積層セラミックコンデンサの断面図 本発明の実施の形態における導電性ペーストを硬化する熱処理の時間と温度、酸素濃度を示す図 本発明の実施の形態における導電性ペーストの熱重量測定のTG曲線を示す図
符号の説明
1 セラミック層
2 内部導体
3 セラミック素体
4 外部電極
5 導電性樹脂層
6 下地電極
7 金属層
8 保護層

Claims (2)

  1. 内部導体を有するセラミック素体に外部電極を設けたセラミック電子部品の製造方法であって、前記外部電極は導電性樹脂層を有し、前記導電性樹脂層を形成する工程は金属粉末と熱硬化性樹脂とを含む導電性ペーストを塗布した後、前記導電性ペーストを熱処理により硬化するものであって、前記熱処理における少なくとも最高温度のとき酸素濃度は10-4ppm以上から2.5×102ppm以下であり、前記最高温度は、前記熱硬化性樹脂が炭化開始する温度近傍であるセラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記酸素濃度が10-4ppm以上から2.5×102ppm以下である温度は、少なくとも前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度から前記最高温度である請求項1に記載のセラミック電子部品の製造方法。
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